JP2008175162A - ポンプ装置及びポンプゲート装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 駆動源としてインダクションモータを使用する場合であっても、異物の引っ掛かりを回避しながら通過させるとともに、軸動力の増加を効果的に防止できるポンプ装置及びポンプゲート装置を提供する。
【解決手段】羽根車18の上流側に配置された吸込みケーシング22の内部に整流板23が設けられたポンプ装置であって、前記吸込みケーシング22の内周面に、周方向に間隔を隔てて軸心方向への突出高さが異なる複数の整流板24,25が、前記吸込みケーシング22の横断面における流向分布が前記羽根車18に対して所定の迎角に揃うように片持ち配置されている。
【選択図】 図5

Description

本発明は、羽根車の上流側に配置された吸込みケーシングの内部に整流板が設けられたポンプ装置に関する。
従来、水路境界部に設置される開閉自在な止水ゲート扉体等に取り付けられた軸流ポンプや、コラム式水中ポンプ等では、ポンプ入口に発生する逆旋回流れによって羽根車への水の仰角が変化すると、吸込み流量が一定であっても軸動力が次第に増加するため、過電流保護等のためインバータ制御式の同期モータによりポンプを駆動することにより軸動力の増加を抑制していた。
しかし、コスト低減のため駆動源としてインダクションモータを使用する場合には回転数の制御が困難であるため、例えば、ポンプゲートに設置される横軸ポンプでは、図11(a)に示すように、羽根車18の上流側に配置され、先端部が下方に傾斜したベルマウス状の吸込みケーシング22の内部上方に片持ちの一枚の整流板23を設けたり、立軸斜流ポンプでは、図11(b)に示すように、羽根車18の上流側に設けられた駆動軸17の軸受け部17aに径方向に放射状に複数枚の整流板23を設けるものが考えられていた。
しかし、図11(b)に示す整流板では、整流効果はあるものの、異物の通過粒径が小さくなるばかりでなく、軸受け部と吸込みケーシングの内周壁により両持ちで整流板を固定しているため、紐等の長尺状の異物が引っ掛かり易く、一旦引っ掛かると流れにより抜けることができなくなり、流路面積が減少してポンプ効率が低下するという問題があり、図11(a)に示す整流板では、吸込みケーシングの内壁に片持ちで固定されているため、異物の引っ掛かりは回避できるが枚数不足により整流効果が十分でないという問題があった。そこで、吸込みケーシングの内周壁に片持ちの整流板を周方向に沿って複数枚設けることが考えられるが、単純に整流板の枚数を増やすと却って流路抵抗が増してポンプ効率が低下し、さらに小径の異物しか通過できないという問題もあった。
一方、羽根車での異物の巻き込みを防止する技術として、特許文献1には、汚水とともに吸い込む異物が羽根車に達することを抑制し、ポンプの損傷およびトリップを軽減できる汚水ポンプを提供することを目的として、図12(a)に示すように、羽根車より上流側に設けた吸込ケーシングの内周面に旋回流を生起させる案内羽根を設けるとともに、吸込ケーシングの外周に異物収納空間を形成する異物収納部を設け、吸込ケーシングの内部流路と異物収納空間とを連通する開口部を案内羽根と羽根車の間に対応する吸込ケーシングの周側部に設けた汚水ポンプが提案されている。尚、図12(a)中に示す符号は以下に示す実施形態と対応するものではない。
また、特許文献2には、繊維状の異物であってもこれを容易に通過させることができる無閉塞ポンプを提供することを目的として、図12(b)に示すように、ポンプ吸込口の部分に、ポンプに吸い込まれる異物を羽根車の外周方向に向けて押し遣る形状の整流装置として、中央から半径方向外側に向けて張り出すとともに、その外周辺を異物ガイド辺とした1つまたは複数の整流部材を備え、且つこれら異物ガイド辺がポンプ吸込口の上流側から下流側に向かってテーパー状に広がる形状に形成されている無閉塞ポンプが提案されている。同様に、図12(b)中に示す符号は以下に示す実施形態と対応するものではない。
