JP2008173984A - 印刷機における色調制御方法及び装置 - Google Patents

印刷機における色調制御方法及び装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 印刷物の色調を制御するに当たり、様々な誤差要因に対して安定して計測データを取得することができ、また、得られた計測データから、精度良く印刷機におけるインキ供給量を制御できるようにすることが課題である。
【解決手段】 上流で作成した製版データを前記目標となる印刷物のデータとし、該製版データにおける印刷機のインキキー幅毎の印刷紙搬送方向網点面積率を算出し、該算出した網点面積率が所定の閾値以上有るインキキー位置に対応する、前記製版データと前記実際に印刷した印刷物の、前記インキキー幅分の印刷紙搬送方向網点面積率を積分・平均化処理し、該積分・平均化処理により得られた網点面積率と分光反射率とから、前記印刷機におけるインキキー開度やインキ元ローラの回転数などの制御量を算出して色調を制御するようにした。
【選択図】図1

Description

本発明は、印刷機における色調制御方法及び装置に関し、特に絵柄部の全部もしくは一部の2次元エリアの色を計測し、その計測データを用いて印刷機のインキキー開度を制御して絵柄の色調制御を行う、印刷機における色調制御方法及び装置に関するものである。
印刷機によって印刷された印刷物の色調をクライアントが提示した色調に合わせるため、ラインセンサで走査する計測機や2次元カメラなどの計測装置を用い、絵柄全部もしくは一部を計測し、その計測結果からインキキーの開度、インキ元ローラの回転数などの調節量を演算して色調を調節することが行われている。
このうち、上記のようなラインセンサで走査する計測機や2次元カメラなどの計測装置から得られた計測データには、実際には種々の誤差要因が含まれている。例えば、オフライン方式の計測装置の場合、計測装置への印刷物の置き位置による誤差、インライン方式の場合、印刷紙の蛇行等による誤差、また、用紙サイズによる誤差、さらに、ファンナウトと呼ばれる印刷機における印刷時のテンションに起因する紙の伸びなどによる誤差など、種々の誤差がこの測定結果に影響を与える。そのため、このようなプロセスの変動があっても誤差要因の影響を受けず、具体的には、欠陥が生じないプロセスロバストな計測データを得ることが必要となる。
また、上記した計測装置へ印刷物を誤差無く置くためには、印刷オペレータは慎重に作業を行う必要があり作業性を悪くする。さらに、印刷物の置き位置にずれがあった場合、計測不良による事故を引き起こす要因ともなる。これを回避するためには、計測データを自動的にある基準に対して位置補正をするシステムが必須となり、この基準としては紙端等が考えられるが、例えば印刷で一般的に使用される菊判紙(939×636mm)に対するJIS規格では、その寸法に+6mmまでのバラツキを許容しており、最良な手段とはなり得ない。また、予め設定される目標値を、過去に印刷した印刷物や校正刷りといった色見本を計測して取得する場合、見本刷りと実際の印刷物の用紙サイズは必ずしも一致していないケースが多く、これも紙位置を基準とすることが最良でない理由の1つとなる。
また、印刷機における色調制御は、通常、前記したように印刷機のインキキー開度を調節し、インキ膜厚を制御することにより実施される。そのため、計測部位の絵柄が低画線部であった場合(極端には面積率ゼロの場合は)、計測データに対するインキ膜厚の感度が低く(ゼロ)なり、制御に対するS/Nが劣化する要因となる。つまり、印刷絵柄の中から制御に適した絵柄部の計測データを用いて色調を制御することが必要となる。
さらに従来の色調制御においては、印刷余白にインキ膜厚と最も相関の高いベタ部(単色で網点面積率100%部)を含むコントロールストリップを配置し、このベタバッチを計測して濃度値に変換し、目標とする濃度値との濃度差をインキキー開度の制御量に変換することが一般的に行われている。この場合、印刷余白により資材ロスが発生すると同時に、色合わせを行いたい色見本と印刷機の印刷特性の違いにより、ベタ濃度をあわせても商品としての絵柄の色が合わないという問題がある。
そのため、印刷物の特定絵柄で直接色調を合わせる制御が行われており、上記問題に対して非常に有効な方法とはなるが、重ね合わされた混色部の計測データから必要なインキ増減量を精度良く計算せねばならないという大きな技術課題が存在する。
こういったことに対処するため、例えば特許文献1にはオフライン方式の計測装置の場合ではあるが、計測装置へ印刷物を載置した際の位置ズレや曲がりに対処するため、印刷物におけるトンボ、またはカラースケールなどの印刷位置マークの位置と絵柄の中の測定すべき位置のデータを予めティーチングするティーチング行程と、実際の印刷物における印刷位置マークを二次元エリアセンサで撮像してパターンマッチングによって探索する探索行程と、この探索行程によって得られた印刷位置マークの座標から最初にティーチングした座標との偏差を計算する偏差演算行程を設け、この偏差演算行程で得られた偏差を加味した座標で、カラースケールや絵柄特定点の色調測定をするようにした印刷物の色調測定方法が示されている。
また、得られた計測データから、如何に精度良くインキ膜厚制御量を計算するかという点に関しては、特許文献2に、画素の色間隔ベクトルを重み付け計数で乗算し、その係数が隣合う画素の面被覆度、または色間隔から定めるようにして測色値を得る方法が示されている。
さらに特許文献3には、原稿の多色画像箇所のインキ濃度スペクトルと印刷複製物のインキ濃度スペクトルからインキ濃度スペクトル差を求め、このインキ濃度スペクトル差を、重ね刷り印刷に使用される個々の印刷インキにおけるインキ濃度スペクトルの線形結合関数として表し、印刷機のインキ供給機構に対する調整命令を、この線形結合関数の比例計数から算出するようにしたインキ供給の制御方法が示されている。
