JP2008179074A - 射出成形金型、射出成形装置、射出成形品の製造方法、及び射出成形品 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、高い精度を必要とする成形品を高精度で射出成形することができる射出成形金型、射出成形金型装置、射出成形装置、射出成形品の製造方法、及び射出成形品を提供する。
【解決手段】第1の金型と、前記第1の金型と対向するように設けられた第2の金型と、前記第1の金型の側に設けられた第1の入駒と、前記第2の金型の側に設けられた第2の入駒と、を備え、前記第1の入駒と前記第2の入駒との間に形成されるキャビティ内に溶融樹脂を射出充填する射出成形金型であって、前記第1の入駒は、前記キャビティに隣接するキャビティ形成面と一定の間隔を保って設けられた第1の加熱手段を有し、前記第2の入駒は、前記キャビティに隣接するキャビティ形成面と一定の間隔を保って設けられた第2の加熱手段を有し、前記第1及び第2の加熱手段は、成形品の寸法のうち相対的に精度が必要とされる部分の近傍にのみ設けられていること、を特徴とする射出成形金型が提供される。
【選択図】図1
【解決手段】第1の金型と、前記第1の金型と対向するように設けられた第2の金型と、前記第1の金型の側に設けられた第1の入駒と、前記第2の金型の側に設けられた第2の入駒と、を備え、前記第1の入駒と前記第2の入駒との間に形成されるキャビティ内に溶融樹脂を射出充填する射出成形金型であって、前記第1の入駒は、前記キャビティに隣接するキャビティ形成面と一定の間隔を保って設けられた第1の加熱手段を有し、前記第2の入駒は、前記キャビティに隣接するキャビティ形成面と一定の間隔を保って設けられた第2の加熱手段を有し、前記第1及び第2の加熱手段は、成形品の寸法のうち相対的に精度が必要とされる部分の近傍にのみ設けられていること、を特徴とする射出成形金型が提供される。
【選択図】図1
Description
本発明は、高い精度を必要とする部品を高精度に成形することができる射出成形金型、射出成形金型装置、射出成形装置、射出成形品の製造方法、及び射出成形品に関する。
溶融樹脂の成形法の一種として知られる射出成形法では、溶融混練された溶融樹脂を、射出成形金型内のスプル、ランナを介して成形品の外形形状をなすキャビティ(空間部分)に圧力をかけて流し込み、流し込まれた溶融樹脂をキャビティ内で時間経過とともに冷却している。
しかし、高い寸法・形状精度を必要とする部品を射出成形法により成形すると、冷却時の射出成形金型の温度分布が不均一となり、ミクロンオーダの成形歪や反りが発生するという問題があった。
そのため、キャビティの近傍にヒータなどの加熱手段を設けて温度分布の不均一を改善し、成形歪や反りを緩和する技術が提案されている(特許文献1を参照)。
しかしながら、特許文献1に開示されている技術においては、射出成形金型のキャビティ部分の表面(キャビティ形成面)が曲線などで構成されている場合、当該表面から加熱手段の表面までの距離が均一とはならず、射出成形金型の温度分布の不均一を改善できないおそれがあった。
しかしながら、特許文献1に開示されている技術においては、射出成形金型のキャビティ部分の表面(キャビティ形成面)が曲線などで構成されている場合、当該表面から加熱手段の表面までの距離が均一とはならず、射出成形金型の温度分布の不均一を改善できないおそれがあった。
また、キャビティの内面から所定間隔で離間された外面を有する内側金型と、その外面に沿って設けられた発熱部材、断熱部材と、内側金型の外面側に設けられた支持金型と、から構成された射出成形金型が提案されている(特許文献2を参照)。
しかしながら、特許文献2に開示されている技術においては、内側金型が発熱部材を介して支持金型に保持されている。ここで、一般的に、発熱部材は強度が低く撓みやすい。そのため、射出成形時の加圧により発熱部材が押されて撓み、ミクロンオーダの精度を必要とする成形品では、寸法・形状精度に問題が生じるおそれがあった。また、成形品の全周を加熱手段で覆うものとすれば、放熱面積が大きく温度分布を均一にすることが非常に困難となる。そのため、かえって高い寸法・形状精度を必要とする部分の温度分布まで悪化させるおそれがあった。