実開平7−8600号公報 特開2005−90313号公報
しかし、上述した何れのポンプ装置であっても、異物の引っ掛かりを回避しながら軸動力の増加を抑制すると言う観点では、効果が乏しく一層の改良が望まれていた。
本発明の目的は、上述の問題点に鑑み、駆動源としてインダクションモータを使用する場合であっても、異物の引っ掛かりを回避しながら通過させるとともに、軸動力の増加を効果的に抑制できるポンプ装置及びポンプゲート装置を提供する点にある。
上述の目的を達成するため、本発明によるポンプ装置の第一の特徴構成は、特許請求の範囲の書類の請求項1に記載した通り、羽根車の上流側に配置された吸込みケーシングの内部に複数の整流板が設けられたポンプ装置であって、前記整流板は、前記吸込みケーシングの流路中心線に垂直な横断面における流向分布が前記羽根車に対して所定の迎角に揃うように前記吸込みケーシングの内周面に片持ち配置されており、少なくとも一枚の整流板の前記吸込みケーシングの軸心方向への突出高さが、前記吸込みケーシングの内径の15%〜35%に設定されている点にある。
このような構成により、逆旋回流の径方向の流速分布に対応して効率的に整流することができ、吸込みケーシングの流路中心線に垂直な断面(以下、「横断面」と記す。)における流向分布が羽根車に対して所定の迎角に揃った状態で羽根車に流入するようになるので、軸動力の増加が効果的に低減されるようになる。しかも、整流板が吸込みケーシングの内周面に片持ち配置されているため、長尺状の異物であっても自由端側から容易に離脱させることができるようになる。
同第二の特徴構成は、同請求項2に記載した通り、上述の第一特徴構成に加えて、前記複数の整流板は、前記吸込みケーシングの軸心方向への突出高さが異なる整流板で構成されている点にある。
吸込みケーシングに流入した水に生じる逆旋回流の流速分布は径方向によって区々であるが、上述の構成によれば、軸心方向への突出高さが異なる複数の整流板により、整流板が吸込みケーシングの軸心付近で近接することによる効率の低下と異物の詰まりの問題を解消することができるようになる。
同第三の特徴構成は、同請求項3に記載した通り、上述の第一特徴構成に加えて、各整流板の軸心方向先端部と周方向に隣接する整流板との周方向距離が略等しくなるように軸心方向への突出高さを異ならせて配置されている点にあり、このような構成により、吸込みケーシングの軸心から径方向に離間しても蜜に整流板が存在することになり、旋回流の防止効果が高められるとともに、それらの領域において隣接する整流板間の流れが効率的に整流され、全体として均等な整流作用が得られるようになる。
同第四の特徴構成は、同請求項4に記載した通り、上述の第一または第二特徴構成に加えて、前記整流板の軸心方向への最大突出高さが前記羽根車の翼の径方向長さと略同一に設定されている点にあり、上述と同様、このような構成により、羽根車への流入時に大きな影響を与える吸込みケーシングの内壁近傍での整流効果を十分に確保しながらも、羽根ボスの存在する軸心近傍においては異物の通過径を十分に確保することができるようになる。
同第五の特徴構成は、同請求項5に記載した通り、上述の第一から第四の何れかの特徴構成に加えて、各整流板の軸心方向先端部と周方向に隣接する整流板との周方向距離が、前記吸込みケーシングの内径の10%〜40%に設定されている点にあり、上述と同様、このような構成により、羽根車への流入時に大きな影響を与える吸込みケーシングの内壁近傍での整流効果を十分に確保しながらも、羽根ボスの存在する軸心近傍においては異物の通過径を十分に確保することができるようになる。
