JP2008178569A - 粒子線治療計画装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】複数の放射線照射計画の判断を容易にできる粒子線治療計画装置を提供することにある。
【解決手段】照射領域手段12は、粒子線を照射すべき領域を入力する。目標線量設定手段14は、照射領域手段により入力した領域に対して目標となる線量を設定する。照射条件算出手段22は、照射領域手段により入力した領域において、目標線量設定手段により設定された目標となる線量を実現するための粒子線の照射条件を算出する。照射時間算出手段24は、照射条件算出手段により算出された照射条件から、照射を行うために必要な加速器や照射装置の運転時間も含めた照射時間を算出する。表示手段40は、照射時間算出手段により算出された照射時間を表示する。
【選択図】図1

Description

本発明は、放射線治療の計画を支援する粒子線治療計画装置に係り、特に、照射時間を定量的に判断する際に好適な粒子線治療計画装置に関する。
放射線治療は、標的となる腫瘍細胞に対して放射線を照射することにより、腫瘍細胞を壊死させる方法で治療を行う。放射線にはX線や粒子線が利用されるが、現在、最も広く適用されているのはX線による治療である。しかし、放射線が体内に与える線量は、X線の場合には体表付近で最も大きく体内で減衰していくのに対し、粒子線の場合は停止する直前、すなわち標的となる腫瘍細胞近辺にピークを持つ。このため粒子線による治療の方が、腫瘍領域のみに線量を集中して照射できるという点で優れていることもあり、粒子線を用いた治療施設も近年は広まりつつある。
粒子線治療で用いられる粒子は、主に陽子線や炭素線である。これらの粒子を加速器により十分に加速し、取り出した粒子ビームを標的となる腫瘍部分へ照射する。ここでは、標的部分に与える線量のみを周囲と比べて高くなるように照射し、標的周辺の正常組織への影響は可能な限り小さくする必要がある。高線量領域を標的形状に一致させる方法には大きく分けて散乱体法とスキャニング法の二通りの方法がある。
散乱体法では、初めに加速器から取り出したビームを散乱体を通過させ散乱させることで標的を覆うのに十分なサイズになるまで一様に拡げる。その後、コリメータやボーラスといった器具で横方向の形状や深さ方向のピーク位置を調整し、標的形状に高線量領域を合致させる手法である。
一方、スキャニング法と呼ばれる方法では、電磁石で細いビームの進行方向を変化させることで計画した位置を走査し、標的内を塗りつぶすように照射する。走査方法には、ビームを照射しながら連続的に走査する方法と、照射中は走査を停止し、定められた線量を照射し終わってから別の照射位置(スポットと呼ぶ)へ移動した後、次の照射を行う方法がある。後者はスポットスキャニング法と呼ばれ、通常、スポットの数は数千から数万個にも及ぶ。
散乱体法でも、スキャニング法でも、標的へ必要な線量を与えるための照射方向や、ビームエネルギー、あるいはコリメータやボーラスといった器具形状は、医師、あるいは専門の技師が治療計画装置を用いて選定する。治療計画装置は体内の線量分布を条件に従って算出し、計算結果を表示することで医師が妥当と考えられる計画を選択するのを支援する。医師は複数の考えうる治療計画の中から、患者の負担が小さく、かつ標的に的確に照射が行えるような計画を立案しなければならない。放射線照射計画を支援するものとして、例えば、特許文献1に記載のものが知られている。
計画通りの照射がなされない場合、正常組織への過剰な照射や、線量不足による腫瘍の再発等が起こる可能性がある。照射の精度を向上させるのと同時に、実際に照射を行う場合には照射位置や照射線量の誤差の影響をできる限り小さくするための対策も取り入れられている。
線量分布が計画通りの分布からずれる主な要因として挙げられるのは、患者設置時の誤差と、呼吸や心拍等による臓器の移動である。これらの起こりうる誤差への対応として代表的なものに、標的領域にマージンを加える方法がある。標的となる腫瘍部分を覆うのに必要な領域よりもわずかに広い範囲に照射を行うことで、照射位置の小さな変動が生じたとしても、大きな線量を付与したい腫瘍の部分が確実に照射されることを保証するものである。
