JP2008170290A - 検査用光学装置及び検査装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】小さいチャートで視野内の複数位置にパターンを映し出すことができる検査用光学装置を提供する。
【解決手段】パターン13bの像を形成する光束を検査対象のカメラモジュール101に入射させる検査用の光学装置3は、パターン13bの像を形成する光束を射出し、その射出した原光束のうち光軸LAの方向へ射出された光束を入射角0°でカメラモジュール101に入射させ、パターン13bの実像を結像させるチャート13と、原光束のうち光軸LAに傾斜した方向へ射出された光束を反射して0°よりも大きい入射角でカメラモジュール101に入射させ、パターン13bの反射像RFを結像させるミラーボックス17とを有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、撮像装置等の光学系を検査するために当該光学系に所定のパターンの光束を照射する検査用光学装置及び当該検査用光学装置を有する検査装置に関する。
図13は、従来のカメラモジュールの検査方法の例を説明する斜視図である。検査対象のカメラモジュール1001の視野には、チャート1002が配置されている。チャート1002には、複数のパターン1003が形成されている。そして、カメラモジュール1001によりチャート1002を撮像し、その撮像画像におけるパターン1003の画質に基づいてカメラモジュール1001の良否が判定される。
カメラモジュール1001とチャート1002との物体距離Lは、カメラモジュール1001の実際の使用状態や検査目的に応じて設定され、例えば、300mm〜2000mmに設定される。チャート1002の大きさは、例えば1〜2m四方のものが利用されている。
ここで、像高の高い位置について検査しようとすると、チャート1002を大きくせざるを得ない。例えば、物体距離L=500mの場合に、視野角170°の視野の端部においてパターン1003を映し出そうとすると、チャート1002の横の長さHや縦の長さVは、L×tan(170°/2)=約11430mmとなる。
特許文献1では、チャートから被検レンズまでの光路の途中にミラーを出し入れすることにより、被検レンズに入射する光の光路を軸上光路と軸外光路との間で切り替える技術が開示されている。この技術では、光路の切替により、一のパターンの視野内の位置が視野中央と視野外周側との間で切り替えられる。従って、小さいチャートで広画角の検査が可能になる。
特開2004−93531号公報
しかし、特許文献1の技術は、光路を選択的に切り替えるものであることから、種々の問題が生じる。例えば、特許文献1の技術では、視野の中央と、視野の外周側との双方に同時にパターンを表示することができない。従って、例えば、視野内の複数位置について検査を行う場合、その複数位置にパターンを順次映し出して検査をしなければならず、時間がかかる。また、反射像を映し出す位置を増加させようとすると、その増加分だけミラーだけでなく、光路切替装置も増加又は大型化しなければならない。
本発明の目的は、新たな手法により小さいチャートで視野内の複数位置にパターンを映し出すことができる検査用光学装置を提供することにある。
本発明の第1の観点の検査用光学装置は、所定のパターンの像を形成する光束を検査対象の光学系に入射させる検査用光学装置であって、前記所定のパターンの像を形成する原光束を射出し、その射出した原光束のうち第1の方向へ射出された第1の光束を第1の入射角で前記光学系に入射させ、前記所定のパターンの実像を結像させるチャート部と、前記原光束のうち前記第1の方向とは異なる第2の方向へ射出された第2の光束を反射して前記第1の入射角とは異なる第2の入射角で前記光学系に入射させ、前記所定のパターンの反射像を結像させるミラー部と、を有する。
好適には、前記ミラー部は、前記チャート部が前記第1の光束を前記光学系に入射させているときに、前記第2の光束を前記光学系に入射させるように構成されている。
好適には、前記チャート部は前記光学系の光軸上に配置され、前記第1の方向は前記光学系の光軸方向であり、前記ミラー部は前記光軸から外れた位置に配置され、前記第2の方向は前記光軸に対して傾斜した方向であり、前記第2の入射角は第1の入射角より大きい。
好適には、前記ミラー部は、前記第2の光束を反射する複数の反射部を有し、前記複数の反射部は、前記第2の光束を順次反射することにより前記第2の光束を前記第1の光束に交差させつつ前記光学系へ進行させることが可能に、前記第1の方向の複数位置に配置されている。
好適には、前記ミラー部は、前記第2の光束を反射する複数の反射部を有し、前記複数の反射部は、前記第2の方向が互いに異なる複数の前記第2の光束を、前記第1の光束に交差させつつ前記光学系へ進行させるように、前記複数の第2の光束間で互いに異なる回数で反射し、前記複数の第2の光束を互いに異なる前記第2の入射角で前記光学系に入射させることが可能に、前記第1の方向の複数位置に配置されている。
好適には、前記ミラー部は、前記第1の光束を囲むように配置された複数のミラーを有し、前記複数の反射部は、前記複数のミラーそれぞれにおける、前記第1の方向の複数位置に位置する複数の領域である。
好適には、前記ミラー部は、前記第1の光束を囲むように、且つ、前記第1の方向の複数位置に配置された複数のミラーを有し、前記複数の反射部は、前記複数のミラーである。
好適には、前記第1の光束の光路上であって前記複数の反射部間となる位置に配置され、第2のパターンの像を形成する原光束を射出し、その射出した原光束のうち前記第1の方向へ射出された第3の光束を前記第1の入射角で前記光学系に入射させ、前記第2のパターンの実像を結像させる中間チャート部を更に有し、前記複数の反射部のうち、前記中間チャート部よりも前記光学系側に位置する反射部は、前記中間チャート部から射出された原光束のうち前記第1の方向とは異なる方向へ射出された光束を反射して前記第1の入射角とは異なる入射角で前記光学系に入射させ、前記第2のパターンの反射像を結像させる。
好適には、前記チャート部は、前記所定のパターンの像を形成する光束の射出面を前記第1の方向に直交するように配置され、前記ミラー部は、前記第1の方向に対して前記射出面に向く側へ傾斜した反射面を有する。
好適には、前記光学系と前記ミラー部との間に挿入可能で、前記光学系に無模様の光束を照射する無模様チャート部を更に有する。
本発明の第2の観点の光学装置は、所定のパターンの像を形成する光束を検査対象の光学系に入射させる検査用光学装置であって、前記光学系の光軸上において前記所定のパターンの像を形成する光束を射出するチャート部と、反射面により前記光軸周りの中空部を形成するように連結された複数のミラーを有し、前記チャート部により射出された原光束のうち前記光軸方向に射出された第1の光束を反射せずに前記中空部を通過させ、前記光軸に対して傾斜する方向に射出された第2の光束を反射して前記光学系に入射させるミラーボックスと、を有する。