特開平9−183146号公報
特開平11−138608号公報
本発明は、高い精度を必要とする成形品を高精度で射出成形することができる射出成形金型、射出成形金型装置、射出成形装置、射出成形品の製造方法、及び射出成形品を提供する。
本発明の一態様によれば、第1の金型と、前記第1の金型と対向するように設けられた第2の金型と、前記第1の金型の側に設けられた第1の入駒と、前記第2の金型の側に設けられた第2の入駒と、を備え、前記第1の入駒と前記第2の入駒との間に形成されるキャビティ内に溶融樹脂を射出充填する射出成形金型であって、前記第1の入駒は、前記キャビティに隣接するキャビティ形成面と一定の間隔を保って設けられた第1の加熱手段を有し、前記第2の入駒は、前記キャビティに隣接するキャビティ形成面と一定の間隔を保って設けられた第2の加熱手段を有し、前記第1及び第2の加熱手段は、成形品の寸法のうち相対的に精度が必要とされる部分の近傍にのみ設けられていること、を特徴とする射出成形金型が提供される。
また、本発明の他の一態様によれば、前記の射出成形金型と、前記第1の金型を取り付ける第1の取り付け板と、前記第2の金型を取り付ける第2の取り付け板と、前記第2の金型と前記第2の取り付け板との間に設けられるブロックとを備えていること、を特徴とする射出成形金型装置が提供される。
また、本発明の他の一態様によれば、前記の射出成形金型装置を備えていること、を特徴とする射出成形装置が提供される。
また、本発明の他の一態様によれば、型締めにより前記第1の入駒と前記第2の入駒との間に形成されるキャビティに溶融樹脂を射出充填し、成形品の寸法のうち精度が必要とされる部分の前記キャビティ形成面温度を、所定温度に保ちつつ前記溶融樹脂を冷却、固化すること、を特徴とする射出成形品の製造方法が提供される。
また、本発明の他の一態様によれば、前記の射出成形金型を用いて射出成形されたこと、を特徴とする射出成形品が提供される。
本発明によれば、高い精度を必要とする成形品を高精度で射出成形することができる射出成形金型、射出成形金型装置、射出成形装置、射出成形品の製造方法、及び射出成形品が提供される。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明をする。
図1は、本発明の実施の形態に係る射出成形金型装置1を説明するための模式断面図である。
図1に示すように、射出成形金型装置1は、射出成形金型12、固定側取り付け板13、ブロック14、可動側取り付け板15を備えている。射出成形金型12は、固定側金型2と可動側金型6とを備え、固定側金型2は固定側取り付け板13に、可動側金型6はブロック14を介して可動側取り付け板5に、それぞれ取り付けられている。
図1に示すように、射出成形金型装置1は、射出成形金型12、固定側取り付け板13、ブロック14、可動側取り付け板15を備えている。射出成形金型12は、固定側金型2と可動側金型6とを備え、固定側金型2は固定側取り付け板13に、可動側金型6はブロック14を介して可動側取り付け板5に、それぞれ取り付けられている。
また、固定側金型2のパーティング面(金型の分割面)16側に設けられた凹部には、断熱部材3a〜3cを介して固定側入駒4が設けられている。可動側金型6のパーティング面(金型の分割面)16側に設けられた凹部には、断熱部材7a〜7cを介して可動側入駒8が設けられている。
固定側入駒4と可動側入駒8とが互いに対向する面には、キャビティ形成面17a、17bとがそれぞれ設けられ、このキャビティ形成面17a、17bによりキャビティ17が形成されている。
固定側金型2と可動側金型6とのパーティング面(金型の分割面)16には、キャビティ17に連通するようにランナ11が設けられている。また、固定側金型2の固定側取り付け板13を取り付ける側の面にはスプル10が開口するようにして設けられ、スプル10の他端は、ランナ11と連通している。そのため、スプル10の開口部から導入された溶融樹脂が、スプル10、ランナ11を経由してキャビティ17内へ充填可能となっている。