呼吸による臓器の移動のようにある程度予測できる動きに対しては、個別の対策をとることもできる。これに対応したマージンの付け方としては、特許文献2記載のように、呼吸によって臓器位置が変動した場合の複数のCT画像情報を重ね合わせて表示し、状態ごとに移動している標的領域すべてを覆うように照射する領域を定めるものが知られている。また、特許文献3に記載のように、呼吸の各状態におけるCT画像を基に線量分布計算を行い、その結果から適切なマージンを定めるものが知られている。また、呼吸による動きに同期して、呼吸が照射可能と判断される期間のみに照射するという方法もある。さらに、特許文献4に記載のように、呼吸に同期して照射を行うための加速器の運転方法が知られている。
これらに加えて、スキャニング法による照射を行う場合には、その照射方法に起因する特有の誤差の影響も正しく評価しなくてはならない。この誤差とは、散乱体法が全体を一度に照射するのに対し、スキャニング法では照射部位ごとに照射するタイミングが異なることによる。例えば、複数のスポットに照射した線量の合計で、標的内に一様な線量を付与することを計画していた場合でも、スポットごとにわずかずつ照射位置が変動することで、実際の線量分布は一様な分布ではなくなる可能性がある。
こうした位置ずれによる影響を緩和するために、一般に標的の中でも深い部分を照射する高いエネルギーのビームは数回に分けて照射する。この方法により、毎回の照射位置変動は相殺され、計画した分布により近づけることができる。これをリペイントと呼ぶ。一般に多数回に分けるほど位置変動に対して強くなるが、過度に分けすぎると照射時間が長くなり、患者への負担も大きくなる。
特開平10−309324号公報 特開平8−89589号公報 特開2006−43235号公報 特許第2921433号公報
ここで、スキャニング法による治療計画を立案するに際し、その照射方法の違いから従来の散乱体法による治療計画とは異なる観点からの評価が必要となる。その一つに照射時間がある。スキャニング法では、全体の照射時間に照射位置の移動やエネルギーの切り替えといった散乱体法では存在しなかった要因が絡む。また、リペイントに代表されるように、照射方法の自由度が高いため照射時間も照射方法によって変化する。結果として、スキャニング法では同一の標的を対象とした治療計画であっても、照射条件の選択に依存して大きく照射時間が異なる場合がある。
そのため、治療計画を立案するにあたり複数の計画を比較検討する場合が多いが、スキャニング法では照射にかかる時間もその一つの指標となり得る。散乱体法では照射にかかる時間はほぼ照射量で決まり照射方向等の他の条件には大きく依存しなかったために、治療計画において照射時間を勘案することは必ずしも必要ではなかった。
従来のスキャニング法に対応した治療計画装置は、照射装置が必要とするビーム照射位置や照射順序、照射量は出力するが、治療計画装置の操作者が、それらの結果から照射時間を概算することは容易ではなく、複数のプランの比較において時間の条件で判断することが困難であるという問題があった。
本発明の目的は、複数の放射線照射計画の判断を容易にできる粒子線治療計画装置を提供することにある。
(1)上記目的を達成するために、本発明は、粒子線を照射して治療を行うための治療計画を作成する粒子線治療計画装置であって、粒子線を照射すべき領域を入力する照射領域手段と、前記照射領域手段により入力した領域に対して目標となる線量を設定する目標線量設定手段と、前記照射領域手段により入力した領域において、前記目標線量設定手段により設定された目標となる線量を実現するための粒子線の照射条件を算出する照射条件算出手段と、前記照射条件算出手段により算出された照射条件から、照射を行うために必要な加速器や照射装置の運転時間も含めた照射時間を算出する照射時間算出手段と、前記照射時間算出手段により算出された照射時間を表示する表示手段とを備えるようにしたものである。
かかる構成により、複数の放射線照射計画の判断を容易にできるものとなる。
