JP2008192349A - 燃料電池システム - Google Patents

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Abstract

【課題】燃料電池の氷点下での起動時の凍結を防止しつつ、起動性を向上させる。
【解決手段】燃料電池の各セルの、発電反応において水が生成される側の第1電極の、電解質と接する面とは反対の面側に配置されるセパレータには、第1電極に相対する面に形成された反応剤を流通させる反応剤流路と、反応剤流路が形成された面とは反対側の面に、前記反応剤の流れに対して上流側となる第1領域と、前記第1領域よりも下流側となる第2領域の、少なくとも2つの領域に区画されて形成された、冷却媒体を流通させる冷却媒体流路とが形成される。この燃料電池が氷点下で運転される場合に、第1領域の冷却媒体流路内の冷却媒体の流通量が、第2領域の冷却媒体流路内の冷却媒体の流通量より多くなるように制御される。
【選択図】図3

Description

この発明は燃料電池システムに関する。更に具体的には、燃料電池の発電反応において水が生成される燃料電池のシステムとして好適なものである。
燃料電池が氷点下で起動される場合、反応ガス流路内で生成水等の水分が結露したり凍結したりする場合がある。その結果、燃料電池の電極領域への反応ガスの供給が妨げられることとなり、起動に長時間を要したり、起動の不良が生じたりする場合がある。これに対し、特開2006−179233号公報では、セパレータに被覆させた燃焼触媒により酸素と燃料とによる燃焼反応を生じさせ、この反応熱により燃料電池起動時の水分の凍結等を防止している。
具体的に、上記従来技術では、燃焼触媒がセパレータの燃料ガス流路が形成された面側の燃料ガス流路出口付近の非電極領域(つまり膜-電極接合体設置箇所以外の領域)に配置されている。この燃焼触媒は燃料と酸素との燃焼反応を促進する触媒である。ここで、燃料電池の停止中、燃料ガス流路内にはカソード極側からのクロスリークにより、酸素が侵入する。このため燃料電池の起動時、燃料ガス流路内にはある程度酸素が存在する状態となっている。従って、燃料電池の起動時に燃料ガス流路内に燃料ガスが供給されると、燃料ガス流路内には酸素と燃料ガスとが混在する状態となり、燃焼触媒において燃焼反応が起こることとなる。燃焼触媒において発生した反応熱は、燃料ガス流路全体あるいは対向するセパレータの酸素流路側に伝達される。その結果、燃料ガス流路の凍結が防止される。これにより上記従来技術によれば、氷点下での起動においても起動性を向上させることができるとしている。
特開2006−179233号公報 特開2004−103477号公報 特開平8−329960号公報 特開2000−208153号公報
しかし、燃焼触媒は酸素と燃料とを燃焼反応させる触媒であるため、セパレータの電極に相対する電極領域には設置することができない。従って、燃焼反応による十分な発熱を確保するためには、セパレータの電極領域の外部に、燃焼触媒を被覆する領域をある程度広く確保する必要がある。従って、燃料電池の小型化において制限となることが考えられる。
また、燃焼触媒は、燃料ガス流路に酸素が存在する状態で、燃料が供給された場合に、自動的にその燃焼反応を促進して発熱させるものである。従って、燃料電池の起動が低温での起動となるか否かに拘わらず、起動時に燃料ガス流路内に酸素がリークしていれば、燃焼反応が起きることとなる。このため、燃料電池の起動時の環境に応じて燃焼による温度上昇を制御することができず、場合によっては起動時の発熱量が大きくなり、燃料電池の温度が過度に上昇することが考えられる。
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、燃料電池の氷点下での起動における水分の凍結を効果的に抑制し、起動性を向上させるように改良した燃料電池システムを提供することを目的とする。
第1の発明は、上記の目的を達成するため、燃料電池システムであって、
電解質と、
前記電解質に接して配置され、燃料電池の発電における反応において水が生成される側の第1電極と、
前記電解質の、前記第1電極とは反対側の面に配置された第2電極と、
