JP2008171769A - 平面型ディスプレイ用ガラススペーサの製造方法 - Google Patents

平面型ディスプレイ用ガラススペーサの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】高速線引しても表面被膜の膜厚を均一とすることができる平面型ディスプレイ用ガラススペーサの製造方法を提供する。
【解決手段】ガラス母材10を加熱・線引して形成されたガラススペーサ基体14の表面に線引ライン上で被膜を形成して平面型ディスプレイ用ガラススぺーサを製造する方法であって、線引ライン上に設置した噴霧器18と加熱炉19を挟むように振動抑制ローラ20と引取ローラ13を設置し、その振動抑制ローラ20でガラススペーサ基体14の振動を抑制しつつ、噴霧器18よりコート液をガラススペーサ基体14の表面に塗布する。
【選択図】図1

Description

本発明は平面型ディスプレイ用ガラススペーサの製造方法、特にガラススペーサの表面被膜を高精度、低コストで成膜する平面型ディスプレイ用ガラススペーサの製造方法に関するものである。
大きく重いブラウン管に代わるものとして、薄型で軽い自発光式のフラット型電子線励起ディスプレイがある。
このフラット型電子線励起ディスプレイは、図6に示すように内面に画像形成部材が形成されたガラス基板から成る前面板31と、電子放出素子群を搭載したガラス基板から成る背面板32とを備える。画像形成部材は、電子放出素子からの電子ビームが照射されて発光する蛍光体を有する。前面板31と背面板32とは、支持枠(図示せず)を介して互いに気密的に接合されて支持枠と共に気密の耐大気圧構造をなす真空容器を形成する。
このようなフラット型電子線励起ディスプレイにあっては、電子ビームを蛍光体に照射して蛍光を発生させることにより画像を形成するため、電子線源、蛍光体、その他の構成部品が作り込まれる真空容器内は、約1.33×10-3Pa(約10-5torr)以下の真空雰囲気に保持される。
このため、ディスプレイの表示画像が大きくなるに従って、真空容器内部と外部の気圧差によって前面板31と背面板32が変形又は接触する場合があった。この変形又は接触を防止して前面板31と背面板32との間隔を一定に保つために、前面板31と背面板32間には大気圧支持部材として複数のガラススペーサ34が挿入される。
したがって、このガラススペーサ34は大気圧に耐える十分な機械強度が必要であるが、この機械強度特性は、ガラス素材成分およびガラススペーサの形状、ガラススペーサの製造方法を最適化することで改善できる。
ガラススペーサの製造方法の1つに、母材ガラスを加熱しつつ延伸する線引法が提案されている。
特許文献1では、予め側面を研磨した多角形断面を有する素材棒(母材)を垂直降下可能な機械系設備に結合し、下端から順次リング状の加熱装置内に挿入・溶融する。加熱装置は低電圧の熱線を熱源とし、±0.1℃に調整することができる。そして、加熱装置下方に設置された1対の駆動ベルトによって延伸する方法が提案されている。
また、平面型ディスプレイ用ガラススペーサは半導電体的性質が求められる。ガラススペーサ近傍で放出された電子はガラススペーサの帯電状態により吸引又は反発作用によりその軌道を狂わされ、ディスプレイ表示特性の劣化の原因となる。帯電を防止するにはガラススペーサの表面に帯電防止膜を成膜することが有効であり、ガラススペーサの抵抗値の調整や二次電子放出の低減、具体的にはガラススペーサの表面に抵抗値を調整した導電性酸化物被膜を形成する、ガラススペーサの表面に凹凸被膜を形成するなどが考えられる。
帯電防止膜成膜技術の一般的な方法として、CVD・スパッタリング(気相成膜法)、ディップ法・スプレー熱分解法・ダイスコート法(液相成膜法)などが挙げられる。
液相成膜法は大きな設備が必要なく成膜スピードも速いため、気相法に比べて効率的な成膜ができる。