(2)上記(1)において、前記照射時間算出手段は、照射に粒子線のエネルギーが複数必要な場合、照射に必要な時間を粒子線のエネルギーごとに算出するものである。
(3)上記(1)において、第一の時間及び第二の時間を入力する入力手段と、照射開始から第一の時間が経過した時点において照射が行われている粒子線の位置とエネルギーの情報を算出し、また、第一の時間が経過してから第二の時間が経過するまでの間に照射されるすべての粒子線の位置とエネルギーの情報を算出する線量分布算出手段を備えるものである。
本発明によれば、複数の放射線照射計画の判断を容易にできるものとなる。
以下、図1〜図5を用いて、本発明の一実施形態による粒子線治療計画装置の構成及び動作について説明する。なお、以下の説明では、離散的に位置するスポットごとに定められた線量を照射後、ビームを停止してから次のスポットへ移動した後、次の照射を行う方法による粒子線治療の治療計画を立案する粒子線治療計画装置を例にする。また、ビームを照射しながら走査するスポットスキャニング照射法による治療においても同様に適用することが可能である。
最初に、図1を用いて、本実施形態による粒子線治療計画装置の構成について説明する。
図1は、本発明の一実施形態による粒子線治療計画装置の構成を示すブロック図である。
本実施形態の粒子線治療計画装置は、入力装置10と、演算処理装置20と、記憶装置30と、表示装置40とから構成される。
入力装置10は、照射領域入力手段12と、目標線量設定手段14とを備えている。照射領域入力手段12により、粒子線を照射すべき領域が入力される。目標線量設定手段14は、照射領域入力手段12により入力した領域に対して目標となる線量を設定するために用いられる。
演算処理装置20は、照射条件算出手段22と、照射時間算出手段24と、線量分布算出手段26とを備えている。照射条件算出手段22は、照射領域入力手段12によって入力された領域において、目標線量設定手段14によって設定された目標となる線量を実現するための粒子線の照射条件を算出する。照射時間算出手段24は、照射を行うために必要な加速器や照射装置の運転時間も含めた照射時間を算出する。線量分布算出手段26は、照射条件算出手段22によって算出された粒子線の照射条件で照射した場合に、線量分布がどのようになるかを算出する。また、線量分布算出手段26は、入力手段12から、第一の時間及び第二の時間が入力された場合、照射開始から第一の時間が経過した時点において照射が行われている粒子線の位置とエネルギーの情報を算出し、また、第一の時間が経過してから第二の時間が経過するまでの間に照射されるすべての粒子線の位置とエネルギーの情報を算出することができる。
記憶装置30は、装置条件記憶部32を備えている。装置条件記憶部32には、予め、入力装置10を用いて、対象とする照射装置の構造やビームサイズ、または照射可能なエネルギー等の情報が入力され、記憶されている。
表示装置40には、照射時間算出手段24によって算出された照射時間や、線量分布算出手段26によって算出された線量分布が表示される。
次に、図2を用いて、本実施形態による粒子線治療計画装置の動作について説明する。
図2は、本発明の一実施形態による粒子線治療計画装置の動作を示すフローチャートである。
ステップS10において、入力装置10を用いて、対象とする照射装置の構造やビームサイズ、または照射可能なエネルギー等の情報を入力し、装置条件記憶部32に記憶する。
粒子線治療で使用される粒子は、加速器にて治療に必要なエネルギーを持つまで加速された上で、照射装置を通して患者に照射される。標的へ照射されるビームの持つ条件は、その上流にあたるこれらの装置の構造や性能によって決定される。治療計画装置は照射するビームのエネルギーや方向を基に体内での線量分布をシミュレートするため、これらの情報は線量計算に必須である。
なお、以上の情報に加えて、スポット間の移動に要する時間、照射準備のために必要な電磁石の制御時間、加速器内での粒子の加速、減速にかかる時間、また一度に照射できる電荷量等の情報も同時に記憶することが可能である。