同第六の特徴構成は、同請求項6に記載した通り、上述の第一から第五の何れかの特徴構成に加えて、各整流板の前縁部が軸心方向に沿った流向方向に傾斜している点にある。
上述の構成によれば、吸込みケーシングに流入し、整流板に引っ掛かった長尺状の異物であっても、傾斜前縁部に沿って容易に離脱され、絡み付くことが防止できる。
本発明によるポンプゲート装置の特徴構成は、同請求項7に記載した通り、上述の第一から第六の何れかのポンプ装置を開閉自在な止水ゲート扉体に取付けた点にある。
上述の構成によれば、異物通過性を備えるとともに、軸動力の増加を効果的に抑制し、安定動作できるポンプゲート装置を実現できる。
以上説明した通り、本発明によれば、駆動源としてインダクションモータを使用する場合であっても、異物の引っ掛かりを回避しながら通過させるとともに、軸動力の増加を効果的に防止できるポンプ装置及びポンプゲート装置を提供することができるようになった。
以下に本発明によるポンプ装置を説明する。図3に示すように、第一水路1(例えば支流河川)と第二水路2(例えば本流河川)の合流地点である境界部に本発明によるポンプ装置が組み込まれたポンプゲート3が設置されている。
図1から図3に示すように、前記ポンプゲート3は、境界部に立設された水門柱4(4b)と水路の底部に横設された床部材4cと昇降機構7を支承するコンクリート製床盤4(4a)に、鋼板製の止水ゲート扉体6が昇降機構7により開閉操作自在に支持されている。
前記昇降機構7は、継手7bを介して前記止水ゲート扉体6に固定された一対のラック棒7aと、前記水門柱4(4a)の上部に配置されたギヤボックス7c内のピニオンギヤを正転または逆転駆動する電動モータ7fと、手動操作ハンドル7dと、一方のギヤボックス7c側に駆動連結された前記電動モータ7fにより他方のギヤボックス7c側を連動して駆動する駆動連結機構7e等を備えて構成され、電動モータ7fまたは手動操作ハンドル7dによりピニオンギヤを回動させてラック棒7aに支持された前記止水ゲート扉体6を昇降作動可能に構成されている。
前記止水ゲート扉体6の中央部には、両水路1、2間を連通させる左右一対の貫通孔が形成され、夫々の貫通孔には、前記止水ゲート扉体6が下降した止水姿勢において前記第一水路1から前記第二水路2に排水する本発明によるポンプ装置の一例である横軸軸流ポンプ11が設置されている。
前記軸流ポンプ11は、図4に示すように、断面円形の筒状のポンプケーシング20(20a,20b,20c)の内部に、モータ本体部16と前記モータ本体部16から突出した主軸17の先端部に装着された羽根車18とが、ポンプ軸心P1が水平姿勢となるようにケーシング20の軸心と一致するように収容されている。
前記ポンプケーシング20(20a,20b,20c)は、吸込み側に配置された小径の第一ケーシング20aと、下流側ほど拡径された略円錐台形状の第二ケーシング20bと、第一ケーシング20aより大径の第三ケーシング20cとが夫々フランジ接続されて構成され、前記モータ本体部16が第二ケーシング20bの内壁部に周方向に配置された5枚の案内羽根19を介して支持固定され、前記モータ本体部16とケーシング20との間に形成される内部空間が吐出流路となるように構成されている。
前記モータ本体部16は、前記羽根車18側にメカニカルシール26を具備したオイル室16aを備えると共に、吐出口方向に浸水溜まり室16b、第一モータ室16c、第二モータ室16dを順次備え、前記第一モータ室16cと前記第二モータ室16dの間に給電ラインPLが接続された電動モータMが配置されている。
