JP2008173624A - 霧化装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】液位維持壁21が水位WFを維持する。表面張力により振動部12の先端面12Fに水が導かれ、振動部12の振動により霧化された開口部30−1によって選択的に分級されて容器20の外部に排出される。好ましくは、表面張力補助部材が振動部12と協働して振動部12の先端面12Fへの水の補給を向上させる。
【選択図】図1(C)
Description
図12は振動子を用いて超音波により水から霧を発生させる(霧化する)一例としての方法を図解した図である。
圧電振動子10は、圧電素子11と、振動部12と、固定部(または基部)13とを有する。圧電素子11と振動部12とは固定部(または基部)13を介して接続されている。
振動部12は、図解の例示において、断面が湾曲している湾曲部12Aと、断面が平坦な円柱状部12Bとを有する。円柱状部12Bの先端面12FをY方向から見たとき、前記円柱状部12Bの形状は断面積が一定の円であり、湾曲部12Aの断面形状は固定部13から円柱状部12Bに向かって断面積が減少する円である。
圧電素子11は、例えば、PZTであり、圧電素子11に励起電圧が印加されると矢印A1で示した方向に振動子の固有振動数で振動部12を伸縮振動させる。
さらに水供給用綿150の磨耗および/または変形が進んで円柱状部12Bと水供給用綿150の接触が完全に無くなると水供給用綿150による円柱状部12Bの先端面12Fへの給水が停止し、霧化による霧の発生が停止する。
以上から、水供給用綿150の磨耗および/または変形に応じた適切なタイミングで水供給用綿150を交換する必要がある。
また、安定して希望する大きさの霧を噴霧可能な超音波霧化装置を提供することが要望されている。
また好ましくは、前記液位維持壁は、前記圧電振動子が配設されている前記容器の壁と対向する位置に設けられ、前記液位維持壁の先端を、前記容器内の液体が表面張力によって前記圧電振動子の振動部の先端面に付着するように前記容器内の液位を維持する位置に配置した。
また好ましくは、前記容器に収容される液体は水を含む液体であり、前記励起回路における間欠的に励起する周期は60Hz〜200Hzである。
さらに好ましくは、前記間欠励起回路は、前記圧電素子の励起を開始するときバースト状のパルス信号が前記圧電素子に印加するように構成されている。
また好ましくは、前記振動部の先端面に液体を補給するようにした。
さらに好ましくは、前記振動部の軸線が、前記容器内の液体液面に対して非平行となるように前記圧電素子を配置した。
前記緩衝部材は、好ましくは、弾性材料で製造される。
また本発明の霧化装置は、保守・交換部材がないので、霧化装置の周囲に部品交換を見込んだスペースを必要とせず、任意の位置に配設することができる。
本発明の霧化装置は構成が簡単である。
本発明の霧化装置は小型に製造できる。
さらに本発明によれば、所望の寸法(粒子径)の霧を発生させることができる。
図1(A)を主体に参照して本発明の霧化装置の第1実施の形態について述べるが、便宜上構成説明の一部に図1(E)を参照する。
図1(A)は本発明の霧化装置における霧化原理を説明するための第1実施の形態の霧化装置1の部分断面図である。
霧化装置1は、圧電振動子10と、水位WFを規定する正面壁20−1の上端部20aとを有する。ここで、正面壁20−1の上端部20aは、本発明の霧化装置における液位維持壁の先端の一例である。
圧電振動子10は、例えば、図1(E)に図解したように、圧電素子11と、振動部12と、固定部(または基部)13とを有する。圧電素子11は、例えば、PZTである。
圧電振動子10の振動部12は、図1(E)の図解の例示では、固定部13から離れるにつれて直径が小さくなるように湾曲した形状の円柱(円錐台形状)として構成されており、先端面12Fは平坦に形成されているが、図1(A)においては、同一径の円柱形状を例に説明する。
圧電振動子10は、裏面壁20−2を基準として、圧電素子11と固定部13とが容器20の外部に位置し、振動部12の一部が容器20の内部に位置するように、裏面壁20−2に固定されている。圧電振動子10の固定部13は、圧電振動子10を裏面壁20−2に固定する部分である。
振動部12の先端面12Fは、その表面に水Wの表面張力によって水Wが導かれるように、例えば、平坦に形成されている。
図1(A)の図解において、容器20内に収容された霧化の対象となる液体、例えば、水Wは、正面壁20−1の上端部20aにおいて表面張力によって盛り上がり、振動部12の先端面12Fの下端に接した水Wは、振動部12の先端面12Fの平坦な表面を表面張力によってはい上がる。これにより振動部12の先端面12Fには霧化の対象となる水Wが供給される。
このように、正面壁20−1の上端部20aの位置と、振動部12の先端面12Fとの位置を、水Wが振動部12の先端面12Fの平坦な表面に供給される(付着する)水位WFを維持するように選択(調整)すると、例えば、図12に図解した毛細管現象を利用した水供給用綿150を用いずに、霧化の対象となる水Wを振動部12の先端面12Fの面に供給することができ、また供給された水Wが過剰であっても、正面壁20−1の上端部20aから溢れて適正な水位WFを維持することができる。
このように、正面壁20−1の上端部20aは、簡単な構成であるが、表面張力によって水Wを振動部12の先端面12Fに供給するための水位WFを維持する手段として機能する。