このような情報の入力は、治療計画装置を使用する度に毎回行うのではなく、基本的には治療計画装置を初めて使用する前に一度行えばよいものである。一度入力された情報は、変更あるいは削除されない限り、記憶装置30の装置条件記憶部32に保持される。ただし、定期的に実測値と合致しているのかを調べ、値を更新することも必要となる。
次に、ステップS20において、計画を立案するにあたり、操作者はCT画像等の患者の画像を用いて、照射領域入力手段12から、標的領域、さらに必要であれば極力与えられる線量を小さくすべき重要臓器の位置を、入力装置10を用いて指定する。
次に、ステップS30において、操作者は入力した領域ごとに、照射条件を入力する。照射条件の一つとしては、目標線量設定手段14により設定する目標とする線量がある。一般には、標的領域には付与されるべき線量の最大値および最小値、重要臓器には許容線量値が入力される。さらに、照射条件の他のものとしては、入力装置10から入力可能なビームを照射する方向がある。
次に、ステップS40において、照射条件算出手段22は、ステップS30において設定された照射条件に基づいて、標的形状に合わせて自動的にスポット位置を決定し、それぞれの領域への目標線量の条件を満たすように各スポットへの照射量を算出する。
また、照射時間算出手段24は、照射条件算出手段22が算出した照射条件に基づいて、照射を行うために必要な加速器や照射装置の運転時間も含めた照射時間を算出する。線量分布算出手段26は、照射条件算出手段22によって算出された粒子線の照射条件で照射した場合に、線量分布がどのようになるかを算出する。なお、照射時間算出手段24による照射条件の算出例については、図3以降を用いて詳述する。
次に、ステップS50において、演算処理手段20は、算出された線量分布や、照射時間等の結果を、表示装置40に表示する。
そして、ステップS60において、操作者は、結果として得られた線量分布を確認し、その結果が妥当であるのか判断する。必要があれば、ステップS30に戻り、照射条件を変更した上で計算をやり直す。
妥当と思われる結果が得られれば、ステップS70において、その結果は記憶装置30に保存される。このデータは実際の照射を行うにあたり、照射装置で使用されることとなる。
一方で、治療計画装置はスポットの照射順序も決定する。同時にリペイントの回数も装置により決定され、リペイントを含めた上での照射順序を出力する。この順序に基づいて、照射装置は実際の照射を行うこととなる。照射位置や照射順序等の結果は複雑なパターンとなることが多いが、表示装置40に表示されてもよい。
演算処理装置20は、ここでスポット位置、照射順序、スポット照射量から走査経路に沿った照射時間を算出する。ここでの照射時間とは、加速器による加速時間等をすべて含めた時間である。例として、シンクロトロンを用いて粒子を加速する場合、照射に必要な時間には、実際に照射を行っている時間に加えて、粒子を加速する時間、電磁石を制御する時間、スポット間を移動する時間がある。また、ビームエネルギーを切り替える場合や、照射するための粒子がシンクロトロン内で足りなくなると、シンクロトロン内に残っている粒子を一度減速し、改めて粒子の加速を行わなければならない。このための時間も計算する必要がある。
演算処理装置30は、走査順序や使用するビームエネルギー数を算出する。ここからスポット間の移動距離や照射量が計算できるので、移動時間、照射時間、および加速、減速に必要な回数なども概算できる。この情報と、記憶装置30の装置条件記憶部32にあらかじめ記憶されている制御装置が各動作に必要な時間があれば、照射に必要なすべての時間が自動で算出できる。その後、算出した照射全体にかかる時間を本装置は表示装置40に表示する。例えば、線量分布が表示されている画面に、その分布を形成するための照射に必要な時間を表示することもできる。
次に、図3〜図5を用いて、本実施形態による粒子線治療計画装置における照射条件の算出例について説明する。
図3〜図5は、本発明の一実施形態による粒子線治療計画装置における照射条件の算出例の説明図である。
図3は、照射領域と、スポットスキャニングによる照射方法を図示している。ここで、照射領域RAは、説明の簡単のため、図示するように、直方体形状とする。実際には、臓器等の中のガン細胞等が照射領域となるため、その形状は複雑な3次元形状である。
