以下、本発明を具体化した車両運転席の衝撃吸収構造の一実施形態を図1〜図11に従って説明する。
図1及び図2に示すように、車両1の車内前部には、スピードメータやエンジン回転数等の各種計器盤としてインストルメントパネル2が設けられている。このインストルメントパネル2には、運転者の運転操作を車輪に伝達するステアリングコラム3が設けられている。このステアリングコラム3から延びるステアリングシャフト4(図2参照)の先端には、運転者が車両1を操舵する際に操作するステアリングホイール5が、ステアリングシャフト4と同一軸心で取り付け固定されている。
ステアリングホイール5の車幅方向両側には、ライト(車幅灯)、ウィンカー、ワイパ、エンジン、自動変速機等の各種車載機器を作動する際に操作するコラムスイッチ群6が設けられている。本例のコラムスイッチ群6は、ステアリングホイール5の右側に位置する右側コラムスイッチ7と、ステアリングホイール5の左側に位置する左側コラムスイッチ8とから成る。右側コラムスイッチ7には、車載機器操作時の操作箇所となる複数のスイッチユニット9,9…と、ステアリングコラム3のコラムカバー10から延びてスイッチユニット9,9…を支持する右側支持片11とが形成されている。また、左側コラムスイッチ8も右側コラムスイッチ7と同様に複数のスイッチユニット12と1つの左側支持片13とを有する。なお、支持片11,13が取付部に相当する。
右側コラムスイッチ7のスイッチユニット9,9…は、ライト及びウィンカーを作動する際に操作する点灯系スイッチユニット9aと、フォグランプを作動する際に操作するフォグスイッチユニット9bと、クルーズコントロールを作動する際に操作するクルーズコントロールスイッチユニット9cとから成る。これらスイッチユニット9a〜9cは、自身1つで1部品として取り扱うことが可能なユニット化されたスイッチ部品であって、仮に右側支持片11の種類(形状等)が異なってもこれら右側支持片11に取り付けが可能であり、操作箇所が右側支持片11の先端面から外方に露出するように配置されている。
左側コラムスイッチ8のスイッチユニット12,12…は、ワイパを作動する際に操作するワイパスイッチユニット12aと、車両1のエンジンを入り切りする際に操作するエンジンスイッチユニット12bと、車両1の自動変速機のギア位置(シフト操作位置)を切り換える際に操作するシフトスイッチユニット(コラムシフトスイッチ)12cとから成る。これらスイッチユニット12a〜12cも、右側コラムスイッチ7のスイッチユニット9と同様に、1部品として取り扱うことが可能なユニット化されたスイッチ部品であって、複数種類の左側支持片13に取り付けで可能で操作箇所が左側支持片13の先端面から外方に露出する取り付け状態をとる。
図1〜図3に示すように、右側支持片11は、平板状の長板がステアリングコラム3内のステアリングシャフト4に沿って延びるとともに、その先端が外方側に屈曲する形状を成している。右側支持片11の基端には、図3に示すように、コラムカバー10への取付部位として、コラムカバー10の外周に沿う円弧形状で根元部11aが折り曲げ形成されている。右側支持片11は、その根元部11aが複数のボルト14,14…によってコラムカバー10に取り付け固定され、その外面に支持カバー15を取り付けて表面を面一に保護する取り付け状態をとっている。なお、左側支持片13も、その根元部13aをボルト固定して支持カバー15で覆う取り付け構造をとっている。
図3に示すように、ステアリングコラム3の内部には、例えば円筒形状を成す高強度樹脂製のコラムポスト16が収納され、このコラムポスト16内にステアリングシャフト4が回動可能な状態で収納されている。ステアリングシャフト4は、その先端がステアリングシャフト4から露出し、この部分がステアリングコラム3からステアリングホイール5へ臨むようになっている。また、ステアリングコラム3の内部には、ステアリングホイール5のエアバックとこの制御系とをステアリング操作を許容して電気接続するステアリングロールコネクタ17が、コラムポスト16に取り付け固定された状態で収納されている。なお、ステアリングコラム3、ステアリングシャフト4及びコラムポスト16が部品群を構成する。
図2に示すように、右側支持片11の先端においてスイッチユニット9,9…の近傍には、スイッチユニット9,9…のスイッチ機能ごとにスイッチ選択状態を表示可能な表示部18,18…が設けられている。これら表示部18,18…は、例えばLEDやランプ等から成り、例えばライトスイッチ系の表示部位としてライト系表示部18aや、ウィンカースイッチ系の表示部位としてウィンカー系表示部18bや、ディマ/パッシングスイッチ系の表示部位としてディマ/パッシング系表示部18c等がある。なお、各スイッチユニット9b,9c,12a〜12cにも同様の表示部18が設けられているが、これらは表示形体が異なるのみであるので、ここでは説明を省略する。なお、表示部18が表示手段に相当する。
