JP2008189966A - 鉄合金を含む磁性微粒子および該磁性微粒子を含む水性コロイド組成物 - Google Patents

鉄合金を含む磁性微粒子および該磁性微粒子を含む水性コロイド組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】水中あるいは血液等の電解質水溶液中において安定性に優れ、かつ安全性の高い磁性微粒子の提供及び該磁性微粒子を含む感度の高い造影剤、ならびに温熱効果の高い温熱療法用製剤の提供。
【解決手段】
鉄合金を含み、平均粒径が1nm以上5nm未満であり、かつ保磁力が16KA/m以下0.1KA/m以上である磁性微粒子。
【選択図】なし

Description

本発明は、鉄合金を含む磁性微粒子および該磁性微粒子を含む水性コロイド組成物に関する。さらに本発明は、該磁性微粒子を含む造影剤及び/又は温熱療法用製剤に関する。
ナノメートルオーダーの粒径の単磁区構造を有するCuAu型あるいはCu3Au型合金磁性微粒子は、高密度磁気記録に応用される材料侯補として最近注目されている。かかる合金磁性微粒子の診断分野への応用については、特許文献1に示唆があるが、該文献において実際に生体に適用した例の開示はなく、また、特許文献1には具体的な用途については記載されていない。
類似の技術としては、特許文献2に、水溶性高分子化合物でコーティングされたマグネタイト等の強磁性金属酸化物の微粒子のMRI造影剤としての有用性の開示がある。また、特許文献3にはや0価遷移金属微粒子と非イオン性親水性配位子とからなる金属微粒子複合体のX線造影剤又はMRI造影剤としての有用性が記載されている。
特許文献4には、デキストランと金属又は金属化合物の磁性超微粒子とから成る複合体が交番磁界中で効率よく発熱し、この複合体を主成分とする組成物は悪性腫瘍等の温熱療法剤として優れていることが開示されている。X線検査やMRI検査で患部を識別できると同時に治療できれば、理想的であるが、かかる報告は未だにない。さらに、副作用低減の観点から、少量の投与でも高感度に検出でき、高効率で温熱療法が可能な材料組成物の開発が望まれている。
特開2005−48213号 WO95/31220 特開平10−330288号 特開平2−174720号公報(PCT国際公開W090/01939)
本発明の課題は、水中あるいは血液等の電解質水溶液中において安定性に優れ、かつ安全性の高い鉄合金を含有する磁性微粒子を提供することである。本発明の別の課題は、感度の高い造影剤および温熱効果の高い温熱療法用製剤を提供することである。
上記課題は、下記[1]〜[12]により達成された。
[1]鉄合金を含み、平均粒径が1nm以上5nm未満であり、かつ保磁力が16KA/m以下0.1KA/m以上である磁性微粒子。
[2]前記鉄合金がFe−Pt又はFe−Auからなる合金である[1]に記載の磁性微粒子。
[3]前記鉄合金表面の少なくとも一部を酸化鉄が覆っている[1]又は[2]に記載の磁性微粒子。
[4]鉄1kg当りの飽和磁化量が10A・m2/kg以上200A・m2/kg以下である[1]〜[3]のいずれか一項に記載の磁性微粒子。
[5]表面の少なくとも一部にメルカプト化合物が吸着している[1]〜[5]のいずれか一項に記載の磁性微粒子。
[6]前記メルカプト化合物がさらにカルボキル基を有している[6]に記載の磁性微粒子。
[7][1]〜[6]のいずれか一項に記載の磁性微粒子を含む造影剤。
[8][1]〜[6]のいずれか一項に記載の磁性微粒子を含む温熱療法用製剤。
[9][1]〜[6]のいずれか一項に記載の磁性微粒子を含む水性コロイド組成物。
[10]糖アルコール化合物を含有する[9]に記載の水性コロイド組成物。
[11]単糖類又は多糖類を含有する[9]又は[10]に記載の水性コロイド組成物。
[12]鉄合金を形成する金属塩及び還元剤を含有する非水溶媒を100℃以上350℃以下で加熱することにより、平均粒径が1nm以上5nm未満である鉄合金を含有する磁性微粒子の油性コロイドを製造すること;
