JP2008190420A - 車両の駆動制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 車両の降坂路旋回中に於いて、車両の挙動をより安定化して運転者又は乗員に不安感を与えないように車両の挙動の制御を行う装置を提供すること。
【解決手段】 本発明の車両の駆動制御装置は、降坂カーブ路を検出する降坂カーブ路検出手段と、前記降坂カーブ路を車両が走行する際に車両の駆動力を増大させる駆動力制御手段とを含み、車両の降坂路旋回中の転がり抵抗の増大の影響を低減してホイール・アライメントの歪みを低減し車両挙動の安定化を図る。
【選択図】図2

Description

本発明は、自動車等の車両の駆動制御装置に係り、より詳細には、車両の降坂路旋回中の挙動を安定化させるための駆動制御装置に係る。
車両の走行制御に於いて、車両が降坂路を走行する場合には、平坦路を走行する場合とは異なる制御が行われることがある。降坂路走行中の車両に於いては、路面の勾配に応じて車両の前方向に(進行方向に)に作用する重力により、車両の荷重が車両の前方に移動して車輪荷重の分布が変化するので、車両のヨー方向の力又はヨーモーメントのバランスが平坦路走行の場合とは異なる。従って、降坂路走行中の車両の走行又は挙動の制御を安定化させるためには、上記の重力の作用による荷重移動を考慮して、力又はヨーモーメントのバランスが調節されることとなる。そのような走行制御として、例えば、特許文献1に記載の車両の旋回中のロール剛性を旋回状況(旋回半径等)に基づいて制御する車両用サスペンションの制御装置では、車両の降坂旋回中に、路面の勾配度を考慮してロール剛性を制御することが提案されている。また、特許文献2には、降坂旋回中の車両に於いて重力と遠心力の作用により荷重が(四輪のうち)最大になる旋回外前輪の制動力を抑えて(アンチスキッド制御を相対的に早く作動する。)、旋回外前輪に於ける横力の発生を確保することにより、降坂中の車両の旋回性能を向上するといった試みが為されている。
特開平5−221216号 特開2006−69420 特開2006−96158 特開2006−111184
ところで、降坂路旋回中の車両に於いては、平坦路又は降坂路の直進中などに比して、相対的に、ホイール・アライメント又はサスペンション・アライメントの歪み(車両の平坦面上での静止時のアライメントからのずれ)が大きくなり、これにより、車両の走行挙動の安定性が低下する場合がある。既に述べた如く、車両が降坂路を走行している場合には、車体が斜め下向きに(即ち、前方向に)重力の作用を受けるところ、車両を旋回するべく舵が切られて車輪にスリップ角が発生すると、車輪に横力とともに進行方向とは逆向きの転がり抵抗が増大し(下記の実施形態の欄参照)、これにより、車輪と車体とを連結するサスペンションの各部により大きな前後方向に互いに逆向きの力が作用することとなる。その結果、ホイール・アライメントの歪みは、互いに前後逆向きに作用する力によるサスペンションの変形に対応して、平坦路直進走行中の場合と比べて大きくなり、車両の走行挙動の安定性が低減される。勿論、サスペンションは、そもそも、弾性変形して、上記の如き車体に作用する力学的な衝撃を吸収して車体を安定化させるためのものであり、ホイール・アライメント自体も車両の走行中に作用する力に対して車体の安定性を確保する役目も担っているので、上記の如くホイール・アライメントに歪みが生じても、通常、車両の走行上に問題はない。
しかしながら、上記の如き車両の降坂路走行中の挙動の不安定化は、車両の運転者又は乗員に不安感を与えることがある。車両の降坂路走行中は、車両の運転者又は乗員も、車両の進行方向に重力を感じるなどして、運転感覚や乗り心地が平坦路走行中の場合とは異なるので、しばしば、運転者又は乗員は不安を感じ易い状況になる。また、かかる状況に於いて、車両が旋回すると、運転者又は乗員は、旋回方向外方に遠心力も感じるので、これにより、更に、不安を感じ易くなるかもしれない。そのような状況に於いて、ホイール・アライメントに歪みが生じ、車両の挙動が、平坦路走行中に比べて不安定になると、運転者又は乗員は、車両の走行上支障がない場合であっても車両挙動の変化に不安感を覚えることがある。従って、運転者又は乗員にできるだけ不安感を感じさせないようにするためには、降坂路旋回中の車両の走行挙動は、特に、より安定に保たれていることが望ましい。しかしながら、従来の技術に於いて、特に、車両の降坂路旋回中に於ける運転者又は乗員の不安感を発生させない(又は低減させる)ように配慮して車両の挙動又は走行を制御する提案は為されていないようである。