固定側入駒4は、第1の入駒部4aと第2の入駒部4bとを有し、第1の入駒部4aと第2の入駒部4bとは当接面4cで当接するようになっている。第1の入駒部4aのパーティング面側には、前述のキャビティ形成面17aとランナ11の一部が形成されている。第1の入駒部4aの当接面4c側には、加熱手段5が当接可能な設置面5aが設けられている。また、第2の入駒部4bの当接面4c側にも、加熱手段5が当接可能な設置面5bが設けられている。そのため、加熱手段5が、第1の入駒部4aと第2の入駒部4bとに挟み込まれるようにして設けられるようになっている。尚、加熱手段5の温度制御は、キャビティ形成面17aの近傍に設けられた図示しない温度測定手段の測定値に基づいて行われる。
可動側入駒8は、第1の入駒部8aと第2の入駒部8bとを有し、第1の入駒部8aと第2の入駒部8bとは当接面8cで当接するようになっている。第1の入駒部8aの当接面8c側には、加熱手段9が当接可能な設置面9aが設けられている。また、第2の入駒部8bの当接面8c側にも、加熱手段9が当接可能な設置面9bが設けられている。そのため、加熱手段9が、第1の入駒部8aと第2の入駒部8bとに挟み込まれるようにして設けられるようになっている。尚、加熱手段9の温度制御は、キャビティ形成面17bの近傍に設けられた図示しない温度測定手段の測定値に基づいて行われる。
ここで、特許文献1に開示されている技術においては、曲面で形成されたキャビティ形成面に対向するようにして平面形状を有する加熱手段が設けられている。そのため、加熱手段とキャビティ形成面との間の寸法が一定とはならず、異なる部分が生じることとなる。例えば、加熱手段の軸芯部分とキャビティ形成面との間の寸法は、加熱手段の側端部分とキャビティ形成面との間の寸法より短くなる。そのため、特許文献1に開示されている技術においては、加熱手段の軸芯直下のキャビティ形成面の温度が高くなり温度分布が悪化する原因となっていた。
例えば、光学レンズのような精密部品を射出成形で成形する場合、精度が必要とされる部分においては、成形品の寸法精度を10マイクロメートル〜20マイクロメートル程度の誤差範囲内に抑えることが要求されるようになってきている。この場合、例えば、フッ素樹脂では射出成形の設定温度を1℃変えれば、成形品の寸法が5マイクロメートル程度変わってしまうことからも分かるように、温度分布が成形品の寸法・形状精度に与える影響は非常に大きい。
本発明者は検討の結果、加熱手段の設置面とキャビティ形成面とが対向する部分において、当該設置面とキャビティ形成面とが、所定の一定間隔を保って離間していれば、すなわち、加熱手段が所定の間隔を保ってキャビティ形成面に倣うようにして設けられていれば、成形時のキャビティ形成面の温度分布を大幅に改善できるとの知見を得た。
そのため、本実施の形態においては、図1に示すように、設置面5aとキャビティ形成面17aとが対向する部分において、設置面5aとキャビティ形成面17aとは、所定の一定間隔を保って離間するようにしている。また、設置面9aとキャビティ形成面17bとが対向する部分においても、設置面9aとキャビティ形成面17bとは、所定の一定間隔を保って離間するようにしている。すなわち、設置面5aとキャビティ形成面17aとが対向する部分においては、加熱手段5とキャビティ形成面17aの当該部分との間の間隔が一定となっている。そのため、加熱手段5からキャビティ形成面17aの当該部分への伝熱を均等にすることができ、キャビティ形成面17aの当該部分における温度分布のバラツキを大幅に改善することができる。同様に、設置面9aとキャビティ形成面17bとが対向する部分においても、加熱手段9とキャビティ形成面17bの当該部分との間の間隔が一定となっている。そのため、加熱手段9からキャビティ形成面17bの当該部分への伝熱を均等にすることができ、キャビティ形成面17bの当該部分における温度分布のバラツキを大幅に改善することができる。