これらスイッチユニット9a〜9cは、上から順に運転シーンに合わせた順序、即ち運転時に目線近くに位置すべき優先度の高い順序で配置されている。ここで、右側コラムスイッチ7に存在する3つのスイッチユニット9a〜9cを見てみると、この中では点灯系スイッチユニット9aが走行に最も関係することからこれが最も目線に近い位置に配置すべきスイッチユニットであり、それ以下はフォグスイッチユニット9b、クルーズコントロールスイッチユニット9cの順であるので、本例においては上から順に点灯系スイッチユニット9a、フォグスイッチユニット9b、クルーズコントロールスイッチユニット9cの順序で配置されている。
また、スイッチユニット12a〜12cも、右側コラムスイッチ7のスイッチユニット9a〜9cと同様に、上から順に運転シーンに合わせた順序、即ち運転時に目線近くに位置すべき優先度の高い順で配置されている。ここで、左側コラムスイッチ8に存在する3つのスイッチユニット12a〜12cを見てみると、この中ではワイパスイッチユニット12aが走行に関することからこれが最も目線に近い位置に配置すべきスイッチユニットであり、それ以下はエンジンスイッチユニット12b、シフトスイッチユニット12cの順であるので、本例においては上から順にワイパスイッチユニット12a、エンジンスイッチユニット12b、シフトスイッチユニット12cの順序で配置されている。
図1及び図2に示すように、ステアリングホイール5には、運転者が運転時に握り操作部位として用いるステアリング部19と、ステアリングホイール5の中央に位置してエアバック等を収納するホイール本体部20とが設けられている。このうち、ステアリング部19の背面には、ステアリング部19の裏面から延びる複数(本例は1つ)のアーム部21,21…を介してロアカバー22が取り付け固定されている。ロアカバー22は、円筒形状を成すとともにステアリングホイール5の底部カバーとして働く部位であって、ステアリング部19をその底部から支持可能である。なお、ステアリングホイール5及びロアカバー22がステアリング部材を構成する。
図2に示すように、ロアカバー22の底部中央位置には、ステアリングシャフト4の挿通箇所である円環形状のシャフト挿通部22aが、一対の支持板22b,22bで支持された状態で形成されている。ホイール本体部20は、樹脂成形等で一体形成されたステアリング部19及びロアカバー22の一方に、例えば複数のネジ(図示略)により一体に組み付けられている。ステアリングホイール5は、ロアカバー22のシャフト挿通部22aにステアリングシャフトを挿通しつつ、ステアリングシャフト4の先端をホイール本体部20に固定することにより、ステアリングシャフト4に一体回動可能に取り付け固定されている。
図4に示すように、ロアカバー22は、ステアリングコラム3のその先端全域を外周から覆う形状をなしている。このため、この種のステアリング機構においては、ステアリングホイール5とステアリングコラム3との間には空間Rがあって、その空間Rからステアリングシャフト4が外部に覗く状態となっているが、ロアカバー22がこの空間Rをステアリングコラム3の外周全域から覆うことから、空間R(即ち、ステアリングシャフト4)が外部に露出しない状態となる。
また、本例においては、車両衝突時にコラム全体がインストルメントパネル2に沈み込む動きを利用し、ロアカバー22がコラムカバー10に対してその沈込方向(図3及び図4に示す矢印A方向)に移動し、ロアカバー22の先端に位置する突出部22cが、右側コラムスイッチ7の根元部11a及びコラムカバー10間の隙間K1と、左側コラムスイッチ8の根元部13a及びコラムカバー10巻の隙間K2とに入り込んでコラムスイッチ7,8をコラムカバー10から強制的に脱落させるコラムスイッチ脱落構造をとる。このため、ロアカバー22内の空間Rは、ロアカバー22がコラムカバー10側に移動した際にコラムスイッチ7,8に届いてこれを脱落させることが可能な長さに設定されている。また、ロアカバー22は、コラムスイッチ7,8を強制的に脱落し得る強度を得るために、金属(例えば鉄)と樹脂との合成材により形成されている。
点灯系スイッチユニット9aは、回転操作及び十字操作の両方が可能なスイッチユニットであって、このスイッチ構造を図5及び図6に示すと、スイッチ操作時にノブの回転操作を伴う回転操作スイッチ23と、スイッチ操作時にノブの十字操作を伴う十字操作スイッチ24とを持つ。回転操作スイッチ23は、その回転操作用ノブ23aが中立位置を基準に繰上方向及び繰下方向の各々に1段階ずつ回動操作可能であって、繰上操作或いは繰下操作された後に回転操作用ノブ23aから手が離されると、回転操作用ノブ23aが自動で中立位置に復帰するモーメンタリ式である。本例の回転操作スイッチ23は、ライト及び車幅灯を点灯操作及び消灯操作する際に操作するスイッチである。
また、十字操作スイッチ24は、その十字操作用ノブ24aを中立位置から上下方向及び前後方向の各々に1段ずつ横移動操作(本例は傾倒操作)が可能であって、十字操作用ノブ24aが上下傾倒操作或いは前後傾倒操作された後にスイッチから手が離されると、自動で中立位置に復帰するモーメンタリ式である。即ち、本例の十字操作スイッチ24は、中立位置を基準に上方向、下方向、前方向(奥方向)、後方向(手前方向)の4位置に傾倒操作が可能で、その操作後は十字操作用ノブ24aの自動復帰が可能である。本例の十字操作スイッチ24は、ウィンカーやディマ/パッシングを点灯操作及び消灯操作する際に操作するスイッチである。
