JP2008180240A - 潤滑流体充填方法及び動圧流体軸受及び動圧流体軸受を用いたスピンドルモータ - Google Patents

潤滑流体充填方法及び動圧流体軸受及び動圧流体軸受を用いたスピンドルモータ Download PDF

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Abstract

【課題】 減圧雰囲気下で給液した潤滑流体を大気圧開放により間隙部に充填する前に、給液部付近の明暗を確認することで、給液状態を明確に判定できる動圧流体軸受及びその潤滑流体充填、検査方法を提供する。
【解決手段】シャフト5を相対的に回転自在に保持するとともに一方に開口面を有するスリーブ4と、シャフト5とスリーブ4との間に保持される軸受間隙8とを有し、軸受間隙8に潤滑流体2を充填する潤滑流体充填方法であって、間隙部8及びスリーブ開口面に潤滑流体2を給液する工程と、該給液工程後、スリーブ開口面にその上部から光照射してその反射光の明度を測定する工程とを備え、当該反射光によるスリーブ上面の開口面の明度パターンに基づいて潤滑流体の給液状態を判定する。
【選択図】図1

Description

本発明は、磁気ディスク、光ディスク等の記録ディスクを回転駆動するスピンドルモータに使用される動圧流体軸受、スピンドルモータ、並びに動圧流体軸受に潤滑流体を充填する技術に関するものである。
ハードディスクドライブ、光ディスクドライブ、ポリゴンミラー搭載機器等において用いられるスピンドルモータには、動圧流体軸受が多く使用されている。
この動圧流体軸受は、回転部と固定部との間の間隙部に充填された潤滑流体が、液体潤滑及び界面潤滑の機能を果たし、回転部の回転によって流体に発生した動圧を利用する流体すべり軸受装置である。
具体的な一例として、ハードディスクドライブのスピンドルモータ41の構造を図9に示す。ハードディスクドライブのベース31に固定された動圧流体軸受40を回転中心とし、ベース31とハードディスクを固定するハブ32とをステータ34とマグネット33により相対的に回転駆動する構成となっている。
さらに図10は上記スピンドルモータの動圧流体軸受40の拡大図である。
通常、動圧流体軸受40は半径方向の負荷を支持するラジアル軸受と、軸方向の負荷を支持するスラスト軸受の2つの軸受で構成される。ラジアル軸受は、シャフト5とスリーブ4で構成され、スラスト軸受は、シャフトに連結されたフランジ6とスラストプレート7によって構成されている。回転部となるシャフト5とフランジ6と、固定部となるスリーブ4とスラストプレート7との間隙部8には、図示しない潤滑流体が充填されている。なお、ここに示す例では、スラスト軸受が配置される側と逆側に位置する一方の間隙部のみが大気に開放される、いわゆる片袋構造をとっている。
このような従来の動圧流体軸受40に潤滑流体を充填する装置は、まず充填の妨げとなる間隙部の空気を取り除くべく減圧雰囲気にさらした状態で、間隙部の開口部に適正量の潤滑流体を滴下することでシールし、さらに大気圧に復圧することで減圧状態の間隙部内と潤滑流体を隔てた大気圧との差圧を利用して、間隙部に潤滑流体を完全に充填する真空充填プロセスが採用されている。
特に、ハードディスクドライブ用モータの部品として動圧流体軸受が使用される場合において、動圧流体軸受の回転軸と固定部で構成される間隙部が回転軸の一方向のみに開放される片袋構造の動圧流体軸受では、間隙部が完全に潤滑流体で充填されず気泡が残留した状態となっていると、製品として出荷後に航空機にて運搬される時のような減圧雰囲気において、間隙部に残留した気泡が膨張する。この気泡の膨張により、間隙部から外部へと潤滑流体が押し出され潤滑流体漏れといった致命的な問題を引き起こす原因となる。そこで、間隙部に気泡を残留させないために、潤滑流体の給液を十分に減圧した雰囲気中で実施することに加えて、十分な潤滑流体を動圧流体軸受の間隙部の開口部に吐出した後に上記開口部が完全に上記潤滑流体でシールされていることが重要である。