ここで、設置面5aとキャビティ形成面17aの当該部分との間隔、設置面9aとキャビティ形成面17bの当該部分との間隔は、狭い方が加熱手段5、9からの熱が伝わりやすく温度変化(温度調整)をさせやすい。そのため、これらの間隔は短い方が温度制御の観点からは好ましい。ただし、加熱手段5、9を後述する電熱線のようなものとすれば、電熱線の有する温度分布の影響を受けてキャビティ形成面17a、17bの当該部分の温度分布が悪化するおそれがある。そのため、加熱手段5、9として、電熱線のようなものを用いるものとすれば、設置面5a、9aとキャビティ形成面17a、17bの当該部分との間隔をある程度長めにとり、電熱線の有する温度分布の影響を緩和させることが好ましい。この場合、当該間隔を短くし、加熱手段を複数設けてそれぞれを別個に温度制御することで、電熱線の有する温度分布の影響を緩和することもできる。尚、加熱手段5、9として、後述する熱媒体を循環させるようなものを用いるものとすれば、熱媒体自身の温度分布を非常に小さくすることが可能となるため、当該間隔を短くすることができる。
また、キャビティ形成面17a、17bの形状が複雑で、これに倣うように設置面5a、9a(加熱手段5,9)を設けられないような場合においては、当該間隔を略一定とすることもできる。この場合、後述する熱媒体を閉循環させるような加熱手段を用いるようにすれば、複雑なキャビティ形成面17a、17bの形状にも適用させることができる。また、加熱手段を複数設けてそれぞれを別個に温度制御することでも温度分布の悪化を抑制することができる。
また、温度分布を均一にするためには、加熱部分の表面積が小さい方が好ましい。例えば、特許文献2に開示されている技術のように、成形品の全周を加熱手段で覆うものとすれば、放熱面積が大きくなり、温度分布を均一にすることが非常に困難となる。そのため、かえって高い寸法・形状精度を必要とする部分の温度分布まで悪化させるおそれが生じる。また、射出成形金型全体を加熱することになるので、射出成形に要する作業時間も長くなる。また、精度をさほど必要としない部分においても加熱のためのエネルギーを消費することになり不経済でもある。そして、加熱手段は、一般的には強度が低いため、成形品の全周を加熱手段で覆うものとすれば、成形時の圧力により加熱手段が変形して成形品の寸法・形状精度を悪化させるおそれもある。
本発明者は検討の結果、加熱手段を成形品の寸法のうち精度が必要とされる部分の近傍にのみ設けるようにすれば、温度分布の悪化を抑制し、かつ、加熱手段の変形による寸法・形状精度の悪化をも抑制できるとの知見を得た。
図1に示すものは、成形品の主面部分に寸法・形状精度が必要となる場合の加熱手段の配置を例示するものである。そのため、寸法・形状精度がさほど必要とはならない主面に略直角方向の面には、加熱手段5、9を設けるようにはしていない。尚、例えば、成形品が光学部品の凸レンズのようなものの場合においては、光軸部分(中心部分)の寸法・形状精度が最も重要となるので、光軸部分(中心部分)の近傍のみに対向するように加熱手段5、9を設けるようにすることもできる。
ここで、成形品の全周、または、広い面積における寸法・形状精度が必要となる場合においては、前述したように加熱手段を複数設けてそれぞれを別個に温度制御することで温度分布の悪化を抑制することができる。しかしながらそのような場合であっても、成形時の圧力により加熱手段が変形して成形品の寸法・形状精度を悪化させることを抑制することはできない。
本発明者は検討の結果、成形時の圧力が直接加熱手段に加わらないようにすれば、加熱手段の変形に伴う寸法・形状精度の悪化を抑制することができるとの知見を得た。
図1に示すように、本実施の形態においては、第1の入駒部4aと第2の入駒部4bとは当接面4cで当接するようになっている。また、第1の入駒部8aと第2の入駒部8bとは当接面8cで当接するようになっている。そのため、第1の入駒部4a、8aは第2の入駒部4b、8bによりそれぞれ支持されているので、成形時の圧力で第1の入駒部4a、8aが押されても、加熱手段の変形を大幅に抑制することができ、高い寸法・形状精度を享受することが可能となる。尚、図1に示すものは、2面に加熱手段を設ける場合を例示したものであるが、他の面にも加熱手段を設ける必要がある場合においても、同様に当接面を設けて、キャビティ側の入駒を支持するようにすればよい。