好適には、前記ミラーボックスは、射出された方向が互いに異なる複数の前記第2の光束を互いに異なる回数で反射可能な長さを有する。
好適には、前記ミラーボックスは、前記第2の光束を順次反射するように、前記光軸方向の複数位置に互いに離間して設けられている。
好適には、前記ミラーボックスの前記光軸に直交する断面における前記反射面の形状は、平行四辺形である。
好適には、前記光学系の視野は矩形であり、前記ミラーボックスにおける前記平行四辺形は、前記視野の縦方向及び横方向を対角線の方向とする菱形である。
本発明の第3の観点の光学装置は、所定のパターンの像を形成する光束を検査対象の光学系に入射させる検査用光学装置であって、前記所定のパターンの像を形成する原光束を射出するチャート部と、前記原光束のうち互いに異なる方向へ射出された複数の光束を反射して前記光学系に互いに異なる入射角で入射させ、前記所定のパターンの反射像を結像させるミラー部と、を有する。
本発明の第4の観点の検査装置は、所定のパターンの像を形成する光束を検査対象の光学系に入射させる検査用光学装置と、前記光学系により結像された前記所定のパターンの像に基づいて前記光学系の良否を判定する判定部と、を有し、前記検査用光学装置は、前記所定のパターンの像を形成する原光束を射出し、その射出した原光束のうち第1の方向へ射出された第1の光束を第1の入射角で前記光学系に入射させ、前記所定のパターンの実像を結像させるチャート部と、前記原光束のうち前記第1の方向とは異なる第2の方向へ射出された第2の光束を反射して前記第1の入射角とは異なる第2の入射角で前記光学系に入射させ、前記所定のパターンの反射像を結像させるミラー部と、を有する。
本発明によれば、小さいチャートで視野内の複数位置にパターンを映し出すことができる。その結果、検査装置全体の大きさも小さくすることができる。
(第1の実施形態)
図1(a)は、本発明の第1の実施形態に係る検査装置1の概略構成を示す概念図であり、図1(b)は、検査装置1の要部を示す斜視図である。
検査装置1は、検査対象としてのカメラモジュール101に所定のパターンを投影する光学装置3と、光学装置3の動作を制御する制御部として機能するとともに、カメラモジュール101の撮像した画像に基づいてカメラモジュール101の良否を判定する判定部として機能する演算装置5とを有している。
カメラモジュール101は、例えば、自動車の死角等を撮像するための車載用カメラである。このようなカメラは、広い視野を有することが要求されることから、検査においては広い範囲にパターンが配置されることが要求される。カメラモジュール101は、例えば、対物レンズ102と、対物レンズ102によって結像された光を電気信号に変換するCCD等の撮像素子103とを有している。カメラモジュール101は、検査時においては、演算装置5と電気的に接続されており、演算装置5からの制御信号に基づいて撮像を行うとともに、撮像した画像を演算装置5に出力する。撮像素子103の受光面は、例えば、光軸LA方向に見て矩形である。従って、カメラモジュール101の視野は矩形である。
光学装置3は、光源11と、光源11からの光が照射されるチャート13と、複数のチャート13を保持するターレット15と、チャート13からの光を反射しつつ透過させるミラーボックス17と、カメラモジュール101におけるゴミ・シミの存在を検査をするための無模様チャート19とを有している。
光源11は、例えば、チャート13に対向する放射面11aに亘って均一な輝度で光を放射可能な面光源により構成されている。放射面11aは、例えば、光の放射方向に見て、チャート13よりも広く形成されている。光源11は、例えば、白色LEDが複数配置されたLED面光源により構成されている。
光源11の動作は、例えば、光源駆動部21を介して演算装置5により制御される。すなわち、演算装置5から光源駆動部21へ制御信号が出力されると、光源駆動部21は、その制御信号に応じた駆動電力を光源駆動部21に供給する。これにより、光源11の点灯、消灯、輝度調整が行われる。
チャート13は、例えば、基板13aと、基板13aに形成されたパターン13b(図1(b))とを有している。パターン13bは、例えば、透過性の基板13aに、基板13aとは光の透過率が異なる材料が配置されることにより形成されている。基板13aは、例えば、ガラスにより形成されている。パターン13bは、例えば、基板13aに金属が蒸着されて形成されている。パターン13bの形状は、検査の目的に応じて適宜に設定される。
チャート13とカメラモジュール101との物体距離Lは、カメラモジュール101の焦点距離、カメラモジュール101の実際の使用状態、検査目的等に応じて適宜に設定される。例えば、カメラモジュール101が、車載用のパンフォーカスのカメラであり、カメラから2〜3mの被写体にピントが合うように設定されるものである場合、物体距離L=1000mmである。
図1(c)は、ターレット15をカメラモジュール101の光軸LA(図1(a))の方向に見た図である。ターレット15は、例えば略円盤状に形成され、円周方向に沿って、互いに異なるパターン13bを有する複数のチャート13を有している。ターレット15は、図1(a)及び図1(c)に示すように、光源11に対向するとともに、円盤の中心に設けられた軸部15a回りに回転可能に設けられている。ターレット15の回転により、カメラモジュール101に投影されるチャート13は切り替えられる。
ターレット15は、例えば、モータ23により回転駆動される。モータ23は、例えばステッピングモータやサーボモータである。モータ23の動作は、例えば、モータ駆動部25を介して演算装置5により制御される。すなわち、演算装置5からモータ駆動部25へ制御信号が出力されると、モータ駆動部25は、その制御信号に応じた駆動電力をモータ23に供給する。これにより、ターレット15の回転、停止が行われる。
ミラーボックス17は、例えば、複数のミラー27が連結されることにより筒状に構成されている。例えば、複数のミラー27は、互いに同一形状の長方形の平面鏡であり、ミラーボックス17は、反射面により光軸LA周りの中空部が形成されるように4枚のミラー27が連結されることにより構成されている。ミラーボックス17の光軸LAに直交する断面における、ミラーボックス17の内面である反射面17a(図1(b))の形状は、菱形に形成されている。ミラーボックス17は、例えば菱形の対角線が、カメラモジュール101の撮像素子103の矩形(カメラモジュールの視野の矩形)の縦方向及び横方向に沿うように配置されている。