振動部12の振動により、振動部12の先端面12Fに導かれた水Wが霧化されて矢印方向Aに飛ばされる。霧化発生を連続的に行うことにより、発生された霧を連続的に霧排出開口部30−1から容器20の外部に放出することができる。
図2は霧化対象液体を水Wとした場合の、振動部12における先端面12Fに付着する水滴の粒子径と、霧化される量の累積体積との関係を示すグラフである。
振動子10の振動条件、能力、性能および周辺の湿度などにも依存するが、通常、表面張力によって振動部12の先端面12Fに付着した10〜20μm程度の粒子径(直径)の水の粒(水滴)が一番霧化されやすい。そのような霧は、図1(A)に矢印の方向Aで示した、振動部12の中心の前方方向に向かって多く進む。
振動部12の先端面12Fにおいて霧化される霧の大きさは種々であるが、その詳細は後述する。
本実施の形態においては、例えば、図12に例示した水供給用綿150のような振動部12に水Wを提供するため振動部12と接触し振動部12の高速な振動による磨耗および/または劣化する部材を用いていないので、そのような部材の交換作業が不要となり、基本的に保守作業のほとんど要らないメンテナンス・フリーの霧化装置を提供できる。
さらに上述した霧化装置においては、例えば、水供給用綿150の交換作業のためのスペースが不要であり、霧化装置を小型に構成できる。さらに、例えば、水供給用綿150の交換作業のためのスペースのための、霧化装置1の周囲のスペースを確保する必要がない。このことは、霧化装置1を設置するには設置場所の制約を受けることが少ないという利点を有する。
本発明の第1実施の形態の霧化装置において霧化される対象の液体は上述した水Wに限らない。本実施の形態において霧を発生させる対象の液体としては、表面張力によって振動部12の先端面12Fに付着し、振動部12の振動によって霧になる、各種の液体、例えば、水、または、香料が含まれる水、化粧水などの液体、液体薬品、液体肥料、液体塗料などの他に、油、ガソリンなどの燃焼系液体などもが対象となる。
他方、香料を含む水、または、肌あれ防止用などの化粧水から霧を発生させると、霧化装置1を、香料を含む霧、または、化粧水の霧を発生させる霧化装置として使用することができる。
また、本実施の形態の霧化装置1として、液体塗料を霧化して霧化塗料を提供することができる。霧化の対象とする液体として、ガソリンなどの燃焼系液体を霧化した場合も同様である。
さらに、本実施の形態の霧化装置を、超音波振動により霧を発生させる、種々の装置、例えば、超音波霧化装置、超音波攪拌装置、超音波洗浄器などとして使用することもできる。
図1(B)〜図1(E)を参照して本発明の第2実施の形態について述べる。
第2実施の形態の霧化装置は、図1(A)を参照して述べた本発明の第1実施の形態の霧化原理を適用した霧化装置1Aである。
図1(B)は第2実施の形態の霧化装置1Aの斜視外観図であり、図1(C)は第2実施の形態の霧化装置1Aの内部を図解した断面図である。図1(D)は、図1(C)に図解した霧化装置1Aにおける圧電振動子10と表面張力補助部材50(51、52)の配置を示す正面図である。図1(E)は、図1(D)に図解した圧電振動子10、表面張力補助部材(または水吸引部材)50、および、緩衝部材14の配置を示す霧化装置1の上部から見た断面図である。
第2実施の形態の霧化装置1Aは、箱状の容器20と、圧電振動子10と、水補給部40とを有する構成を基本としている。霧化装置1Aはさらに、圧電振動子10を駆動する励起回路を有する。励起回路については、例えば、図6に図解した励起回路を参照して後述する。また、第1実施の形態と同様の構成要件については同一の符号を付して説明する。
正面壁20−1の上部と上部壁20−5の正面壁20−1近傍の端部とが切り欠きされており、霧化された霧が容器20から放出される霧排出開口部30−1が規定されている。
水補給部40は、例えば、開口部30−1から、容器20内に霧化の対象となる水Wを供給する。
振動部12は、水Wなどの霧化対象の液体と接するので、霧化対象の液体による腐食が少なく、さらに機械的振動に耐えうる材料、例えば、金属、好ましくは、ステンレススチールで形成されることが望ましい。また、振動部12の先端面12Fは、表面張力によって水Wなどの霧化対象の液体が先端面12Fに付着可能なように、平坦に形成されていることが望ましい。
圧電振動子10の励起(駆動)は、励起回路、例えば、図6に図解する励起回路120によって行うことができる。
容器20の裏面壁20−2には凹陥部20−2aが形成さており、この凹陥部20−2aに緩衝部材14を介して、固定部13および振動部12の固定部13の近傍の部分が収容されて固定されている。
裏面壁20−2には振動部12が貫通する孔20−2bが形成されている。孔20−2bは、湾曲した振動部12の外形より幾分大きく形成されており、振動部12が孔20−2bに接触して振動部12の振動特性が変化することを防止するようにしている。
圧電振動子10を裏面壁20−2に固定するときの押圧により緩衝部材14が変形して凹陥部20−2aと固定部13との間の隙間をシールし、振動部12と孔20−2bとの隙間から水Wが容器20の外部に漏洩することを防止する漏洩防止機能(シール性)を持つ。さらに緩衝部材14は、圧電素子11の振動により振動する振動部12の振動を抑制する機能(緩衝機能または振動伝達緩和性)を併せ持つ。緩衝部材14を用いると、振動伝達緩和性により振動部12の振動減衰が抑制されるため、振動部12における振動のロスを減少させ、霧化動作を効率よく行うことができるという効果をも奏する。