まず、回転操作スイッチ23を説明すると、回転操作スイッチ23の入力系である回転操作用ノブ23aは、点灯系スイッチユニット9aの各種スイッチ部品を収納するスイッチケース25に、スイッチ延設方向(図5の矢印L1方向)回りに回動可能な状態で取り付けられている。スイッチケース25は、例えば右側支持片11と一体形成してもよく、この内部には回転操作用ノブ23aを回動可能に支持する円環形状のノブ支持部26が収納されている。
回転操作用ノブ23aの底面には、一対の棒状の突出片27a,27bが形成されている。また、ノブ支持部26の側壁には、突出片27aが収納可能な凹部26aが凹設され、突出片27bが収納可能な凹部26bが凹設されている。凹部26aの内部には、回転操作用ノブ23aを回転操作した際に回転操作用ノブ23aを中立位置に戻すように付勢する一対の第1付勢ばね28aが収納され、凹部26bにも同様の機能を持つ一対の第2付勢ばね28bが収納されている。
図6に示すように、スイッチケース25の内部には、回転操作用ノブ23aを繰上操作した時の突出片27aの移動経路先に、回転操作用ノブ23aの繰上操作を検出する第1スイッチ29aが設けられている。また、スイッチケース25の内部には、回転操作用ノブ23aを繰下操作した時の突出片27bの移動経路先に、回転操作用ノブ23aの繰下操作を検出する第2スイッチ29bが設けられている。第1スイッチ29a及び第2スイッチ29bは、操作している間だけ接点が閉じる手動操作自動復帰スイッチである。回転操作用ノブ23aが繰上操作されると、突出片27aが第1スイッチ29aをオンし、第1スイッチ29aが繰上操作を検出する状態となる。また、回転操作用ノブ23aが繰下操作されると、突出片27bが第2スイッチ29bをオンし、第2スイッチ29bが繰下操作を検出する状態となる。
また、十字操作スイッチ24を図5に従い説明すると、十字操作スイッチ24の入力系である十字操作用ノブは、例えばツマミ形状を成すとともに、スイッチケース25に十字方向へ傾倒操作可能な状態で取り付けられている。十字操作用ノブ24aは、その底面にスイッチ延設方向L1に沿って延びる棒形状の軸部24bが形成され、この軸部24bがスイッチケース25内で傾倒移動可能に支持された取り付け状態をとっている。十字操作用ノブ24aは、軸部24bがスイッチ延設方向L1に沿う時が中立位置となり、スイッチ延設方向L1を基準に上下方向及び前後方向の十字方向に沿って傾倒操作が可能となっている。
スイッチケース25の内部には、十字操作用ノブ24aが上下方向或いは前後方向に傾倒操作されたことを検出する検出スイッチ群30が設けられている。検出スイッチ群30は、そのスイッチ筐体31内に第3スイッチ30a〜第6スイッチ30dを持ち、十字操作用ノブ24aを上側に傾倒操作した際の軸部24bの先端が位置する箇所に第3スイッチ30aが、十字操作用ノブ24aを下側に傾倒操作した際の軸部24bの先端が位置する箇所に第4スイッチ30bが、十字操作用ノブ24aを手前に傾倒操作した際に軸部24bの先端が位置する箇所に第5スイッチ30cが、十字操作用ノブ24aを奥に傾倒操作した際に軸部24bの先端が位置する箇所に第6スイッチ30dが各々設けられている。第3スイッチ30a〜第6スイッチ30dは、操作している間だけ接点が閉じる手動操作自動復帰スイッチである。
例えば、左側ウィンカーを点灯すべく十字操作用ノブ24aが上側に傾倒操作されると、軸部24bの先端が第3スイッチ30aをオンして第3スイッチ30aが左側ウィンカー点灯操作を検出し、右側ウィンカーを点灯すべく十字操作用ノブ24aが下側に傾倒操作されると、軸部24bの先端が第4スイッチ30bをオンして第4スイッチ30bが右側ウィンカー点灯操作を検出する。また、ディマ操作(ハイビーム操作)すべく十字操作用ノブ24aが手前に傾倒操作されると、軸部24bの先端が第5スイッチ30cをオンして第5スイッチ30cがディマ操作を検出し、パッシング操作すべく十字操作用ノブ24aが奥に傾倒操作されると、軸部24bの先端が第6スイッチ30dをオンして第6スイッチ30dがパッシング操作を検出する。
スイッチ筐体31の内部には、十字操作スイッチ24を上下方向及び前後方向に十字操作した際に十字操作用ノブ24aを中立位置に戻すように付勢する第3付勢ばね32が設けられている。第3付勢ばね32は、十字操作用ノブ24aを支持する軸部24bをその四方から中立位置に付勢すべく働く4つのばね群から成り、十字操作用ノブ24aが上下方向や前後方向に十字操作された際には、これらばね群の付勢力が作用することにより、十字操作用ノブ24aを中立位置に戻す動きをとる。
