JP2008191082A - 光子検出器の位置情報算出方法及びそれを用いたポジトロンct装置 - Google Patents

光子検出器の位置情報算出方法及びそれを用いたポジトロンct装置 Download PDF

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Abstract

【課題】位置情報を精度高く算出することにより、位置情報の劣化を低減して画質を改善することができる光子散乱算出方法及びそれを用いたポジトロンCT装置を提供する。
【解決手段】光子検出器17に光子が入射すると、第1の光子検出素子35及び第2の光子検出素子37の種類が異なることから、散乱事象判別部は、光子検出器17の出力に基づいて異なる散乱事象のいずれの散乱事象であるかを判別する。そして、位置情報算出部は、発生散乱事象に応じた光子検出器17の出力に基づいて重心演算を行うので、散乱の影響を抑制することができる。したがって、位置情報を精度高く算出することにより、位置情報の劣化を低減して画質を改善できる。
【選択図】図2

Description

この発明は、X線やγ線などの光子を検出してその位置情報を得る光子検出器の位置情報算出方法及びそれを用いたポジトロンCT装置に関する。
X線やγ線などは、エネルギーが高い光子であるので、物質との相互作用として散乱、特にコンプトン散乱を起こし易い(例えば、非特許文献1参照)。このコンプトン散乱の発生確率は、物質によるが一般的な光子検出素子物質では数MeV以下において光子のエネルギーが高くなるほど顕著になるので、医学診断装置においては陽電子断層撮影装置(ポジトロンCT装置やPET装置とも呼ばれる)で特に問題となる(例えば、特許文献1参照)。
ポジトロンCT装置などの核医学診断装置は、検出器の位置情報から光源(放射線源)の位置情報を算出して、その位置情報から医学画像を生成する機能を有する。したがって、詳細な検出器の位置情報を得ることにより医学画像の質を向上させている。その一例として、平面方向の位置情報を得るために検出器を細分化し、深さ方向の位置情報を得るために多層化したDOI(Depth Of Interaction)検出器を用いることが行われている(例えば、非特許文献2参照)。
また、コンプトン散乱が検出器内で起こると、複数の検出素子から出力が得られることがある。そのようなコンプトン散乱を検知するには、詳細な位置情報を得ることができる検出器(例えば、マルチアノード光電子増倍管)を使用する等が行われている(例えば、非特許文献3参照)。
原子力百科事典「γ線と物質の相互作用」 http://sta-atm.jst.go.jp:8080/03060306_1.html 特開平7−113873号公報 「DOI測定装置」 http://www.nirs.go.jp/usr/medical-imaging/ja/study/jPET_D4_2006/p87_90.pdf 「検出器内相互作用の解析」 http://www.nirs.go.jp/usr/medical-imaging/ja/study/jPET_D4_2006/p87_90.pdf
しかしながら、このような構成を有する従来例の場合には、次のような問題がある。
すなわち、従来の装置は、複数の検出素子から出力が発生するようなコンプトン散乱が検出器内で起こると検出素子の位置情報が劣化するという問題がある。
この発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、位置情報を精度高く算出することにより、位置情報の劣化を低減して画質を改善することができる光子検出器の位置情報算出方法及びそれを用いたポジトロンCT装置を提供することを目的とする。
この発明は、このような目的を達成するために、次のような構成をとる。
すなわち、請求項1に記載の発明は、種類の異なる光子検出素子を複数個組み合わせて構成された光子検出器の位置情報算出方法において、異なる散乱角の散乱事象のうち、光子検出素子内で生じた散乱事象を光子検出器からの出力に基づいて発生散乱事象として判別する過程と、前記発生散乱事象に応じた出力に基づき重心演算を行って光子が相互作用を起こした位置情報を求める過程と、を備えていることを特徴とするものである。