特開2001−293847号公報 特開平11−216846号公報 特開平7−205412号公報
しかしながら、特許文献1に示された色調測定方法は、前記したファンナウトと呼ばれる印刷機における印刷時のテンションに起因する紙の伸びなどによる誤差に対する正確な位置決めをすることが難しく、特許文献2に示された方法は、計測されるスペクトルデータから面被覆度を推定して隣接画素との差から重みが決定されるため、非常に計算量が大きくなり、また、面被覆度に対して推定を伴うため、誤差を生じるという問題がある。
さらに特許文献3に示された方法は、網点面積率により係数の値が大きく異なるため、符号によってインキの過不足は推定できるがその量については非常に曖昧となり、制御ゲインを下げる必要があって、フイードバック制御における収束速度の低下を引き起こす。そのため、色合わせに使用される印刷用紙(ヤレ紙)の増加につながり、生産コストがアップしてしまう。
そのため本発明においては、様々な誤差要因に対して安定して計測データを取得することができ、また、得られた計測データから、精度良く印刷機におけるインキ供給量を制御できるようにした印刷機における色調制御方法及び装置を提供することが課題である。
上記課題を解決するため本発明になる色調制御方法は、
目標となる印刷物における所定位置の色調と、実際に印刷した印刷物における前記所定位置に対応する位置の色調とから、印刷機におけるインキキー開度とインキ元ローラの回転数の制御量を算出して色調を制御する印刷機における色調制御方法であって、
前記目標となる印刷物としての、上流で作成した製版データにおける色調計測のための基準位置と、前記実際に印刷した印刷物の印刷サンプルにおける前記基準位置と対応する座標位置を得るために、前記製版データから得られる1つ以上のテンプレート画像と、前記実際に印刷した印刷物の計測結果から1つ以上のマッチング画像をそれぞれ生成し、前記テンプレート画像とマッチング画像を用いてテンプレートマッチング処理を行って基準位置と対応するよう印刷サンプルにおける座標を変換する座標変換情報を得る第1のステップと、
前記目標となる印刷物としての製版データ網点面積率を算出し、該算出した網点面積率が所定の閾値以上有る前記製版網点面積率データと前記実際に印刷した印刷物の分光反射率データを、前記インキキー幅分の印刷紙搬送方向で積分・平均化処理し、該積分・平均化処理により得られた網点面積率と分光反射率をもとめる第2のステップと、
上流デジタルデータよりの網点面積率データと、印刷サンプルよりの分光反射率データを用いて、インキ成分量計算処理において、インクキー巾毎のインキ成分量を求め、該インキ成分量から、インクキー巾毎の各インキの過不足を求めインキキー開度制御とインキ元ローラ回転数制御を行う第3のステップをそなえ、
前記第2のステップで積分・平均化処理を行う際、前記網点面積率に応じて重み付けを行うことにより、重みを付けることによって、重みの高い絵柄部の感度は高くなり、任意の色を中心に色調をコントロールすることを特徴とする。
そしてこの色調制御方法を実施する色調制御装置は、
印刷機のインキキー開度を制御するインキキー制御手段と、印刷機のインキ元ローラ回転数を制御するインキ元ローラ制御手段とを備え、
上流で作成した製版データを記憶する上流デジタルデータ記憶手段と、印刷機で印刷したサンプルを計測して得られた分光反射率データを記憶する分光反射率データ記憶手段と、演算手段と、該演算手段に、前記上流デジタルデータ記憶手段に記憶された上流デジタルデータから、前記インキキー幅毎の印刷紙搬送方向網点面積率を算出させ、該算出した網点面積率が所定の閾値以上有るインキキー位置に対応する、前記製版データと前記サンプルのインキキー幅分の印刷紙搬送方向網点面積率を前記演算手段によって積分・平均化処理させ、該積分・平均化処理により得られた網点面積率と分光反射率とから、前記印刷機におけるインキキー開度やインキ元ローラの回転数などの制御量を前記演算手段に算出させて、前記インキキー制御手段とインキ元ローラ制御手段とに指示して色調を制御する制御装置とを有することを特徴とする。
そしてこの色調制御方法を実施するに当たり、目標となる印刷物における所定位置の色調と、実際に印刷した印刷物における前記所定位置に対応する位置の色調とから、印刷機におけるインキキー開度とインキ元ローラの回転数の制御量を算出して、該制御量に基づいて夫々印刷機のインキキー開度と、印刷機のインキ元ローラ回転数を制御する色調制御装置において、
前記制御装置は、
前記目標となる印刷物としての、上流で作成した製版データにおける色調計測のための基準位置と、前記実際に印刷した印刷物の印刷サンプルにおける前記基準位置と対応する座標位置を得るために、前記製版データから得られる1つ以上のテンプレート画像と、前記実際に印刷した印刷物の計測結果から1つ以上のマッチング画像をそれぞれ生成し、前記テンプレート画像とマッチング画像を用いてテンプレートマッチング処理を行って基準位置と対応するよう印刷サンプルにおける座標を変換する座標変換情報を得る第1の制御手段と、
前記目標となる印刷物としての製版データ網点面積率を算出し、該算出した網点面積率が所定の閾値以上有る前記製版網点面積率データと前記実際に印刷した印刷物の分光反射率データを、前記インキキー幅分の印刷紙搬送方向で積分・平均化処理し、該積分・平均化処理により得られた網点面積率と分光反射率をもとめる第2の制御手段と、
上流デジタルデータよりの網点面積率データと、印刷サンプルよりの分光反射率データを用いて、インキ成分量計算処理において、インクキー巾毎のインキ成分量を求め、該インキ成分量から、インクキー巾毎の各インキの過不足を求めインキキー開度制御とインキ元ローラ回転数制御を行う第3の制御手段をそなえ、
前記第2の制御手段で積分・平均化処理を行う際、前記網点面積率に応じて重み付けを行うことにより、重みを付けることによって、重みの高い絵柄部の感度は高くなり、任意の色を中心に色調をコントロールすることを特徴とする。
