JP2008169912A - 油圧駆動車の駆動制御方法及び駆動制御装置 - Google Patents

油圧駆動車の駆動制御方法及び駆動制御装置 Download PDF

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Abstract

【課題】駐車ブレーキ14に対する負担を減少し,摩耗を抑制することができ,故障時において,手押しや牽引が容易な油圧駆動車を提供する。
【解決手段】油圧モータ11を通過した作動油を油タンク6に戻す流路(油圧モータ11の二次側における作動油流路)の面積を,例えば絞り部161を備えた減速弁16の操作によって可変とし,前記油圧駆動車の走行方向前後方向における傾斜角が所定値以上であるときに前記流路面積を減少する。
【選択図】図2

Description

本発明は,油圧回路中に設けた油圧モータを回転させて,この油圧モータによって車輪を回転させることにより走行する油圧駆動車の駆動制御方法及び駆動制御装置に関する。
各種の作業用車輌等において,油圧によって駆動する走行機構を備えた油圧駆動車が使用されている。
この油圧駆動車は,油圧回路10内に設けた油圧ポンプ13を電動機等によって駆動することで,前記油圧回路10内に作動油を圧送し,この作動油の圧力によって前記油圧回路10内に設けられた油圧モータ11を駆動すると共に,この油圧モータ11によって車輪を回転させて走行するように構成されている。
そして,前記油圧ポンプ13を駆動する電動機の回転数を制御することにより,油圧回路10内を流れる作動油の流量及び圧力を可変とすることで前記油圧モータ11の回転数を制御し,これにより油圧駆動車の走行速度を制御している。
このような油圧駆動車の一例として,図7に示す油圧駆動車では,油タンク6内の作動油を圧送する油圧ポンプ13と,この作動油によって駆動され,油圧駆動車のプロペラシャフト9を回転させる油圧モータ11間の油圧回路10に,図示せざる操作装置からの信号により制御される制御バルブSV1を設け,前記油圧モータ11に対する作動油の導入方向を可変として前進,後退を可能とした構成が開示されている。
そして,この油圧駆動車の前記プロペラシャフト9には,作動油の非導入時に前記プロペラシャフト9の回転を制動する駐車ブレーキ(センターブレーキ)14を設け,前記制御バルブSV1の切り換えにより油圧モータ11に対する作動油の導入時,前記駐車ブレーキ14に対して作動油の導入を行いプロペラシャフト9の制動を解除すると共に,油圧モータ11に対する作動油の導入停止時,前記駐車ブレーキ14に対する作動油の導入を停止して,油圧駆動車を駐車することができるように構成されている(特許文献1参照)。
この発明の先行技術文献情報としては次のものがある。
実開平 5−60925号公報
以上のように構成された油圧駆動車において,油圧モータ11は作動油の流量と圧力とが持つエネルギを,速度とトルクという機械的なエネルギに変換して回転力を得るものであり,前述のように油圧ポンプ13を駆動する電動機(図示せず)の回転数を制御することにより,油圧モータ11に導入される作動油の流量と圧力とを変化させることで油圧モータ11の回転数を増減し,これにより油圧駆動車の走行速度を制御することができるように構成されている。
しかし,前述の方法による走行速度の制御は,油圧駆動車が平地を走行しているときや登坂時には有効であるが,坂等を下る際に重力によって加速する油圧駆動車の減速や,油圧ポンプ13の停止後,慣性によって走行する油圧駆動車の制動には殆ど効果を発揮しない。
そのため,例えば所定の傾斜角を越える坂道を下る場合等においては,油圧駆動車は重力によって加速し,油圧ポンプ13によって制御された作動油の流量に対応した回転数を越えて油圧モータ11が回転するために,油圧駆動車を安全な速度で運転することができなくなる。
このように,制御バルブSV1の切り換え位置を前進又は後退の走行位置として坂道を下る場合には,油圧駆動車の速度を減速することができないことから,図7を参照して説明した従来の油圧駆動車では,坂道を下る際,制御バルブSV1を前進又は後退の走行位置として坂道を下り始めた後,油圧駆動車の速度が上昇すると制御バルブを中立位置に切り換えて駐車ブレーキ14に対する作動油の供給を停止して駐車ブレーキ14を作動させ,油圧駆動車の速度が低下し,又は停止すると,再度,前記制御バルブSV1を走行位置に切り換え,この動作を繰り返して油圧駆動車の速度が過度に上昇することを防止しつつ,下り坂の走行を行う必要があった。
ところで,図7を参照して説明した油圧駆動車の駐車ブレーキ14は,油圧ポンプ13からの作動油の供給を受けてブレーキ14を解除する,リターンスプリング付きの単動式油圧シリンダ14aを備えており,制御バルブSV1を前進又は後退の位置として前記油圧シリンダ14aに対して作動油が供給されている駐車ブレーキ14の非作動状態から,制御バルブSV1を中立の位置として油圧シリンダ14aから作動油が排出された駐車ブレーキ14の作動位置に切り換えると,駐車ブレーキ14が利き始め,油圧シリンダ14aから作動油が完全に排出されると完全に作動してプロペラシャフト9の回転をロックする。
そのため,前述の油圧駆動車において油圧駆動車を停車させることなく一定速度で坂道を下るためには,制御バルブSV1を走行位置から中立の位置に切り換えた後,油圧シリンダ14aから完全に作動油が排出されて駐車ブレーキ14が完全に作動する迄の僅かな時間内に制御バルブSV1を走行位置に再度戻す操作が必要であり,油圧駆動車に思い通りの速度で坂道を下らせる操作を行うためには極めて高度の操縦技能を必要とする。
また,前記のようにして油圧駆動車の制動を行う場合,油圧駆動車の制動は駐車ブレーキ14のみによって行われるために,駐車ブレーキ14に負荷がかかり,ブレーキシュー等の摺動部品の摩耗が早く,頻繁な交換が必要となる。
