JP2008170214A - 測位装置、電子機器、測位不適衛星判定方法及びプログラム - Google Patents

測位装置、電子機器、測位不適衛星判定方法及びプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】測位に不適な測位用衛星を適切に判定すること。
【解決手段】道路及び道路の区間毎に定められた仰角マスクデータの中から、仮計測等によって判断された仮の現在位置に対応する仰角マスクデータが択一的に選択される。そして、当該現在位置を基準とした各捕捉衛星の天空位置と、選択された仰角マスクデータとに基づいて、測位不適衛星が判定される。
【選択図】図1

Description

本発明は、測位装置、電子機器、測位不適衛星判定方法及びプログラムに関する。
人工衛星を利用した測位システムとしては、GPS(Global Positioning System)が有名であり、カーナビゲーション装置等に利用されている。しかし、GPSでは、多くの誤差要因が潜在しているため、測位誤差を補償するための様々な技術が考案されている。
その一例として、カーナビゲーション装置において、GPSによる測位(他律測位)の誤差を、車の移動距離等に基づく自律測位で補正する技術が特許文献1に開示されている。
特開平5−18768号公報
しかし、特許文献1に開示されている技術は、例えばGPS受信機がビルの谷間に位置し、測位用衛星であるGPS衛星からのGPS衛星信号が直接GPS受信機に到達せずにビルに反射してから到達するような、いわゆるマルチパス環境を考慮した測位に関するものではなかった。
具体的に説明すると、地平線方向に視界を遮る物の無い視界の開けた場所にGPS受信機が位置する場合に比べて、都心等のビルに囲まれた場所に位置する場合には、GPS衛星を直接観測できる範囲(以下「直接観測可能範囲」と称す。)が狭い。
しかしながら、GPS受信機では、このような状況を把握できない。即ち、GPS受信機では、受信した複数のGPS衛星信号のうち、どのGPS衛星信号がビル等に反射せずに直接受信できたGPS衛星信号なのかを区別できない。更に、GPS受信機の移動に伴い直接観測可能範囲が可変し、前回の測位時に直接観測できた衛星数と、今回の測位時に直接観測できた衛星数とに大きな差が生じる場合も起こり得る。従って、正確な測位を実現するためには、その前提として、測位に不適な測位用衛星の判定を適切に行う必要がある。
本発明は、上述した課題に鑑みて為されたものである。
以上の課題を解決するための第1の発明は、測位に不適な測位用衛星の天空位置を定めた不適天空位置データを測位場所毎に記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶された不適天空位置データの中から、仮の現在位置である仮現在位置に対応する測位場所の不適天空位置データを選択する選択手段と、所与の衛星軌道情報に基づいて、前記仮現在位置を基準とした各測位用衛星それぞれの天空位置を算出する衛星天空位置算出手段と、前記算出された各測位用衛星の天空位置と前記選択された不適天空位置データとを照査して、当該各測位用衛星の中から測位に不適な測位用衛星を判定する測位不適衛星判定手段と、前記判定された測位に不適な測位用衛星を除く測位用衛星からの衛星信号に基づいて現在位置を測位する測位手段とを備えた測位装置である。
また、第7の発明として、測位場所毎に予め定められた、測位に不適な測位用衛星の天空位置を定めた不適天空位置データの中から、仮の現在位置である仮現在位置に対応する測位場所の不適天空位置データを選択する選択ステップと、所与の衛星軌道情報に基づいて、前記仮現在位置を基準とした各測位用衛星それぞれの天空位置を算出する衛星天空位置算出ステップと、前記算出された各測位用衛星の天空位置と前記選択された不適天空位置データとを照査して、当該各測位用衛星の中から測位に不適な測位用衛星を判定する測位不適衛星判定ステップとを含む測位不適衛星判定方法を構成してもよい。
この第1の発明等によれば、測位場所毎に予め定められた不適天空位置データの中から、仮現在位置に対応する測位場所の不適天空位置データが選択され、仮現在位置を基準とした各測位用衛星それぞれの天空位置と、選択された不適天空位置データとに基づいて、測位に不適な測位用衛星が判定される。不適天空位置データが測位場所毎に定められているため、受信機の現在位置に依らず、測位に不適な測位用衛星の判定を適切に行うことが可能となる。
第2の発明は、第1の発明の測位装置であって、前記記憶手段が、全方位角を区分けした方位角範囲毎に、測位に不適な測位用衛星の仰角範囲を定めたデータを前記不適天空位置データとして記憶し、前記衛星天空位置算出手段が、前記天空位置として前記各測位用衛星の方位角及び仰角を算出し、前記測位不適衛星判定手段が、前記算出された仰角が、前記選択された不適天空位置データの前記算出された方位角を含む方位角範囲に対応する仰角範囲に含まれる場合に当該測位用衛星を測位に不適な測位用衛星として判定する測位装置である。
また、第8の発明として、第7の発明の測位不適衛星判定方法であって、前記不適天空位置データは、全方位角を区分けした方位角範囲毎に、測位に不適な測位用衛星の仰角範囲を定めたデータであり、前記衛星天空位置算出ステップは、前記天空位置として前記各測位用衛星の方位角及び仰角を算出するステップであり、前記測位不適衛星判定ステップは、前記算出された仰角が、前記選択された不適天空位置データの前記算出された方位角を含む方位角範囲に対応する仰角範囲に含まれる場合に当該測位用衛星を測位に不適な測位用衛星として判定するステップである測位不適衛星判定方法を構成してもよい。
この第2の発明等によれば、不適天空位置データには、全方位角を区分けした方位角範囲毎に、測位に不適な測位用衛星の仰角範囲が定められている。そして、測位用衛星の方位角及び仰角が天空位置として算出され、算出された天空位置と、選択された不適天空位置データとに基づいて、測位に不適な測位用衛星が判定される。測位用衛星の仰角が、不適天空位置データに定められた仰角範囲に含まれるか否かを判定することにより、直接観測可能範囲に含まれない測位用衛星を適切に判定することができる。