エンジンスイッチユニット12bは、押下操作が可能なスイッチユニットであって、このスイッチ構造を図7に示すと、スイッチ操作の際にノブの押下操作を伴う押下操作スイッチ33を持つ。本例の押下操作スイッチ33は、その押下操作用ノブ33aを基準位置から奥に1段階だけ押下操作可能であって、押下操作用ノブ33aの下面から延びる軸部33bの先端で第7スイッチ35をオン操作すると、エンジンスタート操作を検出する状態となる。
また、押下操作スイッチ33は、押し込み操作された後に押下操作用ノブ33aから手が離されると、スイッチケース34内の第4付勢ばね36の付勢力により自動で中立位置に復帰するモーメンタリ式(手動操作自動復帰スイッチ)である。本例のエンジンスイッチユニット12bは、エンジン停止時に押下操作用ノブ33aが押し操作されるとエンジンが始動する状態となり、エンジン作動時に押下操作用ノブ33aが押し操作されるとエンジンが停止する状態となる。
シフトスイッチユニット12cは、引込操作を伴うシフト繰上操作及びシフト繰下操作が可能なスイッチユニットであって、このスイッチ構造を図8に示すと、引込操作を行った後に上下方向に1段ずつ横移動操作(本例は傾倒操作)が可能なシフト操作スイッチ37を持つ。本例のシフト操作スイッチ37は、そのシフト操作用ノブ37aを基準位置から手前側に引き込んで、その状態からシフト位置の繰上方向及び繰下方向の各々に1段階ずつ傾倒操作可能であって、シフト操作用ノブ37aが下側傾倒操作される度にシフト位置が1段ずつ繰り上がり、シフト操作用ノブ37aが上側傾倒操作されるたびにシフト位置が1段ずつ繰り下がる。また、シフト操作スイッチ37は、シフトアップ操作或いはシフトダウン操作された後にシフト操作用ノブ37aから手が離されると、シフト操作用ノブ37aが元の中立位置に自動で復帰するモーメンタリ式である。
シフトスイッチユニット12cの入力系であるシフト操作用ノブ37aは、例えば外形が直方体形状を成すとともに、シフトスイッチユニット12cの各種スイッチ部品を収納するスイッチケース38に傾倒操作可能な状態で取り付けられている。シフト操作用ノブ37aは、その底面にスイッチ延設方向(図8の矢印L2方向)に沿って延びる棒形状の軸部37bが形成され、この軸部37bがスイッチケース38内で傾倒操作可能に支持された取り付け状態をとっている。
スイッチケース38の端面には、シフト操作用ノブ37aの傾倒操作を案内する案内溝39が貫設されている。本例の案内溝39は、シフト操作用ノブ37aを中立位置に導いて位置させる規制案内溝39aと、その規制案内溝39aから延びつつ傾斜して延びるシフトアップ操作案内溝39bと、規制案内溝39aから延びつつ傾斜して延びるシフトダウン操作案内溝39cとから成る。また、スイッチケース38内には、シフト操作スイッチ37をシフトアップ操作或いはシフトダウン操作した後にシフト操作スイッチ37を中立位置に復帰するように付勢する第5付勢ばね40が設けられている。
スイッチケース38の内部には、シフト操作用ノブ37aがシフトアップ方向に傾倒操作されたことを検出する第8スイッチ41aと、シフト操作用ノブ37aがシフトダウン方向に傾倒操作されたことを検出する第9スイッチ41bとが設けられている。第8スイッチ41a及び第9スイッチ41bは、操作している間だけ接点が閉じる手動操作自動復帰スイッチである。シフト操作用ノブ37aがシフトアップ操作されると、傾倒した軸部37bが第8スイッチ41aをオンして第8スイッチ41aがシフトアップ操作を検出する状態となる。また、シフト操作用ノブ37aがシフトダウン操作されると、傾倒した軸部37bが第9スイッチ41bをオンして第9スイッチ41bがシフトダウン操作を検出する状態となる。
また、シフト操作用ノブ37aがシフトアップ操作された後、その繰上操作位置でシフト操作用ノブ37aから手が離されると、シフト操作用ノブ37aがその軸部37bで第5付勢ばね40の付勢力によりシフトアップ操作案内溝39bの斜面を滑り落ち、最終的には規制案内溝39aに入り込んで中立位置に自動復帰する。一方、シフト操作用ノブ37aがシフトダウン操作された後、その繰下操作位置でシフト操作用ノブ37aから手が離されると、シフト操作用ノブ37aがその軸部37bで第5付勢ばね40の付勢力によりシフトダウン操作案内溝39cの斜面を滑り落ち、繰上操作時と同様に規制案内溝39aに入り込んで中立位置に自動復帰する。
なお、ワイパスイッチユニット12aは、点灯系スイッチユニット9aと同じスイッチユニット部品が使用されている。また、フォグスイッチユニット9bやクルーズコントロールスイッチユニット9cは、点灯系スイッチユニット9a、エンジンスイッチユニット12b及びシフトスイッチユニット12cの中のどのスイッチユニット構造を使用してもよく、或いは点灯系スイッチユニット9aが持つ回転操作スイッチ23の回転操作構造や十字操作スイッチ24の横移動操作構造のどちらかを使用してもよい。なお、回転操作用ノブ23a、十字操作用ノブ24a、押下操作用ノブ33a及びシフト操作用ノブ37aが操作スイッチを構成する。