ところで,油圧駆動車の平地走行時や登坂時,油圧回路10中に設けられた油圧モータ11は,油圧回路10内を流れる作動油に対して抵抗として作用し,油圧モータ11の存在が,油圧モータ11の一次側における油圧回路10内の圧力を上昇させているが,油圧駆動車が坂道を下る場合等において,油圧駆動車が重力により自走して車輪が回転すると,この車輪に出力軸を連結された油圧モータ11が作動油によって回転される方向に回転されているために,作動油に対する負荷が軽減し,また,このとき油圧モータ11は一種のポンプとして作用することから,油圧モータ11がその一次側における作動油を吸引して油圧モータ11の一次側における作動油の圧力が低下する。
そこで,図7を参照して説明した従来技術における油圧回路10の構成に代え,図5に示すように制御バルブSV1に,駐車ブレーキ14の油圧シリンダに対する給排油を行う制動回路23の開閉機能を持たせずに,駐車ブレーキ14を,導入される油圧の変化に応じて動作するものとし,油圧ポンプ13の二次側と油圧モータ11の一次側間における圧力を前記駐車ブレーキ14の油圧シリンダ内に導入して油圧回路10内の圧力変化に応じて駐車ブレーキ14を制御するように変更することも考えられる。
このように構成することで,油圧駆動車が坂道を下る際の自走による車輪の回転によって油圧モータ11が回転し,これにより油圧モータ11の一次側における油圧回路10内の圧力が低下すると,駐車ブレーキ14の油圧シリンダに導入される作動油の圧力が油圧作動車の速度が上昇するに従って低下するので,この圧力低下に応じて自動的に駐車ブレーキ14の利き具合が調整される。
この方法によれば,前述のように下り坂を走行する油圧駆動車が加速するに従って駐車ブレーキ14の利きが強く,また,油圧駆動車が減速すると駐車ブレーキ14の利きが弱くなるため,図7を参照して説明した油圧駆動車のように制御バルブSV1の複雑な操作を行うことなしに油圧駆動車を一定の速度で走行させることができる。
しかし,油圧駆動車の制動は,依然として駐車ブレーキ14のみによって行われるため,駐車ブレーキ14に対する負担が大きく,ブレーキシュー等の摺動部品が早期に摩耗するという欠点を解消することはできない。
また,油圧駆動車が平地を走行している場合や登坂時であっても,これを低速で走行させるために油圧ポンプ13を駆動する電動機Mの回転数を低下している場合には,油圧モータ11に導入される作動油の圧力が低くなっているため,駐車ブレーキ14が作動してブレーキを引き摺った状態での走行が行われる場合があり,この点からもブレーキシュー等の摺動部品の摩耗が早く,また,油圧駆動車の走行に余計な負荷が生じて消費電力が増加する等の欠点がある。
このように,下り坂を走行する場合の油圧駆動車の制動を駐車ブレーキ14のみで行う場合,駐車ブレーキ14にかかる負担が大きく,ブレーキシュー等の摺動部品の摩耗を早めることから,駐車ブレーキ14以外の手段によっても油圧駆動車の制動を行うことができれば好ましい。
図6は,この点に鑑み,駐車ブレーキ14による制動のみならず油圧回路10の構成を工夫することによって油圧駆動車の制動を行うことができるように構成したものであり,油圧モータ11を通過した作動油を油タンク6に戻す回路(油圧モータ11の二次側)に,油圧モータ11の一次側圧力と二次側圧力とをパイロット圧とするバランス弁17を設け,油圧モータ11の一次側圧力が相対的に低い圧力となったとき,油圧モータ11を通過した作動油を油タンク6内に戻す流路を遮断するように構成している。
すなわち,坂道を下降等する際の自走により車輪からの回転駆動力を受けて油圧モータ11が回転することで,前述したように油圧モータ11の一次側圧力が相対的に低下すると,この油圧モータ11の二次側(吐出側)の流路を閉塞して背圧を上昇させ,これにより油圧モータ11の回転を規制し,油圧駆動車の制動を行うことができるようにしたものである。
以上のような構成から,図6として想定した回路構成によれば,下り坂等によって油圧駆動車が自走を開始すると,駐車ブレーキ14を作動させない場合であっても油圧モータの回転を規制することができ,これにより油圧駆動車の制動を行うことができ,その結果,駐車ブレーキ14に対する負担を格段に低減すると共に,ブレーキシュー等の摺動部品の摩耗についてもこれを大幅に低減することができる点で,図5及び図7を参照して説明した油圧駆動車に比較して優れたものとなっている。
しかし,このような油圧回路10を備えた油圧駆動車にあっては,バランス弁17によって油圧モータ11の二次側流路が閉塞されると,油圧モータ11は比較的短時間で回転できなくなり油圧駆動車は急制動されることとなる。
また,例えば,バッテリ上がりが生じたときや,電気系トラブルが発生し,油圧駆動車が自走できなくなった場合に,これを人が手で押し,又は牽引する等して移動しようとしても,二次側(吐出側)が閉塞された油圧モータ11を回転させることができず,このような手押しや牽引が不可能となる。
そのため,このような手押しや牽引を可能とするために,油圧モータ11の一次側と二次側間をバイパスするバイパス回路26を設けると共に,このバイパス回路26を開閉する開閉弁27を設け,前述した手押しや牽引を行う必要が生じた場合には,駐車ブレーキ14に設けた図示せざる手動操作装置を操作して,駐車ブレーキ14による制動を解除すると共に,前記バイパス回路26に設けた前記開閉弁27を開き,油圧モータ11の一次側と二次側をバイパスする必要がある。
そのために,図6を参照して説明した回路構成にあっては,部品点数が増加すると共に,回路構成が複雑となり,しかも前述のような手押しや牽引を行う際の操作が複雑となっている。
因みに,図5及び図7を参照して説明した油圧駆動車にあっては,いずれも駐車ブレーキ14に設けた図示せざる手動操作装置を操作して,駐車ブレーキ14による制動を解除することで油圧駆動車を手押し又は牽引することが可能となっており,油圧モータ11の一次側と二次側間をバイパスするバイパス回路26や,このバイパス回路26を開閉する開閉弁27を設ける必要はない。
なお,以上の説明では,坂道を下る際の油圧駆動車の制動について説明したが,例えば制御バルブSV1を走行位置から中立(停止)位置に操作した場合のように,慣性によって走行しようとする油圧駆動車の制動時においても,前述した駐車ブレーキ14以外に,油圧駆動車の制動を行うことができる手段があれば,駐車ブレーキ14に対する負担を軽減できると共に,ブレーキシュー等の摺動部品の摩耗も減少させることができる。