第3の発明は、第1又は第2の発明の測位装置であって、現在の移動方向を計測する移動方向計測手段を更に備え、前記記憶手段が、前記不適天空位置データを測位場所及び当該測位場所に定められた各基準方向別に記憶し、前記選択手段が、前記仮現在位置に対応する測位場所の不適天空位置データのうち、前記計測された移動方向に最適な基準方向に対応する不適天空位置データを選択する測位装置である。
また、第9の発明として、第7又は第8の発明の測位不適衛星判定方法であって、現在の移動方向を計測する移動方向計測ステップを更に含み、前記不適天空位置データは、測位場所及び当該測位場所に定められた各基準方向別に予め定められており、前記選択ステップは、前記仮現在位置に対応する測位場所の不適天空位置データのうち、前記計測された移動方向に最適な基準方向に対応する不適天空位置データを選択するステップである測位不適衛星判定方法を構成してもよい。
この第3の発明等によれば、不適天空位置データは、測位場所及び当該測位場所に定められた各基準方向別に予め定められている。そして、自機の現在の移動方向が計測され、仮現在位置に対応する測位場所の不適天空位置データのうち、計測された移動方向に最適な基準方向に対応する不適天空位置データが選択される。従って、上述した発明と相まって、受信機の現在位置及び移動方向に関わらず、測位に不適な測位用衛星の判定を適切に行うことが可能となる。
第4の発明は、第3の発明の測位装置であって、前記記憶手段が、各道路それぞれを区切った1つの区域を1つの前記測位場所とし、当該道路の進行方向それぞれを基準方向として、各道路の各区域の各基準方向別に前記不適天空位置データを記憶する測位装置である。
この第4の発明によれば、道路に区切られた区域毎に、当該道路の進行方向それぞれを基準方向とする不適天空位置データが記憶されている。従って、第3の発明と相まって、各道路上に区切られた各区域毎に、計測された移動方向に最適な基準方向に対応する不適天空位置データが選択されることになる。
第5の発明は、建物の位置及び大きさの情報を記憶する建物情報記憶手段と、所与の衛星軌道情報に基づいて、仮の現在位置である仮現在位置を基準とした各測位用衛星それぞれの天空位置を算出する衛星天空位置算出手段と、前記建物情報記憶手段に記憶された情報に基づき、前記仮現在位置の周囲に位置する建物を天空に投影することで、測位に不適な測位用衛星の天空位置を判定するための不適天空位置データを生成する生成手段と、前記算出された各測位用衛星の天空位置と前記生成された不適天空位置データとを照査して、当該各測位用衛星の中から測位に不適な測位用衛星を判定する測位不適衛星判定手段と、前記判定された測位に不適な測位用衛星を除く測位用衛星からの衛星信号に基づいて現在位置を測位する測位手段とを備えた測位装置である。
また、第10の発明として、所与の衛星軌道情報に基づいて、仮の現在位置である仮現在位置を基準とした各測位用衛星それぞれの天空位置を算出する衛星天空位置算出ステップと、予め定められた建物の位置及び大きさの情報に基づき、前記仮現在位置の周囲に位置する建物を天空に投影することで、測位に不適な測位用衛星の天空位置を判定するための不適天空位置データを生成する生成ステップと、前記算出された各測位用衛星の天空位置と前記生成された不適天空位置データとを照査して、当該各測位用衛星の中から測位に不適な測位用衛星を判定する測位不適衛星判定ステップとを含む測位不適衛星判定方法を構成してもよい。
この第5の発明等によれば、建物の位置及び大きさの情報に基づいて、仮現在位置の周囲に位置する建物が天空に投影されることで、測位に不適な測位用衛星の天空位置を判定するための不適天空位置データが生成される。そして、仮現在位置を基準とした各測位用衛星それぞれの天空位置と、生成された不適天空位置データとに基づいて、測位に不適な測位用衛星が判定される。従って、不適天空位置データを予め定めておく必要がなく、例えば不適天空位置データをリアルタイムに生成しながら、測位に不適な測位用衛星の判定を行うことができる。
また、第6の発明として、第1〜第5の何れかの発明の測位装置を備えた電子機器を構成してもよく、さらに第11の発明として、第7〜第10の何れか一項に記載の測位不適衛星判定方法をコンピュータに実行させるためのプログラムを構成してもよい。
以下、図面を参照して、測位装置を備えた電子機器の一種であるナビゲーション装置1に本発明を適用した場合の実施形態について説明する。但し、本発明を適用可能な実施形態がこれに限定されるわけではない。
1.原理
ナビゲーション装置1は、測位用衛星であるGPS衛星から送信される衛星信号としてのGPS衛星信号を受信し、受信したGPS衛星信号に重畳されているGPS衛星の軌道情報(エフェメリスデータやアルマナックデータ)等の航法メッセージに基づいて、GPS衛星の位置、移動方向、速度等の衛星情報を算出する。
尚、GPS衛星は、6つの周回軌道面それぞれに4機ずつ配置され、原則、地球上のどこからでも常時4機以上の衛星が幾何学的配置のもとで観測できるように運用されている。以下では、受信(捕捉)したGPS衛星信号を送信したGPS衛星を、他のGPS衛星と区別するために「捕捉衛星」と称する。
また、ナビゲーション装置1は、内蔵している水晶時計により特定されるGPS衛星信号の受信時刻と、当該受信したGPS衛星信号から得られるGPS衛星の送信時刻とに基づいて、捕捉衛星から自機までの電波伝搬時間を計算する。そして、計算した電波伝搬時間に光速度を乗算することで、捕捉衛星から自機までの距離(疑似距離)を計算する。
ナビゲーション装置1は、自機の位置を示す3次元の座標値と、時計誤差との4つのパラメータの値を、複数の捕捉衛星の位置や各捕捉衛星から自機までの距離等の情報に基づいて求めることで、自機の現在位置を測位する。また、この際、捕捉衛星の地球周回移動と自機の移動とによる捕捉衛星と自機との相対的な位置関係の変化によって生じるGPS衛星信号の受信周波数のずれ等をドップラー情報として求め、衛星情報と併用することで、自機の移動方向及び速度も同時に計測する。