図9に示すように、車両1には、コラムスイッチ群6のスイッチ選択状態を判別するスイッチ系コントローラ42が設けられている。このスイッチ系コントローラ42は、入力側が各種スイッチユニット9,12の各種スイッチに接続され、出力側が各表示部18,18…に接続されている。スイッチ系コントローラ42は、CPU43やメモリ44等のデバイスから成り、メモリ44に格納されたスイッチ状態判別プログラムに従い作動することにより、スイッチユニット9,12から取得したスイッチ信号を用いてコラムスイッチ群6が今どのスイッチ選択状態にあるのかを判別し、そのスイッチ選択状態に応じた表示部18を点灯状態にする。なお、スイッチ系コントローラ42が制御手段及び表示制御手段を構成する。
スイッチ系コントローラ42は、スイッチユニット9a〜9c,12a〜12cから離れた位置に配置され、例えば運転席足下の車体内部に配置されている。また、スイッチユニット9a〜9c,12a〜12cから延びる電気配線群45や、表示部18,18…から延びる電気配線群46は、右側支持片11(左側支持片13)の内部を通され、ステアリングコラム3内を経由してスイッチ系コントローラ42に繋がる配線接続状態をとっている。また、右側支持片11及び左側支持片13の根元位置には、表示部18,18が点灯状態となる際の電力を供給する電源47,47が各々配置されている。
また、スイッチ系コントローラ42には、ライト(車幅灯)、ウィンカー、ワイパ等のコントロールユニットである各種機器制御ECU48と、エンジンのコントロールユニットであるエンジンECU49と、自動変速機のコントロールユニットであるシフトECU50とが接続されている。スイッチ系コントローラ42は、スイッチ選択状態の判別結果に応じた指令を各種ECU48〜50に送り、スイッチ選択操作に応じた動作をこれら車載機器に行わせる。スイッチ系コントローラ42には、ステアリングホイール5の回転角度を検出するステアリングアングルセンサ51が接続されている。スイッチ系コントローラ42は、このステアリングアングルセンサ51から得る検出信号を用い、ステアリングホイール5のその時々の回転角度を認識する。
スイッチ系コントローラ42は、回転操作用ノブ23aの繰上操作や繰下操作を第1スイッチ29aや第2スイッチ29bで検出すると、ライトスイッチ系のスイッチ選択状態を、その時の繰上操作及び繰下操作の操作カウント値に応じた操作選択状態に切り換え、その時の操作カウント値に応じたライト系表示部18a及び機器制御ECU48に指令を送ってライト系表示部18a及び点灯系を作動させる。なお、ここで言う操作カウント値とは、回転操作用ノブ23aを繰上操作する度に項目が1つずつ繰り上がり、一方で回転操作用ノブ23aを繰下操作する度に項目が1つずつ繰り下がる設定値に準ずるパラメータ値である。
例えば、ライト及び車幅灯の両方が消灯している際、回転操作用ノブ23aが1回繰上操作されると、スイッチ系コントローラ42のライトスイッチ系のスイッチ選択状態が車幅灯点灯選択状態となり、車幅灯選択表示部52aが点灯するとともに車幅灯が点灯する。また、車幅灯のみが点灯している際、回転操作用ノブ23aがもう1回繰上操作されると、スイッチ系コントローラ42のライトスイッチ系のスイッチ選択状態がライト点灯選択状態となり、ライト選択表示部52bが点灯するとともにライトも点灯状態となる。なお、繰上操作や繰下操作後、操作者が回転操作用ノブ23aから手を離すと、回転操作用ノブ23aは第1付勢ばね28a及び第2付勢ばね28bの付勢力により自動で中立位置に復帰する。
スイッチ系コントローラ42は、十字操作用ノブ24aの上側傾倒操作や下側傾倒操作を第3スイッチ30aや第4スイッチ30bで検出すると、ウィンカースイッチ系のスイッチ選択状態をウィンカー操作選択状態に切り換え、その時の傾倒操作方向に応じたウィンカー系表示部18bを点灯させるとともに、機器制御ECU48に指令を送ってウィンカーを作動させる。スイッチ系コントローラ42は、ウィンカー系表示部18bを点灯させた際、ステアリングホイール5の回転角度を逐次監視し、ステアリングホイール5が中立位置に復帰したことを認識すると、車両の操舵運転が終了したと判断し、そのとき作動するウィンカー系表示部18b及びウィンカーを消灯させる。
スイッチ系コントローラ42は、十字操作用ノブ24aの手前側傾倒操作や奥側傾倒操作を第5スイッチ30cや第6スイッチ30dで検出すると、ディマ/パッシングスイッチ系のスイッチ選択状態をディマ/パッシング操作選択状態に切り換え、その時の傾倒操作方向に応じたディマ/パッシング系表示部18cを点灯させるとともに、機器制御ECU48に指令を送ってディマ/パッシング機能を作動させる。また、ディマ機能の解除は、ディマ機能が実行状態にある際、十字操作用ノブ24aを中立位置から奥に1回傾倒操作することにより行い、パッシング機能の解除は、パッシング機能が実行状態にある際、十字操作用ノブ24aを中立位置から手前に1回傾倒操作することにより行う。なお、他のスイッチユニット9b,9c,12a〜12cが操作されたときも、スイッチ系コントローラ42は以上の場合と同様に動作する。