かくして、本発明の一つの課題は、車両の降坂路旋回中に於いて、車両の挙動をより安定化して運転者又は乗員の不安感の発生を抑制又は低減するよう車両の挙動の制御を行う装置を提供することである。
本発明によれば、車両の降坂路旋回中に於いて、車輪の前進方向の力を発生又は増大して、車輪(又はタイヤ)に於いて増大する転がり抵抗の作用を低減することにより、車両のホイール・アライメント(又はサスペンション・アライメント)の変化又は歪みを低減し、これにより、降坂路旋回中の車両の挙動を安定化させる車両の駆動制御装置が提供される。
本発明の車両の駆動制御装置は、降坂カーブ路を検出する降坂カーブ路検出手段と、降坂カーブ路が検出され、その降坂カーブ路を車両が走行する際に車両の駆動力を増大させる駆動力制御手段とを含むことを特徴とする。なお、車両の駆動装置がエンジンである場合には、駆動力制御手段が、スロットル開度を高くすることにより車輪の駆動力を増大するようになっていてよいが、駆動装置がモーター等である場合には、適宜、駆動装置の出力が増大されるようになっていてよい。また、降坂カーブ路検出手段は、路面の勾配を検出する手段と、車両の走行路がカーブ路であるか否かを判定する手段とを含んでいてよく、これらの手段は、当業者に於いて任意の手段が選択されてよい(実施形態の欄参照)。
上記の構成によれば、車両の走行中、車両の走行路が降坂カーブ路である場合には、車両の駆動力が増大され、これにより、車輪に前進方向の力が伝達されて、車輪に於いて発生している転がり抵抗の作用を低減若しくはその少なくとも一部を相殺することとなる。車輪に作用する後ろ向きの力が低減又は相殺されれば、サスペンションにかかる前後方向の変形(車両の平坦面上での静止時のサスペンションの状態からのずれ)が低減される。従って、ホイール・アライメントの変化又は歪みが低減又は解消されるので、車両の走行挙動が、より安定化され、これにより、運転者又は乗員の運転感覚又は乗り心地が安定し、運転者又は乗員に不安感を与える可能性が低減されることとなる。
上記の本発明の構成に於いて、降坂カーブ路上で、運転者又は乗員に不安感を与えないように車両をより安定的に走行させるために、上記の駆動力の増大制御は、車両が進入する前に開始することが好ましい。勿論、車両が降坂カーブ路に進入した後で増大制御を開始しても車両の挙動は安定化されるが、降坂カーブ路の走行中に(転がり抵抗の作用を低減するための)増駆動力の増大が起きると運転者又は乗員が違和感を覚えるかもしれない。そこで、上記の本発明に於いて、好ましくは、降坂カーブ路検出手段は、車両の走行中に降坂カーブ路に車両が進入する前に、降坂カーブ路を検出し、駆動力制御手段は、車両が降坂カーブ路に進入する前の時点に於いて、車両の駆動力を、前記の時点の車両の駆動力よりも、増大するようになっていてよい。車両が降坂カーブ路に進入するどのくらい前に増大制御を開始するようにするかは、実験的に車両の操舵に対する応答性や車速などを考慮して決定されてよいが、重要なことは、車両が降坂カーブ路に進入した時点で、駆動力の増大制御により、車両の挙動に於ける車輪のスリップ角の増大に伴う転がり抵抗の増大の影響が低減されている状態を達成できているようにすることである。
なお、上記の本発明の実施の形態に於いて、駆動力制御手段による車両の駆動力の増大は、前記の如く、車両の車輪に於いて増大する転がり抵抗を相殺するためであるので、駆動力の増大量は、転がり抵抗より小さい範囲であってよい。また、車速が低い場合には、駆動力制御手段による車両の駆動力の増大をする必要がないので、駆動力の増大量は、車速に基づいて決定されてよい。