なぜならば潤滑流体の量が不十分であれば当然間隙部を完全に満たすことができないし、開口部のシールが完全にできていなければ、大気圧開放後に上記潤滑流体だけではなく、気泡もシールできていない部分から上記間隙部に入ってしまい間隙内を完全に満たすことができなくなってしまうためである。これらの条件を満たすためには、動圧流体軸受の間隙部付近の所定の位置に十分な量の潤滑流体を滴下する必要がある。しかしながら、減圧状態で吐出を行う際には、大気圧との差圧の影響により真空容器が歪むといった現象が起こり、真空容器に固定されているディスペンサの先端部にあるノズル位置が給液する動圧流体軸受に対して所定の位置からずれてしまう場合がある。
また、生産性を向上させるため真空容器内に複数個の動圧流体軸受を配置する場合、それらを配置する位置によっても歪みの度合いが異なり、任意の動圧流体軸受に移動する際の位置決め精度の影響も生じるため、全ての動圧流体軸受に対して潤滑流体を吐出するノズルの位置を特定の位置に精度よく保持することは困難である。
そのため従来の方法では、動圧流体軸受の間隙部の開口部から特定の距離だけ離れた、前記動圧流体軸受の外周位置に、潤滑流体をはじく性質の撥液剤をあらかじめ塗布しており、ノズルの位置がずれても潤滑流体が上記開口部に集まりやすい構造にしており、ノズルの位置の微調整は行わずとも、一定の範囲内のずれであれば潤滑流体を間隙部全てに満たすことが可能である。
しかしながら上記従来の方法でも、例えば潤滑流体を吐出するノズルの位置が大きくずれて、撥液剤塗布位置よりも内側に無く上部に配置されてしまった場合は、潤滑流体がその撥液剤上の位置で液滴となって保持され、間隙部に十分な潤滑流体が満たされない、あるいは間隙部の開口部を完全にシールできないといった現象が生じ、間隙部に気泡が入ってしまう要因となる。そのため、大気圧開放による間隙部充填直前の潤滑流体のシール状態の確認が依然として重要項目であるが、従来構造では特に良い方法は考案されておらず、上記潤滑流体の光沢による濡れ具合の目視確認という不明確な確認程度しかできなかった。
特開2005−273908号公報
本発明では上述した従来の課題を解決するためになされたものであり、動圧流体軸受への潤滑流体の充填工程において軸受装置間隙部に潤滑流体が完全にシールされているかどうかの検査を容易に、かつ信頼性を高める手段を提供することを目的とする。
前記従来の課題を解決するために、本発明の潤滑流体充填方法は、シャフトを相対的に回転自在に保持するとともに一方に開口面を有するスリーブと、前記シャフトと前記スリーブとの間に保持される軸受間隙とを有し、前記軸受間隙に潤滑流体を充填する潤滑流体充填方法であって、前記間隙部及びスリーブ開口面に潤滑流体を給液する工程と、前記給液工程後、スリーブ開口面にその上部から光照射してその反射光の明度パターンを測定する工程とを備え、当該反射光によるスリーブ上面の開口面の明度パターンに基づいて潤滑流体の給液状態を判定することを特徴としたものである。
また、本発明の動圧流体軸受は、シャフトを相対的に回転自在に保持するとともに一方に開口面を有するスリーブと、前記シャフトと前記スリーブとの間に保持される軸受間隙とを有し、前記軸受間隙に潤滑流体が充填される動圧流体軸受であって、前記スリーブ開口面の面法線は、前記シャフト近傍部においては略鉛直方向であり、該シャフトから離れた周辺部においては、シャフト側方向に傾く曲面を有し、さらに該曲面の外周部には撥液剤が塗布されていることを特徴としたものである。
また、本発明の動圧流体軸受充填装置は、動圧流体軸受を搭載するパレットを開閉可能な真空容器に設置し、真空引きして潤滑流体を給液し充填する動圧流体軸受充填装置において、前記動圧流体軸受は、シャフトを相対的に回転自在に保持するとともに一方に開口面を有するスリーブと、前記シャフトと前記スリーブとの間に保持される軸受間隙とを有し、前記軸受間隙に潤滑流体が充填される動圧流体軸受であり、前記真空容器側壁に、真空状態にて前記動圧流体軸受への潤滑流体の給液状態を判定する側部撮像装置を有し、前記真空容器の上部壁に、前記動圧流体軸受の給液後、前記真空容器を大気圧開放して間隙部に充填された潤滑流体の給液状態を測定し判定する上部撮像装置が設置され、前記スリーブ開口面を照射して得られる明度パターンに基づいて、前記動圧流体軸受への潤滑流体の給液状態を判定することを特徴としたものである。
