(発明の要旨)
本発明は、新規のB7RP−2核酸分子およびコードされたポリペプチドに関する。
本発明は、以下を含む単離された核酸分子を提供する:
(a)配列番号1、配列番号3、または配列番号5のいずれかに示されるヌクレオチド配列;
(b)配列番号2、配列番号4、または配列番号6のいずれかに示されるポリペプチドをコードするヌクレオチド配列;
(c)(a)または(b)のいずれかのヌクレオチド配列の相補体に、少なくとも中程度にストリンジェントな条件下でハイブリダイズするヌクレオチド配列であって、ここで、コードされたポリペプチドは、配列番号2、配列番号4、または配列番号6のいずれかに示されるポリペプチドの活性を有する、ヌクレオチド配列;あるいは
(d)(a)〜(c)のいずれかのヌクレオチド配列に相補的なヌクレオチド配列。
本発明はまた、以下を含む単離された核酸分子を提供する:
(a)配列番号2、配列番号4、または配列番号6のいずれかに示されるポリペプチドに対して少なくとも70%同一であるポリペプチドをコードするヌクレオチド配列であって、ここで、このコードされたポリペプチドは、配列番号2、配列番号4、または配列番号6のいずれかに示されるポリペプチドの活性を有する、ヌクレオチド配列;
(b)配列番号1、配列番号3、または配列番号5のいずれかに示されるヌクレオチド配列または(a)のヌクレオチド配列の、対立遺伝子改変体もしくはスプライス改変体をコードするヌクレオチド配列;
(c)少なくとも約25アミノ酸残基のポリペプチドフラグメントをコードする、配列番号1、配列番号3、もしくは配列番号5のいずれかのヌクレオチド配列、または(a)もしくは(b)のヌクレオチド配列の領域であって、ここで、このポリペプチドフラグメントは、配列番号2、配列番号4、もしくは配列番号6に示されるコードされたポリペプチドの活性を有するか、または抗原性である、ヌクレオチド配列領域;
(d)少なくとも約16ヌクレオチドのフラグメントを含む、配列番号1、配列番号3、もしくは配列番号5のいずれかのヌクレオチド配列または(a)〜(c)のいずれかのヌクレオチド配列領域;
(e)(a)〜(d)のいずれかのヌクレオチド配列の相補体に対して少なくとも中程度にストリンジェントな条件下でハイブリダイズするヌクレオチド配列であって、ここで、このコードされたポリペプチドは、配列番号2、配列番号4、または配列番号6のいずれかに示されるポリペプチドの活性を有する、ヌクレオチド配列;あるいは
(f)(a)〜(e)のいずれかのヌクレオチド配列に相補的なヌクレオチド配列。
本発明は、以下を含む単離された核酸分子をさらに提供する:
(a)少なくとも1つの保存的アミノ酸置換を有する、配列番号2、配列番号4、または配列番号6のいずれかに示されるポリペプチドをコードするヌクレオチド配列であって、ここで、このコードされたポリペプチドは、配列番号2、配列番号4、または配列番号6のいずれかに示されるポリペプチドの活性を有する、ヌクレオチド配列;
(b)少なくとも1つのアミノ酸挿入を有する、配列番号2、配列番号4、または配列番号6のいずれかに示されるポリペプチドをコードするヌクレオチド配列であって、ここで、このコードされたポリペプチドは、配列番号2、配列番号4、または配列番号6のいずれかに示されるポリペプチドの活性を有する、ヌクレオチド配列;
(c)少なくとも1つのアミノ酸欠失を有する、配列番号2、配列番号4、または配列番号6のいずれかに示されるポリペプチドをコードするヌクレオチド配列であって、ここで、このコードされたポリペプチドは、配列番号2、配列番号4、または配列番号6のいずれかに示されるポリペプチドの活性を有する、ヌクレオチド配列;
(d)C末端短縮および/またはN末端短縮を有する、配列番号2、配列番号4、または配列番号6のいずれかに示されるポリペプチドをコードするヌクレオチド配列であって、ここで、このコードされたポリペプチドは、配列番号2、配列番号4、または配列番号6のいずれかに示されるポリペプチドの活性を有する、ヌクレオチド配列;
(e)アミノ酸置換、アミノ酸挿入、アミノ酸欠失、C末端短縮、またはN末端短縮である少なくとも1つの改変を含む、配列番号2、配列番号4、または配列番号6のいずれかに示されるポリペプチドをコードするヌクレオチド配列であって、ここで、このコードされたポリペプチドは、配列番号2、配列番号4、または配列番号6のいずれかに示されるポリペプチドの活性を有する、ヌクレオチド配列;
(f)少なくとも約16ヌクレオチドのフラグメントを含む、(a)〜(e)のいずれかのヌクレオチド配列;
(g)(a)〜(f)のいずれかのヌクレオチド配列の相補体に対して、少なくとも中程度のストリンジェントな条件下でハイブリダイズするヌクレオチド配列であって、ここで、このコードされるポリペプチドは、配列番号2、配列番号4、または配列番号6のいずれかに示されるポリペプチドの活性を有する、ヌクレオチド配列;あるいは
(h)(a)〜(g)のいずれかのヌクレオチド配列に相補的なヌクレオチド配列。
本発明は、配列番号2、配列番号4、または配列番号6のいずれかに示されるアミノ酸配列を含む単離されたポリペプチドを提供する。
本発明はまた、以下を含む単離されたポリペプチドを提供する:
(a)配列番号2、配列番号4、または配列番号6のいずれかのオルソログのアミノ酸;
(b)配列番号2、配列番号4、または配列番号6のいずれかのアミノ酸配列に対して少なくとも約70%同一であるアミノ酸配列であって、ここで、このポリペプチドは、配列番号2、配列番号4、または配列番号6のいずれかに示されるポリペプチドの活性を有する、アミノ酸配列;
(c)少なくとも約25アミノ酸残基を含む、配列番号2、配列番号4、または配列番号6のいずれかに示されるアミノ酸配列のフラグメントであって、ここで、このフラグメントは、配列番号2、配列番号4、もしくは配列番号6のいずれかに示されるポリペプチドの活性を有するか、または抗原性である、アミノ酸配列のフラグメント;あるいは
(d)配列番号2、配列番号4、もしくは配列番号6のいずれかに示されるアミノ酸配列、または(a)もしくは(b)のいずれかのアミノ酸配列の、または(a)もしくは(b)のいずれかのアミノ酸配列対立遺伝子改変体もしくはスプライス改変体の、アミノ酸配列。
本発明は、以下を含む単離されたポリペプチドをさらに提供する:
(a)少なくとも1つの保存されたアミノ酸置換を有する、配列番号2、配列番号4、または配列番号6のいずれかに示されるアミノ酸配列であって、ここで、このポリペプチドは、配列番号2、配列番号4、または配列番号6のいずれかに示されるポリペプチドの活性を有する、アミノ酸配列;
(b)少なくとも1つのアミノ酸挿入を有する、配列番号2、配列番号4、または配列番号6のいずれかに示されるアミノ酸配列であって、ここで、このポリペプチドは、配列番号2、配列番号4、または配列番号6のいずれかに示されるポリペプチドの活性を有する、アミノ酸配列;
(c)少なくとも1つのアミノ酸欠失を有する、配列番号2、配列番号4、または配列番号6のいずれかに示されるアミノ酸配列であって、ここで、このフラグメントは、配列番号2、配列番号4、もしくは配列番号6のいずれかに示されるポリペプチドの活性を有する、アミノ酸配列;
(d)C末端短縮および/またはN末端短縮を有する、配列番号2、配列番号4、または配列番号6のいずれかに示されるアミノ酸配列であって、ここで、このポリペプチドは、配列番号2、配列番号4、または配列番号6のいずれかに示されるポリペプチドの活性を有する、アミノ酸配列;あるいは
(e)アミノ酸置換、アミノ酸挿入、アミノ酸欠失、C末端短縮、またはN末端短縮っである少なくとも1つの改変を含む、配列番号2、配列番号4、または配列番号6のいずれかに示されるアミノ酸配列であって、ここで、ここで、このポリペプチドは、配列番号2、配列番号4、または配列番号6のいずれかに示されるポリペプチドの活性を有する、アミノ酸配列。
本発明は、20位がバリンであるか;29位がバリンであるか;101位がバリンであるか;120位がチロシンであるか;184位がロイシンであるか;260位がバリンであるか;261位がバリンまたはイソロイシンであるか;291位がアスパラギン酸であるか;または306位がグルタミン酸である、少なくとも1つの保存的アミノ酸置換を有する、配列番号2に示されるアミノ酸配列を含む、単離されたポリペプチドをなおさらに提供し、ここで、このポリペプチドは、配列番号2に示されるポリペプチドの活性を有する。
B7RP−2のアミノ酸配列を含む融合ポリペプチドもまた、提供される。
本発明はまた、本明細書中に示される単離された核酸分子を含む発現ベクター、本明細書中に示される組換え核酸分子を含む組換え宿主細胞、ならびにB7RP−2ポリペプチドを産生する方法を提供し、この方法は、宿主細胞を培養する工程およびこのように産生されたポリペプチドを必要に応じて単離する工程を包含する。
B7RP−2ポリペプチドをコードする核酸分子を含む、トランスジェニック非ヒト動物はまた、本発明に含まれる。B7RP−2核酸分子は、B7RP−2ポリペプチドの発現および増加したレベル(これは、増加した循環レベルを含み得る)を可能にする様式で、動物中に導入される。あるいは、このB7RP−2核酸分子は、内因性B7RP−2ポリペプチドの発現を防止する(すなわち、B7RP−2ポリペプチド遺伝子ノックアウトを保有するトランスジェニック動物を作製する)様式で、動物中に導入される。このトランスジェニック非ヒト動物は、好ましくは、哺乳動物であり、そしてより好ましくは、ラットまたはマウスのようなげっ歯類である。
本発明のB7RP−2ポリペプチドの誘導体もまた、提供される。
さらに、本発明のB7RP−2ポリペプチドに特異的に結合し得る選択的結合因子(例えば、抗体およびペプチド)が、提供される。このような抗体およびペプチドは、アゴニストまたはアンタゴニストであり得る。
本発明のヌクレオチド、ポリペプチド、または選択的結合因子と、1以上の薬学的に受容可能な処方剤とを含む、薬学的組成物もまた、本発明に含まれる。この薬学的組成物は、治療有効量の本発明のヌクレオチドまたはポリペプチドを提供するために使用される。本発明はまた、上記のポリペプチド、核酸分子、および選択的結合因子を使用する方法に関する。
本発明のB7RP−2ポリペプチドおよびB7RP−2核酸分子は、疾患および障害(本明細書中で記載されるものを含む)を処置、予防、改善、および/または検出するために使用され得る。
本発明はまた、B7RP−2ポリペプチドと結合する試験分子を同定するために、試験分子をアッセイする方法を提供する。この方法は、B7RP−2ポリペプチドを試験分子と接触させて、試験分子がそのポリペプチドに結合する程度を決定する工程、およびこの試験分子のこのポリペプチドに結合する範囲を決定する工程を包含する。この方法は、さらに、このような試験分子が、B7RP−2ポリペプチドのアゴニストまたはアンタゴニストであるかどうかを決定する工程を包含する。本発明は、さらに、B7RP−2ポリペプチドの発現またはB7RP−2ポリペプチドの活性に対する分子の影響を試験する方法を提供する。
B7RP−2ポリペプチドの発現を調節する方法およびレベルを調整(すなわち、増加または減少)する方法もまた、本発明に含まれる。1つの方法は、B7RP−2ポリペプチドをコードする核酸分子を動物に投与する工程を包含する。別の方法において、B7RP−2ポリペプチドの発現を調節または調整するエレメントを含む核酸分子が、投与され得る。これらの方法の例としては、本明細書中でさらに記載されているような、遺伝子治療、細胞治療、およびアンチセンス治療が挙げられる。
本発明の別の局面において、B7RP−2ポリペプチドは、それらのレセプター(「B7RP−2ポリペプチドレセプター」)を同定するために使用され得る。「発現クローニング」の種々の形態は、タンパク質リガンドに対するレセプターをクローニングするために広範に使用されている。例えば、SimonsenおよびLodish,Trends、Pharmacological Sciences、第15巻、437〜441、ならびにTartagliaら、1995、Cell、83:1263〜1271を参照のこと。B7RP−2ポリペプチドレセプターの単離は、B7RP−2ポリペプチドシグナル伝達経路の新規なアゴニストおよびアンタゴニストを同定または開発するために有用である。このようなアゴニストおよびアンタゴニストとしては、可溶性B7RP−2ポリペプチドレセプター、抗B7RP−2ポリペプチドレセプター選択的結合因子(例えば、抗体およびそれらの誘導体)、低分子、およびアンチセンスオリゴヌクレオチド(これらのいずれかは、1以上の疾患または障害(本明細書中で開示されるものを含む)を処置するために使用され得る)が挙げられる。
(発明の詳細な説明)
本明細書中で使用される節の表題は、組織的な目的のみのためであり、そして記載される内容を限定するようには解釈されるべきではない。本願において引用される全ての参考文献は、本明細書中に明示的に参考として援用される。
(定義)
用語「B7RP−2遺伝子」または「B7RP−2核酸分子」あるいは「B7RP−2ポリヌクレオチド」とは、配列番号1、配列番号3、または配列番号5に示されるヌクレオチド配列、配列番号2、配列番号4、または配列番号6に示されるポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含むかまたはこれらからなる核酸分子および本明細書中で定義される核酸分子をいう。
