JP2008184397A - アルキルチオ置換含窒素複素環化合物の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】
一般式(B)で表されるメルカプト含窒素複素環化合物と一般式(C)で表されるアルコール化合物を、酸の存在下、マイクロ波照射下で反応させて、一般式(A)で示されるアルキルチオ置換含窒素複素環化合物を製造する。
R1−S−CH2R2 (A)
(式中、R1は、置換基を有してもよい5〜7員環の含窒素複素環化合物の残基を示す。R2は、水素原子、アルキル基またはシクロアルキル基を示す。)
R1−SH (B)
(式中、R1は、前記と同じ。)
R2CH2OH (C)
(R2は、前記と同じ)
【選択図】なし
Description
このようにアルキルチオ基を有する複素環化合物を製造することは、工業的に重要な方法となる。
本発明者は、この点に関し、鋭意研究を重ねた結果、アルコール化合物に酸を加えることにより発生するアルキルオキソニウムカチオンがアルキル化剤として機能し、かつ該反応をマイクロ波照射下で行うと効果的にアルキルチオ置換含窒素複素環化合物が得られることを見出し、本発明を完成させたものである。
(1)一般式(B)で表されるメルカプト含窒素複素環化合物と一般式(C)で表されるアルコール化合物を、酸の存在下、マイクロ波照射下で反応させることを特徴とする一般式(A)で示されるアルキルチオ置換含窒素複素環化合物の製造方法。
R1−S−CH2R2 (A)
(R1は、置換基を有してもよい5〜7員環の含窒素複素環化合物の残基を示す。R2は、水素原子、アルキル基またはシクロアルキル基を示す。)
R1−SH (B)
(R1は、前記と同じ。)
R2CH2OH (C)
(R2は、前記と同じ)
(2)酸が硫酸又は塩酸であることを特徴とする(1)に記載のアルキルチオ置換含窒素複素環化合物の製造方法。
(3)含窒素複素環化合物がピリジンであることを特徴とする(1)に記載のアルキルチオ置換含窒素複素環化合物の製造方法。
(4)含窒素複素環化合物がベンゾイミダゾールであることを特徴とする(1)に記載のアルキルチオ置換複素環化合物の製造方法。
(5)含窒素複素環化合物がベンゾチアゾールであることを特徴とする(1)に記載のアルキルチオ置換含窒素複素環化合物の製造方法。
(6)含窒素複素環化合物がイミダゾールであることを特徴とする(1)に記載のアルキルチオ置換含窒素複素環化合物の製造方法。
(7)含窒素複素環化合物がピリミジンであることを特徴とする(1)に記載のアルキルチオ置換含窒素複素環化合物の製造方法。
(8)含窒素複素環化合物がチアゾリンであることを特徴とする(1)に記載のアルキルチオ置換含窒素複素環化合物の製造方法。
また、本発明方法で得られるアルキルチオ置換含窒素複素環化合物は、ゴム加硫化剤や香料の原料物質となる。また、アルキルチオ置換含窒素複素環化合物は、他の置換含窒素複素環化合物の原料としても使用することができる。
R1−S−CH2R2 (A)
前記式中、R1は含窒素複素環化合物を示す。この含窒素複素環化合物は、5〜7員環であり、窒素以外に酸素原子、硫黄原子を環の構成原子として含んでいてもよい。また、他の環と縮環していてもよい。また、環上に炭素数1〜8の鎖状あるいは炭素数3〜8の環状のアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシル基、炭素数2〜12のアルコキシカルボニル基、フェニル基、ニトロ基及びハロゲン原子から選ばれる基又は原子が置換していてもよい。R2は、水素原子あるいは炭素数1〜6のアルキル基を示す。
R1−SH (B)
(前記式中、R1は前記と同じ)
R2CH2OH (C)
(前記式中、R2は前記と同じ)
前記R1で示される含窒素複素環化合物の環上のハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられる。
一般式(B)で示される化合物および一般式(C)で示される化合物の代表例を示せば以下の通りである。
2−ピリジンチオール、4−ピリジンチオール、2−ピリミジンチオール、4−ピリミジンチオール、4,6−ジメチル−2−メルカプトピリミジン、2−メルカプトオキサゾール、2−メルカプトチアゾール、2−メルカプトイミダゾール、1−メチル−2−メルカプトイミダゾール、2−メルカプト−1,3,4−トリアゾ−ル、5−メルカプトテトラゾール、2−メルカプトチアゾリン、2−キノリンチオール、2−メルカプトベンゾオキサゾール、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾイミダゾール等が挙げられる。
メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、イソブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、シクロプロピルメタノール、シクロブチルメタノール、シクロペンチルメタノール、シクロヘキシルメタノール等が挙げられる。