ナビゲーション装置1の現在位置の緯度や測位時刻等にもよるが、通常観測可能な衛星数は4以上存在する。ナビゲーション装置1は、捕捉した全てのGPS衛星の衛星情報に基づいて、自機の現在位置、移動方向及び速度の仮計測を行った後、その計測結果に基づいて、全捕捉衛星の中から、自機の直接観測可能範囲に含まれない捕捉衛星を「測位不適衛星」として判定する。そして、測位不適衛星を除く捕捉衛星の衛星情報等に基づいて、自機の現在位置等を再計測することで、マルチパス環境における測位精度の向上を実現する。
図1は、測位不適衛星判定の原理を説明するための図である。
ナビゲーション装置1は、建物の名称や住所、道路の名称や長さ、進行方向等が記憶された地図情報を記憶している。ナビゲーション装置1は、この地図情報を用いて、計測した自機の現在位置をプロットしたナビゲーション画面を表示する。
地図情報に記憶されている全ての道路L(L1,L2,・・・)は、道路沿いの建物に沿って、測位場所としての複数の区間S(S1,S2,・・・)に予め区切られている。例えば、図1では、東西(EW)方向を進行方向とする道路L1が、道路沿いの建物に沿って区間S1〜S8に区切られている。
また、ナビゲーション装置1は、道路L毎及び区間S毎で、且つ、当該区間Sにおける車の進行方向(基準方向)別に仰角マスクデータを記憶している。より具体的には、仰角マスクデータとは、当該道路Lの当該区間Sに位置する場合に、建物に遮られて直接観測することができないGPS衛星の仰角範囲(以下、「不適仰角範囲」と称す。)が定められたデータであって、当該道路Lの当該区間Sにおける車の進行方向(基準方向)それぞれについて定められている。この仰角マスクデータは、測位に不適な測位用衛星の天空位置を定めた不適天空位置データの一種である。
図2は、ある道路のある区間における仰角マスクデータの一例を示す図であり、図1の区間S1における仰角マスクデータM1の例を示している。仰角マスクデータは、例えば円周を仰角「0°」、円の中心を仰角「90°」とする天空全体を投影した円によって表現することができ、ハッチングで示した範囲が「不適仰角範囲」である。
仰角マスクデータには、当該区間Sの当該道路Lにおける車の進行方向が基準方向として定められている。例えば、図1の区間S1では、道路L1が東西(EW)方向に進行しているため、基準方向をそれぞれ東(E)、西(W)とする2つの仰角マスクデータが定められていることになる。図2に示した仰角マスクデータM1は、このうちの基準方向を東(E)とする仰角マスクデータである。
尚、交差点等の道路Lが複雑に入り組んだ区間Sには、多くの仰角マスクデータが定められている場合がある。例えば交差点においては、車の進行方向が4方向存在するため、4つの基準方向それぞれに対応する仰角マスクデータが定められる。また、一方通行の道路Lでは、基準方向は1つである。
また、仰角マスクデータは、基準方向に対する相対的な4つの方位角範囲に分割されており、同一の方位角範囲については、同一の不適仰角範囲が定められている。具体的には、基準方向を「0°」、時計回りを正とした場合に、「315°」〜「0°」〜「45°」の範囲が前方向、「45°」〜「135°」の範囲が右方向、「135°」〜「225°」の範囲が後方向、「225°」〜「315°」の範囲が左方向の方位角範囲となる。
図2の仰角マスクデータM1では、前方向の方位角範囲には「0°」〜「5°」の不適仰角範囲が、後方向の方位角範囲には「0°」〜「8°」の不適仰角範囲が、左方向の方位角範囲には「0°」〜「72°」の不適仰角範囲が、右方向の方位角範囲には「0°」〜「40°」の不適仰角範囲がそれぞれ定められている。
図2の仰角マスクデータM1では、左右の方位角範囲の不適仰角範囲が、前後の方位角範囲の不適仰角範囲に比べて広い。これは、図1の区間S1では、道路L1における進行方向が東西方向(=前後方向)であるため、前後方向の見通しが良いのに対して、南北方向(=左右方向)には、道路L1沿いに建てられた建物が位置するからである。
また、右方向よりも左方向の不適仰角範囲が広くなっている(より高い仰角まで含んでいる)のは、日本では左側通行が採用されていることによるものである。即ち、ナビゲーション装置1を搭載した車両は左側の車線を通行するため、対向車線を挟んだ右側の建物よりも左側の建物に近接する結果、高さ方向における視界が、右方向よりも左方向の方が制限されるためである。
ナビゲーション装置1は、仮計測により求めた自機の位置に対して、マップマッチング処理を行う。マップマッチング処理とは、計測により求めた自機の位置(以下、「測位位置」と称す。)を、地図情報に基づいて、地図上の妥当な位置に補正する処理のことをいう。例えば、測位位置が海上となった場合に、最近接する海岸道路上に測位位置を補正する。尚、マップマッチングに係る処理は公知であるため、ここでは詳細な説明は省略する。
その後、ナビゲーション装置1は、航法メッセージ(衛星軌道情報)に基づいて、マップマッチング処理の結果得られた自機の位置(以下、「マップマッチング結果位置」と称す。)を基準とした各捕捉衛星それぞれの方位角及び仰角を、衛星天空位置として算出する。方位角は、地平線の真北方向(0°)から、地平線に沿って時計回りに計った角度である。また、仰角は、地平線(0°)から天頂(90°)に向かって計った角度である。
次いで、ナビゲーション装置1は、地図情報を参照して、マップマッチング結果位置が含まれる道路L及び区間Sを特定し、特定した道路L及び区間Sに対応する仰角マスクデータを抽出する。そして、抽出した仰角マスクデータの中から、仮計測により求めた移動方向に基準方向が最も近い仰角マスクデータを択一的に選択し、先に算出した各捕捉衛星の方位角と、選択した仰角マスクデータの基準方向に対する角度とを照査する。そして、当該仰角マスクデータの前後左右各方向それぞれの方位角範囲に含まれる捕捉衛星を特定し、各方位角範囲それぞれについて、仰角が不適仰角範囲に含まれる捕捉衛星を測位不適衛星と判定する。
但し、衛星の方位角は、上述したように真北を基準とする絶対的な角度で表現されるのに対し、仰角マスクデータの前後左右方向は、当該仰角マスクデータの基準方向に対する相対的な角度で表現される。このため、選択した仰角マスクデータの前後左右何れの方向に各捕捉衛星が含まれるかの特定は、真北を基準とする絶対的な方位角を、基準方向を基準とする相対的な方位角に換算して行う。