用語「B7RP−2ポリペプチド対立遺伝子改変体」とは、生物体または生物体の集団の染色体の所定の遺伝子座を占める遺伝子の、天然に存在する可能ないくつかの代替的形態のうちの1つをいう。
用語「B7RP−2ポリペプチドスプライス改変体」とは、配列番号2、配列番号4、または配列番号6のいずれかに示されるB7RP−2ポリペプチドアミノ酸配列のRNA転写物中のイントロン配列の選択的プロセシングによって生成される、核酸分子(通常はRNA)をいう。
用語「単離された核酸分子」とは、(1)総核酸が供給源細胞から単離される場合に、天然で一緒に見出されるタンパク質、脂質、糖質、または他の物質のうち少なくとも約50パーセントから分離されている本発明の核酸分子、(2)「単離された核酸分子」が天然で連結しているポリヌクレオチドの全てまたは一部に連結していない本発明の核酸分子、(3)天然では連結しないポリヌクレオチドに作動可能に連結した本発明の核酸分子、または(4)より大きなポリヌクレオチド配列の一部として、天然には存在しない本発明の核酸分子をいう。好ましくは、本発明の単離された核酸分子は、いかなる他の混入核酸分子、またはその天然の環境において見出される他の混入物(これらは、ポリペプチド産生における使用、または治療的使用、診断的使用、予防的使用、または研究的使用を妨げる)も実質的に含まない。
用語「核酸配列」または「核酸分子」は、DNA配列またはRNA配列をいう。これらの用語は、DNAおよびRNAの公知の塩基アナログのいずれかから形成される分子を含み、その塩基アナログは、例えば、以下であるがこれらに限定されない:4−アセチルシトシン、8−ヒドロキシ−N6−メチルアデノシン、アジリジニル−シトシン、プソイドイソシトシン(pseudoisocytosine)、5−(カルボキシヒドロキシルメチル)ウラシル、5−フルオロウラシル、5−ブロモウラシル、5−カルボキシメチルアミノメチル−2−チオウラシル、5−カルボキシ−メチルアミノメチルウラシル、ジヒドロウラシル、イノシン、N6−イソ−ペンテニルアデニン、1−メチルアデニン、1−メチルプソイドウラシル、1−メチルグアニン、1−メチルイノシン、2,2−ジメチル−グアニン、2−メチルアデニン、2−メチルグアニン、3−メチルシトシン、5−メチルシトシン、N6−メチルアデニン、7−メチルグアニン、5−メチルアミノメチルウラシル、5−メトキシアミノ−メチル−2−チオウラシル、β−D−マンノシルキューオシン(β−D−mannosylqueosine)、5’−メトキシカルボニル−メチルウラシル、5−メトキシウラシル、2−メチルチオ−N6−イソペンテニルアデニン、ウラシル−5−オキシ酢酸メチルエステル、ウラシル−5−オキシ酢酸、オキシブトキソシン(oxybutoxosine)、プソイドウラシル、キューオシン、2−チオシトシン、5−メチル−2−チオウラシル、2−チオウラシル、4−チオウラシル、5−メチルウラシル、N−ウラシル−5−オキシ酢酸メチルエステル、ウラシル−5−オキシ酢酸、プソイドウラシル、キューオシン、2−チオシトシン、および2,6−ジアミノプリン。
用語「ベクター」は、コード情報を宿主細胞へと移すために使用される任意の分子(例えば、核酸、プラスミド、またはウイルス)を言及するために使用される。
用語「発現ベクター」は、宿主細胞の形質転換に適切なベクターであって、そして挿入された異種核酸配列の発現を指示および/または制御する核酸配列を含む、ベクターをいう。発現としては、転写、翻訳、およびRNAスプライシング(イントロンが存在する場合)のようなプロセスが挙げられるがこれらに限定されない。
用語「作動可能に連結された」を用いて、本明細書中では、このように記載された隣接配列が、その通常の機能を発揮するように構成または構築されている隣接配列の配置をいう。従って、コード配列に作動可能に連結された隣接配列は、このコード配列の複製、転写および/または翻訳をもたらすことが可能であり得る。例えば、コード配列は、このプロモーターがこのコード配列の転写を指示し得る場合に、プロモーターに作動可能に連結されている。隣接配列は、これが正確に機能する限り、このコード配列と連続する必要はない。したがって、例えば、翻訳されないが転写される介在配列が、このプロモーター配列とこのコード配列との間に存在し得、そしてこのプロモーター配列は、なおこのコード配列に「作動可能に連結」されているとみなされ得る。
用語「宿主細胞」は、核酸配列で形質転換されたか、または核酸配列で形質転換されて、次いで目的の選択された遺伝子を発現し得る細胞を言及するために使用される。この用語は、選択された遺伝子が存在する限り、子孫が形態または遺伝子構造において元々の親と同一であろうとなかろうと、親細胞の子孫を包含する。
用語「B7RP−2ポリペプチド」とは、配列番号2、配列番号4もしくは配列番号6のいずれかのアミノ酸配列を含むポリペプチド、および関連ポリペプチドをいう。関連ポリペプチドとしては、以下が挙げられる:B7RP−2ポリペプチドフラグメント、B7RP−2ポリペプチドオルソログ、B7RP−2ポリペプチド改変体、およびB7RP−2ポリペプチド誘導体であって、配列番号2、配列番号4もしくは配列番号6のいずれかに示されるポリペプチドの少なくとも1つの活性を有するもの。B7RP−2ポリペプチドは、本明細書中で定義されるような、成熟ポリペプチドであり得、そして調製される方法に依存して、アミノ末端メチオニン残基を有しても有さなくてもよい。
用語「B7RP−2ポリペプチドフラグメント」とは、配列番号2、配列番号4または配列番号6のいずれかに示されるポリペプチドのアミノ酸末端での短縮(リーダー配列を含むかまたは含まない)および/またはカルボキシル末端での短縮を含むポリペプチドをいう。用語「B7RP−2ポリペプチドフラグメント」はまた、B7RP−2ポリペプチドオルソログ、B7RP−2ポリペプチド誘導体、もしくはB7RP−2ポリペプチド改変体のアミノ末端短縮物および/もしくはカルボキシル末端短縮物、またはB7RP−2ポリペプチド対立遺伝子改変体もしくはB7RP−2ポリペプチドスプライス改変体によってコードされるポリペプチドのアミノ末端短縮物および/もしくはカルボキシル末端短縮物をいう。B7RP−2ポリペプチドフラグメントは、選択的RNAスプライシングまたはインビボでのプロテアーゼ活性からもたらされ得る。膜結合形態のB7RP−2ポリペプチドもまた、本発明によって意図される。好ましい実施形態では、短縮および/または欠失は、約10アミノ酸、または約20アミノ酸、または約50アミノ酸、または約75アミノ酸、または約100アミノ酸、または約100より多くのアミノ酸を含む。このようにして生成されるポリペプチドフラグメントは、約25個連続したアミノ酸、または約50アミノ酸、または約75アミノ酸、または約100アミノ酸、または約150アミノ酸、または約150より多くのアミノ酸を含む。このようなB7RP−2ポリペプチドフラグメントは、必要に応じて、アミノ末端メチオニン残基を含み得る。このようなフラグメントは、例えば、B7RP−2ポリペプチドに対する抗体を生成するために使用され得ることが理解される。
用語「B7RP−2ポリペプチドオルソログ」とは、配列番号2、配列番号4または配列番号6のいずれかに示されるB7RP−2ポリペプチドアミノ酸配列に対応する、別の種由来のポリペプチドをいう。例えば、マウスおよびヒトのB7RP−2ポリペプチドは、互いのオルソログであるとみなされる。
用語「B7RP−2ポリペプチド改変体」は、配列番号2、配列番号4もしくは配列番号6(リーダー配列を有するかまたは有さない)のいずれかに示されるB7RP−2ポリペプチドアミノ酸配列と比較して、1つ以上のアミノ酸配列の置換、欠失(例えば、内部欠失および/またはB7RP−2ポリペプチドフラグメント)、および/または付加(例えば、内部付加および/またはB7RP−2融合ポリペプチド)を有するアミノ酸配列を含むB7RP−2ポリペプチドをいう。改変体は、天然に存在する(例えば、B7RP−2ポリペプチド対立遺伝子改変体、B7RP−2ポリペプチドオルソログ、およびB7RP−2ポリペプチドスプライス改変体)か、または、人工的に構築され得る。このようなB7RP−2ポリペプチド改変体は、配列番号1、配列番号3、または配列番号5のいずれかに示されるDNA配列から変化するDNA配列を有する、対応する核酸分子から調製され得る。好ましい実施形態において、これらの改変体は、1〜3、または1〜5、または1〜10、または1〜15、または1〜20、または1〜25、または1〜50、または1〜75、または1〜100、または100より多くのアミノ酸の置換、挿入、付加および/または欠失を有し、ここで、これらの置換は、保存的、または非保存的、あるいはその任意の組み合わせであり得る。
用語「B7RP−2ポリペプチド誘導体」は、化学的に改変された、本明細書中に定義されるような、配列番号2、配列番号4もしくは配列番号6のいずれかに記載されるポリペプチド、B7RP−2ポリペプチドフラグメント、B7RP−2ポリペプチドオルソログ、またはB7RP−2ポリペプチド改変体をいう。用語「B7RP−2ポリペプチド誘導体」はまた、化学的に改変された、本明細書中に定義されるような、B7RP−2ポリペプチド対立遺伝子改変体またはB7RP−2ポリペプチドスプライス改変体によってコードされるポリペプチドをいう。
用語「成熟B7RP−2ポリペプチド」は、リーダー配列を欠失したB7RP−2ポリペプチドをいう。成熟B7RP−2ポリペプチドはまた、他の改変(例えば、アミノ末端(リーダー配列を有するかまたは有さない)および/またはカルボキシル末端のタンパク質分解性プロセシング、より大きな前駆体からのより小さなポリペプチドの切断、N結合型および/またはO結合型グリコシル化など)を含み得る。
用語「B7RP−2融合ポリペプチド」とは、本明細書中に定義されるような、配列番号2、配列番号4もしくは配列番号6のいずれかに示されるポリペプチド、B7RP−2ポリペプチドフラグメント、B7RP−2ポリペプチドオルソログ、B7RP−2ポリペプチド改変体、またはB7RP−2ポリペプチド誘導体の、アミノ末端またはカルボキシル末端での1つ以上のアミノ酸(例えば、異種タンパク質または異種ペプチド)の融合体をいう。用語「B7RP−2融合ポリペプチド」とはまた、本明細書中に定義されるような、B7RP−2ポリペプチド対立遺伝子改変体またはB7RP−2ポリペプチドスプライス改変体によってコードされるポリペプチドのアミノ末端またはカルボキシル末端での、1つ以上のアミノ酸の融合体をいう。
用語「生物学的に活性なB7RP−2ポリペプチド」とは、配列番号2、配列番号4または配列番号6のいずれかのアミノ酸配列を含むポリペプチドに特徴的な少なくとも1つの活性を有するB7RP−2ポリペプチドをいう。さらに、B7RP−2ポリペプチドは、免疫原として活性であり得る;すなわち、B7RP−2ポリペプチドは、抗体が惹起され得る少なくとも1つのエピトープを含む。
用語「単離されたポリペプチド」とは、(1)供給源細胞から単離される場合に、天然で一緒に見出されるポリヌクレオチド、脂質、糖質、または他の物質の少なくとも約50%から分離された本発明のポリペプチド、(2)「単離されたポリペプチド」が天然で連結しているポリペプチドの全てまたは一部に(共有結合的相互作用によっても非共有結合的相互作用によっても)連結していない、本発明のポリペプチド、(3)天然では連結していないポリペプチドに(共有結合的相互作用または非共有結合的相互作用によって)作動可能に連結している、本発明のポリペプチド、または(4)天然には存在しない本発明のポリペプチドをいう。好ましくは、この単離されたポリペプチドは、あらゆる他の混入ポリペプチドも、その治療的使用、診断的使用、予防的使用、または研究的使用を妨げるその天然の環境において見出される他の混入物も、実質的に含まない。
用語「同一性」とは、当該分野で公知のように、配列の比較によって決定される、2つ以上のポリペプチド分子または2つ以上の核酸分子の、配列間の関係をいう。当該分野において、「同一性」はまた、場合に応じて、一列の2つ以上のヌクレオチド配列間または2つ以上のアミノ酸配列間の一致によって決定したときの、核酸分子間またはポリペプチド間の配列関連性の程度を意味する。「同一性」は、2つ以上の配列のうち小さなものと、特定の数理的モデルまたはコンピュータプログラム(すなわち、「アルゴリズム」)によってアドレス指定されるギャップアラインメント(存在する場合)との間の同一一致のパーセントを評価する。
用語「類似性」は、関連した概念であるが、「同一性」とは対照的に、「類似性」は、同一一致および保存的置換の一致の両方を含む関連性尺度をいう。2つのポリペプチド配列が、例えば10/20個同一のアミノ酸を有し、そして残りが全て非保存的置換である場合、パーセント同一性および類似性は、どちらも50%である。同じ例において、保存的置換であるさらに5つの位置が存在する場合、パーセント同一性は50%のままであるが、パーセント類似性は75%(15/20)である。したがって、保存的置換が存在する場合、2つのポリペプチド間のパーセント類似性は、これら2つのポリペプチド間のパーセント同一性よりも高い。
用語「天然に存在する」または「ネイティブの」は、核酸分子、ポリペプチド、宿主細胞などのような生物学的物質と関連して使用される場合、天然において見出され、そして人によって操作されていない物質をいう。同様に、「天然に存在しない」または「ネイティブではない」は、本明細書中で使用される場合、天然で見出されないか、またはヒトによって構造的に改変もしくは合成された物質をいう。