そこで本発明は,特許文献1として紹介した従来技術(図7)における欠点を解消するだけでなく,図5及び図6として想定した油圧駆動車の構成によっても解消し得ない欠点を解消するためになされたものであり,前述した駐車ブレーキ14以外の構成によっても油圧駆動車を制動することで,駐車ブレーキ14に対する負担を減少し,ブレーキシュー等の摺動部品の摩耗を低減することができると共に,油圧駆動車の故障時において,手押しや牽引の必要性が生じた場合であっても,このような手押しや牽引を可能と成すための操作が容易な,油圧駆動車の駆動制御方法及び駆動制御装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために,本発明の油圧駆動車における駆動制御方法は,電動機Mによって駆動される油圧ポンプ13と,該油圧ポンプ13によって圧送された作動油によって回転する油圧モータ11とを備え,前記油圧モータ11によって車輪を駆動する油圧駆動車において,
前記油圧モータ11の二次側における前記作動油の流路面積を例えば絞り部161を備えた流路の開閉などによって可変とし,前記油圧駆動車が走行方向前後方向に所定の傾斜状態にあるとき,前記油圧モータ11の二次側における前記作動油の流路面積を減少することを特徴とする(請求項1)。
前記構成の駆動制御方法において,
前記油圧ポンプ13用電動機Mの回転数を可変と成すと共に,前記油圧ポンプ13の作動時であって,前記電動機Mが所定の低回転数,例えば低速から中速で運転されているとき,前記流路面積の減少を行うようにしても良く(請求項2),又は,前記電動機Mの回転数の低下に対応して,前記油圧モータ11の二次側における前記作動油の流路面積を例えば比例的に減少させるように構成しても良い(請求項3)。
さらに,前記油圧モータ11の二次側における前記作動油の流路面積を,前記油圧駆動車が走行方向前後方向に所定の傾斜状態にあるときに加え,前記油圧ポンプ13から油圧モータ11へ作動油の供給を停止したときにおいても減少するようにしても良い(請求項4)。
なお,前記構成の駆動制御方法において,前記油圧駆動車の走行方向前後方向における傾斜角が所定値以上であるとき,前記流路面積の減少を行うようにしても良く(請求項5),又は前記傾斜角の増加に対応して,前記流路面積を比例的に減少するように構成しても良い(請求項6)。
また,本発明の油圧駆動車における駆動制御方法は,電動機Mによって駆動される油圧ポンプ13と,該油圧ポンプ13によって圧送された作動油によって回転する油圧モータ11とを備え,前記油圧モータ11によって車輪を駆動して走行する油圧駆動車において,
前記油圧モータ11の二次側における前記作動油の流路面積を例えば絞り部161を備えた流路の開閉などによって可変とし,前記油圧ポンプ13から油圧モータ11へ作動油の供給を停止したとき,前記油圧モータ11の二次側における前記作動油の流路面積を減少することを特徴とする(請求項7)。
また,本発明の油圧駆動車の駆動制御装置1は,前記同様の基本構成を備えた油圧駆動車において,前記油圧モータ11の二次側に設けられ,前記作動油の流路面積を可変とし,かつ,該流路面積を減少させる減速弁16と,
前記油圧駆動車の走行方向前後方向における傾斜角を検出する傾斜角度検出手段3と,
前記傾斜角度検出手段3が,前記油圧駆動車が所定の傾斜状態にあることを検出したときに,前記減速弁16を操作して前記油圧モータ11の二次側における作動油の流路面積を減少させる制御手段を設けたことを特徴とする(請求項8)。
このように構成された駆動制御装置1において,前記油圧駆動車の前進,後退又は停止指令,及び低速から中速を経て高速に至る迄の段階的な走行速度の指令を入力する入力手段(図示の例では「走行レバー」)4と,
前記油圧ポンプ13と前記油圧モータ11間の連通及び遮断,並びに前進又は後退時における前記油圧モータ11への作動油の導入方向の切り換えを制御する制御バルブSV1と,
前記入力手段4によって入力された指令に基づいて,前記油圧ポンプ13の電動機Mを始動又は停止し,並びに回転数の制御を行うと共に,前記制御バルブSV1の切り換えを制御し,かつ,前記入力手段4により入力された走行速度が所定の低速度であるとき,前記減速弁16に前記油圧モータ11の二次側における作動油の流路面積を減少させる制御手段8を設けたことを特徴とする(請求項9)。
さらに,前記同様の入力手段(図示の例では「走行レバー」)4と制御バルブSV1を設けると共に,前記入力手段4によって入力された指令に基づいて,前記油圧ポンプ13の電動機Mを始動又は停止し,並びに回転数の制御を行うと共に,前記制御バルブSV1の切り換えを制御し,かつ,前記入力手段4により前記油圧駆動車の停止指令が入力されているとき,前記減速弁16に前記油圧モータ11の二次側における作動油の流路面積を減少させるように前記制御手段8を構成し,前記制御バルブSV1が,前記油圧ポンプ13と前記油圧モータ11間の回路の遮断時,前記油圧モータ11の一次側と二次側とを連通する中立位置を有することを特徴とする(請求項10)。
また,本発明の油圧駆動車の駆動制御装置1は,前記同様の基本構成を備えた油圧駆動車において,
前記油圧モータ11の二次側に設けられ,前記作動油の流路面積を可変とし,かつ,該流路面積を減少させる減速弁16と,
前記油圧駆動車の前進,後退又は停止指令,及び前記前進及び後退時における低速から高速に至る迄の段階的な走行速度の指令を入力する入力手段(図示の例では「走行レバー」)4と,前記油圧ポンプ13と前記油圧モータ11間の連通及び遮断,並びに前進又は後退時における前記油圧モータ11への作動油の導入方向の切り換えを制御し,前記油圧ポンプ13と前記油圧モータ11間の回路の遮断時,前記油圧モータ11の一次側と二次側とを連通する中立位置を有する制御バルブSV1を設けると共に,
