JP2008184384A - 軸索再生促進剤およびその候補物質を同定する方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】新規な軸索再生促進剤を提供すること
【解決手段】
第一の手段として、Wnt阻害剤、Ryk阻害剤及びWnt−Ryk結合阻害剤の少なくともいずれかを有効成分として含有する軸索再生促進剤とする。軸索再生促進剤は、中枢神経系の軸索の再生を促進するものとして有用である。
また、第二の手段として、試験物質をWnt又はRykと接触させ、前記試験物質がWnt若しくはRykの機能又はWntとRykとの結合を阻害するか否かを判定する軸索再生促進剤の候補物質を同定する方法とする。
【選択図】 図3

Description

本発明は、神経細胞、特に、中枢神経系の神経細胞の軸索の再生を促進することができる軸索再生促進剤、及び、軸索再生促進剤の候補物質を同定する方法に関する。
脊髄等の中枢神経が交通事故等に起因する傷害や脳血管障害等で損傷を受けるとしばしば部分的又は完全な麻痺が起きる。ところが神経機能は失われたまま再生することはできない。これは末梢神経が再生するのと対照的である。したがって、損傷した中枢神経を再生させることは医療分野における重要な課題である。
一方、成人の中枢神経の軸索が末梢神経のグラフトを介して再生し得るという報告がある(例えば下記非特許文献1参照)。したがって、成人の中枢神経が再生しない主な原因は、神経細胞を取り巻く局所的な環境にあることが示唆されており、中枢神経の再生を阻害する主な阻害物質として、Nogo、ミエリン結合糖タンパク質(以下「MAG」という。)及び乏突起神経膠細胞−ミエリン糖タンパク質(以下「OMgp」という。)が同定されている(これらについては例えば下記非特許文献2乃至4参照)。
また一方で、本発明者等はこれまでにRepulsive Guidance Molecule(以下「RGM」という。)が軸索成長を阻害することを明らかにし、RGMに対するポリクローナル抗体がRGMの軸索成長阻害活性の中和活性を有することを見いだしている(下記特許文献1及び下記非特許文献5参照)。
国際公開WO2005/087268号パンフレット S.David et al.,Science,214,931−933,1981 M.S.Chen et al.,Nature,403,434−439,2000 G.Mukhopadhyay et al.,Neuron,13,757−767,1994 V.Kottis et al.,J.Neurochem.,82,1566−1569,2002 Hata et al.,J. Cell Biol.173,47−58,2006
しかしながら、上記軸索再生阻害活性を中和する物質だけでなく、他により有効な軸索再生阻害剤を探索することは非常に重要である。そこで本発明は、中枢神経の軸索の再生を促進することができる新規な軸索再生促進剤を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題につき鋭意検討を行ったところ、脊髄が損傷するとこの近傍でWntタンパク質(以下「Wnt」と表記する。)の発現が増大し、軸索の再生を阻害する活性(以下「軸索成長阻害活性」という。)を有することを見出し、Wntの発現及び機能の少なくともいずれかを抑制することで軸索再生が促進することに想到した。また、本発明者等は、Wntの高親和性レセプターであるRykタンパク質(以下「Ryk」という。)についても発現及び機能の少なくともいずれかを抑制することで軸索再生が促進することに想到した。更に、本発明者等は、WntとRykとの結合自体を阻害することでも軸索再生が促進することに想到した。
即ち、上記課題を解決する一手段に係る軸索再生促進剤は、Wnt阻害剤、Ryk阻害剤、及びWnt−Ryk結合阻害剤の少なくともいずれかを有効成分として含有してなる。
ここで「Wnt阻害剤」とは、Wntの発現及び機能の少なくともいずれかを抑制することができる物質をいい、限定されるわけではないが、例えば抗Wnt抗体及びその抗体断片、アンチセンスオリヌクレオチド、リボザイム、RNA干渉(以下「RNAi」という。)をひき起す分子、を例示することができる。
