JP2008173015A - 二本鎖dnaの電荷移動を利用したdna一分子蛍光測定による一塩基多型の検出法 - Google Patents

二本鎖dnaの電荷移動を利用したdna一分子蛍光測定による一塩基多型の検出法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、二本鎖DNAにおける新規な一塩基多型検出方法を提供する。つまり、一塩基多型部位を有するプローブDNAとターゲットDNAとのハイブリダイゼーションによる二本鎖を形成させたまま、効率的かつ高い精度でターゲットDNA中の一塩基多型の検出が可能な一塩基多型検出方法を提供する。
【解決手段】一塩基多型の検出方法であって、一塩基多型部位を有するプローブDNAにターゲットDNAをハイブリダイズさせて二本鎖DNAを形成し、該二本鎖DNA中の光増感剤にUV光照射して電荷(ホール)を発生させて、そのホールの移動を該二本鎖DNA中の蛍光色素で検知することを特徴とする検出方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、二本鎖DNAにおける電荷移動を利用したDNA一分子蛍光測定による一塩基多型の検出法に関する。
一塩基多型(SNP)とは、個々の人間における遺伝子配列において、1%以上の頻度で現れる塩基の1か所の違いを意味し、疾病関連遺伝子や個人の薬剤感受性と関わっていることが知られている。したがって、迅速、簡便かつ安価なSNPタイピング手法の開発は、次世代テーラーメイド医療、高度医療の観点から必要不可欠である。代表的なSNP検出法としては、電気泳動を用いた配列決定や、ハイブリダイゼーションに基づく蛍光等のシグナル変化を検出する方法が挙げられる(例えば、非特許文献1又は2)。
これらの手法は、煩雑な前処理工程、ターゲットDNAの増幅を必要とするためにハイスループット化が困難であり、いずれも決定的とはなっていない。特に、SNP検出の有力な手法と考えられる蛍光法では、ミスマッチ又はフルマッチ配列における二重鎖の安定性の差、つまり複数のターゲットDNAとそれに相補的なプローブDNAとの間のハイブリダイゼーション形成の差異が小さいことが問題となっている。
そこで、ターゲットDNAとプローブDNAをハイブリダイズさせた二本鎖を形成させたまま、SNP検出を高感度に行うことが可能な手法の開発が求められている。
Nature Biotech. 1999, 17, 292 Genome Res. 2000, 10, 549
本発明の目的は、二本鎖DNAにおける新規な一塩基多型検出方法を提供することにある。つまり、一塩基多型部位を有するプローブDNAとターゲットDNAとのハイブリダイゼーションによる二本鎖を形成させたまま、効率的かつ高い精度でターゲットDNA中の一塩基多型の検出が可能な一塩基多型検出方法を提供することにある。
具体的には、二本鎖DNA内における電荷(ホール)の移動速度が、塩基配列に大きく依存するとの知見に基づき、ホール移動を塩基配列の読み取りシグナルとし、二本鎖DNA一分子からの蛍光を検出して一塩基多型情報を読み出す方法を提供することにある。
従来より、高感度かつ簡便な一塩基多型(SNP)タイピング手法の代表として蛍光法が挙げられるが、ミスマッチの有無に起因するハイブリダイゼーション形成の差異に基づいて検出を行うため、バッファー濃度や温度等の測定条件の最適化が必要であるとともに、強い背景光のために高いシグナル比を得ることが困難であった。そのため、DNAをハイブリダイズさせたままミスマッチの検出を蛍光のon-offで読み出す手法が確立されれば、次世代のSNP解析技術となり得ると考えた。
本発明者は、この目的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、次の知見を得た。