液位維持壁21は、図1(A)を参照して述べた正面壁20−1の上端部20aのように、圧電振動子10の振動部12の先端面12Fに霧化のための水Wが表面張力によって適量自動的に提供されるように、容器20内の水位WFを維持する。
液位維持壁21を容器20内に設けることにより、水補給部40から容器20内に水Wが過剰に供給されたとき、液位維持壁21を越えて溢れた水Wは溢水受け部20−7内に止まり、容器20の外部に溢れ出ない。
例えば、液位維持壁21の上端部を、振動部12の先端面12Fの下端部とほぼ同じ高さ、または、多少低い位置にすれば、霧化の対象となる水Wが振動部12の先端面12Fに供給されながら余剰の水Wが排出されるので、必ずしも、容器20を傾斜させる必要はなく、このとき、角度αは90度である。
もし、水補給部40から給水された水Wが過剰な場合、液位維持壁21の上端部から溢れ出るので、水Wの水位WFは振動部12の先端面12Fに表面張力によって霧化に必要な水Wが供給されるように、自動的に維持される。
このような用途例としては、例えば、居室内の加湿に適切である。もし、対象液体に香料、または、香料を含む水を用いれば霧化した香料の散布が可能となる。
また、例えば、本実施の形態の霧化装置1Aをビニルハウスなどの農産物生育空間への適用を考慮した場合、霧化対象の液体に農薬(薬剤または薬物)、肥料、あるいは、農薬などを含む水を用い、霧化した農薬を農産物の消毒などに用いることができる。本実施の形態の霧化装置1Aによる霧化された農薬は、通常の噴霧器による水滴状態の農薬に比較して粒子径が小さく、連続的に噴霧可能という利点を有する。このような農薬を霧化する霧化装置1Aを移動可能にすれば、より広い範囲に霧化した農薬などを散布することが可能となる。
図1(D)、(E)を参照して本発明の第2実施の形態の変形態様を述べる。
第2実施の形態の変形態様の霧化装置(1B)は、振動部12の先端面12Fの周囲に、かつ、先端面12Fの近傍に、第1、第2表面張力補助部材(水吸引部材)51、52を裏面壁20−2に設けたことを特徴とする。第1、第2表面張力補助部材51、52を総称して表面張力補助部材(または水吸引部材)50と呼ぶ。
第1、第2表面張力補助部材51、52は、振動子10の振動部12を挟んで対向する位置に設けられている。第1、第2表面張力補助部材51、52の裏面壁20−2からの高さ(延出寸法)は、裏面壁20−2から、振動部12の先端面12Fとほぼ同程度の高さである。
第1、第2表面張力補助部材51、52は、図1(D)に図解したように、振動部12と協働して振動部12の先端面12Fにおいて水Wなどの霧化対象液体が表面張力によって付着するようにその水位WFを維持する保水機能を示す。換言すれば、第1、第2表面張力補助部材51、52は、振動部12と協働して水Wを保水可能な、振動部12の近傍に対向した位置、および、高さに設けられている。
すなわち、振動部12の軸方向と径方向の二次元方向における表面張力による、振動部12の先端面12Fへの水Wの補給が行われる。その結果、振動部12の先端面12Fへの安定かつ適切な水Wの補給が可能となる。
例えば、地震などによる霧化装置の振動により、あるいは、容器20の傾斜角度αが変化して水位WFと振動部12の先端面12Fとが離間するような事態が発生しても、振動部12と協働する表面張力補助部材50の表面張力に基づく、給水作用および保水作用により、安定して水Wを振動部12の先端面12Fに提供することができる。
表面張力補助部材の形状は、第1図(D)、(E)に例示した、断面が矩形なものに限らず、円形の振動部12を囲むように、振動部12の外径より大きな部分円形(弧)状の形状にすることもできる。このように、表面張力補助部材としては、振動部12の断面形状に応じて水Wを表面張力によって効果的に振動部12の先端面12Fに付着し、はい上がる吸い上げ構造を持つようにすることができる。
図3(A)〜(G)は本発明の第3実施の形態の霧化装置1Cの構成を示す図である。第3実施の形態の霧化装置1Cは、霧化によって発生した霧を分級して放出する霧化装置である。分級とは、発生した種々の粒子径の霧のうち、所望の範囲の大きさの粒子径の霧を区分(分類)することをいう。なお、先の実施の形態と同様の構成要件については同一の符号を付して説明する。
第3実施の形態の霧化装置1Cは、箱状の容器20と、振動子10と、霧の分級を可能とする霧排出・水位維持用開口部30と、水補給部40とを有する。霧化装置1Cはさらに振動子10を駆動する励起回路を有する。励起回路については、例えば、図6を参照して後述する。
第3実施の形態においては、正面壁20−1には、水位WFの維持機能の他に、発生した霧の分級を可能とする霧排出・水位維持用開口部30が設けられている。
裏面壁20−2の正面壁20−1の霧排出・水位維持用開口部30が設けられた位置と対向する位置に圧電振動子10が固定されている。
水補給部40によって容器20に水Wを補給する方法としては、例えば、上部壁20−5に図示しない開口部が設けられており、その開口部を介して水補給部40が容器20内に水を落下させる構成、あるいは、水補給部40から容器20の水中に延びるチューブを接続し、チューブを介して水補給部40から容器20内に水を補給する構成とすることもできる。