また「Ryk阻害剤」とは、Rykの発現及び機能の少なくともいずれかを抑制することができる物質をいい、限定されるわけではないが、例えば抗Ryk抗体及びその抗体断片、アンチセンスオリヌクレオチド、リボザイム、RNAiをひき起す分子、を例示することができる。
またここで「Wnt−Ryk結合阻害剤」とは、WntとRykとの結合を阻害することができる物質をいう。
ここで「Wnt」とは、進化の間に保存されている軸索ガイダンス分子である。Wntファミリーのメンバーは、主要な発生プロセス、例えば、パターン形成、細胞の運命の特定、および組織極性の決定の鍵となるレギュレータとして報告されている(Ciani L.&Salinas,P.C.,Nat.Rev.Neurosci,6,351−362、2005、及び、Zou Y.,Trends Neurosci.,27,528−532,2004参照)。ヒトWnt−5aのアミノ酸配列(GenBank受託番号P41221)及びこれをコードするcDNA配列(GenBank受託番号L20861)、ヒトWnt−3aのアミノ酸配列(GenBank受託番号P56704)及びこれをコードするcDNA配列(GenBank受託番号AB060284)、並びにラットWnt−5aのアミノ酸配列(GenBank受託番号AAF15588)及びこれをコードするcDNA配列(GenBank受託番号AF188333)を、それぞれ配列番号1−6に示しておく。
また「Ryk」は、Wntの高親和性レセプターであり、ニューロン中で反発シグナルを伝達することが示されている(Liu Y. et al.,Nat. Neurosci.,8,1151−1159(2005)、Schmitt A.M. et al.,Nature 439,31−37(2006)、Keeble T.R. et al.,J. Neurosci. 26,5840−5848(2006)、Yoshikawa S. et al.,Nature 422,583−588(2003))。またRykは対応する年齢で小脳顆粒ニューロン(CGN)中で発現される(Kamitori K. et al.,Brain Res. Dev. Brain Res. 114,149−160(1999))。ヒトRykのアミノ酸配列(GenBank受託番号P34925)及びこれをコードするcDNA配列(GenBank受託番号P34925)、ラットRykのアミノ酸配列(GenBank受託番号NP_536327 XP_343459)及びこれをコードするcDNA配列(GenBank受託番号AY669340)を、それぞれ配列番号7−10に示しておく。
なお本手段において、限定されるわけではないが、再生される軸索としては中枢神経系の軸索であることが好ましい。「中枢神経系」とは、脳及び脊髄をいい、限定されるわけではないが、例えば皮質脊髄路の神経、脊髄視床路の神経が該当する。
なお、上記課題の解決に寄与する他の手段として、本発明に係る軸索再生促進剤の候補物質同定方法は、試験物質をWnt又はRykと接触させ、試験物質がWnt若しくはRykの機能又はWntとRykとの結合を阻害するか否かを判定することとする。
以上のとおり、本発明により新規な軸索再生促進剤を提供することができる。また、試験物質とWnt又はRykの機能又はWntとRykとの結合を阻害するか否かを判定することで新規な軸索再生促進剤の候補物質を同定することもできる。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明するが、本発明は多くの異なる形態による実施が可能であり、以下に説明する実施形態、実施例に限定されるものではないことはいうまでもない。
(実施形態1)
本実施形態に係る軸索再生促進剤はWnt−Ryk阻害剤を有効成分として含有する。
ここで「Wnt−Ryk阻害剤」とは、Wnt及びRykの少なくともいずれかに起因する軸索成長阻害活性を消失又は少なくとも有意に減少させることができる物質を意味する。なお「軸索成長阻害活性」とは、軸索の成長を阻害する指標となるものであり、後述する実施例に記載から明らかであるが例えば神経突起伸長アッセイにより調べることができる。Wnt−Ryk阻害剤の例としては、Wnt−Rykのシグナリングを阻害することができる任意の物質、例えば、Wnt阻害剤、Ryk阻害剤、更にはWntとRykとの結合阻害剤物質(以下「Wnt−Ryk結合阻害剤」という。)を挙げることができる。