本発明によれば、動圧流体軸受への潤滑流体の充填工程において軸受間隙部に潤滑流体が完全にシールされているかどうかの検査を容易にできるとともに動圧流体軸受の信頼性を高めることができる。
また、従来の目視による確認検査から、明度パターンの測定によるデータ化を行うことができ、給液状態の判定の信頼性を高め不良発生時の不良解析データとして利用できる。
以下に、本発明における動圧流体軸受及び給液検査方法の実施形態について図面を用いて詳細に説明する。
本発明の実施の形態1にかかわる動圧流体軸受1の模式図を図1及び図2に示す。図1(a)は潤滑流体給液前の動圧流体軸受1の斜視図を、図1(b)は潤滑流体給液後の動圧流体軸受1の斜視図を、図1(c)は図1(b)の側断面図を示している。また、図2(a)は潤滑流体給液前の動圧流体軸受1の側断面図を、図2(b)及び図2(c)は、図2(a)の曲面9付近の拡大図を示している。
本発明の動圧流体軸受1の形態としては、図1(a)に示すようにシャフト5の近傍部におけるスリーブ4の開口面の面法線28は略鉛直方向であり、前記シャフト5から離れた開口面においては面法線27がシャフト方向に傾く曲面9を有しており、さらに前記曲面9の外周部には給液される潤滑流体をはじく性質を持つ撥液剤3が塗布されている。図1(b)のように潤滑流体2の給液時には、その潤滑流体2が、前記撥液剤3によってスリーブ4の開口面上に保持され、またシャフト5の周囲に円錐状もしくは潤滑流体2の表面張力により円錐面以上に盛り上がった形状で給液される。撥液剤3は少なくとも開口面の曲面9の外周部に塗布すればよいが、開口面一面に塗布してもよい。
ここでスリーブ4のシャフト5から離れた開口面である曲面領域に付与されている曲面9は図2(b)に示すように単一の多次曲面としても、図2(c)に示すように曲面領域26内を半径方向に複数の領域に分割し、それぞれの領域毎に異なる多次曲面を設けてもよい。
次に潤滑流体充填装置10の模式的な断面構成を図3に示す。
図3(a)は潤滑流体充填装置10の断面構成の概略図を、図3(b)は潤滑流体充填装置10内の特に上部撮像装置21の測定を説明するための模式図、図3(c)は潤滑流体充填装置10内の特に側部撮像装置20の測定を説明するための模式図を示している。
潤滑流体充填装置10は、図3(a)に示すように、動圧流体軸受1を設置するパレット12と、それを収容して減圧状態にするための真空容器11を備え、真空容器11内には潤滑流体を塗布するためのディスペンサ14及びそのノズル15を有し、更にパレット12に搭載され所定の位置に配置される動圧流体軸受1を移動させる駆動ステージ13が存在し、真空容器11の壁面には器内を観察するための上部透視窓17及び側部透視窓16、気圧調整のための吸気ポート22、排気ポート23及びケーブル類を通す電気配線ポート24が設けられている。また、真空容器11は動圧流体軸受1を出し入れ可能なように上部真空容器11A及び下部真空容器11Bに分割され開閉機構を有している。側部透視窓16の外部には側部撮像装置20及び側部リング照明18が設けられ、給液中のノズル15の動圧流体軸受1に対する位置及び潤滑流体の給液量を観察できるようになっている。上部透視窓17の上部には上部撮像装置21及び上部リング照明19が設けられ、給液後の大気圧開放による間隙部充填前に潤滑流体のシール状態を観察できるようになっている。
上記上部リング照明19は、図3(b)に示すように、多点照射光源あるいは面照射光源であり、動圧流体軸受1の上面を反射光によって明るく光らせ、上部撮像装置21にて動圧流体軸受1の上面の明度パターンが観察できるように配置される。そして、動圧流体軸受1の上面の明度のパターンを観察して動圧流体軸受1の潤滑流体の給液状態を測定する。