前記入力手段4によって入力された指令に基づいて,前記油圧ポンプ13の電動機Mを始動又は停止し,並びに回転数の制御を行うと共に,前記制御バルブSV1の切り換えを制御し,かつ,前記入力手段4により前記油圧駆動車の停止指令が入力されているとき,前記減速弁16を操作して前記油圧モータ11の二次側における作動油の流路面積を減少させる制御手段8を設けたことを特徴とする(請求項11)。
以上で説明した本発明の構成により,本発明の油圧駆動車の駆動制御方法及び駆動制御装置1によれば,油圧モータ11の二次側における作動油の流路面積を減少することにより,油圧駆動車が下り坂を走行し,又は慣性により走行する等している場合には,車輪の回転によって回転されている油圧モータ11の回転を制限することができ,これにより油圧駆動車の減速乃至は制動を行うことができた。
前記油圧ポンプ13用の電動機Mが所定の低回転数にあるとき,前記油圧モータ11の二次側における前記作動油の流路面積を減少することにより,又は,油圧ポンプ13用電動機Mの回転数低下に対応して,油圧モータ11の二次側における前記作動油の流路面積を減少することにより,油圧駆動車の減速時には油圧ポンプ13の動作状況に対応した低速に減速することができた。
また,油圧モータ11の二次側における流路面積の減少を,油圧駆動車が所定の傾斜状態にあるときのみならず,前記油圧ポンプから油圧モータへ作動油の供給が停止する,例えば前記油圧ポンプ13の停止時においても行うことにより,油圧ポンプ13を駆動した油圧駆動車の走行状態から,油圧ポンプ13を停止した油圧駆動車の停止状態に移行した際に,油圧モータ11の回転を規制して慣性で走行しようとする油圧駆動車を,駐車ブレーキ以外の手段によっても制動することができた。
さらに,このような流路面積の減少を,前記油圧駆動車の走行方向前後方向における傾斜角が所定値以上であるときに行い,又は傾斜角の拡大に応じて流路面積を減少する場合には,この傾斜が走行方向に対して下り方向の傾斜である場合には,重力により加速しようとする油圧駆動車の速度を低下させて制動することができた。
また,作業車が走行している状態から停止するとき,特に走行レバー4を最大位置から中立位置へ急激に操作した場合に,駐車ブレーキ14の負担を軽減することができ,駐車ブレーキ14の摩耗を抑制することができた。
なお,前記は油圧ポンプ13と油圧モータ11間を開閉すると共に,油圧ポンプ13からの作動油を前記油圧モータ11に導入する方向を切り換える制御バルブSV1に,前記油圧ポンプ13と前記油圧モータ11間の回路の遮断時,前記油圧モータ11の一次側と二次側とを連通する中立位置を設けた構成にあっては,この中立位置において油圧駆動車を手押し又は牽引などによって走行させることが可能である。
次に本発明の実施例を,添付図面を参照しながら以下に説明する。
〔制御方法の概要及び制動原理〕
本発明の油圧駆動車の駆動制御方法は,油圧回路10中に電動機Mによって駆動される油圧ポンプ13と,該油圧ポンプ13によって圧送された作動油によって回転する油圧モータ11とを設け,前記油圧モータ11によって車輪を駆動して走行可能に構成された油圧駆動車を対象とし,この油圧駆動車の油圧回路10に設けた油圧モータ11の二次側(吐出側)における作動油の流路面積を可変と成すと共に,この流路面積を減少することにより,油圧駆動車の減速を実現可能としたものであり,油圧駆動車が例えば坂道を下っている場合や,走行していた状態から油圧ポンプ13による給油を停止して停車させる場合等,油圧駆動車の減速が必要となる場合では,前記位置における作動油の流路面積を減少することにより油圧モータ11の回転を規制して,油圧駆動車の制動が可能となる。
すなわち,油圧駆動車が下り坂を重力によって走行する場合や,慣性によって走行することにより車輪が回転し,この車輪に出力軸を連結された油圧モータ11が,車輪の回転によって回転され,そのため,車輪を回転させるための油圧モータ11が,この車輪による回転によって,本来の機能とは逆に作動油に対してポンプとして作用して,該ポンプの一次側の作動油を吸引すると共に,二次側に吐出する。
そこで,このようにポンプとして機能している油圧モータ11の二次側において,作動油の流路面積を減少し,油圧モータ11より吐出されて,油タンク6に回収される作動油の流量を減少すると,油圧モータ11の二次側圧力,すなわちポンプとして機能している油圧モータ11の吐出側圧力(背圧)が上昇して,油圧モータ11はその回転に大きな抵抗を受ける。
そのため,この油圧モータ11を回転させようとする車輪に対し,油圧モータ11は抵抗として作用するために,車輪の回転が規制され,その結果,油圧駆動車はその走行速度を低減することが可能となっている。
〔実施例1〕
以上で説明した,本発明の方法による制御を実現するための駆動制御装置1の一実施例を図1及び図2を参照して以下に説明する。
なお,以下で説明する実施例の制御装置にあっては,油圧モータ11の二次側における流路面積の減少を,油圧ポンプ13用電動機Mが所定の低い回転数の範囲にあり,かつ,油圧駆動車が所定の傾斜状態にあるときに行うものとして説明する。
(1)全体構成
図1は,本発明の油圧駆動車の駆動制御方法を実現する駆動制御装置1の一実施例を示したもので,油圧駆動車を駆動する油圧モータ11を備え,この油圧モータ11に油タンク6内の作動油を供給すると共に,油圧モータ11を通過した作動油を前記油タンク6に回収する,図2に示す油圧回路10と,油圧駆動車の走行前後方向における傾きを検出する傾斜角度検出手段3,前記油圧駆動車に行わせるべき前進,後退の動作,及びその速度を制御する入力手段4,及び,前記入力手段4によって入力された動作指令と,前記傾斜角度検出手段3によって検出された傾斜角度に従って,前記油圧回路10に設けた電磁弁SV1〜SV4,及び油圧ポンプ13の駆動用電動機Mの回転数を制御する制御手段8によって構成されている。
(2)入力手段