上記の説明から理解される如く、本発明に於いては、車両の降坂路旋回中の車輪の転がり抵抗の増大の影響を駆動力の増大によって低減若しくは一部相殺することにより、車両のホイール・アライメント又はサスペンション・アライメントの歪みを低減し、車両挙動のより安定化させようとするものである。ホイール・アライメント又はサスペンション・アライメントの歪みについては、当業者に於いて理解される如く、車両の旋回時は、車両の横方向に作用する車輪上の横力によってもサスペンションの歪みが発生する。しかしながら、横力は、車両の旋回に必要な力であり、又、車体に作用する重力の作用とは向きが異なる。他方、転がり抵抗は、車両の走行に於いては、本質的には、利用されない力の成分である(むしろ、車速を低下させるものであるので、定速又は加速走行に於いては、エネルギーの損失となる成分である。)。即ち、本発明の制御は、車両の走行に利用されない力によるホイール・アライメント又はサスペンション・アライメントの歪みを除去又は低減して、車両挙動の安定化を図ろうとするものであるということができる。
本発明のその他の目的及び利点は、以下に於いて、部分的に明らかになり、指摘される。
以下に添付の図を参照しつつ、本発明を幾つかの好ましい実施形態について詳細に説明する。図中、同一の符号は、同一の部位を示す。
装置の構成
図1(A)は、本発明の駆動制御装置の好ましい実施形態が搭載される前輪駆動車を模式的に示している。同図に於いて、左右前輪12FL、12FRと、左右後輪12RL、12RRを有する車両10には、通常の態様にて、運転者によるアクセルペダル14の踏込みに応じて前輪に駆動力を発生する駆動装置16と、左右前輪を操舵するステアリング装置30が搭載される。駆動装置16は、図示の例では、エンジン18から、トランスアクスル20を経て、駆動トルク或いは回転駆動力が前輪12FL、12FRへ伝達されるよう構成されている(エンジン18に代えて電動機が用いられる電気式、或いは、エンジンと電動機との双方を有するハイブリッド式の駆動装置であってもよい。)。また、ステアリング装置30は、運転者によって回転されるステアリングホイール32の回転を、ステアリングギア機構34を介して、タイロッド36L、Rへ伝達し、前輪12FL、FRを転舵する。更に、通常の車両と同様に、ブレーキペダル38の踏込みに応答して各輪に制動力を発生する制動装置が設けられる。なお、車両は、後輪にも駆動力が伝達される四輪駆動車であってもよい。
駆動装置16の作動は、電子制御装置50により制御される。電子制御装置50は、通常の形式の、双方向コモン・バスにより相互に連結されたCPU、ROM、RAM及び入出力ポート装置を有するマイクロコンピュータ及び駆動回路を含んでいてよい。電子制御装置50には、車速センサ40からの車速V、Gセンサ42からの前後加速度Gx、車両の各部に設けられたセンサからのエンジンの回転速Er、アクセルペダル踏込量θa、ブレーキペダル踏込量θb、ステアリングシャフト32aに設けられた操舵角センサ32bからの操舵角δが入力される。また、車両には、例えば、GPS(Global Positioning System)人工衛星と通信して走行路の地図データを取得するカーナビゲーションシステム44及び/又は車両前方を撮影するビデオカメラ46及び画像処理装置46aが搭載され、後で説明する如く、電子制御装置50の制御下、地図データ又は車両進行方向の路面のカメラの撮影像に基づいて車両の走行路がカーブ路であるか否かが判定され、走行路がカーブ路である場合には、カーブ情報(道路がカーブ路であることを示す情報)が電子制御装置50へ入力される。なお、上記以外に、本実施形態の車両に於いて実行されるべき各種制御に必要な種々のパラメータを得るための各種検出信号が入力されてよいことは理解されるべきである。そして、電子制御装置50は、上記の一連の情報に基づいて、下記に詳細に説明される如く、車両が降坂路を旋回する際に、車輪の駆動力が増大するようエンジン18のスロットル18aの開度を調節する。即ち、電子制御装置50は、本発明に於ける駆動力制御手段又はスロットル制御手段として機能する。
車両の降坂路旋回中のホイール・アライメントの変化