そして、前記第3のステップにおいて予め所定面積率における単色網点濃度を定義し、Dc(λ)、Dm(λ)、Dy(λ)、Dk(λ)をシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)それぞれにおける基準となる単色網点分光濃度、tc、tm、ty、tkをシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)それぞれにおけるインキ成分量、D(λ)を混色の分光濃度としたとき、前記積分・平均化処理により得られた網点面積率と分光反射率とから次式を用いて重回帰計算を行い、インキ成分量tc、tm、ty、tkを算出して前記印刷機におけるインキキー開度やインキ元ローラの回転数などの制御量を算出することを特徴とする。
Figure 2008173984
本発明によれば、この色調制御方法を実施するに当たり、前記目標となる印刷物としての製版データにおける色調制御する所定位置と、前記実際に印刷した印刷物における前記所定位置に対応する位置との対応を、テンプレートマッチング処理によって行うことにより、計測装置への印刷物の置き位置による誤差、印刷紙の蛇行等による誤差、用紙サイズによる誤差などの誤差要因があっても正確に製版データと実際に印刷した印刷物における所定位置を対応づけることができ、計測装置へ印刷物を誤差無く置くようにするため、印刷オペレータが慎重に作業を行うといった作業性の悪化を招いたり、印刷物の置き位置にずれによる計測不良といった事故を防止することができる。
又、上流で作成した製版データから前記目標となる印刷物における網点面積率を算出し、該算出した網点面積率が所定の閾値以上有る前記製版網点面積率データと前記実際に印刷した印刷物の分光反射率データを、前記インキキー幅分の印刷紙搬送方向で積分・平均化処理し、該積分・平均化処理により得られた網点面積率と分光反射率とから、前記印刷機におけるインキキー開度やインキ元ローラの回転数などの制御量を算出して色調を制御することにより、印刷時に発生する印刷紙の部分的な伸び(ファンナウト)や、空間分解能に起因する位置ずれ誤差、さらに絵柄が急峻に変化しているような場合、画素単位で見ると、誤差が大きく発生している場合があるが、こういった誤差要因に対して安定して計測データを取得することができ、それによって、精度良く印刷機におけるインキ供給量を制御できる印刷機における色調制御方法及び装置を提供することができる。
また、算出したインキキーの幅毎の積分・平均化処理結果に、網点面積率に応じて重み付けをおこなうことにより、所定位置の色調を重点的に合わせたい場合にも対応できる。
さらに、上流で作成した製版データから前記目標となる印刷物における網点面積率を算出し、該算出した網点面積率が所定の閾値以上有る前記網点面積率データと前記実際に印刷した印刷物の分光反射率データを印刷紙搬送方向に一定の幅で前記インキキーの配列方向に積分・平均化処理し、該積分・平均化処理による前記インキ成分量が予め設定した閾値に対して変動したとき、水元ローラの回転量、及び往復ローラの揺動を制御すること、または水元ローラの回転量、及び往復ローラの揺動をチェックするよう外部にアラームを発することにより、インキ量だけでなく、水元ローラによる色調不良にも対応することができる。
以下、図面を参照して本発明の好適な実施例を例示的に詳しく説明する。但しこの実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例に過ぎない。
図1は、本発明になる印刷機における色調制御方法による上流で作成したデジタルデータと、実際の印刷物における計測位置の位置合わせを行うためのフロー図、図2は位置合わせされた上流デジタルデータと実際の印刷物におけるインキキー毎の積分・平均化処理の処理フロー図、図3は得られた上流デジタルデータ(目標サンプル)と実際の印刷物(抜き取りサンプル)とにおける分光反射率データからインキキーの制御量を算出するフロー図、図4は本発明になる印刷機における色調制御装置の1実施例のブロック図である。
図中10は、上流の製版部門などから得られるCIP3(Cooperation for Integration of Prepress, Press, Postpress)やCIP4(The International Cooperation for the Integration of Processes in Prepress, Press and Postpress)などの製版データ、11は印刷物におけるシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)それぞれの上流デジタルデータ12を得るために行う、このCIP3データまたはCIP4などの製版データの解釈、13は、この上流デジタルデータ12における網点面積率データを用い、一般的に知られているノイゲバウアの式やマトリクス行列等を用いて変換処理し、テンプレートマッチングを行うためのテンプレート画像14を生成するテンプレート画像生成、15は実際に印刷機によって印刷した(抜き取り)印刷サンプル、16は、例えば前記したようなラインセンサで走査する計測機や2次元カメラなどを使用し、一例として空間分解能が0.5×0.4mmで、波長が380〜860nmまでの分光反射率が計測できる計測装置による印刷サンプル15の計測、17はこの計測16によって得られた分光反射率データ、18はこの分光反射率データ17から抽出した単波長抽出データ、19はその単波長抽出データ18によるテンプレートマッチングを行うためのマッチング画像20を生成するための解像度変換処理、21はテンプレート画像14、マッチング画像20の画像がちょうど一致する位置を算出するテンプレートマッチング処理、22はこのテンプレートマッチング処理21の算出結果に基づき、上流デジタルデータ12における色調計測のための基準位置と対応するよう印刷サンプル15における座標を変換する座標変換情報である。
