JP2008182627A - 色トランジェント補正装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】4:2:2などといった、色差信号が輝度信号に対しサンプリングレートが低い信号の色差信号のトランジェントを改善する。
【解決手段】入力同期信号からUV選択パルスを出力するUV選択パルス発生手段と、
時分割多重された入力色差信号を前記UV選択パルスに基づいて第一の中間色差信号と第二の中間色差信号に分離する色差信号分離手段と、入力輝度信号から重み係数を演算し出力する重み係数算出手段と、前記重み係数に基づき前記第一の中間色差信号を補間し、第一の出力色差信号を出力する第一の補間手段と、前記重み係数に基づき前記第二の中間色差信号を補間し、第二の出力色差信号を出力する第二の補間手段とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明はデジタル映像信号処理を行うテレビやプロジェクタ、ビデオ、デジタルカメラなどの映像機器に使用される色トランジェント補正装置に関するものである。
近年、テレビなどの映像機器において、映像信号をデジタルで扱うことは一般的になってきた。そのようなデジタル映像信号は輝度(Y)、色差(Cb,CrまたはPb,Prと表記されることもあるが、ここではU、Vと記載する。厳密にはマトリクス係数が異なるが本発明の趣旨とは無関係の為、同等のものとして表記する。)の3つのコンポーネントから構成される。なお、回路上ではこのほかにクロック、同期信号(H,V)が必要となるが周知のことであり詳細は記さない。
一方、人間の視覚特性上色成分は輝度成分に対して解像度が低くても目立たないとされ、色差信号の帯域が減らされて扱われることが多い。このことを用いて色差信号のクロックレートを落とし回路規模の削減や消費電力の削減につなげることができる。
例えば、一般に当該分野の技術者の間で4:4:4と表記される場合は輝度信号と色差信号(U、V)が同一の頻度でサンプリングされるが、4:2:2と表記される場合は、色差信号(U、V)が輝度信号に対し半分の頻度でサンプリングされる(1/2のサンプリングレート)ことを意味している。また、4:1:1は色差信号が輝度信号の1/4のサンプリングレートとなる。4:2:0では4:2:2の後、垂直方向へも1/2へ間引かれたものである。
図5に4:4:4の時の信号フォーマットと、4:2:2の時の信号フォーマットを示す。このように4:2:2では色差信号を2本から1本に減らすことが可能である。
図6は4:2:2から4:4:4へ変換(デコード)する際のブロック図の例を示す。
図6においてFF1はフリップ・フロップであり、図示していないがクロック信号分入力信号を遅らせる働きをする。またLH2はロード・ホールドであり、UV選択パルスがH期間のみ、FF1同様図示していないクロック信号分入力信号を遅らせる。LH3も同様である。UV選択パルスがL期間では出力は変化させない。FFもLHもデジタル回路の基本要素でありデジタル技術者の間では周知のものである。
前記したように多重化された色差信号をFF(フリップ・フロップ)で遅延させ、LH(ロード・ホールド)で取り出すことで4:4:4へのデコードが可能となる。図7にタイミングチャートを示す。信号は回路内のFFやLHの遅延回路によって遅れたものが出力されるが、通常この遅れにあわせて他の信号、たとえば同期信号や輝度信号も遅らせて遅延調整を行っている。なお、このような遅延調整は周知のことであるため図中では省略している。
ところで、図7に示したように、このままでは色信号が偶数番目と奇数番目で2画素づつ同一の値が続いてしまう。たとえば、LH2の出力はV0、V0、V2、V2という具合である。図5に示したような4:4:4フォーマットの場合V0、V1、V2,V3と信号が出力する場合、V1,V3といった奇数番目の信号が入力時点で削られているためである。その結果、前記したデコード後の信号を画像としてみると色の変わり目等ががたがたとした不自然な画像となる。そこで従来の色トランジェント補正装置では奇数番目の画素において前後の画素から補間するという方法がとられていた(例えば、特許文献1参照)。補間に用いる代表的なものとしては下記(数1)の線形補間がある。
Figure 2008182627
ただしnはn=0,1,2,3,…である。このように前後の画素を足して2で割ることで不自然ながたがたとした画像となることを改善していた。