反射面17aにより囲まれる領域は、光軸LA方向に見て、例えば、パターン13b若しくはパターン13bのうち検査に必要な部分を包含可能な大きさを有している。ミラーボックス17の光軸LA方向の長さは、例えば、チャート13からカメラモジュール101までの物体距離Lと同程度又はそれよりも若干小さく設定されている。
無模様チャート19は、例えば、パターンが形成されていない無模様のチャートであり、光源11からの光を適宜な色の無模様の光に変換してカメラモジュール101に照射する。例えば、無模様チャート19は、ガラスからなる基板の表面に顔料等の適宜な材料が均等に塗布されたり、顔料等の適宜な材料が混ぜ合わされたガラスにより基板が形成されることにより構成され、白色や乳白色の光をカメラモジュール101に照射する。
無模様チャート19は、ミラーボックス17とカメラモジュール101との間に出し入れ可能に保持されている。無模様チャート19は、例えば、モータ29により光軸LAに直交する方向に進退駆動される。モータ29は、例えばステッピングモータやサーボモータである。モータ29の動作は、例えば、モータ駆動部31を介して演算装置5により制御される。すなわち、演算装置5からモータ駆動部31へ制御信号が出力されると、モータ駆動部31は、その制御信号に応じた駆動電力をモータ29に供給する。
なお、無模様チャート19は、カメラモジュール101におけるゴミ、シミの存在を検査するものであるから、無模様チャート19が挿入されたときに、できるだけ無模様の光がカメラモジュール101に照射されることが望ましい。そこで、ターレット15における、チャート13の複数の配置位置のうち1箇所は、チャート13が配置されておらず、孔部になっているか、又は、無模様のチャートが配置されており、無模様チャート19が挿入されたときに当該1箇所が光源11に対向するようにターレット15の位置が制御されてもよい。
光学装置3は、例えば、光源11、チャート13を保持したターレット15、ミラーボックス17、無模様チャート19、光源駆動部21、モータ23、モータ駆動部25、モータ29、モータ駆動部31及びカメラモジュール101を保持する基体33を有している。カメラモジュール101は、基体33に設けられた保持部33aにより保持される。従って、光学装置3は、光源11、チャート13、ミラーボックス17、無模様チャート19及び保持部33aが検査に適した位置関係で取り付けられた状態で流通される。基体33は、筐体やフレームなどにより構成されている。ただし、光学装置3は、検査装置1の設置現場において、各構成要素が床、壁、天井等に適宜に固定されて組み立てられるものであってもよい。
演算装置5は、例えば、パーソナルコンピュータにより構成されており、パソコン本体37と、ディスプレイ39と、不図示のキーボードとを有している。パソコン本体37は、特に図示しないが、CPU、ROM、RAM、外部記憶装置を有している。パソコン本体37のCPUは、外部記憶装置に記録されているプログラムに従って、光源駆動部21、モータ駆動部25、モータ駆動部31及びカメラモジュール101へ制御信号を出力するとともに、カメラモジュール101から出力された画像信号を処理する。
パソコン本体37は、カメラモジュール101から出力された画像信号の処理として、例えば、カメラモジュール101の撮像画像に基づいてカメラモジュール101の良否判定を行う。良否判定は、例えば、カメラモジュール101により撮像された画像と、予め外部記憶装置等に記録されている画像とを比較し、適宜な基準で両者が一致するか否かを判定し、一致しない場合には、不良品であると判定する。これにより、例えば、収差の大きいカメラモジュール101が発見される。
以上の構成を有する検査装置1においては、無模様チャート19をカメラモジュール101の視野から退避させた状態で、光源11の光がチャート13に照射され、チャート13からパターン13bの光束が射出される。そして、カメラモジュール101によりパターン13bが撮像され、その撮像画像が演算装置5に出力されることにより、カメラモジュール101の種々の検査が行われる。この際の検査は、例えば、上述のような予め記録された画像との対比に基づく検査である。
また、無模様チャート19をカメラモジュール101の視野に挿入させた状態で、光源11の光がターレット15を介して無模様チャート19に照射され、無模様チャート19から無模様の光束がカメラモジュール101に照射される。そして、カメラモジュール101により無模様チャート19が撮像され、その撮像画像が演算装置5に出力されることにより、カメラモジュール101のレンズ等におけるゴミ、シミの存在の有無の検査が行われる。この検査は、例えば、演算装置5が、画素の輝度が所定の閾値よりも低い画素をカウントすることにより行われる。
図2は、カメラモジュール101における、チャート13のパターン13bの見え方を説明する図である。図2では、パターン13bは、透光性の基板13aに遮光性の材料が文字「F」の周囲に配置されることにより形成されている。
図2(a)は、光軸LA方向に見たミラーボックス17とチャート13との位置関係を示す図である。ミラーボックス17の断面形状は、反射面17aにより形成される菱形によりパターン13bを囲むことができる大きさに形成されている。なお、図2(a)では、反射面17aにより形成される菱形が、チャート13の矩形に包含される大きさに形成されている場合を例示している。
図2(b)は、カメラモジュール101の撮像画像のうち、視野中央側の一部を示す図である。視野中央には、パターン13bの実像RLが映し出されている。実像RLの周囲には、反射面17aにより形成されたパターン13bの反射像RFが複数映し出されている。反射面17aは、合わせ鏡になっているので、パターン13bの反射像の反射像が繰り返し形成されることにより、反射像RFは、視野外周側に無限に広がっている。なお、反射像RFの配置位置には、実像RLの周囲から上下方向及び左右方向に延びる、ミラーボックス17の継ぎ目17bが映っている。
図3は、パターン13bから射出された光束の光路を説明する図である。パターン13bから種々の方向に射出される光線の集まりを原光束と呼ぶこととする。原光束には、実像RLを結ぶ光束や反射像RFを結ぶ光束等の複数の光束が含まれている。図3(a)は、その複数の光束のうちの一部の光束の光路LR0〜LR4を示す図である。図3(b)は、光路LR0〜LR4の光束により結像されるパターン13bの像の、カメラモジュール101の視野FV内における位置を模式的に示す図である。なお、各光束の光路は、各光束の主光線の光路に代表される。
光路LR0〜LR4の符号のうち、0〜4は、ミラーボックス17内における反射回数を示している。すなわち、光路LR0は、ミラーボックス17内を光軸LAに沿って進み、パターン13bの実像RLをカメラモジュール101に結像させる光路であり、光路LR1〜LR4は、それぞれ1〜4回反射面17aで反射して、パターン13bの反射像RFをカメラモジュール101に結像させる光路である。