前記第1電極の前記電解質と接する面とは反対の面側に配置されたセパレータであって、かつ、
該セパレータの前記第1電極に相対する面に形成され、反応剤を流通させる反応剤流路と、
該セパレータの該反応剤流路が形成された面とは反対側の面に、該反応剤の流れに対して上流側となる第1領域と、該第1領域よりも下流側となる第2領域の、少なくとも2つの領域に区画されて形成された、冷却媒体を流通させる冷却媒体流路と、を有するセパレータと、
燃料電池が氷点下で運転される場合に、前記第1領域の前記冷却媒体流路内の冷却媒体の流通量が、前記第2領域の前記冷却媒体流路内の冷却媒体の流通量より多くなるように制御する冷却媒体制御手段と、
を備える。
第2の発明は、第1の発明において、
前記冷却媒体流路は、前記第1領域と、前記第2領域と、両領域の間に位置する第3領域と、に区画され、
前記冷却媒体制御手段は、燃料電池が氷点下で運転される場合に、前記第3領域の前記冷却媒体流路内の冷却媒体の流通量が、前記第1領域の前記冷却媒体流路内の冷却媒体の流通量より少なく、前記第2領域の前記冷却媒体流路内の冷却媒体の流通量より多くなるように制御する。
第3の発明は、第2の発明において、前記冷却媒体制御手段は、前記冷却媒体流路の、前記第1領域と、前記第3領域と、前記第2領域における、冷却媒体の流通量の割合を、3:2:1とする。
第4の発明は、第1から第3のいずれかの発明において、
前記第2領域における前記冷却媒体流路内に、大気を混合させる大気経路と、
燃料電池が氷点下で運転される場合に、前記大気経路から、前記冷却媒体流路内に大気を混合させる大気制御手段と、
を更に備える。
第5の発明は、上記の目的を達成するため、燃料電池システムであって、
電解質と、
前記電解質に接して配置され、燃料電池の発電における反応において水が生成される側の第1電極と、
前記電解質の、前記第1電極とは反対側の面に配置された第2電極と、
前記第1電極の前記電解質と接する面とは反対の面側に配置されたセパレータであって、かつ、
該セパレータの前記第1電極に相対する面に形成され、反応剤を流通させる反応剤流路と、
該セパレータの該反応剤流路が形成された面とは反対側の面に、該反応剤の流れに対して上流側となる第1領域と、該第1領域よりも下流側となる第2領域の、少なくとも2つの領域に区画されて形成された、冷却媒体を流通させる冷却媒体流路と、を有するセパレータと、
前記第2領域における前記冷却媒体流路内に、大気を混合させる大気経路と、
前記燃料電池が氷点下で運転される場合に、前記大気経路から、前記第2領域における前記冷却媒体流路内に大気を混合させる大気制御手段と、
を備える。
第1の発明によれば、冷却媒体流路が反応剤の流れに対して上流側となる第1領域と、第1領域よりも下流側となる第2領域の、少なくとも2つの領域に区画され、燃料電池が氷点下で運転される場合には、第1領域の冷却媒体流路内の冷却媒体流通量が、第2領域の冷却媒体流路内の冷却媒体流通量より多くなるように制御される。これにより、氷点下での起動時に、水が生成されて凍結しやすい反応剤流路下流側の冷却媒体の量が少なくなる。このため下流側における反応剤流路の放熱が抑えられ、発電を下流側に集中させることができる。従って、下流側での水分の凍結を防止しつつ、発電反応(発熱反応)を下流側から上流側に次第に拡大するようにして起電することができるため、発電可能面積を確保して燃料電池の起動性を向上させることができる。
第2及び第3の発明によれば、冷却媒体流路は、第1領域と第2領域と、両領域の間に位置する第3領域とに区画され、第3領域の冷却媒体流路内の冷却媒体流通量は、第1領域より少なく、第2領域より多くなるように制御される。これにより、燃料電池の氷点下での起動時に、反応剤流路の下流側に行くに連れて冷却媒体の量が少なくなる設定とすることができる。従って、起動時の下流側での水分の凍結を防止しつつ、下流側に発電を集中させて、下流側から円滑に燃料電池の起動を行うことができる。
第4発明によれば、燃料電池が氷点下で運転される場合に、第2領域における冷却媒体流路内に大気が混合するように制御される。これにより、第2領域における冷却媒体による冷却の割合を減少させることができ、効率的に下流側に発電を集中させて、下流側からの円滑な燃料電池の起動を行うことができる。