[作用・効果]請求項1に記載の発明によれば、光子検出器に光子が入射すると、光子検出素子の種類が異なることから、光子検出器の出力に基づいて異なる散乱事象のいずれの散乱事象であるかを判別することができる。そして、発生散乱事象の散乱角により、相互作用を起こした光子検出素子を特定し、発生散乱事象に応じた光子検出器の出力に基づいて重心演算を行うので、散乱の影響を抑制することができる。したがって、位置情報を精度高く算出することにより、位置情報の劣化を低減して画質の改善を防止することができる。
この発明において、前記異なる散乱角の散乱事象は、散乱角θがθ1〜θ2(前方散乱)の範囲にある第1の散乱事象と、θ3〜θ4(後方散乱)の範囲にある第2の散乱事象であって、かつ、前記光子検出素子が、光子の放出方向から第1の光子検出素子と第2の光子検出素子の順で積層されている場合、発生散乱事象が第1の散乱事象である場合には、相互作用が発生した位置として第1の光子検出素子を特定し、発生散乱事象が第2の散乱事象である場合には、相互作用が発生した位置として第2の光子検出素子を特定することが好ましい(請求項2)。散乱による重心演算で精度が低くなるのは、散乱角θがθ1〜θ2(前方散乱)の範囲にある第1の散乱事象と、θ3〜θ4(後方散乱)の範囲にある第2の散乱事象であるので、散乱事象をこれらに限定してこの発明の方法を実施することにより、位置情報精度を従来よりも高めることができる。特に、光子検出素子が、光子の放出方向から第1の光子検出素子と第2の光子検出素子の順で積層されてなる光子検出器いる場合、発生散乱事象が第1の散乱事象である場合には、相互作用が発生した位置として第1の光子検出素子を特定し、発生散乱事象が第2の散乱事象である場合には、相互作用が発生した位置として第2の光子検出素子を特定することで、位置情報精度を高めることができる。
また、この発明において、散乱事象を判別する際には、光子検出器の出力を少なくとも2つのタイムウインドウに分割し、各タイムウインドウにおける出力比に基づき特定することが好ましい(請求項3)。異なる散乱角の散乱事象は、光子検出器の出力を特定の時間範囲で区切ったタイムウインドウを設定し、それぞれのタイムウインドウにおける出力比によって弁別することができる。
また、請求項4に記載の発明は、被検体からの光子を検出するポジトロンCT装置において、種類の異なる光子検出素子を複数個組み合わせて構成され、被検体に投与された放射性核種から放出される光子を検出する光子検出器と、異なる散乱角の散乱事象のうち、光子検出素子内で生じた散乱事象を前記光子検出器からの出力に基づき発生散乱事象として判別する散乱事象判別部と、光子が相互作用を起こした光子検出素子を特定するとともに、前記発生散乱事象に応じた出力に基づいて、重心演算を行って光子が相互作用を起こした位置情報を求める位置情報算出部と、を備えていることを特徴とするものである。
[作用・効果]請求項4に記載の発明によれば、光子検出器に光子が入射すると、光子検出素子の種類が異なることから、散乱事象判別部は、光子検出器の出力に基づいて異なる散乱事象のいずれの散乱事象であるかを判別する。そして、位置情報算出部は、発生散乱事象に応じた光子検出器の出力に基づいて重心演算を行うので、散乱の影響を抑制することができる。したがって、位置情報を精度高く算出することにより、位置情報の低減を防止して画質の改善を防止することができる。
また、この発明において、前記異なる散乱角の散乱事象は、散乱角θがθ1〜θ2(前方散乱)の範囲にある第1の散乱事象と、θ3〜θ4(後方散乱)の範囲にある第2の散乱事象であって、かつ、前記光子検出素子が、光子の放出方向から第1の光子検出素子と第2の光子検出素子の順で積層されている場合、前記位置情報算出部は、発生散乱事象が第1の散乱事象である場合には、相互作用が発生した位置として第1の光子検出素子を特定し、発生散乱事象が第2の散乱事象である場合には、相互作用が発生した位置として第2の光子検出素子を特定することが好ましく(請求項5)、前記散乱事象判別部が散乱事象を判別する際には、光子検出器の出力を少なくとも2つのタイムウインドウに分割し、各タイムウインドウにおける出力比に基づき特定することが好ましい(請求項6)。
この発明に係る光子検出器の位置情報算出方法によれば、光子検出器に光子が入射すると、光子検出素子の種類が異なることから、光子検出器の出力に基づいて異なる散乱事象のいずれの散乱事象であるかを判別することができる。そして、発生散乱事象に応じた光子検出器の出力に基づいて重心演算を行うので、散乱の影響を抑制することができる。したがって、位置情報を精度高く算出することにより、位置情報の低減を防止して画質を改善することができる。