図3(a)に示すように、反射回数が多い光路ほど、カメラモジュール101への入射角φ(図3(a)では、光路LR1の入射角φを例示している。)は大きくなる。なお、反射回数が0の光路LR0の入射角は、例えば約0°である。従って、パターン13bの反射像RFは、図3(b)に示すように、パターン13bの実像RLを中心として、反射回数の少ない順に、すなわち、光路LR1、LR2、LR3、LR4の順に、外周側へ配列されている。なお、反射回数が奇数回の場合には、パターン13bの反射像RFは実像RLを反転した像である。
パターン13bの反射像RFの像高は、以下のように算出される。対向する2枚のミラー27の反射面17a間の距離を2dとする。換言すれば、光軸LAから反射面17aまでの距離をdとする。ミラーボックス17内における反射回数がn回の光路LRnにおける、カメラモジュール101に入射する直前の反射位置からカメラモジュール101までの距離をLsとする(図3(a)では、光路LR4のLsを例示している。)。Lsは、物体距離Lを反射回数の2倍で割ることにより算出される。すなわち、Ls=L/(2×n)である。入射角φは、φ=actan(d/Ls)により算出される。そして、反射像RFの像高は、カメラモジュール101の視野角をφmaxとして、2×φ/φmax×100(%)により算出される。例えば、物体距離L=1000mm、視野角φmax=160°、d=250mmの場合、反射回数4回の光路LR4においては、Ls=125mm、φ=約63°、像高=約79%となる。
なお、光路LRnの長さは、Ls/cosφ×2n=L/cosφである。一方、パターン13bが、実際に、チャート13と同一平面上において入射角φとなる位置に配置されたと仮定した場合における、そのパターン13bからカメラモジュール101までの光路長さは、L/cosφである。すなわち、光路LRnの長さは、パターン13bがチャート13と同一平面上であって入射角φとなる位置に、実際に配置されているときの光路長さと同一である。
また、光路LRnのチャート13の射出面に直交する線(光軸LA)に対する角度である射出角β(図3(a)では光路LR1の射出角βを例示している。)は、β=φとなっている。一方、パターン13bが、実際に、チャート13と同一平面上において入射角φとなる位置に配置されたと仮定した場合における、そのパターン13bからの射出角は、入射角φに等しい。すなわち、光路LRnの射出角βは、パターン13bがチャート13と同一平面上であって入射角φとなる位置に、実際に配置されているときの射出角と同一である。
従って、カメラモジュール101からは、パターン13bがチャート13と同一平面上に無限に広がっているように見えることになる。換言すれば、カメラモジュール101からは、チャート13の位置に、チャート13よりも大きな平面状のチャートが配置されているように見えることになる。
以上の実施形態によれば、パターン13bの像を形成する光束を検査対象のカメラモジュール101に入射させる光学装置3は、パターン13bの像を形成する原光束を射出し、その射出した原光束のうち光軸LAの方向へ射出された光束を入射角0°でカメラモジュール101に入射させ、パターン13bの実像RLを結像させるチャート13と、原光束のうち光軸LAに傾斜した方向へ射出された光束を反射して0°よりも大きい入射角でカメラモジュール101に入射させ、パターン13bの反射像RFを結像させるミラーボックス17とを有しているから、カメラモジュール101の視野内の複数位置にパターン13bを映し出すことができる。
そして、複数位置に映し出されたパターン13bの像は、いずれも互いに異なる光束により形成されるから、同時に映し出すことができる。例えば、ミラーボックス17は、チャート13が光路LR0の光束をカメラモジュール101に入射させているときに、光路LR1〜LR4の光束をカメラモジュール101に入射させることができる。従って、従来のように光路を切り替える技術に比較して、短時間で視野内の複数位置について検査を行うことができる。また、光路を選択的に切り替える機構も不要であり、構成が簡素である。
ミラーボックス17は、反射像の反射像を繰り返し形成することが可能な長さを有している。具体的には、ミラーボックス17は、反射面17aにおける、光軸LA方向の複数位置に位置する複数の領域(反射部)により、光路LR1〜LR4の光束を順次反射することにより、これらの光束を光路LR0に交差させつつカメラモジュール101に進行させている。従って、ミラー部の幅(2d)を小さくしても、反射回数を多くして像高を高くすることができる。
ミラーボックス17は、反射面17aにおける、光軸LA方向の複数位置に位置する複数の領域(反射部)により、複数の光路LR1〜LR4の光束を互いに異なる回数で反射し、互いに異なる入射角φでカメラモジュール101に入射させていることから、複数の像高について検査することができる。
光学装置3は、カメラモジュール101とミラーボックス17との間に挿入可能で、カメラモジュール101に無模様の光束を照射する無模様チャート19を有していることから、ターレット15に保持された無模様のチャートによりシミやゴミの検査を行う場合に比較して、ミラーボックス17の継ぎ目17bの影響等を低減することができる。
視野FVが矩形である場合には、矩形の対角線上における像に基づいてカメラモジュール101の検査を行うことが多い。一方、ミラーボックス17は、菱形の対角線が視野FVの縦方向及び横方向に沿うように配置されており、継ぎ目17bは視野FVの対角線とは異なる位置に位置する。従って、継ぎ目17bによって検査に支障がでることがない。
(第2の実施形態)
図4(a)は、本発明の第2の実施形態に係る検査装置201を説明する図である。
第2の実施形態では、ミラーボックス217の形状が第1の実施形態と相違する。すなわち、第2の実施形態のミラーボックス217は、台形状の平面鏡であるミラー227が4枚連結されて、チャート13側が拡径する4角錐状に形成されている。従って、ミラーボックス217の反射面217a(図5)は、光軸LAに対してチャート13に向く側へ傾斜している。
図4(b)は、カメラモジュール101から見たチャート13の見え方を説明する図である。上述したように、第1の実施形態のように、反射面が光軸LAに対して平行な場合、カメラモジュール101からは、チャート13と同一平面上に位置する仮想面VS1に複数のパターン13bが配置されているかのように見える。一方、第2の実施形態では、カメラモジュール101からは、仮想面VS1の外周側をカメラモジュール101側へ湾曲させた仮想面VS2に複数のパターン13bが配置されているかのように見える。
図5は、カメラモジュール101において図4(b)のように見える原理を説明する図である。