用語「有効量」および「治療有効量」は、各々、本明細書中に示されるB7RP−2ポリペプチドの1つ以上の生物学的活性の観察可能なレベルを支持するために使用されるB7RP−2ポリペプチドまたはB7RP−2核酸分子の量をいう。
用語「薬学的に受容可能なキャリア」または「生理学的に受容可能なキャリア」は、本明細書中で使用される場合、薬学的組成物としてのB7RP−2ポリペプチド、B7RP−2核酸分子、またはB7RP−2選択的結合因子の送達の達成または増強に適切な1つ以上の処方材料をいう。
用語「抗原」とは、選択的結合因子(例えば、抗体)により結合され得、そしてさらに動物において使用されて、その抗原のエピトープに結合し得る抗体を産生し得る、分子または分子の一部をいう。抗原は、1つ以上のエピトープを有し得る。
用語「選択的結合因子」とは、B7RP−2ポリペプチドについての特異性を有する分子をいう。本明細書中で使用される場合、用語「特異的」および「特異性」とは、選択的結合因子が、ヒトB7RP−2ポリペプチドに結合し、かつヒト非B7RP−2ポリペプチドに結合しない能力をいう。しかし、選択的結合因子がまた、配列番号2、配列番号4または配列番号6のいずれかに記載されるようなポリペプチドのオルソログ(すなわち、その種間バージョン(例えば、マウスB7RP−2ポリペプチドおよびラットB7RP−2ポリペプチド))に結合し得ることが、理解される。
用語「形質導入」とは、通常はファージによる、1つの細菌から別の細菌への遺伝子の移入をいうために使用される。「形質導入」はまた、レトロウイルスによる真核生物細胞配列の獲得および移入をいう。
用語「トランスフェクション」は、細胞による外因性DNAまたは異種DNAの取り込みをいうために使用され、そして細胞は、外因性DNAが細胞膜内に導入された場合に「トランスフェクト」されている。多数のトランスフェクション技術が、当該分野で周知であり、そして本明細書中に開示される。例えば、Grahamら、1973、Virology 52:456;Sambrookら、Molecular Cloning,A Laboratory Manual(Cold Spring Harbor Laboratories,1989);Davisら、Basic Methods in Molecular Biology(Elsevier,1986);およびChuら、1981、Gene 13:197を参照のこと。このような技術を使用して、1つ以上の外因性DNA部分を適切な宿主細胞に導入し得る。
本明細書中で使用される場合、用語「形質転換」とは、細胞の遺伝的特徴における変化をいい、そして細胞が新しいDNAを含有するように改変された場合、その細胞は形質転換されている。例えば、細胞がそのネイティブな状態から遺伝子改変された場合、その細胞は形質転換されている。トランスフェクションまたは形質導入に続いて、形質転換DNAは、細胞の染色体に物理的に組み込まれることにより細胞のDNAと組換わり得るか、複製されることなしにエピソームエレメントとして一過的に維持され得るか、またはプラスミドとして独立して複製し得る。DNAが細胞分裂と共に複製される場合に、細胞は、安定に形質転換されたとみなされる。
(核酸分子および/またはポリペプチドの関連性)
関連した核酸分子が、配列番号1、配列番号3、または配列番号5の核酸分子の対立遺伝子改変体またはスプライス改変体を含むこと、および上記のヌクレオチド配列のいずれかに相補的である配列を含むことが理解される。関連した核酸分子はまた、配列番号2、配列番号4または配列番号6のいずれかにおけるポリペプチドと比較して1以上のアミノ酸残基の置換、改変、付加および/または欠失を含むかまたは本質的にこれからなるポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む。このような関連したB7RP−2ポリペプチドは、例えば、1以上のN結合型および/もしくはO結合型グリコシル化部位の付加および/もしくは欠失、または1以上のシステイン残基の付加および/もしくは欠失を含み得る。
関連した核酸分子はまた、配列番号2、配列番号4、または配列番号6のいずれかのB7RP−2ポリペプチドのうちの少なくとも約25個連続したアミノ酸、または約50アミノ酸、または約75アミノ酸、または約100アミノ酸、または約150アミノ酸、または約150よりも多くのアミノ酸残基のポリペプチドをコードする、B7RP−2核酸分子のフラグメントを包含する。
さらに、関連したB7RP−2核酸分子としてはまた、本明細書中で定義したような中程度または高度にストリンジェントな条件下で、配列番号1、配列番号3、もしくは配列番号5のいずれかのB7RP−2核酸分子の十分に相補的な配列、またはポリペプチド(このポリペプチドは、配列番号2、配列番号4または配列番号6のいずれかに示されるアミノ酸配列を含む)をコードする分子の十分に相補的な配列、または本明細書中に定義したような核酸フラグメントの十分に相補的な配列、または本明細書中に定義したようなポリペプチドをコードする核酸フラグメントの十分に相補的な配列とハイブリダイズするヌクレオチド配列を含む分子が挙げられる。ハイブリダイゼーションプローブは、cDNA、ゲノムDNAライブラリーまたは合成DNAライブラリーを、関連した配列についてスクリーニングするために、本明細書中に提供されるB7RP−2配列を用いて調製され得る。B7RP−2ポリペプチドのDNA配列および/またはアミノ酸配列のうちの、既知配列に対して顕著な同一性を示す領域は、本明細書中に記載されるような配列アラインメントアルゴリズムを用いて容易に決定され、そしてこれらの領域を用いて、スクリーニングのためのプローブを設計し得る。
用語「高度にストリンジェントな条件」とは、配列が高度に相補的であるDNA鎖のハイブリダイゼーションを許容し、かつ著しく不一致なDNAのハイブリダイゼーションを排除するように設計された条件をいう。ハイブリダイゼーションのストリンジェンシーは、温度、イオン強度および変性剤(例えば、ホルムアミド)の濃度によって主に決定される。ハイブリダイゼーションおよび洗浄についての「高度にストリンジェントな条件」の例は、65〜68℃での0.015M塩化ナトリウム、0.0015Mクエン酸ナトリウムまたは42℃での0.015M塩化ナトリウム、0.0015Mクエン酸ナトリウムおよび50%ホルムアミドである。Sambrook,FritschおよびManiatis、Molecular Cloning:A Laboratory Manual(第2版、Cold Spring Harbor Laboratory、1989);Andersonら,Nucleic Acid Hybridisation:A practical Approach、第4章(IRL Press Limited)を参照のこと。
よりストリンジェントな条件(例えば、より高い温度、より低いイオン強度、より高いホルムアミドまたは他の変性剤)もまた用いられ得るが、ハイブリダイゼーションの速度は影響を受ける。他の薬剤は、非特異的ハイブリダイゼーションおよび/またはバックグラウンドのハイブリダイゼーションを減少させる目的のために、ハイブリダイゼーション緩衝液および洗浄緩衝液中に含まれ得る。例は、0.1%ウシ血清アルブミン、0.1%ポリビニルピロリドン、0.1%ピロリン酸ナトリウム、0.1%ドデシル硫酸ナトリウム、NaDodSO4(SDS)、フィコール、デンハルト溶液、超音波処理サケ精子DNA(または別の非相補的DNA)および硫酸デキストランであるが、他の適切な薬剤もまた用いられ得る。これらの添加剤の濃度および型は、ハイブリダイゼーション条件のストリンジェンシーに実質的に影響を与えることなく変更され得る。ハイブリダイゼーション実験は通常、pH6.8〜7.4で実施される;しかし、代表的なイオン強度の条件では、ハイブリダイゼーションの速度は、pHにほとんど依存しない。Andersonら,Nucleic Acid Hybridisation:A Practical Approach、第4章(IRL Press Limited)を参照のこと。
DNA二重鎖の安定性に影響を与える因子としては、塩基組成、長さおよび塩基対の不一致の程度が挙げられる。ハイブリダイゼーション条件は、これらの変動要因を適応させ、そして異なる配列関連性のDNAがハイブリッドを形成するのを可能にするために当業者によって調整され得る。完全に一致したDNA二重鎖の融解温度は、以下の方程式によって推定され得る:
Tm(℃)=81.5+16.6(log[Na+])+0.41(%G+C)−600/N−0.72(%ホルムアミド)
ここで、Nは、形成される二重鎖の長さであり、[Na+]は、ハイブリダイゼーション溶液または洗浄溶液中のナトリウムイオンのモル濃度であり、%G+Cは、ハイブリッド中の(グアニン+シトシン)塩基の百分率である。不完全に一致したハイブリッドについては、融解温度は、不一致1%毎に約1℃下げられる。
用語「中程度にストリンジェントな条件」とは、「高度にストリンジェントな条件」下で形成され得るよりも程度が高い塩基対不一致を有するDNA二重鎖が形成され得る条件をいう。代表的な「中程度にストリンジェントな条件」の例は、50〜65℃での0.015M塩化ナトリウム、0.0015Mクエン酸ナトリウムまたは37〜50℃での0.015M塩化ナトリウム、0.0015Mクエン酸ナトリウムおよび20%ホルムアミドである。例として、0.015Mナトリウムイオン中で50℃の、「中程度にストリンジェントな」条件は、約21%の不一致を可能にする。
「高度にストリンジェントな条件」と「中程度にストリンジェントな条件」との間に絶対的な区別が存在しないことが当業者によって理解される。例えば、0.015Mナトリウムイオン(ホルムアミドなし)では、完全に一致した長いDNAの融解温度は、約71℃である。65℃で(同じイオン強度で)の洗浄を用いると、このことは、約6%の不一致を可能にする。より遠く関連した配列を捕捉するために、当業者は、単純に、温度を低くし得るかまたはイオン強度を高くし得る。
約20ntまでのオリゴヌクレオチドプローブについての1M NaCl*中での融解温度の良好な推定は、以下によって与えられる:
Tm=A−T塩基対あたり2℃ + G−C塩基対あたり4℃
*6×塩クエン酸ナトリウム(SSC)中のナトリウムイオン濃度は、1Mである。Suggsら,Developmental Biology Using Purified Genes、683(BrownおよびFox編、1981)を参照のこと。
オリゴヌクレオチドについての高いストリンジェンシーの洗浄条件は、通常、6×SSC、0.1% SDS中で、そのオリゴヌクレオチドのTmよりも0℃〜5℃低い温度においてである。
別の実施形態において、関連した核酸分子は、配列番号1、配列番号3、もしくは配列番号5に示されるようなヌクレオチド配列に対して少なくとも約70パーセント同一であるヌクレオチド配列を含むかもしくはこれからなるか、または配列番号2、配列番号4、もしくは配列番号6のいずれかに示されるようなポリペプチドに対して少なくとも約70パーセント同一であるポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含むかもしくは本質的にこれからなる。好ましい実施形態において、ヌクレオチド配列は、配列番号1、配列番号3、または配列番号5のいずれかに示されるようなヌクレオチド配列に対して約75パーセント、または約80パーセント、または約85パーセント、または約90パーセント、または約95、96、97、98、もしくは99パーセント同一であるか、あるいはヌクレオチド配列は、配列番号2、配列番号4、または配列番号6のいずれかに示されるようなポリペプチド配列に対して約75パーセント、または約80パーセント、または約85パーセント、または約90パーセント、または約95、96、97、98、もしくは99パーセント同一であるポリペプチドをコードする。関連した核酸分子は、配列番号2、配列番号4、または配列番号6のいずれかに示されるポリペプチドの少なくとも1つの活性を保有するポリペプチドをコードする。
核酸配列における差異は、配列番号2、配列番号4、または配列番号6のいずれかのアミノ酸配列と比較して、アミノ酸配列の保存的改変および/または非保存的改変を生じ得る。
配列番号2、配列番号4または配列番号6のいずれかのアミノ酸配列に対する保存的改変(およびコードするヌクレオチドに対する対応する改変)は、B7RP−2ポリペプチドの機能的特徴および化学的特徴と類似の機能的特徴および化学的特徴を有するポリペプチドを生成する。対照的に、B7RP−2ポリペプチドの機能的特徴および/または化学的特徴における実質的な改変は、以下を維持することに対するその影響が顕著に異なる、配列番号2、配列番号4、または配列番号6のいずれかのアミノ酸配列における置換を選択することによって達成され得る:(a)例えば、シートもしくはヘリックスコンホメーションのような、置換領域における分子骨格の構造、(b)標的部位での分子の電荷もしくは疎水性、または(c)側鎖のかさ。
例えば、「保存的アミノ酸置換」は、その位置でのアミノ酸残基の極性にも電荷にもほとんどまたは全く影響がないような、非ネイティブな残基によるネイティブなアミノ酸残基の置換を含み得る。さらに、ポリペプチド中の任意のネイティブな残基はまた、「アラニンスキャニング変異誘発」について以前に記載されたように、アラニンによって置換され得る。