水補給部40による容器20への水Wの補給は、必ずしも、正確である必要はなく、多少余剰であってもよい。その理由は、本実施の形態においては、霧排出・水位維持用開口部30を介して余剰の水が溢れ出ることにより、容器20内の水位WFが維持されるからである。この水位WFの維持は、容器20を傾斜させるなどして、霧排出・水位維持用開口部30の底部30aの位置を調整することにより、最適な状態に調節可能である。
上述した水補給部40による水Wの補給(給水)方法は、第2実施の形態についても適用できる。
容器20の正面壁20−1の霧排出・水位維持用開口部30の周囲は、霧の発生状態の目視、水の補給状態および/または水位WFの確認のために、透明または準(半)透明にすることができる。その場合、透明アクリル材、透明ガラスなどで霧排出・水位維持用開口部30の周囲を形成することができる。もちろん、霧排出・水位維持用開口部30の周囲が透明または準(半)透明であることが必須ではない。
正面壁20−1の霧排出・水位維持用開口部30の周囲を除く部分の素材は任意である。
上述した容器20の材質などについて、第2実施の形態の霧化装置についても適用できる。
第3実施の形態における圧電振動子10は、図3(E)に図解したように、圧電素子11と、固定部(または基部)13と、固定部13と同じ径を有する大径部12aと、この大径部12aに一体構成された断面が矩形の矩形部12bとからなる振動部12とを有する。すなわち、第3実施の形態の圧電振動子10の振動部12の矩形部12bの先端面12Fは、図3(C)に図解したように、正面から見た形状が矩形である。
裏面壁20−2には振動部12の矩形部12bが挿入される孔20−2bが形成され、裏面壁20−2の外側に固定部13および大径部12aを収容して圧電振動子10を固定する圧電振動子取り付け部20−2xが形成されている。
緩衝部材14を裏面壁20−2に形成された孔20−2hに嵌め込み、孔20−2bに振動部12の矩形部12bを挿入させ、振動部12の大径部12aおよび圧電振動子10を圧電振動子取り付け部20−2xに挿入する。そして、圧電振動子10を裏面壁20−2側に押圧して緩衝部材14を変形させた状態で大径部12aを、例えば、接着剤、また、ろうづけ、あるいは、ネジ止めして圧電振動子取り付け部20−2xに固定する。
以上により、振動部12の矩形部12bが容器20の水Wが収容される内側に臨む。
図解の例示では、孔20−2bは振動部12の矩形部12bより大きく形成されており、振動部12が孔20−2bに接触して振動部12の振動特性が変化されることはない。
緩衝部材14は押圧により変形して、圧電振動子取り付け部20−2xと振動部12との間に水Wが漏洩する隙間を作らないか、水Wが孔20−2bから容器20の外部に漏洩しない。
緩衝部材14はこのように、容器20内の水Wが容器20の外部に漏洩することを防止する漏洩防止する機能(シール性)を持つとともに、圧電素子11の振動により振動する振動部12の振動を吸収して抑制する機能(緩衝機能または振動伝達緩和性)を併せ持つ。緩衝部材14の振動伝達緩和性により振動部12の振動減衰が抑制されるため、振動部12における振動のロスを減少させ、霧化動作を効率よく行うことができるという効果をも奏する。
圧電振動子10と対向する位置に位置する霧排出・水位維持用開口部30は、図3(A)に図解した例示では、短辺の長さ(高さ)h、長辺(幅)wの横長の矩形として正面壁20−1に形成されている。
霧排出・水位維持用開口部30は、図3(B)に図解したように、表面張力によって振動部12の先端面12Fに霧化のための水Wを供給するため容器20内の水位WFを維持する機能と、圧電振動子10の振動部12の先端面12Fによって発生した霧が容器20の外部に放出(排出)されるときの、所定範囲の粒子径の霧のみ放出するように、放出される霧の大きさを規制する機能(分級機能)とを有する。
そのため、霧排出・水位維持用開口部30は、振動部12で発生して飛ぶ霧の飛散方向の位置に応じた正面壁20−1の位置(通常は振動部12の真正面)に配置され、短辺の長さ(高さ)h、長辺(幅)wの矩形の形状をしている。
水補給部40から補給された水Wのうち霧化に使用できない余剰の水Wが霧排出・水位維持用開口部30の底部30aから溢れて容器20から流れ出る。その結果、仮に霧の発生に対して水補給部40から過剰の水が補給された場合でも、容器20内において圧電振動子10の振動部12の先端面12Fの全てが水W中に埋没して、霧の発生が困難になることがないように、水位WFが水平方向Hにおいてほぼ一定に維持される。このように、霧排出・水位維持用開口部30は第1の水位維持機能を有する。
霧排出・水位維持用開口部30から容器20の外部に流れ落ちる水を溜める部分は図示を省略している。
振動子10の振動部12の矩形部12bの先端面12Fは、表面張力によって水Wがはい上がるように平坦に形成されている。
また、先端面12Fの平坦度の調整や一定のR形状にすることで、噴霧量の調整をすることも可能である。
このように、本実施の形態の霧化装置は、水補給部40と霧排出・水位維持用開口部30とを用い、かつ、水Wの表面張力を利用しており、単に、図12を参照して述べた水供給用綿150を水補給部40などで代替したものではない。
例えば、図示しない角度調整機構を設け、ユーザが角度調整機構を用いて容器20の角度αを調整することにより、水位WFの調整、および/または、振動子10の振動部12の先端面12Fへの水の接触状態の調整を可能とし、さらに霧排出・水位維持用開口部30によって発生した霧の粒子径を規制した排出、霧の排出向きを調整することができる。
