JP2008191359A - 冷却システム及びこれを備えたプロジェクタ - Google Patents
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Abstract
【課題】ファンによる過剰な冷却を抑制し、騒音や電力消費を抑制することが可能な冷却システム及びこれを備えたプロジェクタを提供する。
【解決手段】熱源P1は、商用電源の電圧に拘わらず動作中の温度変化量が比較的大きい電子部品であり、熱源P2は、商用電源が100V系である場合に、200V系の場合に比べて発熱量が大きい電子部品である。商用電源が100V系である場合には、ソレノイド76に電流が流れ、プッシュロッド76bが+X方向に突出する。流量調整板45は、プッシュロッド76bに押されて回動し、その下流側端部が右方向(+X方向)に移動する。一方、商用電源が200V系である場合には、コイルばね77の付勢により、流量調整板45は、Y方向と略平行な姿勢となる。
【選択図】図2
【解決手段】熱源P1は、商用電源の電圧に拘わらず動作中の温度変化量が比較的大きい電子部品であり、熱源P2は、商用電源が100V系である場合に、200V系の場合に比べて発熱量が大きい電子部品である。商用電源が100V系である場合には、ソレノイド76に電流が流れ、プッシュロッド76bが+X方向に突出する。流量調整板45は、プッシュロッド76bに押されて回動し、その下流側端部が右方向(+X方向)に移動する。一方、商用電源が200V系である場合には、コイルばね77の付勢により、流量調整板45は、Y方向と略平行な姿勢となる。
【選択図】図2
Description
本発明は、複数の熱源を冷却する冷却システム及びこれを備えたプロジェクタに関する。
光源から射出した光を変調してスクリーン等に投写するプロジェクタは、内蔵する電源装置等からの発熱によって動作が不安定になるのを抑制するために、外部の空気を取り込んでプロジェクタの内部を冷却する冷却システムを備えている。この冷却システムは、空気の給排気を行うためのファン及び空気の流路等からなり、流路は、取り込んだ空気が冷却対象(電源装置等)を通過するように設けられている。また、一般的な冷却システムは、冷却対象の温度を検出し、その温度に合わせてファンの回転速度、即ち空気の移動量(流量)を制御することができるようになっている。
従来、冷却対象に、動作条件や動作状態等によって発熱量が変化する熱源(発熱体)が複数存在する場合には、熱源毎に温度を管理することは制御が複雑になってしまうため、例えば、複数の熱源のうち、発熱量及び温度変化が最も大きい熱源についてのみ温度管理を行い、他の熱源については、常に発熱量が最大の状態を想定してファンの回転速度を定めていた。
一方、特許文献1には、ファンによる空気の流路内に風量調整板を備え、複数の熱源の発熱量に応じた流量配分を行う電子機器冷却構造が提案されている。
一方、特許文献1には、ファンによる空気の流路内に風量調整板を備え、複数の熱源の発熱量に応じた流量配分を行う電子機器冷却構造が提案されている。
しかしながら、一部の熱源の発熱量が最大の状態を想定してファンの回転速度を定める場合には、この熱源の発熱量が小さい場合に過剰な冷却を行うことになってしまう。例えば、100V系及び200V系の商用電源によって動作可能なプロジェクタに、100V系で動作する場合にのみ大きな発熱を生じる熱源が存在する場合において、200V系で動作している場合にも、100V系で動作していることを想定してファンを回転させることになる。この結果、ファンの駆動に伴う騒音や電力消費が必要以上に大きくなってしまうという問題を有している。
また、特許文献1に記載の電子機器冷却構造では、風量調整板の位置や形状が固定であるため、動作条件や動作状態等の変化に伴って各熱源の発熱量が変化する場合に、この変化に応じた流量配分ができない。このため、一部の熱源に対して過剰な冷却がなされてしまうことを抑制することはできなかった。
また、特許文献1に記載の電子機器冷却構造では、風量調整板の位置や形状が固定であるため、動作条件や動作状態等の変化に伴って各熱源の発熱量が変化する場合に、この変化に応じた流量配分ができない。このため、一部の熱源に対して過剰な冷却がなされてしまうことを抑制することはできなかった。
本発明は上記問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、ファンによる過剰な冷却を抑制し、騒音や電力消費を抑制することが可能な冷却システム及びこれを備えたプロジェクタを提供することにある。
本発明の冷却システムは、入力される商用電源による動作に伴って発熱する第1の熱源、及び前記商用電源の電圧に応じて発熱量が変化する第2の熱源を備えた電子機器を冷却する冷却システムであって、空気を移動させるファンと、前記ファンによって移動する空気が前記第1及び第2の熱源を通過するように設けられた流路と、前記第1の熱源の温度を検出する温度センサと、前記温度センサの検出結果に基づいて、前記ファンの回転速度を制御するファン制御部と、前記流路中に備えられ、その姿勢により、前記第1の熱源を通過する空気の量と前記第2の熱源を通過する空気の量とを調整する流量調整板と、前記商用電源の電圧を識別するための検出を行う電圧検出部と、前記商用電源の電圧が、所定の電圧を超えない電圧であることを前記電圧検出部が検出した場合には、前記第2の熱源を通過する空気の量が増えるように前記流量調整板の姿勢を切り換え、前記商用電源の電圧が、前記所定の電圧以上の電圧であることを前記電圧検出部が検出した場合には、前記第2の熱源を通過する空気の量が減るように前記流量調整板の姿勢を切り換える流量制御部とを備えたことを特徴とする。
この冷却システムによれば、電圧検出部が商用電源の電圧を検出し、流量制御部が、電圧検出部の検出結果に応じて流量調整板の姿勢を切り換えることにより、第1及び第2の熱源に対する冷却用空気の流量を制御する。このため、第1の熱源の温度に応じた回転速度でファンを回転させれば、商用電源の電圧に応じて発熱量が変化する第2の熱源をも効率的に冷却することが可能となる。この結果、ファンによる過剰な冷却を抑制し、騒音や電力消費を抑制することが可能となる。
この冷却システムにおいて、前記流量制御部は、ソレノイドによって前記流量調整板の姿勢を切り換えることが望ましい。