前述の入力手段4は,油圧駆動車の前進,後退及び停止(中立)及び前記前進及び後退時における速度をそれぞれ入力可能としたもので,本実施形態にあっては,一例として可変抵抗器によってこの入力手段を構成し,図1に示す中央の中立位置(停止位置)から,走行レバーを反時計回り方向に倒してゆくと,油圧駆動車の前進方向の走行速度を徐々に増速することを指令する信号を後述する制御手段8に出力すると共に,前記レバーを中立位置から時計回り方向に倒してゆくと,油圧駆動車の後退方向の走行速度を徐々に増速することを指令する信号を後述する制御手段8に出力することができるように構成されている。
(3)傾斜角度検出手段
前述の傾斜角度検出手段3は,油圧駆動車が走行方向に対して所定の傾斜角で傾斜したことを電気信号として取り出すことができるものであれば,既知の各種センサ類を使用することが可能である。
本実施例にあっては,この傾斜検出手段3として傾斜スイッチを設け,車台が走行方向前後方向に所定角度以上に傾斜したとき制御手段8に信号を出力するように構成しているが,例えば傾斜センサ等によって油圧駆動車の傾斜角度の変化を検出し,この変化の度合いによって後述する制御手段8が,油圧モータ11の二次側における作動油の流路面積の減少量を流量調整弁等によって調整するように構成しても良い。
(4)油圧回路
前述の油圧回路10は,図2に示すように油タンク6内の作動油を圧送する油圧ポンプ13を備えた給油回路21と,前記給油回路21より導入された作動油によって駆動される油圧モータ11を備えた駆動回路22,前記給油回路21からの作動油を,前記油圧モータ11に設けた駐車ブレーキ14の油圧シリンダに対して給排油する制動回路23,前記駆動回路22内の作動油を油タンク6内に回収する駆動ドレン回路24,及び前記制動回路23を介して駐車ブレーキ14の油圧シリンダ内の作動油を油タンク6内に回収するブレーキ用ドレン回路25をそれぞれ備えている。
(4-1) 給油回路
前述の給油回路21は,後述する駆動回路22及び制動回路23にそれぞれ油タンク6内の作動油を導入するもので,油タンク6内の作動油を汲み上げる,電動機Mによって駆動される油圧ポンプ13を備え,この油圧ポンプ13の二次側流路を三又に分岐して,このうちの一つ21aを前述の駆動回路22に作動油を供給するための流路として,他の一つ21bを前述の制動回路23に作動油を供給するための流路とすると共に,残りの一つ21cを油タンク6に作動油を逃がす逃がし回路とし,この逃がし回路21cに前記油圧ポンプ13の二次側圧力をパイロット圧とするリリーフバルブ15を設けて,油圧ポンプ13の二次側圧力が,所定の圧力以上に上昇したとき,このリリーフバルブ15が開いて作動油を油タンク6に逃がし,油圧ポンプ13やこれを駆動する電動機Mが破損等することを防止している。
なお,図示の実施例にあっては,前述の逃がし回路21cを,駆動ドレン回路24に連通して,該駆動ドレン回路24によって前記逃がし回路の一部を構成している。
前記油圧ポンプ13の駆動用電動機Mは,本実施例では直流電動機であり,後述する制御手段8より入力される駆動電圧の変化により回転数を変化することができるように構成されている。
従って,この電動機Mに対する駆動電圧の変化により,油圧ポンプ13より吐出する作動油の流量と圧力とが変化し,油圧駆動車の走行速度を可変とすることができるように構成されている。
(4-2) 駆動回路
前述の駆動回路22は,油圧駆動車を走行させる油圧モータ11,本実施例にあっては左右の車輪の駆動用にそれぞれ設けられた,回路中に直列に設けられた2つの油圧モータ11,11を備えると共に,該回路22の一端及び他端を,作動位置において前記給油回路21又は駆動ドレン回路24のいずれかにそれぞれ連通させる制御バルブSV1,前記制御バルブSV1と,一方の油圧モータ11(図中左)及び他方の油圧モータ11(図中右)間にそれぞれ設けられた減速弁16を備えている。
前述の制御バルブSV1は,油圧駆動車を停止状態と成す中立位置と,前進位置及び後退位置との3位置に切り換え可能に構成された4ポート3位置切り換え弁(電磁弁)であり,この制御バルブSV1のポートPに前述の給油回路21を,ポートRに前述の駆動ドレン回路24を接続すると共に,一方の油圧モータ11(左)側の回路をポートAに,他方の油圧モータ側11の回路をポートBにそれぞれ接続し,前進位置においてポートPA及びBRを連通して,駆動回路22内に紙面時計回りの作動油の流れを生じさせると共に,後退位置において,ポートAR及びポートPBを連通して,駆動回路22に紙面反時計回りの作動油の流れを生じさせるように構成されている。
また,この制御バルブSV1は,中立位置をABR接続し,この中立位置において作動油が駆動回路22内を循環可能であると共に,余分な作動油を駆動ドレン回路24を介して油タンク6に回収することができるように構成されている。
この制御バルブSV1と,左右の油圧モータ11の間にそれぞれ設けられた前述の減速弁16は,電磁弁SV3,SV4と,該電磁弁SV3,SV4に対してそれぞれ並列に連通された絞り部161を備え,前記電磁弁SV3,SV4の非作動位置に,制御バルブSV1側から油圧モータ11側に向かう作動油の流れのみを許容する逆止弁を内蔵すると共に,作動位置において,いずれの方向への作動油の流れともに通過することができるように構成されている。
(4-3) 制動回路
前述の油圧モータ11には,それぞれ該油圧モータ11の回転を制動する駐車ブレーキ14が設けられており,この駐車ブレーキ14に設けられた単動式の油圧シリンダに対して作動油を導入すると,駐車ブレーキ14による制動が解除されると共に,この油圧シリンダに導入した作動油を排出して油タンク6に回収すると,駐車ブレーキ14による油圧モータ11の制動が行われるように構成されている。
前述の制動回路23は,該回路23の一端側を二叉に分岐して,一方23aを一方の駐車ブレーキ14(図中左側)の前記油圧シリンダの油出入口に,他方23bを他方の駐車ブレーキ14(図中右側)の前記油圧シリンダの油出入口にそれぞれ連通し,他端に,前述の給油回路21(21b)とブレーキドレン回路25とを選択的に接続する切り換え弁である電磁弁SV2を設け,この電磁弁SV2を切り換えることにより駐車ブレーキ14による油圧モータ11の制動,及びこの制動の解除を行うことができるように構成されている。