本発明者は、光増感剤への光照射による電荷分離状態において、二本鎖DNA内に生じたホールの移動速度がミスマッチの有無に大きく依存することを明らかにするとともに、ホールをトラップした蛍光色素が発光性を失うことを見いだした。さらに、一塩基多型部位を有するプローブDNAにターゲットDNAをハイブリダイズさせて二本鎖DNAを形成し、光増感剤により該二本鎖DNAに電荷(ホール)を発生させて、そのホールの移動を蛍光色素で検知することにより、二本鎖DNA一分子単位で一塩基多型を高感度に検出できることを見いだした。つまり、二本鎖DNA一分子から一塩基多型情報を読み出すことができる究極の一塩基多型検出方法(以下「DNA一分子蛍光測定」とも表記する)となり得るのである。かかる知見に基づき、本発明者らは、さらに研究を重ねて本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、下記の一塩基多型の検出方法及び一塩基多型検出用基板を提供する。
項1. 一塩基多型の検出方法であって、一塩基多型部位を有するプローブDNAにターゲットDNAをハイブリダイズさせて二本鎖DNAを形成し、該二本鎖DNA中の光増感剤にUV光照射して電荷(ホール)を発生させて、そのホールの移動を該二本鎖DNA中の蛍光色素で検知することを特徴とする検出方法。
項2. 一塩基多型の検出方法であって、(1)一塩基多型部位を有するプローブDNAに、ターゲットDNAをハイブリダイズさせて二本鎖DNAを形成する工程、ここで該二本鎖DNAの両端は光増感剤及び蛍光色素で修飾されている、(2)該二本鎖DNA中の光増感剤にUV光照射して電荷(ホール)を発生させる工程、及び(3)該二本鎖DNA中のホールの移動を蛍光色素で検知して一塩基多型を検出する工程、を含むことを特徴とする項1に記載の検出方法。
項3. 一塩基多型の検出方法であって、両端が光増感剤及び蛍光色素で修飾されている二本鎖DNAにUV光照射して電荷(ホール)を発生させる工程、及び該二本鎖DNA中のホールの移動を蛍光色素で検知して一塩基多型を検出する工程、を含むことを特徴とする検出方法。
項4. 二本鎖DNAの光増感剤で修飾された一端が基板に結合している項1〜3のいずれかに記載の検出方法。
項5. 基板上に光増感剤で修飾された一塩基多型部位を有するプローブDNAが結合してなる一塩基多型検出用基板。
項6. 基板上に光増感剤及び蛍光色素で修飾された一塩基多型部位を有するプローブDNAが結合してなる一塩基多型検出用基板。
本発明の一塩基多型の検出方法によれば、二本鎖DNAのフルマッチ、ミスマッチに依存した電荷(ホール)移動の相違を蛍光色素の発光の変化で検知して、一塩基多型を簡便かつ高感度に検出できる。特に、ターゲットDNAとプローブDNAをハイブリダイズさせた二本鎖DNAの一分子単位で一塩基多型を高感度に検出できる点で極めて斬新かつ有用である。
また、ターゲットDNAは少量でよいため、PCRによる増幅を必要としないという利点がある。そのため、前処理工程の簡略化を図ることが可能であるとともに、迅速な一塩基多型の判別を行うことができる。
また、蛍光観察はガラス基板上で行うことができるため、既存のDNAチップ技術と組み合わせて用いることができ、新規な遺伝子診断DNAチップへの応用等適用範囲及び汎用性は広い。
一塩基多型検出方法
本発明の一塩基多型の検出方法は、一塩基多型部位を有するプローブDNAにターゲットDNAをハイブリダイズさせて二本鎖DNAを形成し、該二本鎖DNA中の光増感剤にUV光照射して該二本鎖DNAに電荷(ホール)を発生させて、そのホールの移動を該二本鎖DNA中の蛍光色素で検知することを特徴とする。
すなわち、二本鎖DNAにおける塩基がフルマッチの場合には該二本鎖DNAで発生するホールの移動速度が速く、ミスマッチの場合にはホールの移動が妨げられる。フルマッチの場合にはホールが速やかに蛍光色素まで移動して蛍光色素を酸化して発光が観測されなくなる。一方、ミスマッチの場合には、ホールが蛍光色素まで到達しないため蛍光色素は発光を保ったままとなる。UV光照射の前後における蛍光色素の発光の変化を観測することにより、二本鎖DNA内におけるミスマッチの有無を判別し、ターゲットDNAの一塩基多型を検出する方法である。その原理の模式図を図1及び図2に示し、フルマッチ及びミスマッチにおける蛍光色素の発光変化の模式図を図3に示す。