以下、図面を参照してこの発明の一実施例を説明する。
図1は、実施例に係るポジトロンCT装置の概略構成を示すブロック図であり、図2は、光子検出器の概略構成を示す縦断面図及び散乱事象の例を示す模式図である。
このポジトロンCT装置は、ガントリ部1と、データ収集システム3と、データ処理部5とを備えている。ガントリ部1は、陽電子放出核種が投与された被検体Mを載置するベッド7とガントリ9とを備えている。ベッド7は、昇降自在の基台11と、基台11の上部で水平方向(Z方向)に進退自在の天板13を備えている。
ガントリ9は、中央部に天板13とともに被検体Mが収容可能な開口部15を備えている。開口部15の周囲には、被検体Mから放出された陽電子(光子)を検出する光子検出器17(詳細後述)が複数個埋設されている。複数個の光子検出器17からの出力は、データ収集システム3に与えられる。
データ収集システム3は、データ収集部19と、散乱事象判別部21と、位置情報算出部23とを備えている。データ収集部19は、アンプ、ADC(アナログ・デジタル変換器)、TDC(タイム・デジタル変換器)、遅延回路やダブルイベント判定部などを備え、一対の光子検出器17に同時に入射する光子に係る信号を収集してデジタル化する。散乱事象判別部21は、後述するように、光子検出器17の内部において発生した散乱事象を発生散乱事象として判別する。位置情報算出部23は、発生散乱事象に応じた出力に基づき重心演算を行って、光子が相互作用を起こした位置情報を求める。
データ処理部5は、再構成部25と、制御部27と、ディスプレイ装置29と、指示部31と、駆動部33とを備えている。再構成部25は、位置情報算出部23からの位置情報、及びデータ収集部19からの収集信号、並びに別途収集したトランスミッションデータに基づき、被検体MのRI分布像を再構成する。制御部27は、再構成部25のデータに基づいてRI分布像をディスプレイ装置29に表示させる処理や、マウスなどの指示部31を介した指示に基づき駆動部33を介して天板13を進退駆動する処理や、データ収集システム3に対する収集開始の指示などを行う。
光子検出器17は、例えば、図2に示すように構成されている。
すなわち、光子検出器17は、種類が異なる複数の光子検出素子を組み合わせ、さらにそれらを積層して構成された、いわゆる2層DOI検出器である。具体的には、光子が放出されてくる方向から順に、第1の光子検出素子35及び第2の光子検出素子37を備えている。第2の光子検出素子37側にはライトガイド39が配設されており、さらにライドガイド39には複数個の光電子増倍管41が配設されている。光電子増倍管41は、いわゆるモノアノード型であることが好ましい。また、第1の光子検出素子35及び第2の光子検出素子37は、各々の検出素子が複数のブロックから構成されている。なお、第1の光子検出素子35は、例えば、LSO(ルチウム・シリコン・オキサイド)で構成され、例えば、第2の光子検出素子37は、GSO(ケイ酸・ガトリニウム)で構成されている。
ポジトロンCT装置で一般的に利用されているBGO(ビスマス・ゲルマネート)などの光子検出素子では、その素子内で511[keV]のエネルギーを有する消滅光子が光電効果を起こす確率と、コンプトン散乱を起こす確率とは同程度である。そこで、光子検出素子としてBGOを採用した場合の511[keV]の光子のコンプトン散乱と光電吸収の確率を計算によって求めた結果を表1に示す。
Figure 2008191082
また、光子のエネルギーが下がると、散乱の割合が小さく、光電吸収の割合が劇的に大きくなるので、以下の説明においては、1回のコンプトン散乱を起こした後、光電効果を起こした現象を例に採って説明する。
図2中には、光子検出器17において生じる散乱事象を例示している。ここでは、散乱角θが30°<θ<60°の範囲にあるものを第1の散乱事象SE1とし、120°<θ<150°の範囲にあるものを第2の散乱事象SE2とする。なお、散乱角θが上記の範囲以外の場合には、位置情報の精度に対する影響度合いが低いのでこの例では考慮していない。
まず、光子検出器17内にて発生した散乱事象が、上記のいずれの散乱事象であるかを判別する方法ついて図3を参照して説明する。なお、図3は、散乱事象ごとの出力を示すグラフである。