(5)制御手段
以上のように構成された油圧回路の各電磁弁SV1〜SV4,及び油圧ポンプ13駆動用の電動機Mは,制御手段8より出力された制御信号によってその動作が制御されている。
この制御手段8は,前述の入力手段4である走行レバーの操作位置に基づいて,後述する油圧回路10に設けた油圧ポンプ13の電動機Mを所定の回転数で回転させることができるように構成されていると共に,傾斜角度検出手段3の検出信号と,前記走行レバー4の操作位置に従って,油圧回路10に設けた電磁弁SV1〜SV4を所定の動作パターンで動作させることができるものであれば,例えばリレー等を備えた電気回路によって構成しても良く,又は,予め記憶した所定のプログラムに従って,前記所定の動作を各部に行わせる電子制御装置等によって実現するものとしても良い。
一例として本実施例にあっては,この制御手段8によって,前記入力手段4によって入力された指令,及び傾斜角度検出手段3からの検出信号に基づいて,前述した油圧回路10に設けた電磁弁SV1〜SV4及び油圧ポンプ13の電動機Mをそれぞれ下表に示すように制御している。
Figure 2008169912
Figure 2008169912
Figure 2008169912
(6)動作説明
(6-1) 基本動作
以上のように構成された油圧駆動車の駆動制御装置1において,入力手段である走行レバー4を中立の位置から前進又は後退のいずれかの側に傾けると,この走行レバー4によって入力された前進又は後退指令に従って,制御手段8は,制御バルブ(電磁弁)SV1を前進又は後退位置に切り換えると共に,制動回路23に設けた電磁弁SV2を作動して,駐車ブレーキ14の油圧シリンダに対する作動油の導入を開始する。
制御手段8は,さらに,走行レバー4の傾きに従って,油圧ポンプ13駆動用の電動機Mの回転数を変化させて,傾きが大きくなるに従い前記電動機Mの回転数を増加させて,油圧モータ11に導入される作動油の流量と油圧とを上昇させる。これにより,油圧モータ11は回転数を上昇して,油圧駆動車の走行速度が上昇する。
走行レバー4が前進又は後退の走行位置にあるとき,減速弁16に設けた電磁弁SV3,SV4は,傾斜角度検出手段3からの検出信号が受信されていない状態では,いずれも作動状態にある。
これにより,油圧モータ11を通過した作動油は,油圧駆動車が前進,後退のいずれの場合においても油タンク6に絞り部161によって絞られることなく回収されており,油圧駆動車では,走行レバー4の操作によって入力された動作指令に従って,前進又は後退,及び走行速度の増減が行われている。
(6-2) 傾斜時の動作
以上のように構成された駆動制御装置1において,前進,後退のいずれの走行方向である場合であっても,走行レバー4の傾きが,中立位置から中間位置にある場合,すなわち,油圧駆動車を低速から中速で走行すべき入力がされている場合であって,前述した傾斜角度検出手段3により,油圧駆動車が進行方向前後方向に所定の傾斜角度以上の傾斜角で傾斜していることが検出されている場合,制御手段8は,電磁弁SV3,SV4に対する制御信号の出力を停止して,電磁弁SV3,SV4を図2に示す非作動位置に復帰させるように構成している。
このようにして電磁弁SV3,SV4を図2に示す非作動位置に復帰させると,油圧モータ11を通過して油タンク6に戻る作動油が,油圧駆動車の前進時にあっては電磁弁SV4を備えた減速弁16の絞り部161により,油圧作業車の後退時にあっては,電磁弁SV3を備えた減速弁16の絞り部161によりそれぞれ絞られた後に油タンク6内に回収される。
その結果,車輪の回転によって回転され,一種のポンプとして機能している油圧モータ11の二次側(吐出側)の流路が絞られて背圧が上昇し,その結果,油圧モータ11の回転が制動され,従って,油圧駆動車の走行速度も低下されて低速から中速に維持し得るように構成されている。
なお,本実施例では,電磁弁SV3,SV4をいずれとも同じ信号で共に動作させるように構成した例を説明したが,電磁弁SV3,SV4は,油圧駆動車が前進又は後退のいずれの走行状態にあるかに従って,走行モータの二次側となるいずれかの電磁弁のみを非作動とするように構成しても良い。
(6-3) 停止動作
このようにした油圧駆動車を走行させた後,これを停止させる場合には,入力手段である走行レバー4を,前進又は後退位置より中立の位置に戻す。
この走行レバー4の操作により,制御手段8からの制御信号の出力が停止して,油圧回路10に設けた各電磁弁SV1〜SV4は,いずれも図2に示す非作動位置となる。
その結果,制動回路23に設けた電磁弁SV2が図2に示す非作動位置となり,駐車ブレーキ14の油圧シリンダに対する作動油の導入を停止すると共に,駐車ブレーキ14の油圧シリンダ内に導入された作動油をブレーキ用ドレン回路25を介して油タンク6内に回収し,これにより,駐車ブレーキ14が作動し,油圧モータ11の回転が駐車ブレーキ14によって制動される。
また,減速弁16に設けた電磁弁SV3,SV4も非作動となり,油圧モータ11を通過した作動油は,いずれかの減速弁16に設けた絞り部161に導入される。
更に,制御手段8は,駆動回路22に設けた電磁弁SV1を中立位置として,駆動回路22と給油回路21との連通を遮断すると共に,油圧ポンプ13を駆動する電動機Mに対する駆動電圧の出力を停止することで油圧ポンプ13を停止する。
これにより,油圧モータ11に対して,油圧ポンプ13からの作動油の導入が停止すると共に,走行時の慣性によってなおも走行しようとする油圧駆動車の車輪によって回転される油圧モータ11の二次側が絞り部161によって絞られることによって,油圧モータ11の背圧が上昇して,油圧モータ11の回転が制限され,これにより駐車ブレーキ14と共に油圧駆動車の制動が行われて,油圧駆動車はやがて停止する。
以上のような停止状態において,駆動回路22に設けた電磁弁SV1は,中立位置において各ポートをABR接続しているために,作動油は,この駆動回路22内を循環することができるように構成されていると共に,この駆動回路22内の余剰の作動油は,駆動ドレン回路24を介して油タンク6内に回収可能に構成されている。