保存的アミノ酸置換はまた、生物学的系における合成によるよりむしろ、化学的なペプチド合成によって代表的に組み込まれる、天然には存在しないアミノ酸残基を含む。これらとしては、ペプチド模倣物、およびアミノ酸部分の他の逆転形態または反転形態が挙げられる。
天然に存在する残基は、共通の側鎖特性に基づいて、複数のクラスに分割され得る:
1)疎水性:ノルロイシン、Met、Ala、Val、Leu、Ile;
2)中性親水性:Cys、Ser、Thr;
3)酸性:Asp、Glu;
4)塩基性:Asn、Gln、His、Lys、Arg;
5)鎖の配向に影響を与える残基:Gly、Pro;および
6)芳香族:Trp、Tyr、Phe。
例えば、非保存的置換は、これらのクラスのうちの1つのメンバーの、別のクラス由来のメンバーとの交換を含み得る。このような置換された残基は、非ヒトB7RP−2ポリペプチドと相同なヒトB7RP−2ポリペプチドの領域、またはこの分子の非相同領域に導入され得る。
このような変更を行う際に、アミノ酸のハイドロパシー指数(hydropathic index)が考慮され得る。各アミノ酸には、その疎水性および電荷特性に基づいて、ハイドロパシー指数が割り当てられている。ハイドロパシー指数は、以下である:イソロイシン(+4.5);バリン(+4.2);ロイシン(+3.8);フェニルアラニン(+2.8);システイン/シスチン(+2.5);メチオニン(+1.9);アラニン(+1.8);グリシン(−0.4);スレオニン(−0.7);セリン(−0.8);トリプトファン(−0.9);チロシン(−1.3);プロリン(−1.6);ヒスチジン(−3.2);グルタミン酸(−3.5);グルタミン(−3.5);アスパラギン酸(−3.5);アスパラギン(−3.5);リジン(−3.9);およびアルギニン(−4.5)。
タンパク質に対して相互作用的な生物学的機能を付与する際の、ハイドロパシーアミノ酸指数の重要性は、当該分野において理解されている(Kyteら、1982、J.Mol.Biol.、157:105−131)。特定のアミノ酸が、類似のハイドロパシー指数またはスコアを有する他のアミノ酸の代わりに使用され得、そして依然として類似の生物学的活性を維持し得ることが、公知である。ハイドロパシー指数に基づいて変更を行う際に、ハイドロパシー指数が±2以内であるアミノ酸の置換が好ましく、±1以内であるアミノ酸の置換が特に好ましく、そして±0.5以内であるアミノ酸の置換が、なおより特に好ましい。
類似のアミノ酸の置換が、親水性に基づいて効果的になされ得る(特に、これによって作製された生物学的に機能的に等価なタンパク質またはペプチドは、本発明の場合と同様に、免疫学的実施形態における使用が意図される)こともまた、当該分野において理解されている。その隣接するアミノ酸の親水性によって支配されるような、タンパク質の最大の局所平均親水性は、その免疫原性および抗原性、すなわち、そのタンパク質の生物学的特性に相関する。
以下の親水性値が、以下のアミノ酸残基に割り当てられている:アルギニン(+3.0);リジン(+3.0);アスパラギン酸(+3.0±1);グルタミン酸(+3.0±1);セリン(+0.3);アスパラギン(+0.2);グルタミン(+0.2);グリシン(0);スレオニン(−0.4);プロリン(−0.5±1);アラニン(−0.5);ヒスチジン(−0.5);システイン(−1.0);メチオニン(−1.3);バリン(−1.5);ロイシン(−1.8);イソロイシン(−1.8);チロシン(−2.3);フェニルアラニン(−2.5);およびトリプトファン(−3.4)。類似の親水性値に基づいて変更を行う際に、親水性値が±2以内であるアミノ酸の置換が好ましく、±l以内であるアミノ酸の置換が特に好ましく、そして±0.5以内であるアミノ酸の置換が、なおより特に好ましい。エピトープをまた、一次アミノ酸配列から、親水性に基づいて同定し得る。これらの領域はまた、「エピトープコア領域」と呼ばれる。
所望のアミノ酸置換(保存的であれ非保存的であれ)は、当業者によって、このような置換が所望される時点で決定され得る。例えば、アミノ酸置換を使用して、B7RP−2ポリペプチドの重要な残基を同定し得るか、または本明細書中に記載されるB7RP−2ポリペプチドの親和性を増大もしくは減少させ得る。例示的なアミノ酸置換を、表Iに示す。
当業者は、周知の技術を使用して、配列番号2、配列番号4または配列番号6のいずれかに示されるようなポリペプチドの適切な改変体を決定し得る。生物学的活性を破壊することなく変化され得る分子の適切な領域を同定するために、当業者は、活性について重要であると考えられてない領域を標的化し得る。例えば、同一の種または他の種由来の類似の活性を有する類似のポリペプチドが公知である場合、当業者は、B7RP−2ポリペプチドのアミノ酸配列をこのような類似のポリペプチドと比較し得る。このような比較において、類似のポリペプチドの中で保存されている分子の残基および部分が、同定され得る。このような類似のポリペプチドと比較して保存されていないB7RP−2分子の領域での変化が、B7RP−2ポリペプチドの生物学的活性および/または構造を不利に影響しないようであることは、明らかである。当業者はまた、比較的保存されている領域でさえ、天然に存在する残基が、化学的に類似するアミノ酸に置換され得、その一方で活性が保持される(保存的アミノ酸残基置換)を認識する。よって、生物学的活性または構造に重要であり得る領域でさえ、生物学的活性を破壊することがない、またはポリペプチド構造を不利に影響することがない、保存的アミノ酸置換の対象であり得る。
さらに、当業者は、活性または構造に重要である類似のポリペプチド中の残基を同定する構造−機能研究を、検討し得る。このような比較の点で、当業者は、類似のポリペプチド中の活性または構造に重要であるアミノ酸残基に対応する、B7RP−2ポリペプチド中のアミノ酸残基の重要性を予測し得る。当業者は、このように予測されたB7RP−2ポリペプチドの重要なアミノ酸残基に化学的に類似のアミノ酸の置換を選択し得る。
当業者はまた、類似のポリペプチドにおける3次元構造と比較して3次元構造およびアミノ酸配列を分析し得る。このような情報の点で、当業者は、その3次元構造に関してB7RP−2ポリペプチドのアミノ酸残基の整列を予測し得る。当業者は、そのタンパク質の表面上にあることが予想されるアミノ酸残基に根本的な変化が起こらないように選択し得る。なぜなら、このような残基は、他の分子との重要な相互作用に関連し得るからである。さらに、当業者は、各アミノ酸残基で単一のアミノ酸置換を含む試験改変体を生成し得る。改変体は、当業者に公知の活性アッセイを使用してスクリーニングされ得る。このような改変体は、適切な改変体についての情報を得るために使用され得る。例えば、特定のアミノ酸残基への変化が、破壊された活性、所望されない減少した活性、または不適切な活性を生じたことが見出された場合、このような変化を有する改変体は、避けられる。換言すれば、このような慣用的実験から得られた情報に基いて、当業者は、アミノ酸を容易に決定し得、ここで、さらなる置換が単独でかまたは他の変異と組合わせてのいずれかで避けられるべきである。
多くの科学的刊行物が、2次構造の予測を記している。Moult,1996,Curr.Opin.Biotechnol.7:422−27;Chouら、1974、Biochemistry 13:222−45;Chouら、1974、Biochemistry 113:211−22;Chouら、1978.Adv.Enzymol.Relat.Areas Mol.Biol.47:45−48;Chouら、1978、Ann.Rev.Biochem.47:251−276;およびChouら、1979、Biophys.J.26:367−84を参照のこと。さらに、コンピュータープログラムが、2次構造の予測を補助するために現在利用可能である。2次構造を予測する1つの方法は、相同性モデリングに基く。例えば、30%より大きな配列同一性、または40%より大きな配列類似性を有する2つのポリペプチドまたはタンパク質は、しばしば、類似の構造的トポロジーを有する。タンパク質構造データベース(PDB)の最近の成長は、増強された2次構造の予測(ポリペプチドまたはタンパク質の構造内の可能性のある数のフォールディングを含む)を提供する。Holmら、1999、Nucleic Acids Res.27:244−47を参照のこと。所定のポリペプチドまたはタンパク質内に制限された数のフォールディングが存在すること、および、一旦臨界的な数の構造が解かれると、構造的予測は劇的により正確になることが、示唆されている(Brennerら、1997、Curr.Opin.Struct.Biol.7:369−76)。
二次構造を予測するさらなる方法としては、「スレッディング」(Jones,1997,Curr.Opin.Struct.Biol.7:377−87;Sipplら、1996、Structure 4:15−19)、「プロファイル分析」(Bowieら、1991、Science,253:164−70;Gribskovら、1990、Methods Enzymol.183:146−59;Gribskovら、1987、Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.84:4355−58)および「エボリューショナリー連鎖(linkage)」(Holmら、上述、およびBrennerら、上述を参照のこと)が挙げられる。
好ましいB7RP−2ポリペプチド改変体としては、グリコシル化改変体が挙げられ、ここで、グリコシル化部位の数および/または型は、配列番号2、配列番号4または配列番号6のいずれかに示されるアミノ酸配列と比較して変更されている。1つの実施形態において、B7RP−2ポリペプチド改変体は、配列番号2、配列番号4または配列番号6のいずれかに示されるアミノ酸配列よりも多いかまたは少ないN−連結グリコシル化部位の数を有する。N−連結グリコシル化部位は、以下の配列によって特徴付けられる:Asn−X−SerまたはAsn−X−Thr(ここで、Xで示されるアミノ酸残基は、プロリン以外の任意のアミノ酸残基であり得る)。この配列を作製するためのアミノ酸残基の置換は、N−連結炭化水素鎖の付加のために潜在的な新たな部位を提供する。あるいは、この配列を除去する置換は、現存のN−連結炭化水素鎖を取り除く。また、N−連結炭化水素鎖の再構成が提供され、ここで、1つ以上のN−連結グリコシル化部位(典型的には天然に存在する部位)が除去され、そして1つ以上の新たなN−連結部位が作製される。さらなる好ましいB7RP−2改変体としては、システイン改変体が挙げられ、ここで、1つ以上のシステイン残基が、配列番号2、配列番号4または配列番号6のいずれかに示されるアミノ酸配列と比較して、欠失されるかまたは他のアミノ酸(例えば、セリン)で置換される。システイン改変体は、B7RP−2ポリペプチドが生物学的に活性なコンフォーメーションに再フォールディングされなければならない場合(例えば、不溶性封入体の単離後)に有用である。システイン改変体は、一般に天然のタンパク質より少ないシステイン残基を有し、典型的には、不対システインから生じる相互作用を最小化する偶数個有する。
他の実施形態において、関連の核酸分子は、少なくとも1つのアミノ酸挿入を有する配列番号2、配列番号4または配列番号6のいずれかに示されるポリペプチド(ここで、このポリペプチドは、配列番号2、配列番号4または配列番号6のいずれかに示されるポリペプチドの活性を有する)をコードするヌクレオチド配列、あるいは少なくとも1つのアミノ酸欠失を有する配列番号2、配列番号4または配列番号6のいずれかに示されるポリペプチド(ここで、このポリペプチドは、配列番号2、配列番号4または配列番号6のいずれかに示されるポリペプチドの活性を有する)をコードするヌクレオチド配列を含むかまたはこれらからなる。関連の核酸分子はまた、配列番号2、配列番号4または配列番号6のいずれかに示されるポリペプチド(ここで、このポリペプチドは、カルボキシ末端短縮および/またはアミノ末端短縮を有し、さらにこのポリペプチドは、配列番号2、配列番号4または配列番号6のいずれかに示されるポリペプチドの活性を有する)をコードするヌクレオチド配列を含むかまたはこれらからなる。関連の核酸分子はまた、配列番号2、配列番号4または配列番号6のいずれかに示されるポリペプチド(ここで、このポリペプチドは、アミノ酸置換、アミノ酸挿入、アミノ酸欠失、カルボキシ末端短縮およびアミノ末端短縮からなる群より選択される改変の少なくとも1つを有し、このポリペプチドは、配列番号2、配列番号4または配列番号6のいずれかに示されるポリペプチドの活性を有する)をコードするヌクレオチド配列を含むかまたはこれらからなる。
さらに、配列番号2、配列番号4または配列番号6のいずれかのアミノ酸配列を含むポリペプチド、あるいは他のB7RP−2ポリペプチドは、相同なポリペプチドに融合されてホモダイマーを形成され得るか、または異種のポリペプチドに融合されてヘテロダイマーを形成され得る。異種のペプチドおよびポリペプチドとしては、以下が挙げられるがこれらに限定されない:B7RP−2融合ポリペプチドの検出および/または単離を可能にするエピトープ;膜貫通レセプタータンパク質またはその一部(例えば、細胞外ドメインまたは膜貫通ドメインおよび細胞内ドメイン);膜貫通レセプタータンパク質に結合するリガンドまたはその一部;触媒的に活性な酵素またはその一部;オリゴマー化を促進するポリペプチドまたはペプチド(例えば、ロイシンジッパードメイン);安定性を増加させるポリペプチドまたはペプチド(例えば、免疫グロブリン定常領域);ならびに配列番号2、配列番号4もしくは配列番号6のいずれかのアミノ酸配列を含むポリペプチドまたは他のB7RP−2ポリペプチドとは異なる治療活性を有するポリペプチド。