具体的には、本発明の一塩基多型の検出方法は、(1)一塩基多型部位を有するプローブDNAに、ターゲットDNAをハイブリダイズさせて二本鎖DNAを形成する工程、ここで該二本鎖DNAの両端は光増感剤及び蛍光色素で修飾されている、(2)該二本鎖DNA中の光増感剤にUV光照射して電荷(ホール)を発生させる工程、及び(3)該二本鎖DNA中のホールの移動を蛍光色素の発光強度で検知して該蛍光色素の発光強度の変化に基づき一塩基多型を検出する工程、を含むことを特徴とする検出方法である。
本発明は、基板上に光増感剤(或いは光増感剤及び蛍光色素)で修飾された一塩基多型部位を有するプローブDNAが結合してなる一塩基多型検出用基板を用いることを特徴とする。
第1工程
第1工程は、一塩基多型部位を有するプローブDNAに、ターゲットDNAをハイブリダイズさせて二本鎖DNAを形成する工程であり、ここで該二本鎖DNAの両端は光増感剤及び蛍光色素で修飾されている。光増感剤は、光励起によりホールを発生させる分子(ホール注入分子)であり、蛍光色素は移動してきたホールの検出する分子である。
光増感剤及び蛍光色素は、プローブDNA及び/又はターゲットDNAのいずれに結合していてもよい。実用的なSNP検出に用いる場合には、プローブDNAに光増感剤及び蛍光色素を結合させたものが好適である。
一塩基多型部位を有するプローブDNAは、ターゲットDNAに対し鋳型となる塩基配列を有するDNAであり、4つの核酸塩基、リボース、リン酸から、公知のDNA固相合成機を用いて、任意の配列を有するプローブDNAを合成することができる。ここで、該プローブDNAの一塩基多型(SNP)部位とは、本発明による検出法により被検出対象となりうる塩基部分、つまり標的となる部分である。本発明は、1個以上の一塩基多型をターゲットとした検出法であり、プローブDNA内には一塩基多型部位が1個以上存在している。
一塩基多型部位は、プローブDNA中の特定位置に存在し、プローブDNAのどの部位に存在していてもよい。特に、二本鎖DNA上の光増感剤に近い位置に多型部位が存在すると、ミスマッチの影響が電荷(ホール)の移動速度に強く反映されるので、検出感度が向上する。
プローブDNAは通常ガラス基板等の基板上に固定されている。また、プローブDNAの5’末端側又は3’末端側は光増感剤で修飾されている。光増感剤は、二本鎖DNA上でUV光照射によりホールを発生させるために設けられる。光増感剤としては、その光励起状態がアデニンを酸化できるものであれば特に限定はない。具体的には、還元されやすい芳香族化合物であり、紫外から紫外可視領域に吸収をもつ一重項エネルギーが比較的大きいものが好ましい。光増感剤として例えば、ナフタルイミド(NI)、ナフタルジイミド、ジフェニルアセチレン、フラビン、アントラキノン、ベンゾフェノン、ベンゾイン、キサントン等が挙げられる。特に、ナフタルイミド、ジフェニルアセチレンが好ましい。
光増感剤は、アデニン塩基を有するヌクレオチドに結合していることが好ましい。さらに、光増感剤が、3個以上、好ましくは4個以上連続したアデニン塩基を有するヌクレオチドに結合していると、電荷(ホール)注入効率が高くなるため好適である。
プローブDNAと光増感剤との結合は、光増感剤からアデニンへのホールの移動が速やかに行われるものであれば特に限定はない。例えば、図4にあるように、光増感剤(例、ナフタルイミド)がリンカー(炭素数が2〜6程度の炭化水素鎖)を介して5’−リン酸エステルの形でアデニンに導入されたものが例示される。なお、必要に応じ、アデニン連続配列の3’末端にリンカーが導入されたものであってもよいが、5’−リン酸エステルの形でアデニンに導入されたものは調製が容易であり好ましい。