また、側部リング照明18も図3(c)のように多点照射光源あるいは面照射光源であるが、動圧流体軸受1の側面は曲面であるため、照射された光は反射によって側部撮像装置20の方向には向かなくなり、動圧流体軸受1をシルエットとして観察できるように配置されている。
以上の実施の形態1においては、真空状態にて潤滑流体が動圧流体軸受1に給液された直後に側部撮像装置20にて撮影した側部画像から潤滑流体の給液量が十分であったかどうかを画像処理により判定し、その後大気圧開放による間隙部充填前に上部撮像装置21にて撮影した上部画像から給液状態の合否を画像処理により判定している。以下にその判定方法を図によって説明する。
図4は、潤滑流体充填装置に付属している側部撮像装置によって様々な給液量の場合に撮影された側部画像の模式図である。
図4(a)は潤滑流体給液前の動圧流体軸受1の側部画像を示し、図4(b)は十分な潤滑流体2が給液された場合の動圧流体軸受1の側部画像を示し、図4(c)は潤滑流体2の量が不十分であった場合の動圧流体軸受1の側部画像を示している。
図4(a)では動圧流体軸受1の外形がシルエットとして表示されているだけであるが、図4(b)や図4(c)では動圧流体軸受1の上部に、給液された潤滑流体2の外形もシルエットとして表示されるため、図4(a)のシルエットと比較することで給液された潤滑流体2の量が十分であったかどうか判断することができる。この方法で画像の差分により潤滑流体の面積を求め、給液量を算出することも可能であるが、給液された潤滑流体2は潤滑流体軸受装置1の表面状態の差異により、必ずしも一様には広がらないため、一方向からの確認だけでは正確な量は算出できず概算としての値にしかならない。より精度が必要である場合には動圧流体軸受1を定量おきに回転させて側部画像を撮影し、それらの平均面積から潤滑流体量を算出すればよい。
次に図5は、上部にある光源が動圧流体軸受上面で様々な状態で反射をすることによっておきる上面の明暗の差を分かりやすく模式的に示した図である。左図は多点照射光源あるいは面照射光源である上部リング照明からの光が動圧流体軸受1の表面での反射方向、あるいは潤滑流体2の表面及び内部での反射や屈折により出射する方向を様々な潤滑流体量の場合にわけて模式的に示しており、右図では各々の潤滑流体量の場合に潤滑流体が給液後に保持される領域の表面での明暗を、左図で示した反射光や屈折光を総合することで明示している。
図5(a)は潤滑流体の給液前の状態を示し、図5(b)は潤滑流体2の給液量が不十分である状態を示し、図5(c)は潤滑流体2の給液量が十分でその表面形状が円錐面を成す状態を示し、図5(d)は潤滑流体2の給液量が十分でその表面形状が表面張力により円錐面以上に盛り上がった形状を成す状態を示している。
図5(a)では左図に示すように潤滑流体が給液後に保持される領域の表面において、シャフト5の近傍領域に入射した光は、その反射光がシャフト5にさえぎられて上部撮像装置の方向に入射しないため暗になるが、他の領域に入射した光の反射光は上部撮像装置の方向に入射するため明になる。従って右図に示すように、上部撮像装置で観察すると暗く見える暗反射領域50及び、上部撮像装置で観察すると明るく見える明反射領域51のように分かれる。ただし上記暗反射領域50と明反射領域51は図示したように明確に境界が現れるわけではなく、境界付近での明暗は段階的に変化している。
図5(b)の潤滑流体2の給液量が不十分である状態では左図に示すようにシャフト5の近傍領域において潤滑流体2の表面による反射光が上部撮像装置の方向とは異なるためその表面は暗となるが、曲面9の領域では潤滑流体2の表面での反射光がそのまま上部撮像装置の方向になるためその表面は明となる。従って図5(b)の右図に示すように、シャフト5の近傍領域の潤滑流体表面では暗反射領域50、曲面9領域の潤滑流体表面では明反射領域51となり、その境界付近では段階的に変化している。