しかしながら、色の帯域が制限されたままであり、色にじみが生じてしまうという問題がある。対策として特許文献2に引用されている構成では、輝度信号と色差信号それぞれをウェーブレット変換にて帯域分割し、両信号のエッジ位置の相関に基づいて高域輝度信号から高域色差信号を推定しエンハンスされた色差信号を出力するようになっている。
特開2003‐8865号公報 特開平10‐224815号公報
しかしながら、後者の方法ではウェーブレット変換等のサブバンド分割が必要であり、回路規模が大きくなってしまうという問題点があり、前者の方法では前述したとおり、輝度成分の変化点(トランジェント)において、輝度に対し色の変化点が滲んでしまうという問題が生じていた。
また、4:2:2の処理中で合成された2画面等の多画面処理や文字等を画面中に挿入するオン・スクリーン・ディスプレイ(OSD)処理が加わると、それらの処理の境界部に色が抜けたり、色が飛び出たりする問題も生じる。
本発明は以上のべたような従来の課題を解決するもので、回路規模が比較的小さく簡易な構成で実現でき、色滲みの改善した色トランジェント補正装置を提供することを目的とする。
前記従来の課題を解決するために、本発明の色トランジェント補正装置は、入力同期信号からUV選択パルスを出力するUV選択パルス発生手段と、時分割多重された入力色差信号を前記UV選択パルスに基づいて第一の中間色差信号と第二の中間色差信号に分離する色差信号分離手段と、入力輝度信号から重み係数を演算し出力する重み係数算出手段と、前記重み係数に基づき前記第一の中間色差信号を補間し、第一の出力色差信号を出力する第一の補間手段と、前記重み係数に基づき前記第二の中間色差信号を補間し、第二の出力色差信号を出力する第二の補間手段とを備える。
本構成によって、補間フィルタの係数を輝度信号の変化に応じて変化させるため、簡易な構成で、色滲みのすくない色トランジェント補正装置を提供することができる。
本発明の色トランジェント補正装置によれば、回路規模が比較的小さく簡易な構成で、色滲みの改善された色トランジェント補正装置を提供することができる
また、4:2:2の処理中で合成された2画面等の多画面処理や文字等を画面中に挿入するオン・スクリーン・ディスプレイ(OSD)処理が加わっても、それらの処理の境界部に色が抜けたり、色が飛び出たりするとのない色トランジェント補正装置を提供することができる。
以下本発明を実施するための最良の形態について図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1における色トランジェント補正装置のブロック図である。
また、図2は本実施の形態における色トランジェント補正装置の動作を示したタイミング図である。
図1において、入力信号は4:2:2フォーマットの信号を示しており、そのタイミングチャートは図2に示した「入力輝度信号Y」、「入力色差信号C」、「入力同期信号」のようになっている。色差信号分離手段101は「入力色差信号C」に多重されたU、Vの信号を抜き取り、図2中の「色差信号U」、「色差信号V」のように出力する回路である。具体的回路例としては図6に示したFFとLHを組み合わせた形が一般的である。
UV選択パルス発生手段102は、同期信号を受け取り前述した色差信号分離手段101へUV選択パルスを出力するものである。具体的回路例としては、当該分野のデジタル技術者には周知のものであるので回路図を用いた詳細な説明は省くが、映像信号に対応したクロック信号(ブロック図中では省略)をクロック入力とする1ビットのFFと、そのFFの出力に1を加算し、その結果を同期信号でリセットがかかるようにセレクタを通した後前記したFFに入力するように構成すれば基本的回路を作ることが可能である。ただし実際の回路の遅延にあわせた遅延調整は必要である。また、ソフトウエアで作成する場合では色差信号は通常、配列で表現されるため、配列の添え字を参照し偶数か奇数かで判断することで可能となる。
補間手段103は図2中の「出力色差信号V」のV1、V3、V5、、、V2n+1(ただしnはn=0,1,2,…)の部分の信号を前後の画素データ(Vデータ)から補間して求める手段である。補間式には一例として下記(数2)を用いる。
Figure 2008182627