光増感剤を、リンカーを介してプローブDNAに結合させる反応は、例えば、J. Org. Chem. 2000, 65, 5355-5359 又は J. Phys. Chem. B. 2003, 107, 12838-12841の記載に準じて実施できる。具体的には、水酸基の結合したアルキルリンカーを有する光増感剤(例、ナフタルイミド、ジフェニルアセチレン等)をアミダイト化反応して活性化し、合成機上で一本鎖DNAの5’末端の水酸基とカップリングさせることで、プローブDNAに光増感剤を修飾することができる。
また、プローブDNAに蛍光色素を有する場合、蛍光色素としては酸化電位がグアニンよりも低くかつ光安定性の高いものであれば特に限定はない。具体例として、テトラメチルローダミン(TAMRA又はTMR)、Cy3、Alexa-532等が例示される。特に、TAMRAが発光波長や光安定性等から測定に望ましい蛍光色素である。
プローブDNAにおける蛍光色素の結合部位は、プローブDNAの一塩基多型部位を挟んで光増感剤の結合部位と反対側に設けられる。蛍光色素は、ホールが移動したかどうかを二本鎖DNAの一分子で判断するために設けられる。
プローブDNAの末端を基板に固定する方法は特に限定はなく、例えば、ビオチン−アビジン相互作用を利用する公知の方法を採用できる。具体的には、図5を参照。カバーガラスとスライドガラスの間にスペーサーを挟み、サンドイッチ状にして作ったチャンバー内で溶液交換を行うことで、ガラス基板表面へプローブDNAを固定する。具体的には、ガラス基板表面をビオチン及びストレプトアビジンで処理した後、ビオチン化されかつ光増感剤(ナフタルイミド等)及び蛍光色素(TAMRA等)で修飾されたプローブDNAをガラス基板表面に固定する。或いは、ハイブリダイズさせるターゲットDNAに光増感剤を含む場合は、ガラス基板表面をビオチン及びストレプトアビジンで処理した後、ビオチン化されかつ蛍光色素(TAMRA等)で修飾されたプローブDNAをガラス基板表面に固定する(図6)。これらにより一塩基多型検出用基板が製造される。
基板に固着させたプローブDNAを用いて、該プローブDNAとターゲットDNAとの間でハイブリダイゼーションを行う。ハイブリダイゼーション反応は、DNAの長さや反応条件に依存するが、通常40〜60℃程度において該反応に適したバッファー中で行うことが好ましい。バッファーとしては、例えば、SSC(塩化ナトリウムとクエン酸ナトリウムを混合した緩衝溶液)、リン酸バッファー、Tris塩酸塩バッファーなどを挙げることができる。
このようにしてターゲットDNAと、該ターゲットDNAの塩基配列と相補配列を有するプローブDNA部位との間で二本鎖DNAが形成される。二本鎖DNAは、基板側に光増感剤を有しており、その反対側末端に蛍光色素を有している。
上記の工程(1)で示した条件は典型例であり、これを適宜修飾した条件を適宜用いることができる。
第2工程
第2工程は、第1工程で形成された二本鎖DNA中の光増感剤にUV光照射して電荷(ホール)を発生させる工程である。
光照射に用いる光源としては、前記した光増感剤を光励起させることができ、二本鎖DNAに悪影響を与えないものであれば特に限定はなく、例えば、高圧水銀ランプ、高圧キセノンランプ、ブラックライト、エキシマレーザ、重水素ランプ、Hg-Zn-Pbランプ等から選ばれる1種類の光源または波長域の異なる2種類の光源を用いることができる。特に、光源が比較的安価であり光強度も強く、広い範囲の波長を取り出すことができる点から、キセノンランプと高圧水銀ランプが好適である。
UV光照射によってアデニンホッピングを経て二本鎖DNA中にホールが注入される。例えば、光増感剤としてNIを用いた場合、UV照射によりNIが励起されて一重項励起状態のNIを生成する。これが隣接するアデニン(A)塩基を酸化して接触イオン対を生成する。注入されたホールはイオン対から逃げ出して、アデニン間のホッピングを経て最も近いグアニン(G)に移動する。これにより、長寿命の電荷分離状態を生じる。
第3工程