なお、通常、霧化装置は、底面を水平な面の上に載置して使用するから、図3(B)に破線示した形状を持ち、その底面20−6aが、例えば、テーブルなどの水平面と一致するような構造にすることもできる。
振動部12の振動によって霧化され喪失した水W相当分の先端面12F下部への補充は、霧排出・水位維持用開口部30の水位維持機能によって容器20内の水位WFが維持されている限り、絶えることなく表面張力によって補充される。これにより、振動子10が振動している間、連続的に霧が発生する。なお、容器20内で不足した水Wは水補給部40から補給される。
振動部12の矩形部12bの先端面12Fの下部に付着した水Wが振動部12の振動によって霧化される現象は、図12を参照して述べた現象と同様である。
図2を参照して上述したように、使用する振動子10の振動条件、能力、性能および周辺の湿度などにも依存するが、通常、振動部12の矩形部12bの先端面12Fに表面張力によって付着した10〜20μm程度の粒子径の水滴が一番、霧化されやすい。そのような霧は、図3(F)において振動部12の矩形部12bの中心の前方、すなわち矢印で示した方向Aに向かって多く進む。他方、粒子径の大きな水の粒は、十分霧化されず、水の粒を含んだ霧、または、その粒状態のまま、霧排出・水位維持用開口部30の上辺部30bに向かって飛ぶが、正面壁20−1の上辺部30bに遮られて容器20の外部には飛ばない。水位WFより低い方向に進んだ水の粒、あるいは霧排出・水位維持用開口部30まで到達しなかった水の粒は容器20内の水Wに吸収される。
また、図3(G)に図解したように、霧排出・水位維持用開口部30の左辺部30cおよび右辺部30dについても、容器20から排出する霧における左右方向成分の寸法(粒子径)規制を行う。
このように、霧排出・水位維持用開口部30は、霧化した霧または霧化しない水の粒(水滴)の寸法(粒子径)を規制して容器20の外部に排出する機能(分級機能)を有する。その結果、ある範囲の寸法(粒子径)に特定された品質の高い霧を霧排出・水位維持用開口部30から排出することができる。
図4(A)は分級手段としても機能する霧排出・水位維持用開口部30が設けられた場合の霧の粒度分布を示すグラフである。図4(A)に示す結果は、数μm〜数十μmの粒子径の霧が霧排出・水位維持用開口部30から容器20の外部に排出されていることを示す。
他方、図4(B)は分級手段としても機能する霧排出・水位維持用開口部30が設けらなかった場合の霧の粒度分布を示すグラフである。霧排出・水位維持用開口部30が設けられなかった場合とは、第1、第2実施の形態の霧化装置におけるように、図3(B)における霧排出・水位維持用開口部30の上辺部30bより上の正面壁20−1が除去された場合を意味する。
図4(B)に示す結果は、10μm〜100μmの範囲の比較的大きな粒子径の霧、すなわち、水分を多く含む霧が霧排出・水位維持用開口部30から容器20の外部に排出されたことを示す。
以上から、霧排出・水位維持用開口部30が分級機能(性能)を示すことが理解できる。霧排出・水位維持用開口部30の上辺部30bの位置、換言すれば、霧排出・水位維持用開口部30の高さhの寸法を適宜設定することにより、分級性能を調整することができる。
好ましくは、第3実施の形態の霧化装置1Cはさらに、図3(C)、(D)に図解した、第1および/または第2表面張力補助部材51、52を備える。
振動部12の矩形部12bに隣接して(近傍に)、振動部12の矩形部12bの両側の位置、好ましくは、両側の対称位置に、第1、第2表面張力補助部材51、52とを設けると、振動部12と第1表面張力補助部材51との間、および、第2表面張力補助部材52と振動部12との間に、表面張力で水Wがはい上がってくる。換言すれば、振動部12と第1および第2の表面張力補助部材51、52との間隔は、第1、第2の表面張力補助部材51、52を設けることにより、水Wが表面張力によって振動部12の矩形部12bまではい上がることが可能な距離にする。
振動部12と第1および第2の表面張力補助部材51、52は、はい上がった水Wを保持する保水効果をも奏する。
このように、第1表面張力補助部材51および第2表面張力補助部材52を設けると、振動部12だけの時に比べて、表面張力による矩形部12bの先端面12Fへの水の補充が適正かつ連続的に効率よく行われる。その結果、霧の発生を効果的に行うことができる。
表面張力補助部材の形状は、図解を例示した断面が矩形なものに限らず、円形の振動部12を囲むように、振動部12の外径より大きな部分円形(弧)状の形状にすることもできる。このように、表面張力補助部材としては、振動部12の断面に応じて、水を表面張力によって効果的に振動部12の先端面12Fに付着し、はい上がる吸い上げ構造を持つようにすることができる。
図5(A)〜(D)を参照して霧排出・水位維持用開口部30の好ましい形態、および、好ましい圧電振動子10の形態について述べる。さらに、水補給部40による好ましい補給方法を述べる。
図5(A)は正面図であり、図5(B)はA−A線による断面を上から見た図であり、図5(C)はB−B線による断面を側面から見た図である。
図5(D)は、正面図であり、図5(A)の霧排出・水位維持用開口部30と水補給部40の位置を変更した例である。
図5(A)、(B)には、例示として寸法の具体例を示した。もちろん、このような寸法は例示である。ただし、本実施の形態の霧化装置においては、容器20がこの例示のような寸法、すなわち、小型にも構成できる。なお、先の実施の形態と同様の構成要件については同一の符号を付して説明する。