従って,このようにして停止状態にある油圧駆動車を,例えば人が手で押し,又は牽引する等して移動させようとする場合には,駐車ブレーキ14を手動操作するための,図示せざる解除レバーを操作して駐車ブレーキ14による走行モータの制動を解除すると,油圧駆動車を手で押し,又は牽引して走行させることが可能となる。
すなわち,油圧駆動車を押し,又は牽引等して走行させると,この走行により生じた車輪の回転により,該車輪に出力軸を介して連結された油圧モータ11も回転して,この油圧モータ11は一種のポンプとして作用することとなる。そのため,図6を参照して説明した構成のように,油圧モータ11の二次側を閉塞する構成として場合には,油圧モータ11の二次側の圧力を逃がすことができず,油圧モータ11がロックしてしまうために油圧駆動車を手押しや牽引によって走行させることができないものとなるが,本実施例の油圧回路10の構成によれば,油圧モータ11の二次側は,絞り部161によって絞られているとはいえ完全に遮断されておらず,油圧モータ11の二次側の圧力を逃がすことができるようになっている。
そのため,油圧駆動車を手で押し,又は比較的低速で牽引する場合のように,油圧駆動車の走行速度が比較的低速であれば,前述した駐車ブレーキの解除という比較的簡単な操作によってこれを走行させることが可能である。
なお,以上で説明した実施例にあっては,走行レバー4を走行位置から中立位置に戻すと,各電磁弁SV1〜SV4のいずれもが同時に図2に示す非作動位置に復帰するものとして説明したが,前述の駐車ブレーキ14に対する作動油の給排出を制御する電磁弁SV2については,前記走行レバー4を中立位置に戻した後,所定時間遅れて非作動位置に戻るように前記制御手段8による制御を行っても良い。
走行レバー4を中立の位置に戻すことで,電磁弁SV3,SV4が図2に示す非作動位置に復帰し,油圧モータ11の二次側が絞り部161によって絞られ,その結果,前述したように油圧モータ11の背圧が上昇して油圧モータ11の回転は制限されて減速する。
従って,作業車が走行している状態から停止するとき,特に走行レバー4を最大位置から中立位置へ急激に操作した場合に,減速弁16の絞り部161の作用により油圧駆動車を減速したのち,駐車ブレーキ14による制動を行うことで,駐車ブレーキ14の負担を軽減することができ,駐車ブレーキ14の摩耗を抑制することができ,さらに,絞りによる減速がなめらかであることから,減速時に車輪がロックしたりせずに乗り心地を改善することができる。
油圧駆動車が平坦路を走行している場合,又は登坂時において慣性によって走行する油圧駆動車の制動を図るものとしても良く,また,傾斜角の増加に対応して流路面積の減少度合いを大きくしてもよい。
〔実施例2〕
以上,図1及び図2を参照して説明した駆動制御装置1にあっては,その油圧回路10中に油圧駆動車の前進時の減速を行う減速弁16と,後退時における減速を行う減速弁16とをそれぞれ別個に設けた例を説明したが,本実施例の駆動制御装置1では,単一の減速弁16によって,油圧駆動車の前進及び後退のいずれの場合においてもこれを減速することができるように構成した。
このように構成した駆動制御装置1の全体構成を図3に,この駆動制御装置1に設けた油圧回路10の構成を図4にそれぞれ示す。
図4に示すように,本実施例の駆動制御装置1に設けた油圧回路10にあっては,単一の減速弁16によって前進,後退のいずれの走行方向における減速をも行うことができるよう,実施例1の油圧回路にあっては制御バルブ(電磁弁)SV1と油圧モータ11間にそれぞれ減速弁16を設けていた構成に代え,駆動用ドレン回路24中に単一の減速弁16を設けたものであり,その他の構成については,図1及び図2を参照して説明した前述の実施例1における駆動制御装置1と同様の構成である。
なお,図3及び図4に示す本実施例の駆動制御装置1の各部の動作は,下表に示す通りである。
Figure 2008169912
Figure 2008169912
Figure 2008169912
以上のように構成した本実施例の駆動制御装置1によれば,制御バルブSV1を中立位置としたときには,減速弁16による制動が行われないものとなるが,実施例1として説明した前述の駆動制御装置1に比較して,油圧回路10中に使用する減速弁16の個数を減らすことができると共に,回路構成を簡素化することができるものでありながら,制御バルブSV1が前進又は後退位置にあるときには,実施例1の駆動制御装置と同等の効果を得ることができた。
また,バッテリ上がり等によって油圧駆動車を手で押し,又は牽引する必要が生じた場合において,実施例1の油圧回路10では,駆動回路22内の作動油の循環系内に減速弁16の絞り部161が配されるものとなっていたが,本実施例の駆動制御装置1の油圧回路10にあっては,走行切り換え電磁弁SV1の中立位置において,駆動回路22内には絞りが存在していないことから,油圧駆動車を押し,又は牽引する際の力が小さくて良い。
本発明の駆動制御装置の機能ブロック図。 本発明の駆動制御装置で使用する油圧回路の構成図。 本発明の別の駆動制御装置の機能ブロック図。 本発明の駆動制御装置で使用する別の油圧回路の構成図。 油圧ポンプと油圧モータ間の回路内の圧力変化に応じて,駐車ブレーキの利き具合を制御する回路構成を示した説明図。 油圧モータの二次側を閉塞することで,油圧モータの回転を制動するようにした回路構成を示す説明図。 従来の油圧駆動車における油圧回路の説明図(特許文献1)。
符号の説明
1 駆動制御装置
3 傾斜角度検出手段
4 入力手段(走行レバー)
6 油タンク
8 制御手段
9 プロペラシャフト
10 油圧回路
11 油圧モータ
13 油圧ポンプ
14 駐車ブレーキ
14a 油圧シリンダ
15 リリーフバルブ
16 減速弁
17 バランス弁
161 絞り部
21 給油回路
22 駆動回路
23 制動回路
24 駆動ドレン回路
25 ブレーキ用ドレン回路
26 バイパス回路
27 開閉弁
SV1 制御バルブ(電磁弁)