ダイスコート法は光ファイバ製造において一般的であり、線引ラインにダイス、焼き付け炉を設置することで、母材線引による光ファイバ素線製造と同時に、光ファイバ表面への被膜形成を行う方法である。この技術を応用して、ダイス出口をガラススペーサ形状に合わせて加工し、コート液を入れたダイスを母材線引によって形成されたガラススペーサ基体が通過することで、光ファイバと同様に表面にコート液を塗布したガラススペーサが得られる。
スプレー熱分解法は、霧吹きの原理によってコート液を加熱されたガラス基板に噴霧することで、溶媒が蒸発し溶質が熱分解して基板表面に被膜形成する技術であり、例えば特許文献2では加熱された微細な凹凸表面を有するガラス基板に被膜を形成する方法が提案されている。
特開平07−144939号公報 特開2006−15332号公報 特開2003−300754号公報 特開2003−300755号公報
しかしながら、ダイスコート法は光ファイバ製造において一般的であるが、この技術をガラススペーサ製造に適用する場合、表面被膜の膜厚精度が問題となる。
光ファイバは断面形状が円形であってダイス通過時に塗布されるコーティング液量は全面でほぼ均一となる。一方、ガラススペーサは矩形断面であるため、ダイス通過時の振動などによってガラススペーサ基体の各面への均一塗布が難しい。
上記のようなダイスコート法の代替手段として線引オンラインでのスプレーコートが光ファイバの提案されており(特許文献3,4)、ガラススペーサ製造においても前記の特許文献2に記載されている。ここでは凹凸表面を有するガラススペーサ基体に均一薄膜を形成することを目的としており、ガラススペーサ基体をヒータ上に固定してスプレー成膜する条件と共に、線引オンラインコートとして11mm/minと低速で線引した時のスプレーコート条件を検討している。
しかしながら、ガラススペーサの量産・低コスト化のためにはm/minオーダーの線引速度が求められ、前記公知例にある装置構成ではその実現が難しい。特にガラススペーサは幅が数mm、厚さが数10〜数100μmと断面積の大きな矩形太線であるため、外径約100μmの円形細線の光ファイバと比べ、線引速度が速くなるにつれてガラススペーサの揺れや振動が大きくなってしまう問題を生じる。
したがって、高速線引ラインでガラススぺーサ基体の表面に均一成膜を行うためには、新たな装置構成およびスプレーコート条件の検討が必要である。
そこで、本発明の目的は、上記課題を解決し、高速線引しても表面被膜の膜厚を均一とすることができる平面型ディスプレイ用ガラススペーサの製造方法を提供することにある。
上記目的を達成するために請求項1の発明は、ガラス母材を加熱・線引して形成されたガラススペーサ基体の表面に線引ライン上で被膜を形成して平面型ディスプレイ用ガラススぺーサを製造する方法であって、線引ライン上に設置した噴霧器と加熱炉を挟むように振動抑制治具と引取ローラを設置し、その振動抑制治具でガラススペーサ基体の振動を抑制しつつ、噴霧器よりコート液をガラススペーサ基体の表面に塗布することを特徴とする平面型ディスプレイ用ガラススペーサの製造方法である。
請求項2の発明は、振動抑制治具が振動抑制ローラからなり、その振動抑制ローラを、コート液がガラススペーサ基体の表面に塗布されるスプレー塗布位置の5m以内に設置し、引取ローラをスプレー塗布位置よりも下流側に設置した請求項1記載の平面型ディスプレイ用ガラススペーサの製造方法である。
請求項3の発明は、噴霧器は、ガラススペーサ基体を挟んで対向設置したスプレーガンからなり、そのスプレーガンでガラススペーサ基体の表面へのコート液塗布を2面同時に行う請求項1又は2記載の平面型ディスプレイ用ガラススペーサの製造方法である。
請求項4の発明は、噴霧器により噴霧されるコート液の平均液滴径が50μm未満である請求項1〜3のいずれかに記載の平面型ディスプレイ用ガラススペーサの製造方法である。