融合は、配列番号2、配列番号4もしくは配列番号6のいずれかのアミノ酸配列を含むポリペプチドまたは他のB7RP−2ポリペプチドのアミノ末端またはカルボキシ末端のいずれかでなされ得る。融合は、リンカーもしくはアダプター分子を含まずに直接であっても、リンカーもしくはアダプター分子を介してであってもよい。リンカーまたはアダプター分子は、1つ以上のアミノ酸残基(代表的には、約20〜約50個のアミノ酸残基)であり得る。リンカーまたはアダプター分子はまた、DNA制限エンドヌクレアーゼ、または融合部分の分離を可能にするプロテアーゼの切断部位を有して設計され得る。融合ポリヌクレオチドは、一旦構築されると、本明細書中に記載される方法に従って誘導体化され得る、ということが明らかである。
本発明のさらなる実施形態において、配列番号2、配列番号4もしくは配列番号6のいずれかのアミノ酸配列を含むポリペプチドまたは他のB7RP−2ポリペプチドは、ヒトIgGのFc領域の1つ以上のドメインに融合される。抗体は、2つの機能的に独立した部分(抗原を結合する「Fab」として知られる可変ドメイン、ならびにエフェクター機能(例えば、補体活性化および食細胞による攻撃)に関与する「Fc」として知られる定常ドメイン)を含む。Fcが長い血清半減期を有する一方、Fabは寿命が短い。Caponら、1989、Nature 337:525−31。治療剤タンパク質と一緒に構築された場合、Fcドメインは、より長い半減期を提供し得るか、またはFcレセプター結合、プロテインA結合、補体結合、およびおそらくまさに胎盤移入のような機能を組み込み得る(前述)。表IIは、当該分野において公知の特定のFc融合物の使用を要約する。
1例において、ヒトIgGヒンジ領域、CH2領域およびCH3領域は、当業者に公知の方法を使用して、B7RP−2ポリペプチドのアミノ末端またはカルボキシ末端のいずれかで融合され得る。別の例において、ヒトIgGヒンジ領域、CH2領域およびCH3領域は、B7RP−2ポリペプチドフラグメント(例えば、B7RP−2ポリペプチドの推定の細胞外部分)のアミノ末端またはカルボキシ末端のいずれかで融合され得る。
生じたB7RP−2融合ポリペプチドは、プロテインAアフィニティカラムの使用によって精製され得る。Fc領域に融合されたペプチドおよびタンパク質は、融合されていない対象物よりも実質的に長いインビボでの半減期を示すことが見出された。また、Fc領域への融合は、融合ポリペプチドの二量体化/多量体化を可能にする。Fc領域は、天然に存在するFc領域であり得るか、または、特定の品質(例えば、治療的な品質)、循環時間、または減少した凝縮を改善するために変更され得る。
関連の核酸分子およびポリペプチドの同一性および類似性は、公知の方法によって容易に算出される。このような方法としては、以下に記載される方法が挙げられるがこれらに限定されない:Computational Molecular Biology(A.M.Lesk編,Oxford University Press 1988);Biocomputing:Informatics and Genome Projects(D.W.Smith編,Academic Press 1993);Computer Analysis of Sequence Data(Part 1,A.M.GriffinおよびH.G.Griffin編,Humana Press 1994);G. von Heijne, Sequence Analysis in Molecular Biology (Academic Press 1987);Sequence Analysis Primer(M.GribskovおよびJ.Devereux編,M.Stockton Press 1991);ならびにCarilloら,1988,SIAM J.Applied Math.,48:1073。
同一性および/または類似性を決定する好ましい方法は、試験された配列間で最大一致を与えるように設計される。同一性および類似性を決定する方法は、公的に利用可能なコンピュータープログラムに記載される。2つの配列間での同一性および類似性を決定する好ましいコンピュータープログラム法としては、以下が挙げられるがこれらに限定されない:GAPを含むGCGプログラムパッケージ(Devereuxら,1984,Nucleic Acids Res.12:387;Genetics Computer Group,University of Wisconsin,Madison,WI)、BLASTP、BLASTNおよびFASTA(Altschulら,1990,J.Mol.Biol.215:403−10)。BLASTXプログラムは、National Center for Biotechnology Information(NCBI)および他の供給源(Altschulら,BLAST Manual(NCB NLM NIH,Bethesda,MD);Altschulら,1990,上述)から公的に利用可能である。周知のSmith Watermanアルゴリズムもまた、同一性を決定するために使用され得る。
2つのアミノ酸配列を整列させるための特定のアラインメントスキームは、この2つの配列の短い領域のみの一致を生じ得、そしてこの整列した小さな領域は、たとえ2つの全長配列間で有意な関係が存在しなくても非常に高い配列同一性を有し得る。よって、好ましい実施形態において、選択された整列法(GAPプログラム)は、本発明のポリペプチドの少なくとも50個連続するアミノ酸にわたる整列を生じる。
例えば、コンピュータープログラムGAP(Genetics Computer Group,University of Wisconsin,Madison,WI)を使用して、配列同一性パーセントが決定されるべき2つのポリペプチドは、これらのそれぞれのアミノ酸の最適な一致(アルゴリズムによって決定されるような「一致したスパン」)のために整列される。ギャップ開放ペナルティー(3×平均対角線(diagonal)として算出される;「平均対角線」は、比較マトリクスが使用される対角線の平均である;「対角線」は、特定の比較マトリクスによる各完全アミノ酸一致に割り当てられるスコアまたは数である)およびギャップ伸長ペナルティー(これは、通常、0.1×ギャップ開放ペナルティーである)、ならびに比較マトリクス(例えば、PAM250またはBLOSUM62)が、アルゴリズムと組合わせて使用される。標準的比較マトリクスがまた、アルゴリズムによって使用される(Dayhoffら,5 Atlas of Protein Sequence and Structure(Supp.3 1978)(PAM250比較マトリクス);Henikoffら,1992,Proc.Natl.Acad.Sci USA 89:10915−19(BLOSUM 62比較マトリクス)を参照のこと)。
ポリペプチド配列比較についての好ましいパラメータとしては、以下が挙げられる:
アルゴリズム:NeedlemanおよびWunsch,1970,J.Mol.Biol.48:443−53;
比較マトリクス:BLOSUM 62(Henikoffら,上述)
ギャップペナルティー:12
ギャップ長ペナルティー:4
類似性の閾値:0
GAPプログラムは、上記のパラメータで有用である。上述のパラメータは、(エンドギャップに対するペナルティーなしとともに)GAPアルゴリズムを使用するポリペプチド比較のためのデフォルトパラメータである。
核酸分子配列比較のために好ましいパラメータとしては、以下が挙げられる:
アルゴリズム:NeedlemanおよびWunsch,上述
比較マトリクス:一致=±10、不一致=0
ギャップペナルティー:50
ギャップ長ペナルティー:3
GAPプログラムはまた、上記のパラメータで有用である。上述のパラメータは、核酸分子比較のためのデフォルトパラメータである。
他の例示的アルゴリズム(ギャップ開放ペナルティー、ギャップ伸長ペナルティー、比較マトリクス、および類似性の閾値)(Program Manual,Wisconsin Package,バージョン9,1997年9月に示されるアルゴリズムを含む)が、使用され得る。なされるべき特定の選択は当業者に明らかであり、そしてなされるべき特定の比較(例えば、DNA−DNA、タンパク質−タンパク質、タンパク質−DNA)に依存し、さらに、この比較が、配列の所定の対の間(この場合、GAPまたはBestFitが一般に好ましい)またはある配列と大きな配列データベースとの間(この場合、FASTAまたはBLASTAが好ましい)のいずれかに依存する。
(核酸分子)
B7RP−2ポリペプチドのアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードする核酸分子は、化学合成、cDNAライブラリースクリーニングもしくはゲノムライブラリースクリーニング、発現ライブラリースクリーニング、および/またはcDNAのPCR増幅が挙げられるがこれらに限定されない種々の様式で容易に取得され得る。
本明細書中で使用される組換えDNA法は、一般に以下に示される方法である:Sambrookら,Molecular Cloning:A Laboratory Manual(Cold Spring Harbor Laboratory Press,1989)および/またはCurrent Protocols in Molecular Biology(Ausubelら編,Green Publishers Inc. and Wiley and Sons 1994)。本発明は、本明細書中に記載されるような核酸分子およびこのような分子を得るための方法を提供する。
B7RP−2ポリペプチドのアミノ酸配列をコードする遺伝子がある種から同定された場合、この遺伝子の全てまたは一部をプローブとして使用して、同一種由来のオルソログまたは関連遺伝子を同定し得る。このプローブまたはプライマーを使用して、B7RP−2ポリペプチドを発現すると考えられている種々の組織供給源からcDNAライブラリーをスクリーニングし得る。さらに、配列番号1、配列番号3または配列番号5のいずれかに示される配列を有する核酸分子の一部または全てを使用して、ゲノムライブラリーをスクリーニングしてB7RP−2ポリペプチドのアミノ酸配列をコードする遺伝子を同定および単離し得る。典型的には、中程度のストリンジェンシー条件または高ストリンジェンシー条件が、スクリーニングから得られる偽陽性の数を最小化するためのスクリーニングのために使用される。
B7RP−2ポリペプチドのアミノ酸配列をコードする核酸分子はまた、発現したタンパク質の特性に基づくポジティブクローンの検出を使用する発現クローニングによって同定され得る。典型的には、核酸ライブラリーは、抗体または他の結合パートナー(例えば、レセプターまたはリガンド)を結合することによってスクリーニングされて、宿主細胞に発現されてその表面上に提示されるタンパク質をクローニングする。抗体および結合パートナーは、所望のクローンを発現する細胞を同定するために、検出可能な標識で改変される。
以下に示される記載に従って行われる組換え発現技術を、これらのポリヌクレオチドを産生するために、そしてコードされるポリペプチドを発現するために続け得る。例えば、、B7RP−2ポリペプチドのアミノ酸配列をコードする核酸配列を適切なベクターに挿入することによって、当業者は、多量の所望のヌクレオチド配列を容易に産生し得る。次いで、この配列を使用して、検出プローブまたは増幅プライマーを作製し得る。あるいは、B7RP−2ポリペプチドのアミノ酸配列をコードするポリヌクレオチドは、発現ベクターに挿入され得る。適切な宿主に発現ベクターを導入することによって、コードされたB7RP−2ポリペプチドは、多量に産生され得る。
適切な核酸配列を得るための別の方法は、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)である。この方法において、cDNAは、酵素(逆転写酵素)を使用してポリ(A)+RNAまたは総RNAより調製され得る。次いで、2つのプライマー(典型的には、B7RP−2ポリペプチドのアミノ酸配列をコードするcDNAの2つの別々の領域に相補的な)が、TaqポリメラーゼのようなポリメラーゼとともにcDNAに添加され、そしてこのポリメラーゼは、2つのプライマー間のcDNA領域を増幅する。
B7RP−2ポリペプチドのアミノ酸配列をコードする核酸分子を調製する別の手段は、Engelsら,1989,Angew.Chem.Intl.Ed.28:716−34に記載される手段のような、当業者に周知の方法を使用する化学合成である。これらの方法としては、とりわけ、核酸合成のためのホスホトリエステル法、ホスホルアミダイド法およびH−ホスホネート法が挙げられる。このような化学合成に好ましい方法は、標準的なホスホルアミダイド化学を使用するポリマー支持された合成である。典型的には、B7RP−2ポリペプチドのアミノ酸配列をコードするDNAは、数百ヌクレオチド長である。約100ヌクレオチドより長い核酸は、これらの方法を使用していくつかのフラグメントとして合成され得る。次いで、このフラグメントを一緒に連結して、B7RP−2遺伝子の全長ヌクレオチド配列を形成し得る。通常、ポリペプチドのアミノ末端をコードするDNAフラグメントはATGを有し、これは、メチオニン残基をコードする。このメチオニンは、宿主細胞中で産生されたB7RP−2ポリペプチドがこの細胞から分泌されるように設計されているか否かに依存して、このポリペプチドの成熟形態上に存在してもしなくてもよい。当業者に既知の他の方法もまた使用され得る。