図3に示した二つの出力波形は、第1の光子検出素子35及び第2の光子検出素子37に511[keV]のエネルギーが全て付与された場合の出力波形であり、この波形は素子の材料に依存する。そこで、これら第1の光子検出素子35及び第2の光子検出素子37の出力波形を複数のタイムウインドウTW、例えば、2つのタイムウインドウTW=T1,T2に分けて計測される出力比をそれぞれ表2のように定義する。
Figure 2008191082
但し、これらの出力比は、光子検出素子がNaIの場合を基準とし、その出力を100とした場合の値としている。したがって、光子検出素子35をLSOとし、光子検出素子37をGSOとした場合、素子特性から、第1の光子検出素子35のエネルギーE(35)=40〜76、第2の光子検出素子37のエネルギーE(37)=20が与えられる。但し、以下の説明においては、表2中に記載のように、第1の光子検出素子35のエネルギーE(35)=70と、第2の光子検出素子37のエネルギーE(37)=20を用いている。
対消滅光子のエネルギーをEγ=511[keV]とした場合、コンプトン散乱光子のエネルギーEγ´と、コンプトン散乱によって付与されるエネルギーEe´は、次のようになる。
Eγ´=511/(2−cosθ) [keV]
Ee´=511−Eγ´ [keV]
この場合、二種類の散乱事象SE1,SE2において得られるエネルギー出力E(T,SE)は、それぞれのタイムウインドウTW内における出力に基づいて表3のように与えられる。
Figure 2008191082
ここで得られた二つのエネルギー出力の比Pは、
P=E(T1,SE)/E(T2,SE)
となり、これは散乱角θに依存する。なお、上記の符号SEは、第1の散乱事象SE1または第2の散乱事象SE2を表す。
上記エネルギー出力比Pの分布をそれぞれ第1の散乱事象SE1と第2の散乱事象SE2とに分けて描いたものが図4である。エネルギー出力比Pがθ=30°とθ=150°に偏っているのは、コンプトン散乱角の分布が前方(θ=0°)と後方(θ=180°)にピークを有するからである。このエネルギー出力比Pの分布から判るように、それぞれの散乱事象SEは、上限下限を有する分布であり、それらは分離している。したがって、適切な閾値を設定することにより、散乱事象SEを判別することができる。具体的には、閾値を2.0〜3.2とすれば第1の散乱事象SE1を、3.3〜3.6とすれば第2の散乱事象SE2を判別することできる。この判別方法は、上述した散乱事象判別部21によって実行される。
上述した方法により得られたエネルギー出力Pの分布から散乱事象SEを判別することができたので、次は、位置情報IP(x,y,z)を算出する方法について説明する。なお、この算出方法は、位置情報算出部23によって実行される。
上述したようにして得たエネルギー出力比Pの分布から、光子が相互作用を起こした位置情報IP(x,y,z)を得るまでのフローについて図5を参照して説明する。なお、図5は、位置情報の算出に係るフロー図である。
この図5中において、波形・散乱事象弁別(21)から重心演算に向かっている矢印は、散乱事象SEの情報を発生散乱事象として重心演算に反映させることを意味する。その反映方法の一例を以下に示す。なお、以下の説明においては、光子検出器17が備える複数個の光電子増倍管41の出力に基づいて重心演算を行うことにより位置情報(x,y,z)を算出する場合を例示する。
図2に示すように、発生散乱事象が第1の散乱事象SE1として判別された場合は、位置情報IP(x,y)を第1の光子検出素子35の位置に補正したいので、図3に示すように、立下りの早い第1の光子検出素子35の寄与が大きいエネルギー出力E(T1)のみで重心演算を行って位置情報IP(x,y,z)を求める。一方、発生散乱事象が第2の散乱事象SE2として判別された場合は、位置情報IP(x,y)を第2の光子検出素子37の位置に補正したいので、図3に示すように、立下りの遅い第2の光子検出素子37の寄与が大きいエネルギー出力E(T2)のみで重心演算を行って位置情報IP(x,y,z)を求める。このように、本来の位置情報IPの寄与を多く含むエネルギー出力Pを用いて重心演算を行うことで、より精度の高い位置情報IP(x,y,z)を得ることができる。
なお、実施例では散乱角θが0°<θ=30°及び150°≦θ≦180°の場合は、得られる補正効果が小さいので、重心演算はエネルギー出力E(T1)+E(T2)で行っている。また、散乱角θが60°≦θ≦120°の場合は、散乱が第1の光子検出素子35及び第2の光子検出素子37の両方に及ぶ影響が同程度となるので、同様に重心演算はエネルギー出力E(T1)+E(T2)で行っている。