23は、座標変換情報22に基づき、上流デジタルデータ12と分光反射率データ17における色調計測する位置に対応するインキキー幅分を、印刷紙搬送方向に選択的に積分・平均化する選択積分・平均化処理、24はそれによって得られた情報を比較して作成したシアン(C)24、マゼンタ(M)24、イエロー(Y)24、ブラック(K)24の目標サンプルの(網点)面積率、抜き取りサンプル(印刷サンプル)の分光反射率データセット、25はこの得られた目標サンプルの(網点)面積率、と抜き取りサンプル(印刷サンプル)における分光反射率データの2つのデータセット24から、インキ成分量を算出するインキ成分量算出処理、26は得られたインキ成分量からインキキー開度、インキ元ローラ回転数などの制御量を算出する制御量計算処理、27はインキキーの制御装置48、インキ元ローラ49などへの制御量指示である。
40は印刷機の版胴、41はブランケット胴、42は圧胴、43はインキキー、44はインキ元ローラ、45はインキ呼び出しローラ、46はインキ練りローラ、47は水元ローラ、48はインキキーの開度を制御するインキキー制御装置、49はインキ元ローラの回転数を制御するインキ元ローラ制御装置、50は水元ローラの回転数を制御する水元ローラ制御装置、51は印刷機の制御装置、52は各種演算を行う演算処理装置、53は目標サンプル関係データの記憶装置、54は印刷サンプル15関係のデータの記憶装置、55は印刷サンプル15を計測装置16によって計測した結果得られた分光反射率データ17の記憶部である。
第1のステップ(図1のテンプレートマッチング処理)
最初に本発明の概略を簡単に説明すると、本発明においてはまず第1ステップとして、目標となる印刷物(原稿や校正刷り(OKシート)などの目標サンプル)の所定位置の色調と、実際に印刷した印刷物(印刷サンプル)における前記所定位置に対応する位置の色調とを比較することができるよう、図1に示したフロー図に従い、目標となる印刷物(原稿や校正刷り(OKシート)などの目標サンプルとして上流で作成したCIP3データやCIP4データ10などの製版データ(目標サンプル)と、計測装置から得られた実際の印刷物(印刷サンプル)15の計測データ、すなわち分光反射率データ17とから、テンプレートマッチング技術を適用して位置合わせに必要な情報を得る。
すなわち色調計測のための基準位置を、上流デジタルデータ12などのデジタルデータ(目標サンプル)上の所定位置に定め、その位置に対応する実際に印刷した印刷物(印刷サンプル)における位置を、テンプレートマッチング技術を適用して求めれば、例え用紙サイズにバラツキがあったり、印刷サンプルが位置ズレ(平行移動)を起こしたり回転して計測装置に置かれても、その平行移動量や回転角度を容易に検出でき、それによって位置合わせに必要な情報を容易に得ることができる。
しかしながら、このようにして正確に位置合わせを行っても、厳密には印刷時に発生する印刷紙の部分的な伸び(ファンナウト)や、空間分解能に起因する位置ずれ誤差には対応できない。特に絵柄が急峻に変化しているような場合、画素単位で見ると、誤差が大きく発生している場合がある。そのため本発明においては、前記第1ステップにより、上流デジタルデータ12(目標サンプル)の色調制御する位置に対応する実際に印刷した印刷物(印刷サンプル)の位置を求めたら、第2ステップとして図2に示したフロー図に従い、その位置に対応するインキキー幅分だけ印刷紙搬送方向に選択積分・平均化処理23を行ない、それによって得られた情報から、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)それぞれの(網点)面積率、分光反射率データセット24を作成する。
そして、この目標サンプルとしての上流デジタルデータ1から得られた各色の(網点)面積率、実際に印刷した印刷物(印刷サンプル)とから得られた分光反射率データからなるデータセット24から、第3ステップとして図3に示したフロー図に従い、インキ成分量の計算処理25を行って、それによってインキキー開度、インキ元ローラ回転数などの制御量を算出して(26)インキキー開度とインキ元ローラ回転数とを制御(27)するようにしたのである。
このようにすることにより、様々な誤差要因に対して安定して計測データを取得することができ、また、得られた計測データから、精度良く印刷機におけるインキ供給量を制御できる印刷機における色調制御方法及び装置を提供することが可能となる。
以下、本発明を図面に従って詳細に説明すると、図4はオフセット印刷機における一色分の印刷ユニットと色調制御装置を示したもので、図中40は印刷機の版胴、41はブランケット胴、42は圧胴であり、刷版は版胴40に装着される。そして、制御装置51が指示してインキキー制御装置48が調節したインキキー43の開度、インキ元ローラ44の回転数により供給量が調節され、インキ呼び出しローラ45、インキ練りローラ46を介して版胴40上の刷版に供給されたインキが、ブランケット胴41に転写されて圧胴42との間を走行する印刷用紙に転写される。
そして印刷物の色調は、制御装置51が指示するインキキー制御装置48によって制御されるインキキー43の開度、インキ元ローラ制御装置49によって制御されるインキ元ローラ44の回転数、水元ローラ制御装置50によって制御される水元ローラ47の回転量、及び往復ローラの揺動制御などによって調節される。
なお、この図4に示した印刷ユニットは、前記したように一色分であり、カラー印刷においてはこの印刷ユニットが印刷に使用する色数分用意され、インキキー制御装置48、インキ元ローラ制御装置49、水元ローラ制御装置50がそれぞれのユニットに対応して設けられる。なお、この図4に示した例では色調制御装置を印刷機に組み込んだ場合を示したが、制御装置51、演算処理装置52、目標サンプル関係データの記憶装置53、印刷サンプル関係データの記憶装置54などを色調制御装置として独立した装置としたり、色調計測装置に組み込んだりしても良いことは明らかである。