本実施形態に係るWnt阻害剤、Ryk阻害剤は、上記のとおり、Wntの発現及び機能の少なくともいずれかを抑制することができる物質を意味する。Wnt阻害剤、Ryk阻害剤としては、限定されるわけではないが、抗Wnt抗体、抗Ryk抗体及びこれらの抗体断片、アンチセンスオリゴヌクレオチド、リボザイム、並びにRNA干渉(以下「RNAi」という。)を引き起こす分子を挙げることができる。
本明細書において「抗Wnt抗体」とはWntと抗原抗体反応により結合しうる抗体を意味し、「抗Ryk抗体」とはRykと抗原抗体反応により結合しうる抗体を意味する。Wnt阻害剤、Ryk阻害剤として抗体を採用する場合、モノクローナル抗体であってもポリクローナル抗体であってもよい。
ポリクローナル抗体は、通常よく使用される方法により得られるものでよい。限定されるわけではないが、例えばWntまたはRykを感作抗原として用いて動物を免疫し、その血清から得ることができる。
モノクローナル抗体は、通常よく使用される方法により得られるものでよい。限定されるわけではないが、モノクローナル抗体は、例えばハイブリドーマにより産生される抗体、遺伝子組み換え抗体、キメラ抗体、CDR移植抗体を挙げることができる。ハイブリドーマにより産生される抗体は、例えばWnt又はRykを感作抗原として用いて動物を免疫し、得られる免疫細胞を取り出して骨髄腫細胞と融合させ、抗体を産生するハイブリドーマをクローニングし、このハイブリドーマを培養することにより得ることができる。遺伝子組み換え抗体は、例えば抗体遺伝子を含む発現ベクターで動物細胞や植物細胞等を形質転換し、これを培養することにより得ることができる。この抗体遺伝子は、例えば上記ハイブリドーマから抗体をコードするcDNAをクローニングすることで得ることができる。また遺伝子組み換え抗体は、抗体遺伝子を動物の胚に導入してトランスジェニック動物を作製し、このトランスジェニック動物から融合タンパク質の形で得ることができる。キメラ抗体は、ある動物(例えばマウス)に由来する抗体遺伝子における可変領域を、他の動物(例えばヒト)の抗体遺伝子の定常領域を組み込んだ発現ベクターに入れ、これを培養することで得ることができる。またCDR移植抗体は、例えば上記抗体遺伝子の重鎖可変領域および軽鎖可変領域の遺伝子配列に基づいてそれぞれCDR1、2、3をコードする遺伝子配列を設計し、他の動物に由来する抗体の重鎖可変領域および軽鎖可変領域をコードする遺伝子を含むベクター中の対応するCDR1、2、3の配列と置き換えることにより得ることができる。
本実施形態においては、上記抗Wnt抗体、抗Ryk抗体の抗体断片も採用することができる。WntまたはRykに結合しうる抗体断片の例としては、Fab、F(ab’)2、Fab’、scFv、ディアボディー等を挙げることができる。上記したモノクローナル抗体をパパインやトリプシン等の酵素で処理することにより、又は、これらをコードする遺伝子を組み込んだ発現ベクターを宿主細胞に導入して形質転換体を得ることにより製造することができる。
Wnt阻害剤、Ryk阻害剤としてのアンチセンスオリゴヌクレオチドとは、Wnt又はRykをコードするmRNAと相補的な配列を有する核酸分子またはその誘導体であって、mRNAと特異的に結合し、転写及び翻訳の少なくともいずれかを阻害することでWnt又はRykの発現及び機能の少なくともいずれかを抑制することができる物質をいう。なお結合の種類については限定されず、ワトソン・クリックまたはフーグスティーン型の塩基対相補性によるものでもよく、トリプレックス形成によるものでもよい。
Wnt阻害剤、Ryk阻害剤としてのリボザイムは、触媒的特性を有するRNAであって、Wnt又はRykの発現及び機能の少なくともいずれかを抑制することができる物質をいう。リボザイムの構造は、上記機能を奏する限りにおいて限定されず種々の構造を採用することができるが、ハンマーヘッドタイプやヘアピンタイプといった二次構造は好ましい態様である。
Wnt阻害剤、Ryk阻害剤としてのRNAiを引き起こす分子とは、RNAiによりWnt−Rykのシグナリングを阻害することのできるものをいう。なおRNAiとは、二本鎖RNA分子を用いて標的遺伝子をサイレンシングする手法をいう。