第3工程は、第2工程で発生した該二本鎖DNA中のホールの移動を蛍光色素で検知して一塩基多型を検出する工程である。具体的には、該蛍光色素の発光強度の変化に基づき一塩基多型を検出する。
UV光照射によって生じたホールは、フルマッチ配列であれば蛍光色素まで到達し、結果として蛍光色素は酸化され発光が失われる。一方、ミスマッチ配列の場合はホールの移動が妨げられるため、蛍光色素は発光を保ったままとなる。このように、UV光照射前後の二本鎖DNAからの輝点を一分子観察することでミスマッチの有無、すなわち一塩基多型の有無を識別できる。
二本鎖DNAが固定されたガラス基板にUV光照射した前後の蛍光イメージを図3に示す。UV光照射前には多数の輝点が観測されているが、フルマッチ配列のUV光照射によって輝点数が劇的に減少している。この結果は、UV光照射によりホールの生成及び移動が起こることで蛍光色素が酸化されて蛍光性が失われたことを示している。
電荷分離状態の寿命における蛍光色素の光退色の効率(photobleaching efficiency Fq)は、式:Fq=1−N/N0で表される。ここで、N0及びNはそれぞれ光照射前後の輝点の数を示す。
輝点数の減少(N/N0)はフルマッチ配列の場合で最も小さくなる、即ち、光退色の効率は(Fq)は最も大きくなる。蛍光色素の光退色がフルマッチ配列で最も効率よく進行することが分かる。一方、ミスマッチ配列の場合にN/N0は大きくなる、即ち、光退色の効率(Fq)は小さくなる。
輝点数N0及びNの測定は、例えばImage−Jソフトウェア及びMATLAB (Mathworks社製)によるプログラムを用いることができる。
本発明の方法では、二本鎖DNAの一分子の蛍光を測定し、高感度に一塩基多型を検出できる点に特徴を有している。そのため、ターゲットDNAは少量でよく、PCRによる増幅を必要とせず、前処理工程の簡略化を図ることができる。
このように、本発明の方法では、UV光照射の前後における二本鎖DNAの一分子蛍光の蛍光強度(Fluorescene intensity)の減衰の程度を観測することにより、フルマッチ(正常型)、ミスマッチ(異常型)(即ち、一塩基多型部位の有無)の検出を行う。
本明細書において「フルマッチ」とは、二本鎖を形成したDNAの塩基対が完全に相補的である状態をいい、ターゲットDNAが正常型であることを意味する。一方、本明細書において「ミスマッチ」とは、二本鎖を形成したDNAの塩基対に、相補的な関係にない塩基対が一つ以上存在する状態をいい、ターゲットDNAが異常型であることを意味する。
本発明の方法論によれば、蛍光観察はガラス基板上で行うことができるため、既存のDNAチップへも適用することが可能であり、疾患関連遺伝子の探索などに用いられる。さらに、本方法は、疾病や病気へのかかりやすさなどに関わる個人の遺伝子に対する診断に適用可能であり、個体差に合わせて薬剤量の調整や種類の選択を行うことができテーラーメイド医療、遺伝子診断法の開発へとつながる。
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
ビオチン化されたDNA(biotinylated DNA)とアミノ基が結合した蛍光色素(TAMRA及びAlexa532)は、JBioS社から購入した。また、ストレプトアビジン(Streptavidin)及びビオチン化されたBSA(biotinylated BSA)は、Molecular Probes社から購入した。
ナフタルイミドカルボン酸N−ヒドロキシスクシンイミドエステルの合成
N-carboxymethyl-naphthalimide(2.0g, 7.8 mmol)及びN-hydroxysuccinimide (0.897g, 7.8 mmol)を、アセトニトリル(60ml)中で懸濁させた。この懸濁液に、EDCI (1.50g、7.8 mmol)を加えて、室温で2h撹拌した。反応混合物を留去、ろ過、及び冷アセトニトリルで2回洗浄して、白色固体(2.1g、6.0 mmo、77%)を得た。