請求項5の発明は、ガラススペーサ基体の表面における幅面方向の膜厚分布の最小膜厚tmin と最大膜厚tmax が、tmin/tmax>0.5を満たすように塗布する請求項1〜4のいずれかに記載の平面型ディスプレイ用ガラススペーサの製造方法である。
請求項6の発明は、加熱炉が噴霧器の下流側の線引ラインに設置されている請求項1〜5のいずれかに記載の平面型ディスプレイ用ガラススペーサの製造方法である。
請求項7の発明は、噴霧器と加熱炉が複数段設置されている請求項6記載の平面型ディスプレイ用ガラススペーサの製造方法である。
請求項8の発明は、噴霧器の上流側に塗布前のガラススペーサ基体を加熱する予熱用加熱炉を設置した請求項6記載の平面型ディスプレイ用ガラススペーサの製造方法である。
請求項9の発明は、噴霧器は、スプレーガンと、ガラススペーサ基体の端面を覆い、その端面へのコート液付着を防止するマスクと、ガラススペーサ基体の端面に付着したコート液を除去する除去ローラを有する請求項1〜8のいずかに記載の平面型ディスプレイ用ガラススペーサの製造方法である。
請求項10の発明は、請求項1〜9いずれかの方法を用いて形成されたことを特徴とする平面型ディスプレイ用ガラススペーサである。
本発明は、線引ライン上で高速線引しても膜厚が均一な表面被膜を有するガラススぺーサを簡易かつ高効率な方法で製造できる。
以下、本発明の好適な一実施の形態を添付図面に基づいて詳述する。
本発明によるガラススペーサの表面被膜形成の第1の実施の形態を、図1(a)を基に説明する。
略長方断面のソーダライムガラス母材10を、精密に垂直降下可能な母材把持部(図示せず)に連結して、炉心を予め約800℃に昇温した線引炉11に挿入する。母材10の表面は機械研削仕上げされ、その算術平均表面粗さRaは約0.5μmである。
線引炉11は、高純度カーボン製のマッフル炉であり、炉心内には酸化劣化防止のためにマスフローコントローラを介してHeガスを投入している。母材把持部は図示していないがサーボモータによって駆動され、一定速度で母材10が線引炉11の炉心へ送り込まれる。
線引炉11の直下にはレーザ式の外径測定器12が、さらに下流側には引取ローラ13が設置されている。
線引炉11内で溶融された母材10はその断面形状を保持したまま炉下口より取り出され、その形状が幅2.0mm、厚さ0.12mmとなるように約30m/minの速度で対向配置された引取ローラ13によって、扶持・引取りされる。
外径測定器12はレーザ照射方向がガラススペーサ基体14の幅面と直交するように設置され、ガラススペーサ基体14の幅寸法を常時計測している。外径測定器12で計測したガラススペーサ基体14の寸法データ、特に基準値(今回は2.0mm)からの偏差信号15は制御装置16を通して引取ローラ13にフィードバック信号17を出力してガラススペーサ基体14の外径を一定にするが如く引取ローラ13の回転速度をコントロールしている。
この結果、ガラススペーサ基体14の幅寸法は全長にわたり基準値の2.0mmに対し、偏差±5μm以内に収束させることができる。
本発明においては、この線引ラインに、噴霧器18としてスプレーガン18nを使用し、ガラススペーサ基体14の幅面を挟むようにして2つを設置すると共にその下流側にスプレーした被膜を焼成する加熱炉19を設置する。また、噴霧器18と加熱炉19を挟んで引取ローラ13の反対側に振動抑制治具としての振動抑制ローラ20を設置する。これにより、外径測定器12で高精度に形状制御されたガラススペーサ基体14の幅面の両面に同時にコート液が塗布されると共に噴射によりガラススペーサ基体14の振動を抑止することができる。