この冷却システムによれば、ソレノイドに対する通電の有無によって流量調整板の姿勢を切り換えることが可能となるため、流量制御を容易に行うことが可能となる。
この冷却システムにおいて、前記商用電源の電圧によってコネクタの形状が異なる電源ケーブルを備え、前記電圧検出部は、前記コネクタの形状の相違を検出するようにしてもよい。
この冷却システムによれば、電圧検出部が、電源ケーブルのコネクタ形状の相違を検出することによって商用電源の電圧を識別するため、電圧自体を検出するための回路が不要となり、回路構成を簡略化することが可能となる。
本発明のプロジェクタは、入力される商用電源による動作に伴って発熱する第1の熱源、及び前記商用電源の電圧に応じて発熱量が変化する第2の熱源、並びにこれらを冷却する冷却システムを備え、入力される画像信号に応じた画像を投写するプロジェクタであって、前記冷却システムは、空気を移動させるファンと、前記ファンによって移動する空気が前記第1及び第2の熱源を通過するように設けられた流路と、前記第1の熱源の温度を検出する温度センサと、前記温度センサの検出結果に基づいて、前記ファンの回転速度を制御するファン制御部と、前記流路中に備えられ、その姿勢により、前記第1の熱源を通過する空気の量と前記第2の熱源を通過する空気の量とを調整する流量調整板と、前記商用電源の電圧を識別するための検出を行う電圧検出部と、前記商用電源の電圧が、所定の電圧を超えない電圧であることを前記電圧検出部が検出した場合には、前記第2の熱源を通過する空気の量が増えるように前記流量調整板の姿勢を切り換え、前記商用電源の電圧が、前記所定の電圧以上の電圧であることを前記電圧検出部が検出した場合には、前記第2の熱源を通過する空気の量が減るように前記流量調整板の姿勢を切り換える流量制御部とを備えたことを特徴とする。
このプロジェクタによれば、電圧検出部が商用電源の電圧を検出し、流量制御部が、電圧検出部の検出結果に応じて流量調整板の姿勢を切り換えることにより、第1及び第2の熱源に対する冷却用空気の流量を制御する。このため、前記第1の熱源の温度に応じてファンの回転速度を定めれば、商用電源の電圧に応じて発熱量が変化する第2の熱源をも効率的に冷却することが可能となる。この結果、ファンによる過剰な冷却を抑制し、騒音や電力消費を抑制することが可能となる。
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態に係る冷却システムについて、図面を参照して説明する。図1は、本実施形態に係る冷却システムを備えたプロジェクタの概略構成を示すブロック図である。
図1に示すように、プロジェクタ1は、電源装置10と、光学ユニット50と、制御部60と、冷却部70とを備えている。
以下、本発明の第1実施形態に係る冷却システムについて、図面を参照して説明する。図1は、本実施形態に係る冷却システムを備えたプロジェクタの概略構成を示すブロック図である。
図1に示すように、プロジェクタ1は、電源装置10と、光学ユニット50と、制御部60と、冷却部70とを備えている。
電源装置10は、外部から入力されるAC100〜240Vの商用電源からプロジェクタ1の各種動作に必要な直流の電源電圧を生成する電源部20と、光学ユニット50の光源ランプを駆動するバラスト部30とを備えている。
電源部20は、交流の商用電源を全波整流によって直流に変換する整流回路21と、整流回路21から出力される直流電圧を約380Vに昇圧させるとともに力率を改善する力率改善(PFC:Power Factor Correction)回路22と、力率改善回路22の出力を図示しないトランス(変圧器)により所定の電圧に変換するDC−DC変換回路23とを有しており、商用電源から、制御部60を動作させる動作電力PC等を生成する。また、電源部20には、入力される商用電源が100V系(例えば、150V未満)であるか、200V系(例えば、150V以上)であるかを識別するための検出を行う電圧検出部24が備えられている。
バラスト部30は、電源部20の力率改善回路22に接続されており、力率改善回路22からの出力電圧を降圧させる降圧チョッパ31と、降圧チョッパ31によって降圧された直流電流を交流矩形波電流(光源駆動電力PL)に変換するインバータ32と、光源ランプの電極間の絶縁破壊を行って、光源ランプの始動を促すためのイグナイタ(図示せず)とを備えている。
光学ユニット50は、光源51、液晶ライトバルブ52、投写レンズ53等を備えており、プロジェクタ1の外部に備えられたスクリーンSC等に画像の表示を行うものである。光源51は、超高圧水銀ランプやメタルハライドランプ等の放電型光源ランプを備えており、バラスト部30で生成された光源駆動電力PLにより点灯動作を行う。光源51から射出された光は、図示しないインテグレータ光学系によって輝度分布が略均一な光となり、液晶ライトバルブ52を照明する。液晶ライトバルブ52は、マトリクス状に形成された図示しない複数の画素を備えており、制御部60から入力される画像信号に基づいて入射光を画素毎に変調することによって画像信号に応じた画像光を形成する。液晶ライトバルブ52によって形成された画像光は、投写レンズ53によってスクリーンSC等に拡大投写される。
なお、図では省略しているが、光学ユニット50は、光の3原色である赤(R)、緑(G)、青(B)の各色光用に3つの液晶ライトバルブ52を備えている。光源51から射出される光は、図示しない色分離光学系によって前記3つの色光に分離された後、それぞれ各色光用の液晶ライトバルブ52に入射する。液晶ライトバルブ52を透過した各色光は、図示しない色合成光学系(ダイクロイックプリズム等)によって画素毎に合成されてカラー画像を表す画像光となり、投写レンズ53から投写される。
制御部60は、プロジェクタ1の各種動作の統括制御を行う主制御部61と、主制御部61に接続された画像制御部62及び操作部63等からなっており、電源部20によって生成された動作電力PCによって動作する。操作部63は、複数の操作ボタン等から構成されており、ユーザの入力操作に応じた操作信号を主制御部61に出力する。画像制御部62は、主制御部61からの指示に基づいて、外部の画像供給装置(図示せず)から入力される画像信号に各種処理を施すとともに、処理を施した画像信号を光学ユニット50の液晶ライトバルブ52に出力する。