本実施形態に係るWnt−Ryk結合阻害剤は、WntとRykとの結合を阻害することのできるものを意味する。この物質は、この機能を有する限りにおいて限定されず、例えば後述する実施形態にて言及する方法で見出すことができる。
本実施形態に係る軸索再生促進剤は、上記Wnt−Ryk阻害剤の他、薬学的に許容される通常の担体、結合剤、賦形剤、希釈剤(例えば蒸留水)、pH緩衝材(例えばリン酸緩衝生理食塩水)、崩壊剤、可溶化剤、溶解補助剤、等張剤等の各種調剤用配合剤成分を含有することができる。
また本実施形態に係る軸索再生促進剤は、その使用形態に応じて経口的に又は非経口的に投与することができる。経口的な投与としては通常用いられる投与形態、例えば粉末、顆粒、錠剤、カプセル剤、液剤、懸濁液、油剤、乳化剤等の投与形態を採用することができる。非経口的な投与としては、通常用いられる投与形態、例えば上記の液剤、懸濁液等にしたものを直接損傷部位に投与する形態を採用することができる。
本実施形態に係る軸索再生促進剤の投与量は、患者の体重、性別、神経損傷の程度、投与の方法に応じて適宜選択されうるが、例えば非経口な投与であって、損傷部位に直接投与する場合、例えば成人1日、1損傷部位あたり、有効成分を1mg以上100mg以下の範囲内で含む量であることが好ましく、より好ましくは有効成分を1mg以上20mg以下の範囲内で含む量である。なお、注射による投与の場合、非経口な投与であっても、有効成分が上記有効成分の量の10倍程度の範囲内にあることが好ましい。
本発明者等は、下記の実施例で明らかなように、脊髄傷害の後、傷害部位の周囲でWntタンパク質が発現されていること、更には、Rykに対する中和抗体を胸部脊髄挫傷を有するラットに髄腔内投与すると皮質脊髄管の軸索が有意に成長し、機能の回復が促進されることを発見した。これらの結果はWntファミリーのメンバーが成人中枢神経系において軸索再成長を阻害すること、Wnt−Rykシグナリングの阻害はヒトCNS傷害に対する治療としての可能性を有することを示している。即ち、本実施形態により、新規な軸索再生促進剤を提供することができる。
(実施形態2)
本実施形態は、軸索再生促進剤の候補物質を同定する方法に関する。本実施形態に係る方法では、試験物質をWnt及びRykの少なくともいずれかと接触させ、この試験物質がWnt及びRykの少なくともいずれかの機能、並びに、WntとRykとの結合の少なくともいずれかを阻害するか否かを判定する。
試験物質がWnt及びRykの少なくともいずれかの機能を阻害するか否かを判定する方法としては、限定されるわけではないが、例えば神経突起伸長アッセイを挙げることができる。また、Rykの存在下で試験物質をWntと接触させ、Rhoキナーゼ活性を測定する方法も挙げることができる。WntがそのレセプターであるRykと結合するとRhoキナーゼ活性が上昇するため、試験物質の存在下でRhoキナーゼ活性の上昇が見られない場合には、その試験物質はWntとRykとの結合を阻害していると考えることができる。
また、試験物質がWntとRykとの結合を阻害するか否かを判定する方法としても、通常良く用いられる方法を採用することができ、例えばELISA、放射性標識競合アッセイなどを用いることができる。
本実施形態に記載の方法によりWnt−Rykの機能を阻害するものとして同定された物質は、軸索再生促進剤の候補物質となる。ただし、この候補物質については、更に、通常良く用いられる軸索成長アッセイ法等を用いた軸索再生促進効果の確認が必要であり、この効果が認められれば軸索再生促進剤と認定できる。
以下に実施例により本発明をより詳細に説明するが、本発明が以下に示す実施例に限定されるものでないことはいうまでもない。
脊髄挫傷モデルラットの作製
麻酔した(2%ハロタン)雌スプラグドーリーラット(200〜250mg)にT9/T10椎骨レベルの椎弓切除を行い脊髄を露出させ、その脊髄を挫傷させた。なお、脊髄の挫傷は脊髄挫傷装置(Infinite Horizon Spinal Cord Impactor (Precision Systems and Instrumentation, Fairfax, VA)を用い、その衝撃力は200kdynとした。