図5では、パターン13bから射出された原光束のうち、光軸LA方向に射出され、カメラモジュール101にパターン13bの実像を結像させる光束LF0と、光軸LAに傾斜する方向に射出され、反射面217aで2回反射され、カメラモジュール101にパターン13bの反射像を結像させる光束LF2とを例示している。
第1の実施形態では、入射角φ=φ2で光束が入射した場合には、その光束は、チャート13から射出角β=φ2で射出された光束であった。従って、カメラモジュール101からは、入射角φ2の方向に、光軸LAに直交する仮想パターン13b″が配置されているかのように見えた。
しかし、第2の実施形態では、反射面217aが傾斜しているために、光束LF2は、チャート13から射出角β2で射出され(光束LF2の主光線が射出角β2で射出され)、射出角β2よりも大きい入射角φ2で入射している。従って、カメラモジュール101からは、入射角φ2の方向に、光軸LAに対して角度φ2−β2だけ傾斜した仮想パターン13b′が配置されているかのように見える。
また、図5から理解されるように、光束LF2の光路は、光軸LAに対して徐々に傾斜が大きくなる光路であることから、反射回数が同じ2回である、第1の実施形態の光路LR2の長さよりも短く、物体距離Lよりも長い。従って、カメラモジュール101からは、仮想パターン13b′が、仮想パターン13b″よりもカメラモジュール101に近く、パターン13bよりは遠い位置に配置されているように見える。
反射回数が2回の場合について説明したが、反射回数が2回以外の場合も同様である。従って、仮想面VS2は、仮想面VS1の外周側をカメラモジュール101側へ湾曲させた形状になっている。
図6は、第2の実施形態における射出角βと、入射角φと、反射面217aの傾斜角θとの関係を説明する図である。図6では、1回反射の場合の光路LR1を例示している。
光路LR1の反射面217aへの入射角(=反射角)をαとすると、次式、
π/2=α+φ−θ、π/2=α+φ+θ
が成立する。この2式からαを除去すると、
β=φ−2θ
となる。また、反射回数がn回の場合には、
β=φ−2nθ
である。従って、入射角φと射出角βとの差φ−βは、傾斜角θが大きくなるほど、また、反射回数nが多くなるほど、大きくなる。
以上の第2の実施形態によれば、第1の実施形態と同様の効果が得られる。さらに、反射面117aが光軸LAに対してチャート13に向く側へ傾斜していることから、パターン13bに対する視点角度(射出角β)を小さくすることができ、像高が高い位置の検査を好適にできる。すなわち、射出角βが大きくなると、パターン13bを斜めの方向から見ることになり、パターン13bを正面から見る場合に比較して、検査の精度が低下する。しかし、第2の実施形態では、入射角φを大きくして広視野の検査を可能としつつ、射出角βを小さくして検査の精度を向上できる。
(第3の実施形態)
図7は、本発明の第3の実施形態に係る検査装置を説明する図である。
第3の実施形態では、ミラーボックスの構成が第1の実施形態と相違する。すなわち、第3の実施形態のミラーボックス部317は、光軸方向に配置された2個の第1ミラーボックス318Aと、第2ミラーボックス318B(以下、両者を区別せずに、単に「ミラーボックス318」ということがある。)とを有している。そして、カメラモジュール101には、チャート13のパターン13bから射出された原光束のうち、光軸LA方向に射出された光束LF0が入射してパターン13bの実像が結像されるとともに、光軸LAに対して傾斜する方向に射出され、第1ミラーボックス318A及び第2ミラーボックス318Bにより順次反射された光束LF2が入射してパターン13bの反射像が結像される。
換言すれば、第2の実施形態では、第1の実施形態のような、互いに反射回数の異なる複数の光束をカメラモジュール101に入射させることが可能な比較的長いミラーボックスのうち、一部分を分割して取り出すことにより、互いに反射回数の異なる複数の光束のうち、所望の反射回数の光束だけを取り出してカメラモジュール101に入射させている。
第1ミラーボックス318Aは、第1の実施形態と同様に、反射面が光軸LAに平行になるように構成され、第2ミラーボックス318Bは、第2の実施形態と同様に、反射面がチャート13側に向くように光軸LAに対して傾斜するように構成されている。第2ミラーボックス318Bは、第2の実施形態と同様に、入射角φ2を射出角β2よりも大きくする。
以上の第3の実施形態によれば、第1の実施形態と同様の効果が得られる。さらに、所望の反射回数の光束だけを取り出してカメラモジュール101に入射させるように、第1の実施形態のようなミラーボックスを分割してミラーボックス部317を構成したことから、第1の実施形態に比較して、作成すべきミラーボックス318各々を小型にすることができる。従って、コスト削減が図られる。また、ミラーボックス318各々が小型であることから、ミラーボックス318の自重によるねじれ変形、曲げ変形等も縮小され、反射面の面精度が高く保たれ、検査を高精度で行うことができる。また、第2ミラーボックス318Bは、第2の実施形態と同様に、チャート13側が拡径していることから、第2の実施形態と同様に、入射角φを大きくして広視野の検査を可能としつつ、射出角βを小さくして検査の精度を向上できる。
(第4の実施形態)
図8は、本発明の第4の実施形態に係る検査装置を説明する図である。
第4の実施形態のミラーボックス418は、第3の実施形態のミラーボックス部417と同様に、第1の実施形態のような、互いに反射回数の異なる複数の光束をカメラモジュール101に入射させる比較的長いミラーボックスのうち、一部分を分割して取り出すことにより、互いに反射回数の異なる複数の光束のうち、所望の反射回数の光束だけを取り出してカメラモジュール101に入射させるものである。
しかし、第3の実施形態のミラーボックス部417が、反射回数が2回の光束をカメラモジュール101に入射させるものであったのに対し、第4の実施形態のミラーボックス418は、反射回数が1回の光束LF1をカメラモジュール101に入射させるものである点で相違する。
ミラーボックス418は、第2の実施形態のミラーボックス217や第3の実施形態の第2ミラーボックス318Bと同様に、チャート13側が拡径しており、射出角β1は入射角α1よりも小さい。
第3の実施形態のように、反射回数が複数回の光束を取り出す場合、最もカメラモジュール101側のミラーボックス(第3の実施形態では第2ミラーボックス318B)の位置は、検査すべき入射角φ(第3の実施形態ではφ2)により決定される。一方、射出角βは、最もチャート13側のミラーボックス(第3の実施形態では第1ミラーボックス318A)により既定され、そのミラーボックス(318A)がカメラモジュール101側にあるほど、射出角βは小さくなる。従って、最もチャート13側のミラーボックス(318A)が最もカメラモジュール101側のミラーボックス(318B)に近づけて配置されることが、射出角βの観点からは望ましい。