冷却部70は、プロジェクタ1の筐体内部の冷却を行うものであり、プロジェクタ1の外部から冷却用の空気を吸入する吸気ファン71と、冷却後の空気を外部に排出する排気ファン72と、吸気ファン71及び排気ファン72を駆動するとともにその回転速度を制御するファン制御回路73と、サーミスタ等により所定の位置の温度を検出する温度センサ74とを備えている。
電源装置10や光学ユニット50等には、プロジェクタ1の動作に伴って発熱する熱源(発熱部)が複数存在する。このため、プロジェクタ1の内部には、吸気ファン71から吸入された空気がこれらの熱源を効率的に冷却できるよう、空気を案内する流路が形成されている。空気は、この流路に沿ってプロジェクタ1の内部を移動することにより各熱源を冷却し、排気ファン72によって外部に排出される。熱源としては、電源装置10等に存在するFET(Field Effect Transistor:電界効果トランジスタ)やダイオード、トランス等(いずれも図示せず)があり、これらの熱源の発熱量は、動作条件や使用状態等に応じて変動する。
冷却部70は、電源部20から供給される電力PFによって動作する。ファン制御回路73は、本発明のファン制御部に相当し、冷却対象に配置される温度センサ74の検出結果に応じて吸気ファン71及び排気ファン72に対する印加電圧を制御することにより、吸気ファン71及び排気ファン72の回転速度、即ち空気の移動量(流量)を調整する。
また、冷却部70には、流量制御部75が備えられている。流量制御部75は、商用電源の電圧(100V系か200V系か)に応じて、流路内に配置される流量調整板45(図2参照、詳しくは後述する)の姿勢を変化させ、各熱源に対する空気の流量配分を制御する。
なお、本発明の冷却システムは、冷却部70を構成する吸気ファン71、排気ファン72、ファン制御回路73、及び温度センサ74、流量制御部75に加えて、冷却対象に備わる流路や流量調整板等によって構成される。
次に、本実施形態の冷却システムを、電源部20の冷却を例にして詳述する。
図2は、プロジェクタ1の電源部20を示す図であり、(a)、(c)は、平面図、(b)は、(a)の正面図である。なお、図2(a)、(c)においては、電源部20の内部の状態を視認可能にするために破断線を用いている。
図2は、プロジェクタ1の電源部20を示す図であり、(a)、(c)は、平面図、(b)は、(a)の正面図である。なお、図2(a)、(c)においては、電源部20の内部の状態を視認可能にするために破断線を用いている。
図2(a)、(b)に示すように、電源部20は、平面視で略長方形状の回路基板41を備えており、この回路基板41上に様々な電子部品が実装されて構成されている。なお、図には、熱源となる2つの電子部品(以降、単に熱源という)P1,P2、及び温度センサ74のみを示しており、他の電子部品の図示は省略している。また、回路基板41の短辺に沿った方向をX方向、長辺に沿った方向をY方向、回路基板41からの高さ方向をZ方向とする。
電源部20は、電磁ノイズの漏洩を抑制するためのシールドカバー42によって回路基板41が覆われた構成となっており、シールドカバー42には、冷却用の空気が出入りするための2つの開口部42i,42oが設けられている。
電源部20は、電磁ノイズの漏洩を抑制するためのシールドカバー42によって回路基板41が覆われた構成となっており、シールドカバー42には、冷却用の空気が出入りするための2つの開口部42i,42oが設けられている。
本実施形態の電源部20は、排気ファン72の近傍に備えられており、排気ファン72は、一方の開口部42oから内部の空気を排出可能に配設されている。このため、排気ファン72が回転すると、冷却用の空気は、他方の開口部42iから取り込まれ、排気ファン72側(+Y方向)に移動しながら電源部20を冷却し、開口部42oから吐き出される。なお、冷却用の空気は、シールドカバー42に沿って電源部20を流れるため、シールドカバー42が本発明の流路に相当する。また、電源部20内の空気の移動は、吸気ファン71及び排気ファン72の双方の回転によってなされるものであるが、本実施形態では、電源部20が排気ファン72の近傍に備わる構成であるため、そのほとんどは、排気ファン72の回転によってなされる。
2つの熱源P1,P2は、それぞれ本発明の第1及び第2の熱源に相当するものであり、空気の移動方向(+Y方向)に対して左右両側(±X側)に分かれて配置されている。2つの熱源P1,P2のうち、熱源P1は、商用電源の電圧に拘わらず動作中の温度変化量が比較的大きい電子部品であり、回路基板41の+X側で温度センサ74とともに放熱板43に固定されている。温度センサ74は、熱源P1の下流側(+Y側)に配置されており、熱源P1の温度を検出することができる。一方、熱源P2は、力率改善回路22を構成する電子部品であり、回路基板41の−X側で放熱板44に固定されている。この熱源P2は、商用電源の電圧(100V系か200V系か)に応じて発熱量(温度変化量)が変化する。具体的には、商用電源が100V系である場合には、200V系の場合に比べて力率改善回路22による昇圧率が大きく、力率改善回路22(熱源P2)の負荷が増大するため、熱源P2の発熱量は大きくなる。
回路基板41上には、回路基板41に対して垂直で、且つ2つの熱源P1,P2の略中間位置から下流方向(+Y方向)に延出するように、略平板状の流量調整板45が備えられている。流量調整板45は、それが存在する下流側領域内において、電源部20内の空間を左右(+X側及び−X側)に分割する。流量調整板45の上流側(−Y側)の端部(1辺)には、回路基板41に垂直に固定された軸46が挿通されており、流量調整板45は、この軸46を中心にして回動することができるようになっている。
流量調整板45の下流側(+Y側)端部近傍の左側(−X側)には、流量制御部75を構成するプッシュ型のソレノイド76が備えられている。ソレノイド76は、プランジャ(可動鉄心)76aが±X方向に移動可能に配置されており、ソレノイド76の内部でプランジャ76aの+X側に一体的に延設されたプッシュロッド76bが流量調整板45に当接している。流量調整板45の下流側端部近傍の右側(+X側)には、流量制御部75を構成するコイルばね77が備えられている。コイルばね77は、その一端が流量調整板45に、他端がシールドカバー42に当接しており、流量調整板45の下流側端部を左方向(−X方向)に付勢する。