図1は、本発明になる印刷機における色調制御方法の第1ステップとしての、上流で作成したデジタルデータ(目標サンプル)12と実際の印刷物(印刷サンプル)15における計測位置の位置合わせを行うためのフロー図であり、前記したように、テンプレートマッチング技術を適用し、ラインセンサで走査する計測機や2次元カメラなどの計測装置から得られた計測データの印刷紙の蛇行等による誤差、用紙サイズによる誤差、ファンナウトと呼ばれる印刷機における印刷時のテンションに起因する紙の伸びなどによる誤差など、種々の誤差にオペレータの作業性を落とさずに対応できるようにしたものである。
図中10は、上流の製版部門などから得られるCIP3やCIP4などの製版データであり、このデータ中には、例えば空間分解能0.5×0.5mm程度の網点面積率情報が含まれている。そして、次の11で図4に51で示した制御装置は、このCIP3データまたはCIP4データ10を解釈して印刷物におけるシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)それぞれの画像データである上流デジタルデータ12を作成し、目標サンプル関係データの記憶装置53の上流デジタルデータ記憶部12に記憶する。そしてさらに次の13で制御装置51は、この上流デジタルデータ12における網点面積率データを用いて、演算処理装置52により一般的に知られているノイゲバウアの式やマトリクス行列等によって変換処理し、テンプレートマッチングを行うためのテンプレート画像14を近似画像として生成して、図4の目標サンプル関係データの記憶装置53におけるテンプレート画像記憶部14に記憶する。
一方、実際に印刷機によって印刷した印刷サンプル15は、例えば前記したようなラインセンサで走査する計測機や2次元カメラなどを使用し、例えば空間分解能が0.5×0.4mmで、波長が380〜860nmまでの分光反射率が計測できる計測装置に載置し、16で計測して、17に示したように各波長毎の分光反射率データを得る。そして図4の制御装置51は、この分光反射率データを、目標サンプル関係データの記憶装置53における分光反射率データ記憶部55に記憶する。
すると次に図1の18で制御装置51は、この分光反射率データ記憶部55に記憶した分光反射率データから単波長抽出データ18を抽出する。すなわち、この分光反射率データから、ある特定の波長光の反射率データのみを抽出するわけであり、19でそのデータをテンプレート画像14の解像度と合わせるための解像度変換処理をし、20で示したマッチング画像を生成する。なお、テンプレートマッチング処理をカラーで行う場合は、計測データに適正なRGBフィルタを適用し、カラー画像を生成して行うようにしても良い。
このようにしてテンプレート画像14、マッチング画像20が得られたら制御装置51は、これら両者の画像がちょうど一致する位置を、演算処理装置52を用いて一般的に行われているテンプレートマッチング処理21により算出し、その算出結果に基づき、印刷サンプル15における座標を、製版データにおける色調計測のための基準位置と対応するよう座標変換するための座標変換情報22とする。
第2ステップ(選択積分・平均化処理による(網点)面積率、分光反射率データセットの作成)
そして、次に図2に示したようにこの座標変換情報22を用いて制御装置51は、図1における上流デジタルデータ12と分光反射率データ17における同一位置の色調を比較するわけであるが、これは前記したように、位置合わせだけ正確に行っても、厳密には印刷時に発生する印刷紙の部分的な伸び(ファンナウト)や空間分解能に起因する位置ずれ誤差、及び、絵柄が急峻に変化しているような場合における画素単位の誤差がある。そのため本発明においては、上流デジタルデータ12など(目標サンプル)の色調制御する位置に対応する実際に印刷した印刷物(印刷サンプル15)の位置を求めたら、その位置に対応するインキキー幅分だけ、演算処理装置52によって印刷紙搬送方向に選択積分・平均化処理23を行ない、それによって得られた情報から、上流デジタルデータ12と印刷サンプル15のそれぞれのシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)の上流デジタルデータ12より(網点)面積率データと、印刷サンプル15よりの分光反射率データからなるデータセット24、24、24、24を作成する。
すなわち、印刷機の色調制御は主にインキキー開度を制御することにより行われるので、例えばインキキーの幅である35mmの間隔でしか制御することができない。従って、この35mmの幅の単位で選択積分・平均化処理することにより、積分効果によって誤差を少なくすることができ、用紙サイズのバラツキ要因は排除される。また、上流デジタルデータ12の幅方向におけるセンター位置を、印刷機の有効印刷幅における中心と定義すれば、印刷機のインキキー位置との対応も容易となる。
しかしながらこの積分は、単純に積分した場合、絵柄によってはインキキー制御に対するS/Nを悪化させる場合がある。例えば、菊判用紙939×636mmを使用し、この用紙内のあるインキキー位置において、10×10mmのエリアに面積率100%で制御を行うインキが印刷されている場合、単純に選択積分・平均化を行うと、該当インキの平均面積率は、(10×10)/(636×35)×100=0.45%となり、積分・平均化されたデータは、該当インキとは無関係なデータで占められてS/Nが極端に低下する。
第2Bステップ(面積率が一定面積率以上ある絵柄を選択して積分して面積率、分光反射率データセットの作成)