DNA合成
5'-末端がN-ヒドロキシコハク酸イミド(NI)で修正されたDNAの合成は、DNAシンセサイザー(3400 DNA synthesizer、アプライド バイオシステム社製)におけるβ−シアノエチルホスホロアミダイト法(β-cyanoethyl phosphoramidite)化学を用いた方法に従い実施した。DNAの内部のNIの修飾は、活性化されたN-ヒドロキシスクシンイミドエステルNI(NI-NHS)との反応によって行った。
NIの修飾は既知の方法(Takada, T.; Kawai, K.; Fujitsuka, M.; Majima, T., Proc. Natl. Acad. Sci. U. S. A. 2004, 101, 14002.)に従って行った。
100mM Naリン酸緩衝液(pH 8.0)中に、C2のアルキル基のリンカーによってNH2で修正されたDNAの200μMの溶液に、0.2 mM のNI-NHSのDMSO溶液を加えて、室温で終夜インキュベートした。反応混合物は逆相HPLCによって精製した。
表面処理(図5及び図6を参照)
カバーガラスを、25%のアルカリの洗剤中で3h以上超音波処理して清浄した。その後、カバー・スリップを、ミリ-Q水の中で何度もすすいだ。粘着性のスペーサーを使用して、カバーグラスとガラススライドからサンドイッチ状のチャンバー(容積〜10μl)を作製した。
1.5 mg/mlのビオチン化BSA 20 μlを加えて5分間インキュベートし、Trisバッファーで洗浄した。次に0.25 mg/mlのストレプトアビジン 20μlを5分間反応させた。Trisバッファーで洗浄した後、ビオチン化したDNAと反応させ(30分間)、ターゲットDNA溶液を加えてハイブリダイズさせた。
単一分子の蛍光イメージング
カバーグラス表面に固定したDNAを、全反射蛍光顕微鏡(total internal reflection fluorescence microscope、オリンパス社製)を使用してイメージングした。顕微鏡は、倒立光学顕微鏡 (inverted optical microscope) (オリンパス社製)、単色レーザー励起源(one color laser excitation source)(532nm)、及びCCDカメラ (intensified Charge Coupled Device:ICCD)から構成される。25 mWの532nmレーザー光を備えたFrequently-doubled Nd:YAGレーザーを用いて、TAMRAおよびAlexaでラベルされたDNAを励起した。サンプル・カバーグラスを倒立顕微鏡において、ロング・パス蛍光フィルターを用いて励起光を遮断した。UVで誘引される光退色(photobleaching)実験に用いる高圧Hgランプ(波長320-380 nm)により対物鏡を通して直径100μmを照射した。蛍光イメージのデータ分析は、Image−Jソフトウェア及びMATLAB(Mathworks社製)によるプログラムを使用して実施した。
実施例1
DNAホール移動プロセスについて観察する目的で、上記の方法に従いカバーガラス表面に表1に示すDNAシークエンスを製造した。
Figure 2008173015
表1において、NIはナフタルイミドを示し、Flは蛍光色素(TAMRA又はAlexa-532)を示し、それぞれDNAの5’-末端に結合した。BTはビオチンを意味し、Flが結合したDNAの3’-末端に結合した。
NIはその一重項励起状態が強い酸化剤として知られており(Ered=2.4eV)、これをホール注入分子(hole injector molecule)として選択した。蛍光色素TAMRA(TMR)又はFlour532(AF)は蛍光量子収率が高く単一分子での分光測定に適した光安定性を有するため、これを応答あるいはレポーター蛍光色素として用いた。