上述したように、光子検出器17に光子が入射すると、第1の光子検出素子35及び第2の光子検出素子37の種類が異なることから、散乱事象判別部21は、光子検出器17の出力に基づいて異なる散乱事象のいずれの散乱事象であるかを判別する。そして、位置情報算出部23は、発生散乱事象の散乱角により、相互作用を起こした光子検出素子35,37を特定し、発生散乱事象に応じた光子検出器17の出力に基づいて重心演算を行うので、散乱の影響を抑制することができる。したがって、位置情報IPを精度高く算出することにより、位置情報IPの劣化を低減して画質を改善することができる。
また、光電子増倍管41をモノアノード型としているので、データ量が増大せず、演算時間も増大させずに済む。さらに、散乱事象の判別に使用している波形弁別法を利用しているので、ハードウエアの処理時間の増大を抑制することができる。
この発明は、上記実施形態に限られることはなく、下記のように変形実施することができる。
(1)上述した実施例では、一つの光子検出器17がモノアノード型の光電子増倍管41を複数個備えているが、光電子増倍管をマルチアノード型としてもよい。これにより、より詳細な検出器位置情報を得る事が可能となる。
(2)上述した実施例では、光子検出器17が深さ方向に光子検出素子を積層されてなる2層DOI型のものであったが、この発明はこの光子検出器17の構成に限定されるものではなく、例えば、図6に示す構成としてもよい。なお、図6は、光子検出器の他の構成を示す縦断面図である。
すなわち、この光子検出器17Aは、第1の光子検出素子35と第2の光子検出素子37を深さ方向に積層するのではなく、平面方向に互い違いにこれらの素子を積層した構成である。この場合、補正できる散乱角や位置情報IPの精度は異なるが、散乱の影響による位置情報の精度低下を同様に抑制することができる。
(3)上述した実施例では、散乱角θが60°<θ<120°の範囲の散乱事象の場合、そのエネルギー出力Eで重心演算を行っているが、重心演算に用いることなく破棄したとしても、感度が低下するが位置情報IPの精度は向上させることができる。
(4)上述した実施例では、タイムウインドウTWを2つとしているが、3つ以上のタイムウインドウを設定してもよい。
(5)上述した実施例では、波形弁別を利用した結晶判定(DOI判定)を行っているが、ポジションマップを利用した結晶判定(DOI判定)を行う方法でもよい。
(6)上述した実施例では、光子検出素子はシンチレータを用いているが、半導体、セラミックなどの光子検出素子を用いてもよい。
なお、上述した実施例では、図4の散乱事象ごとのエネルギー出力比を示すグラフを用いて説明したが、ここで図7を参照してその補足説明を行う。図7は、図4の補足説明図である。上述した図4は、補正対象角度の散乱イベントだけを抽出して描いたものであるが、この図7では、全ての事象について得られる分布を描いてある。なお、散乱角θとエネルギーの関係は、上述した表3〜5で示したものを用いている。
エネルギー比の値が小さい方から説明する。まず、散乱事象SE1の散乱角θ=0°(第2の光子検出素子37でエネルギーを落としたイベント)によるピークが、そのエネルギー比から12/8=1.5に現れる。そして、そのピークに繋がるように散乱角の小さい前方散乱のイベント(SE1)による分布が、90°散乱となるエネルギー比の値=4.0までテールをひく。このテールを引く理由は、次のとおりである。
第一に、前方散乱ではθ=0°に発生確率のピークをもつことが挙げられる。第二に、放射線の入射角が0°を中心とする分布をもつように検出器ブロックが配置されており、検出器の横から入射する事になる入射角=0°で放射線が入射することはまずない。これらのことから、第1の散乱事象SE1を形成する放射線は浅い入射角と、浅い散乱角をもつものが大勢を占め、それ以外の僅かな成分がテールを形成する。
次に、散乱角が大きい後方散乱である第2の散乱事象SE2による分布が180°散乱となる3.2から、90°散乱となる4.0までがテールをひく。これは後方散乱では、θ=180°にその発生確率のピークをもつことによる。そして、第1の光子検出素子35で全てのエネルギーを落とした事象(SE3)によるピークが60/10=6.0に生じる。