そのためこういった間題に対しては、上流から得られるデジタルデータ12により、(網点)面積率が一定面積率以上あるポイントを選択して積分すれば回避することができる。この閾値としては、(網点)面積率約25%以上とすることが望ましい。閾値を高くすると絵柄ポイントにおいて安定したデータが取得できるが、絵柄によっては積分箇所が非常に少なくなる場合があり、十分な積分効果を得られない。これを加味すると、制御的にも十分可能な(網点)面積率25%程度が妥当な値となる。
そのため制御装置51は、先ず、目標サンプル関係データの記憶装置53の上流デジタルデータ記憶部12における、インキキー位置毎の印刷紙搬送方向データを演算処理装置52によって調べ、該当(網点)面積率が25%以上である位置の面積率データを各色毎に演算処理装置52によって選択積分・平均化する。また、上記位置に対応した印刷サンプル関係データの記憶装置54における面積率、分光反射率データ記憶部55に記憶された面積率、分光反射率データを、前記図1における21のテンプレートマッチング処理により得られた位置合わせ情報を用いて抽出し、選択積分・平均化する。
このようにすることにより、テンプレートマッチング処理12による位置合わせと、選択積分・平均化処理23とによる効果により、位置ずれに起因する誤差にロバストな制御量を計算するためのデータセット、つまり平均化された(網点)面積率と分光反射率データを取得することができ、この図1、図2に示した処理を、上流デジタルデータ12と印刷サンプル15における各インキキー位置の色調制御を行う各色別に実施することにより、例えばプロセス4色を使用し、各印刷ユニットのインキキーが30個使用されている場合、シアン(C)のデータセット24が30個、マゼンタ(M)のデータセット24が30個、イエロー(Y)のデータセット24が30個、ブラック(K)のデータセット24が30個で合計120個用意され、それが上流デジタルデータ12の場合は、目標サンプル関係データの記憶装置53における目標面積率分光反射率データセット記憶部24に記憶され、印刷サンプル15における分光反射率データ17の場合は、印刷サンプル関係データの記憶装置54における分光反射率データセット記憶部24に記憶される。
また、絵柄の色調をコントロールするにあたり、目標色が印刷機で完全に再現できる場合は問題無いが、例えば、目標の印刷サンプルと現状の印刷機におけるドットゲイン特性が異なっている場合、絵柄内の全ての色が一致するとは限らない。このような場合、絵柄によりベタ部を重点的に合わせたい場合や中間調部を中心に色合わせを行いたい場合、任意の色を重点的に合わせたい場合等が発生する。
そのため本発明の方法では、上流デジタルデータ12を調べて選択積分・平均化処理23を行う際、重みを付けることによってこれらの課題も解決することができる。例えば重点的に合わせたいCMYK面積率と、積分されるポイントのCMYK面積率との差、例えば、CMYK面積率におけるユークリッド距離を関数とした重み付けを、選択積分・平均化処理23の時に行うことにより、重みの高い絵柄部の感度は高くなり、任意の色を中心に色調をコントロールすることができる。
第3ステップ(前記網点面積率データと分光反射率データ)に基づく計算処理で、インクキー巾毎のインキ成分量を比較し、インクキー巾毎の各インキの過不足を求めインキキー開度制御とインキ元ローラ回転数制御を行う。)
そして、このようにして例えばシアン(C)のデータセット24が30個、マゼンタ(M)のデータセット24が30個、イエロー(Y)のデータセット24が30個、ブラック(K)の(上流デジタルデータ12よりの網点面積率データと、印刷サンプル15よりの分光反射率データの)データセット24が算出されたら、次に、図3のフロー図に従ってインキの過不足を計算する。
今例えば、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)それぞれの面積率がSc、Sm、Sy、Sk(%)の混色網点を考えると、これは、各単色網点を重ねあわせたものと考えられ、各単色の反射率を濃度に変換し、それを加算すると混色網点の濃度値となる。
そのため、面積率Sにおける基準となる単色網点濃度を予め定義しておき、実際の混色網点においてどの位のインキが存在しているのかを示すインキ成分量tを乗算し、これを混色網点における各単色網点濃度と考えると、基準となる単色濃度と同量のインキが混色網点に存在しているのであれば、インキ成分量tはt=1となる。
そこでこれを各波長に展開し、Dc(λ)、Dm(λ)、Dy(λ)、Dk(λ)をシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)それぞれにおける基準となる単色網点分光濃度、tc、tm、ty、tkをシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)それぞれにおけるインキ成分量とすると、混色の分光濃度D(λ)は次の(1)式となる。
Figure 2008173984
そのため、前記インキキー毎に得られた選択積分・平均化されたデータセット(平均化された(上流デジタルデータよりの網点面積率データと、印刷サンプルよりの分光反射率データ)24を用い、制御装置51はインキ成分量計算処理25において、演算処理装置52で分光反射率を分光濃度に変換し、平均面積率から基準となる単色の分光網濃度Dc(λ)、Dm(λ)、Dy(λ)、Dk(λ)を決定して(1)式に代入する。そして、本式を用いて重回帰計算を行うことにより、混色網点におけるインキ成分量tc、tm、ty、tkを導出することができる。
そして、制御装置51は演算処理装置52を用いて目標となるデータセット24(図3においては、シアン(C)のデータセット241−Oのみを示す)と印刷機の現状のデータセット24(図3においては、シアン(C)のデータセット241−Sのみを示す)において同様の計算をおこない、図3の制御量計算処理26で、インキ成分量を比較し、各インキの過不足を求める。すなわち、ttargetを目標のインキ成分量、tnowを現状のインキ成分量とした場合、