前記羽根車18は、前記主軸17の先端側に回転自在にボルト固定された羽根ボス18aと、前記羽根ボス18aにボルト締着された複数の翼18bで構成され、前記翼18bは、その吸込み側前縁が後退翼となるように形成されている。前記羽根車18により吸い込まれて旋回流となった水流が前記案内羽根19により前記主軸17に沿う直線流に整流され、以って前記羽根車18により与えられた旋回エネルギーが圧力エネルギーに変換される。
前記第一ケーシング20aの内周部のうち、前記羽根車18との対向面には、前記第一ケーシング20aより硬質の金属でなるリング状のケーシングライナ21が設けられ、前記ケーシングライナ21の内周面に溝21aを設けて異物の詰まりを回避するように構成されている。
前記第一ケーシング20aの上流端には吸込みケーシング22がフランジ接続され、前記第三ケーシング20cの下流端には流路を開閉自在なフラップ弁機構12がフランジ接続されている。尚、第三ケーシング20cは前記止水ゲート扉体6に取付けられている。
前記フラップ弁機構12は、一端側が第三ケーシング20cとフランジ接続される筒状部12aの他端側に水平軸心周りに揺動可能に軸支された弁体12bを備えて構成され、前記軸流ポンプ11の作動時には前記吸込みカバー22から吸込まれた水の吐出し圧力により開放姿勢に揺動し、前記軸流ポンプ11の停止時には自重により閉塞姿勢に揺動して逆流が防止される。
前記吸込みケーシング22は、断面円形の筒状体を前記羽根車18の上流側にその先端がポンプ軸心P1に対して斜め下方姿勢となるように所定の曲率で湾曲形成してあり、空気吸込み渦の発生を回避しながら低水位まで安定して吸込み可能なように、先端部にラッパ管状に拡径形成された先端開口部22aを設けている。前記先端開口部22aの上部が前記ポンプ軸心P1と略同高さで略水平姿勢となるように、またその下部が水路底と略垂直となるように形成されている。ここで、前記先端開口部22aの上部を略水平姿勢とすることで、水面から生じる吸込渦の発生を抑止している。また、先端開口部22aの下部を水路底と略垂直とすることで、水路底から生じる渦の発生を抑制している。
前記羽根車18の作動により吸い込まれる水が前記吸込みケーシング22内で前記羽根車18の回転方向と逆方向に旋回することによる軸動力の増加を防止すべく、前記吸込みケーシング22の内周面に周方向に間隔を隔てて、その整流面または上端面が軸心P2に沿うように湾曲形成され、ケーシング22の軸心P2方向への突出高さの異なる複数の整流板23が片持ち配置されており、以って、前記軸心P2に沿った吸込みケーシング22の横断面における流向分布が前記羽根車18に対して所定の迎角、本実施形態では翼18bの回転面に対して直交する方向に揃うように構成されている。
前記吸込みケーシング22に流入した水に生じる逆旋回流の前記横断面上での流速分布は、径方向によって区々であるが、上述の構成によれば、軸心P2方向への突出高さが異なる複数の整流板23により、逆旋回流の径方向の流速分布に対応して効率的に整流することができ、吸込みケーシング22の横断面における流向分布が羽根車18に対して所定の迎角に揃った状態で羽根車18に流入するようになるので、軸動力の増加が効果的に低減されるようになる。しかも、整流板23が吸込みケーシング22の内周面に片持ち配置されているため、長尺状の異物であっても自由端側から容易に離脱させることができるようになる。
以下、説明の簡略化のため前記吸込みケーシング22が円筒状の直管の場合について詳述すると、図5に示すように、前記整流板23は、90度の間隔で周方向に等間隔で配置された平板状の四枚の第一整流板24と、前記第一整流板24の中間に配置された同じく平板状の四枚の第二整流板25の八枚の整流板で構成され、前記第一整流板24の突出高さR1が前記吸込みケーシング22の内径2Rの約1/3に設定され、前記第二整流板25の突出高さR2が前記吸込みケーシング22の内径2Rの約1/6に設定されている。即ち、これらの整流板の突出高さは吸込みケーシングの内径の15%〜35%の範囲に設定されている。