第5の発明によれば、冷却媒体流路は、反応剤の流れに対して上流側となる第1領域と、第1領域よりも下流側となる第2領域の、少なくとも2つの領域に区画され、燃料電池が氷点下で運転される場合には、第2領域における冷却媒体流路内に大気が混合するように制御される。これにより、第2領域における冷却水による冷却の割合を減少させることができ、効率的に下流側に発電を集中させて、下流側からの円滑な燃料電池の起動を行うことができる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。なお、各図において、同一または相当する部分には同一符号を付してその説明を簡略化ないし省略する。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1における燃料電池システムを説明するための模式図である。図1に示すシステムは、燃料電池2を備えている。燃料電池2は積層された複数のセル10を備えている。積層されたセル10の積層方向の両端側には、ターミナルやインシュレータ(図示せず)を介してエンドプレート12が配置されている。燃料電池2は、エンドプレート12の外側から締結部材(図示せず)によって、所定の締結圧力で締め付けられている。
燃料電池2に形成された水素導入口(H2In)には水素供給経路(図示せず)が接続されている。外部の水素供給源(図示せず)から供給される燃料としての水素が水素供給経路を介して水素導入口から燃料電池2内に供給される。水素導入口から供給された水素は、燃料電池2内部の水素供給マニホールドを通り、各セル10の水素流路内に流入する。一方、水素排出口(H2Out)には、水素循環経路(図示せず)が接続されている。各セル10の水素流路から排出された水素オフガスは、水素排出口(H2Out)に接続された水素循環経路を通過し、再び水素供給経路に合流する。
燃料電池2に形成された酸素導入口(O2In)は、外部から大気を導入して燃料電池2内の酸素を供給するための酸素供給経路に接続されている。酸素供給経路から供給された酸素は、酸素導入口から燃料電池2内に供給され、燃料電池2内の酸素供給マニホールドを通り、各セル10の酸素流路に供給される。一方、各セル10の酸素流路から排出された酸素オフガスは、酸素排出口(O2Out)に接続された酸素排出経路を通過して外部に放出される。
燃料電池2は、後述するように、3つの冷却水(冷却媒体)導入口と、冷却水排出口を有している。各冷却水導入口及び冷却水排出口には、冷却水を燃料電池2内に循環して供給するための冷却水循環経路14が接続されている。冷却水循環経路14は、各冷却水導入口付近の分岐点において3つの配管14a、14b、14cに分岐し、各配管14a、14b、14cのそれぞれが、燃料電池2の3つの冷却水導入口のそれぞれに接続されている。配管14a、14b、14cのそれぞれには、その配管を開閉し、かつ開放時の冷却水の流通面積を調整できるバルブ16a、16b、16cが設置されている。
冷却水循環経路14の冷却水排出口付近には、水温センサ18が配置されている。水温センサは、冷却水排出口から排出される冷却水の水温に応じた出力を発するセンサである。また、図示を省略するが、必要に応じて、冷却水循環経路14の、冷却水排出口との接続部と冷却水循環経路14が各配管14a、14b、14cに分岐する分岐部との間の部分には、冷却水を冷却するためのラジエターや、これをバイパスするためのバイパス管等が必要に応じて配置される。
この燃料電池システムは、制御装置としてのECU(Electronic Control Unit)4を備えている。ECU4は、水温センサ18や燃料電池の各種のセンサの出力を受けて内燃機関の運転状態に関する情報を検出すると共に、燃料電池2の運転に関する制御信号を発することで、燃料電池2の運転を制御する。具体的に、図1のシステムでは、例えば燃料電池2のバルブ16a、16b、16cのそれぞれに制御信号を発することで各バルブ16a、16b、16cの開閉状態を制御する。