上記の車両の構成に於いて、車輪(特に、本実施形態に於いては、前輪12FL、12FR)は、当業者に於いて良く知られているように、車両の前後方向又は鉛直方向に沿って完全に平行ではなく、一般的には、種々の車体の姿勢又は挙動の安定性を図る目的で、或る角度(トー、キャンバ角)を以ってサスペンション(図示せず)を介して車体に取り付けられ(ホイール・アライメント又はサスペンション・アライメント)、車体を路面に対して支持する。例えば、図1(A)に於いて、左右前輪は、車両の前方向に於いて所定角度内向きに向けられる(トー・インの状態)。そのような構成に於いて、路面から車輪に力が作用すると、サスペンションが歪むとともに、車輪のトー又はキャンバ角が取り付け時の状態から変位し(アライメントの歪み)、これにより、車体の姿勢又は挙動が変化することとなる。勿論、サスペンションは、車輪に作用する力を吸収して、車体の姿勢又は挙動の安定性を図るための装置なので、サスペンションが歪み、これによりアライメント及び車体の姿勢が過渡的に変位すること自体は、(想定の範囲内であれば)車両の走行に於いて問題はない。
車両の降坂路旋回中の場合、図1(B)の模式的に示されている如く、車輪のタイヤにスリップ角が生じ、転がり抵抗が増大する一方で、車体が重力の影響で車両の前方に力を受ける。即ち、車体が重力により前方に力を受けるのに対し、転がり抵抗が車体の後ろ向きに作用し、従って、車体と車輪との間を連結するサスペンションの前後方向の歪み及び前記のトー・イン、キャンバ角などの車輪のアライメントの歪みが、平坦路の走行時よりも相対的に大きくなり、これにより、車両の姿勢又は挙動が(平坦路の走行時よりも相対的に)不安定になる。この場合も、アライメントの歪みが想定の範囲内であれば、通常、車両の走行に問題はない。しかしながら、「発明の開示の欄」の述べた如く、車両の降坂路旋回中、運転者又は乗員は不安感を感じ易い状態であるので、上記の如き転がり抵抗の影響で車両の挙動が平坦路の走行時よりも不安定になると、不安感を感じてしまう可能性がある。特に、車両の降坂路走行中に、(定常旋回ではなく)舵角を変化させる場合には、その変化と共に転がり抵抗が変動するので、ホイール・アライメント又はサスペンション・アライメントが安定せず、運転者又は乗員が更に不安感を感じるかもしれない。即ち、上記のタイヤに増大する転がり抵抗は、既に述べた如く、そもそも車両の走行には、実質的には利用されない力であるにもかかわらず、降坂路走行中にホイール・アライメントの歪み又は変化を惹起して、運転者又は乗員が不安感を助長する原因となり得る。
そこで、本発明の装置は、車両の走行中に、車両の走行路が降坂カーブ路であることを検出すると、エンジンのスロットル開度を増大し、これにより、車両の走行には実質的には寄与しない転がり抵抗の増大の影響を低減又は相殺するよう駆動輪の駆動力を増大して、ホイール・アライメントの変化又は歪みを低減し、挙動の安定化を図る。
装置の作動
図2は、本発明による駆動制御を実現する電子制御装置50に於ける処理過程の流れをフローチャートにて表したものである。なお、図2の制御処理は、車両の運転中、常に実行されていてよい。同図を参照して、制御のサイクルが開始されると、まず、車両の走行している道路が降坂路であるか否かが判定される(ステップ10)。かかる判定に於いては、例えば、Gセンサからの前後加速度Gxと、エンジン出力TEから推定される車両に発生している駆動力Fを車重Mで除して得られるエンジンにより与えられている推定加速度αを比較し、
Gx−α>Δα …(1)
が成立したとき、車両が降坂路を走行していると判定するようになっていてよい(前後加速度Gxがエンジン出力による加速度αより大きい場合には、車両にエンジンによる駆動力以上の力(重力)が作用していることになる)。ここで、Δα(正の閾値定数)は、駆動力増大制御が傾斜の小さい降坂路では実行しなくてもよいこと(重力作用が小さいため)と、測定又は算出誤差とを考慮して、誤判定を防止するためのマージンであり、実験等により任意に設定されてよい。もし車両の走行している道路が降坂路でないと判定されたときには、本発明の制御は実行されない。なお、降坂路の判定は、その他の任意の方法でなされてよく、そのような場合も本発明の範囲に属する。