測位不適衛星の判定を行った後、ナビゲーション装置1は、測位不適衛星を除く捕捉衛星の衛星情報に基づいて自機の現在位置等を再計測する。そして、再計測により求めた測位位置に対して再度マップマッチング処理を行い、得られたマップマッチング結果位置を最終的な自機の位置として、ナビゲーション画面に表示する。
2.構成
図3は、ナビゲーション装置1の機能構成を示すブロック図である。
ナビゲーション装置1は、GPSアンテナ5と、RF(Radio Frequency)受信回路部10と、衛星捕捉・追尾部20と、CPU30と、操作部40と、表示部50と、ROM(Read Only Memory)60と、RAM(Random Access Memory)70とを備えて構成される。
RF受信回路部10と、衛星捕捉・追尾部20とは、それぞれ別のLSI(Large Scale Integration)として製造することも、1チップとして製造することも可能である。
GPSアンテナ5は、測位用衛星であるGPS衛星から送信されたGPS衛星信号を含むRF信号を受信するアンテナであり、受信した信号をRF受信回路部10に出力する。
RF受信回路部10は、SAW(Surface Acoustic Wave)フィルタ11と、LNA(Low Noise Amplifier)13と、RF変換回路部15とを備えて構成されるRF信号の受信回路である。
SAWフィルタ11は、GPSアンテナ5から出力された信号のうち、所定の周波数帯域成分を通過させる帯域通過フィルタであり、通過させた信号をLNA13に出力する。
LNA13は、SAWフィルタ11を通過した信号を増幅するローノイズアンプであり、増幅した信号をRF変換回路部15に出力する。
RF変換回路部15は、LNA13で増幅された信号に所定の局部発振信号を乗算することで、RF信号を中間周波数の信号(以下、「IF(Intermediate Frequency)信号」と称す。)にダウンコンバートし、IF信号を増幅等した後、A/D変換器でデジタル信号に変換して、衛星捕捉・追尾部20に出力する。
衛星捕捉・追尾部20は、RF変換回路部15から出力されたIF信号から、GPS衛星信号の捕捉・追尾を行う回路部である。GPS衛星信号の捕捉は、擬似的に発生させた拡散符合(コードレプリカ)とIF信号との相関値を算出し、最も振幅が大きい周波数成分を抽出する相関処理によって実現する。
また、GPS衛星信号の追尾は、例えば遅延ロックループ(DLL(Delay Locked Loop))として知られるコードループや、位相ロックループ(PLL(Phase Locked Loop))として知られるキャリアループ等の回路によって、GPS衛星信号に含まれるC/A(Coarse and Acquisition)コード及び搬送波の位相を追尾することで実現する。
CPU30は、ROM60に記憶されているシステムプログラム等の各種プログラムに従ってナビゲーション装置1の各部を統括的に制御するプロセッサである。CPU30は、衛星捕捉・追尾部20により捕捉・追尾されたGPS衛星信号から航法メッセージや時刻情報等を取り出し、擬似距離の演算や測位演算等を行い、最終的に求めたナビゲーション装置1の位置をプロットしたナビゲーション画面を表示部50に表示させる。
操作部40は、例えばタッチパネルやボタンスイッチ等により構成される入力装置であり、押下されたキーやボタンの信号をCPU30に出力する。この操作部40の操作により、目的地の入力等の各種指示入力がなされる。
表示部50は、LCD(Liquid Crystal Display)等により構成され、CPU30から入力される表示信号に基づいた各種表示を行う表示装置である。表示部50には、ナビゲーション画面等が表示される。
ROM60は、読み出し専用の記憶装置であり、ナビゲーション装置1を制御するためのシステムプログラムや、ナビゲーション機能を実現するための各種プログラムやデータ等を記憶している。
RAM70は、読み書き可能な記憶装置であり、CPU30により実行されるシステムプログラム、各種処理プログラム、各種処理の処理中データ、処理結果などを一時的に記憶するワークエリアを形成している。
図4(A)、図4(B)は、ROM60及びRAM70に格納されたデータの一例を示す図である。ROM60には、CPU30により読み出され、メイン処理(図9参照)として実行されるメインプログラム61と、地図データベース63と、仰角マスクデータベース65とが記憶されている。また、メインプログラム61には、測位不適衛星判定処理(図10参照)として実行される測位不適衛星判定プログラム62がサブルーチンとして含まれている。
メイン処理とは、CPU30が、例えば「1秒」毎に現在位置の測位を行う処理である。具体的には、捕捉した全ての衛星の衛星情報に基づいて、ナビゲーション装置1の現在位置等の仮計測を行い、その計測結果に基づいて測位不適衛星の判定を行った後、測位不適衛星を除く捕捉衛星の衛星情報に基づいて、ナビゲーション装置1の現在位置等を再計測する。メイン処理については、フローチャートを用いて詳細に後述する。
測位不適衛星判定処理とは、CPU30が、仰角マスクデータベース65に記憶されている仰角マスクデータ656に基づいて、捕捉衛星の中から測位不適衛星を判定する処理である。測位不適衛星判定処理についても、フローチャートを用いて詳細に後述する。
地図データベース63は、道路情報や建物情報を含む地図情報が記憶されたデータベースである。道路情報には、道路Lの番号、名称、位置、長さ、進行方向といった情報の他、道路L上に区切られた区間Sの番号、位置、長さ、進行方向といった情報が含まれる。また、建物情報には、建物の番号、名称、大きさ、高さ、位置といった情報が含まれる。メイン処理において、CPU30は、地図データベース63に基づいて、マップマッチング処理や測位不適衛星判定処理を行う。
図5は、仰角マスクデータベース65のデータ構成例を示す図である。仰角マスクデータベース65には、地図データベース63に記憶されている各道路Lの番号651及び各区間Sの番号653と対応付けて、各基準方向に対する仰角マスクデータ656(656−1,656−2,・・・)を含む仰角マスクデータ群655が記憶されている。