さて、本例において例えば車両運転中に事故等に巻き込まれ、自車両が他車両に追突する車両衝突状態になると、運転者は前方に慣性力を受けてステアリングホイール5に向かって投げ出されることから、車両衝突時はステアリングホイール5に接触する状態となる。このとき、ステアリングホイール5やステアリングコラム3の周辺は、コラムスイッチ7,8が複数のボルト14,14により取り付いた図10に示す通常状態から、運転者の衝突によりステアリングホイール5が前方に沈み込む図11に示す衝突状態をとる。
ここで、車両衝突時にはステアリングホイール5が運転者から衝突力を受けることになるので、ステアリングホイール5と一体組み付け状態にあるステアリングシャフト4、コラムカバー10、コラムポスト16等がこれら一体となって沈込方向Aに力を受け、コラム全体が沈込方向Aに沿ってインストルメントパネル2に沈み込む動きをとる。即ち、車両衝突時には、ステアリングホイール5が運転者から衝突力を受けて、ステアリングコラム3,ステアリングシャフト4、ステアリングホイール5及びコラムポスト16等が一体となってインストルメントパネル2に沈み込む動きをとる。
ところで、本例のロアカバー22はコラムカバー10を外側から覆う形状で、しかもこのロアカバー22とコラムカバー10との間にはロアカバー22(即ち、ステアリングホイール5)がコラムカバー10側に移動することを許容できる空間Rが形成されていることから、車両衝突時に運転者が車両1から慣性力を受けてステアリングホイール5に衝突した際には、その衝突力によりステアリングホイール5つまりロアカバー22が沈込方向Aに移動を開始し、支持板22b,22bがコラムカバー10で破壊された後、ロアカバー22がコラムカバー10に対してその外周に沿って沈込方向に移動する。
そして、ロアカバー22の先端に位置する突出部22cが、支持片11,13の各々の根元部11a,13aとロアカバー22との間の隙間K1,K2に入り込み、根元部11a,13aに対してコラムスイッチ7,8をコラムカバー10から脱落させる向きの力(図11の矢印F1)を加え、コラムスイッチ7,8をコラムカバー10から脱落させるべく働く。これにより、複数のボルト14,14よってコラムカバー10に取り付けられているコラムスイッチ7,8が突出部22cによってコラムカバー10から強制的に引き剥がされ、コラムスイッチ7,8がコラムカバー10から脱落する。よって、コラムカバー10の外周面にコラムスイッチ7,8が配置されていても、車両衝突時はこれらが突出部22cによってコラムカバー10から脱落するので、コラム全体がインストルメントパネル2に深く沈み込み、衝撃を充分に吸収することが可能となる。
また、コラム全体がインストルメントパネル2に沈み込む際、ステアリングコラム3自体もインストルメントパネル2に沈み込む動きをとることから、この沈み込みに伴って支持片11,13の根元部11a,13aがインストルメントパネル2に当接する状態をとる。このため、ロアカバー22の突出部22cが各支持片11,13の隙間K1,K2に入り込んでコラムスイッチ7,8を脱落させる際に、インストルメントパネル2が支持片11,13の根元部11a,13aをその基端で支持する状態をとり、コラムスイッチ7,8の脱落を補助する向きの力(図11の矢印F2)をインストルメントパネル2が加え、コラムスイッチ7,8をコラムカバー10から脱落し易くする。
従って、本例においては、コラムカバー10もコラムスイッチ7,8の取り付け先として使用することが可能となるので、コラムスイッチ7,8の配置レイアウトの自由度が高くなる。また、コラムスイッチ7,8をコラムカバー10に取り付けても、ロアカバー22でコラムカバー10を覆う本例のコラムスイッチ脱落構造を採用すれば、車両衝突時にはロアカバー22がコラムスイッチ7,8を脱落させる動きをとるので、この時はコラム全体の深い沈み込み量が得られ、充分な衝撃吸収効果が確保される。以上により、コラムスイッチ7,8の配置レイアウトの多様化と、コラム全体の沈み込み量確保に伴う衝撃吸収効果の確保との両立を図ることが可能となる。
また、本例のコラムスイッチ脱落構造を採用すれば、コラムスイッチ7,8の支持片11,13に太い形状や板状のものを使用することが可能となる。このため、例えば車両1の振動がコラムスイッチ7,8に伝達されたとしても、この振動でコラムスイッチ7,8が微振動する状況が生じ難くなるので、コラムスイッチ7,8の支持片11,13にビビリ等の亀裂が生じ難くなり、コラムスイッチ7,8の配置レイアウト多様化と車両衝突時の衝撃吸収効果確保とに加え、コラムスイッチ7,8の剛性向上という効果も得ることが可能となる。
さらに、本例はコラムスイッチ7,8がコラムカバー10の外側に配置されることになるので、コラムカバー10内に収容すべき部品数が少なくなることから、ステアリングコラム3のコラム径W(図3参照)の小径化が可能となり、ステアリングコラム3の小型化が可能となる。よって、小型タイプのステアリングコラム3の製造も可能になり、コラム意匠の自由度向上に効果がある。また、コラム径Wが小径化すると、車両衝突時に運転者の膝がステアリングコラム3に当接してしまう状況が生じ難くなり、車両衝突時の衝撃吸収とういう面から見ても効果が高くなる。