NIはUV照射により効率的にホールを注入することができる(Takada, T.; Kawai, K.; Fujitsuka, M.; Majima, T., Proc. Natl. Acad. Sci. U. S. A. 2004, 101, 14002)。NIは近傍のアデニン(A)塩基を酸化するのに充分な酸化剤である(Eox=1.46V対NHE)。NIと隣接したA塩基の間の接触イオンペアは、光励起により生成し、該イオンペアからホールの一部が抜け出しグアニン(G)でトラップされて、NIとGの間で長寿命の電荷分離状態を生成する(Takada, T.; Kawai, K.; Cai, X. C.; Sugimoto, A.; Fujitsuka, M.; Majima, T., J. Am. Chem. Soc. 2004, 126, 1125.)。その電荷分離状態は、NIとGが4つのA塩基で分離された場合に数μs存在することができ、DNA中でホールが自由に移動できるようになる(Takada, T.; Kawai, K.; Fujitsuka, M.; Majima, T., Chem. Eur. J. 2005, 11, 3835.)。
実施例2(DNA一分子観測の確認;図7)
単一分子の蛍光を観測していることを証明するために、ガラス表面をビオチン化したDNA(プローブDNA)の濃度を100, 200, 300, 500, 700, 1000 pMとして、カバーガラスへの表面処理を行った。各カバーガラスにフルマッチのターゲットDNAをハイブリダイズさせて、表1のA4-1(Fl=TMR)の二本鎖DNAを作製した。
これらのサンプルにUV照射を行い、蛍光色素の輝点の数(N0)を観測した。図7より、表面処理に用いるビオチン化したDNAの濃度が大きくなるに従い、輝点数も比例して増加することが観測された。これは、輝点の数が、表面修飾効率(DNA濃度)に依存していることを示すものであり、一つ一つの輝点はDNA一分子からの蛍光に由来していることが確認された(DNA一分子蛍光測定)。
実施例3(分子間と直接励起の効果が排除できることの確認)
単一分子の蛍光の観測は、全内部反射照明を備えた背景蛍光を減少する顕微鏡を用いて行った。DNAホール移動プロセスは、光照射によるホール注入の後に、蛍光色素の光学レスポンスからの単一分子レベルで観察した。
DNAで修飾されたガラス表面を、ビオチン−ストレプトアビジン結合により準備した。5’-末端に蛍光色素を有するビオチン化された一本鎖DNAプローブを、ガラス表面に固定し、相補的なNI-結合DNAとハイブリダイズした。ハイブリダイゼーション効率は90%以上であった。
Figure 2008173015
UV照射の前後におけるNI-A4-TMR(−■−)の光退色効率(photobleaching efficiency)を図8に、単一分子蛍光イメージを図9に示す。図8より、NIが修飾されたマッチ配列においてのみ光退色効率が高いことが分かった。また、図9より単一DNA分子は、イメージ中で輝点(bright spots)として現れ、これは1つのTMR分子からの蛍光シグナルに相当する。UVランプの照射により、ガラス表面上の輝点は劇的に消滅した。
また、A4-TMR(−▲−)、及びTMR-DNA+NI-A4(−●−)の対照実験から(図8)、分子間の酸化プロセスや色素の直接励起による蛍光色素の目立った退色は観測されなかった。
ここで、図8の光退色効率(photobleaching efficiency)はFqで表され、式:Fq=1−(N/N0)(式中、N0及びNはそれぞれUV照射前及び後の輝点の数を表す)で求められる。
これにより、DNAに結合した色素からの蛍光が、分子内プロセスによってクエンチされたことが確認された。つまり、分子間及び直接励起による光退色は無視できることが確認された。
実施例4(DNA一分子における一塩基多型の検出;図9及び図10)
一塩基のミスマッチをDNAに導入すると、局所における構造の乱れが生じて、ホール移動効率が抑制されることが知られている(Bhattacharya, P. K.; Barton, J. K., J. Am. Chem. Soc. 2001, 123, 8649.)。