動物モデルにおいて中和抗体処置を行うため、SCI(脊髄損傷)の直後にラットに浸透圧ミニポンプを装着した(200μl、0.5μl/h、2週間投与;Alzet 2002;Durect Corp.,Cupertino,CA)。これらのポンプに,対照ウサギIgG(15匹,13.0μg/kg/day,2週間)(Sigma, Saint Louis, MO)または抗Ryk抗体(13匹,13.0μg/kg/day,2週間)を入れた。抗Ryk抗体はRykの細胞外ドメインに対して生じさせたものである(Abgent, San Diego, CA)。動物の背中の皮下にミニポンプを置き,ミニポンプの出口に接続したシラスティックチューブを先端が傷害部位のすぐ尾側になるように脊髄挫傷部位の硬膜下に設置した。硬膜から突出したチューブを固定するために,フィブリンシーラント(Beriplast; ZLB Behring, King of Prussia, PA)を硬膜上に滴下した。その後,筋肉および皮膚層を縫合した。膀胱機能が回復するまで少なくとも1日に2回手動で腹部加圧することにより膀胱から排泄させた。シャム手術ラット(n=6)は,椎骨レベルT9/T10で椎弓切除を施し,脊髄を露出させた。3匹のラットでは,0.85%食塩水を入れたミニポンプおよびこれに接続したシラスティックチューブを設置した。それ以外のラットには,ミニポンプもシラスティックチューブも設置しなかった。次に,筋肉および皮膚層を縫合した。
脊髄切断モデルラットの作製
脊髄切断モデルとしては,ラットに椎骨レベルT9/10で椎弓切除術を施し,脊髄を露出させた。11番の刃を用いて脊髄を全切除し,筋肉および皮膚層を縫合した。
免疫組織化学によるWnt発現のアッセイ
ラット組織切片モデルを用いて胸部脊髄傷害(SCI)後のWnt発現を調べた。傷害を受けていない脊髄,および傷害の1、3、および7日後の脊髄組織切片を固定して,免疫組織化学を実施した。
免疫組織化学のために、傷害を受けていない脊髄および傷害の1、3、7日後の脊髄から組織を取得した。具体的には、動物にペントバルビタールナトリウムを投与して深く麻酔した後PBSで、次に4%パラホルムアルデヒドで潅流することにより犠牲死させた。脊髄を切開し、同じ固定剤中で一晩固定し、PBS中の20%ショ糖溶液中で低温保存した。損傷部位から5mm以上吻側および5mm以上尾側に位置する脊髄(長さ10mm)をTissue Tek OCT中に包埋し、直ちに液体窒素で−80℃で凍結した。傍矢状または横断面の一連の切片をクリオスタットを用いて50μmに切断し、PLLで被覆したSuperfrost−Plusスライド(Matsunami, Osaka Japan)上にマウントした。
切片をPBSで3回洗浄し、5%ウシ血清アルブミンおよび0.1% Triton X−100を含むPBS中で室温で1時間ブロッキングした。切片は一次抗体とともに4℃で一晩インキュベートし、PBSで3回洗浄した後、フルオレセイン結合二次抗体(1:1000;Molecular Probes,Eugene,OR)とともに室温で1時間インキュベートした。
抗Wnt−3a抗体は,マウスWnt−3a(Kishida S.,Yamamoto H. &Kikuchi A.、Mol Cell Biol.、24、4487−4501(2004))のアミノ酸残基139−155に対応する合成ペプチド(SSRLQGSPGEGWKWGGC(配列番号11))でウサギを免疫することにより生成した。抗Wnt−5a抗体はマウスWnt−5aに対応する合成ペプチドでウサギを免疫することにより生成した。また,アストロサイトおよびニューロンを検出するための一次抗体としては,抗GFAPモノクローナル抗体(1:200;Chemicon,Temecula,CA)またはニューロン特異的β−チューブリンIIIタンパク質を認識するモノクローナル抗体(Tuj1)(1:500;Covance,Berkely,CA)を用いた。
成人ラットの傷害を受けていない脊髄から調製した傍矢状切片は抗Wnt−5a抗体で染色され、抗Tuj1抗体および抗Wnt−5a抗体で二重染色された。したがってWnt−5aは白質の軸索で発現されていることが示された。
次に,GFAP,IB4および抗Wnt−5a抗体を用いて,傷害後の脊髄におけるWnt−5a発現を調べた。SCIの1日後および7日後,損傷部位の中心点の周りのグリア筋原線維産生タンパク質(GFAP)陽性の星状膠細胞で強いWnt−5aの発現が観察された。Wnt−5aの発現はIB4陽性細胞(おそらくは小神経膠細胞/マクロファージ)でも観察された。以上の結果から,Wnt−5aは脊髄傷害後に誘導されることがわかった。