該磁性微粒子表面の少なくとも一部にメルカプト化合物を吸着させること;および
該磁性微粒子を水に分散させること
をこの順に含む磁性微粒子含有水性コロイド組成物の製造方法。
また、本発明の別の観点からは、MRI造影剤もしくはX線造影剤などの造影剤又は温熱療法用製剤の製造のための上記いずれかの磁性微粒子の使用;MRI造影又はX線造影などの造影法であって、上記いずれかの磁性微粒子を、ヒトを含む哺乳類動物に投与した後に造影する工程を含む方法;血温熱療法であって、上記いずれかの磁性微粒子を、ヒトを含む哺乳類動物に投与する工程を含む方法が本発明により提供される。
本発明の磁性微粒子は水中あるいは血液等の電解質水溶液中における安定性に優れ、かつ安全性が高い。本発明の磁性微粒子は造影剤、ならびに温熱療法用製剤として有用である。
以下、本発明を詳細に説明する。
なお、本明細書において「〜」とはその前後に記載される数値を下限値および上限値として含む意味で使用される。
磁性微粒子
本発明の磁性微粒子は水中や血液等の電解質水溶液中において安定に分散することを特徴とする。また、癌などの標的部位に集積することによりコントラストの高い造影や交番磁場での加熱効果を高めることを可能とする。さらに、本発明の磁性微粒子は生体に安全に投与でき、副作用が少ない。
本発明の磁性微粒子の平均粒径は、平均粒径が1nm以上5nm未満である。なお、粒径の判断には後述のように、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いることができる。また、「粒径」とは磁性微粒子の電子顕微鏡写真画像を同面積の円とした時の直径を意味する。
本発明の磁性微粒子は保磁力が16KA/m{約200Oe}以下0.1KA/m以上であることが好ましく、12KA/m以下0.1KA/m以上であることがより好ましい。磁性微粒子の保磁力が16KA/mより大きいと磁性微粒子が凝集しやすくなる場合がある。また本発明の磁性微粒子に含まれる鉄1kg当りの飽和磁化量が10A・m2/kg以上200A・m2/kg以下、すなわち、鉄1g当りの飽和磁化量が10emu以上200emu以下であることが好ましく、20A・m2/kg以上150A・m2/kg以下であることがより好ましい。前記飽和磁化量が10A・m2/kg未満であると、造影剤または温熱療法用製剤として用いられた場合に磁気応答性が不十分になる可能性がある。本発明の磁性微粒子は非晶質状態でも、磁気モーメント向きが不規則となっている超常磁性状態(fcc)でも、アニールなどにより規則合金化した強磁性状態(fct)でもよいが、分散安定性の面から超常磁性状態又は非晶質状態であることが好ましい。
鉄合金としては、Fe−Ni、Fe−Pd、Fe−Pt、Fe−Au、Fe−Co等が挙げられる。これらのなかで生体安全性の面からFe−Pt、Fe−Auが好ましい。さらに飽和磁化率が大きいこと、安全性が高いことからFe−Ptが最も好ましい。
Feと他の合金構成金属の元素比率は1:1又は1:3などの化学量論的(結晶状態)であってもよいが、これらの比率に限定されず、任意の範囲で選択でき、好ましくは3:7〜9:1の範囲で選択すればよい。
鉄合金の最外層が酸化鉄等の酸化物を形成し、本発明の磁性微粒子を構成していてもよい。
本発明の磁性微粒子の形成には、気相法、液相法、その他公知のナノ粒子形成法を用いることができる。これらのうち量産性に優れる液相法が好ましい。液相法で用いられる溶媒は有機溶剤でも水でもよく、また有機溶剤と水の混合液を用いてもよいが、非水溶媒が好ましい。非水溶媒としてはエーテル系溶媒が好ましい。
鉄合金を含有する磁性微粒子の液相法による製造法としては、熱分解法、超音波分解法、もしくは還元剤還元法(還元剤としては、アルコール類、ポリオール類、アミノアルコール類、ヒドラジン、水素化ホウ素ナトリウム、アスコルビン酸、クエン酸、水素ガスなどを用いることができる)を挙げることができる。また、反応系で分けると、共沈法、ソルボサーマル法、逆ミセル法などがありいずれも本発明に使用することができる。