図5(c)の潤滑流体2の給液量が十分でその表面形状が円錐面を成す状態では、図5(c)の左図に示すように潤滑流体保持領域の全域において潤滑流体2の表面による反射光は上部撮像装置の方向とは異なるが、屈折により潤滑流体内部に入射した光が曲面9の領域以外で反射する場合は、その反射光が再度シャフト5の近傍領域の潤滑流体2の表面で屈折を起こして上部撮像装置の方向に入射する光となるため明となる。しかしながら曲面9の領域の潤滑流体2の表面には内部からの屈折・反射光はシャフト5にさえぎられて上部撮像装置には到達しないため暗となる。従って右図に示すように、シャフト5の近傍領域の潤滑流体表面では明反射領域51、曲面9領域の潤滑流体表面では暗反射領域50となり、その境界付近では段階的に変化している。
図5(d)の潤滑流体2の給液量が十分でその表面形状が表面張力により円錐面以上に盛り上がった形状を成す状態では、図5(d)の左図に示すように、まず反射光に関しては、シャフト5の近傍領域の潤滑流体2の表面では上部撮像装置の方向であるが、曲面9の近傍領域の潤滑流体2の表面では上部撮像装置と異なる方向を示す。次に潤滑流体2の内部に屈折した光はシャフト5の近傍領域の潤滑流体2の表面には到達するが、曲面9の近傍領域の潤滑流体2の表面にはシャフト5にさえぎられて到達しない。従って右図に示すように、シャフト5の近傍領域の潤滑流体表面では明反射領域51、曲面9領域の潤滑流体表面では暗反射領域50となり、その境界付近では段階的に変化している。
前述した上部撮像装置の観察状況によると、曲面9の領域において、潤滑流体が十分給液されている場合とそうでない場合において明領域と暗領域の差が明確に区別できるため、上部撮像装置による給液状態の画像判定は曲面9の領域における明暗によって確認することができる。
図6は、上記確認を行うための、本実施例におけるチェックポイント25の配置を示した図である。このチェックポイント25はシャフト5を中心にして、スリーブ4の開口面上の曲面9の領域内に3つの半径の異なる同心円を想定し、それらの円周上を15度間隔に分割するポイントであり、その設定されたポイントにて明度が判定される。ただし、このチェックポイント25を設ける円は2つ以上で、角度間隔は45度以内であれば任意に決定してよい。
また、本実施例では上部撮像装置に256階調のグレースケールを用いており、各チェックポイント25の明度確認はある閾値をあらかじめ設定して、その閾値を該当チェックポイント25のグレーレベルが超えるか否かで判定を行う2値化手法にて行っている。例えば、閾値を200に設定していた場合はチェックポイントのグレーレベルが0〜199の間であれば暗、200〜255の間であれば明というように、各チェックポイントが明か暗に振り分けられる。この閾値は動圧流体軸受自身の光の反射具合、上部リング照明の光量、上部リング照明と動圧流体軸受及び上部撮像装置の配置等によって変化するため、実際に様々な給油条件で判定した結果を元に決定される値である。
図7は、様々な状態で潤滑流体2の給液が行われた場合のチェックポイント25の明暗判定を模式的に示した図であり、明と判定される点を◇記号、暗と判定される点を◆記号で示している。この図でも図6と同様に、3つの半径の異なる同心円上を15度間隔に分割するポイントをチェックポイント25としている。
図7(a)は潤滑流体の給液前の状態を示し、図7(b)は十分な量の潤滑流体2が給液された状態、図7(c)は不十分な量の潤滑流体2が給液された状態、図7(d)は潤滑流体2の吐出位置が大きくずれて給液された状態を示している。
図7(a)では曲面領域上の全域にわたって200〜255のグレーレベルとなり、閾値を200とした場合に全てのチェックポイントにおいて明、即ち給液不足と判断される。
図7(b)では最外周のチェックポイントが0〜100のグレーレベル、それから一つ内周円上のチェックポイントでは50〜150のグレーレベル、最内周のチェックポイントでは100〜200のグレーレベルとなり、全てのチェックポイントにおいて暗、即ち給油状態良好と判断される。