次に、車両の走行している降坂路に於いて、車両の前方向又は進行方向の道路をカーブ路であるか否かが判定される(ステップ20)。かかる判定は、例えば、(1)カーナビゲーションシステム44から取得される道路の地図情報データを用いたカーブ路検出方法及び/又は(2)車両の前方路面を撮影するビデオカメラ46からの画像データを用いたカーブ路検出方法により為されてよい。
カーナビゲーションシステム44を用いたカーブ路検出方法(例えば、特許文献4参照)の場合、システム44は、この分野に於いて近年急速に普及している公知のカーナビゲーションシステムであってよく、簡単に述べれば、GPS人工衛星と通信し、少なくとも道路の経路を含む地図データとその地図データ上に於ける車両の位置を表す情報を取得する。そして、車両の位置情報に基づいて、車両の進路の道路がカーブ路であるときには、その情報(カーブ情報)が電子制御装置50へ転送される。車両の進路の道路がカーブ路であるか否かは、地図データに於ける道路の経路を検出し、その道路の曲率半径が所定値以下である場合に道路がカーブ路であると判定されてよい。
ビデオカメラ46の画像データを用いたカーブ路検出方法(例えば、特許文献3参照)の場合、ビデオカメラ46は、この分野で通常使用されている、例えば、CCDカメラ等であってよく、ビデオカメラ46で撮影された車両前方の道路の画像は、画像処理装置46aに於いてディジタル化され、道路の画像データが生成される。通常、道路の画像には、路面上に描かれた道路側線、中央分離線等の所定のパターンが撮影されているので、道路がカーブ路であるか否かは、画像処理装置46aに於いて予め準備された画像パターンと道路の画像内の道路側線等のパターンとを比較し、両者のパターンが一致するか否かにより判定されてよい。或いは、道路の画像内の道路側線等のパターンを検出して、その検出されたパターンに基づいて、道路の曲率半径を推定し、推定された曲率半径が所定値以下のとき、道路をカーブ路と判定するようになっていてもよい。そして、画像処理装置に於いて、車両前方の道路がカーブ路であることが判定されると、カーブ情報が電子制御装置50へ転送される。
電子制御装置50が、上記のカーブ情報を受信すると、車両前方の道路が降坂カーブ路であると判定され、更に、以下の制御処理を実行する。カーブ情報が受信されない場合は、本発明の制御は実行されない。なお、上記のカーブ路の判定に於いて、理解されるべきことは、本発明の制御処理に於いては、車両の前方がカーブ路であるか否かを判定しているという点である。かかる構成により、車両がカーブ路上を走行している間は勿論のこと、車両がカーブ路に進入する前に車両の進路がカーブ路であることが検出され、これにより、車両がカーブ路に進入するのに先立ってスロットル開度を増大する制御の準備が開始され、車両がカーブ路に進入する時点で、スロットル開度の増大制御が実行されている状態を達成することができる。
上記の如く、車両前方の道路が降坂カーブ路であることが判定若しくは検出されると、次に、運転者が制動操作を行っているか否か(ステップ30)及びアクセルペダルの踏込量が一定か否か、即ち、運転者の要求する駆動力が一定であるか否かが判定される。なお、制動操作を行っているか否かは、ブレーキペダルの踏込量θbが所定値以上であるか又はストップランプスイッチが点灯しているか否かにより判断されてよい。運転者が車両の加減速を要求するべくアクセルペダルの踏込量を変化させているか、或いは、ブレーキペダルを踏込んでいるときには、運転者の操作を優先すべく、本発明の駆動力増大制御は、実行されない。
かくして、車両前方の道路が降坂カーブ路であり且運転者が車両の加減速のための操作していない状態に於いて、電子制御装置50は、スロットル駆動装置(図示せず)に対してスロットル開度を増大する指令を送信し、車輪の駆動力を増大する制御が実行される(ステップ50)。かかる駆動力増大制御に於いては、エンジン出力量TEは、(a)駆動力の増大を開始する直前のエンジン出力量TE又は(b)駆動力の増大を開始する直前の車速Vを維持するエンジン出力量TEV0よりもエンジン出力補正量ΔTEだけ増大されるよう制御されてよい。即ち、降坂路を走行中の車両がカーブ路に進入する前又はカーブ路を走行中の車両が降坂する前の車速若しくはエンジン出力量を基準として、エンジン出力が増大されることとなる。