図2は、この発明の実施の形態における各セル10の構成について説明するための断面模式図である。図2において、セル10は、プロトンを移動させる性質を有する固体高分子型電解質膜(電解質)と、その両側に配置された一対の電極(第1電極及び第2電極)とからなる、膜―電極接合体(MEA;Membrane Electrode Assembly)20を有している。MEA20の両側には供給された各反応剤(ここでは水素及び酸素)を律速して各電極に拡散させる機能を有する拡散層22がそれぞれ配置されている。
MEA20のアノード極(第2電極)側の拡散層22に相対するように、セパレータの水素流路形成面24が配置されている。セパレータの水素流路形成面24には、アノード極全面に水素を供給するための水素流路が溝状に形成されている。MEA20のカソード極(第1電極)側の拡散層22に相対するように、セパレータの酸素流路形成面26が配置されている。セパレータの酸素流路形成面26には、カソード極全面に酸素を供給するための酸素流路(反応剤流路)が溝状に形成されている。セパレータの酸素流路形成面26の拡散層22とは反対側に、セパレータの冷却水流路形成面30が配置されている。冷却水流路形成面30には冷却水を流通させる冷却水流路(冷却媒体流路)が溝状に形成されている。
図2においては説明の簡略化のため、水素流路は、紙面上側を上流とし、図2の-Y方向に下方に水素が流通するように形成されている。一方、酸素流路は、紙面下側を上流としY方向に酸素が流通するように形成されている。冷却水流路は、酸素流路の流れに対して垂直なz方向(図2では紙面に対して垂直な方向)に3つの領域に区分けされている。具体的には、冷却水流路は酸素流路の最上流側を含む上流側部分に相対する上流領域30a(第1領域)の冷却水流路と、カソード極の最下流側を含む下流側部分に相対する下流領域30c(第2領域)の冷却水流路と、第1領域と第2領域との間の中間領域30b(第3領域)の冷却水流路とに分けられている。
第1領域30aの冷却水流路は上流側において、セパレータの上流入口孔に接続している。中間領域30bの冷却水流路の上流側は中間入口孔に接続している。下流領域30cの冷却水流路は下流入口孔に接続されている。上流入口孔、中間入口孔、下流入口孔は、各領域30a、30b、30cの冷却水流路の入口となっている。各領域30a、30b、30cの冷却水流路は最下流側において合流し、冷却水出口孔に接続される。冷却水出口孔は冷却水流路の出口となる。
冷却水流路の上流入口孔、中間入口孔、下流入口孔、及び冷却水出口孔は、水素流路形成面24や酸素流路形成面26を含むセパレータ全体を貫通するように形成されている。従って、燃料電池2に示すように各セル10が積層されると隣接するセル10のセパレータの各入口孔、及び出口孔が、それぞれ互いに連結する。その結果、上流入口孔が連結して燃料電池2を貫通し、上流領域30aの冷却水流路に冷却水を供給する上流マニホールドが構成される。同様に、中間入口孔、下流入口孔がそれぞれ連結することで、中間領域30b又は下流領域30cの冷却水流路に冷却水を供給する中間マニホールド及び下流マニホールドが構成される。更に、冷却水出口孔が連結されることで、排出マニホールドが構成される。
このように構成された上流、中間、及び下流マニホールドは、それぞれ、燃料電池2のエンドプレート12の冷却水導入口において配管14a、14b、14cに接続される。各マニホールドには、それぞれが接続された各配管14a、14b、14cから冷却水が供給される。排出マニホールドの下流側出口は燃料電池2のエンドプレート12の冷却水排出口において、冷却水循環経路に接続される。排出マニホールドから排出された冷却水は、冷却水循環経路14を通って再び上流側から燃料電池2に流通する。
この燃料電池システムにおいては、配管14a、14b、14cから供給される冷却水の量を、バルブ16a、16b、16cの開閉によってそれぞれ制御することができる。配管14a、14b、14cからの冷却水流量が制御されることで、各セル10の上流領域30a、中間領域30b、下流領域30cのそれぞれの冷却水流路内に流れ込む冷却水流量が制御される。