図7(c)では最外周のチェックポイントが200〜255のグレーレベル、それから一つ内周円上のチェックポイントでは150〜250のグレーレベル、最内周のチェックポイントでは100〜200のグレーレベルとなり、最外周においては給液不足(明)、最内周においては給液状態良好(暗)、その間の円周上においては明になったり暗になったりするため、給液状態としては不良と判断される。
図7(d)は特殊な場合の給液状態であり、チェックポイントは内周、外周によらず、明点と暗点が混在し、給油状態としては不良と判断される。
本来ならば、以上のようなチェックポイントの明暗パターンと比較して給液状態を判断すれば良いのであるが、実際の判定においては光量の微小な変動や物理的な位置ずれによる入反射光の状態変動があるため、図7に示したような理想的な判定パターンと比較判断することは困難である。
そのため装置には光量の微小な変動を抑制するための光量微調整機構を加えており、装置の再立上げ時や一定時間毎に再調整を行うことで、光源の経時劣化による光量変動の影響を抑制して判定の精度を上げている。
また、パターンを用いた判定を行わず、暗判定の領域の割合と、潤滑流体が完全に回りきらず途切れている場合の確認のみで総合的に給液状態の良否を判定するようにしており、より具体的には下記2項目を良品と判定する基準に設定している。
(1)暗(=潤滑流体有り)と判定されたチェックポイント総数の、全チェックポイント総数に対する割合が一定基準値以上であること。
ここで、一定基準値とは前述したようにチェックポイントの位置や照明の強さと、実際に給液された動圧流体軸受上のコントラストの発生状況に応じて、実験により決められる値で、望ましくは95%以上を良品と判断されるように設定されるべきである。
(2)同一の角度間隔でのチェックポイントでは少なくとも1つが暗(=潤滑流体有り)と判定されていること。即ち、潤滑流体がシャフト5の外周の全体に回って塗布されていることを判定するために、全ての角度において明度が暗と判定されるチェックポイントを含むことを条件とするものである。
以上のような給液後の確認を行うことで給液状態を定量的かつ確実に保証することができ、これらの情報を画像状態または数値データとして厳密に管理することで、潤滑流体の給液による不良品を後工程に誤って投入してしまうことがなくなる。またこれらのデータは、不良発生時の不良解析のためのデータとしても利用することができるようになる。
また、図8はハードディスクドライブに搭載されたスピンドルモータ30の構造を示した図である。ハードディスクドライブのベース31に固定された動圧流体軸受40を回転中心とし、ベース31とハードディスクを固定するハブ32とをステータ34とマグネット33により相対的に回転駆動する構成となっている。このように本発明の動圧流体軸受及び潤滑流体充填方法によって給液、検査された動圧流体軸受1はそれを備えたスピンドルモータ30に搭載されても良い。
本発明に係る動圧流体軸受及び潤滑流体充填方法によれば、動圧流体軸受に潤滑流体を気泡の混入無く充填することができ、また、充填不具合品を予め検出することができるので、信頼性の高い動圧流体軸受を必要とする記録再生装置等に広く適用可能である。
本発明の実施の形態1における動圧流体軸受を模式的に示した斜視図 本発明の実施の形態1に係る動圧流体軸受のスリーブ開口面の局面部を説明するための図 本発明の実施の形態1における動圧流体軸受の構成を模式的に示す図 本発明の実施の形態1における動圧流体軸受の側部観察装置による流体給液後の側部画像を模式的に説明するための図 本発明の実施の形態1における動圧流体軸受の上部観察装置による明度状態を模式的に説明するための図 本発明の実施の形態1における動圧流体軸受の上部観察装置による給液状態判定チェックポイントの配置を説明するための図 本発明の実施の形態1における動圧流体軸受の上部観察装置による明度パターンを説明するための図 本発明の実施の形態1における動圧流体軸受を搭載したスピンドルモータを示す側断面図 従来の動圧流体軸受を搭載したスピンドルモータを示す側断面図 従来の動圧流体軸受の構成を示す側断面図 従来の潤滑流体充填装置の概略構成図