図2(a)に示すように、ソレノイド76に電流が流れていない状態では、流量調整板45は、コイルばね77の付勢によってY方向と略平行な姿勢を保ち、ソレノイド76に電流が流れると、図2(c)に示すように、プランジャ76aがソレノイド76の内部に吸引されて、プッシュロッド76bが+X方向に突出する。流量調整板45は、プッシュロッド76bに押されて回動し、その下流側端部が右方向(+X方向)に移動する。
前述したように、商用電源が100V系である場合には、200V系の場合に比べて熱源P2の発熱量が大きくなる。このため、流量制御部75は、商用電源が200V系の場合には、ソレノイド76に通電せずに流量調整板45をY方向と略平行な姿勢とし、商用電源が100V系の場合には、ソレノイド76に通電して流量調整板45の下流側端部を+X方向に移動させる。この結果、商用電源が100V系の場合には、流量調整板45の左側(−X側)の空間が排気ファン72に向かって大きく開口するため、熱源P2の近傍を通過する空気の量が増え、熱源P2の冷却効率が向上する。
図3は、電圧検出部24及び流量制御部75の詳細構成の一例を示す回路構成図である。
図3に示すように、電圧検出部24は、トランス101、整流回路102、反転出力型のコンパレータ103等を備え、流量制御部75は、前述したソレノイド76と、リレー78とを備えている。トランス101は、商用電源の電圧を約1/10に降圧し、整流回路102は、トランス101によって降圧された交流を直流に変換して出力する。コンパレータ103は、整流回路102の出力電圧と、15Vの基準電圧とを比較し、比較結果をリレー78の電磁石(コイル78a)に出力する。リレー78のスイッチ78bは、整流回路102とソレノイド76との間に接続され、コイル78aに通電があったときに、整流回路102からの出力電流がソレノイド76に流れる状態(オン状態)になる。
図3に示すように、電圧検出部24は、トランス101、整流回路102、反転出力型のコンパレータ103等を備え、流量制御部75は、前述したソレノイド76と、リレー78とを備えている。トランス101は、商用電源の電圧を約1/10に降圧し、整流回路102は、トランス101によって降圧された交流を直流に変換して出力する。コンパレータ103は、整流回路102の出力電圧と、15Vの基準電圧とを比較し、比較結果をリレー78の電磁石(コイル78a)に出力する。リレー78のスイッチ78bは、整流回路102とソレノイド76との間に接続され、コイル78aに通電があったときに、整流回路102からの出力電流がソレノイド76に流れる状態(オン状態)になる。
商用電源が100V系の場合には、整流回路102の出力電圧は10〜12Vとなるため、コンパレータ103の出力はHレベルとなり、リレー78がオン状態となる。この結果、ソレノイド76に電流が流れて、流量調整板45の下流側端部が+X方向に移動する(図2(c)参照)。一方、商用電源が200V系の場合には、整流回路102の出力電圧は20〜24Vとなるため、コンパレータ103の出力はLレベルとなり、リレー78がオフ状態となる。この場合には、ソレノイド76に通電がないため、流量調整板45はY方向と略平行な姿勢となる(図2(a)参照)。つまり、この回路構成によれば、電圧検出部24は、商用電源の電圧が150V以上であるか否かを検出し、検出の結果、150Vを超えない電圧である場合には、流量制御部75は、流量調整板45の下流側端部を+X方向に移動させて、熱源P2の近傍を通過する空気の量を増やす。一方、商用電源の電圧が150V以上である場合には、流量制御部75は、流量調整板45をY方向と略平行な姿勢とし、熱源P2の近傍を通過する空気の量を150V未満の場合よりも減らす。
図4は、電圧検出部24及び流量制御部75の詳細構成の他の例を示す回路構成図である。
図4に示すように、電圧検出部24は、分圧回路111と、反転出力型のコンパレータ112とを備え、流量制御部75は、ソレノイド76と、リレー78とを備えている。分圧回路111は、整流回路21の出力電圧を抵抗分圧により約1/50に降圧し出力する。コンパレータ112は、分圧回路111の出力電圧と、3Vの基準電圧とを比較し、比較結果をリレー78の電磁石(コイル78a)に出力する。リレー78のスイッチ78bは、例えば、DC−DC変換回路23とソレノイド76との間に接続され、コイル78aに通電があったときに、DC−DC変換回路23からの出力電流がソレノイド76に流れる状態(オン状態)になる。
図4に示すように、電圧検出部24は、分圧回路111と、反転出力型のコンパレータ112とを備え、流量制御部75は、ソレノイド76と、リレー78とを備えている。分圧回路111は、整流回路21の出力電圧を抵抗分圧により約1/50に降圧し出力する。コンパレータ112は、分圧回路111の出力電圧と、3Vの基準電圧とを比較し、比較結果をリレー78の電磁石(コイル78a)に出力する。リレー78のスイッチ78bは、例えば、DC−DC変換回路23とソレノイド76との間に接続され、コイル78aに通電があったときに、DC−DC変換回路23からの出力電流がソレノイド76に流れる状態(オン状態)になる。
商用電源が100V系の場合には、分圧回路111の出力電圧は2V程度となるため、コンパレータ112の出力はHレベルとなり、リレー78がオン状態となる。この結果、ソレノイド76に電流が流れて、流量調整板45の下流側端部が+X方向に移動する(図2(c)参照)。一方、商用電源が200V系の場合には、分圧回路111の出力電圧は4V程度となるため、コンパレータ112の出力はLレベルとなり、リレー78がオフ状態となる。この場合には、ソレノイド76に通電がないため、流量調整板45はY方向と略平行な姿勢となる(図2(a)参照)。この回路構成の場合にも、電圧検出部24は、商用電源の電圧が150V以上であるか否かを検出し、検出の結果、150Vを超えない電圧である場合には、流量制御部75は、流量調整板45の下流側端部を+X方向に移動させて、熱源P2の近傍を通過する空気の量を増やす。一方、商用電源の電圧が150V以上である場合には、流量制御部75は、流量調整板45をY方向と略平行な姿勢とし、熱源P2の近傍を通過する空気の量を150V未満の場合よりも減らす。
