JP2008188124A - 血漿分離技術 - Google Patents
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Abstract
【課題】血液に凝固防止剤を用いずに、また、補助的輸送手段や力をかけずに短時間で血液の血漿、血小板を赤血球から分離する方法を提供する。
【解決手段】微細流路を利用したマイクロチップを用いて微少量の血液でも重力により流下させるだけで血漿と血球を分離するもので、血液流入口1より血液を導入し、これを垂直に立てる。血液は血液だめ2から直角に曲がり分離流路3を進む。分離流路には分離溝4〜7が有り、これらを通過する毎に重力により血球成分は下方に流下し上部には血漿が残る。血漿は最終的には血漿だめ8に到達し完全に血漿成分が分離される。
【選択図】図10
【解決手段】微細流路を利用したマイクロチップを用いて微少量の血液でも重力により流下させるだけで血漿と血球を分離するもので、血液流入口1より血液を導入し、これを垂直に立てる。血液は血液だめ2から直角に曲がり分離流路3を進む。分離流路には分離溝4〜7が有り、これらを通過する毎に重力により血球成分は下方に流下し上部には血漿が残る。血漿は最終的には血漿だめ8に到達し完全に血漿成分が分離される。
【選択図】図10
Description
本発明は、血液中の血漿成分と血球成分とを分離する方法に関する。
従来、血液成分を分離するには採血した試料を容器に封入し遠心器を用いて分離する方法やフィルタを用いて真空吸引する方法がよく知られている。
こうした時、静脈血を全血用いるか血漿を用いる場合は凝固阻止する必要があり、EDTA塩、クエン酸ナトリウム、へパリンなどの抗凝血剤を用いる必要がある。しかも遠心分離器という補器を必要とする。どがある。15分〜30分程度かかる。少量の血液から血漿、血球を分離し計測する場合でも必要以上の血液が必要となり、時間もかかる。
また、フィルターとしてはプラスチックス製真空採血管が知られている。2分程度と採取時間は短いが必要量以上の血液をバッチ採取する必要があり、真空ポンプなどの補器を必要とする。
特許第2760471号
こうした時、静脈血を全血用いるか血漿を用いる場合は凝固阻止する必要があり、EDTA塩、クエン酸ナトリウム、へパリンなどの抗凝血剤を用いる必要がある。しかも遠心分離器という補器を必要とする。どがある。15分〜30分程度かかる。少量の血液から血漿、血球を分離し計測する場合でも必要以上の血液が必要となり、時間もかかる。
また、フィルターとしてはプラスチックス製真空採血管が知られている。2分程度と採取時間は短いが必要量以上の血液をバッチ採取する必要があり、真空ポンプなどの補器を必要とする。
本発明は、血液中から血球と血漿を分離する際に、従来の遠心分離やフィルター装置では時間がかかるために血液凝固防止剤を入れたり、遠心機や真空ポンプなどの付属容器を必要とするなどの問題があった。このために分離するにはかなりの量の血液が必要であった。本発明ではこれらの課題を解決することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の方法は、生物反応の顕著でない透明な薄膜に微細流路を積層するという独自の立体流路により構築し、この流路を流れる血液を重力による分離原理により極めて短い時間並びに短い流動距離で分離することを特徴とする。
本発明は、基本的に、補助的輸送手段を用いることなく、圧力や遠心力などを加えることなく、或いは凝固防止剤などの特殊な試薬を加えることなく、極めて短時間で、バッチ式、連続式を問わず血漿、血小板を分離できる事等の利点を有する。
以下に、本発明の方法を、単一の分離チップにより分離する場合の一例について説明する。
まず、本発明における第1段階において、ポリイミド、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレンテレフタレート等の生体反応を起こさない或いは起きにくい透明薄膜を選定する。薄膜の厚さは30μmであり、両面に接着剤が塗布されている。接着剤は後でラミネートする際に流路内にはみ出ることなくまた、流路以外で空洞部を形成しないよう5μm以下とした。
次いで、各層となる薄膜を積層した場合に立体流路が構成されるように薄膜1枚毎にレーザーを用いて流路を形成する。レーザーの光は主として266nmを用いるが、素材によりレーザーの波長、エネルギー、パルス幅はまちまちである。266nmの例では1〜10J/平方cmの範囲に於いてパルス光を照射することによりバリやデブリの少ない幅20〜100μmの正確な短形断面流路を容易に製作することが可能である。