target/tnow=n …… (2)
においてn>1の場合、そのインキは不足しており、n<1の場合、そのインキは過剰であると判断できる。また、(2)式は比で表されているから、現状のインキ供給量に対してあと何%供給量を変える必要があるのかが正確に判断でき、インキキー制御量指示27がインキキー制御装置48、インキ元ローラ制御装置49に送られるから、応答性の速いフイードック制御が可能となる。
例えば、現状のインキキー開度が100μmであったと仮定し、インキ成分量が10%過剰であったとすると、100μm×0.1=10μmだけインキキー開度を狭くするようフイードバック制御することにより、目標のインキ成分量に近づけることができる。勿論、上記フイードバック制御量を計算するにあたり、ゲイン調整用の係数や過去に計測されたデータや印刷枚数を用いた学習フイードバック制御を用いれば、より精度を向上させることができる。
なお、(1)式の計算をより簡便に行うには、Dc(λ)、Dm(λ)、Dy(λ)、Dk(λ)として、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)それぞれのベタにおける単色網点分光濃度を用いても良く、これは、単色網点の分光濃度は、単色ベタ部の分光濃度との乗算で近似できるからである。また、以上の説明では、分光計測データを用いる例を示したが、これはシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)4色の色調制御を行う場合、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の吸収波長帯と、ブラック(K)用として望ましくは赤外波長帯の最低4波長あれば実施可能である。
さらに以上の説明では、面積率データの演算処理装置52による選択積分・平均化処理に当たり、インキキー位置毎の印刷紙搬送方向データを演算処理装置52によって調べ、該当(網点)面積率が25%以上ある位置の面積率データを選択積分・平均化するように説明したが、簡略化するため、上流から得られるデジタルデータ12そのものの(網点)面積率が一定面積率以上有る場合に上記処理を行うようにしても良い。
また、以上の説明では選択積分・平均化処理23を、インキキーの幅毎に印刷紙搬送方向に行ってインキの量を調節する旨説明してきたが、積分方向を90度曲げてインキキー43の幅方向に積分してゆくと、インキキーの並んでいる方向のムラが均された値が出てくる。印刷機においては、水元ローラ47の回転によって供給される水分量が不足すると、インキが付いてはいけない所にインキが付着してしまい、網点と網点の間の本来白い部分にインキが染み出し、汚れて色が濃くなる部分が生じる。そのため、インキキー43の幅方向に積分した値が、印刷紙搬送方向で差がある場合、濃くなっている部分は水元ローラによる水付け量が不足し、汚れている可能性がある。そのため、インキキー43の幅方向に積分し、その積分値に変動が生じた場合、外部に警告し、水元ローラの回転量、及び往復ローラの揺動制御をチェックするよう促すようにしても良い。
以上種々述べてきたように本発明によれば、そしてこの色調制御方法を実施するに当たり、前記目標となる印刷物としての製版データにおける色調制御する所定位置と、前記実際に印刷した印刷物における前記所定位置に対応する位置との対応を、テンプレートマッチング処理によって行うことにより、計測装置への印刷物の置き位置による誤差、印刷紙の蛇行等による誤差、用紙サイズによる誤差などの誤差要因があっても正確に製版データと実際に印刷した印刷物における所定位置を対応づけることができ、計測装置へ印刷物を誤差無く置くようにするため、印刷オペレータが慎重に作業を行うといった作業性の悪化を招いたり、印刷物の置き位置にずれによる計測不良といった事故を防止することができる。
上流で作成した製版データをから前記目標となる印刷物における網点面積率を算出し、該算出した網点面積率が所定の閾値以上有る前記製版網点面積率データと前記実際に印刷した印刷物の分光反射率データを、前記インキキー幅分の印刷紙搬送方向で積分・平均化処理し、該積分・平均化処理により得られた網点面積率と分光反射率とから、前記印刷機におけるインキキー開度やインキ元ローラの回転数などの制御量を算出して色調を制御することにより、印刷時に発生する印刷紙の部分的な伸び(ファンナウト)や、空間分解能に起因する位置ずれ誤差、さらに絵柄が急峻に変化しているような場合、画素単位で見ると、誤差が大きく発生している場合があるが、こういった誤差要因に対して安定して計測データを取得することができ、それによって、精度良く印刷機におけるインキ供給量を制御できる印刷機における色調制御方法及び装置を提供することができる。
また、算出したインキキーの幅毎の積分・平均化処理結果に、網点面積率に応じて重み付けをおこなうことにより、所定位置の色調を重点的に合わせたい場合にも対応できる。
さらに、上流で作成した製版データから前記目標となる印刷物における網点面積率を算出し、該算出した網点面積率が所定の閾値以上有る前記網点面積率データと前記実際に印刷した印刷物の分光反射率データを印刷紙搬送方向に一定の幅で前記インキキーの配列方向に積分・平均化処理し、該積分・平均化処理による前記インキ成分量が予め設定した閾値に対して変動したとき、水元ローラの回転量、及び往復ローラの揺動を制御すること、または水元ローラの回転量、及び往復ローラの揺動をチェックするよう外部にアラームを発することにより、インキ量だけでなく、水元ローラによる色調不良にも対応することができる。
本発明によれば印刷物の色調制御をするに当たり、様々な誤差要因に対して安定して計測データを取得することができ、また、得られた計測データから、精度良く印刷機におけるインキ供給量を制御できるから、常に良好に色調制御された印刷物を生産することができる。