ノズル噴射方向は斜め下向きに設置し、具体的にはガラススペーサ基体14に対して45度とした。これは、ノズル噴射のエアー圧などによって2方向からガラススぺーサ基体14に加わる力が均等でない場合にガラススぺーサ基体14が振動してしまい、ガラススペーサ基体14の表面への塗布量が不均一になるためで、特にガラススぺーサ基体14に対して近距離(10cm以内)から垂直に噴射した場合に顕著となる。
ノズル噴射口とガラススペーサ基体14の表面までの最適距離は使用するコート液やスプレー条件により異なり、例えば粘度の低い導電性材溶液ではスプレーガン18nのエアー圧0.3MPa、液圧0.025Mpa、中心液滴径15μm条件下でノズル距離を5.0cmとした時、ガラススペーサ基体14の表面に均一に塗布できた。
本実施の形態では、スプレー塗布位置より上流側の約50cmに振動抑制ローラ20を設置した。また、加熱炉19はスプレー塗布位置の後方50cmに設置している。加熱炉19の温度は500℃に設定し、ここで焼成を行った。
引取ローラ13は加熱炉20よりライン下流側に設置されており、最後にガラススペーサ基体14に表面被覆を施したガラススぺーサを任意長さに切断、取得した。
次に、振動抑制ローラ20および引取ローラ13の設置位置・間隔を変えて実験を行い、ガラススペーサの揺れ・振動低減の効果を確認した。線引速度は2m/min、ガラススぺーサ幅は2mmとした。
第1の実験では、装置レイアウトを線引炉11→振動抑制ローラ20→スプレー塗布(噴射器18と加熱炉19)→引取ローラ13の順にしてガラススペーサ基体14の表面コートを行った結果を表1に示す。
Figure 2008171769
表1は、第1の実験における装置レイアウト条件(1)〜(4)と成膜結果を示したもので、条件(1)〜(4)において、線引炉11の炉下口から引取ローラ13までの距離16mに対し、条件(1)〜(3)では、線引炉11の炉下口と振動抑制ローラ20の間隔Aを10m、6m、1mとし、振動抑制ローラ20とスプレーガン18nから噴射されたコート液がガラススペーサ基体14の表面に塗布される位置の間隔Bを1m、5m、10mとし、スプレーガン18nから噴射されたコート液がガラススペーサ基体14の表面に塗布される位置と引取ローラ13の間隔Cをそれぞれ5mとし、条件(4)では振動抑制ローラ20を設置しなかった。
その結果、(1)および(2)の条件、すなわち振動抑制ローラ20とコート液がガラススペーサ基体14の表面に塗布される位置の間隔Bを5m以内とすることで振動を抑制し、表面被覆の膜厚が均一なガラススペーサを得ることができることが分かった。
特に、条件(1)の間隔1mとした時、非常に高精度に成膜できた。一方、振動抑制ローラ20未設置の条件(4)では、特に振動が大きくなり、うまく成膜できなかった。
第2の実験では、図1(b)に示すように線引炉11→引取ローラ13→スプレー塗布(噴霧器18&加熱炉19)→振動防止ローラ20の順に装置を構成して、ガラススペーサを線引きすると共にガラススペーサ基体14の表面に成膜を行った。
表2に結果を示す。
Figure 2008171769
表2は、第2の実験の装置レイアウトと成膜結果を示したもので、条件(5)〜(7)では、線引炉11の炉下口と引取ローラ13の間隔Dを、それぞれ6mとし、引取ローラ13からコート液がガラススペーサ基体14の表面に塗布される位置までの間隔Eを5mとし、該塗布位置から振動防止ローラ20までの間隔Fを条件(5)では1m、条件(6)では5m、条件(7)では振動防止ローラ20を設置しなかった。
この結果、コート液がガラススペーサ基体14の表面に塗布される位置と振動抑制ローラ20との間隔Fを1mとした条件(5)で均一塗布できた。一方、間隔を5mに広げた条件(6)では振動を抑制しきれなかった。この条件(6)は、条件(2)と同じローラ間隔で引取ローラ13と振動防止ローラ20の位置を逆転したものであり、この違いから引取ローラ13をコート液塗布位置よりも線引ライン下流側に設置することで、振動をより低減できることが分かった。
