JP7205832B2 - 穴内部検査装置 - Google Patents
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Description
従来、穴の内部の検査は、特許文献1~特許文献3で開示されているように、レーザ、或いは照明光を投射して距離データや画像データを取得してコンピュータによる自動検査が行われている。
なお、特許文献3では、具体的に照明光を使用しているとの記載はないが、一般的に、検査は照明灯を備えた検査室等で行うことから、上記特許文献1と同様の問題があることに変わりはない。
また、被検査体の穴の内周面に傷がある場合、傷の種類に応じて撮像部により取得され、検査部に入力された撮像画像には、乱反射した反射光によるもの、或いは、反射光がないこともある。このため、撮像画像は、穴の内周面に傷がある場合は、複数のカラー光源で照明されたそれぞれの部位において、傷がある部分は一様の画素値の分布とならず、例えば、鏡面反射している場合には、鏡面反射した部位よりも画素値が低減した領域が含まれる。このように撮像画像において、被検査体の穴の内周面に傷がない場合、或いは傷がある場合に応じて、検査部では、傷の検査が可能となる。
上記構成により、撮像画像を表示する表示部を作業者が目視することにより、撮像画像において、例えば、穴の内周面が鏡面の場合、傷がない部位は鏡面反射して高い画素値の領域となり、傷がある部位は乱反射して画素値が低い領域となり、或いは反射光がなくて画素値が最小値の領域となって表示されることになる。作業者は、穴の内周面に傷がある場合は、この画素値の相違によりその傷の種類を判定できる。
上記構成により、撮像画像において、穴の内周面の傷がない部位は鏡面反射して高い画素値の領域となり、傷がある部位は傷の種類に応じた画素値に特有な領域となる。このことから、傷種類判別部は、穴の内周面に傷がある場合は、傷の種類に応じた画素値の相違によりその傷の種類を判定する。
上記構成により、カラー光源を点光源とすると、穴の内周面が半鏡面の場合、鏡面よりも良好に反射する。ここで、例えば内周面に擦り傷がある場合、該擦り傷の部位が半鏡面となる一例である。
上記構成により、カラー光源を線光源とすると、穴の内周面が鏡面の場合、半鏡面よりも良好に反射する。
上記構成により、遮蔽部により、相互に隣接するカラー光源による被検査体の穴での照明領域が区画することができる。
上記構成により、被検査体の穴におけるレンズに近い領域から、奥までの広がった範囲の撮像画像を取得する。
以下、本発明を具体化した一実施形態の穴内部検査装置を図1~図3を参照して説明する。
被検査体80は図1において左右方向に延出されていて、ベース部材12上に載置される。被検査体80は、少なくとも一端が開口端となる穴82が穿設されている。従って、穴82は、一端が開口端となり、他端が閉塞端とするもの、両端が開口端となるものを含む。被検査体80自体の形状は、限定されるものではない。
次に、穴内部検査装置10の作用を説明する。
まず、図1に示すように被検査体80を、穴82の軸心O1がステー41の光源部40と対向するようにしてベース部材12上に載置し固定する。ベース部材12は、支持部に相当する。
このように穴82の内周面全体が鏡面の場合、図4(a)に示すように、カラー光源(赤)42、カラー光源(緑)43、カラー光源(青)44の照明光は、穴82の内周面において鏡面反射する。そして、この鏡面反射した反射光が、レンズ32を介して、撮像素子33にて撮像される。傷種類判別部63は、図3に示す撮像画像を取得すると、黒色領域103と、単色領域102、104、106とを区別する。単色領域102、104、106は、相互に異なる黒色以外の単色であって、その単色の画素値が高くなり、他の色の画素値が最小値となる。一方、黒色領域103、105は黒色となり、このことを利用して、傷種類判別部63は、単色領域102、104、106と黒色領域103、105とを判別する。
穴82の内周面の一部が鏡面でなく、傷が各単色領域102、104、106の少なくともいずれか1つの領域内にある場合について説明する。