また,同様にして,GFAP,IB4および抗Wnt−3a抗体を用いて,傷害後の脊髄におけるWnt−3a発現を調べた。SCIの7日後にGFAPとWnt−3aが損傷部位の周りに局在していることが示された。また,SCIの7日後にIB4とWnt−3a抗体による二重標識が共局在していることが示された。すなわち,Wnt−3aについても,傷害の7日後にWnt−5aと同様の誘導パターンが観察された。
ウエスタンブロット分析
さらに,これらの脊髄組織を用いたウエスタンブロッティングにより,Wntタンパク質の発現を調べた。
成人ラット脊髄を,プロテアーゼ阻害剤カクテル錠剤(Roche Diagnostics, Manheim,Germany)を含む50mM Tris−HCl(pH7.5)、150mM NaCl、10%グリセロール、および0.5% Brij−58(Sigma)中で溶解した。溶解物を4℃で20分間インキュベートし、次に13,000gで4℃で10分間遠心分離することにより清澄化した。上清を回収しタンパク質濃度に関して標準化した。12%β−メルカプトエタノールを含むサンプルバッファを等量で加えて5分間煮沸し、SDS−PAGEに供した。タンパク質をPVDF膜に移し抗Wnt−5a抗体(1:1000)または抗Wnt−3a抗体(1:1000)とともにインキュベートした。検出のためには、ECL化学発光システム(Amersham Biosciences,Buckinghamshire,UK)、及びHRP結合二次抗体(1:1000;Cell Signaling Technology, Danvers, MA)を用いた。
結果を図1に示す。なお図中、「Rostal」は損傷部位の5mm吻側に位置する脊髄組織を意味し、「Lesion site」は損傷部位の脊髄組織を意味し、「Caudal」は損傷部位の5mm尾側に位置する脊髄組織を意味し、Controlは傷害を与えていない動物の骨髄組織を意味する。その結果、傷害の7日後にWnt−5aおよびWnt−3aが脊髄の損傷組織で発現していることが示された。
神経突起伸長アッセイ
胸部脊髄傷害(SCI)において,Wntタンパク質が軸索阻害に寄与しているか否かをインビトロで確かめるため,出生後ラット(P6−P10)から得た小脳顆粒ニューロン(CGN)を用いて神経突起伸長を測定した。
出生後ラット仔(P6−P10)から小脳顆粒ニューロン(CGN)を採取して,トリプシン処理(0.25%トリプシン/PBS,37℃で10分間)により解離させた後,血清含有培地中に再懸濁し,ばらばらにした後,PBSで3回洗浄した。細胞は無血清DMEM培地中で成長させた。
出生後ラットからのCGNを,ポリL−リジン(PLL)で被覆したスライド(Lab−Tek, Nalge Nunc International; Rochester, NY)上でコンディションド培地に播種し、Wnt−5aの存在下または非存在下で24時間インキュベートした。Wnt−5aタンパク質は90ng/mlの濃度で使用した。Wnt−5aのY27632(Mitsubishi Pharmaceuticals, Japan)を用いる場合には10μMとなるように培養物に加えた。中和抗体アッセイのためには抗Ryk抗体(Abgent)を0.5μg/mlの濃度で培養物に加えた。
細胞を4%(wt/vol)パラホルムアルデヒド中で固定し,ニューロン特異的β−チューブリンIIIタンパク質を認識するモノクローナル抗体(Tuj1)(1:1000;Covance)で免疫染色した。次にβ−チューブリンIII陽性ニューロンのそれぞれについて最も長い神経突起の長さを測定した。
図2aは、小脳顆粒ニューロン(CGN)を可溶型Wnt−5a(90ng/ml)および/またはY27632(10μM)とともに、またはそれらなしで24時間培養した後、Tuj1で染色した結果を示す。図2bはニューロンあたりの最長神経突起の平均長さを示す。なお、図中のデータは3回の独立した実験の平均±S.E.M.で表している。また図中*は、対照と比較してp<0.01であることを、**は、Wnt−5aと比較してp<0.01(一元ANOVA、次にシェフェの多重比較検定)であることを意味している。