図3は、燃料電池2の氷点下での起動時の制御の状態を説明するための図である。図3において、紙面下方から上方に向けた実線の矢印(O2)は、酸素流路内の酸素の流れる方向を表し、紙面上方から紙面下方に向けた実線の矢印(H2)は、水素流路内の水素の流れる方向を表している。また、上記のように、冷却水流路は、酸素流路の流れに対して垂直(図3では紙面横方向)に形成され、更に、酸素流路の上流、中流、下流側に対応する、上流領域30a、中間領域30b、下流領域30cに区画されている。それぞれの領域30a〜30cの冷却水流路に供給される冷却水の割合は、各配管14a〜14cのバルブ16a〜cにより制御される。
ところで、燃料電池2の各セル10での発電反応においては、アノード極に供給された水素が電極中で水素イオンとなって、電解質膜を通過してカソード極に到達する。カソード極に到達した水素イオンは酸素と反応し、カソード極側には水が生成される。このようにカソード極においては、燃料電池2の発電反応の結果、水分が生成される。
ここで、従来の燃料電池においては、氷点下での起動の際発電をカソード極の上流側あるいは中央付近に集中させるものがある。しかし、燃料電池2の起動が氷点下となる場合に、カソード極上流や中央付近に発電が集中すると、その発電により生成された水分が、下流側に流れ、下流側で凍結し酸素流路を塞ぐ場合がある。このような場合、酸素流路への酸素の供給が妨げられることとなり、発電不良などの原因となる。
これに対して、実施の形態1の燃料電池システムでは、燃料電池2が氷点下で起動される場合には、まず下流側に発電を集中させその反応熱を上流側に伝え、徐々に発電反応が上流側に広がるようにする。このため、起動時には酸素流路の下流側の放熱量を減少させるべく、下流領域30cの冷却水の流量X3が上流側の領域よりも少なくなるように制御する。具体的に、実施の形態1の燃料電池システムでは、上流領域30aの流路内の冷却水流量X1、中間領域30bの流路内の冷却水流量X2、下流領域30cの冷却水流量X3の割合は、次式(1)のように設定される。
X1:X2:X3=3:2:1 ・・・・(1)
これによれば、下流領域30cの冷却水流路の流量X3が他の領域の流量X1、X2に比べて少なくなっている。従って、下流領域30cに対応するカソード極の下流での冷却水による放熱が抑制される。その結果、図3に示すように、起動時に酸素流路の出口側ほど昇温速度が速くなり、発電が酸素流路の下流側に集中する。これにより、特に酸素流路の下流側で発生しやすい水分の凍結が防止される。発電反応による発熱は、下流側から次第に上流側に広がり、これに伴って燃料電池2の発電も図中の矢印Aに示すように、カソード極の上流側に次第に拡大していくこととなる。その後、冷却水の温度が氷点以上となり氷点突破が確認された場合には、冷却水流量は通常の通り(ここでは、X1:X2:X3=1:1:1)に設定され、通常の運転に戻される。
図4は、この発明の実施の形態1においてECUが実行する制御のルーチンについて説明するためのフローチャートである。図4に示すルーチンは、所定時間ごとに繰り返し実行されるものである。図4のルーチンにおいては、まず、燃料電池2の起動指令が出されたか否かが判断される(S102)。ステップS102において、燃料電池2の起動指令が認められない場合には、今回の処理は終了する。
一方、ステップS102において燃料電池2の起動指令が認められた場合、氷点下での起動となるか否かが判定される(S104)。具体的には水温センサ18の出力に基づいて冷却水の温度を検出し、冷却水温≦氷点が成立するか否かに基づいて判定される。ステップS104において、氷点下での起動であることが認められない場合には、今回の処理は終了する。
一方、ステップS104において、氷点下での起動であることが認められると、次に、冷却水の流量の制御が行われる(S106)。具体的には、ECU4から各バルブ16a、16b、16cにそれぞれ制御信号が発生され、氷点下起動時のバルブ開度に設定される。その結果、上流領域30a、中間領域30b、下流領域30cのそれぞれにおける冷却水流量の割合が、X1:X2:X3=3:2:1となる。なお、氷点下での起動時の開度は、予めECU4に記憶されている。
次に、冷却水の水温が氷点より高くなったかが判定される(S108)。具体的には、水温センサ18の出力に基づいて冷却水の温度を検出し冷却水温>氷点が成立するか否かが判定される。ステップS108において冷却水温が氷点より高くなったことが認められない場合、ステップS108の判定処理は、冷却水温>氷点の成立が認められるまで所定時間ごとに繰り返し行われる。一方、ステップS108において冷却水温>氷点の成立が認められた場合、今回の処理が終了する。