第4の実施形態のミラーボックス418は、いわば、最もチャート13側のミラーボックスを最もカメラモジュール101側のミラーボックスに近づけて一致させた場合であるから、所定の入射角φにおける検査を行う場合、第3の実施形態のような、反射回数が複数回のミラーボックス部に比較して、射出角βが最も小さい。従って、射出角βの面からは、第3の実施形態よりも有利である。特に、後述する第6の実施形態のように、チャート13に代えて液晶ディスプレイによりパターンを表示する場合など、チャート部の視野角が狭い場合に有利である。なお、反射回数が1回の場合には、パターン13bの反射像は実像に対して反転しており、反射像の反転が好ましくない場合には、第3の実施形態が有利である。
(第5の実施形態)
図9は、本発明の第5の実施形態の検査装置501を説明する図である。
第5の実施形態の検査装置501は、ミラーボックスの構成が第1の実施形態とは異なるとともに、チャート13とは別に、中間チャート514を有している点で第1の実施形態と相違する。
第5の実施形態のミラーボックス部517は、光軸方向に配置された2個の第1ミラーボックス518Aと、第2ミラーボックス518B(以下、両者を区別せずに、単に「ミラーボックス518」ということがある。)とを有している。第1ミラーボックス518A及び第2ミラーボックス518Bは、例えば、第3の実施形態と同様に、第1の実施形態のような、互いに反射回数の異なる複数の光束をカメラモジュール101に入射させるミラーボックスのうち、一部分を分割して取り出すことにより、互いに反射回数の異なる複数の光束のうち、所望の反射回数の光束だけを取り出してカメラモジュール101に入射させるように構成されている。
例えば、図3(a)を参照して説明したミラーボックス17において、物体距離Lの中央の位置となる部分を削除して、光路LR1〜LR4のうち光路LR2及びLR4の光束を取り出してカメラモジュール101へ入射させるように構成されている。
中間チャート514は、チャート13と同様の構成である。なお、中間チャート514には、検査の目的に応じて、チャート13のパターン13bと同一又は異なるパターン(不図示)が形成されている。
中間チャート514は、中間ターレット516により保持されている。中間ターレット516は、ターレット15と同様の構成である。また、中間ターレット516は、特に図示しないが、ターレット15と同様に、モータによって回転駆動され、モータの動作は、演算装置5の制御信号に応じた電力がモータ駆動部からモータに供給されることにより制御される。
中間チャート514が第1ミラーボックス518A、第2ミラーボックス518B間に配置されている場合、中間チャート514のパターンから射出した光束のうち、図3(a)の光路LR0、光路LR2、光路LR4を通る光束がカメラモジュール101に入射して結像する。従って、チャート13と同一の入射角φ、及び、チャート13の物体距離Lの半分の物体距離で、光束が入射することになる。なお、中間チャート514から射出された光束の光路LR2、LR4における反射回数は、チャート13から射出された光束の光路LR2、LR4における反射回数の半分になっている。従って、光路LR2、LR4の反射回数は奇数であり、中間チャート514のパターンの反射像は実像に対して反転している。
以上のとおり、第5の実施形態では、物体距離Lの検査と、物体距離L/2の検査との2種類の物体距離の検査を行うことができる。なお、2種類の物体距離の検査は、同時に行われてもよいし、別々に行われてもよい。例えば、チャート13のパターン13bと、中間チャート514のパターンとを同時にカメラモジュール101に投影して検査を行ってもよい。また、ターレット15、中間ターレット516にそれぞれ無模様のチャートを保持させ、あるいは、チャートを保持しない孔部を設け、一方のターレットが、パターンが形成されたチャートを光軸LA上に配置しているときに、他方のターレットが、無模様のチャート又は孔部を光軸LA上に配置するようにしてもよい。
(第6の実施形態)
図10は、本発明の第6の実施形態の検査装置601を説明する図である。
第6の実施形態の検査装置601は、ディスプレイ613によってパターン(不図示)を形成する点が第1の実施形態と相違する。ディスプレイ613は、例えば、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイによって構成されている。なお、ディスプレイ613は、モアレが発生しないことが好ましい。ディスプレイ613の動作は、演算装置5によって制御される。すなわち、演算装置5から所定の映像信号がディスプレイ613に出力され、ディスプレイ613がその映像信号に応じた画像を表示することにより、所望のパターンが表示される。
第6の実施形態によれば、高速にパターンを切り替えることができるとともに、検査装置の小型化、低コスト化を図ることができる。
本発明は、以上の実施形態に限定されず、種々の態様で実施してよい。
検査対象の光学系は、カメラモジュールに限定されない。例えば、光学系は、撮像素子やフィルム等の結像面を自らが有さなくてもよい。すなわち、光学系は、他の装置に設けられた撮像面に結像するレンズモジュールであってもよい。なお、この場合、レンズモジュールにより検査装置の有する撮像素子に結像し、レンズモジュールの良否を判定すればよい。光学系は、パンフォーカスのものに限定されず、ズームレンズを含むものであってもよい。
チャート部は、第1の実施形態に示したように、光源からの光が照射される一般的なチャートであってもよいし、第6の実施形態で示したように、ディスプレイによって構成されるものであってもよい。同様に、中間チャート部や、無模様チャート部も、光源からの光が照射されるチャートであってもよいし、ディスプレイによって構成されるものであってもよい。また、チャート部は、光路上に出し入れ可能なものであってもよいし、常時設置されているものであってもよい。中間チャート部も同様である。
ミラー部は、ミラーボックス又はミラーボックスの組み合わせにより構成されるものに限定されない。例えば、互いに離間して配置された複数枚のミラーにより構成されてもよい。ただし、ミラー部がミラーボックスにより形成されたほうが、簡便に実像の周囲の複数位置に反射像を結像することができ、また、外部からの光の影響も抑制できる。また、ミラー部は、例えば、一枚のミラーにより構成されてもよい。換言すれば、ミラー部は、複数の反射像を検査対象の光学系に結像させるものでなくてもよく、一の反射像を結像させるものであってもよい。ミラー部が一の反射像を結像させるものであっても、パターンの実像とパターンの反射像とが視野内に配置されれば、ミラー部がない場合に比較して、小さいチャートで広い視野を検査できる。ミラー部を形成するミラーは、平面鏡に限定されず、凹面鏡や凸面鏡であってもよい。