SV2〜SV4 電磁弁
M 電動機(油圧ポンプ用)

Claims (11)

  1. 電動機によって駆動される油圧ポンプと,該油圧ポンプによって圧送された作動油によって回転する油圧モータとを備え,前記油圧モータによって車輪を駆動して走行する油圧駆動車において,
    前記油圧モータの二次側における前記作動油の流路面積を可変とし,前記油圧駆動車が走行方向前後方向に所定の傾斜状態にあるとき,前記油圧モータの二次側における前記作動油の流路面積を減少することを特徴とする油圧駆動車の駆動制御方法。
  2. 前記油圧ポンプ用電動機の回転数を可変と成すと共に,前記油圧ポンプの作動時であって,前記電動機が所定の低回転数にあるとき,前記流路面積の減少を行うことを特徴とする請求項1記載の油圧駆動車の駆動制御方法。
  3. 前記油圧ポンプ用電動機の回転数を可変と成すと共に,前記油圧ポンプの作動時であって,前記電動機の回転数の低下に対応して,前記油圧モータの二次側における前記作動油の流路面積を減少させることを特徴とする請求項1記載の油圧駆動車の駆動制御方法。
  4. 前記油圧モータの二次側における前記作動油の流路面積を,前記油圧駆動車が走行方向前後方向に所定の傾斜状態にあるときに加え,前記油圧ポンプから油圧モータへ作動油の供給を停止したときにおいても減少することを特徴とする請求項1〜3いずれか1項記載の油圧駆動車における駆動制御方法。
  5. 前記油圧駆動車の走行方向前後方向における傾斜角が所定値以上であるとき,前記流路面積の減少を行うことを特徴とする請求項1〜4いずれか1項記載の油圧駆動車の駆動制御方法。
  6. 前記油圧駆動車の走行方向前後方向における傾斜角の増加に対応して,前記流路面積の減少を行うことを特徴とする請求項1〜4いずれか1項記載の油圧駆動車の駆動制御方法。
  7. 電動機によって駆動される油圧ポンプと,該油圧ポンプによって圧送された作動油によって回転する油圧モータとを備え,前記油圧モータによって車輪を駆動して走行する油圧駆動車において,
    前記油圧モータの二次側における前記作動油の流路面積を可変とし,前記油圧ポンプから油圧モータへ作動油の供給を停止したとき,前記油圧モータの二次側における前記作動油の流路面積を減少することを特徴とする油圧駆動車の駆動制御方法。
  8. 電動機によって駆動される油圧ポンプと,該油圧ポンプによって圧送された作動油によって回転する油圧モータとを備え,前記油圧モータによって車輪を駆動する油圧駆動車において,
    前記油圧モータの二次側に設けられ,前記作動油の流路面積を可変とし,かつ,該流路面積を減少させる減速弁と,
    前記油圧駆動車の走行方向前後方向における傾斜角を検出する傾斜角度検出手段と,
    前記傾斜角度検出手段が,前記油圧駆動車が所定の傾斜状態にあることを検出したときに,前記減速弁を操作して前記油圧モータの二次側における作動油の流路面積を減少させる制御手段を設けたことを特徴とする油圧駆動車の駆動制御装置。
  9. 前記油圧駆動車の前進,後退又は停止指令,及び前記前進及び後退時における低速から高速に至る迄の段階的な走行速度の指令を入力する入力手段と,前記油圧ポンプと前記油圧モータ間の連通及び遮断,並びに前進又は後退時における前記油圧モータへの作動油の導入方向の切り換えを制御する制御バルブを設けると共に,
    前記入力手段によって入力された指令に基づいて,前記油圧ポンプの電動機を始動又は停止し,並びに回転数の制御を行うと共に,前記制御バルブの切り換えを制御し,かつ,前記入力手段により入力された走行速度が所定の低速度であるとき,前記減速弁に前記油圧モータの二次側における作動油の流路面積を減少させるように前記制御手段を構成したことを特徴とする請求項8記載の油圧駆動車の駆動制御装置。
  10. 前記油圧駆動車の前進,後退又は停止指令,及び前記前進及び後退時における低速から高速に至る迄の段階的な走行速度の指令を入力する入力手段と,前記油圧ポンプと前記油圧モータ間の連通及び遮断,並びに前進又は後退時における前記油圧モータへの作動油の導入方向の切り換えを制御する制御バルブを設けると共に,
    前記入力手段によって入力された指令に基づいて,前記油圧ポンプの電動機を始動又は停止し,並びに回転数の制御を行うと共に,前記制御バルブの切り換えを制御し,かつ,前記入力手段により前記油圧駆動車の停止指令が入力されているとき,前記減速弁に前記油圧モータの二次側における作動油の流路面積を減少させるように前記制御手段を構成し,前記制御バルブが,前記油圧ポンプと前記油圧モータ間の回路の遮断時,前記油圧モータの一次側と二次側とを連通する中立位置を有することを特徴とする請求項8記載の油圧駆動車の駆動制御装置。
  11. 電動機によって駆動される油圧ポンプと,該油圧ポンプによって圧送された作動油によって回転する油圧モータとを備え,前記油圧モータによって車輪を駆動する油圧駆動車において,
    前記油圧モータの二次側に設けられ,前記作動油の流路面積を可変とし,かつ,該流路面積を減少させる減速弁と,
    前記油圧駆動車の前進,後退又は停止指令,及び前記前進及び後退時における低速から高速に至る迄の段階的な走行速度の指令を入力する入力手段と,前記油圧ポンプと前記油圧モータ間の連通及び遮断,並びに前進又は後退時における前記油圧モータへの作動油の導入方向の切り換えを制御し,前記油圧ポンプと前記油圧モータ間の回路の遮断時,前記油圧モータの一次側と二次側とを連通する中立位置を有する制御バルブを設けると共に,
    前記入力手段によって入力された指令に基づいて,前記油圧ポンプの電動機を始動又は停止し,並びに回転数の制御を行うと共に,前記制御バルブの切り換えを制御し,かつ,前記入力手段により前記油圧駆動車の停止指令が入力されているとき,前記減速弁を操作して前記油圧モータの二次側における作動油の流路面積を減少させる制御手段を設けたことを特徴とする油圧駆動車の駆動制御装置。
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