特定の実施形態において、核酸改変体は、所定の宿主細胞において最適なB7RP−2ポリペプチド発現のために改変されているコドンを含む。特定のコドン変更は、B7RP−2ポリペプチドおよび発現のために選択された宿主細胞に依存する。このような「コドン最適化」は、種々の方法によって(例えば、所定の宿主細胞中で高度に発現される遺伝子における使用のために好ましいコドンを選択することによって)行われ得る。高度に発現される細菌性遺伝子のコドン嗜好(preference)のための「Eco_high.Cod」のようなコドン頻度表を組み込むコンピューターアルゴリズムが使用され得、そしてUniversity of Wisconsin Package Version 9.0(Genetics Computer Group,Madison,WI)によって提供される。他の有用なコドン頻度表としては、以下が挙げられる:「Celegans−high.cod」、「Celegans−low.cod」、「Drosophila−high.cod」、「Human−high.cod」、「Maize−high.cod」および「Yeast−high.cod」。
いくつかの場合において、B7RP−2ポリペプチド改変体をコードする核酸分子を調製することが好ましくあり得る。改変体をコードする核酸分子は、部位特異的変異誘発、PCR増幅、または他の適切な方法を使用して産生され得、ここで、プライマーは、所望の点変異を有する(変異誘発技術の記載については、Sambrookら、上述、およびAusubelら、上述、を参照のこと)。Engelら(上述)によって記載される方法を使用する化学合成もまた、このような改変体を調製するために使用され得る。当業者に既知の他の方法もまた、使用され得る。
(ベクターおよび宿主細胞)
B7RP−2ポリペプチドのアミノ酸配列をコードする核酸分子は、標準的連結技術を使用して適切な発現ベクターに挿入される。ベクターは、典型的には、使用される特定の宿主細胞中で機能的であるように選択される(すなわち、ベクターは、宿主細胞機構に適合可能であり、その結果、遺伝子増幅および/または遺伝子発現が生じ得る)。B7RP−2ポリペプチドのアミノ酸配列をコードする核酸分子は、原核生物宿主細胞、酵母宿主細胞、昆虫宿主細胞(バキュロウイルス系)および/または真核生物宿主細胞において増幅/発現され得る。宿主細胞の選択は、B7RP−2ポリペプチドが翻訳後修飾で改変されるべきか否かに一部依存する(例えば、グリコシル化および/またはリン酸化)。そうならば、酵母宿主細胞、昆虫宿主細胞または哺乳動物宿主細胞が好ましい。発現ベクターの総説については、Meth.Enz.,vol.185(D.V.Goeddel編,Academic Press 1990)を参照のこと。
典型的には、宿主細胞のいずれかにおいて使用される発現ベクターは、プラスミド維持のための配列、ならびに外因性ヌクレオチド配列のクローニングおよび発現のための配列を含む。特定の実施形態において、このような配列(「隣接配列」と総称される)は、典型的には1つ以上の以下のヌクレオチド配列を含む:プロモーター、1つ以上のエンハンサー配列、複製起点、転写終止配列、ドナースプライシング部位およびアクセプタースプライシング部位を含む完全イントロン配列、ポリペプチド分泌のためのリーダー配列をコードする配列、リボソーム結合部位、ポリアデニル化配列、発現されるべきポリペプチドをコードする核酸の挿入のためのポリリンカー領域、ならびに選択マーカーエレメント。これらの配列の各々は、以下に論じられる。
必要に応じて、ベクターは、「タグ」コード配列(すなわち、B7RP−2ポリペプチドコード配列の5’末端または3’末端に位置するオリゴヌクレオチド分子)を含み得;そのオリゴヌクレオチド配列は、polyHis(例えば、hexaHis)、または別の「タグ」(例えば、FLAG、HA(赤血球凝集素インフルエンザウイルス)またはmyc(これらに対しては、市販の抗体が存在する))をコードする。このタグは、代表的には、ポリペプチドの発現の際にそのポリペプチドに融合され、宿主細胞からの、B7RP−2ポリペプチドのアフィニティー精製のための手段として役立ち得る。アフィニティー精製は、例えば、アフィニティーマトリクスとしてタグに対する抗体を使用する、カラムクロマトグラフィーによって達成され得る。必要に応じて、そのタグは、続いて、切断のために特定のペプチダーゼを使用するような種々の手段によって、精製されたB7RP−2ポリペプチドから除去される。
隣接配列は、同種(すなわち、宿主細胞と同じ種由来および/または同じ系統由来)であり得るか、異種(すなわち、宿主細胞種以外または宿主細胞系統以外の種由来)であり得るか、ハイブリッド(すなわち、1つより多くの供給源由来の隣接配列の組み合わせ)であり得るか、または合成であり得るか、あるいは隣接配列は、B7RP−2ポリペプチド発現を調節するために正常に機能するネイティブな配列であり得る。このように、隣接配列の供給源は、任意の原核生物または真核生物、任意の脊椎生物または無脊椎生物、あるいは任意の植物であり得、但し、その隣接配列は、宿主細胞の機構において機能的であり、そして宿主細胞の機構によって活性化され得る。
本発明のベクター中において有用な隣接配列は、当該分野において周知であるいくつかの方法のいずれかによって得られ得る。代表的には、B7RP−2遺伝子隣接配列以外の、本明細書中で有用な隣接配列は、マッピングおよび/または制限エンドヌクレアーゼ消化によって以前に同定されており、従って、適切な制限エンドヌクレアーゼを使用して、適切な組織供給源から単離され得る。いくつかの場合において、隣接配列の全長ヌクレオチド配列は、公知であり得る。ここで、その隣接配列は、核酸合成またはクローニングのための本明細書中で記載される方法を使用して合成され得る。
その隣接配列の全てもしくは一部のみが既知である場合、PCRを使用して、そして/または適切なオリゴヌクレオチドおよび/もしくは同じ種もしくは別の種由来の隣接配列フラグメントを用いてゲノムライブラリーをスクリーニングすることによって、その隣接配列は得られ得る。その隣接配列が既知でない場合、隣接配列を含むDNAフラグメントが、例えば、コード配列または別の遺伝子を含み得る、より大きなDNA片から単離され得る。単離は、適切なDNAフラグメントを生成するための制限エンドヌクレアーゼ消化、その後のアガロースゲル精製を使用する単離、Qiagen(登録商標)カラムクロマトグラフィー(Chatsworth、CA)、または当業者に公知の他の方法によって、達成され得る。この目的を達成するための適切な酵素の選択は、当業者に容易に明らかである。
複製起点は、代表的には、市販の原核生物発現ベクターの一部であり、その起点は、宿主細胞においてそのベクターの増幅に役立つ。特定のコピー数へのベクターの増幅は、いくつかの場合において、B7RP−2ポリペプチドの最適な発現に重要であり得る。選択されたベクターが複製起点部位を含まない場合、既知の配列に基づいて複製起点が化学合成され得、そしてそのベクター中に連結され得る。例えば、プラスミドpBR322(New England Biolabs,Beverly,MA)由来の複製起点は、大部分のグラム陰性細菌にとって適切であり、そして種々の起点(例えば、SV40の起点、ポリオーマの起点、アデノウイルスの起点、水疱性口内炎ウイルス(VSV)の起点、またはパピローマウイルス(例えば、HPVもしくはBPV)の起点)は、哺乳動物細胞におけるクローニングベクターのために有用である。一般的に、複製起点の成分は、哺乳動物発現ベクター中には必要とされない(例えば、SV40起点は、初期プロモーターを含むという理由だけで、しばしば、使用される)。
転写終結配列は、代表的には、ポリペプチドコード領域の末端の3’側に位置し、そしてその転写終結配列は、転写を終結させる働きをする。通常、原核生物細胞における転写終結配列は、G−Cリッチフラグメント、続いてポリT配列である。この配列は、ライブラリーから容易にクローン化されるか、またはベクターの一部として市販さえされているが、この配列はまた、本明細書中に記載される方法のような核酸合成方法を使用して、容易に合成され得る。
選択マーカー遺伝子エレメントは、選択培養培地において増殖される宿主細胞の生存および増殖に必要なタンパク質をコードする。代表的な選択マーカー遺伝子は、(a)原核生物宿主細胞に対して、抗生物質または他の毒素(例えば、アンピシリン、テトラサイクリン、またはカナマイシン)に対する耐性を与えるタンパク質をコードするか、(b)細胞の栄養要求性欠損を補うタンパク質をコードするか、あるいは(c)複合培地から入手可能ではない重要な栄養素を供給するタンパク質をコードする。好ましい選択マーカーは、カナマイシン耐性遺伝子、アンピシリン耐性遺伝子、およびテトラサイクリン耐性遺伝子である。ネオマイシン耐性遺伝子もまた、原核生物宿主細胞および真核生物宿主細胞における選択のために使用され得る。
他の選択遺伝子は、発現される遺伝子を増幅するために使用され得る。増幅は、増殖に重要なタンパク質の産生のために大きく要求される遺伝子が、組換え細胞の連続する世代の染色体においてタンデムに反復されるプロセスである。哺乳動物細胞にとって適切な選択マーカーの例としては、ジヒドロ葉酸レダクターゼ(DHFR)およびチミジンキナーゼが挙げられる。哺乳動物細胞形質転換体は、選択圧下に置かれ、その選択圧下で、その形質転換体のみが、そのベクター中に存在する選択遺伝子によって生存するように独自に適合される。選択圧は、培地中の選択因子の濃度が連続的に変化し、それによって選択遺伝子とB7RP−2ポリペプチドをコードするDNAとの両方の増幅を導く条件下で、形質転換された細胞を培養することによって課される。結果として、増加した量のB7RP−2ポリペプチドが、増幅されたDNAから合成される。
リボソーム結合部位は、通常、mRNAの翻訳開始に必要であり、そしてShine−Dalgarno配列(原核生物)またはKozak配列(真核生物)によって特徴付けられる。このエレメントは、代表的には、発現されるべきB7RP−2ポリペプチドのプロモーターの3’側でありかつコード配列の5’側に位置する。そのShine−Dalgarno配列は、可変であるが、代表的には、ポリプリン(すなわち、高いA−G含量)である。多くのShine−Dalgarno配列は、同定されており、それぞれが、本明細書中に記載の方法を使用して容易に合成され得、そして原核生物ベクター中で使用され得る。
リーダー配列またはシグナル配列は、宿主細胞から外へとB7RP−2ポリペプチドを指向させるために使用され得る。代表的には、シグナル配列をコードするヌクレオチド配列は、B7RP−2核酸分子のコード領域に位置するか、または直接B7RP−2ポリペプチドコード領域の5’末端に位置する。多くのシグナル配列が同定されており、選択された宿主細胞において機能性であるシグナル配列のいずれもが、B7RP−2核酸分子と組み合わせて使用され得る。従って、シグナル配列は、B7RP−2核酸分子に対して同種であっても(天然に存在しても)または異種であってもよい。さらに、シグナル配列は、本明細書中に記載される方法を使用して化学合成され得る。多くの場合、シグナルペプチドの存在を介する宿主細胞からのB7RP−2ポリペプチドの分泌は、分泌されたB7RP−2ポリペプチドからのシグナルペプチドの除去を生じる。そのシグナル配列は、ベクターの成分であり得るか、またはそのシグナル配列は、ベクター中に挿入されたB7RP−2核酸分子の一部であり得る。
B7RP−2ポリペプチドコード領域に結合されたネイティブB7RP−2ポリペプチドシグナル配列をコードするヌクレオチド配列、またはB7RP−2ポリペプチドコード領域に結合された異種シグナル配列をコードするヌクレオチド配列のいずれかの使用が、本発明の範囲内に含まれる。選択された異種シグナル配列は、宿主細胞によって認識され、プロセシングされる(すなわち、シグナルペプチダーゼによって切断される)ものであるべきである。ネイティブなB7RP−2ポリペプチドシグナル配列を認識せずプロセシングしない原核生物宿主細胞のために、そのシグナル配列は、例えば、アルカリホスファターゼ、ペニシリナーゼ、または熱安定性エンテロトキシンIIリーダーの群から選択される原核生物シグナル配列によって置換される。酵母分泌のために、そのネイティブなB7RP−2ポリペプチドシグナル配列は、酵母インベルターゼ、α因子、または酸ホスファターゼリーダーによって置換され得る。哺乳動物細胞発現において、このネイティブシグナル配列が十分であるが、他の哺乳動物シグナル配列が適切であり得る。
グリコシル化が真核生物宿主細胞発現系において望ましいようないくつかの場合において、グリコシル化または収量を改善するために種々のプレ配列が操作され得る。例えば、特定のシグナルペプチドのペプチダーゼ切断部位を変更し得るかまたはプロ配列を加え得、このことはまた、グリコシル化に影響し得る。最終タンパク質産物は、(成熟タンパク質の最初のアミノ酸に対して)−1位に、発現に付随して1つ以上のさらなるアミノ酸を有し得、この1つ以上のさらなるアミノ酸は、完全に除去されていないかもしれない。例えば、その最終タンパク質産物は、アミノ末端に結合された、ペプチダーゼ切断部位において見出される1つまたは2つのアミノ酸残基を有し得る。あるいは、いくつかの酵素切断部位の使用は、その酵素が成熟ポリペプチド内のこのような領域で切断する場合、所望のB7RP−2ポリペプチドの少し短縮した形態を生じ得る。