従って、羽根車18への流入時に大きな影響を与える吸込みケーシング22の内壁近傍での整流効果を十分に確保しながらも、軸心P2近傍空間においては異物の通過径を十分に確保することができるようになる。例えば、約300mmの径の吸込みケーシングの場合、第一整流板24の突出高さは約100mmに設定され、第二整流板25の突出高さは約50mmに設定される。
上述の構成によれば、前記第一整流板24の軸心方向先端部24aと周方向に隣接する整流板つまり前記第一整流板24との周方向距離L1、及び、前記第二整流板25の軸心方向先端部25aと周方向に隣接する整流板つまり前記第一整流板24との周方向距離L2が略等しくなるように軸心P2方向への突出高さが設定され、前記吸込みケーシング22の軸心P2から径方向に離間しても蜜に整流板23が存在するため、旋回流の防止効果が高められるとともに、それらの領域において隣接する整流板間23の流れが効率的に整流され、全体として均等な整流作用が得られるようになる。尚、このとき、各整流板の軸心方向先端部と周方向に隣接する正りぃいい多との周方向距離(L1,L2)は、吸込みケーシング内径の約25%となっている。
以下に別実施形態を説明する。上述した実施形態では、各整流板23の前縁部が軸心P2方向に沿って直線状に立ち上がるような形状を採用した場合を説明したが、図4中、一点鎖線で示すように、各整流板23の前縁部23bが軸心P2方向に沿った流向方向に傾斜するように構成する場合には、吸込みケーシング22に流入し、整流板23に引っ掛かった長尺状の異物であっても、傾斜前縁部23bに沿って容易に離脱され、絡み付くことが防止できる。
上述した実施形態では、前記整流板23の軸心P2方向への最大突出高さR1が前記吸込みケーシング22の内径の約1/3に設定する場合を説明したが、前記整流板23の軸心P2方向への最大突出高さR1が前記羽根車18の翼18bの径方向長さR3と略同一に設定するものであってもよい。このように構成しても羽根車18への流入時に大きな影響を与える吸込みケーシング22の内壁近傍での整流効果を十分に確保することが可能となる。
上述した実施形態では、90度の間隔で周方向に等間隔で配置された平板状の四枚の第一整流板24と、前記第一整流板24の中間に配置された同じく平板状の四枚の第二整流板25の八枚の整流板で構成され、前記第一整流板24の突出高さR1が前記吸込みケーシング22の内径2Rの約1/3に設定され、前記第二整流板25の突出高さR2が前記吸込みケーシング22の内径2Rの約1/6に設定されているものを説明したが、整流板の整流面の形状は平板状または吸込みケーシングの軸心に沿う形状に限るものではなく、羽根車に対して所定の迎角に揃うように整流するものであれば適宜変更することが可能である。
また、整流板の数は上述のものに限るものではなく、吸込みケーシングの径に応じて適宜設定すればよい。例えば、上述の実施形態よりも小径の吸込みケーシングであれば、ケーシング内径の約1/3の突出高さを有する第一整流板を三枚、ケーシングの内径の約1/6の突出高さを有する第一整流板を三枚、合計六枚の整流板を周方向に等間隔に配置するものであってもよい。この場合の各整流板の軸心方向先端部と周方向に隣接する整流板との周方向距離は、吸込みケーシング内径の約35%となっている。
逆に上述の実施形態よりも大径の吸込みケーシングであれば、ケーシング内径の約1/5が八枚、約1/6が八枚、合計十六枚の整流板を周方向に等間隔に配置するものであってもよい。この場合の各整流板の軸心方向先端部と周方向に隣接する整流板との周方向距離は、吸込みケーシング内径の約13%となっている。