本実施形態の構成によれば、以下に記載の効果を得ることができる。
(1)車両衝突時にはコラム全体が車両前方に沈み込む動きをとるが、本例のようにコラムカバー10をコラムスイッチ7,8の取り付け先として用いても、この時はこのコラム沈込時にロアカバー22の先端の突出部22cでコラムスイッチ7,8が脱落する動きをとり、コラム全体がコラムスイッチ7,8に位置規制されることなく充分に沈み込んで必要な衝撃吸収効果が満足される。このため、コラムカバー10もコラムスイッチ7,8の取り付け先として利用できることから、コラムスイッチ7,8の配置レイアウトの自由度を高くすることができる。また、コラムカバー10をコラムスイッチ7,8の取り付け先として用いても、車両衝突時の充分な衝撃吸収効果は確保されるので、コラムスイッチ7,8の配置レイアウトの多様化と、コラム全体の沈み込み量確保に伴う衝撃吸収効果の確保との両立を図ることができる。
(2)車両衝突時にコラム全体が車両に沈み込む際、この時はステアリングコラム3(コラムカバー10)自体も沈み込む動きをとることから、コラムスイッチ7,8はその基端部でインストルメントパネル2に当接する状態をとる。このため、コラム全体の沈み込み時にロアカバー22の突出部22cがコラムスイッチ7,8をコラムカバー10から脱落させる際、インストルメントパネル2がコラムスイッチ7,8を背面側から支持して脱落を補助するように働くので、コラムスイッチ7,8をロアカバー22から脱落し易くすることができる。
(3)車両コンビネーションスイッチをユニット化しているので、これらスイッチユニット9,12の車両1への取り付けは、コラムカバー10に支持片11,13を固着してこれに取り付ける構造が採用される。よって、この取付構造においては、支持片11,13はただ単にスイッチユニット9,12の取り付け先として機能するだけであるので、形状等に制約がつき難くなることから、支持片11,13の形状を自由に選択することができる。従って、支持片11,13の形状に太い板状のものを採用すれば、この種の板形状部材には振動が伝達され難い利点があることから、スイッチユニット9,12の支持部品にビビリ等が生じ難くなり、部品耐久性の面から見て効果が高くなる。
(4)コラムスイッチ7,8のスイッチ機構をユニット化した場合、車両コンビネーションスイッチのスイッチ機構がコラムカバー10の外部に位置することになるので、コラムカバー10のコラム径W(図3参照)がその分だけ小さく済むことになり、ステアリングコラム3を小型化することができる。また、ステアリングコラム3の小型化が図られれば、車両衝突時に運転者の膝がステアリングコラム3に衝突する状況も生じ難くなり、このことも車両衝突時の衝撃吸収作用に効果が高い。
(5)車両衝突時にコラムスイッチ7,8をコラムカバー10から強制的に脱落させる際に働くロアカバー22の突出部22cは、ステアリングコラム3をその外周を覆うように取り付けられているので、突出部22cはコラムスイッチ7,8をコラムカバー10から脱落させる機能だけでなく、ステアリングコラム3とステアリングホイール5との間の隙間を隠す機能も持たせることができる。
(6)本例のスイッチ構造は、コラムスイッチをスイッチユニット9a〜9c,12a〜12cのようにユニット化し、これらスイッチユニット9a〜9c,12a〜12cの繰上操作や繰下操作等の操作回数を見ることにより、その時々のスイッチ選択状態を判別するスイッチ構造をとっている。このため、例えばある車種のライトスイッチ系が消灯、車幅灯点灯、ライト点灯の3段で、他の車種のライトスイッチ系が消灯、オート、車幅灯点灯、ライト点灯の4段であっても、これら異なる車種間で共通のスイッチユニットを共用することができる。
また、この種のコラムスイッチとして一般的に使用されるレバーコンビネーションスイッチは、操作部位であるレバー部材の根元にスイッチ機構を配置し、コラムスイッチ操作に伴うレバー傾倒操作をスイッチ機構で検出するレバー操作構造が主流であるが、このようなレバー操作構造はレバー傾倒操作というある種の特定操作が必要となることから、レバー部材をレバー操作し易い形状とせざるを得ず、コラムスイッチの意匠がどうしても限定されたものとなってしまう。また、仮にレバー部材の意匠形状を変更した場合には、レバー部材の太さや長さの関係上、レバー1段操作時に要する可動範囲もレバー毎に変わってくる可能性も高く、各々専用のスイッチ機構を用意する必要が生じる懸念にも繋がる。しかし、本例のようにスイッチ機構をユニット化するスイッチユニット構造を採用すれば、レバー操作構造を用いるという制限がなくなるので、コラムカバー10から延びるレバー部位を単なる支持片11,13とすることができ、レバー部位を様々な意匠に展開することができる。
さらに、国内車と輸出車とはステアリングホイール位置が左右反転することから、右側支持片11のスイッチユニット9群と左側支持片13のスイッチユニット12群とはこれらを左右反転して配置する必要性が生じる。しかし、本例のようなスイッチユニット構造を採用すれば、スイッチ系コントローラ42でスイッチ選択状態の判別処理を左右で入れ替える処理をさせれば、これらスイッチユニット9,12を左右反転して配置しても、問題なくスイッチ選択状態判別を行うことが可能となる。以上により、あらゆる車種、意匠、輸出車の間でスイッチユニット9,12の共用化が図られるので、コラムスイッチに必要なスイッチ部品が少なく済み、部品コスト増加等の問題が生じ難くなる。