また、各仰角マスクデータ656には、基準方向657と、前後左右の方位角範囲それぞれの不適仰角範囲658とが対応付けて記憶されている。メイン処理において、CPU30は、仰角マスクデータベース65に記憶されている仰角マスクデータ656に基づいて、測位不適衛星判定処理を行う。
RAM70には、衛星データ71と、衛星天空位置データ73と、計測データ75と、マップマッチングデータ77とが記憶される。
図6は、衛星データ71のデータ構成例を示す図である。衛星データ71には、衛星情報として、衛星番号711と、衛星位置713と、衛星移動方向715と、衛星速度717とが対応付けて記憶される。衛星位置711は、例えば地球基準座標系における3次元の座標値で表現され、衛星移動方向715は、例えば地球基準座標系における3次元の単位ベクトルで表現される。メイン処理において、CPU30は、衛星捕捉・追尾部20により捕捉・追尾されたGPS衛星信号に基づいて衛星情報を算出し、当該衛星情報で衛星データ71を更新する。
図7は、衛星天空位置データ73のデータ構成例を示す図である。衛星天空位置データ73には、衛星番号731と、衛星の天空位置である方位角733及び仰角735とが対応付けて記憶される。方位角733は、例えば真北を「0°」とし、時計回りを正とする角度で表現され、仰角735は、地平線を「0°」、天頂を「90°」とする角度で表現される。メイン処理において、CPU30は、マップマッチング結果位置と衛星情報とに基づいて衛星天空位置を算出し、当該衛星天空位置で衛星天空位置データ73を更新する。
図8は、計測データ75のデータ構成例を示す図である。計測データ75には、計測結果として、ナビゲーション装置1の測位位置751と、移動方向753と、速度755とが対応付けて記憶される。メイン処理において、CPU30は、衛星情報に基づいた計測を行い、得られた計測結果で計測データ75を更新する。
マップマッチングデータ77には、3次元の座標値で表されるマップマッチン結果位置が記憶される。メイン処理において、CPU30は、計測結果に対してマップマッチング処理を行い、得られたマップマッチング結果位置でマップマッチングデータ77を更新する。
3.処理の流れ
図9は、CPU30によりROM60に記憶されているメインプログラム61が読み出されて実行されることで、ナビゲーション装置1において実行されるメイン処理の流れを示すフローチャートである。尚、メイン処理に先立ち、GPSアンテナ5によるRF信号の受信や、RF受信回路部10によるIF信号へのダウンコンバート、衛星捕捉・追尾部20によるGPS衛星信号の捕捉・追尾等が常時行われている状態にあるものとする。
先ず、CPU30は、衛星捕捉・追尾部20により捕捉・追尾されたGPS衛星信号に基づいて、捕捉衛星を判定する(ステップA1)。そして、CPU30は、各捕捉衛星について、衛星位置713、衛星移動方向715及び衛星速度717を算出し(ステップA3)、衛星番号711と対応付けた衛星情報を、衛星データ71としてRAM70に記憶させる。
次いで、CPU30は、ステップA3で算出した衛星情報に基づいて、ナビゲーション装置1の測位位置751、移動方向753及び速度755の仮計測を行い(ステップA5)、その計測結果を、計測データ75としてRAM70に記憶させる。
そして、CPU30は、ステップA5で計測した測位位置751に対してマップマッチング処理を行い(ステップA7)、得られたマップマッチング結果位置を、マップマッチングデータ77としてRAM70に記憶させる。
その後、CPU30は、ステップA7で求めたマップマッチング結果位置と、ステップA3で算出した衛星情報とに基づいて、マップマッチング結果位置を基準とした各捕捉衛星の方位角733及び仰角735でなる衛星天空位置を算出し(ステップA9)、衛星番号731と対応付けて、衛星天空位置データ73としてRAM70に記憶させる。
次いで、CPU30は、ROM60に記憶されている測位不適衛星判定プログラム62を読み出して実行することで、測位不適衛星判定処理を行う(ステップA11)。
図10は、測位不適衛星判定処理の流れを示すフローチャートである。
先ず、CPU30は、ROM60の地図データベース63に記憶されている地図情報を参照して、RAM70のマップマッチングデータ77に記憶されているマップマッチング結果位置が含まれる道路651及び区間653を特定する(ステップB1)。
次いで、CPU30は、ROM60の仰角マスクデータベース65に記憶されている複数の仰角マスクデータ群655の中から、ステップB1で特定した道路651及び区間653に対応する仰角マスクデータ群655を抽出する(ステップB3)。
その後、CPU30は、ステップB3で抽出した仰角マスクデータ群655の中から、RAM70の計測データ75に記憶されている移動方向753に最適な基準方向657に対応する仰角マスクデータ656を選択する(ステップB5)。具体的には、各仰角マスクデータ656の基準方向657と、移動方向753との差分をそれぞれ算出し、差分が最小の基準方向657に対応する仰角マスクデータ656を選択する。
次いで、CPU30は、RAM70の衛星天空位置データ73を参照し、各捕捉衛星の方位角733に基づいて、ステップB5で選択した仰角マスクデータ656の前後左右の各方位角範囲に含まれる捕捉衛星を特定する(ステップB7)。具体的には、真北を基準とする各捕捉衛星の方位角733を、当該仰角マスクデータ656の基準方向657を基準とする相対的な方位角に換算し、換算後の方位角が、当該仰角マスクデータ656の前後左右の何れの方位角範囲に含まれるかを判定する。
そして、CPU30は、各方位角範囲について、RAM70の衛星データ71に記憶されている捕捉衛星の中から、衛星天空位置データ73に記憶されている仰角735が、ステップB5で選択した仰角マスクデータ656の不適仰角範囲658に含まれる捕捉衛星を測位不適衛星として判定し(ステップB9)、測位不適衛星判定処理を終了する。