さらに、整流板24の突出高さが二段階に異なる第一及び第二整流板で構成するものに限らず、多段、例えば三段階の突出高さとなる三種類の整流板24を設けるように構成することも可能である。このようにして、各整流板の軸心方向先端部と周方向に隣接する整流板との周方向距離が略等しくなるように軸心方向への突出高さを異ならせて配置することにより、十分な整流効果が得られるようになる。ただし、整流板の枚数を増加するとそれに伴って流路抵抗が増し、却って効率が低下し、さらに整流板間隔が狭まることによって、異物通過性が悪化し、長尺物が引っ掛かる可能性が高まる場合もあるので、ポンプ定格等に基づいて必要な枚数等を決定する必要がある。
上述した実施形態では、本発明をポンプゲートに使用される横軸軸流ポンプ装置に適用したものを説明したが、これに限るものではなく、コラム形の軸流ポンプのように貯水池から揚水する縦軸の軸流ポンプ装置に適用することも可能であり、また斜流ポンプ装置に適用することも可能である。
上述した実施形態で説明した各部の具体的構造、材質、寸法等は、特に限定されるものではなく、本発明による作用効果を奏する範囲において適宜設計されるものである。
本願発明者らは、実験及び数値解析による種々の思考錯誤を繰り返し、上述の構成を採用するに到った。
図6(b)から(f)に示す種々の整流板の形状に対して、羽根車18により対象となるポンプ装置の定格流量の流体(水)が吸い込まれる場合の流れ解析を行なった。同図(a)は吸込みケーシングに整流板を設けない場合であり、吸込みケーシング内で逆旋回流が生じていない理想的な場合、(b)は逆旋回流を発生させて、吸込みケーシングに径方向に沿って一枚の整流板を設けた場合、(c)は逆旋回流を発生させて、吸込みケーシングに径方向に沿って平行に三枚の整流板を設けた場合、(d)は逆旋回流を発生させて、吸込みケーシングに周方向に間隔を隔てて放射状に四枚の第一整流板を設けた場合、(e)は逆旋回流を発生させて、吸込みケーシングに周方向に間隔を隔てて放射状に三枚の第一整流板を設けるとともに、その間に放射状に三枚の第二整流板を設けた場合、(f)は逆旋回流を発生させて、吸込みケーシングに周方向に間隔を隔てて放射状に四枚の第一整流板を設けるとともに、その間に放射状に四枚の第二整流板を設けた場合である。
尚、第一整流板24の突出高さは吸込みケーシング22の内径2Rの約1/3に設定され、第二整流板25の突出高さR2は吸込みケーシング22の内径2Rの約1/6に設定されている。
解析の結果得られた流線を、図7から図9に示し、整流板の軸動力上昇防止効果を表す特性図を図10に示す。図7から図9に示すように、整流板がどの様に整流作用を旋回流に対して及ぼしているかが明らかになった。図8(c)に示すように、三枚の整流板の平行配置では、整流板に平行な旋回速度成分を整流できない箇所があるために、羽根車内に若干の逆旋回流れが流入する。このため、図8(d)、図9(e)、(f)は整流板を通過する旋回流が何れかの整流版に当たることを狙って径方向に沿って放射状に配置するとともに、異物通過性を考慮して流路中央部分を切り取り取った形としたものである。しかし、図8(d)に示すように、四枚の整流板では、流路の外側で整流板間隔が大きくなるために、整流板に当たらない流れが残ってしまう。
そこで、さらに改良を加えるために、整流板の間に幅の狭い整流板を配置し、幅の広いものと狭いものを交互に配置することにより、外周側でも整流作用が及ぶ様(e)及び(f)の配置の解析を行なった。図9(e)のように径方向に異なる高さの六枚の整流板を設置した場合では、図10(e)に示す通り、若干軸動力増加が残るが、図9(f)のように径方向に異なる高さの八枚の整流板を設置した場合では、図10(f)に示すように、軸動力上昇はほぼゼロとなった。