ミラー部の反射面の向きは、光軸に平行、チャート部側に向くように光軸に傾斜するものに限定されない。また、第3、第5の実施形態のように複数のミラーボックスによりミラー部を構成する場合のように、光軸方向に配置された複数の反射部が設けられる場合に、その反射面の向きの組み合わせも適宜に設定されてよい。例えば、第3の実施形態では、第1ミラーボックス318Aの反射面が光軸LAに平行になるように、第2ミラーボックス318Bの反射面がチャート13側に向くように構成されたが、逆に、第1ミラーボックス318Aの反射面がチャート13側に向くように、第2ミラーボックス318Bの反射面が光軸LAに平行に構成されていてもよい。この場合も第3の実施形態と同様の効果が得られる。
ミラー部をミラーボックスにより構成する場合、ミラーボックスの光軸に直交する断面の形状(より厳密には反射面の形状)は、菱形に限定されない。例えば、3角形や5角形であってもよい。ただし、互いに平行な辺のみにより構成される形状であれば、繰り返し反射される光束の光路を計算するのが容易である。そして、そのような形状のうち、4角形が最も単純で光路の計算が容易であり、また、4方に像が得られれば検査の精度としても十分である。従って、平行四辺形が好ましい。なお、平行四辺形には、菱形が含まれ、菱形には、正方形が含まれる。また、ミラーボックスの断面形状と、検査対象の光学系の視野の形状との光軸回りの相対的な回転位置も適宜に設定されてよい。なお、視野の形状は、撮像面により既定されるものに限定されず、例えば、絞りによって既定されてもよい。
図11は、ミラーボックスの断面形状及びその光軸回りの回転位置の変形例を示す図である。図11(a)は、光軸方向に見たミラーボックス717とチャート713との位置関係を示す図である。なお、図11(a)では、パターン713bは、透光性の基板713aに遮光性の材料が文字「F」の形状に配置されることにより形成されている。
ミラーボックス717の断面形状、より厳密には、当該断面形状における反射面717aの形状は、正方形に形成されている。また、正方形は、縦横方向が、検査対象の光学系の矩形の視野の縦横方向(図11の紙面上下左右方向)に一致するように配置されている。
図11(b)は、検査対象の光学系により結像される像について、視野中央付近の一部を示す図である。視野中央にはパターン713bの実像RLが結像され、その外周には、パターン713bの反射像RFが複数結像されている。視野の対角線の方向には、ミラーボックス717の継ぎ目717bが映っている。この場合であっても、検査位置が視野の対角線方向の位置でなく、縦横方向の位置であれば、継ぎ目717bの影響はない。
図12は、ミラーボックスの断面形状及びその光軸回りの回転位置の他の変形例を示す図である。図12(a)は、光軸方向に見たミラーボックス817とチャート13との位置関係を示す図である。
ミラーボックス817の断面形状、より厳密には、当該断面形状における反射面817aの形状は、ミラーボックス17と同様に菱形であるが、ミラーボックス17が横方向に長い菱形であったのに対し、縦方向に長い菱形である点で相違する。
図12(b)は、検査対象の光学系により結像される像について、視野中央付近の一部を示す図である。図2(b)を参照して説明したミラーボックス17と同様に、視野中央にはパターン13bの実像RLが結像され、その外周には、パターン13bの反射像RFが複数結像され、継ぎ目817bは上下左右方向に延びている。しかし、図12(b)では、複数の反射像RFの向きや位置が図2(b)と異なる。従って、ミラーボックスを菱形とする場合においても、検査対象の光学系によって、すなわち、検査位置によって、菱形の上下方向の比を適宜に設定することが好ましい。
第5の実施形態のように、中間チャートを配置する場合、その位置及び数は適宜に設定してよく、物体距離(チャート部から光学系までの距離)の中央の位置に限定されない。
パターンの実像とパターンの反射像とは同時に結像されなくてもよく、また、パターンの複数の反射像は同時に結像されなくてもよい。この場合であっても、実像と反射像とは、又は、複数の反射像は、互いに異なる光束が結像されるものであるから、従来の光束の光路を切り替える装置は不要であるという効果を奏する。ただし、同時に結像されるほうが、構成が簡素であるし、検査も短時間で行うことができる。
実施形態では、チャート部から光軸方向に射出された光束によりパターンの実像を結像させ、チャート部から光軸に傾斜した方向に射出された光束によりパターンの反射像を結像させた。しかし、逆に、チャート部から光軸方向に射出された光束をミラー部により反射してパターンの反射像を結像させ、チャート部から光軸に傾斜した方向に射出された光束によりパターンの実像を結像させてもよい。すなわち、第1の方向及び第2の方向は互いに異なる方向であればよく、第1の方向は光軸方向に、第2の方向は光軸に傾斜した方向に限定されない。ただし、光軸方向に射出された光束によりパターンの実像を結像させ、光軸に対して傾斜した方向に射出された光束によりパターンの反射像を結像させるようにしたほうが、複数の反射像を実像の周囲の所望の位置に配置することが容易であり、簡便且つ好適に像高が高い複数の位置で検査をすることできる。
本発明の光学装置は、チャート部から射出された原光束のうち、互いに異なる方向に射出された光束を、少なくとも一の光束を反射することにより、互いに異なる角度で検査対象の光学系に入射させ、結像させることができればよく、実像と、反射像とが結像されるものに限定されず、複数の反射像のみを結像させるものであってもよい。
本発明の第1の実施形態の検査装置の構成を説明する図。 図1の検査装置におけるパターンの見え方を説明する図。 図1の検査装置における光束の光路を説明する図。 本発明の第2の実施形態に係る検査装置を説明する図。 図4の検査装置におけるパターンの見え方の原理を説明する図。 図4の検査装置における光路の幾何学的関係を説明する図。 本発明の第3の実施形態に係る検査装置を説明する図。 本発明の第4の実施形態に係る検査装置を説明する図。 本発明の第5の実施形態の検査装置を説明する図。 本発明の第6の実施形態の検査装置を説明する図。 ミラーボックスの断面形状の変形例を示す図。 ミラーボックスの断面形状の他の変形例を示す図。 従来技術を説明する図。
符号の説明
1…検査装置、3…光学装置(検査用光学装置)、13…チャート(チャート部)、13b…パターン、17…ミラーボックス(ミラー部)、101…カメラモジュール(検査対象の光学系)、RL…実像、RF…反射像。

Claims (17)

  1. 所定のパターンの像を形成する光束を検査対象の光学系に入射させる検査用光学装置であって、