エンジン出力量TEを駆動力の増大を開始する直前のエンジン出力量TEよりもエンジン出力補正量ΔTEだけ増大する場合、図2(B)に例示されている如く、駆動力増大制御が実行されていないときには、まず、以降の制御の基準となるそのときのエンジン出力量TEが記憶される(ステップ52、54)。しかる後に、現在の車速Vに基づいて、エンジン出力補正量ΔTEが決定され(ステップ56)、エンジン出力量TEが
TE=TE+ΔTE …(2)
となるように、スロットル開度φが決定されて(ステップ58)、スロットル開度制御が実行される(ステップ60)。これにより、制御サイクルを繰り返す間、駆動力増大制御の実行中に於いて、スロットル開度φは、式(2)のエンジン出力量TEが達成されるよう調節される。
他方、エンジン出力量TEを駆動力の増大を開始する直前の車速Vを維持するエンジン出力量TEV0よりもエンジン出力補正量ΔTEだけ増大する場合には、図2(C)に例示されている如く、駆動力増大制御が実行されていないときに、以降の制御の基準となるそのときの車速Vが記憶され(ステップ52、53)、しかる後に、車速Vを維持するために必要なエンジン出力量TEV0が任意の公知の態様にてエンジン出力量マップを用いて算出される(ステップ55)。そして、現在の車速Vに基づいて、エンジン出力補正量ΔTEが決定され(ステップ56)、エンジン出力量TEが
TE=TEV0+ΔTE …(3)
となるように、スロットル開度φが決定されて(ステップ58)、スロットル開度制御が実行される(ステップ60)。駆動力増大制御の実行中に於いては、車速Vを維持するために必要なエンジン出力量TEV0が逐次そのときの車両の作動状況に応じて、エンジン出力量マップを用いて算出され(ステップ55)、スロットル開度φは、式(3)のエンジン出力量TEが達成されるよう調節される。
上記の制御に於いて、エンジン出力補正量ΔTEは、図3(A)に例示されている如き、エンジン出力補正量ΔTEと車速Vとの関係を表すマップにより決定されてよい(エンジン出力補正量ΔTEの決定の際は、現在の車速Vがパラメータとなる。)。同図から理解される如く、エンジン出力補正量ΔTEは、車速Vが低い場合には、低減されるよう設定される。なお、「発明の開示」の欄に於いて述べた如く、本発明の駆動力増大制御に於いては、車両旋回時のタイヤに発生する転がり抵抗の作用を低減して車両のホイール・アライメントの歪みを低減するために、車輪の駆動力が増大される。従って、エンジン出力補正量ΔTEは、車輪の駆動力が、車輪に発生する転がり抵抗を超えない程度に調節され(図3(B)参照)、これにより、車輪のスリップ角の発生による転がり抵抗の増大に伴う車両のホイール・アライメントの歪みが低減されることとなる。エンジン出力補正量ΔTEは、舵角又はスリップ角の大きさを考慮して決定されてよい。
総じて、上記の制御処理過程の作動によれば、車両が降坂カーブ路を走行する際には、実際に車両が降坂カーブ路に進入する前に、その降坂カーブ路が検出され、そのときの車速又はエンジン出力量を基準にしてそれよりもエンジン出力量が増大するようスロットル開度の増大が指令される。そして、車両が降坂カーブ路に進入後は、エンジン出力量は、降坂カーブ路に進入する前のエンジン出力量よりも増大され、これによる駆動力の増大によって、転がり抵抗の作用が低減若しくは一部相殺されて、車両のホイール・アライメントの歪みが低減し、かくして、車両の挙動が安定化されることとなる。そして、車両が降坂カーブ路から脱出する際には、降坂路又はカーブ路の検出手段のいずれかが、車両の前方が降坂路又はカーブ路ではないとの判別し、これにより、エンジン出力補正量ΔTEによるスロットル開度の増大が終了され、任意の態様にてエンジン出力が制御されることとなる。かくして、車両が降坂カーブ路を通過する際に、転がり抵抗の増大に起因するホイール・アライメントの歪み又は変化が低減されることにより、車両の挙動がより安定な状態となり、運転者又は乗員に不安感を感じさせる可能性が低減されることとなる。
以上に於いては本発明を特定の実施例について詳細に説明したが、本発明は上述の実施例に限定されるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の実施例が可能であることは当業者にとって明らかであろう。