本発明の1nm以上5nm未満の鉄合金を含む磁性微粒子を凝集なく形成する方法としては、鉄合金を形成する後述の金属塩及び上記還元剤を含有する非水溶媒を100℃以上350℃以下で加熱することにより磁性微粒子の油性コロイドを製造した後、少なくとも粒子表面の一部にメルカプト化合物を吸着させて水に分散させる製造方法が好ましく挙げられる。
本発明の磁性微粒子の合成に使用する金属塩としては、H2PtCl6、K2PtCl4、Pt(CH3COCHCOCH3)2、Na2PdCl4、Pd(OCOCH3)2、PdCl2、Pd(CH3COCHCOCH3)2、KAuCl4、HAuCl4、NaAuCl4、AuCl3、Au(CH3COCHCOCH3)3、Fe2(SO4)3、Fe(NO3)3、(NH4)3Fe(C24)3、Fe(CH3COCHCOCH3)3、Fe(OC25)3、(CH3COO)2Fe、FeCl3、FeCl2などが挙げられる。鉄合金の合成の際には、これらの金属塩を溶媒に溶解して反応に用いることができる。溶液の濃度は、0.1〜1000μmol/mlが好ましく、1〜100μmol/mlがより好ましい。
磁性微粒子の合成後には溶液から塩類を除くことが好ましい。粒子の分散安定性を向上させ、また投与する血液の浸透圧の変化を抑制するためである。脱塩法としては、アルコールなどを過剰に加えて軽凝集を起こし自然沈降あるいは遠心沈降させ塩類を上澄みと共に除去する方法、透析法、限外濾過法またはゲル濾過法などが挙げられ、合成法に最適な方法を採用することができる。
本発明の磁性微粒子の粒径評価には透過型電子顕微鏡(TEM)を用いることができる。また、磁性微粒子の結晶系の決定にはTEMによる電子線回折やX線回折を用いることができる。磁性微粒子の内部の組成分析には電子線を細く絞ることができるFE-TEMにEDAXを用いることができる。配位構造解析にはXAFSやSTEM/EDSを用いることができる。また、磁性微粒子の磁気的性質の評価はVSMを用いて行うことができる。
メルカプト化合物
本発明の磁性微粒子にはメルカプト化合物が吸着していることが望ましい。メルカプト化合物は、分子内にアミノ基、カルボキシル基、水酸基のいずれかを有していることが好ましい。これらの基を介して、特定の抗原や癌マーカーなどと特異的に反応する抗体などの蛋白質を結合させることによって、特定の部位に磁性微粒子を集積しやすくし、その部位の造影および温熱療法の効果を高めることができる。なお、血液等の電解質水溶液中における未反応基による凝集を抑制するために、上記メルカプト化合物において、メルカプト基、カルボキシル基、アミノ基等は分子中にそれぞれ1つだけ存在することが好ましい。また、水性コロイド組成物の安定性の観点から、メルカプト化合物の総炭素数は、6以上20以下、特に8以上18以下が好ましい。
メルカプト化合物の具体例としては、6-メルカプト-n-ヘキサノール、8-メルカプト-n-オクタノール等のメルカプトアルコール類、1-メルカプト-2-デオキシグルコース、1-メルカプト-1-デオキシガラクトース、1-メルカプト-2-デオキシマンノース、1-メルカプト-1-デオキシフコース、1-メルカプト-1-デオキシキシロース、1-メルカプト-1-デオキシリボース、1-メルカプト-1-デオキシアラビノース、2-メルカプト-2-デオキシグルコース、3-メルカプト-3-デオキシグルコース、4-メルカプト-4-デオキシグルコース、6-メルカプト-6-デオキシグルコース、6-メルカプト-6-デオキシガラクトース、6-メルカプト-6-デオキシマンノース等のメルカプトポリアルコール類及びメルカプト糖類、6-メルカプト‐n‐ヘキシルアミン8-メルカプト-n-オクチルアミン等のメルカプトアルキルアミン類、6-メルカプトヘキサン酸、11-メルカプトウンデカン酸等のメルカプト脂肪酸類、上記のメルカプトポリアルコール類やメルカプト糖類の水酸基をカルバメート化もしくはチオカルバメート化して得られるメルカプトカルバメート類及びメルカプトチオカルバメート類、片末端にメルカプト基を有するポリエチレンオキシド、片末端にメルカプト基を有するポリプロピレンオキシド等のメルカプトポリアルキレンオキシド類、2-メルカプト-1-デオキシグルクロン酸、2-メルカプト-2-デオキシグルクロン酸、3-メルカプト-3-デオキシグルクロン酸、4-メルカプト-4-デオキシグルクロン酸等のメルカプト糖カルボン酸類、1-メルカプト-1-デオキシグルコサミン、1-メルカプト-1-デオキシガラクトサミン、1-メルカプト-1-デオキシマンノサミン、1-メルカプト-1-デオキシフコサミン、1-メルカプト-1-デオキシキシロサミン、1-メルカプト-1-デオキシリボサミン、1-メルカプト-1-デオキシアラピノサミン、3-メルカプト-3-デオキシグルコサミン、4-メルカプト-4-デオキシグルコサミン、6-メルカプト-6-デオキシグルコサミン等のメルカプトアミノデオキシ糖類等が挙げられる。
メルカプト化合物は、メタノール、エタノール、イソプロパノール、アセトンなどの水に混和する有機溶媒に必要量溶解してメルカプト化合物溶液として用いることができる。このメルカプト化合物溶液と磁性微粒子(製造後の磁性微粒子分散物等)とを混合することにより、該磁性微粒子に吸着させることができる。
メルカプト化合物の使用量は、磁性微粒子総量に対して1〜200質量%、好ましくは2〜100質量%であればよい。1質量%より少ないと結合する抗体などのタンパクが少なくなり効果が小さくなる可能性があり、200質量%より多いと未反応のアミノ基やカルボキシル基による体液中での凝集が大きくなる可能性がある。
本発明の磁性微粒子を含む水性コロイド組成物は、非イオン性界面活性剤(ソルビタン脂肪酸エステル系、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル系、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル系、グリセリン・ポリグリセリン脂肪酸エステル及び酢酸エステル系、グリセリン・プロピレングリコール脂肪酸エステルの酸化エチレン誘導体系、ボリエチレングリコール脂肪酸エステル系、ポリオキシエチレンアルキルエーテル系、ポリオキシエチレンヒマシ油・硬化ヒマシ油誘導体系など)を含んでいてもよい。
糖アルコール化合物
本発明の磁性微粒子を含む水性コロイド組成物は、糖アルコール化合物を含んでいてもよい。水性コロイド組成物に糖アルコール化合物を含有させることによって、本発明の磁性微粒子を水溶媒中でより安定に分散させることができ、浸透圧の調節が容易になる。糖アルコール化合物としては、D−エリトリット、L−エリトリット、メソエリトリットなどのエリトリット類(4価アルコール)、D−アラビット、L−アラビット、アドニット、キシリットなどのペンチット類(5価アルコール)、D−ソルビット、L−ソルビット、D−マンニット、L−マンニット、D−イジット、L−イジット、ズルシット、D−タリット、L−タリット、アリットなどのヘキシット類(6価アルコール)などが挙げられる。水性コロイド組成物における糖アルコール化合物の濃度は1〜100mg/mlが好ましい。
単糖類及び多糖類
本発明の磁性微粒子を含む水性コロイド組成物は単糖類及び多糖類を含んでいてもよい。水性コロイド組成物に単糖類及び多糖類を含有させることによって、本発明の磁性微粒子を水溶媒中でより安定に分散させることができ、本発明の磁性微粒子を例えば造影剤として血流中に注入した場合にも安全であって血流中で沈殿性の凝集を生じにくくすることができる。単糖類は、アルドース(アルデヒドアルコール)でもケトース(ケトンアルコール)でもよい。アルドースとしては、D−およびL−トレオース、D−およびL−エリトロースなどのアルドテトロース、D−およびL−アラビノース、D−およびL−リキソース、D−およびL−リボース、D−およびL−キシロースなどのアルドペントース、D−およびL−グルコース、D−およびL−グロース、D−およびL−マンノース、D−およびL−イドース、D−およびL−ガラクトース、D−およびL−タロース、D−およびL−アルトロース、D−およびL−アロースなどのアルドヘキソースなどが挙げられる。ケトースとしては、ジヒドロキシアセトンなどのケトトリオース、D−エリトルロースなどのケトテトロース、D−リブロース、D−キシルロースなどのケトペントース、D−ブシコース、D−フルクトース、D−ソルボース、D−タガトースなどのケトヘキソースなどが挙げられる。