なお、図3及び図4に示した回路構成において、反転出力型のコンパレータ103,112の代わりに、非反転出力型のコンパレータを用いることも可能である。この場合のコンパレータの出力は、商用電源が100V系のときにLレベルとなり、200V系のときにHレベルとなるため、リレー78のスイッチ78bとソレノイド76との接続を、コイル78aに通電がないときにソレノイド76に電流が流れ、コイル78aに通電があるときにソレノイド76に電流が流れないような接続にすればよい。或いは、ソレノイド76に通電がないときに、流量調整板45の下流側端部が+X側に移動した状態とし、ソレノイド76に通電があるときに、流量調整板45がY方向と略平行な姿勢になるような構成にすることもできる(図9参照)。
ここで、本実施形態の冷却システムが、電源部20を冷却する際の動作について、図1、図2を参照して説明する。
プロジェクタ1に商用電源が投入されると、電圧検出部24が電圧を検出し、流量制御部75が、その検出結果に応じて流量調整板45の姿勢を切り換える。また、光源51には光源駆動電力PLが供給されて、光源51は点灯を開始し、制御部60には動作電力PCが供給され、主制御部61は、ユーザによる操作部63の操作を待機する。その後、ユーザによってなんらかの操作がなされた場合には、制御部60は、その操作内容に従った動作を行う。
プロジェクタ1に商用電源が投入されると、電圧検出部24が電圧を検出し、流量制御部75が、その検出結果に応じて流量調整板45の姿勢を切り換える。また、光源51には光源駆動電力PLが供給されて、光源51は点灯を開始し、制御部60には動作電力PCが供給され、主制御部61は、ユーザによる操作部63の操作を待機する。その後、ユーザによってなんらかの操作がなされた場合には、制御部60は、その操作内容に従った動作を行う。
また、冷却部70には、電力PFが供給され、ファン制御回路73は、温度センサ74の検出結果に応じた流量制御を開始する。具体的には、動作に伴って熱源P1の温度が上昇すると、ファン制御回路73は、吸気ファン71及び排気ファン72の回転速度を大きくし、熱源P1の温度が下降すると、その回転速度を小さくする。つまり、ファン制御回路73は、検出温度と回転速度との関係がおよそ比例の関係となるように、吸気ファン71及び排気ファン72の回転速度を制御する。
なお、前述したように、商用電源が100V系の場合には、流量調整板45は、下流側端部が+X側に近づくような姿勢となり(図2(c)参照)、熱源P2の近傍を通過する空気の量が増え、熱源P2の冷却効率が向上する一方で、熱源P1の近傍を通過する空気の量は減少し、熱源P1の冷却効率が落ちることになる。しかしながら、この効率の低下は、熱源P1の温度に反映されるため、温度センサ74によって検出され、ファン制御回路73が排気ファン72の回転速度を増大させることによって補われる。
以上説明したように、本実施形態では、冷却部70に加えて、電圧検出部24、流量調整板45、流路として機能するシールドカバー42が冷却システムを構成する。そして、この冷却システムによれば、以下の効果を得ることができる。
(1)本実施形態の冷却システムによれば、電圧検出部24が商用電源の電圧を検出し、流量制御部75が、電圧検出部24の検出結果に応じて、流量調整板45の姿勢を切り換えることにより、熱源P1,P2に対する冷却用空気の流量配分を制御する。このため、ファン制御回路73は、熱源P1の温度に応じた回転速度で吸気ファン71及び排気ファン72を回転させるだけで、商用電源の電圧に応じて発熱量が変化する熱源P2をも効率的に冷却することが可能となる。この結果、吸気ファン71や排気ファン72による過剰な冷却を抑制し、騒音や電力消費を抑制することが可能となる。
(2)本実施形態の冷却システムによれば、流量調整板45の姿勢を切り換えるためにソレノイド76を用いているため、通電の有無によって流量調整板45の姿勢を切り換えることが可能となり、流量制御を容易に行うことが可能となる。
(第2実施形態)
以下、本発明の第2実施形態に係る冷却システムについて、図面を参照して説明する。前記第1実施形態では、電圧検出部24が商用電源の電圧を検出する構成を示したが、本実施形態では、コンセントからプロジェクタ1に電源を供給する電源ケーブルとして、100V系と200V系とでコネクタ形状が異なる電源ケーブルを用いることにより、商用電源の電圧を識別できるようにしている。
図5は、電源ケーブルのコネクタが接続されるプロジェクタ1のインレット部を示す図であり、(a)は、プロジェクタ1を背面側から見た斜視図、(b)は、インレット部の拡大正面図、(c)は、(b)におけるA−A断面図である。
以下、本発明の第2実施形態に係る冷却システムについて、図面を参照して説明する。前記第1実施形態では、電圧検出部24が商用電源の電圧を検出する構成を示したが、本実施形態では、コンセントからプロジェクタ1に電源を供給する電源ケーブルとして、100V系と200V系とでコネクタ形状が異なる電源ケーブルを用いることにより、商用電源の電圧を識別できるようにしている。
図5は、電源ケーブルのコネクタが接続されるプロジェクタ1のインレット部を示す図であり、(a)は、プロジェクタ1を背面側から見た斜視図、(b)は、インレット部の拡大正面図、(c)は、(b)におけるA−A断面図である。
図5(a)に示すように、インレット部80は、プロジェクタ1の筐体2の裏面に配置されている。また、図5(b)に示すように、インレット部80には、電源ケーブルのコネクタが嵌合される凹部81が形成されおり、この凹部81は、矩形状の開口(矩形部81a)と台形状の開口(台形部81b)とが組み合わされた六角形の開口形状を有している。なお、矩形部81aと台形部81bとの境界を表す仮想線81cは、矩形部81aの一方の長辺、及び台形部81bの長いほうの底辺に相当する。凹部81の底面(奥まった面)82には、2つの電源端子83a,83bと1つのアース端子84が設けられている。ここで、電源端子83a,83bは、矩形部81a内に配置され、アース端子84は、そのほとんどの部位が台形部81b内に位置するように配置されている。
図5(b)、(c)に示すように、台形部81bには、底面82から突出する検出ピン85が設けられており、この検出ピン85を内向き(開口部から底面82に向かう方向)に押し付けることによって筐体2の内部に備えられたスイッチ86のボタン86aを押圧することが可能になっている。このスイッチ86は、前記第1実施形態におけるリレー78の代わりにソレノイド76の通電状態を切り換えるものであり、ボタン86aが押圧された場合にオン状態となって、ソレノイド76に電流が流れる。スイッチ86のボタン86aは、スイッチ86の内部に備わる図示しないコイルバネによって常に外向きに付勢されており、検出ピン85を押し付けていない状態では、スイッチ86は常にオフ状態となる。
図6は、200V系、即ち電圧が150V以上の電源を供給するための電源ケーブルを示す図、図7は、100V系、即ち電圧が150V未満の電源を供給するための電源ケーブルを示す図であり、各図において、(a)は、その全体斜視図、(b)は、コネクタの正面図である。また、図8は、インレット部80の側断面図であり、(a)は、200V系用の電源ケーブルが接続された状態を示す図、(b)は、100V系用の電源ケーブルが接続された状態を示す図である。
図6(a)、(b)に示すように、200V系用の電源ケーブル91の一端には、コンセントに接続するための3端子のプラグ92が設けられ、その他端には、インレット部80の電源端子83a,83b及びアース端子84と接続するための3つの雌型端子を有するコネクタ93が備えられている。コネクタ93は、その正面視形状が凹部81の開口形状と略相似であり、インレット部80と嵌合可能になっている。この電源ケーブル91のプラグ92を200V系の電源を供給可能なコンセントに接続し、コネクタ93をインレット部80に接続すると、プロジェクタ1に200V系の商用電源が供給されるとともに、検出ピン85がコネクタ93によって押し付けられて、スイッチ86がオン状態となる(図8(a)参照)。
一方、図7(a),(b)に示すように、100V系用の電源ケーブル94の一端には、コンセントに接続するための2端子のプラグ95が設けられ、その他端には、インレット部80の電源端子83a,83bと接続するための2つの雌型端子を有するコネクタ96が備えられている。コネクタ96は、その正面視形状が矩形部81aと略相似であり、インレット部80に装着可能になっている。また、コネクタ96の上面には、アース端子84との干渉を避けるために切欠き96aが設けられている。この電源ケーブル94のプラグ95を100V系の電源を供給可能なコンセントに接続し、コネクタ96をインレット部80に接続すると、プロジェクタ1に100V系の商用電源が供給されるが、台形部81bに備わる検出ピン85がコネクタ96によって押し付けられることがないため、スイッチ86はオフ状態のままとなる(図8(b)参照)。
図9(a)、(b)は、本実施形態のプロジェクタ1の電源部20を示す図であり、(a)は、プロジェクタ1が100V系の商用電源で動作している状態を示す図、(b)は、プロジェクタ1が200V系の商用電源で動作している状態を示す図である。
図9(a)、(b)に示すように、前記第1実施形態と同様、商用電源の電圧に拘わらず動作中の温度変化量が比較的大きい熱源P1が、回路基板41の+X側に配置され、商用電源が100V系である場合に、200V系の場合に比べて発熱量が大きくなる熱源P2が、回路基板41の−X側に配置されている。また、本実施形態では、プッシュ型のソレノイド76は、流量調整板45の下流側(+Y側)端部近傍の右側(+X側)に備えられ、プランジャ76aの−X側に延設されたプッシュロッド76bが流量調整板45に当接している。また、コイルばね77は、流量調整板45の下流側(+Y側)端部近傍の左側(−X側)に備えられ、その一端が流量調整板45に、他端がシールドカバー42に当接して、流量調整板45の下流側端部を右方向(+X方向)に付勢する。なお、本実施形態では、プッシュロッド76bが突出していない状態のときに、流量調整板45は、コイルばね77の付勢により、下流側端部が+X側に近づいた姿勢になっている。
図9(a)、(b)に示すように、前記第1実施形態と同様、商用電源の電圧に拘わらず動作中の温度変化量が比較的大きい熱源P1が、回路基板41の+X側に配置され、商用電源が100V系である場合に、200V系の場合に比べて発熱量が大きくなる熱源P2が、回路基板41の−X側に配置されている。また、本実施形態では、プッシュ型のソレノイド76は、流量調整板45の下流側(+Y側)端部近傍の右側(+X側)に備えられ、プランジャ76aの−X側に延設されたプッシュロッド76bが流量調整板45に当接している。また、コイルばね77は、流量調整板45の下流側(+Y側)端部近傍の左側(−X側)に備えられ、その一端が流量調整板45に、他端がシールドカバー42に当接して、流量調整板45の下流側端部を右方向(+X方向)に付勢する。なお、本実施形態では、プッシュロッド76bが突出していない状態のときに、流量調整板45は、コイルばね77の付勢により、下流側端部が+X側に近づいた姿勢になっている。
図9(a)に示すように、100V系の商用電源が供給されている場合には、スイッチ86がオフ状態であるため、ソレノイド76のプッシュロッド76bは突出せず、流量調整板45は、コイルばね77の付勢により下流側端部が+X側に近づいた姿勢となる。この結果、流量調整板45がY方向と平行な姿勢にある場合に比べて、熱源P2の近傍を通過する空気の量が増え、熱源P2の冷却効率が向上する。一方、図9(b)に示すように、200V系の商用電源が供給されている場合には、スイッチ86がオン状態となるため、ソレノイド76のプッシュロッド76bが突出し、コイルばね77を縮小させて流量調整板45をY方向と平行な姿勢にする。
なお、本実施形態において、検出ピン85は、電源ケーブル91,94のコネクタ93,96の形状の相違を検出することにより、100V系と200V系、即ち商用電源の電圧が150V以上か否かを識別することから、本発明の電圧検出部に相当する。また、スイッチ86、ソレノイド76及びコイルばね77が、本発明の流量制御部75を構成する。