上述した実施例では、散乱角θ=60°までを補正するようにしている。その場合、散乱角θ=180°の第2の散乱事象SE2の約半数を散乱角θ=60°の第1の散乱事象SE1と判定して計算することになるが、これは本発明において特に問題となる事はない。つまり、散乱角θ=180°の第2の散乱事象SE2を第1の散乱事象SE1として相互作用が発生した位置情報IPを算出した場合と、第2の散乱事象SE2として相互作用が発生した位置情報IPを算出した場合とでは、位置情報IPとしては異なるものの位置情報IPの精度としては向上し、LOR(Line Of Response)としては変わらないからである。
実施例に係るポジトロンCT装置の概略構成を示すブロック図である。 光子検出器の概略構成を示す縦断面図及び散乱事象の例を示す模式図である。 散乱事象ごとの出力を示すグラフである。 散乱事象ごとの出力比を示すグラフである。 位置情報の算出に係るフロー図である。 光子検出器の他の構成を示す縦断面図である。 図4の補足説明図である。
符号の説明
M … 被検体
1 … ガントリ部
3 … データ収集システム
5 … データ処理部
17 … 光子検出器
19 … データ収集部
21 … 散乱事象判別部
23 … 位置情報算出部
25 … 再構成部
35 … 第1の光子検出素子
37 … 第2の光子検出素子
39 … ライトガイド
41 … 光電子増倍管
SE1 … 第1の散乱事象
SE2 … 第2の散乱事象

Claims (6)

  1. 種類の異なる光子検出素子を複数個組み合わせて構成された光子検出器の位置情報算出方法において、異なる散乱角の散乱事象のうち、光子検出素子内で生じた散乱事象を光子検出器からの出力に基づいて発生散乱事象として判別する過程と、前記発生散乱事象に応じた出力に基づき重心演算を行って光子が相互作用を起こした位置情報を求める過程と、を備えていることを特徴とする光子検出器の位置情報算出方法。
  2. 請求項1に記載の光子検出器の位置情報算出方法において、前記異なる散乱角の散乱事象は、散乱角θがθ1〜θ2(前方散乱)の範囲にある第1の散乱事象と、θ3〜θ4(後方散乱)の範囲にある第2の散乱事象であって、かつ、前記光子検出素子が、光子の放出方向から第1の光子検出素子と第2の光子検出素子の順で積層されている場合、発生散乱事象が第1の散乱事象である場合には、相互作用が発生した位置として第1の光子検出素子を特定し、発生散乱事象が第2の散乱事象である場合には、相互作用が発生した位置として第2の光子検出素子を特定することを特徴とする光子検出器の位置情報算出方法。
  3. 請求項1または2に記載の光子検出器の位置情報算出方法において、散乱事象を判別する際には、光子検出器の出力を少なくとも2つのタイムウインドウに分割し、各タイムウインドウにおける出力比に基づき特定することを特徴とする光子検出器の位置情報算出方法。
  4. 被検体からの光子を検出するポジトロンCT装置において、種類の異なる光子検出素子を複数個組み合わせて構成され、被検体に投与された放射性核種から放出される光子を検出する光子検出器と、異なる散乱角の散乱事象のうち、光子検出素子内で生じた散乱事象を前記光子検出器からの出力に基づき発生散乱事象として判別する散乱事象判別部と、光子が相互作用を起こした光子検出素子を特定するとともに、前記発生散乱事象に応じた出力に基づいて、重心演算を行って光子が相互作用を起こした位置情報を求める位置情報算出部と、を備えていることを特徴とするポジトロンCT装置。
  5. 請求項4に記載のポジトロンCT装置において、前記異なる散乱角の散乱事象は、散乱角θがθ1〜θ2(前方散乱)の範囲にある第1の散乱事象と、θ3〜θ4(後方散乱)の範囲にある第2の散乱事象であって、かつ、前記光子検出素子が、光子の放出方向から第1の光子検出素子と第2の光子検出素子の順で積層されている場合、前記位置情報算出部は、発生散乱事象が第1の散乱事象である場合には、相互作用が発生した位置として第1の光子検出素子を特定し、発生散乱事象が第2の散乱事象である場合には、相互作用が発生した位置として第2の光子検出素子を特定することを特徴とするポジトロンCT装置。
  6. 請求項4または5に記載のポジトロンCT装置において、前記散乱事象判別部が散乱事象を判別する際には、光子検出器の出力を少なくとも2つのタイムウインドウに分割し、各タイムウインドウにおける出力比に基づき特定することを特徴とするポジトロンCT装置。
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