    前記所定のパターンの像を形成する原光束を射出し、その射出した原光束のうち第1の方向へ射出された第1の光束を第1の入射角で前記光学系に入射させ、前記所定のパターンの実像を結像させるチャート部と、
    前記原光束のうち前記第1の方向とは異なる第2の方向へ射出された第2の光束を反射して前記第1の入射角とは異なる第2の入射角で前記光学系に入射させ、前記所定のパターンの反射像を結像させるミラー部と、
    を有する検査用光学装置。
  2. 前記ミラー部は、前記チャート部が前記第1の光束を前記光学系に入射させているときに、前記第2の光束を前記光学系に入射させるように構成されている
    請求項1に記載の検査用光学装置。
  3. 前記チャート部は前記光学系の光軸上に配置され、前記第1の方向は前記光学系の光軸方向であり、
    前記ミラー部は前記光軸から外れた位置に配置され、前記第2の方向は前記光軸に対して傾斜した方向であり、前記第2の入射角は第1の入射角より大きい
    請求項1又は2に記載の検査用光学装置。
  4. 前記ミラー部は、前記第2の光束を反射する複数の反射部を有し、
    前記複数の反射部は、前記第2の光束を順次反射することにより前記第2の光束を前記第1の光束に交差させつつ前記光学系へ進行させることが可能に、前記第1の方向の複数位置に配置されている
    請求項1〜3のいずれか1項に記載の検査用光学装置。
  5. 前記ミラー部は、前記第2の光束を反射する複数の反射部を有し、
    前記複数の反射部は、前記第2の方向が互いに異なる複数の前記第2の光束を、前記第1の光束に交差させつつ前記光学系へ進行させるように、前記複数の第2の光束間で互いに異なる回数で反射し、前記複数の第2の光束を互いに異なる前記第2の入射角で前記光学系に入射させることが可能に、前記第1の方向の複数位置に配置されている
    請求項1〜4のいずれか1項に記載の検査用光学装置。
  6. 前記ミラー部は、前記第1の光束を囲むように配置された複数のミラーを有し、
    前記複数の反射部は、前記複数のミラーそれぞれにおける、前記第1の方向の複数位置に位置する複数の領域である
    請求項4又は5に記載の検査用光学装置。
  7. 前記ミラー部は、前記第1の光束を囲むように、且つ、前記第1の方向の複数位置に配置された複数のミラーを有し、
    前記複数の反射部は、前記複数のミラーである
    請求項4又は5に記載の検査用光学装置。
  8. 前記第1の光束の光路上であって前記複数の反射部間となる位置に配置され、第2のパターンの像を形成する原光束を射出し、その射出した原光束のうち前記第1の方向へ射出された第3の光束を前記第1の入射角で前記光学系に入射させ、前記第2のパターンの実像を結像させる中間チャート部を更に有し、
    前記複数の反射部のうち、前記中間チャート部よりも前記光学系側に位置する反射部は、前記中間チャート部から射出された原光束のうち前記第1の方向とは異なる方向へ射出された光束を反射して前記第1の入射角とは異なる入射角で前記光学系に入射させ、前記第2のパターンの反射像を結像させる
    請求項4又は5に記載の検査用光学装置。
  9. 前記チャート部は、前記所定のパターンの像を形成する光束の射出面を前記第1の方向に直交するように配置され、
    前記ミラー部は、前記第1の方向に対して前記射出面に向く側へ傾斜した反射面を有する
    請求項1〜8のいずれか1項に記載の検査用光学装置。
  10. 前記光学系と前記ミラー部との間に挿入可能で、前記光学系に無模様の光束を照射する無模様チャート部を更に有する
    請求項1〜9のいずれか1項に記載の検査用光学装置。
  11. 所定のパターンの像を形成する光束を検査対象の光学系に入射させる検査用光学装置であって、
    前記光学系の光軸上において前記所定のパターンの像を形成する原光束を射出するチャート部と、
    反射面により前記光軸周りの中空部を形成するように連結された複数のミラーを有し、前記原光束のうち前記光軸方向に射出された第1の光束を反射せずに前記中空部を通過させ、前記光軸に対して傾斜する方向に射出された第2の光束を反射して前記光学系に入射させるミラーボックスと、
    を有する検査用光学装置。
  12. 前記ミラーボックスは、射出された方向が互いに異なる複数の前記第2の光束を互いに異なる回数で反射可能な長さを有する
    請求項11に記載の検査用光学装置。
  13. 前記ミラーボックスは、前記第2の光束を順次反射するように、前記光軸方向の複数位置に互いに離間して設けられている
    請求項11に記載の検査用光学装置。
  14. 前記ミラーボックスの前記光軸に直交する断面における前記反射面の形状は、平行四辺形である
    請求項11〜13のいずれか1項に記載の検査用光学装置。
  15. 前記光学系の視野は矩形であり、
    前記ミラーボックスにおける前記平行四辺形は、前記視野の縦方向及び横方向を対角線の方向とする菱形である
    請求項14に記載の検査用光学装置。
  16. 所定のパターンの像を形成する光束を検査対象の光学系に入射させる検査用光学装置であって、
    前記所定のパターンの像を形成する光束を射出するチャート部と、
    前記チャート部により射出された原光束のうち互いに異なる方向へ射出された複数の光束を反射して前記光学系に互いに異なる入射角で入射させ、前記所定のパターンの反射像を結像させるミラー部と、
    を有する検査用光学装置。
  17. 所定のパターンの像を形成する光束を検査対象の光学系に入射させる検査用光学装置と、
    前記光学系により結像された前記所定のパターンの像に基づいて前記光学系の良否を判定する判定部と、
    を有し、
    前記検査用光学装置は、
    前記所定のパターンの像を形成する原光束を射出し、その射出した原光束のうち第1の方向へ射出された第1の光束を第1の入射角で前記光学系に入射させ、前記所定のパターンの実像を結像させるチャート部と、
    前記原光束のうち前記第1の方向とは異なる第2の方向へ射出された第2の光束を反射して前記第1の入射角とは異なる第2の入射角で前記光学系に入射させ、前記所定のパターンの反射像を結像させるミラー部と、
    を有する検査装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010107425A (ja) * 2008-10-31 2010-05-13 Fujitsu Ltd 撮像モジュールの検査方法及び撮像モジュール検査装置
KR101481085B1 (ko) * 2013-05-16 2015-01-14 (주) 루리텍 카메라의 성능 평가 장치

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