この結果,可溶型のWnt−5aはCGNの神経突起伸長を有意に阻害することが示された。また、CGNを10μMのY27632(Rho−キナーゼの特異的阻害剤)で処理すると、Wnt−5aの効果が弱まり、一方、Y27632単独では神経突起の成長に影響を及ぼさないことからこの阻害効果はRho関連セリン/トレオニンキナーゼ(Rho−キナーゼ)に依存することがわかった。すなわちWnt−5aはRho−キナーゼ依存性のメカニズムによりCGNの神経突起伸長を阻害することが明らかとなった。
次に、Wntに媒介されるCGNの神経突起成長の阻害にWntの高親和性レセプターであるRykが関与しているか否かを調べた。Rykの細胞外ドメインに対するポリクローナル抗体(抗Ryk)を用いて抗Ryk抗体がWnt−5a媒介性の神経突起成長阻害をブロックしうるか否かを試験した。
図2cは、CGNをPLLで被覆したチャンバースライドでコンディションド培地で可溶性Wnt−5a(90ng/ml)および/または抗Ryk抗体(0.5μg/ml)とともにまたはそれらなしで24時間培養した後、Tuj1で染色した結果を示す。また図2dは、ニューロンあたりの最長神経突起の平均長さを示す。なお図中、データは3回の独立した実験の平均±S.E.M.で表しており。*は、対照と比較してp<0.01であることを、**は、Wnt−5aと比較してp<0.01(一元ANOVA,次にシェフェの多重比較検定)であることを意味している。
この結果、抗Ryk抗体(0.5μg/ml)を加えるとWnt−5aの阻害効果が有効にブロックされたことが観察された。一方、抗Ryk抗体単独では神経突起成長に影響を与えなかった。したがって抗Ryk抗体はWnt−5aの効果を逆転させることがわかった。
上述の結果は,Wntタンパク質が神経突起伸長を阻害する能力をもち,SCI後の傷害を受けた軸索の再成長のバリアとして作用すること、およびWntタンパク質の機能またはシグナル伝達をブロックするとSCI後の回復が促進されることを示唆している。
挙動試験
臨床病態を模倣するラット脊髄外傷モデルを用いて挙動試験を行った。上述のように胸部脊髄障害(SCI)を与えた後、傷害部位の近傍に留置した髄腔内カテーテルを通して浸透圧ミニポンプにより抗Ryk抗体または対照ウサギIgGを2週間投与した。傷害後8週間、動物の運動能力をモニターした。モデル動物における脊髄障害後の挙動回復はオープンフィールド環境中でBBB(Basso−Beattie−Bresnahan)運動評点スケールを用いて評価した。定量は2名の観察者により盲目方式で行った。
図3は、抗Ryk抗体処置、対照IgG処置、およびシャム手術ラットにおいて、胸部挫傷後の一定時間にBBBスコアを測定した結果を示す。図中の値は、それぞれ13、15、および6匹のラットの平均±S.E.M.で示している。*は対照と比較してp<0.05であることを意味している。
脊髄傷害を受けていないシャム手術ラットは,BBB運動評点スケールによるフルスコアに達した。これに対し、脊髄を傷害したすべてのラットは傷害の後第1日から第3日にほぼ完全に対麻痺となった。BBBスコアにより示されるように、ラットは徐々に運動挙動の部分的な回復を示した。傷害の2−8週間後、抗Ryk抗体で処置したラットの運動能力は対照IgGで処置したラットより優れた回復を示す傾向にあった。平均では手術の8週間後に対照IgG処置ラットのBBBスコアは12.7であり、抗Ryk抗体処置ラットでは統計学的に有意に高いBBBスコアである15.8を示した。すなわち抗Ryk抗体を投与することによりSCI後の運動の回復が促進されることが明らかになった。
順行性CST標識
ビオチンデキストランアミン(BDA)を片側の感覚運動皮質に注入することにより先に試験したラットの背側下行皮質脊髄管(CST)の一体性を評価した。傷害の6週間後,麻酔下でBDA(食塩水中10%,皮質あたり2.0μl,MW:10,000;Molecular Probes)を左運動皮質に注入し(座標:ブレグマの0.5−2.5mm後方、ブレグマの2mm側方、深さ1.5mm)、CST線維をBDAで標識した。マイクロリットルシリンジに取り付けた内径15−20μmのガラスキャピラリーを通して0.5μlのBDAを30秒間かけて注射した(Hamilton,Reno,NV)。合計で4匹の対照および7匹の抗Ryk抗体処置ラットについてSCI後の再生応答を調べ、比較した。