これは母材溶融部から引取ローラ13の位置まで、線引ライン全長に渡って常に張力が加わっているためだと考えられる。
以上の結果から、m/minオーダーの線引を行うためには振動抑制ローラ20が必須であり、コート液塗布位置から少なくとも5m以内に、より好ましくは1m以内に設置することでガラススぺーサヘの高精度な成膜ができる。
さらに、引取ローラ13はコート液塗布位置よりもライン下流側に設置することがより望ましい。
次にコート液の平均液滴径とスプレーガン18nのノズルからガラススペーサ基体14の表面までの距離(ノズル距離)に対するガラススペーサの表面被覆の状態(スペーサ被覆)についての検討を行った結果を表3に示す。
Figure 2008171769
表3は、平均液滴径、ノズル距離とスペーサ被覆結果を示し、線引スピードは全条件で同じ30m/minとし、すなわちコート液を塗布している時間は同じである。ガラススペーサ幅はW=2mmである。
平均液滴径50μmでは、ノズル距離5cm,20cmにおいてガラススペーサ全面に塗布されたが凝集が起きて膜厚が不均一であった。平均液滴径30μmおよび15μmでは、ノズル距離5cmとした時にガラススぺーサ全面に均一に成膜でき、膜厚は0.2μmであった。ノズル距離20cmとした時は塗布量が少なくガラススペーサの表面の50〜80%しか塗布できなかった。
以上の結果から、ノズル距離の個別調整は必要であるが、平均液滴径は少なくとも50μm未満であることが必要である。
また、平均液滴径50μm未満でもノズル距離が1cmと非常に近い時、ガラススペーサ中央部の膜厚が厚くなることが分かった。
そこで別途実験によりスプレーガンのノズル距離毎の膜厚分布を測定したところ、図2に示す結果が得られた。
分布中央部とそこから1.0mm離れた場所での膜厚比は、ノズル距離1cmでは0.5未満、ノズル距離5cmでは0.9であった。
この結果から、ガラススペーサ表面にサブミクロンオーダーの均一な膜厚を形成するためには、ガラススペーサ幅面方向の最小膜厚をtmin(μm)、最大膜厚をtmax(μm)、とした時、少なくとも膜厚比=tmin/tmax>0.5を満たし、より好ましくは、tmin/tmax>0.9を満たすことが必要である。
図3は、ガラススペーサ基体14にスプレーガン18nでコート液をスプレーする際の一例を示したものである。
ガラススペーサをディスプレイ用パネルに実装する際は、図6で説明したようにパネルに対して垂直に接着する必要があるが、パネルとの接着面であるガラススペーサ端面に被膜による大きな凹凸があると、垂直に立てることが難しく実装作業効率が低下してしまう。
そこで本発明においては、図3に示すように、ガラススペーサ基体14の端面14eをマスク22,22で挟み、コート液23の端面14eへの付着を防止してガラススペーサ基体14の幅面にスプレーして成膜24する。このガラススペーサ基体14の表面塗布後に除去ローラ25やブレード等を用いて端面14eに塗布されたコート液23を除去或いは掻き取るなどをして端面14eへの被膜形成を防ぐようにする。
次に、本発明の他の実施の形態を説明する。
図4は、本発明における第2の実施の形態を示したもので、噴霧器と加熱炉を直列に複数段設置する例を示したものである。
すなわち、上流側振動抑制ローラ20aの下流に1段目噴霧器18aと1段目加熱炉19aを設置し、その下流に下流側振動抑制ローラ20bを設け、その下流側振動抑制ローラ20bの下流側に、2段目噴霧器18と2段目加熱炉19bを設置する。
このように、例えば2段並べた場合、1段目と2段目で異なるコート液を塗布して、二層膜を形成することができる。また、2段とも同じコート液を塗布すれば2倍の膜厚を得ることができ、1段毎に形成できる膜厚が薄い場合に有効である。
図5は、本発明における第3の実施の形態を示したものである。