図9のメイン処理に戻って、測位不適衛星判定処理を行った後(ステップA11)、CPU30は、測位不適衛星を除く捕捉衛星の衛星情報に基づいて、ナビゲーション装置1の測位位置751、移動方向753及び速度755の計測を行い(ステップA13)、RAM70の計測データ75を更新する。
次いで、CPU30は、ステップA13で計測した測位位置751に対してマップマッチング処理を行い(ステップA15)、得られたマップマッチング結果位置で、RAM70のマップマッチングデータ77を更新する。
そして、CPU30は、ステップA15で得られたマップマッチング結果位置をプロットしたナビゲーション画面を表示部50に表示させた後(ステップA17)、処理の終了判定を行う(ステップA19)。具体的には、例えば操作部40を介してナビゲーション装置1の電源を「OFF」にする指示操作がなされた場合に、処理を終了するものと判定する。
そして、まだ処理を終了しないと判定した場合は(ステップA19;No)、CPU30は、ステップA1に戻り、処理を終了すると判定した場合は(ステップA19;Yes)、メイン処理を終了する。
4.作用効果
本実施形態によれば、道路及び道路の区間毎に定められた仰角マスクデータの中から、仮計測によって判断された仮の現在位置に対応する仰角マスクデータが択一的に選択される。そして、当該現在位置を基準とした各捕捉衛星の天空位置と、選択された仰角マスクデータとに基づいて、測位不適衛星が判定される。この結果、測位不適衛星を除外した捕捉衛星の衛星情報に基づいて再計測が行われて、より正確な現在位置が測位される。
より具体的には、仰角マスクデータには、道路における車の進行方向に対応する基準方向が予め定められており、仮計測により求められた測位位置に対するマップマッチング結果位置が含まれる道路及び区間に対応し、且つ、仮計測により求められた移動方向に最も近い基準方向に対応する仰角マスクデータが選択される。そして、選択された仰角マスクデータに定められている前後左右の各方位角範囲の不適仰角範囲の何れかに天空位置が含まれる捕捉衛星が、測位不適衛星として判定される。
このように、不適仰角範囲が定められた仰角マスクデータを用いて測位不適衛星の判定を行うことで、直接観測可能範囲に含まれない捕捉衛星を適切に排斥することができ、ひいては、測位精度を向上させることが可能となる。
5.変形例
5−1.電子機器
本発明は、車載用のナビゲーション装置の他、携帯用のナビゲーション装置や、GPS機能を有する携帯型電話機、PDA(Personal Digital Assistants)等の電子機器に適用することが可能である。
5−2.推測位置に基づく測位不適衛星の判定
上述した実施形態では、仮計測による計測結果に基づいて測位不適衛星の判定を行うものとして説明したが、仮計測を行わずに、前回の計測結果から推測航法の原理で算出したナビゲーション装置1の位置(以下、「推測位置」と称す。)に基づいて、測位不適衛星の判定を行うことにしてもよい。具体的には、ROM60に第2メインプログラムを格納しておき、CPU30は、この第2メインプログラムに従って第2メイン処理を実行する。
図11は、第2メイン処理の流れを示すフローチャートである。尚、図9のメイン処理と同一のステップについては同一の符号を付し、図9のメイン処理と異なる部分を中心に説明する。第2メイン処理では、CPU30は、ステップA3において衛星情報を算出した後に、ステップA13における前回の計測結果に基づいて、ナビゲーション装置1の推測位置を算出する(ステップA21)。
具体的には、前回の計測結果における速度(前回速度)に、測位(計測)を行う時間間隔(例えば「1秒」)を乗算することで、ナビゲーション装置1の1秒間の移動距離を算出する。そして、前回の計測結果における測位位置(前回測位位置)を、前回の計測結果における移動方向(前回移動方向)に向かって、算出した移動距離だけシフトさせた位置を、ナビゲーション装置1の推測位置とする。
そして、CPU30は、ステップA21で算出した推測位置に対してマップマッチング処理を行った後(ステップA7)、ステップA9以降へと処理を移行する。この場合、測位不適衛星判定処理(ステップA11)では、推測位置に対するマップマッチング結果位置と、前回移動方向とに基づいて、仰角マスクデータを選択するようにする。
このように、推測位置に基づいて測位不適衛星の判定を行うことで、仮計測を行う必要がなくなり、1回のステップ(処理)における現在位置の計測回数が1回で済むことになるため、処理負荷を軽減することが可能となる。
尚、測位精度をさらに高めるため、仮計測により求めた測位位置を、推測航法により求めた推測位置を基に補正し、補正後の位置に対してマップマッチング処理を行った結果に基づいて、測位不適衛星の判定を行うことにしてもよい。補正方法としては、PVフィルター法等の公知の手法を用いることができる。
5−3.仰角マスクデータの生成
仰角マスクデータを予めROM60に格納しておくのではなく、仰角マスクデータをリアルタイムに生成しながら、測位不適衛星の判定を行うことにしてもよい。具体的には、ROM60に、メインプログラムのサブルーチンとして、第2測位不適衛星判定プログラムを格納しておくとともに、地図データベース63の建物情報に、全ての建物の位置、水平方向及び高さ方向の大きさの情報を記憶させておく。そして、CPU30は、メイン処理において、測位不適衛星判定処理の代わりに、第2測位不適衛星判定プログラムに従って第2測位不適衛星判定処理を行う。
図12は、第2測位不適衛星判定処理の流れを示すフローチャートである。
先ず、CPU30は、ROM60の地図データベース63に記憶されている地図情報を参照して、マップマッチング結果位置から所定範囲(例えば半径500m)内に含まれる建物を特定する(ステップC1)。
次いで、CPU30は、自装置位置を中心とする仮想的な三次元空間(以下、「仮想三次元空間」と称す。)を設定し(ステップC3)、地図データベース63に記憶されている建物の位置及び大きさの情報に基づいて、ステップC1で特定した建物の三次元モデル(ポリゴンモデル)を仮想三次元空間に配置する(ステップC5)。