上記加工物を設計図に従って多層に積層し、これを100℃〜300℃、圧力1〜5kg/平方cmでラミネートし、貼り合わせる。この際表面にゴミや異物を挟み込まないようにクリーンベンチなどを用いて作業を行う。
上記積層したものを分離チップとして切り出す。こうした製作工程では極めて多数のチップを同時に作り込むことも可能であり、たとえば、ロール状の薄膜を用いる場合には極めて多くのチップの大量生産を行うことが可能となる。チップは積層を行うために合わせマークが各層の薄膜に設けられており、正確に積層される。
本発明者等は種々の実験を行い、分離が出来る流路条件を見出した。
この一例を以下に示す。
この一例を以下に示す。
流路により分離される状況を図1に示す。血液は適切な重力流れにすることによって血球層が下に血漿層が上になるように分離する。血球の排出流路を適切に設けることにより血漿のみを取り出すことが出来る。
単一チップで分離する場合には図2に示すように血液を注入後直ちに垂直に立てることにより図3に示すように分離が行われ血漿と血球に分かれて排出される。ごく僅かの量で分離が行われ血漿や血球の検査を行うのに役立つ。
単一チップで分離する場合には図2に示すように血液を注入後直ちに垂直に立てることにより図3に示すように分離が行われ血漿と血球に分かれて排出される。ごく僅かの量で分離が行われ血漿や血球の検査を行うのに役立つ。
上述した単一素子を大量に集積することにより大量の分離が可能な素子形成される。一例を図4に示す。単一の分離チップを積層し、血液注入部と血球や血漿の排出部を集積した管を設けたものである。血液集積管から注入された血液は各チップで重力流によりそれぞれの単一チップで分離され、分離されたものはそれぞれ血球集積管や血漿集積管により集められ外に排出される。
次に、本原理を用いた分離器について実施例に基づいて説明する。
単一分離チップの作製
まずはじめに血球排出溝が先に行くほど広くなっている図5に示すタイプを作製した。3層よりなりそれぞれレーザーで薄膜がカットされ、後にラミネートされて流路を形成する。
次に、血球排出溝が先に行くほど狭くなっている図6に示すタイプを作製した。3層よりなりそれぞれレーザーで薄膜がカットされ、後にラミネートされて流路を形成する。
上記2つのタイプは代表的な形状を示すものであり、分離チップとしてはこれに限られるものではない。
まずはじめに血球排出溝が先に行くほど広くなっている図5に示すタイプを作製した。3層よりなりそれぞれレーザーで薄膜がカットされ、後にラミネートされて流路を形成する。
次に、血球排出溝が先に行くほど狭くなっている図6に示すタイプを作製した。3層よりなりそれぞれレーザーで薄膜がカットされ、後にラミネートされて流路を形成する。
上記2つのタイプは代表的な形状を示すものであり、分離チップとしてはこれに限られるものではない。
分離実験例(生理的食塩水で希釈した場合)
実施例1に示す形状のチップを平面においた状態で入り口ロート部に血液を表面張力を利用して接触注入させた後に、吐出口を下にして90度起こして血液が下方に表面張力並びに重力により流下するように配置する。その後は特に何らの人為的な操作を加えることなくただ流下させる状態を維持する。その結果、図7の写真に示すように下方向の出口には重力により赤血球が、横方向の出口には血漿と生理的食塩水の混合した液体が排出される。
実施例1に示す形状のチップを平面においた状態で入り口ロート部に血液を表面張力を利用して接触注入させた後に、吐出口を下にして90度起こして血液が下方に表面張力並びに重力により流下するように配置する。その後は特に何らの人為的な操作を加えることなくただ流下させる状態を維持する。その結果、図7の写真に示すように下方向の出口には重力により赤血球が、横方向の出口には血漿と生理的食塩水の混合した液体が排出される。
分離実験例(直接血液を使用した場合)
実施例1に示す形状のチップを平面においた状態で入り口ロート部に血液をそのままの状態で注入した後に、吐出口を下にして90度起こして血液が下方に表面張力並びに重力により流下するように配置する。その後は特に何らの人為的な操作を加えることなくただ流下させる状態を維持する。その結果、図8に示すように下方向の出口には重力により赤血球が、横方向の出口には血漿と血小板の混合した液体が排出される。