多糖類としては、中性多糖類、酸性多糖類及び塩基性多糖類が挙げられる。中性多糖類としては、例えば、グルコースポリマーであるデキストラン、デンプン、デキストリン、グリコーゲン、セルロース、プルラン、カードラン、シゾフイラン、レンチナン、ペスタロチアン等又はそれらのアルカリ処理物またはカルボキシアルキル誘導体;フラクトースポリマーであるイヌリン、レバン等;マンノースポリマーであるマンナン等;ガラクトースポリマーであるアガロース、ガラクタン、アラビノガラクタン等;キシロースポリマーであるキシラン等;L一アラビノースポリマーであるアラビナン等が挙げられる。塩基性多糖類としては、例えば、グルコサミンポリマーであるキチン等を挙げることができる。酸性多糖類としては、例えば、アルギン酸、ペンチン、ヒアルロン酸、コンドロイチン4−硫酸、シアル酸、ノイラミン酸、デキストランスルホン酸などを挙げることができる。多糖類としては、二糖類、三糖類、四糖類などのオリゴ糖類でも高分子化合物でもよい。
単糖類及び多糖類の数平均分子量は、水性コロイド組成物の安定性及び絶対粘度の観点から、約500〜約30万であればよく、約1000〜約10万が好ましく、約1500〜約3万が特に好ましい。水性コロイド組成物における単糖類及び多糖類の濃度は1〜300mg/mlであればよく、10〜100mg/mlが好ましい。
水性コロイド組成物の絶対粘度は、操作性や温熱療法における発熱効率に影響を与える物性値である。本発明の磁性微粒子を含む水性コロイド組成物の絶対粘度は特に限定されないが、一般的には1〜5万mPa・s{=CP(センチポイズ)}、好ましくは2〜1万mPa・s、さらに好ましくは3〜2千mPa・sの範囲であればよい。
水性コロイド組成物中の鉄合金の含有量は目的に応じて変えることができる。例えば、MRI造影剤として用いる場合は0.05〜20質量/容量%、好ましくは0.1〜10質量/容量%であり、X線造影剤として用いる場合は1〜50質量/容量%、好ましくは2〜30質量/容量%である。また、温熱療法用製剤として用いる場合は0.1〜20質量/容量%、好ましくは0.2〜10質量/容量%であればよい。
本発明の磁性微粒子又は該微粒子を含む水性コロイド組成物がMRI造影剤もしくはX線造影剤などの造影剤又は温熱療法用製剤として用いられる場合の投与方法は、通常、静脈内投与などの非経口投与であればよいが、経口投与でもよい。非経口投与の製剤、即ち注射剤等の製造に用いられる溶剤、または懸濁化剤としては、例えば水、プロピレングリコール、ボリエチレングリコール、ベンジルアルコール、オレイン酸エチル、レシチン等が挙げられる。またMRI造影剤、X線造影剤又は温熱療法用製剤を経口投与の形態とする場合、例えば穎粒剤、細粒剤、散剤、錠剤、硬シロップ剤、軟カプセル剤、シロップ剤、乳剤、懸濁剤、リポソーム、液剤等の剤形とすればよい。固体製剤を製造する際に用いられる賦形剤としては、例えば乳糖、ショ糖、デンプン、タルク、セルロース、デキストリン、カオリン、炭酸カルシウム等が挙げられる。経口投与のための液体製剤、即ち乳剤、シロップ剤、懸濁剤、液剤等は、一般的に用いられる不活性な希釈剤、例えば植物油等を含む。この製剤は不活性な希釈剤以外に補助剤、例えば湿潤剤、懸濁補助剤、甘味剤、芳香剤、着色剤または保存剤等を含むこともできる。液体製剤にして、ゼラチンのような吸収されうる物質のカプセル中に含ませてもよい。