図3(B)に示す例では、照射領域RAに対して、矢印E2方向から粒子線を照射する計画を立てたものとする。この例では、第1層L1に対して、スポットS1,S2とX方向に順次スポットをスキャンし、スポットS10の照射後、Y方向に1スポット分移動した後、逆X方向に順次スポットをスキャンするというように、ジグザグにスキャンし、第1層L1に対して、S1〜S50の50スポットで照射可能なものとする。そして、E1方向において、第1層L1,第2層と、順次スポット位置を移動し、第5層まで粒子線を照射するものとする。
一方、図3(A)に示す例では、照射領域RAに対して、矢印E1方向から粒子線を照射する計画を立てたものとする。なお、照射領域RAの大きさは、図3(A)における照射領域RAの大きさと等しいものである。この例では、第1層L1に対して、スポットS1,S2とX方向に順次スポットをスキャンし、スポットS5の照射後、Y方向に1スポット分移動した後、逆X方向に順次スポットをスキャンするというように、ジグザグにスキャンし、第1層L1に対して、S1〜S25の25スポットで照射可能なものとする。そして、E1方向において、第1層L1,第2層と、順次スポット位置を移動し、第10層まで粒子線を照射するものとする。
図3(A)及び図3(B)に示すように、粒子線の照射方向は、いろいろな方向が考えられるので、照射方向を変えたとき、全体としての照射時間がどのように変化するを見極めることが重要である。
図4(A),(B)は、それぞれ、図3(A),図3(B)の照射条件に対して、照射時間算出手段24によって算出された照射時間の内訳を示している。
図3(A)のようにE1方向から照射する場合、第1層から順次第5層まで照射する必要がある。照射時間は、図4(A)に示すように、第1層の分について見ると、加速時間(粒子を加速する時間),原点からスポットS1の位置までの移動時間(スポット間を移動する時間),スポットS1に対する照射時間(実際の粒子線を照射する時間),スポットS1からスポットS2の位置までの移動時間,スポットS2に対する照射時間等が含まれ、順次、スポットの移動とスポットに対する照射が繰り返され、スポットS50に対する照射時間と、減速時間(粒子を減速する時間)までが含まれる。加速時間、減速時間は、数秒程度であり、照射時間や移動時間は数m秒程度である。
以下、第2層から第5層についても、同様に、スポットスキャニングによる照射時間が積算される。
そして、第5層におけるスポットS50の照射後の減速時間を加えた時点で、全体としての照射時間t1が算出される。
一方、図3(B)のようにE2方向から照射する場合、第1層から順次第5層まで照射する必要がある。照射時間は、図4(B)に示すように、第1層の分について見ると、加速時間(粒子を加速する時間),原点からスポットS1の位置までの移動時間(スポット間を移動する時間),スポットS1に対する照射時間(実際の粒子線を照射する時間),スポットS1からスポットS2の位置までの移動時間,スポットS2に対する照射時間等が含まれ、順次、スポットの移動とスポットに対する照射が繰り返され、スポットS25に対する照射時間と、減速時間(粒子を減速する時間)までが含まれる。加速時間、減速時間は、数秒程度であり、照射時間や移動時間は数m秒程度である。
以下、第2層から第10層についても、同様に、スポットスキャニングによる照射時間が積算される。
そして、第10層におけるスポットS25の照射後の減速時間を加えた時点で、全体としての照射時間t2が算出される。
このように、照射条件の内、照射方向を変えた場合について、図4(A)の時間t1と、図4(B)の時間t2が照射時間算出手段24によって算出され、表示装置40に表示されることで、操作者は、図3(A)による照射方法と、図3(B)による照射方法の場合の照射時間の相違を容易に把握することができる。
次に、図5(A),(B)を用いて、リペイントの場合の照射時間の例について説明する。ここでは、図3(A)に示す例について、2回に分けてリペイントした場合について説明する。なお、図5(A)では、図4(A)の1層目に対する照射部分のみを図示している。