本実施の形態では、噴霧器18を1台とし、そのスプレー塗布位置の上流側に予熱用加熱炉19aを設置し、下流側に加熱炉19bを設置する。また予熱用加熱炉19aと噴霧器18間には下流側振動抑制ローラ20cを設ける。
予熱用加熱炉19aを設置することにより、スプレー塗布時のガラススぺーサ基体14の表面温度を上げておくことでコート液溶媒蒸発時間が短くできる。
本発明の第1の実施の形態を示す概略図である。 本発明において、スプレーガンのノズル距離毎の膜厚分布の測定結果を示す図である。 本発明においてガラススペーサ基体にコート液をスプレーする際の一例を示す図である。 本発明の第2の実施の形態を示す概略図である。 本発明の第3の実施の形態を示す概略図である。 本発明において、ガラススぺーサのパネル実装概略図である。
符号の説明
10 母材
11 線引炉
13 引取ローラ
14 ガラススペーサ基体
18 噴霧器
19 加熱炉
20 振動抑止ローラ(振動抑止治具)

Claims (10)

  1. ガラス母材を加熱・線引して形成されたガラススペーサ基体の表面に線引ライン上で被膜を形成して平面型ディスプレイ用ガラススぺーサを製造する方法であって、線引ライン上に設置した噴霧器と加熱炉を挟むように振動抑制治具と引取ローラを設置し、その振動抑制治具でガラススペーサ基体の振動を抑制しつつ、噴霧器よりコート液をガラススペーサ基体の表面に塗布することを特徴とする平面型ディスプレイ用ガラススペーサの製造方法。
  2. 振動抑制治具が振動抑制ローラからなり、その振動抑制ローラを、コート液がガラススペーサ基体の表面に塗布されるスプレー塗布位置の5m以内に設置し、引取ローラをスプレー塗布位置よりも下流側に設置した請求項1記載の平面型ディスプレイ用ガラススペーサの製造方法。
  3. 噴霧器は、ガラススペーサ基体を挟んで対向設置したスプレーガンからなり、そのスプレーガンでガラススペーサ基体の表面へのコート液塗布を2面同時に行う請求項1又は2記載の平面型ディスプレイ用ガラススペーサの製造方法。
  4. 噴霧器により噴霧されるコート液の平均液滴径が50μm未満である請求項1〜3のいずれかに記載の平面型ディスプレイ用ガラススペーサの製造方法。
  5. ガラススペーサ基体の表面における幅面方向の膜厚分布の最小膜厚tmin と最大膜厚tmax が、tmin/tmax>0.5を満たすように塗布する請求項1〜4のいずれかに記載の平面型ディスプレイ用ガラススペーサの製造方法。
  6. 加熱炉が噴霧器の下流側の線引ラインに設置されている請求項1〜5のいずれかに記載の平面型ディスプレイ用ガラススペーサの製造方法。
  7. 噴霧器と加熱炉が複数段設置されている請求項6記載の平面型ディスプレイ用ガラススペーサの製造方法。
  8. 噴霧器の上流側に塗布前のガラススペーサ基体を加熱する予熱用加熱炉を設置した請求項6記載の平面型ディスプレイ用ガラススペーサの製造方法。
  9. 噴霧器は、スプレーガンと、ガラススペーサ基体の端面を覆い、その端面へのコート液付着を防止するマスクと、ガラススペーサ基体の端面に付着したコート液を除去する除去ローラを有する請求項1〜8のいずかに記載の平面型ディスプレイ用ガラススペーサの製造方法。
  10. 請求項1〜9いずれかの方法を用いて形成されたことを特徴とする平面型ディスプレイ用ガラススペーサ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR100701785B1 (ko) * 2007-01-10 2007-03-29 (주)제인종합건축사사무소 공동주택의 악취방지 배수전
JP2010208886A (ja) * 2009-03-10 2010-09-24 Nippon Electric Glass Co Ltd 線状ガラス物品の製造方法および製造装置

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