本発明の磁性微粒子又は該微粒子を含む水性コロイド組成物がMRI造影剤もしくはX線造影剤などの造影剤又は温熱療法用製剤として用いられる場合、所望に応じて、薬理学的に活性のある薬剤、例えば、制癌剤を混和することもできる。制癌剤を含有する本発明の組成物は、温熱療法と癌化学療法剤との併用効果が発現し、優れた抗腫瘍効果を期待できる合理的なものである。制癌剤の添加割合は、従来の投与法を参考に比較的広い範囲が採用できるが、一般に組成物全体の約0.01〜約10質量%、好ましくは約0.1〜約5質量%の範囲を採用することができる。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明の範囲は下記の実施例に限定されることはない。
(例1)
1.Fe−Pt合金磁性微粒子水性コロイド組成物の調製
酢酸鉄(II)0.23g、白金(II)アセチルアセトナート0.40g、オレイン酸0.37g、オレイルアミン0.70g、1,2−ヘキサデカンジオール0.78g及びジオクチルエーテル40mlを混合、溶解した後、オートクレーブを用いて高純度Arガス中270℃で30分加熱した。冷後、11−メルカプトウンデカン酸0.88gを溶解したエタノール溶液120mlと混合した。遠心分離により沈殿物を回収し、さらにエタノールで洗浄した。沈殿物に1N−NaOH水溶液0.8ml及び水20mlを添加して分散させた後、0.2μmのフィルターでろ過して水性コロイド組成物を調製した。
この水性コロイドをTEM観察用のメッシュに乗せ乾燥させてTEM用試料を作成した。加速電圧150KVの透過電子顕微鏡(TEM)を用い粒子サイズを調べたところ、水性コロイド組成物には平均粒径約2nmの粒子が含まれていることがわかった。TEM写真を図1に示す。また、電子線回折測定およびXAFSよりFe−Pt合金の生成および酸化鉄の存在を確認した。さらにICP測定からFeとPtの元素比率は約1:1であることを確認した。以上の解析より、PtリッチのFe−Pt合金をコアにして酸化鉄が被覆しているナノ粒子が生成していることがわかった。
この水性コロイドにD−マンニットを添加して、1ml中の濃度がFe0.56mg、Pt2.00mg、D−マンニット1.5mgの水性コロイド組成物を調製した。
2.磁気特性の評価
磁気特性は東英工業製の高感度磁化ベクトル測定機と同社製DATA処理装置を使用し、印加磁場796KA/mで測定した。飽和磁化量75A・m2/kgFe、保磁力9.5KA/mを得た。
3.細胞毒性の評価
上記水性コロイド組成物をラットに4ml/kgの割合で投与した。ラットは3日間異常なく生存した。その後の解剖の結果、Fe−Pt合金磁性微粒子が肝臓や脾臓に集積されていることがわかった。
4.MRI造影試験
上記水性コロイド組成物をラットに0.8ml/kgの割合で静脈投与してMRI造影を行なった。投与前と投与20分後の画像を図2に示す。図2より肝臓などが明瞭に造影できることがわかった。
5.X線造影試験
上記水性コロイド組成物を20倍濃縮し、ラットに4ml/kgの割合で静脈投与してX線造影を行なったところ、高い造影効果を示すことがわかった。
6.発熱特性の評価
第29回日本応用磁気学会学術講演会概要集163頁(2005)に記載の方法に準じて、上記MRI造影試験に用いた水性コロイド組成物に150kHz、150Oeの交番磁界を20分間印加したところ、液温が9.1℃上昇した。一方、磁性微粒子を含まない水溶液(比較液)は、液温はほとんど変化しなかった。
(例2)
例1において、D−マンニットに代えて、デキストラン(平均分子量15000〜20000)、
またはグルコースを等量添加して水性コロイド組成物を調製した。これらの水性コロイド組成物も例1と同様にMRI及びX線造影が可能なこと、及び交番磁場印加による発熱があることを確認した。
(例3)
1.Fe−Au合金微粒子水性コロイド組成物の調製
高純度Arガス中で塩化鉄(II)4水和物1.20g及び塩化金(III)酸カリウム2水和物1.86gをエチレングリコール50mlに溶解した。この中にナトリウムエトキシド2.04g及びオレイルアミン8.4mlをエチレングリコール25mlに溶解した溶液を添加、混合した。その後、混合液の温度を130℃に加熱して6時間攪拌した。室温まで冷却した後、11−メルカプトウンデカン酸2.74gを溶解したトルエン溶液150mlと混合した。遠心分離により沈殿物を回収し、さらにエタノールで洗浄した。沈殿物に1N−NaOH水溶液1.6ml及び水20mlを添加して分散させた後、0.2μmのフィルターでろ過して水性コロイド組成物を調製した。