(1)本実施形態の穴内部検査装置10は、被検査体80の穴82に挿入される挿入部材としてのステー41と、ステー41の先端側に対して、被検査体80に対する挿入方向に沿って互いに色が異なる複数のカラー光源42、43、44が固定配置された光源部40を備える。また、穴内部検査装置10は、ステー41において、光源部40よりも基端側に取付けられるとともに、光源部40の投射光が被検査体80の穴82の内周面に対して反射したときの反射光を受入可能な位置に位置するレンズ32を有する。また、穴内部検査装置10は、レンズ32を介して被検査体80の穴82の内周面の反射光を受光し、カラー光源42、43、44のカラーが付与された領域を含む撮像画像を取得する撮像部30を備える。また、穴内部検査装置10は、撮像部30から出力された撮像画像を入力する検査部としての傷種類判別部63を有する。
この結果、撮像画像において、穴の内周面の傷がない部位は、穴の内周面が鏡面の場合、鏡面反射して高い画素値の領域となり、傷がある部位は傷の種類に応じた画素値に特有な領域となる。このことから、傷種類判別部63は、穴の内周面に傷がある場合は、傷の種類に応じた画素値の相違によりその傷の種類を判定できる。
上記構成により、カラー光源を点光源としているため、例えば内周面に擦り傷がある場合、該擦り傷の部位が、点光源により、鏡面の場合よりも、反射光が良好に得られる。
(6)本実施形態の穴内部検査装置10では、レンズ32は、広角レンズとしている。この結果、本実施形態によれば、被検査体80の穴82におけるレンズに近い領域から、奥まで広がった範囲の撮像画像を取得できる。
次に、第2実施形態を図5~図11を参照して説明する。本実施形態の穴内部検査装置10のハード構成の一部、及び、ソフト構成が一部異なっている。
上記のように構成された穴内部検査装置10の作用を図5~図11を参照して説明する。図6は、判別装置60が実行するプログラムのフローチャートである。なお、移動機構50により、撮像部30は、被検査体80の穴82の開口端側から撮像を開始するために、前記開口端を撮像開始位置として、移動させておくものとする。すなわち、本実施形態では、後述する穴82の内周面の傷の三次元位置は、レンズ32の光軸上の撮像開始位置を原点としている。なお、撮像開始位置を原点とすることに限定するものではなく、レンズ32の光軸上の任意の位置を原点としてもよい。本実施形態においても、撮像部30の光軸O2と、穴82の軸心O1とは合致させるものとする。
穴82の内周面の傷の三次元座標の算出について説明する。なお、説明の便宜上、図3とは異なり、図7~図9では、単色領域102、104、106と黒色領域103、105の図示は省略されているが、単色領域102、104、106のうちのいずれか1つの単色領域において、傷像K1、K2がそれぞれ図示されているものとして理解されたい。
図10において、Aは被検査体80の穴82の内周面の傷があると位置、Bは撮像部30におけるレンズ32の光軸O2上の第1位置、Cは撮像部30をBから移動した後の撮像部30におけるレンズ32の光軸O2上の第2位置、DはAを光軸O2上に投影した位置である。なお、説明の便宜上、図10では撮像部30の光学筒部31は省略している。
また、撮像部30が移動距離L分移動した後の第2位置に位置している場合、Aに位置する傷は、撮像素子33には、光軸O2から第2距離b分離間した画素群に結像されて傷像K2を形成する。
r=AD
=BC・tan(θ1)・tan(θ2)/(tan(θ1)+tan(θ2)) ……(1)
また、θ2は、下記の式(2)で算出することができる。
また、P点の距離z1は下記の式(3)で算出することができる。
z1=BD=AD/tan(θ1) ……(3)
なお、方位角φの算出については後述する。
また、第1距離aと第1交差角θ1との関係、及び第2距離bと第2交差角θ2との関係は、レンズ32の対角画角が決まっていれば、第1距離a及び第2距離bに基づいて、第1交差角θ1及び第2交差角θ2は一義的に決定することができる。
レンズ32の対角画角が予め分かっているため、撮像部30が穴の挿入方向、また反挿入方向に移動した場合の傷像K1の移動方向は、一義的に決定できる。本実施形態では、これを利用して、判別装置60の位置算出部66は、傷像K1の移動による結果が傷像K2であることを判定している。
本実施形態では、下記の特徴を有する。
本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。