また、図5(D)に図解されるように、水補給部40と霧排出・水位維持用開口部300を左右対称な位置に配置することで、容器20内の水に流れが生じ、容器内20の水が常に新鮮に保たれる。
霧排出・水位維持用開口部30の形状を如何に設定するかは、霧の発生状況、霧排出・水位維持用開口部30をいかに通過させるかなどの条件に応じて決定する。
矩形の先端面12Fの短辺が水面に接し、そして矩形の長辺(図示の例では、縦方向の辺)が垂直方向になるように配置することにより、より安定した霧化が可能となり、かつ、霧化時間が長くなることが確かめられた。その理由は、縦方向の長さがある程度長いと、表面張力によって振動部12の先端面12Fに供給される水が霧化に必要な分の量だけ、安定して供給されるためと考えられる。
実験した振動部12の先端面12Fの寸法は、縦方向(長辺)の長さ約3mm、横方向(短辺)の長さ約1mmであった。
なお、図3(E)に図解したように、振動部12の矩形部12bの先端面12Fの矩形形状は、矩形の対角線の長さが振動部12の大径部12aの直径より小さいように形成されている。もちろん、振動部12の矩形部12bの先端面12Fは、表面張力で付着した水Wを、所定の時間に所定量、霧化できる面積を持つように形成されている。
振動部12の矩形部12bの先端面12Fの矩形形状は、縦方向:横方向の比率を、例えば、1:0.3(矩形)〜1.0:1.0(正方形)の範囲とする。本明細書における矩形には、正方形をも含む。このように、振動部12の先端面12Fの形状は、正方形でもよい。
このような形状の霧排出・水位維持用開口部30を用いると、矩形の霧排出・水位維持用開口部30を用いた場合に四隅から排出する水滴を含む霧が容器20の外部に排出される可能性を低下することができる。
換言すれば、霧排出・水位維持用開口部30の形状を選択し、その寸法を調節することにより、容器20の外部に排出される霧の分級条件を変化させることができる。
霧排出・水位維持用開口部30の形状を如何に設定するかは、霧の発生状況、霧排出・水位維持用開口部30をいかに通過させるかなどの条件に応じて決定する。
図6を参照して、第1〜第3実施の形態の霧化装置に適用可能な励起回路の1例について述べる。
図6に図解したように、励起回路120は、例えば、バースト回路121と、スイッチ回路122と、昇圧トランス123と、駆動電流検出器124と、分圧器125と、比較器126と、基準電圧発生器127と、電圧制御型発振器(VCO:Voltage Controlled Oscillator))128とを有する。
励起回路120は、負荷に応じて周波数制御が可能な励起回路である。そのため、駆動電流検出器124、分圧器125、比較器126、基準電圧発生器127およびVCO128を用いた負帰還回路を構成している。
ここでいう負荷とは、本実施の形態においては、圧電振動子10の振動部12の先端面12Fに付着する水Wの量などに該当する。
図示しない交流電源がバースト回路121に印加される。
バースト回路121は、図7に例示したように、所定の周期τで間欠的に動作してバースト状のパルス信号を出力する。
バースト回路121の出力信号に応じて、スイッチ回路122がVCO128からの出力信号を昇圧トランス123に出力する。
昇圧トランス123にVCO128からの信号が印加されると、昇圧トランス123はその信号を、圧電素子11を駆動可能な電圧レベルまで昇圧して、圧電素子11に印加する。
それにより圧電素子11が励起されて振動し、圧電素子11の駆動に応じて振動部12が振動する。それにより、振動部12の先端面12Fに付着し、表面張力ではい上がった水Wが霧化される。
励起回路120は、このように、圧電素子11、換言すれば、振動部12の負荷に応じた、圧電素子11に印加される周波数、換言すれば、VCO128の発振周波数の制御を行う。
frは圧電振動子10の共振周波数である。基準電圧発生器27は共振周波数frに対応する基準電圧VrをVCO128に出力する。
曲線CV1は、負荷が基準状態の周波数特性を示し、曲線CV2は負荷が重いときの周波数特性を示し、曲線CV3は負荷が軽いときの周波数特性を示す。
比較器126は基準電圧発生器127からの共振周波数frに対応する基準電圧Vrと分圧器125からの出力信号との差の電圧をVCO128に出力する。
VCO128は、入力電圧に応じた周波数の発振信号を生成し、スイッチ回路122に出力する。
以上から圧電素子11は、振動部12の負荷に応じた、VCO128で発生された発振周波数で励起されることになる。
その理由は、振動部12が連続的に振動すると、その振動により水Wが振動部12の先端面12Fをはい上がるが、振動部12の振動が停止すると、振動部12の先端面12Fにはい上がる水Wの量が低下する。この繰り返しが極短時間で連続して行われることにより、振動部12の先端面12Fに付着する水Wの量が適切に維持されるためである。換言すれば、振動部12の先端面12Fに過剰な水Wが供給されないためである。よって、過剰な水による振動部12の性能低下および/または霧化の不安定さが回避できる。
周期τでバースト状の信号を用いることにより、圧電素子11の立ち上がり時の過渡応答を利用して圧電素子11に印加される電圧が大きくなり、安定に霧化させることができる。すなわち、振動子10の発熱を抑制し、安定して振動子10を動作させることができる。
図9(A)、(B)に実験結果を示す。