αは補間位相を示すものでα=0〜1.0の範囲で用いる。αが0よりの時は、V2n+2に近い値が補間値として得られ、1よりの時はV2nに値が近くなる。このようにαによって位相特性が異なる補間フィルタを用いるのが本実施の形態の特徴のひとつである。したがって、補間式の例として一般的な線形補間の式を示したがその他の補間関数を用いたものでも良いことは言うまでもない。また、αを整数ではなく実数で表現しているが、実際の回路上または演算処理上では固定小数点を用いた有限桁の演算、すなわち2の倍数をαに掛け整数化し、整数演算を行い結果を2の倍数で割る(下位ビット切捨て)処理が速度、回路規模等の点でよいことは言うまでもない。
なお、αは後述する重み係数算出手段105から得られる。
補間手段104も補間手段103同様であり扱う信号がVからUに変わるだけである。
一方、重み係数算出手段105はV2n+1、U2n+1に対応するY2n+1の前後における輝度の変化に応じてαを算出する手段である。たとえば一例として以下の(数3)で行う。
Figure 2008182627
ただし、max(a,b)はa,bのうちの大きい方を示し、min(a,b)はa,bのうちの小さい方を示す。
式で示した輝度信号の添え字と色差信号の添え字の関係を図3に示す。図3において水平方向は信号の水平位置を示しており、垂直方向は○を用いて各輝度信号、色差信号の値を示している。なお、色差信号の●はもともと4:2:2において値がある部分を示しており、この例では偶数番目の信号を示している。色差信号の○は補間されて作られる部分を示しており、この例では奇数番目の信号を示している。図中の○は色差信号分離手段101の出力した状態を示しているため直前の色差信号と同じ値となっている。
前記した式の意味するところは、着目画素Y2n+1における輝度がその前の画素Y2nに相関があるか、後の画素Y2n+2に相関があるか調べており、前の画素に相関があればαを大きく、後ろの画素に相関があればαを小さくするということである。また、着目画素Y2n+1が前後の画素(Y2n、Y2n+2)の間にない場合その範囲内にクリップする処理も含んでいる。
たとえば、前式のif節が真の時、前の画素Y2nが大きく、後の画素Y2n+2が小さい場合であるので、着目画素Y2n+1の最大値はY2nでなければならない。すなわちY2n+1、Y2nのどちらか小さい方を選べばよい。その処理を示した部分がmin(Y2n,Y2n+1)に相当する。また、値は少なくともY2n+2以上であることより、前記はY2n+2との大きい方を出力すればよいため式としてはmax(Y2n+2,(min(Y2n,Y2n+1))となっている。このようにクリップされた結果から、Y2n+2を引き算することでY2n+2からの距離がわかりそれを(Y2n―Y2n+2)で割ることで相関がわかる。よって値が0になれば後ろの画素(Y2n+2)と相関が最も強く、値が1になれば前の画素(Y2n)に最も相関が強いことを示す。
このような式で相関の検出方法を示したが、もちろん他の方法で相関を検出してもよくたとえば前後2点からだけでなく複数点を用い多次曲線を求めその曲線からの相関も求めてもよく、また2次元に拡張して曲面からの相関を求めても良いことは言うまでもない。
このように求められた相関結果をαとして、前記したように補間手段103、補間手段104の補間位相に用いて補間する。
図4は本実施の形態における中間色差信号の補間の動作の概要を示す。(a)、(b)、(c)の3例を示している。水平に画素の水平位置、垂直に各信号の値を示しており、上段が輝度信号、下段が色差信号を示している。色差信号において黒がもともと存在している信号(偶数番目の信号)、白が補間される信号(奇数番目の信号)を示している。また中央が着目点である。
図中の(a)において、着目点における輝度信号が前後の信号より下側にはみ出ており、前記したクリップ処理がなされている。クリップ処理後の信号を点線で示す。αはこの点線の信号より求められるためαは1.0となる。一方色差信号はα=1であるから前の信号を用いて補間され図の矢印で示したように補間される。
図中の(b)においては、輝度信号は前後の信号の中間にあり、8割がた前側の輝度信号に近い位置にあることからαは0.8となる。よって、色差信号は前側と後側との線形補間により図に示す位置に補間される。
図中の(c)においては、輝度信号が上側にクリップされており、α=0となる。よって色差信号は後ろ側の信号と同じ値に補間される。