その後、CPU30は、ステップC5で配置した建物の三次元モデルを天空に投影し、天空の画像データを生成することで、仰角マスクデータを生成する(ステップC9)。
そして、CPU30は、各捕捉衛星の天空位置(方位角及び仰角)に基づいて、ステップC9で生成した仰角マスクデータの不適仰角範囲に含まれる捕捉衛星を特定し、測位不適衛星として判定した後(ステップC11)、第2測位不適衛星判定処理を終了する。
尚、ROM60に、建物の位置及び大きさの情報を記憶させておくのではなく、建物の三次元モデルのモデルデータを記憶させておいてもよい。また、仰角マスクデータの生成は、画像生成に関連する処理であるため、CPUによって行うのではなく、画像処理に特化したDSP(Digital Signal Processor)等のプロセッサを用意することにしてもよい。
5−4.処理の分化
ナビゲーション装置1では、衛星情報に基づいた計測、マップマッチング処理、測位不適衛星判定処理等の各種演算処理を全てCPU30が行うものとして説明したが、複数のプロセッサを設けることで、処理を分化してもよい。
図13は、この場合におけるナビゲーション装置2の構成を示すブロック図である。尚、ナビゲーション装置1と同一の構成要素については同一の符号を付して、説明を省略する。ナビゲーション装置2は、GPSアンテナ5と、RF受信回路部10と、ベースバンド処理回路部80と、ホストCPU90と、操作部40と、表示部50と、ROM60と、RAM70とを備えて構成される。
ベースバンド処理回路部80は、RF受信回路部10から出力されたIF信号に対して相関処理等を行ってGPS衛星信号を捕捉・抽出し、データを復号して航法メッセージや時刻情報等を取り出し、疑似距離の演算や測位演算等を行う回路部である。
このベースバンド処理回路部80は、ベースバンド処理回路部80乃至RF回路部10の各部を統括的に制御するCPU81と、ROM83と、RAM85とを備えて構成される。CPU81は、ROM83に記憶されているベースバンド処理プログラムに従ってベースバンド処理を行う。
ホストCPU90は、ROM60に記憶されているシステムプログラム等の各種プログラムに従ってナビゲーション装置2の各部を統括的に制御するプロセッサであり、特に、ナビゲーションプログラムに従ってナビゲーション処理を行う。
図14は、ベースバンド処理及びナビゲーション処理の流れを示すフローチャートである。同図では、左側にベースバンド処理、右側にナビゲーション処理をそれぞれ示している。
先ず、CPU81は、衛星捕捉・追尾処理を行い(ステップD1)、捕捉・追尾したGPS衛星信号に基づいて、衛星位置、衛星移動方向及び衛星速度を含む衛星情報を算出する(ステップD3)。尚、ここでは、GPS衛星信号の捕捉・追尾を、CPU81がソフトウェア的に行うものとするが、ナビゲーション装置1のように衛星捕捉・追尾部20を独立して設けることで、ハードウェア的に行うことにしてもよい。
次いで、CPU81は、ステップD3で算出した衛星情報に基づいて、ナビゲーション装置2の現在位置、移動方向及び速度を仮計測し(ステップD5)、ステップD3で算出した衛星情報及びステップD5で計測した計測結果を、ホストCPU90に出力する(ステップD7)。
ホストCPU90は、CPU81から衛星情報及び計測結果を入力すると(ステップE1)、当該計測結果に対してマップマッチング処理を行う(ステップE3)。そして、ホストCPU90は、マップマッチング処理により得られたマップマッチング結果位置と、CPU81から入力した衛星情報とに基づいて、捕捉衛星の方位角及び仰角を衛星天空位置として算出し(ステップE5)、測位不適衛星判定処理を行う(ステップE7)。
測位不適衛星判定処理を行った後(ステップE7)、ホストCPU90は、測位不適衛星判定処理による判定結果をCPU81に出力する(ステップE9)。CPU81は、ホストCPU90から判定結果を入力すると(ステップD9)、測位不適衛星を除く捕捉衛星の衛星情報に基づいてナビゲーション装置2の現在位置、移動方向及び速度を計測し(ステップD11)、再び計測結果をホストCPU90に出力する(ステップD13)。
ホストCPU90は、CPU81から計測結果を入力すると(ステップE11)、当該計測結果に対してマップマッチング処理を行う(ステップE13)。そして、ホストCPU90は、マップマッチング結果位置をプロットしたナビゲーション画面を表示部50に表示させる(ステップE15)。
以上の処理を行った後、CPU81及びホストCPU90は、それぞれ処理の終了判定を行い(ステップD15、E17)、まだ処理を終了しないと判定した場合は(ステップD15、E17;No)、それぞれステップD1、E1に戻る。また、処理を終了すると判定した場合は(ステップD15、E17;Yes)、CPU81及びホストCPU90は、それぞれベースバンド処理及びナビゲーション処理を終了する。
5−5.仰角マスクデータ
上述した実施形態では、仰角マスクデータを、道路を複数の区間に区切った区間毎に定めるものとして説明したが、記憶容量等の許す限り、区間をより詳細に区切ったり、地点毎に定めることにしてもよい。
5−6.記憶媒体
ROM60に記憶されているメインプログラム61及び測位不適衛星判定プログラム62を、CD−ROMやDVD−ROM、フラッシュメモリ等の記憶媒体に記憶させておき、CPU30が、記憶媒体からプログラムを読み出して実行する構成としてもよい。この場合、さらに地図データベース63及び仰角マスクデータベース65を記憶媒体に記憶させておいてもよいことは勿論である。
測位不適衛星判定の原理を説明するための図。 仰角マスクデータの一例を示す図。 ナビゲーション装置の構成を示すブロック図。 (A)はROMの構成例を示す図。(B)はRAMの構成例を示す図。 仰角マスクデータベースのデータ構成例を示す図。 衛星データのデータ構成例を示す図。 衛星天空位置データのデータ構成例を示す図。 計測データのデータ構成例を示す図。 メイン処理の流れを示すフローチャート。 測位不適衛星判定処理の流れを示すフローチャート。 第2メイン処理の流れを示すフローチャート。 第2測位不適衛星判定処理の流れを示すフローチャート。 変形例におけるナビゲーション装置の構成を示すブロック図。 ベースバンド処理及びナビゲーション処理の流れを示すフローチャート。