多くの場合において、核酸分子の転写は、ベクター内の1つ以上のイントロンの存在によって増加する;これは、ポリペプチドが真核生物宿主細胞(特に、哺乳動物宿主細胞)において産生される場合、特に当てはまる。使用されるイントロンは、特に、使用される遺伝子が全長ゲノム配列またはそのフラグメントである場合に、B7RP−2遺伝子内に天然で存在し得る。そのイントロンが遺伝子内に天然で存在しない(大部分のcDNAについての)場合、そのイントロンは、別の供給源から得られ得る。隣接配列およびB7RP−2遺伝子に対するイントロンの位置は、そのイントロンが有効に転写されなければならないので、一般的に重要である。従って、B7RP−2 cDNA分子が転写される場合、そのイントロンの好ましい位置は、転写開始部位の3’側でありかつポリA転写終結配列の5’側である。好ましくは、そのイントロンは、コード配列を中断しないように、そのcDNAの一方の側または他方の側(すなわち、5’側または3’側)に位置する。任意の供給源(ウイルス生物、原核生物および真核生物(植物または動物)を含む)由来の任意のイントロンが本発明を実行するために使用され得るが、但し、このイントロンは、挿入される宿主細胞と適合性である。合成イントロンもまた、本明細書中に含まれる。必要に応じて、1つより多くのイントロンが、ベクター内で使用され得る。
本発明の発現ベクターおよびクローニングベクターは、代表的には、宿主生物によって認識され、そしてB7RP−2ポリペプチドをコードする分子に作動可能に連結された、プロモーターを含む。プロモーターは、構造遺伝子の転写を制御する、その構造遺伝子の開始コドンに対して上流(すなわち、5’側)に(一般的に、約100〜1000bp内に)位置する非転写配列である。プロモーターは、従来、2つのクラス(誘導プロモーターおよび構成的プロモーター)のうちの1つにグループ分けされる。誘導プロモーターは、培養条件におけるいくらかの変化(例えば、栄養の存在または非存在、あるいは温度の変化)に応答して、その誘導プロモーターの制御下にあるDNAからの増加したレベルの転写を開始する。他方、構成的プロモーターは、継続的な遺伝子産物産生を開始する;すなわち、遺伝子発現に対する制御がほとんど存在しないかまたは全く存在しない。多数のプロモーター(種々の潜在的な宿主細胞によって認識される)が、周知である。適切なプロモーターは、供給源のDNAからプロモーターを制限酵素消化によって取り出し、そして所望のプロモーター配列をベクター中に挿入することによって、B7RP−2ポリペプチドをコードするDNAに作動可能に連結される。ネイティブなB7RP−2プロモーター配列は、B7RP−2核酸分子の増幅および/または発現に指向させるために使用され得る。しかし、ネイティブなプロモーターと比較して多量の発現タンパク質の転写および収量が可能である場合、および使用のために選択された宿主細胞系と適合性である場合、異種プロモーターが好ましい。
原核生物宿主との使用に適切なプロモーターとしては、β−ラクタマーゼ系およびラクトースプロモーター系;アルカリホスファターゼ;トリプトファン(trp)プロモーター系;およびハイブリッドプロモーター(例えば、tacプロモーター)が挙げられる。他の公知の細菌プロモーターもまた、適切である。このプロモーター配列は、公開されており、その結果、当業者は、任意の有用な制限部位を供給するのに必要とされるリンカーまたはアダプターを使用して、所望のDNA配列にそれらのプロモーター配列を連結し得る。
酵母宿主との使用に適切なプロモーターもまた、当該分野において周知である。酵母エンハンサーが、酵母プロモーターと共に有利に使用される。哺乳動物宿主細胞との使用に適切なプロモーターは周知であり、限定しないが、ウイルス(例えば、ポリオーマウイルス、鶏痘ウイルス、アデノウイルス(例えば、Adenovirus2)、ウシパピローマウイルス、鳥類肉腫ウイルス、サイトメガロウイルス、レトロウイルス、B型肝炎ウイルスおよび最も好ましくはシミアンウイルス40(SV40))のゲノムから得られるプロモーターが挙げられる。他の適切な哺乳動物プロモーターとしては、異種哺乳動物プロモーター(例えば、熱ショックプロモーターおよびアクチンプロモーター)が挙げられる。
B7RP−2遺伝子発現を制御する際に興味深くあり得るさらなるプロモーターとしては、限定しないが、以下が挙げられる:SV40初期プロモーター領域(BernoistおよびChambon,1981,Nature 290:304−10);CMVプロモーター;ラウス肉腫ウイルスの3’長末端反復に含まれるプロモーター(Yamamotoら、1980,Cell 22:787−97);ヘルペスチミジンキナーゼプロモーター(Wagnerら、1981,Proc.Natl.Acad.Sci.USA.78:1444−1445);メタロチオネイン遺伝子の調節配列(Brinsterら、1982,Nature 296:39−42);β−ラクタマーゼプロモーターのような原核生物発現ベクター(Villa−Kamaroffら、1978,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,75:3727−3731);またはtacプロモーター(DeBoerら、1983,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,80:21−25)。組織特異性を示しかつトランスジェニック動物において利用されている、以下の動物転写制御領域もまた興味深い:膵臓腺房細胞において活性な、エラスターゼI遺伝子制御領域(Swiftら、1984,Cell 38:639−646;Ornitzら、Cold Spring Harbor Symp.Quant.Biol.50:399−409(1986);MacDonald、1987,Hepatology 7:425−515);膵臓β細胞において活性な、インシュリン遺伝子制御領域(Hanahan、1985,Nature 315:115−22);リンパ球において活性な、免疫グロブリン遺伝子制御領域(Grosschedlら、1984,Cell 38:647−658;Adamesら、1985,Nature 318:533−538;Alexanderら,1987,Mol.Cell.Biol.7:1436−1444);精巣細胞、乳房細胞、リンパ球細胞、および肥満細胞において活性な、マウス乳腺癌ウイルス制御領域(Lederら、1986,Cell 45:485−495);肝臓において活性な、アルブミン遺伝子制御領域(Pinkertら、1987,Genes and Devel.1:268−276);肝臓において活性な、α−フェトプロテイン遺伝子制御領域(Krumlaufら、1985,Mol.Cell.Biol.、5:1639−1648;Hammerら、1987,Science 235:53−58);肝臓において活性な、α1−抗トリプシン遺伝子制御領域(Kelseyら、1987,Genes and Devel.1:161−171);骨髄性細胞において活性な、β−グロビン遺伝子制御領域(Mogramら、1985,Nature 315:338−340;Kolliasら,1986,Cell 46:89−94);脳の稀突起神経膠細胞において活性な、ミエリン塩基性タンパク質遺伝子制御領域(Readheadら、1987,Cell 48:703−712);骨格筋において活性な、ミオシン軽鎖−2遺伝子制御領域(Sani、1985,Nature 314:283−286);ならびに視床下部において活性な、性腺刺激ホルモン放出ホルモン遺伝子制御領域(Masonら、1986,Science 234:1372−1378)。
エンハンサー配列は、高等真核生物による本発明のB7RP−2ポリペプチドをコードするDNAの転写を増加するように、ベクター中に挿入され得る。エンハンサーは、転写を増加させるようにプロモーターに作用する、通常約10〜300bpの長さのDNAのシス作用性エレメントである。エンハンサーは、相対的な方向および位置に依存しない。これらは、転写単位に対して5’側および3’側に見出されている。哺乳動物遺伝子から入手可能ないくつかのエンハンサー配列が、公知である(例えば、グロビンエンハンサー配列、エラスターゼエンハンサー配列、アルブミンエンハンサー配列、α−フェトプロテインエンハンサー配列およびインシュリンエンハンサー配列)。しかし、代表的には、ウイルス由来のエンハンサーが、使用される。SV40エンハンサー、サイトメガロウイルス初期プロモーターエンハンサー、ポリオーマエンハンサー、およびアデノウイルスエンハンサーは、真核生物プロモーターの活性化のための例示的な増強エレメントである。エンハンサーは、B7RP−2核酸分子に対して5’側または3’側の位置でベクター中にスプライシングされ得るが、代表的には、プロモーターから5’側の部位に位置する。
本発明の発現ベクターは、市販のベクターのような出発ベクターから構築され得る。そのようなベクターは、望ましい隣接配列すべてを含んでも良いし、含まなくても良い。本明細書中に記載される望ましい隣接配列のうちの1つ以上が未だベクター中に存在しない場合、それらの隣接配列は、個々に得られ得、そのベクター中に連結され得る。その隣接配列の各々を得るために使用される方法は、当業者に周知である。
本発明を実行するために好ましいベクターは、細菌宿主細胞と適合性のベクター、昆虫宿主細胞と適合性のベクターおよび哺乳動物宿主細胞と適合性のベクターである。このようなベクターとしては、特に、pCRII、pCR3、およびpcDNA3.1(Invitrogen、San Diego、CA)、pBSII(Stratagene、La Jolla、CA)、pET15(Novagen、Madison、WI)、pGEX(Pharmacia Biotech、Piscataway、NJ)、pEGFP−N2(Clontech、Palo Alto、CA)、pETL(BlueBacII,Invitrogen)、pDSR−α(PCT公開番号WO 90/14363)ならびにpFastBacDual(Gibco−BRL、Grand Island、NY)が挙げられる。
さらなる適切なベクターとしては、限定しないが、コスミド、プラスミド、または改変ウイルスが挙げられるが、これらのベクター系は、選択された宿主細胞と適合性でなければならないことが理解される。このようなベクターとしては、限定しないが、プラスミド(例えば、Bluescript(登録商標)プラスミド誘導体(高コピー数ColE1−ベースのファージミド、Stratagene Cloning Systems,La Jolla CA)、Taq増幅PCR産物をクローニングするために設計されたPCRクローニングプラスミド(例えば、TOPOTM TA Cloning(登録商標)Kit、PCR2.1(登録商標)プラスミド誘導体、Invitrogen、Carlsbad、CA))、ならびに哺乳動物ベクター、酵母ベクターまたはウイルスベクター(例えば、バキュロウイルス発現系(pBacPAKプラスミド誘導体、Clontech、Palo Alto、CA))が挙げられる。
ベクターが構築され、そしてB7RP−2ポリペプチドをコードする核酸分子がそのベクターの適切な部位に挿入された後に、完全なベクターが、増幅および/またはポリペプチド発現に適切な宿主細胞中に挿入され得る。B7RP−2ポリペプチドついての発現ベクターを、選択された宿主細胞へ形質転換することは、以下を含む周知の方法によって達成され得る:例えば、トランスフェクション法、感染法、塩化カルシウム法、エレクトロポレーション法、マイクロインジェクション法、リポフェクション法、またはDEAE−デキストラン法あるいは他の公知の技術。選択された方法は、部分的に、使用される宿主細胞の型の相関的要素である。これらの方法および他の適切な方法は、当業者に周知であり、そしてこれらは、例えば、Sambrookら(前出)に示されている。
宿主細胞は、原核生物宿主細胞(例えば、E.coli)であっても、真核生物宿主細胞(例えば、酵母細胞、昆虫細胞、または脊椎動物細胞)であってもよい。その宿主細胞は、適切な条件下で培養された場合、B7RP−2ポリペプチドを合成し、このB7RP−2ポリペプチドは、その後、(その宿主細胞がこのB7RP−2ポリペプチドを培地に分泌する場合に)培養培地から収集され得るか、または(このB7RP−2ポリペプチドが分泌されない場合には)このB7RP−2ポリペプチドを産生する宿主細胞から直接収集され得る。適切な宿主細胞の選択は、種々の要因(例えば、所望の発現レベル、活性に望ましいかもしくは必要とされるポリペプチド修飾(例えば、グリコシル化またはリン酸化)、および生物学的に活性な分子へのフォールディングの容易さ)に依存する。