以上説明したことから明らかなように、色信号の補間点に相当する輝度信号の周辺画素からの相関より色信号の補間位相を求め、実際に色信号の補間に用いることで色のトランジェントを改善させることが可能となる。
また、4:2:2から4:4:4(YUV)に変換する場合の例を示したが、4:1:1から4:4:4への変換も色差の補間式と輝度の相関に対する考え方としては同じであり前記例へ限定するものではないことは言うまでもない。
また、垂直方向への間引きが行われている4:2:0フォーマットに対しても同様に垂直への応用を行えば対応できることは言うまでもない。
また、αの向きは後ろの画素に相関が高いときを0としたが、その逆でも良いことはいうまでもない。
(実施の形態2)
本実施の形態では実施の形態1の構成・動作に加えて、分母が所定の閾値より小さい時は、αが中点α=0.5に近づくように演算する。
たとえば分母が所定の閾値βより小さい時は以下の(数4)で演算を行う。
Figure 2008182627
ただし、max(a,b)はa,bのうちの大きい方を示し、min(a,b)はa,bのうちの小さい方を示す。
これにより、輝度変化が少なく、色の変化が大きい部分で輝度信号上にノイズによる僅かな変化があった場合、色方向にノイズが倍増することを防止することができる。
以上より、輝度信号がノイズ等で微小に変動した場合でも色に与える影響を少なくすることができる。
(実施の形態3)
前記した構成の重み係数算出手段105では、αの算出に割り算を用いており回路規模が増大した演算速度が遅くなったりする問題がある。本実施の形態では入力をDとMの二つとし、出力にαを返す2次元のルック・アップ・テーブル(LUT)としたものである。ただし、DはD=|Y2n―Y2n+2|であり、Mは下記(数5)であらわされるものとする。
Figure 2008182627
ルック・アップ・テーブルとはDとMの値に対応した値を予めROM(リード・オンリー・メモリー)等に格納しておき、DとMに応じて読み出すようにしたものである。
このルック・アップ・テーブルに書き込む値を前記実施の形態1や2に記載の式を用いて計算した結果にすることで、回路規模や演算速度の問題を回避させることが可能である。
また前記式に束縛されることなく任意の値を入れることが可能であることはいうまでもない。
本発明の色トランジェント補正装置は、簡易な構成で色にじみの低減や色ずれの補正が可能であるので、デジタル映像信号処理を行うデジタル機器全般に応用でき、テレビ、ビデオ、DVDプレーヤーやレコーダー、デジタルスチルカメラ、ビデオカメラ、また映像処理を行うソフトウエアにも有用である。
本発明の実施の形態1における色トランジェント補正装置の構成を示すブロック図 本発明の実施の形態1における色トランジェント補正装置の動作を示すタイミング図 本発明の実施の形態1における輝度信号と色差信号の対応を示す図 本発明の実施の形態1における補間位相を説明する図 4:4:4と4:2:2のフォーマットを示す図 色差信号分離手段101の回路図 色差信号分離手段101のタイミングチャート
符号の説明
1 FF(フリップ・フロップ)
2、3 LH(ロード・ホールド)
101 色差信号分離手段
102 UV選択パルス発生手段
103、104 補間手段
105 重み係数算出手段

Claims (3)

  1. 入力同期信号からUV選択パルスを出力するUV選択パルス発生手段と、
    時分割多重された入力色差信号を前記UV選択パルスに基づいて第一の中間色差信号と第二の中間色差信号に分離する色差信号分離手段と、
    入力輝度信号から重み係数を演算し出力する重み係数算出手段と、
    前記重み係数に基づき前記第一の中間色差信号を補間し、第一の出力色差信号を出力する第一の補間手段と、
    前記重み係数に基づき前記第二の中間色差信号を補間し、第二の出力色差信号を出力する第二の補間手段とを備えた色トランジェント補正装置。
  2. 輝度信号の変化が所定の閾値より小さい場合は補間位相が中点となるように重み係数を生成することを特徴とする前記請求項1記載の色トランジェント補正装置。
  3. 重み係数の生成にルックアップテーブル(LUT)を用いたことを特徴とする請求項1記載の色トランジェント補正装置。
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