実験によれば、図9(A)に図解したように、周期τを60Hz、70Hz、80Hzの時間に相当する時間とした場合、発生する霧の粒度分布が数μm〜100μm程度にガウス分布に類似した分布を示すことが判った。実験した周期τとしては、60〜150Hzにおいて、上記結果が得られることが判った。
他方、図9(B)に図解したように、周期τを50Hz、40Hz、30Hz、10Hzと変化させたとき、発生する霧の粒度分布が一致しなかった。
以上の実験によれば霧の粒度分布が数μm〜100μm程度の範囲で分布させるためには、50〜60Hzの間に臨界周波数があることが判った。基本的に周期τは、60Hz以上であればよい。上限周波数は、実験では150Hzまで行ったが、例えば、200Hz〜300Hz程度までは図9(A)に示した分布と同様の霧の粒度分布を示すことが理解できる。
もちろん、圧電振動子10の特性に応じて上述した周波数は変化する可能性がある。
発生する霧の粒度分布は、上述した霧排出・水位維持用開口部30の分級性能に関連する。
図10を参照して、本発明の第4実施の形態である霧化装置1Dについて述べる。図10は、霧化装置1Dの部分断面図である。
第4実施の形態における霧化装置1Dは、基本構成が第1実施の形態の霧化装置1と圧電振動子10等の傾きを除いては同じ構成となっており、また、霧化原理も同じであるため、ここでは同じ構成要件については同じ符号を付し、相違する部分に異なる符号を付して、その異なる部分を中心に説明する。
霧化装置1Dは、霧化装置1と同様に水位WFを規定する正面壁20−1の上端部20aを有する。ここで、正面壁20−1の上端部20aは、本発明の霧化装置における液位維持壁の先端の一例である。
霧化装置1Dは、その正面壁20−1の上端部20aに、カバー部材20a−1を設けている。このカバー部材20a−1は、正面壁20−1の全幅に亘って設けることが好ましい。また、前記カバー部材20a−1は、フッ素樹脂等の撥水性を有する樹脂を主体とする材料によって形成されており、したがって、このカバー部材20a−1の表面は、非常に液体の切れがよい状態となっている。なお、撥水性とは、水Wを弾くことで、水が浸透しない性質を意味する。
かかるカバー部材20a−1に代えて、前記正面壁20−1の上端部20aに、撥水性の表面処理として、撥水性塗料を塗布する構成あるいは、撥水性の表面処理加工を施すこともできる。
前記撥水性塗料としては、一例としてアクリル樹脂塗料等が掲げられるが、その他周知の範囲で選択することができる。また、撥水性表面処理加工についても、周知の範囲で選択することができる。
また、水W表面張力が復活した場合であっても、一旦水Wで表面が濡れた関係から、表面張力が形成される位置が、例えば実線の水位WFで示す正面壁20−1の内面角部から破線の変動水位WF1で示すように正面壁20−1の外面角部に変化し、その結果、些細な振動によっても水Wが正面壁20−1から溢れ出てしまい、水位WFが不安定となり、これに伴って生成される霧も不安定となる。
しかしながら、上述の如く正面壁20−1の上端部20aに、撥水性の表面処理あるいは撥水性を有する表面部材(カバー部材20a−1)を設けることにより、前記カバー部材20a−1の撥水作用によって水Wの表面張力作用が大きくなり、その結果、水Wが溢れない程度の微小な振動によって水位WFが変動しても、水Wの表面張力作用による振動部12への付着の継続が行われ易く、また、大きな振動に伴って正面壁20−1から水Wが溢れる事態が生じても、水切りを速やかに行い、表面張力作用を速やかに復活させることができる。その結果、水Wの表面張力作用による振動部12への付着が速やかに復活される。そして、表面張力が形成される位置は、正面壁20−1の内面角部で安定するため、水位WFが安定することに伴って霧の生成も安定する。
このように、上述の如く撥水構造を具備することにより、一層振動部12からの霧化作用を安定させることができ、霧化装置の信頼性を高めることができる。
図11(A)、(B)を参照して、本発明の第5実施の形態である霧化装置1Eについて述べる。図11(A)は、霧化装置1Eの正面から内部を示す断面図である。図11(B)は、霧化装置1Eの右側面から内部を示す断面図である。
霧化装置1Eは、図3(A)〜図3(G)に示す第3実施の形態である霧化装置1Cにおいて、水Wが振動部12の先端面12Fに導かれる水位WFに規定された状態で水Wの水面WSに接する容器20の部分に、撥水性の表面処理が施され、あるいは撥水性を有する表面部材が設けられたことを特徴とする。そのため、以下、霧化装置1Eについて霧化装置1Cと相違する部分を中心に説明し、霧化装置1Cと同一の構成である部材については、同一の符号を付して説明を省略する。なお、図11(A)、(B)では、説明のために圧電振動子10を拡大して示す。
霧化装置1Eでは、水面WSは、水位WFに規定された状態で容器20の正面壁20−1、裏面壁20−2、右側面壁20−3、左側面壁20−4(以下、「壁20−1〜20−4」ということがある。)と接する。ここで、水面WSと接するとは、図11(A)、(B)に示すように、水面WSに沿った方向において、水面WSと接触することを意味する。
したがって、霧化装置1Eでは、容器20のこれらの壁20−1〜20−4における水位WF−Hと水位WF−Lとの間の部分が、水Wが振動部12の先端面12Fに導かれる水位WFに規定された状態で水Wの水面WSに接する容器20の部分60(以下、単に「容器20の部分60」ということがある。)となる。なお、図の見易さのために、容器20の部分60を図11(A)の右側面壁20−3及び左側面壁20−4のみについて図示するが、正面壁20−1、裏面壁20−2、及び図11(B)についても同様である。