酸の使用量は原料であるメルカプト置換含窒素複素環化合物の重量に対して0.1倍〜10倍であり、好ましくは0.5倍〜5倍である。
反応時間は、反応温度、アルコール化合物の種類により左右され、一概に定めることはできないが、通常は1〜60分である。
以下に述べる実施例は本発明の理解を容易にするために代表的な化合物の一例をあげたものであり、本発明はこれに限定されるものではない。
内容積10mlのガラス製容器中に2−メルカプトピリジン(100mg)をメタノール(5ml)に溶解させ、硫酸(0.1ml)を加えた。このガラス容器をマイクロウエーブ反応装置(Biotage社製、Initiator)に入れ、150℃でマイクロ波(45W)を5分間照射し、反応させた。反応容器を室温まで冷却した後、メタノールを減圧下留去させ、水を加えて塩化メチレンで生成物を抽出する事により粗生成物を得た。生成物を塩化メチレンを溶媒としたシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより、目的の2−メチルチオピリジンを68%の収率で得た。
実施例1において、マイクロ波を照射せずに、メタノール加熱環流下にて反応を行った。目的の2−メチルチオピリジンの収率は反応時間を8時間にしても59%であった。
実施例1において、2−メルカプトピリジンの代わりに2−メルカプトベンゾイミダゾールを用いることにより、2−メチルチオベンゾイミダゾールを74%の収率で得た。
実施例2において、マイクロ波を照射せずに、メタノール加熱環流下にて反応を行った。目的の2−メチルチオベンゾイミダゾールの収率は反応時間を8時間にしても64%であった。
実施例1において、2−メルカプトピリジンの代わりに2−メルカプトベンゾチアゾールを用いることにより、2−メチルチオベンゾチアゾールを71%の収率で得た。
実施例3において、マイクロ波を照射せずに、メタノール加熱環流下にて反応を行った。目的の2−メチルチオベンゾチアゾールの収率は反応時間を8時間にしても16%であった。
実施例1において、2−メルカプトピリジンの代わりに1−メチル−2−メルカプトイミダゾールを用いることにより、1−メチル−2−メチルチオイミダゾールを73%の収率で得た。
実施例4において、マイクロ波を照射せずに、メタノール加熱環流下にて反応を行った。目的の1−メチル−2−メチルチオイミダゾールの収率は反応時間を8時間にしても68%であった。
実施例1において、2−メルカプトピリジンの代わりに4,6−ジメチル−2−メルカプトピリミジンを用いることにより、4,6−ジメチル−2−メチルチオピリミジンを13%の収率で得た。
実施例5において、マイクロ波を照射せずに、メタノール加熱環流下にて反応を行った。目的の4,6−ジメチル−2−メチルチオピリミジンの収率は反応時間を8時間にしても1%であった。
実施例1において、2−メルカプトキノリンの代わりに2−メルカプト−2−チアゾリンを用いることにより、2−メチルチオ−2−チアゾリンを39%の収率で得た。
実施例6において、マイクロ波を照射せずに、メタノール加熱環流下にて反応を行った。目的の2−メチルチオ−2−チアゾリンの収率は反応時間を8時間にしても32%であった。
Claims (8)
- 一般式(B)で表されるメルカプト含窒素複素環化合物と一般式(C)で表されるアルコール化合物を、酸の存在下、マイクロ波照射下で反応させることを特徴とする一般式(A)で示されるアルキルチオ置換含窒素複素環化合物の製造方法。
R1−S−CH2R2 (A)
(R1は、置換基を有してもよい5〜7員環の含窒素複素環化合物の残基を示す。R2は、水素原子、アルキル基またはシクロアルキル基を示す。)
R1−SH (B)
(R1は、前記と同じ。)
R2CH2OH (C)
(R2は、前記と同じ) - 酸が硫酸又は塩酸であることを特徴とする請求項1に記載のアルキルチオ置換含窒素複素環化合物の製造方法。
- 含窒素複素環化合物がピリジンであることを特徴とする請求項1に記載のアルキルチオ置換含窒素複素環化合物の製造方法。
- 含窒素複素環化合物がベンゾイミダゾールであることを特徴とする請求項1のアルキルチオ置換複素環化合物の製造方法。
- 含窒素複素環化合物がベンゾチアゾールであることを特徴とする請求項1に記載のアルキルチオ置換含窒素複素環化合物の製造方法。
- 含窒素複素環化合物がイミダゾールであることを特徴とする請求項1に記載のアルキルチオ置換含窒素複素環化合物の製造方法。
- 含窒素複素環化合物がピリミジンであることを特徴とする請求項1に記載のアルキルチオ置換含窒素複素環化合物の製造方法。
- 含窒素複素環化合物がチアゾリンであることを特徴とする請求項1に記載のアルキルチオ置換含窒素複素環化合物の製造方法。
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