なお、実施の形態1では、水温センサ18により冷却水排出口付近の水温を検出し、この水温が氷点より高くなった場合に、直ちに流量の割合を通常運転時の流量の割合に制御する場合について説明した。しかし、この発明はこれに限るものではなく、例えば、上流領域30a、中間領域30b、下流領域30cの冷却水流路の再下流にそれぞれ水温センサを設置し、このセンサにより各領域における冷却水流路中の水温を検出することもできる。
このように領域ごとに水温を検出するようにする場合、例えば、次のような制御を行うことができる。即ち、氷点下での起動時の制御において、下流領域の流量が大きくなるように設定した後、下流領域30cの冷却水の水温が氷点より高くなったことが認められると、中間領域30bの冷却水流量の割合を小さくし、下流領域30cの流量の割合を大きくする。更に、中間領域30bの水温が氷点より高くなった場合に、中間領域30bの冷却水流量の割合を増加させ、上流領域30aの冷却水流量の割合を小さくし、各領域の冷却水流量の比率が均等(X1:X2:X3=1:1:1)になるようにして、通常の燃料電池2の運転が行われるようにする。
なお、このような各領域の温度検出のためのセンサは、セル10ごとに設定してもよく、複数のセル10のグループごとに設定してもよい。また、各領域の冷却水流路下流側をセル内で合流させず、入口側と同様の構成として、3つの排出マニホールドに分かれた状態で排出されるように設計し、各排出マニホールドあるいはこれに接続される冷却水循環経路の配管にそれぞれ、水温センサを配置するようにしてもよい。
また、実施の形態1においては、酸素流路と垂直な方向に冷却水流路を設ける場合について説明した。しかし、この発明において、酸素流路と冷却水流路との関係はこれに限るものではない。この発明においては、冷却水流路が、酸素流路の上流側と下流側の領域に区分され、それぞれの流路内を流れる冷却水の量が制御できるようになっていればよい。また、水素流路についても、実施の形態1ではその入口方向から出口方向を繋ぐ全体の流れのみを便宜的に示しているが、実際の流路の形状はこれに限定されるものではなく、例えばセパレータの面内で流路が蛇行しているものなどであってもよい。
また、実施の形態1では、冷却水流路が3つの領域30a〜cの流路に分割され、下流側において合流している場合について説明した。しかし、この発明において冷却水流路形状はこれに限るものではなく、例えば、下流側においても3つの流路に分かれたまま、別々の排出マニホールドに冷却水が排出されるように構成してもよい。また、氷点下での起動時に、下流側の流量を少なくできるものであれば、冷却水流路は各領域に分割されていないものであってもよい。
また、実施の形態1では、冷却媒体として冷却水を用いる場合について説明した。しかし、この発明はこれに限るものではなく、燃料電池の発電反応において生じる熱を効率よく冷却できるものであれば、他の冷却媒体を用いるものであってもよい。
また、実施の形態1は、プロトンを移動させる電解質を用いた固体高分子型の燃料電池2について説明した。この場合、燃料電池2では、水が酸素流路側に生成されるため、冷却水の領域を酸素流路の流れに沿って、上流領域、中間領域、下流領域に区分する場合について説明した。しかし、この発明において、燃料電池はこれに限るものではなく、例えば、アノード極側に水が生成される場合には、アノード極側の燃料ガスの流路の流れに沿って、上流領域、中間領域、下流領域、に区分すればよい。これにより、アノード側における凍結を防止することができる。
また、実施の形態1では、冷却水流路を3つの領域に区分した場合について説明した。しかし、この発明において、冷却水流路は、少なくとも下流側と上流側の2つの領域に分けられていればよく、この場合にも、下流側からの起動を促すことができる。また、4以上の領域に分けることもでき、これによって冷却水流量をより細かく制御することができ、より円滑に下流側から上流側に発電を拡大することができる。
実施の形態2.