図3(A)のようにE1方向から照射する場合、第1層から順次第5層まで照射する必要がある。照射時間は、図5(A)に示すように、第1層の第1回目の照射分について見ると、加速時間(粒子を加速する時間),原点からスポットS1の位置までの移動時間(スポット間を移動する時間),スポットS1に対する照射時間(実際の粒子線を照射する時間),スポットS1からスポットS2の位置までの移動時間,スポットS2に対する照射時間等が含まれ、順次、スポットの移動とスポットに対する照射が繰り返され、スポットS50に対する照射時間と、減速時間(粒子を減速する時間)までが含まれる。ここで、2回に分けてリペイント照射した場合、1回当たりの照射時間は、図4(A)における1回当たりの照射時間の約半分となる。
そして、2回目の照射のために、加速した後、原点からスポットS1の位置までの移動時間(スポット間を移動する時間),スポットS1に対する照射時間(実際の粒子線を照射する時間),スポットS1からスポットS2の位置までの移動時間,スポットS2に対する照射時間等が含まれ、順次、スポットの移動とスポットに対する照射が繰り返され、スポットS50に対する照射時間と、減速時間(粒子を減速する時間)までが含まれる。
したがって、第1層をリペイント照射するのに要する時間は、t1−1Rとなり、図4(A)における第1層を照射するのに要する時間t1−1と比較することで、リペイントによってどの程度全体としての照射時間が長くなるかを比べることができる。
なお、ここで、1回目の照射後、2回目の照射の間に、減速と、加速の時間が含まれるのは、1回目の照射で、加速器により加速した粒子を全て照射してしまった結果を想定しているからである。
一方、1日目の照射後、加速器の中に粒子が残っている場合には、図5(B)に示すように、1回目の照射後の減速、加速が不要となるため、第1層をリペイント照射するのに要する時間は、t1−1R’となる。
以上説明したように、照射時間算出手段24によって照射時間を算出し、その結果を表示装置40に表示することで、操作者は、現在の計画を採用した場合に、実際に照射を行うのに必要な時間を即座に知ることが可能となり、患者の負担も考慮に入れた適切な照射条件を決定するための情報として利用できる。
表示装置40に表示されるのは、すべての照射に要する時間(例えば、図4(A)における時間t1)だけではなく、複数層の照射が行われる場合は、その合計の時間と共に各層ごと(例えば、図4(A)における時間t1−1など)の時間も表示することができる。
また、照射は様々なエネルギーのビームに関して行われるが、ビームエネルギーごとの時間を出力することもできる。操作者が照射時間を確認したいエネルギーのビームを入力装置により指示することで、そのエネルギーのビームを照射するのに必要な時間が表示装置40に表示することができる。また、使用するすべてのビームエネルギーと、そのエネルギーごとに必要な照射時間を一覧として表示することもできる。リペイントを行っている場合、すなわち、同じスポットを複数回に分割して照射している場合には、一回分に相当する照射時間も表示することができる。
以上説明したように、本実施形態によれば、操作者は各々のエネルギーのビーム照射にどの程度の時間を費やすのかを知ることができる。結果として、リペイントの回数を変更した場合の照射時間を操作者は把握することが可能となり、適切な回数のリペイントであるかどうかを判断する作業を支援する。
リペイントを何回まで行うかを判断するためにも、リペイント回数によってどの程度照射時間が変化するのかを知ることは有用であり、本実施形態では、照射時間の変化を定量的に判断することができる。
さらに、操作者が照射開始からの時間を入力することで、その時間が経過した時点でどのエネルギーのどのスポットまで照射が進行しているのかを表示することもできる。表示するだけでなく、必要であれば操作者の指示によって、その結果をファイルとして出力できる。また、ある時間の範囲を指定すれば、その時間内に照射するスポットが示される。