符号の説明
1、40 動圧流体軸受
2 潤滑流体
3 撥液剤
4 スリーブ
5 シャフト
6 フランジ
7 スラストプレート
8 間隙部
9 曲面
10 潤滑流体充填装置
11 真空容器
11A 上部真空容器
11B 下部真空容器
12 パレット
13 駆動ステージ
14 ディスペンサ
15 ノズル
16 側部透視窓
17 上部透視窓
18 側部リング照明
19 上部リング照明
20 側部撮像装置
21 上部撮像装置
22 吸気ポート
23 排気ポート
24 電気配線ポート
25 チェックポイント
26 曲面領域
27、28 面法線
30、41 スピンドルモータ
31 ベース
32 ハブ
33 マグネット
34 ステータ
50 暗反射部
51 明反射部

Claims (6)

  1. シャフトを相対的に回転自在に保持するとともに一方に開口面を有するスリーブと、
    前記シャフトと前記スリーブとの間に保持される軸受間隙とを有し、
    前記軸受間隙に潤滑流体を充填する潤滑流体充填方法であって、
    前記間隙部及びスリーブ開口面に潤滑流体を給液する工程と、
    前記給液工程後、スリーブ開口面にその上部から光照射してその反射光の明度パターンを測定する工程とを備え、
    当該反射光によるスリーブ上面の開口面の明度パターンに基づいて潤滑流体の給液状態を判定することを特徴とする潤滑流体充填方法。
  2. 前記スリーブ開口面の面法線は、前記シャフト近傍部においては略鉛直方向であり、
    該シャフトから離れた周辺部においては、シャフト側方向に傾く曲面を有し、
    さらに該曲面の外周部には撥液剤が塗布されていることを特徴とする請求項1に記載の潤滑流体充填方法。
  3. シャフトを相対的に回転自在に保持するとともに一方に開口面を有するスリーブと、
    前記シャフトと前記スリーブとの間に保持される軸受間隙とを有し、
    前記軸受間隙に潤滑流体が充填される動圧流体軸受であって、
    前記スリーブ開口面の面法線は、前記シャフト近傍部においては略鉛直方向であり、
    該シャフトから離れた周辺部においては、シャフト側方向に傾く曲面を有し、
    さらに該曲面の外周部には撥液剤が塗布されていることを特徴とする動圧流体軸受。
  4. 請求項3に記載の動圧流体軸受を備えたスピンドルモータ。
  5. 動圧流体軸受を搭載するパレットを開閉可能な真空容器に設置し、真空引きして潤滑流体を給液し充填する動圧流体軸受充填装置において、
    前記動圧流体軸受は、シャフトを相対的に回転自在に保持するとともに一方に開口面を有するスリーブと、
    前記シャフトと前記スリーブとの間に保持される軸受間隙とを有し、
    前記軸受間隙に潤滑流体が充填される動圧流体軸受であり、
    前記真空容器側壁に、真空状態にて前記動圧流体軸受への潤滑流体の給液状態を判定する側部撮像装置を有し、
    前記真空容器の上部壁に、前記動圧流体軸受の給液後、前記真空容器を大気圧開放して間隙部に充填された潤滑流体の給液状態を測定し判定する上部撮像装置が設置され、
    前記スリーブ開口面を照射して得られる明度パターンに基づいて、前記動圧流体軸受への潤滑流体の給液状態を判定することを特徴とする動圧流体軸受充填装置。
  6. 前記スリーブ開口面の面法線は、前記シャフト近傍部においては略鉛直方向であり、
    該シャフトから離れた周辺部においては、シャフト側方向に傾く曲面を有し、
    さらに該曲面の外周部には撥液剤が塗布されていることを特徴とする請求項5に記載の動圧流体軸受充填装置。

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