BDA注射の14日後PBSで、次に4%パラホルムアルデヒドで潅流することにより動物を犠牲死させた。脊髄を切開し、同じ固定剤中で一晩固定し、PBS中の20%ショ糖溶液中で低温保存した。損傷部位から5mm以上吻側および5mm以上尾側に位置する脊髄(長さ10mm)をTissue Tek OCT中に包埋した。これらのブロックから矢状面(50μm)または水平面で切片を作成し、各切片を保存した。また、傷害部位の5mm以上吻側および尾側に位置する脊髄からも水平面切片を作成した。これらの切片を0.05%Tween−20を含むPBS中でAlexa Fluor 488結合ストレプトアビジン(1:400;Molecular Probes)とともに1時間インキュベートした。
4匹の対照ラットおよび7匹の抗Ryk抗体処置ラットについて、傷害の中心の5mm吻側および5mm尾側に延びるブロックを矢状面で切りだした。抗Ryk抗体処置ラットにおいては損傷部位の尾側の組織で典型的な異常蛇行成長パターンを有する標識された線維が高頻度に観察された。一方、対照IgG処置ラットではBDAで標識されたCST線維は検出されなかった。なお、傷害部位の10mm上方に位置する標識された線維の総数は、抗Ryk抗体処置と対照IgG処置ラットとの間で有意な相違は観察されなかった。したがって、BDA取り込みの程度はこれらの群の間で同一であることが示された。
次に、傷害脊髄の横断面切片を再構築し、標識されたCST線維の数を評価した。4匹の対照および7匹の抗Ryk抗体処置ラットについて50μm厚さの横断面切片を評価した。各切片について損傷部位の4mm上から4mm下までのBDA標識線維の交点の数を数えた。軸索数は損傷部位の4mm上の小脳顆粒ニューロン(CST)が無傷である部位で観察された線維に対するパーセンテージとして計算した。損傷部位の中心から尾側の距離を正の距離、吻側を負の距離として評点した。
結果を図4に示す。なお図中、x軸は脊髄の吻尾軸に沿った特定の位置を示す。y軸は示されている部位におけるBDA標識繊維の数の損傷部位の4mm吻側における数に対する比率を示す。尚図中*は、対照と比較してp<0.01であることを意味し、**は、対照と比較してp<0.06(スチューデントt検定)であることを意味する。
抗Ryk抗体処置ラットでは、損傷部位の4mm吻側で観察された標識された線維の数と比較して、標識された線維の20%以上が損傷部位の中心から1−2mm尾側で観察された。しかし、対照IgG処置ラットにおいては、標識された線維のわずかの割合(傷害部位の尾側1mmでは0%、2mmでは3%)しか観察されなかった。標識された線維は抗Ryk抗体で処置した傷害動物の灰白質で検出された。これらの結果は抗Ryk抗体を投与することによりSCI後の背側下行皮質脊髄管(CST)線維の成長が促進され,軸索の再生が促進されることを示している。
本発明に係る軸索再生促進剤は、中枢神経系の神経細胞の軸索の再生を促進することができる軸索再生促進剤として有効であり、中枢神経系を損傷した患者のための治療剤として産業上の利用可能性がある。
図1は,脊髄組織におけるWntタンパク質の発現を示す。 図2は,小脳顆粒ニューロンを用いる神経突起伸長アッセイの結果を示す。 図3は,脊髄損傷後に抗Ryk抗体で処置したラットの挙動試験の結果を示す。 図4は,BDAで標識した背側下行皮質脊髄管線維の成長を示す。

Claims (5)

  1. Wnt阻害剤、Ryk阻害剤及びWnt−Ryk結合阻害剤の少なくともいずれかを有効成分として含有する軸索再生促進剤。
  2. 前記有効成分は抗Ryk抗体を含む請求項1記載の軸索再生促進剤。
  3. 前記有効成分は抗Wnt抗体を含む請求項1記載の軸索再生促進剤。
  4. 中枢神経系の軸索の再生を促進する請求項1記載の軸索再生促進剤。
  5. 試験物質をWnt又はRykと接触させ、前記試験物質がWnt若しくはRykの機能又はWntとRykとの結合を阻害するか否かを判定する軸索再生促進剤の候補物質を同定する方法。

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