図5は、この発明の実施の形態2における燃料電池について説明するための模式図である。図5に示す燃料電池システムは、図1の燃料電池システムに加えて、更に、冷却水循環経路14内に大気を供給あるいは排出できる経路を有している点を除いて、図1の燃料電池システムと同様の構成を有している。
具体的に、燃料電池システムにおいて、各セル10の下流領域30cの冷却水流路に冷却水を供給する配管14cに接続して、大気導入経路40(大気経路)が設けられている。大気導入経路40の上流側には、バルブ42が設置されている。バルブ42の開閉は、ECU4からの制御信号によって制御される。バルブ42が所定の開度に開放されることで、その開度に応じた量の大気が、大気導入経路40から配管14cに供給され、各セル10の冷却水流路に供給される。
一方、冷却水排出口付近の循環経路14dには、この循環経路とは分岐するようにして大気排出経路44が接続されている。大気排出経路44にはバルブ46が設置されている。バルブ46の開閉は、ECU4からの制御信号によって制御される。バルブ46が開放されている状態においては、循環経路14d内に導入された大気を、排出経路44を介して外部に排出することができる。
燃料電池2の氷点下での起動の際には、各領域30a、30b、30cの冷却水流路に流通させる流量の制御と共に、バルブ44を開放して下流領域30cの冷却水流路には大気が導入されるようにする。その結果、混入された大気によって冷却水による放熱の効果が低下する。従って、下流領域30cでの放熱量を更に小さくすることができる。従って、酸素流路の下流側をより早くに昇温することができる。
なお、バルブ42を開放して大気を導入している間、循環経路14dに分岐して設けられた大気排出経路44のバルブ46を開放した状態として大気を排出する。従って、大気導入経路40から導入された大気は、循環されることなく、大気排出経路44から外部に排出される。従って、上流領域30a又は中間領域30bの冷却水流路内への大気の混入を防止することができる。
ここで配管14c内に導入する大気の量は、燃料電池2の発電が進むに連れて少なくなるように設定する。つまり、バルブ42の開度を小さくしていくことで混入する大気の量を次第に減らす。冷却水出口付近の冷却水の温度が氷点より高くなった場合、あるいは領域ごとの冷却水温が検出できる場合には下流領域30cでの冷却水温が氷点より高くなった場合に、バルブ42、バルブ46が閉鎖された状態とされ、大気の導入が中止される。
なお、この実施の形態2では、各冷却水流路の流量の比率を1:2:3とし、更に、下流領域30cの冷却水流路に大気を混入させる場合について説明した。しかし、この発明はこれに限るものではない。例えば、実施の形態2によれば、冷却水流路への大気混入により十分に放熱効果を低下させることができるため、各領域の流路中の流量比率は、同じ比率としてもよい。
また、実施の形態2では、下流領域30cにのみ大気が導入されるように、配管14cにのみ大気導入経路を接続する構成とした。しかし、この発明はこれに限るものではなく、例えば、中間領域30bに大気を導入するべく、配管14bにも大気導入経路を設けることとしてもよい。この場合、下流領域30cと中間領域30b側とで導入する大気の量を調整することにより、確実に凍結を防止しつつ、より円滑に下流側から上流側に発電を拡大するように起動することができる。
以上の実施の形態において各要素の個数、数量、量、範囲等の数に言及した場合、特に明示した場合や原理的に明らかにその数に特定される場合を除いて、その言及した数に限定されるものではない。また、実施の形態において説明する構造や、方法におけるステップ等は、特に明示した場合や明らかに原理的にそれに特定される場合を除いて、この発明に必ずしも必須のものではない。
この発明の実施の形態1における燃料電池システムの構成について説明するための模式図である。 この発明の実施の形態1における燃料電池のセルの構成について説明するための断面模式図である。 この発明の実施の形態1における燃料電池の起動時の発電状態について説明するための図である。 この発明の実施の形態1において、システムが実行する制御のルーチンについて説明するためのフローチャートである。 この発明の実施の形態2における燃料電システムの構成について説明するための模式図である。