・前記実施形態では、穴の内周面の検査の対象を鏡面としたが、鏡面である必要はない。例えば内周面が均一の粗面を有している場合においても、その粗面に凹部や凸部があると、均一な粗面ではない領域となるため、その領域の傷の種類の判別を容易に行うことができ、検出時間、コストが従来よりも軽減できる。
・上記の各実施形態では、被検査体80をベース部材12に載置固定し、移動機構50により、本体部20、挿入部材としてのステー41を移動するようにした。
・遮蔽部としての遮蔽部材45を省略してもよい。
・第2実施形態では、三次元座標は、円筒座標系で説明したが、円筒座標系以外の座標系であってもよい。
12…ベース部材(支持部)
13…レール部材
14…ガイド突部
15…レール溝
20…本体部
30…撮像部
31…光学筒部
32…レンズ
33…撮像素子
40…光源部
41…ステー(挿入部材)
42、43、44…カラー光源
45…遮蔽部材(遮蔽部)
50…移動機構
51…軸受
52…ボールネジ
53…ナット
54…駆動モータ
60…判別装置
61…インターフェイス
62…画像入力部
63…傷種類判別部(検査部)
64…画像記憶部
65…判別結果記憶部
66…位置算出部
67…換算テーブル
70…ディスプレイ
80…被検査体
102…赤の単色領域
103…黒色領域
104…緑の単色領域
105…黒色領域
106…青の単色領域
O1…軸心
O2…光軸
Claims (9)
- 被検査体の穴に挿入される挿入部材と、
前記挿入部材の先端側に対して、前記被検査体に対する挿入方向に沿って相互に色が異なる複数のカラー光源が固定配置された光源部と、
前記挿入部材において、前記光源部よりも基端側に取付けられるとともに、前記光源部の投射光が前記被検査体の穴の内周面に対して反射したときの反射光を受入可能な位置に位置するレンズと、
前記レンズを介して前記被検査体の穴の内周面の反射光を受光し、前記カラー光源のカラーが付与された領域を含む撮像画像を取得する撮像部と、
前記撮像部から出力された撮像画像を入力する検査部を有し、前記複数のカラー光源のうち、相互に隣接するカラー光源間には該隣接する他のカラー光源の投射光を遮蔽する遮蔽部を有する穴内部検査装置。 - 前記検査部は、前記撮像画像を表示して、作業者が目視可能に設けられた表示部である請求項1に記載の穴内部検査装置。
- 前記検査部は、判別装置に含まれるとともに、
前記撮像画像に基づいて前記穴の内周面の傷の種類判別を行う傷種類判別部である請求項1に記載の穴内部検査装置。 - 前記被検査体を支持する支持部を有し、
前記挿入部材、または前記支持部には、前記挿入部材を介して前記レンズを前記被検査体の穴に対して挿入方向または反挿入方向に相対的に移動させる移動機構を有する請求項3に記載の穴内部検査装置。 - 前記撮像部は、前記レンズの光軸における第1位置と、該第1位置から前記移動機構にて移動させた前記レンズの光軸における第2位置とで前記撮像画像である第1撮像画像及び第2撮像画像をそれぞれ取得し、
前記検査部は、位置算出部を備え、
前記位置算出部は、第1撮像画像と第2撮像画像にそれぞれ共通の傷像がある場合、第1位置と第2位置の移動距離、第1撮像画像の前記傷像と前記光軸との間の第1距離、第2撮像画像の前記傷像と前記光軸との間の第2距離、並びに第1撮像画像または第2撮像画像に基づいて前記穴の内周面の傷の三次元位置を算出する請求項4に記載の穴内部検査装置。 - 前記判別装置は、換算テーブルを備え、
前記換算テーブルは、前記レンズの画角毎に、前記光軸から離間する前記被検査体の穴の内周面の部位から前記レンズの位置までを結ぶ直線が前記光軸と交差する交差角と、撮像画像における前記光軸から傷像迄の距離とが対応付けされていて、
前記位置算出部は、前記換算テーブルに基づいて前記第1距離に対応する交差角を第1交差角として算出するとともに、前記第2距離に対応する交差角を第2交差角として算出し、
第1交差角及び第2交差角、並びに前記移動距離に基づいて前記光軸からの前記穴の内周面の傷の離間距離を算出する請求項5に記載の穴内部検査装置。 - 前記カラー光源は、点光源である請求項1乃至請求項6のうちいずれか1項に記載の穴内部検査装置。
- 前記カラー光源は、前記挿入方向に延出された線光源である請求項1乃至請求項6のうちいずれか1項に記載の穴内部検査装置。
- 前記レンズは、広角レンズである請求項1乃至請求項8のうちいずれか1項に記載の穴内部検査装置。
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