なお、実施形態はこれまでの構成に限定されず、以下の態様に変更してもよい。
・ コラムスイッチ7,8は、スイッチ機構をユニット化してそれを支持片11,13に取り付けることにより、コラムカバー10の外側でスイッチ機構が完結するユニット化スイッチに限定されない。即ち、コラムスイッチ7,8は、レバー根元に存在するスイッチ機構がコラムカバー10内に収納されつつ、その取り付け先がコラムポスト16となった通常のレバーコンビネーションスイッチでもよい。また、この種のレバーコンビネーションスイッチを用いた場合、その取り付け先は必ずしもコラムポスト16に限らず、コラムカバー10をその取り付け先としてもよい。
・ 突出部22cは、必ずしもロアカバー22の周方向全域に形成されることに限定されず、例えばコラムスイッチ7,8が当接する箇所のみに形成されていてもよい。また、突出部22cの先端形状は、先端に向かうに従い尖った形状などの様々な形状を採用してもよい。
・ スイッチユニット9,12は、これまでに述べた回転操作式、十次操作式、押下操作式、引込を伴う横移動操作式のいずれを採用してもよいし、1つのスイッチユニットに複数のスイッチ機能を搭載する場合には、どの操作式を組み合わせてもよい。
・ 十字操作スイッチ24は、十字操作用ノブ24aを十字方向に傾かせる傾倒式に限らず、十字操作用ノブ24aを十字方向にスライド移動させるスライド式でもよい。
・ 表示部18,18…は、必ずしもLEDやランプに限定されず、例えば液晶パネルを用いてスイッチ選択状態をグラフィック表示してもよい。
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想について、それらの効果とともに以下に追記する。
(1)請求項1〜4のいずれか一項において、前記コラムスイッチは、1部品として取り扱い可能にユニット化されつつ前記コラムカバー外に取り付け配置されるスイッチユニットであって、当該スイッチユニットが前記コラムカバーに取り付けられた取付状態をとる。この構成によれば、ステアリング部材がコラムカバーに沈み込んだ際には、ステアリング部材の突出部がコラムスイッチの取付部とコラムカバーとの間の隙間に入り込んで、コラムスイッチをコラムカバーから脱落させる構造となる。このため、コラムスイッチとして太い形状の部材を用いたとしても、車両衝突時には問題なくコラムスイッチをコラムカバーから脱落させることが可能となる。よって、コラムスイッチに太い形状を用いてもよくなることから、仮に車両に振動が生じたとしても、この振動がコラムスイッチに伝達され難くなるので、コラムスイッチにビビリを生じ難くすることが可能となる。
(2)請求項1〜4及び前記技術的思想(1)のいずれか一項において、前記コラムスイッチは、中立位置を基準に操作部位である操作スイッチを繰上操作及び繰下操作が可能な繰上繰下操作式、或いは基準位置から操作スイッチを押し込む操作を伴う押下操作式の一方から成り、1部品としてユニット化されたスイッチユニットと、前記スイッチユニットから入力したスイッチ信号の入力回数を用い、操作者により選択指定されたその時のスイッチ選択状態を判定する制御手段とを備えた。この構成によれば、異なる車種(意匠)や輸出車の間で共通のスイッチユニットを使用することが可能となり、車両コンビネーションスイッチに要するスイッチ種類を少なく抑えることが可能となる。
(3)請求項1〜4及び前記技術的思想(1),(2)のいずれか一項において、前記コラムスイッチは、前記スイッチ選択状態ごとに表示形体を持つ表示手段と、前記操作者により選択指定された前記スイッチ選択状態を前記表示手段に表示させる表示制御手段とを備えた。この構成によれば、その時々のスイッチ選択状態が表示制御手段によって表示手段に表示されるので、スイッチ選択状態を視覚的に操作者に通知することが可能となり、操作者が今どのスイッチ位置に操作しているのかを認識することが可能となる。
1…車両、2…インストルメントパネル、3…部品群を構成するステアリングコラム、4…部品群を構成するステアリングシャフト、5…ステアリング部材を構成するステアリングホイール、7,8…コラムスイッチ、9(9a〜9c)…各種スイッチユニット、10…コラムカバー、11,13…取付部としての支持片、12(12a〜12c)…各種スイッチユニット、16…部品群を構成するコラムポスト、18…表示手段としての各種表示部、22…ステアリング部材を構成するロアカバー、22c…突出部、23a…操作スイッチを構成する回転操作用ノブ、24a…操作スイッチを構成する十字操作用ノブ、33a…操作スイッチを構成する押下操作用ノブ、37a…操作スイッチを構成するシフト操作用ノブ、42…制御手段及び表示制御手段を構成するスイッチ系コントローラ、A…沈込方向、K1,K2…隙間。