以上説明したように、本実施形態では、冷却部70に加えて、検出ピン85、流量調整板45、流路として機能するシールドカバー42が冷却システムを構成する。そして、この冷却システムによれば、以下の効果を得ることができる。
(1)本実施形態の冷却システムによれば、検出ピン85が、電源ケーブル91,94のコネクタ93,96の形状の相違を検出することによって商用電源の電圧を識別するため、電圧自体を検出するための回路が不要となり、回路構成を簡略化することが可能となる。
(変形例)
なお、本発明の実施形態は、以下のように変更してもよい。
前記第1及び第2実施形態では、プロジェクタ1の内部を冷却する冷却システムについて説明しているが、本発明は、プロジェクタ1以外の他の電子機器の冷却にも適用可能である。
(変形例)
なお、本発明の実施形態は、以下のように変更してもよい。
前記第1及び第2実施形態では、プロジェクタ1の内部を冷却する冷却システムについて説明しているが、本発明は、プロジェクタ1以外の他の電子機器の冷却にも適用可能である。
前記第1及び第2実施形態では、冷却対象である電源部20が排気ファン72の近傍にある場合を説明したが、電源部20が吸気ファン71の近傍にある場合にも本発明を適用可能である。
図10(a)、(b)は、吸気ファン71の近傍に配設された電源部20を示す平面図であり、(a)は、プロジェクタ1が200V系の商用電源で動作している状態を示す図、(b)は、プロジェクタ1が100V系の商用電源で動作している状態を示す図である。
図10(a)、(b)に示すように、流量調整板45は、2つの熱源P1,P2の略中間位置から上流方向(−Y方向)に延出するように備えられており、下流側(+Y側)の端部(1辺)に挿通された軸46を中心にして回動可能になっている。ソレノイド76は、商用電源が100V系の場合にのみ通電するようになっており、通電するとプッシュロッド76bが突出して流量調整板45の上流側端部を+X方向に移動させ、流量調整板45の左側(−X側)の空間を吸気ファン71に向かって大きく開口させる。また、コイルばね77は、流量調整板45の上流側端部を−X方向に付勢する。このような構成においても、商用電源が100V系の場合に熱源P2の近傍を通過する空気の量を増やし、熱源P2の冷却効率を向上させることが可能となる。
図10(a)、(b)は、吸気ファン71の近傍に配設された電源部20を示す平面図であり、(a)は、プロジェクタ1が200V系の商用電源で動作している状態を示す図、(b)は、プロジェクタ1が100V系の商用電源で動作している状態を示す図である。
図10(a)、(b)に示すように、流量調整板45は、2つの熱源P1,P2の略中間位置から上流方向(−Y方向)に延出するように備えられており、下流側(+Y側)の端部(1辺)に挿通された軸46を中心にして回動可能になっている。ソレノイド76は、商用電源が100V系の場合にのみ通電するようになっており、通電するとプッシュロッド76bが突出して流量調整板45の上流側端部を+X方向に移動させ、流量調整板45の左側(−X側)の空間を吸気ファン71に向かって大きく開口させる。また、コイルばね77は、流量調整板45の上流側端部を−X方向に付勢する。このような構成においても、商用電源が100V系の場合に熱源P2の近傍を通過する空気の量を増やし、熱源P2の冷却効率を向上させることが可能となる。
前記第1及び第2実施形態では、1つの流量調整板45を備え、冷却用の空気を2つに配分するようにしているが、複数の流量調整板45を並列させ、流路を流れる空気を3つ以上に配分するようにしてもよい。
前記第1及び第2実施形態では、ソレノイド76により流量調整板45を回動させる構成を示しているが、流量調整板45を回動させる手段は、ソレノイド76に限られず、例えば、ステッピングモータ等、様々なアクチュエータを利用することが可能である。また、流量調整板45を磁性体で構成するとともに、その近傍に電磁石を配置し、電磁石への通電によって生じる磁力により流量調整板45を回動させるようにすることもできる。
また、前記第2実施形態では、ソレノイド76に通電させるためのスイッチ86を検出ピン85により操作する構成を示したが、図11(a)、(b)に示すように、検出ピン85により流量調整板45を直接回動させたり、検出ピン85の動作に連動して流量調整板45が回動する機構を構築したりするようにしてもよい。
前記第1及び第2実施形態では、ソレノイド76に通電がない場合に、コイルばね77の付勢により流量調整板45を所定の姿勢に復帰させているが、復帰用のアクチュエータを別途備えるようにしてもよい。或いは、復帰用のバネが内蔵されたソレノイドを用い、プランジャ76a又はプッシュロッド76bと流量調整板45の下流側端部近傍とを係合させるようにしてもよい。また、流量調整板45が、流路を上下に仕切る構成の場合には、ソレノイド76に通電がない場合に、自重により所定の姿勢に復帰させることも可能である。
前記第1及び第2実施形態では、流量調整板45を、その上流側端部に挿通された軸46を中心に回動させることにより、流量調整板45の姿勢を変化させているが、流量調整板45の姿勢を変化させるためには、この態様に限定されない。例えば、流量調整板45を板バネ等で構成し、その上流側端部を固定して片持ち梁にするとともに、下流側端部をソレノイド76等により押圧して流量調整板45をたわませるようにしてもよい。この構成によれば、ソレノイド76に通電がない場合に、流量調整板45の弾性により姿勢を復帰させることが可能であるため、姿勢を復帰させるための手段(コイルばね77等)を用いる必要がなくなる。
前記第1及び第2実施形態では、熱源P1,P2は、それぞれ1つの電子部品であるが、互いに近接して配置された複数の電子部品群を1つの熱源とみなすこともできる。また、電源部20、バラスト部30等のユニットをそれぞれ熱源とみなし、各ユニットを通過する流量を流量調整板45によって制御するようにしてもよい。
図12(a)、(b)は、排気ファン72の近傍に、隣接して配設された電源部20とバラスト部30とを示す側面図であり、(a)は、プロジェクタ1が200V系の商用電源で動作している状態を示す図、(b)は、プロジェクタ1が100V系の商用電源で動作している状態を示す図である。