断熱部材3a〜3c、断熱部材7a〜7cがあると放熱が抑えられるので温度制御、温度分布の均一化、省エネルギーの観点からは有用である。ただし、必ずしも必要ではなく、第1の入駒部4a・第2の入駒部4bと固定側金型2、第1の入駒部8a・第2の入駒部8bと可動側金型6との間に凹凸部などを設けて接触面積を小さくして断熱を図るようにしてもよい。そのようにすれば、成形時の圧力による断熱部材部分の変形がなくなり、成形品の寸法・形状精度をさらに向上させることができる。また、断熱部材3a〜3c、断熱部材7a〜7cを用いる場合においても、成形時の圧力による変形が少ないものを選択することが好ましい。そのようなものとしては、例えば、各種セラミックスなどの無機系断熱材を例示することができる。
加熱手段5、9としては、前述したような通電によるジュール熱を利用した電熱線、熱媒体を閉循環させるようなものを例示することができる。熱媒体としては、例えば、加熱温度が室温〜100℃以下の場合は水を、100℃程度〜200℃程度の場合は水蒸気を、室温〜300℃程度の場合はシリコーン油などの熱媒体油を例示することができる。これらは、射出成形される樹脂材料のガラス転移温度などにより適宜選択することができる。
図2は、加熱手段の実施の形態を例示するための模式斜視図である。
図2に例示をする加熱手段50は、断面が略円形をした柱状形状を呈しており、例えば、通電によるジュール熱を利用したものの場合は内部に電熱線が設けられており、熱媒体を閉循環させるようなものの場合は、内部が中空のパイプ状とされており、その内部を水、水蒸気、熱媒体油などの熱媒体が流れるようになっている。尚、加熱手段50の数は図示したものに限定されるわけではなく、加熱対象の面積などに合わせて適宜変更することができる。また、加熱手段50同士の間隔も図示したものに限定されるわけではなく、適宜変更することができる。加熱手段50同士の間隔を狭くすれば、加熱手段50の直下と加熱手段50同士の間における温度の差を少なくすることができるので、温度分布をさらに改善させることが可能となる。また、この場合、加熱手段50が熱媒体を閉循環させるようなものの場合は、加熱手段50同士を当接させるようにして設けることもできる。
図2に例示をする加熱手段50は、断面が略円形をした柱状形状を呈しており、例えば、通電によるジュール熱を利用したものの場合は内部に電熱線が設けられており、熱媒体を閉循環させるようなものの場合は、内部が中空のパイプ状とされており、その内部を水、水蒸気、熱媒体油などの熱媒体が流れるようになっている。尚、加熱手段50の数は図示したものに限定されるわけではなく、加熱対象の面積などに合わせて適宜変更することができる。また、加熱手段50同士の間隔も図示したものに限定されるわけではなく、適宜変更することができる。加熱手段50同士の間隔を狭くすれば、加熱手段50の直下と加熱手段50同士の間における温度の差を少なくすることができるので、温度分布をさらに改善させることが可能となる。また、この場合、加熱手段50が熱媒体を閉循環させるようなものの場合は、加熱手段50同士を当接させるようにして設けることもできる。
図3は、加熱手段の他の実施の形態を例示するための模式斜視図である。
図3に例示をする加熱手段51は、断面が略台形をした柱状形状を呈しており、例えば、通電によるジュール熱を利用したものの場合は内部に電熱線が設けられており、熱媒体を閉循環させるようなものの場合は、内部が中空のパイプ状とされており、その内部を水、水蒸気、熱媒体油などの熱媒体が流れるようになっている。このような形状とすれば、第1の入駒部4a、8a側と面状に当接させることが可能となるので、温度分布をなおいっそう改善させることが可能となる。また、断面を略台形とし、第1の入駒部4a、8a側に当接する側の辺を短辺側とすれば、斜辺が入り勝手となって、加熱手段51の取り付け取り外しが容易ともなる。
図3に例示をする加熱手段51は、断面が略台形をした柱状形状を呈しており、例えば、通電によるジュール熱を利用したものの場合は内部に電熱線が設けられており、熱媒体を閉循環させるようなものの場合は、内部が中空のパイプ状とされており、その内部を水、水蒸気、熱媒体油などの熱媒体が流れるようになっている。このような形状とすれば、第1の入駒部4a、8a側と面状に当接させることが可能となるので、温度分布をなおいっそう改善させることが可能となる。また、断面を略台形とし、第1の入駒部4a、8a側に当接する側の辺を短辺側とすれば、斜辺が入り勝手となって、加熱手段51の取り付け取り外しが容易ともなる。