この水性コロイド組成物をTEM観察したところ、平均粒径約4nmの粒子を形成していることがわかった。TEM写真を図3に示す。また、XAFSよりFe−Au合金の生成および酸化鉄の存在を確認した。さらにICP測定からFeとAuの元素比率は約1:1であることを確認した。以上の解析より、AuリッチのFe−Au合金をコアにして酸化鉄が被覆しているナノ粒子が生成していることがわかった。
この水性コロイドにD−フルクトースを添加して、1ml中の濃度がFe1.4mg、Au5.2mg、D−フルクトース4mgの水性コロイド組成物を調製した。
2.評価
上記水性コロイド組成物の磁気特性を実施例1と同様に評価したところ、飽和磁化量90A・m2/kgFe、保磁力8.0KA/mを得た。また、この水性コロイド組成物も例1と同様にMRI及びX線造影が可能なこと、及び交番磁場印加による発熱があることを確認した。
(比較例)
例1のFe−Pt合金微粒子水性コロイド組成物の調製において、オートクレーブでの加熱条件を310℃30分としたところ、Fe−Pt合金微粒子の平均粒子サイズが8nmとなり、水性コロイドの分散安定性が著しく悪化した。X線回折より一部fctのFe−Pt結晶構造が認められた。また、磁気特性を調べたところ、飽和磁化量120A・m2/kgFe、保磁力51.7KA/mを得た。保磁力の増大に伴い、粒子が凝集しやすくなったものと思われる。
例1で得られた水性コロイド組成物中の磁性微粒子のTEM写真を示す図である。 例1で得られた水性コロイド組成物をラットに0.5ml/kgの割合で静脈投与した投与前(左側)と投与20分後(右側)のMRI造影画像である。 例3で得られた水性コロイド組成物のTEM写真を示す図である。

Claims (12)

  1. 鉄合金を含み、平均粒径が1nm以上5nm未満であり、かつ保磁力が16KA/m以下0.1KA/m以上である磁性微粒子。
  2. 前記鉄合金がFe−Pt又はFe−Auからなる合金である請求項1に記載の磁性微粒子。
  3. 前記鉄合金表面の少なくとも一部を酸化鉄が覆っている請求項1又は2に記載の磁性微粒子。
  4. 鉄1kg当りの飽和磁化量が10A・m2/kg以上200A・m2/kg以下である請求項1〜3のいずれか一項に記載の磁性微粒子。
  5. 表面の少なくとも一部にメルカプト化合物が吸着している請求項1〜5のいずれか一項に記載の磁性微粒子。
  6. 前記メルカプト化合物がさらにカルボキル基を有している請求項6に記載の磁性微粒子。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の磁性微粒子を含む造影剤。
  8. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の磁性微粒子を含む温熱療法用製剤。
  9. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の磁性微粒子を含む水性コロイド組成物。
  10. 糖アルコール化合物を含有する請求項9に記載の水性コロイド組成物。
  11. 単糖類又は多糖類を含有する請求項9又は10に記載の水性コロイド組成物。
  12. 鉄合金を形成する金属塩及び還元剤を含有する非水溶媒を100℃以上350℃以下で加熱することにより、平均粒径が1nm以上5nm未満である鉄合金を含有する磁性微粒子の油性コロイドを製造すること;
    該磁性微粒子表面の少なくとも一部にメルカプト化合物を吸着させること;および
    該磁性微粒子を水に分散させること
    をこの順に含む磁性微粒子含有水性コロイド組成物の製造方法。
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