図12(a)、(b)に示すように、電源部20とバラスト部30は、それぞれの回路基板41A,41Bが互いに平行で、且つバラスト部30の回路基板41Bが電源部20との境界近傍に位置するように並列に配設され、流路として機能するシールドカバー42A,42Bでそれぞれ覆われている。バラスト部30の回路基板41B上では、バラスト部30の中で最も温度変化が大きい電子部品P3が、温度センサ74とともに放熱板47に接続されており、電源部20の回路基板41A上では、電源部20を構成する電子部品P4が放熱板44に接続されている。これらの電子部品P3,P4の下流側(+Y側)には、電源部20とバラスト部30とを仕切るように平板状の流量調整板45が備えられている。流量調整板45の上流側(−Y側)の端部(1辺)には、X方向に沿って軸46が挿通されており、流量調整板45は、この軸46を中心にして回動可能になっている。流量調整板45の下流側端部近傍の下側には、シールドカバー42Aの側壁にソレノイド76が固定されている。このソレノイド76は、商用電源が100V系の場合に通電して、プッシュロッド76bを上向きに突出させるようになっており、プッシュロッド76bが突出すると、図12(b)に示すように、流量調整板45の下流側端部が上方向(+Z方向)に移動する。この結果、電源部20が排気ファン72に向かって大きく開口し、電源部20に備わる力率改善回路22の冷却効率が向上する。なお、ソレノイド76に通電がない場合には、流量調整板45は自重によってY方向と略平行な姿勢となる。
1…プロジェクタ、2…筐体、10…電源装置、20…電源部、21…整流回路、22…力率改善(PFC)回路、23…DC−DC変換回路、24…電圧検出部、30…バラスト部、31…降圧チョッパ、32…インバータ、41…回路基板、42…シールドカバー、42i,42o…開口部、43,44…放熱板、45…流量調整板、46…軸、50…光学ユニット、51…光源、52…液晶ライトバルブ、53…投写レンズ、60…制御部、61…主制御部、62…画像制御部、63…操作部、70…冷却部、71…吸気ファン、72…排気ファン、73…ファン制御回路、74…温度センサ、75…流量制御部、76…ソレノイド、76a…プランジャ、76b…プッシュロッド、77…コイルばね、78…リレー、78a…コイル、78b…スイッチ、80…インレット部、81…凹部、81a…矩形部、81b…台形部、81c…仮想線、82…底面、83a,83b…電源端子、84…アース端子、85…検出ピン、86…スイッチ、86a…ボタン、91,94…電源ケーブル、92,95…プラグ、93,96…コネクタ、101…トランス、102…整流回路、103…コンパレータ、111…分圧回路、112…コンパレータ、P1,P2…熱源、SC…スクリーン。
Claims (4)
- 入力される商用電源による動作に伴って発熱する第1の熱源、及び前記商用電源の電圧に応じて発熱量が変化する第2の熱源を備えた電子機器を冷却する冷却システムであって、
空気を移動させるファンと、
前記ファンによって移動する空気が前記第1及び第2の熱源を通過するように設けられた流路と、
前記第1の熱源の温度を検出する温度センサと、
前記温度センサの検出結果に基づいて、前記ファンの回転速度を制御するファン制御部と、
前記流路中に備えられ、その姿勢により、前記第1の熱源を通過する空気の量と前記第2の熱源を通過する空気の量とを調整する流量調整板と、
前記商用電源の電圧を識別するための検出を行う電圧検出部と、
前記商用電源の電圧が、所定の電圧を超えない電圧であることを前記電圧検出部が検出した場合には、前記第2の熱源を通過する空気の量が増えるように前記流量調整板の姿勢を切り換え、前記商用電源の電圧が、前記所定の電圧以上の電圧であることを前記電圧検出部が検出した場合には、前記第2の熱源を通過する空気の量が減るように前記流量調整板の姿勢を切り換える流量制御部と、
を備えたことを特徴とする冷却システム。 - 請求項1に記載の冷却システムであって、前記流量制御部は、ソレノイドによって前記流量調整板の姿勢を切り換えることを特徴とする冷却システム。
- 請求項1又は2のいずれか1項に記載の冷却システムであって、前記商用電源の電圧によってコネクタの形状が異なる電源ケーブルを備え、前記電圧検出部は、前記コネクタの形状の相違を検出することを特徴とする冷却システム。
- 入力される商用電源による動作に伴って発熱する第1の熱源、及び前記商用電源の電圧に応じて発熱量が変化する第2の熱源、並びにこれらを冷却する冷却システムを備え、入力される画像信号に応じた画像を投写するプロジェクタであって、
前記冷却システムは、
空気を移動させるファンと、
前記ファンによって移動する空気が前記第1及び第2の熱源を通過するように設けられた流路と、
前記第1の熱源の温度を検出する温度センサと、
前記温度センサの検出結果に基づいて、前記ファンの回転速度を制御するファン制御部と、
前記流路中に備えられ、その姿勢により、前記第1の熱源を通過する空気の量と前記第2の熱源を通過する空気の量とを調整する流量調整板と、
前記商用電源の電圧を識別するための検出を行う電圧検出部と、
前記商用電源の電圧が、所定の電圧を超えない電圧であることを前記電圧検出部が検出した場合には、前記第2の熱源を通過する空気の量が増えるように前記流量調整板の姿勢を切り換え、前記商用電源の電圧が、前記所定の電圧以上の電圧であることを前記電圧検出部が検出した場合には、前記第2の熱源を通過する空気の量が減るように前記流量調整板の姿勢を切り換える流量制御部と、
を備えたことを特徴とするプロジェクタ。
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---|---|---|---|---|
US9977318B2 (en) | 2016-01-20 | 2018-05-22 | Seiko Epson Corporation | Projector and method for controlling projector |
-
2007
- 2007-02-05 JP JP2007025148A patent/JP2008191359A/ja not_active Withdrawn
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