尚、熱媒体を閉循環させるようなものの場合は、図2、図3で説明をしたパイプ状部材は必ずしも必要ではなく、例えば、第1の入駒部4a、8aや第2の入駒部4b、8bに流路としての溝を設けるようにしてもよい。
また、射出成形金型12には、射出成形金型12全体を加熱するための、例えば、図示しない加熱エアーの循環路などが別途設けられている。ただし、これに限定されるわけではなく、熱媒体油や水蒸気を循環させるものであってもよいし、電熱線を用いたものであってもよい。尚、これらや前述の加熱手段5、9の温度制御を行う図示しない温度制御手段も設けられている。
尚、上記のものの他にも、可動側金型6と固定側金型2とがパーティング面16で接合可能なように図示しない位置決め手段などが、適宜設けられている。
次に、本実施の形態に係る射出成形金型装置1を用いた成形品の製造方法について説明をする。
図4は、本実施の形態に係る成形品の製造方法について説明をするためのフローチャートである。
まず、図示しない加熱供給手段により加熱された熱媒体が射出成形金型12の循環路に供給されて、射出成形金型12が所定の温度まで加熱される。
尚、熱媒体としては、前述したものの他、種々のものを用いることができる。また、加熱の手段も熱媒体を循環させるものに限定されるわけではなく、電熱線を用いたものなどであってもよい。
そして、成形開始信号により可動側金型6(可動側取り付け板5)が移動し、可動側金型6と固定側金型2とがパーティング面16で接合されて、射出成形金型12の型締め動作が行われる(ステップS1)
尚、熱媒体としては、前述したものの他、種々のものを用いることができる。また、加熱の手段も熱媒体を循環させるものに限定されるわけではなく、電熱線を用いたものなどであってもよい。
そして、成形開始信号により可動側金型6(可動側取り付け板5)が移動し、可動側金型6と固定側金型2とがパーティング面16で接合されて、射出成形金型12の型締め動作が行われる(ステップS1)
次に、射出成形装置から、加熱、溶融された溶融樹脂が射出成形金型12へ射出充填される(ステップS2)。
射出充填された溶融樹脂は、スプル10、ランナ11を経由してキャビティ17へ充填される。このとき、前述の加熱(ステップS1)により、キャビティ形成面17a、17bの温度が充填された溶融樹脂の流動可能温度以上とされているため、当該樹脂は溶融状態を維持したままでキャビティ17の末端部まで到達することができる。尚、この際の射出成形条件を例示するものとすれば、例えば、アクリル樹脂の場合で射出成形装置のシリンダ温度が200℃〜260℃程度、射出圧力が60MPa〜120MPa程度である。
射出充填された溶融樹脂は、スプル10、ランナ11を経由してキャビティ17へ充填される。このとき、前述の加熱(ステップS1)により、キャビティ形成面17a、17bの温度が充填された溶融樹脂の流動可能温度以上とされているため、当該樹脂は溶融状態を維持したままでキャビティ17の末端部まで到達することができる。尚、この際の射出成形条件を例示するものとすれば、例えば、アクリル樹脂の場合で射出成形装置のシリンダ温度が200℃〜260℃程度、射出圧力が60MPa〜120MPa程度である。
一方、電熱線を備える加熱手段5、9に通電を行い、成形品の寸法のうち精度が必要とされる部分の近傍の温度を、一定時間、所定温度に保つようにする(ステップS3)。 この場合の温度は、ガラス転移温度以下であり、この温度を一定時間保ち、成形品を徐冷するようにする。この際の温度を例示するものとすれば、例えば、アクリル樹脂の場合で60℃〜80℃程度である。尚、前述の時間は、成形品が必要とする精度などにより適宜選択される。また、加熱も電熱線によるものに限定されるわけではなく、前述の熱媒体を循環させるようなものであってもよい。
次に、前述の時間の経過後、可動側金型6(可動側取り付け板5)を移動させて、成形品を取り出す(ステップS4)。
その後、所望の数に達するまで、前述の手順を繰り返すことにより成形品を製造する。