符号の説明
1、2 ナビゲーション装置、 5 GPSアンテナ、 10 RF受信回路部、
11 SAWフィルタ、 13 LNA、 15 RF変換回路部、
20 衛星捕捉・追尾部、 30 CPU、 40 操作部、 50 表示部、
60 ROM、 70 RAM、 80 ベースバンド処理回路部、 81 CPU、
83 ROM、 85 RAM、 90 ホストCPU

Claims (11)

  1. 測位に不適な測位用衛星の天空位置を定めた不適天空位置データを測位場所毎に記憶する記憶手段と、
    前記記憶手段に記憶された不適天空位置データの中から、仮の現在位置である仮現在位置に対応する測位場所の不適天空位置データを選択する選択手段と、
    所与の衛星軌道情報に基づいて、前記仮現在位置を基準とした各測位用衛星それぞれの天空位置を算出する衛星天空位置算出手段と、
    前記算出された各測位用衛星の天空位置と前記選択された不適天空位置データとを照査して、当該各測位用衛星の中から測位に不適な測位用衛星を判定する測位不適衛星判定手段と、
    前記判定された測位に不適な測位用衛星を除く測位用衛星からの衛星信号に基づいて現在位置を測位する測位手段と、
    を備えた測位装置。
  2. 前記記憶手段が、全方位角を区分けした方位角範囲毎に、測位に不適な測位用衛星の仰角範囲を定めたデータを前記不適天空位置データとして記憶し、
    前記衛星天空位置算出手段が、前記天空位置として前記各測位用衛星の方位角及び仰角を算出し、
    前記測位不適衛星判定手段が、前記算出された仰角が、前記選択された不適天空位置データの前記算出された方位角を含む方位角範囲に対応する仰角範囲に含まれる場合に当該測位用衛星を測位に不適な測位用衛星として判定する、
    請求項1に記載の測位装置。
  3. 現在の移動方向を計測する移動方向計測手段を更に備え、
    前記記憶手段が、前記不適天空位置データを測位場所及び当該測位場所に定められた各基準方向別に記憶し、
    前記選択手段が、前記仮現在位置に対応する測位場所の不適天空位置データのうち、前記計測された移動方向に最適な基準方向に対応する不適天空位置データを選択する、
    請求項1又は2に記載の測位装置。
  4. 前記記憶手段が、各道路それぞれを区切った1つの区域を1つの前記測位場所とし、当該道路の進行方向それぞれを基準方向として、各道路の各区域の各基準方向別に前記不適天空位置データを記憶する請求項3に記載の測位装置。
  5. 建物の位置及び大きさの情報を記憶する建物情報記憶手段と、
    所与の衛星軌道情報に基づいて、仮の現在位置である仮現在位置を基準とした各測位用衛星それぞれの天空位置を算出する衛星天空位置算出手段と、
    前記建物情報記憶手段に記憶された情報に基づき、前記仮現在位置の周囲に位置する建物を天空に投影することで、測位に不適な測位用衛星の天空位置を判定するための不適天空位置データを生成する生成手段と、
    前記算出された各測位用衛星の天空位置と前記生成された不適天空位置データとを照査して、当該各測位用衛星の中から測位に不適な測位用衛星を判定する測位不適衛星判定手段と、
    前記判定された測位に不適な測位用衛星を除く測位用衛星からの衛星信号に基づいて現在位置を測位する測位手段と、
    を備えた測位装置。
  6. 請求項1〜5の何れか一項に記載の測位装置を備えた電子機器。
  7. 測位場所毎に予め定められた、測位に不適な測位用衛星の天空位置を定めた不適天空位置データの中から、仮の現在位置である仮現在位置に対応する測位場所の不適天空位置データを選択する選択ステップと、
    所与の衛星軌道情報に基づいて、前記仮現在位置を基準とした各測位用衛星それぞれの天空位置を算出する衛星天空位置算出ステップと、
    前記算出された各測位用衛星の天空位置と前記選択された不適天空位置データとを照査して、当該各測位用衛星の中から測位に不適な測位用衛星を判定する測位不適衛星判定ステップと、
    を含む測位不適衛星判定方法。
  8. 前記不適天空位置データは、全方位角を区分けした方位角範囲毎に、測位に不適な測位用衛星の仰角範囲を定めたデータであり、
    前記衛星天空位置算出ステップは、前記天空位置として前記各測位用衛星の方位角及び仰角を算出するステップであり、
    前記測位不適衛星判定ステップは、前記算出された仰角が、前記選択された不適天空位置データの前記算出された方位角を含む方位角範囲に対応する仰角範囲に含まれる場合に当該測位用衛星を測位に不適な測位用衛星として判定するステップである、
    請求項7に記載の測位不適衛星判定方法。
  9. 現在の移動方向を計測する移動方向計測ステップを更に含み、
    前記不適天空位置データは、測位場所及び当該測位場所に定められた各基準方向別に予め定められており、
    前記選択ステップは、前記仮現在位置に対応する測位場所の不適天空位置データのうち、前記計測された移動方向に最適な基準方向に対応する不適天空位置データを選択するステップである、
    請求項7又は8に記載の測位不適衛星判定方法。
  10. 所与の衛星軌道情報に基づいて、仮の現在位置である仮現在位置を基準とした各測位用衛星それぞれの天空位置を算出する衛星天空位置算出ステップと、
    予め定められた建物の位置及び大きさの情報に基づき、前記仮現在位置の周囲に位置する建物を天空に投影することで、測位に不適な測位用衛星の天空位置を判定するための不適天空位置データを生成する生成ステップと、
    前記算出された各測位用衛星の天空位置と前記生成された不適天空位置データとを照査して、当該各測位用衛星の中から測位に不適な測位用衛星を判定する測位不適衛星判定ステップと、
    を含む測位不適衛星判定方法。
  11. 請求項7〜10の何れか一項に記載の測位不適衛星判定方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
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