以上示すように分離は50mm以内で行われ、要する時間は1分以内であり、血液の凝固を見ることなく図9のように血漿、血球の分離が出来た。
実施例1に示す形状のチップを平面においた状態で入り口ロート部に血液をそのままの状態で注入した後に、吐出口を下にして90度起こして血液が下方に表面張力並びに重力により流下するように配置する。その後は特に何らの人為的な操作を加えることなくただ流下させる状態を維持する。その結果、図8に示すように下方向の出口には重力により赤血球が、横方向の出口には血漿と血小板の混合した液体が排出される。
以上示すように分離は50mm以内で行われ、要する時間は1分以内であり、血液の凝固を見ることなく図9のように血漿、血球の分離が出来た。
(1)の血液流入口(2)の血液だめ(3)分離流路
(4)〜(7)分離溝(8)血漿だめ
(4)〜(7)分離溝(8)血漿だめ
Claims (5)
- 主流路と、重力を用いてこの主流路に液体を供給する第1の液体溜と、この第1の液体溜よりも下流側にあり前期主流路に連通し、重力を用いて前記主流路から液体の一部を流し出す排出流路と、この排出流路よりも下流側にあり前期主流路に連結し、液体の一部を取り出す第2の液体溜とを備え、前期第2の液体溜よりも前期第1の液体溜が高い位置にあり、前期液体の成分で比重の重い成分を第2の液体溜に排出することを特徴とするマイクロ流体素子。
- 前期第1の液体溜の液体は血液であり、前期第2の液体溜の液体は血漿と血小板である請求項1記載のマイクロ流体素子。
- 前期主流路と前期第1の液体溜とが直交する溝で形成されたあるいは前期第2の液体溜の液体を希釈する液体を流すことができるバイパス流路を備えた請求項1記載のマイクロ流体素子。
- 上記薄膜としてポリイミド、ポリエチレンナフタレート,ポリエチレンテレフタレート,ポリプロピレンなどの生態反応性を持たない或いは反応性の弱い透明体フィルムをレーザーなどを用いて複数枚のシートに微細なスリットや穴を設け、これを積層し、ラミネートすることにより分離が行われている状況を、外部から観察できることを特徴とする上記請求項目に述べる方法。
- 上記請求項に述べる微細な流路により極微量を分離するばかりでなく、これらを多重に重ね合わせることにより大量の粒子をコンパクトな装置で重力のみにより比重の異なる粒子や液体を分離する方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2007023512A JP2008188124A (ja) | 2007-02-01 | 2007-02-01 | 血漿分離技術 |
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Family Applications (1)
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JP2007023512A Pending JP2008188124A (ja) | 2007-02-01 | 2007-02-01 | 血漿分離技術 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100907909B1 (ko) | 2009-04-17 | 2009-07-16 | 한국기계연구원 | 연속식 혈액 분리기 및 이를 이용한 바이오 칩 |
CN105531591A (zh) * | 2013-08-09 | 2016-04-27 | 加利福尼亚大学董事会 | 数字流体样品分离设备和用于一步定量样品分析的方法 |
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2007
- 2007-02-01 JP JP2007023512A patent/JP2008188124A/ja active Pending
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US10589270B2 (en) | 2013-08-09 | 2020-03-17 | The Regents Of The University Of California | Digital fluid sample separation apparatus and methods for one-step quantitative sample analysis |
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