具体的には、入力装置10により、第一の時間を入力し、線量分布算出手段26により、照射開始から第一の時間が経過した時点において照射が行われている粒子線の位置とエネルギーの情報を算出し、出力する。さらに、入力装置10により、第一の時間とは別の第二の時間を入力し、線量分布算出手段26により、第一の時間が経過してから第二の時間が経過するまでの間に照射されるすべての粒子線の位置とエネルギーの情報を算出し、出力する。
このようにすることで、例えば、呼吸により臓器位置が変動した場合の線量分布への影響を評価できる。周期的な呼吸による変動をいくつかの段階に分割し、それぞれの段階での照射開始からの時間範囲を指定すると、各段階でどのスポットが照射されるかのリストを得ることができる。加えて各段階での患者のCT画像等が得られていれば、このリストからそれぞれの状態で照射されるスポットが分かるので、最終的な線量分布への影響を実際に計算しながら検討することが可能となる。
スポットスキャニングで臓器に粒子線を照射する場合、呼吸による変動のように、臓器が移動するあるタイミングにおいてどの位置が照射されているのかを知る必要がある。すなわち、照射開始からある時間が経過した時にどの位置が照射されているのかを知る必要がある。なぜなら散乱体法では、常に標的全体が照射されていたのに対し、スキャニング法では時間ごとに照射している位置が異なるためである。このような場合でも、本実施形態では、所用の情報を得ることができる。
以上説明したように、本実施形態によれば、治療計画装置の操作者は立案した計画に要する照射時間を簡便に知ることが可能となり、計画の良否を判断する一つの指標を得ることができる。また、呼吸等に起因する時間に依存して変動する誤差の線量分布に与える影響を評価する上で不可欠である、照射位置と照射時間との対応関係を得ることが可能となる。
本発明の一実施形態による粒子線治療計画装置の構成を示すブロック図である。 本発明の一実施形態による粒子線治療計画装置の動作を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態による粒子線治療計画装置における照射条件の算出例の説明図である。 本発明の一実施形態による粒子線治療計画装置における照射条件の算出例の説明図である。 本発明の一実施形態による粒子線治療計画装置における照射条件の算出例の説明図である。
符号の説明
10…入力装置
12…照射領域入力手段
14…目標線量設定手段
20…演算処理装置
22…照射条件算出手段
24…照射時間算出手段
26…線量分布算出手段
30…記憶装置
32…装置条件記憶部
40…表示装置

Claims (3)

  1. 粒子線を照射して治療を行うための治療計画を作成する粒子線治療計画装置であって、
    粒子線を照射すべき領域を入力する照射領域手段と、
    前記照射領域手段により入力した領域に対して目標となる線量を設定する目標線量設定手段と、
    前記照射領域手段により入力した領域において、前記目標線量設定手段により設定された目標となる線量を実現するための粒子線の照射条件を算出する照射条件算出手段と、
    前記照射条件算出手段により算出された照射条件から、照射を行うために必要な加速器や照射装置の運転時間も含めた照射時間を算出する照射時間算出手段と、
    前記照射時間算出手段により算出された照射時間を表示する表示手段とを備えることを特徴とする粒子線治療計画装置。
  2. 請求項1記載の粒子線治療計画装置において、
    前記照射時間算出手段は、照射に粒子線のエネルギーが複数必要な場合、照射に必要な時間を粒子線のエネルギーごとに算出することを特徴とする粒子線治療計画装置。
  3. 請求項1記載の粒子線治療計画装置において、
    第一の時間及び第二の時間を入力する入力手段と、
    照射開始から第一の時間が経過した時点において照射が行われている粒子線の位置とエネルギーの情報を算出し、また、第一の時間が経過してから第二の時間が経過するまでの間に照射されるすべての粒子線の位置とエネルギーの情報を算出する線量分布算出手段を備えることを特徴とする粒子線治療計画装置。
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