そして、この水位WFで水面WSに接する容器20の部分60に、撥水性の表面処理が施され、あるいは撥水性を有する表面部材が設けられる。
撥水性の表面処理としては、上述した霧化装置1Dにおける正面壁20−1の上端部20aと同様に、例えば撥水性塗料を塗布することや、撥水性の表面処理加工を施すことなどができる。また、撥水性を有する表面部材は、上述した霧化装置1Dにおけるカバー部材20a−1と同様に、例えばフッ素樹脂等の撥水性を有する樹脂を主体とする材料によって形成された部材を、接着などにより設けることができる。
また、施工上の理由や、より確実な撥水作用を得るためなどの理由から、撥水性の表面処理が施され、あるいは撥水性を有する表面部材が設けられる部分は、容器20の部分60以外の部分まで広範囲に形成されても良く、さらに壁20−1〜20−4において容器20の部分60を有する壁面の全体に形成されても良い。
第1〜第5実施の形態の霧化装置において、容器20内の水補給部40によって水が補給され、振動部12に接触するのは霧化の対象となる水だけであり、図12を参照して述べた、水供給用綿150のような、磨耗および/または変形して交換すべき部材がない。したがって、本実施の形態の霧化装置1は基本的にメンテナンス・フリーである。
前者については、水補給部40からの水Wの補給量を調整する、容器20の傾斜角度を調整して表面張力によって振動部12の先端面12Fにはい上がる水Wの量を調整する、表面張力補助部材(または水吸引部材)50の設置間隔を調整するなどの方法を適用できる。
後者については、上述した励起回路120の動作状態を調整する。
20…容器、20−1…正面壁、20−2…裏面壁、20−3…右側面壁、20−4…裏側面壁、20−5…上部壁、20−6…底面壁、21…液位維持壁
30…霧排出・水位維持用開口部、30−1…霧排出開口部
40…水補給部、51、52…第1、第2表面張力補助部材
60…水が振動部の先端面に導かれる水位に規定された状態で水の水面が接する容器の部分
120……励起回路
Claims (15)
- 霧化の対象となる液体を収容する容器と、
圧電素子と該圧電素子に接続された振動部とを有し、前記振動部の先端面に前記液体が付着するように前記容器に配設されている圧電振動子と、
前記圧電振動子の圧電素子を励起する励起回路と
を有する、霧化装置。 - 前記容器に、該容器内の液体が表面張力によって前記圧電振動子の振動部の先端面に付着するように液位を維持する、液位維持壁を設けた、
請求項1に記載の霧化装置。 - 前記液位維持壁は、前記圧電振動子が配設されている前記容器の壁と対向する位置に設けられ、
前記液位維持壁の先端を、前記容器内の液体が表面張力によって前記圧電振動子の振動部の先端面に付着するように前記容器内の液位を維持する位置に配置した、
請求項2に記載の霧化装置。 - 前記容器を、
少なくとも容器内の液体の液位よりも高く延出し、かつ前記圧電振動子が配設されている壁と対向する壁面を有し、
前記対向する壁面に開口部を設けた構成とし、
該対向する壁面が前記液位維持壁を形成し、
前記対向する壁面に設けられた開口部の底部が前記液位維持壁の先端を形成する、
請求項2または3に記載の霧化装置。 - 前記圧電振動子の振動部の近傍に、前記振動部との協働による表面張力によって前記振動部の先端面に液体を導く表面張力補助部材が設けられている、
請求項1〜4のいずれかに記載の霧化装置。 - 前記励起回路は、前記圧電振動子の振動部の固有の周波数を規定する電圧を間欠的に前記圧電振動子の圧電素子を励起する間欠励起回路を有する、
請求項1〜5のいずれかに記載の霧化装置。 - 前記容器に収容される液体は水を含む液体であり、
前記励起回路における間欠的に励起する周期は60Hz〜200Hzである、
請求項6に記載の霧化装置。 - 前記間欠励起回路は、前記圧電素子の励起を開始するときバースト状のパルス信号が前記圧電素子に印加するように構成されている、
請求項6または7に記載の霧化装置。 - 前記振動部の先端面の形状を矩形にし、矩形の先端面を液面に矩形の長辺が垂直方向になるように配置した、
請求項1〜8のいずれかに記載の霧化装置。 - 前記容器内に液体を補給する液体補給部を設けた、
請求項1〜9のいずれかに記載の霧化装置。 - 前記振動部の先端面に液体を補給するようにした、
請求項10に記載の霧化装置。 - 前記振動部の軸線が、前記容器内の液体液面に対して非平行となるように前記圧電素子を配置した、
請求項1〜11のいずれかに記載の霧化装置。 - 前記容器壁面と振動部の間に、前記霧化の対象となる液体に対する漏水防止性能を持ち、振動を緩和する緩衝部材を設け、該緩衝部材を前記容器壁面と前記振動部で挟持した、
請求項1〜12のいずれかに記載の霧化装置。 - 前記緩衝部材は弾性材料で製造されている、
請求項13に記載の霧化装置。 - 前記液位維持壁の前記先端、及び/又は前記液体が前記振動部の前記先端面に導かれる液位に規定された状態で当該液体の液面が接する容器の部分の少なくとも一部に、撥水性の表面処理が施され、あるいは撥水性を有する表面部材が設けられた、
請求項3〜14のいずれかに記載の霧化装置。
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