本発明になる印刷機における色調制御方法による上流で作成したデジタルデータと、実際の印刷物における計測位置の位置合わせを行うためのフロー図である。 位置合わせされた上流デジタルデータと実際の印刷物におけるインキキー毎の積分・平均化処理の処理フロー図である。 得られた上流デジタルデータ(目標サンプル)と実際の印刷物(抜き取りサンプル)とにおける分光反射率データからインキキーの制御量を算出するフロー図である。 本発明になる印刷機における色調制御装置の1実施例のブロック図である。
符号の説明
12 上流デジタルデータ
17 分光反射率データ
22 座標変換情報
24 面積率、分光反射率データセット
24 シアン(C)面積率、分光反射率データセット
24 マゼンタ(M)面積率、分光反射率データセット
24 イエロー(Y)面積率、分光反射率データセット
24 ブラック(K)面積率、分光反射率データセット

Claims (3)

  1. 目標となる印刷物における所定位置の色調と、実際に印刷した印刷物における前記所定位置に対応する位置の色調とから、印刷機におけるインキキー開度とインキ元ローラの回転数の制御量を算出して色調を制御する印刷機における色調制御方法であって、
    前記目標となる印刷物としての、上流で作成した製版データにおける色調計測のための基準位置と、前記実際に印刷した印刷物の印刷サンプルにおける前記基準位置と対応する座標位置を得るために、前記製版データから得られる1つ以上のテンプレート画像と、前記実際に印刷した印刷物の計測結果から1つ以上のマッチング画像をそれぞれ生成し、前記テンプレート画像とマッチング画像を用いてテンプレートマッチング処理を行って基準位置と対応するよう印刷サンプルにおける座標を変換する座標変換情報を得る第1のステップと、
    前記目標となる印刷物としての製版データ網点面積率を算出し、該算出した網点面積率が所定の閾値以上有る前記製版網点面積率データと前記実際に印刷した印刷物の分光反射率データを、前記インキキー幅分の印刷紙搬送方向で積分・平均化処理し、該積分・平均化処理により得られた網点面積率と分光反射率をもとめる第2のステップと、
    上流デジタルデータよりの網点面積率データと、印刷サンプルよりの分光反射率データを用いて、インキ成分量計算処理において、インクキー巾毎のインキ成分量を求め、該インキ成分量から、インクキー巾毎の各インキの過不足を求めインキキー開度制御とインキ元ローラ回転数制御を行う第3のステップをそなえ、
    前記第2のステップで積分・平均化処理を行う際、前記網点面積率に応じて重み付けを行うことにより、重みを付けることによって、重みの高い絵柄部の感度は高くなり、任意の色を中心に色調をコントロールすることを特徴とする印刷機における色調制御方法。
  2. 前記第3のステップにおいて予め所定面積率における単色網点濃度を定義し、Dc(λ)、Dm(λ)、Dy(λ)、Dk(λ)をシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)それぞれにおける基準となる単色網点分光濃度、tc、tm、ty、tkをシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)それぞれにおけるインキ成分量、D(λ)を混色の分光濃度としたとき、前記積分・平均化処理により得られた網点面積率と分光反射率とから次式を用いて重回帰計算を行い、インキ成分量tc、tm、ty、tkを算出して前記印刷機におけるインキキー開度やインキ元ローラの回転数などの制御量を算出することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載した印刷機における色調制御方法。
    Figure 2008173984
  3. 目標となる印刷物における所定位置の色調と、実際に印刷した印刷物における前記所定位置に対応する位置の色調とから、印刷機におけるインキキー開度とインキ元ローラの回転数の制御量を算出して、該制御量に基づいて夫々印刷機のインキキー開度と、印刷機のインキ元ローラ回転数を制御する色調制御装置において、
    前記制御装置は、
    前記目標となる印刷物としての、上流で作成した製版データにおける色調計測のための基準位置と、前記実際に印刷した印刷物の印刷サンプルにおける前記基準位置と対応する座標位置を得るために、前記製版データから得られる1つ以上のテンプレート画像と、前記実際に印刷した印刷物の計測結果から1つ以上のマッチング画像をそれぞれ生成し、前記テンプレート画像とマッチング画像を用いてテンプレートマッチング処理を行って基準位置と対応するよう印刷サンプルにおける座標を変換する座標変換情報を得る第1の制御手段と、
    前記目標となる印刷物としての製版データ網点面積率を算出し、該算出した網点面積率が所定の閾値以上有る前記製版網点面積率データと前記実際に印刷した印刷物の分光反射率データを、前記インキキー幅分の印刷紙搬送方向で積分・平均化処理し、該積分・平均化処理により得られた網点面積率と分光反射率をもとめる第2の制御手段と、
    上流デジタルデータよりの網点面積率データと、印刷サンプルよりの分光反射率データを用いて、インキ成分量計算処理において、インクキー巾毎のインキ成分量を求め、該インキ成分量から、インクキー巾毎の各インキの過不足を求めインキキー開度制御とインキ元ローラ回転数制御を行う第3の制御手段をそなえ、
    前記第2の制御手段で積分・平均化処理を行う際、前記網点面積率に応じて重み付けを行うことにより、重みを付けることによって、重みの高い絵柄部の感度は高くなり、任意の色を中心に色調をコントロールすることを特徴とする印刷機における色調制御装置。
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