マッチ又はミスマッチDNAのphotobleaching効率(Fq)を調べるために、DNAの異なる位置にA-Cミスマッチを有するDNA(表1のA4-2及びA4-3)、及びT-Cミスマッチを有するDNA(表1のA4-4)を設計した。
これらのサンプルを用いて蛍光イメージの分析を行った。各サンプルの光退色効率(photobleaching efficiency)Fqの結果を図10に示す。そのうち、A4-1(Fl=TMR)とA4-2(Fl=TMR)の蛍光イメージを図9に示す。
これによれば、フルマッチのDNA(表1のA4-1)のサンプルでは、2秒間UVを照射すると、蛍光色素の光退色(ほとんどの輝点が消失)が観測された。
これに対し、A4-2、A4-3及びA4-4のDNAは、蛍光色素の退色が劇的に抑制される(輝点が保持される)ことが分かった。中でも、A4-2とA4-3とを比較すると、A-CミスマッチがNIに近い位置に導入された方が、退色が大きく抑制されることが分かった。これにより、ミスマッチの塩基対は、DNAにおけるホール移動を完全に停止することはないが、ホール移動を劇的に遅くすることが確認された。
マッチ及びミスマッチ二本鎖DNAにおけるDNA上の電荷(ホール)移動を示す模式図である。 マッチ二本鎖DNAにおけるDNA上の電荷(ホール)移動及び蛍光色素(TAMRA)のホールによる退色を示す模式図である。 マッチ及びミスマッチ二本鎖DNAのUV照射前後における蛍光色素の発光(輝点)の変化(退色)を模式的に示した図である。 プローブDNAと光増感剤との結合形態の一例を示す。 カバーガラス基板に二本鎖DNAを固定する装置の模式図を示す。 カバーガラス基板にプローブDNAを固定する手順の模式図を示す。 輝点数がカバーガラス表面に修飾されたDNA一分子濃度に由来していることを示す図である。 DNA一分子蛍光測定法において、DNA分子間及びDNA直接励起による光退色が無視できることを示す図である。 実施例1の表1のマッチとミスマッチのサンプル(A4-1及びA4-2)における、UV照射前とUV照射2秒後の輝点の変化を表すイメージである。 実施例1の表1のサンプル(A4-1〜A4-4)における光退色効率(Fq)を示す図である。

Claims (6)

  1. 一塩基多型の検出方法であって、一塩基多型部位を有するプローブDNAにターゲットDNAをハイブリダイズさせて二本鎖DNAを形成し、該二本鎖DNA中の光増感剤にUV光照射して電荷(ホール)を発生させて、そのホールの移動を該二本鎖DNA中の蛍光色素で検知することを特徴とする検出方法。
  2. 一塩基多型の検出方法であって、(1)一塩基多型部位を有するプローブDNAに、ターゲットDNAをハイブリダイズさせて二本鎖DNAを形成する工程、ここで該二本鎖DNAの両端は光増感剤及び蛍光色素で修飾されている、(2)該二本鎖DNA中の光増感剤にUV光照射して電荷(ホール)を発生させる工程、及び(3)該二本鎖DNA中のホールの移動を蛍光色素で検知して一塩基多型を検出する工程、を含むことを特徴とする請求項1に記載の検出方法。
  3. 一塩基多型の検出方法であって、両端が光増感剤及び蛍光色素で修飾されている二本鎖DNAにUV光照射して電荷(ホール)を発生させる工程、及び該二本鎖DNA中のホールの移動を蛍光色素で検知して一塩基多型を検出する工程、を含むことを特徴とする検出方法。
  4. 二本鎖DNAの光増感剤で修飾された一端が基板に結合している請求項1〜3のいずれかに記載の検出方法。
  5. 基板上に光増感剤で修飾された一塩基多型部位を有するプローブDNAが結合してなる一塩基多型検出用基板。
  6. 基板上に光増感剤及び蛍光色素で修飾された一塩基多型部位を有するプローブDNAが結合してなる一塩基多型検出用基板。
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