その後、所望の数に達するまで、前述の手順を繰り返すことにより成形品を製造する。
本実施の形態に係る射出成形品の製造方法においては、加熱手段5、9の作用により寸法・形状精度を必要とする部分の徐冷を行いながら成形を行うことができる。また、当接面4c、8cの作用により、成形時の圧力で加熱手段5,9が変形することを抑制することもできる。そのため、成形歪や反りの発生を大幅に抑制することができ、高い寸法・形状精度を有する成形品を得ることができる。
また、前述のアクリル樹脂とその射出条件などは、例示であり、これに限定されるわけではない。溶融樹脂としては、例えば、熱可塑性樹脂を例示することができ、より具体的には、ポリエチレン(PE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、ポリプロピレン(PP)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリ塩化ビニリデン 、ポリスチレン(PS)、ポリ酢酸ビニル(PVAc) 、フッ素樹脂(例えば、ポリテトラフルオロエチレン、PTFE)、ABS樹脂(アクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂)、AS樹脂 、アクリル樹脂(PMMA)、ポリアミド(PA)、ナイロン、ポリアセタール(POM)、ポリカーボネート(PC)、変性ポリフェニレンエーテルm-PPE、変性PPE)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンテレフタレート・ガラス樹脂入り(PET-G)、グラスファイバー強化ポリエチレンテレフタレート(GF-PET)、環状ポリオレフィン (COP)などを例示することができる。
一般的に、金型の冷却温度が高いほど成形歪や反りが発生しやすく、本発明による徐冷の効果が大きいといえる。
ここで、本発明者の得た知見によれば、金型の冷却温度が150℃以上のもの(例えば、フッ素樹脂)を本実施の形態に係る射出成形金型装置1を用いて射出成形を行えば、成形歪の発生を大幅に抑制することができ、高い寸法・形状精度を有する成形品を得ることができる。
ここで、本発明者の得た知見によれば、金型の冷却温度が150℃以上のもの(例えば、フッ素樹脂)を本実施の形態に係る射出成形金型装置1を用いて射出成形を行えば、成形歪の発生を大幅に抑制することができ、高い寸法・形状精度を有する成形品を得ることができる。
このように高い成形品の精度を必要とし、かつ、金型の冷却温度が150℃以上の溶融樹脂を材料とするものとしては、例えば、フッ素樹脂を用いた成型品を例示することができる。
尚、本実施の形態に係る射出成形金型装置1が備えられる射出成形装置に関しては、公知の射出成形装置の技術を適用することができるのでその説明は省略する。
また、図1に例示したものでは、固定側入駒4は、第1の入駒部4aと第2の入駒部4bとを有し、第1の入駒部4aと第2の入駒部4bとは当接面4cで当接するようにしているが、加熱手段5を固定側入駒内に内在させるようにしてもよい。同様に、可動側入駒8は、第1の入駒部8aと第2の入駒部8bとを有し、第1の入駒部8aと第2の入駒部8bとは当接面8cで当接するようにしているが、加熱手段9を可動側入駒内に内在させるようにしてもよい。そのようなものとしては、例えば、いわゆる鋳込みヒータのようなものを例示することができる。このように、加熱手段5、9をそれぞれの入駒に内在させることができれば、加熱手段5、9とそれぞれの入駒との密着性が上がるので、加熱効率や温度分布の向上を図ることができる。また、固定側入駒4、可動側入駒8がそれぞれ一体化されるので成形時の圧力による変形もより抑制することができる。
以上、本発明の実施の形態について説明をした。しかし、本発明はこれらの記述に限定されるものではない。
前述の実施の形態に関して、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。
例えば、射出成形金型装置1が有する各構成要素の形状、寸法、材質、配置などは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる
また、前述した各実施の形態が備える各要素は、可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
また、前述した各実施の形態が備える各要素は、可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
1 射出成形金型装置、2 固定側金型、3a〜3c 断熱部材、4 固定側入駒、4a 第1の入駒部、4b 第2の入駒部、4c 当接面、5 加熱手段、5a 当接面、5b 当接面、6 可動側金型、7a〜7c 断熱部材、8 可動側入駒、9 加熱手段、9a 当接面、9b 当接面、10 スプル、11 ランナ、12 射出成形金型、13 固定側取り付け板、15 可動側取り付け板、16 パーティング面、17 キャビティ、17a、17b キャビティ形成面、50 加熱手段、51 加熱手段
Claims (9)
- 第1の金型と、
前記第1の金型と対向するように設けられた第2の金型と、
前記第1の金型の側に設けられた第1の入駒と、
前記第2の金型の側に設けられた第2の入駒と、
を備え、
前記第1の入駒と前記第2の入駒との間に形成されるキャビティ内に溶融樹脂を射出充填する射出成形金型であって、
前記第1の入駒は、前記キャビティに隣接するキャビティ形成面と一定の間隔を保って設けられた第1の加熱手段を有し、
前記第2の入駒は、前記キャビティに隣接するキャビティ形成面と一定の間隔を保って設けられた第2の加熱手段を有し、
前記第1及び第2の加熱手段は、成形品の寸法のうち相対的に精度が必要とされる部分の近傍にのみ設けられていること、を特徴とする射出成形金型。 - 前記第1の入駒は、前記キャビティ形成面が設けられた第1の入駒部と、前記第1の入駒部に当接して支持をする第2の入駒部とを有すること、を特徴とする請求項1記載の射出成形金型。
- 前記第2の入駒は、前記キャビティ形成面が設けられた第3の入駒部と、前記第3の入駒部に当接して支持をする第4の入駒部と、を有することを特徴とする請求項1記載の射出成形金型。
- 前記第1の金型と前記第1の入駒との間には、断熱部材が設けられ、
前記第2の金型と前記第2の入駒との間には、断熱部材が設けられていること、を特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の射出成形金型。 - 前記キャビティ形成面は、少なくとも1部が曲面で構成されていること、を特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の射出成形金型。
- 請求項1〜5のいずれかに1つに記載の射出成形金型と、
前記第1の金型を取り付ける第1の取り付け板と、
前記第2の金型を取り付ける第2の取り付け板と、
前記第2の金型と前記第2の取り付け板との間に設けられるブロックと、
を備えたこと、を特徴とする射出成形金型装置。 - 請求項6記載の射出成形金型装置を備えたこと、を特徴とする射出成形装置。
- 型締めにより前記第1の入駒と前記第2の入駒との間に形成されるキャビティに溶融樹脂を射出充填し、
成形品の寸法のうち精度が必要とされる部分の前記キャビティ形成面温度を、所定温度に保ちつつ前記溶融樹脂を冷却、固化すること、を特徴とする射出成形品の製造方法。 - 請求項1〜5のいずれかに1つに記載の射出成形金型を用いて射出成形されたこと、を特徴とする射出成形品。
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JP2007014731A JP2008179074A (ja) | 2007-01-25 | 2007-01-25 | 射出成形金型、射出成形装置、射出成形品の製造方法、及び射出成形品 |
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- 2007-01-25 JP JP2007014731A patent/JP2008179074A/ja active Pending
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