符号の説明
2 燃料電池
4 ECU
10 セル
12 エンドプレート
14 冷却水循環経路
14a、14b、14c 配管
14d 循環経路
16a 上流バルブ
16b 中間バルブ
16c 下流バルブ
18 水温センサ
20 MEA
22 拡散層
24 セパレータ(水素流路形成面)
26 セパレータ(酸素流路形成面)
28 セパレータ(冷却水流路形成面)
30a 上流領域
30b 中間領域
30c 下流領域
40 大気導入経路
42 バルブ
44 大気排出経路
46 バルブ

Claims (5)

  1. 電解質と、
    前記電解質に接して配置され、燃料電池の発電における反応において水が生成される側の第1電極と、
    前記電解質の、前記第1電極とは反対側の面に配置された第2電極と、
    前記第1電極の前記電解質と接する面とは反対の面側に配置されたセパレータであって、かつ、
    該セパレータの前記第1電極に相対する面に形成され、反応剤を流通させる反応剤流路と、
    該セパレータの該反応剤流路が形成された面とは反対側の面に、該反応剤の流れに対して上流側となる第1領域と、該第1領域よりも下流側となる第2領域の、少なくとも2つの領域に区画されて形成された、冷却媒体を流通させる冷却媒体流路と、を有するセパレータと、
    燃料電池が氷点下で運転される場合に、前記第1領域の前記冷却媒体流路内の冷却媒体の流通量が、前記第2領域の前記冷却媒体流路内の冷却媒体の流通量より多くなるように制御する冷却媒体制御手段と、
    を備えることを特徴とする燃料電池システム。
  2. 前記冷却媒体流路は、前記第1領域と、前記第2領域と、両領域の間に位置する第3領域と、に区画され、
    前記冷却媒体制御手段は、燃料電池が氷点下で運転される場合に、前記第3領域の冷却媒体の前記冷却媒体流路内の冷却媒体の流通量が、前記第1領域の前記冷却媒体流路内の冷却媒体の流通量より少なく、前記第2領域の前記冷却媒体流路内の冷却媒体の流通量より多くなるように制御することを特徴とする燃料電池システム。
  3. 前記冷却媒体制御手段は、前記冷却媒体流路の、前記第1領域と、前記第3領域と、前記第2領域における、冷却媒体の流通量の割合を、3:2:1とすることを特徴とする請求項2に記載の燃料電池システム。
  4. 前記第2領域における前記冷却媒体流路内に、大気を混合させる大気経路と、
    燃料電池が氷点下で運転される場合に、前記大気経路から、前記冷却媒体流路内に大気を混合させる大気制御手段と、
    を更に備えることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の燃料電池システム。
  5. 電解質と、
    前記電解質に接して配置され、燃料電池の発電における反応において水が生成される側の第1電極と、
    前記電解質の、前記第1電極とは反対側の面に配置された第2電極と、
    前記第1電極の前記電解質と接する面とは反対の面側に配置されたセパレータであって、かつ、
    該セパレータの前記第1電極に相対する面に形成され、反応剤を流通させる反応剤流路と、
    該セパレータの該反応剤流路が形成された面とは反対側の面に、該反応剤の流れに対して上流側となる第1領域と、該第1領域よりも下流側となる第2領域の、少なくとも2つの領域に区画されて形成された、冷却媒体を流通させる冷却媒体流路と、を有するセパレータと、
    前記第2領域における前記冷却媒体流路内に、大気を混合させる大気経路と、
    前記燃料電池が氷点下で運転される場合に、前記大気経路から、前記第2領域における前記冷却媒体流路内に大気を混合させる大気制御手段と、
    を備えることを特徴とする燃料電池システム。
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