尚、図9(e)の場合、各整流板の軸心方向先端部と周方向に隣接する整流板との周方向距離は、吸込みケーシング径の約35%の値となっている。異物の通過性と軸動力上昇を考えると、前記比率が10%から40%の範囲であることが望ましい。一方、吸込みケーシングの内径が流路方向に沿って変化する場合には、流路中心に垂直な断面において、整流板の突出高さとケーシング内径の関係を考えることになる。また、上記実施例では、吸込みケーシングが円形断面の場合で説明したが、角形や扁平状であってもよい。その際にはケーシング内径を水力直径とすることはいうまでもない。
図10から明らかなように、100%Qにおいては、軸動力抑制効果は、(b<(d)<(c)<(e)<(f)の順であり、(f)の8枚整流板を取り付けた場合に、実機場相当の軸動力増加が起こっても、逆旋回が全く無い状態とほぼ同じ軸動力で運転が可能となる結果が得られた。
本発明によるポンプゲートの正面図 本発明によるポンプゲートの背面図 (a)本発明によるポンプゲートの上面図、(b)本発明によるポンプゲートの要部平断面図 本発明によるポンプ装置の断面図 ポンプ装置の吸込みケーシング内周に設けた整流板の一例を示す説明図であり、(a)は吸込みケーシングの入口側から見た整流板の配置を示す説明図、(b)は吸込みケーシングの斜め上方から見た整流板の配置を示す説明図 数値解析の対象となるポンプ装置の要部斜視図 数値解析の結果得られた流線図 数値解析の結果得られた流線図 数値解析の結果得られた流線図 整流板の軸動力上昇防止効果を表す特性図 従来の整流板の説明図 従来の整流板の説明図
符号の説明
1:第一水路
2:第二水路
3:ポンプゲート
4:ゲート
4a:水門柱
4b:床部材
4コンクリート製床盤
6:止水ゲート扉体
7:昇降機構
7a:ラック棒
7b:継手
7c:ギヤボックス
7d:手動操作ハンドル
7e:駆動連結機構
11:軸流ポンプ
12:フラップ弁機構
16:モータ本体部
16a:オイル室
16b:浸水留まり室
16c:モータ室1
16d:モータ室2
17:主軸
18:羽根車
18a:羽根ボス
18b:翼
19:案内羽根
20:ケーシング
20a:第一ケーシング
20b:第二ケーシング
20c:第三ケーシング
21:ケーシングライナ
21a:溝
22:吸込みケーシング
22a:先端開口部
23:整流板
24:第一整流板
25:第二整流板
M:電動モータ

Claims (7)

  1. 羽根車の上流側に配置された吸込みケーシングの内部に複数の整流板が設けられたポンプ装置であって、
    前記整流板は、前記吸込みケーシングの流路中心線に垂直な横断面における流向分布が前記羽根車に対して所定の迎角に揃うように前記吸込みケーシングの内周面に片持ち配置されており、少なくとも一枚の整流板の前記吸込みケーシングの軸心方向への突出高さが、前記吸込みケーシングの内径の15%〜35%に設定されているポンプ装置。
  2. 前記複数の整流板は、前記吸込みケーシングの軸心方向への突出高さが異なる整流板で構成されている請求項1記載のポンプ装置。
  3. 各整流板の軸心方向先端部と周方向に隣接する整流板との周方向距離が略等しくなるように軸心方向への突出高さを異ならせて配置されている請求項2記載のポンプ装置。
  4. 前記整流板の軸心方向への最大突出高さが前記羽根車の翼の径方向長さと略同一に設定されている請求項1または2記載のポンプ装置。
  5. 各整流板の軸心方向先端部と周方向に隣接する整流板との周方向距離が、前記吸込みケーシングの内径の10%〜40%に設定されている請求項1から4の何れかに記載のポンプ装置。
  6. 各整流板の前縁部が軸心方向に沿った流向方向に傾斜している請求項1から5の何れかに記載のポンプ装置。
  7. 請求項1から6の何れかに記載のポンプ装置を開閉自在な止水ゲート扉体に取付けたことを特徴とするポンプゲート装置。
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