例えば、上記の実施形態に於いては、カーブ路の判定は、車両の前方の路面情報を取得することにより、車両が降坂カーブ路に進入する前に、駆動力増大の準備ができるようになっているが、操舵角センサからの舵角δを表す信号に基づいて、舵角δが所定値以上のときに、車両がカーブ路を走行していると判定され、これに応答して、駆動力増大制御を実行するようになっていてもよい。また、車両が降坂カーブ路に進入する前に車両の走行路がカーブ路であるとの情報が得られた条件下に於いて、舵角δが所定値以上になったときに、駆動力増大制御を実行するようになっていてもよい(走行路がカーブ路でも車両が直進する場合も有り得る。)。
また、上記の実施形態に於いて、車両は、前輪駆動車(又は四輪駆動車)であり、駆動輪の舵角が切られる場合について説明されているが、後輪駆動車の場合であっても、車速が高くなってくると、駆動輪(後輪)に於いてもスリップ角が発生するので、上記の実施形態と同様に転がり抵抗の影響を低減するべく本発明による駆動輪の増大が行われてよい。
なお、上記の本発明は、主として運転者又は乗員に不安を与えないようにするべく、降坂路旋回中の車両の挙動を安定化させるものであるが、降坂路旋回中の車両の走行挙動の悪化を防止する目的で実行されてもよく、そのような場合も本発明の範囲に属する。
図1Aは、本発明による駆動制御装置の好ましい実施形態が実現される自動車の模式図を示しており、図1Bは、舵を切られた車輪に於いて転がり抵抗が発生することを説明する図である。 図2Aは、本発明の駆動制御装置の実施形態に於ける制御処理をフローチャートの形式にて表したものであり、図2(B)及び(C)は、図2(A)のステップ50に於いて実行される駆動力増大制御処理の例をフローチャートの形式で表したものである。 図3(A)は、図2(B)及び(C)のステップ56に於いて車速Vに応じてエンジン出力補正量ΔTEを決定するためのマップをグラフの形式にて表したものである。図3(B)は、スリップ角と転がり抵抗及び横力との関係を模式的に表したものである。図中の点線は、本発明による駆動力の増大により転がり抵抗の作用が、相殺する量を示している。従って、本発明の制御中に於いては、転がり抵抗の作用は矢印で示された実線と点線との間の量まで低減され、これにより、ホイール・アライメントの歪みが低減されることとなる。
符号の説明
10…車体
12FL、FR、RL、RR…車輪
14…アクセルペダル
16…駆動装置
18…エンジン
18a…スロットル弁
20…トランスアクスル
30…操舵装置
32b…操舵角センサ
38…ブレーキペダル
40…車速センサ
42…Gセンサ
44…カーナビゲーションシステム
46…ビデオカメラ
46a…画像処理装置
50…電子制御装置

Claims (6)

  1. 車両の駆動制御装置であって、降坂カーブ路を検出する降坂カーブ路検出手段と、前記降坂カーブ路が検出され前記車両が前記降坂カーブ路を走行する際に前記車両の駆動力を増大させる駆動力制御手段とを含むことを特徴とする装置。
  2. 請求項1の装置であって、前記降坂カーブ路検出手段が、前記車両の走行中に降坂路カーブ路に前記車両が進入する前に前記降坂路カーブ路を検出し、前記駆動力制御手段が、前記車両が前記降坂路カーブ路に進入する前の時点に於いて前記車両の駆動力を前記時点の前記車両の駆動力よりも増大することを特徴とする装置。
  3. 請求項1の装置であって、前記車両の駆動装置がエンジンであり、前記駆動力制御手段が、スロットル開度を高くすることにより前記車両の前記駆動力を増大することを特徴とする装置。
  4. 請求項1の装置であって、駆動力制御手段による前記車両の駆動力の増大量が前記車両の車輪に於いて発生する転がり抵抗を相殺する量より小さい範囲であることを特徴とする装置。
  5. 請求項1の装置であって、駆動力制御手段による前記車両の駆動力の増大量が車速に基づいて決定されることを特徴とする装置。
  6. 請求項1の装置であって、前記車両の前輪が駆動輪であることを特徴とする装置。
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