多くの適切な宿主細胞が、当該分野において公知であり、多くが、American Type Culture Collection(ATCC),Manassas,VAから入手可能である。例としては、哺乳動物細胞、例えば、チャイニーズハムスター卵巣細胞(CHO)、CHO DHFR(−)細胞(Urlaubら、1980,Proc.Natl.Acad.Sci.US.A.97:4216−4220)、ヒト胚性腎臓(HEK)293細胞または293T細胞、あるいは3T3細胞が挙げられるが、これらに限定されない。適切な哺乳動物宿主細胞の選択、ならびに形質転換のための方法、培養のための方法、増幅のための方法、スクリーニングのための方法、産物生成のための方法、および精製のための方法が、当該分野において公知である。他の適切な哺乳動物細胞株は、サルCOS−1細胞株およびCOS−7細胞株、ならびにCV−1細胞株である。さらなる例示的な哺乳動物宿主細胞としては、霊長動物細胞株および齧歯類動物細胞株(形質転換細胞株を含む)が挙げられる。正常な二倍体細胞、初代組織のインビトロ培養物由来の細胞株、ならびに初代外植片もまた、適切である。候補細胞は、選択遺伝子を遺伝子型的に欠き得るか、または優性作用性選択遺伝子を含み得る。他の適切な哺乳動物細胞株としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:マウス神経芽細胞腫N2A細胞、HeLa細胞、マウスL−929細胞、Swissマウス、Balb−cマウスまたはNIHマウスから誘導された3T3株、BHKハムスター細胞株またはHaKハムスター細胞株。これらの細胞株の各々は、タンパク質発現の分野の当業者によって知られており、そして入手可能である。
同様に、細菌細胞が、本発明に適切な宿主細胞として有用である。例えば、E.coliの種々の菌株(例えば、HB101、DH5α、DH10、およびMC1061)は、生物工学の分野において宿主細胞として周知である。B.subtilis、Pseudomonas spp.、他のBacillus spp.、Streptomyces spp.などの種々の菌株もまた、本方法において使用され得る。
当業者に公知の酵母細胞の多くの菌株もまた、本発明のポリペプチドの発現のため宿主細胞として利用可能である。好ましい酵母細胞としては、例えば、Saccharomyces cerivisaeおよびPichia pastorisが挙げられる。
さらに、所望される場合、昆虫細胞系が、本発明の方法において利用され得る。このような系は、例えば、Kittsら、1993、Biotechniques,14:810−817;Lucklow、1993、Curr.Opin.Biotechnol.4:564−572;およびLucklowら、1993、J.Virol.,67:4566−4579に記載される。好ましい昆虫細胞は、Sf−9およびHi5(Invitrogen)である。
グリコシル化B7RP−2ポリペプチドを発現するために、トランスジェニック動物もまた使用され得る。例えば、トランスジェニック乳汁産生動物(例えば、ウシまたはヤギ)が使用され得、本発明のグルコシル化ポリペプチドが動物の乳汁中にて得られ得る。B7RP−2ポリペプチドを産生するために、植物もまた使用され得る。しかし、一般的に、植物において生じるグリコシル化は、哺乳動物細胞において生じるグリコシル化とは異なり、ヒト治療用途に適切ではないグリコシル化産物を生じ得る。
(ポリペプチド産生)
B7RP−2ポリペプチド発現ベクターを含む宿主細胞は、当業者に周知の標準的な培地を使用して培養され得る。その培地は、通常、その細胞の増殖および生存に必要な全ての栄養分を含む。E.coli細胞を培養するための適切な培地としては、例えば、Luria Broth(LB)および/またはTerrific Broth(TB)が挙げられる。真核生物細胞を培養するための適切な培地としては、Roswell Park Memorial Institute medium 1640(RPMI 1640)、Minimal Essential Medium(MEM)および/またはDulbecco’s Modified Eagle Medium(DMEM)が挙げられ、これらの全ては、培養される特定の細胞株に必要な血清および/または増殖因子を補充され得る。昆虫細胞培養物についての適切な培地は、必要に応じて、イーストレート(yeatolate)、ラクトアルブミン加水分解産物、および/またはウシ胎仔血清を補充した、グレース培地である。
代表的に、トランスフェクトされた細胞または形質転換された細胞の選択的な増殖に有用な抗生物質または他の化合物が、培地に補充物質として加えられる。使用される化合物は、宿主細胞が形質転換されるプラスミドに存在する選択マーカーエレメントによって、検出可能である。例えば、選択マーカーエレメントがカナマイシン耐性である場合、培養培地に添加される化合物は、カナマイシンである。選択的増殖のための他の化合物としては、アンピシリン、テトラサイクリン、およびネオマイシンが挙げられる。
宿主細胞によって産生されるB7RP−2ポリペプチドの量は、当該分野において公知の標準的な方法を使用して評価され得る。このような方法としては、限定しないが、ウェスタンブロット分析、SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動、非変性ゲル電気泳動、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)分離、免疫沈降、および/または活性アッセイ(例えば、DNA結合ゲルシフトアッセイ)が挙げられる。
B7RP−2ポリペプチドが宿主細胞から分泌されるように設計される場合、ポリペプチドの大部分は、細胞培養培地中で見出され得る。しかし、B7RP−2ポリペプチドが宿主細胞から分泌されない場合、細胞質および/または核(真核宿主細胞について)に、あるいは、細胞質ゾル(グラム細菌宿主細胞について)に存在する。
宿主細胞の細胞質および/または核(真核生物宿主細胞について)に位置するかあるいは細胞質ゾル(細菌宿主細胞について)に位置するB7RP−2ポリペプチドについて、細胞内物質(グラム陰性細菌について封入体を含む)が、当業者に公知の任意の標準的技術を使用して宿主細胞から抽出され得る。例えば、宿主細胞は、フレンチプレス、ホモジナイゼーション、および/または超音波処理、ならびにそれらの後の遠心分離によって、ペリプラズム/細胞質の中身を放出するように溶解され得る。
B7RP−2ポリペプチドが細胞質ゾル内に封入体を形成した場合、この封入体は、しばしば、内側および/または外側の細胞膜に結合され得、従って、主に、遠心分離後にペレット材料において見出される。次いで、ペレット材料は、pH極限値で処理され得るか、あるいはジチオスレイトールのような還元剤の存在下でアルカリ性のpHにて、またはトリスカルボキシエチルホスフィンの存在下で酸性のpHにて、界面活性剤、グアニジン、グアニジン誘導体、尿素、または尿素誘導体のようなカオトロピック剤で処理されて、封入体が放出され得、封入体が分断され得、そして封入体が溶解され得る。次いで、可溶化B7RP−2ポリペプチドが、ゲル電気泳動、免疫沈降などを使用して分析され得る。B7RP−2ポリペプチドを単離することが所望される場合、単離は、本明細書中およびMarstonら、1990,Meth.Enz.,182:264−275に記載される方法のような標準的な方法を使用して達成され得る。
いくつかの場合、B7RP−2ポリペプチドは、単離の際に生物学的に活性でなくても良い。ポリペプチドをその三次構造に「再折り畳み」または変換し、そしてジスルフィド結合を生成するための種々の方法を使用して、生物学的活性を回複し得る。このような方法は、溶解されたポリペプチドを、通常は、7より上のpHおよび特定の濃度のカオトロープ(chaotrope)の存在に曝露する工程を包含する。カオトロープの選択は、封入体溶解に使用される選択肢に非常に類似するが、通常、カオトロープはより低い濃度で使用され、溶解に使用されるカオトロープと必ずしも同一ではない。多くの場合、再折り畳み/酸化溶液はまた、還元剤、または特定の比の還元剤およびその酸化形態を含んで、特定の酸化還元電位を生じ、タンパク質のシステイン架橋の形成を生じるジスルフィドシャフリングを可能にする。通常使用される酸化還元対のいくつかとしては、システイン/シスタミン、グルタチオン(GSH)/ジチオビスGSH、塩化第二銅、ジチオトレイトール(DTT)/ジチアンDTT、および2−2−メルカプトエタノール(bME)/ジチオ−b(ME)が挙げられる。多くの場合において、共溶媒が、再折り畳みの効率を増加するのに使用され得るかまたは必要とされ得、この目的のために使用されるより一般的な試薬としては、グリセロール、種々の分子量のポリエチレングリコール、アルギニンなどが挙げられる。
封入体がB7RP−2ポリペプチドの発現において有意な程度まで形成されない場合、ポリペプチドは、主に、細胞ホモジネートの遠心分離後の上清中に見出される。ポリペプチドは、さらに、本明細書中に記載されるような方法を使用して上清から単離され得る。
溶液からのB7RP−2ポリペプチドの精製は、種々の技術を使用して達成され得る。ポリペプチドが、ヘキサヒスチジン(B7RP−2ポリペプチド/ヘキサHis)のようなタグまたは他の小さなペプチド(例えば、FLAG(Eastman Kodak Co.,New Haven,CT)またはmyc(Invitrogen,Carlsbad,CA))をそのカルボキシル末端またはアミノ末端のいずれかにおいて含むように合成された場合、カラムマトリクスがタグに対して高い親和性を有するアフィニティーカラムに溶液を通すことによって一工程で精製され得る。
例えば、ポリヒスチジンは、ニッケルに対して大きな親和性および特異性を有して結合する。従って、ニッケルのアフィニティーカラム(例えば、Qiagen(登録商標)ニッケルカラム)は、B7RP−2ポリペプチド/ポリHisの精製のために使用され得る。例えば、Current Protocols in Molecular Biology § 10.11.8(Ausubelら編,Green Publishers Inc.およびWiley and Sons(1993))を参照のこと。
さらに、B7RP−2ポリペプチドは、B7RP−2ポリペプチドを特異的に認識し得、そして結合し得るモノクローナル抗体の使用によって精製され得る。
精製のための他の適切な手段はとしては、限定しないが、アフィニティークロマトグラフィー、免疫親和性クロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、分子ふるいクロマトグラフィー(molecular sieve chromatography)、HPLC、電気泳動(ネイティブゲル電気泳動を含む)、その後のゲル溶出、および分取用等電点電気泳動(「Isoprime」machine/technique,Hoefer Scientific,San Francisco,CA)が挙げられる。いくつかの場合において、2つ以上の精製技術を、増加した純度を達成するために組み合わせ得る。
B7RP−2ポリペプチドはまた、Merrifieldら,1963,J.Am.Chem.Soc.85:2149;Houghtenら,1985,Proc Natl Acad.Sci.USA 82:5132;ならびに、StewartおよびYoung,Solid Phase Peptide Synthesis(Pierce Chemical Co.1984)に記載されるような当該分野で公知の技術を使用する、化学合成法(例えば、固相ペプチド合成)によって調製され得る。このようなポリペプチドは、アミノ末端にメチオニンを有するかまたは有さずに合成され得る。化学合成されたB7RP−2ポリペプチドは、これらの参考文献に記載される方法を使用して酸化されて、ジスルフィド結合を形成し得る。化学的に合成されたB7RP−2ポリペプチドは、組換え的に産生されるかまたは天然の供給源から精製された対応するB7RP−2ポリペプチドに匹敵する生物学的活性を有することが期待され、従って、組換えまたは天然のB7RP−2ポリペプチドと相互交換可能に使用され得る。
B7RP−2ポリペプチドを得る別の手段は、B7RP−2ポリペプチドが天然に見出される供給源の組織および/または流体のような生物学的サンプルからの精製による。このような精製は、本明細書中に記載されるようなタンパク質精製のための方法を使用して行われ得る。精製の間、B7RP−2ポリペプチドの存在が、例えば、組換え的に産生されたB7RP−2ポリペプチドまたはそのペプチドフラグメントに対して調製された抗体を使用してモニターされ得る。
核酸およびポリペプチドを産生するための多くのさらなる方法は、当該分野において公知であり、この方法は、B7RP−2ポリペプチドに対する特異性を有するポリペプチドを産生するために使用され得る。例えば、Robertsら,1997,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.94:12297−303を参照のこと。これは、mRNAとそのコードされるペプチドとの間の融合タンパク質の産生を記載する。Roberts,1999,Curr.Opin.Chem.Biol.3:268−73もまた参照のこと。さらに、米国特許第5,824,469号は、特定の生物学的機能を実行し得るオリゴヌクレオチドを得るための方法を記載する。この手順は、オリゴヌクレオチドの異種性プールを生成する工程を包含し、各々、5’ランダム化配列、中央部の予備選択配列、および3’ランダム化配列を有する。得られる異種性プールは、所望の生物学的機能を示さない細胞の集団に導入される。次いで、細胞の亜集団を、予め決定された生物学的機能を示すものについてスクリーニングする。その亜集団から、所望の生物学的機能を発揮し得るオリゴヌクレオチドが単離される。
米国特許第5,763,192号;同第5,814,476号;同第5,723,323号;および同第5,817,483号は、ペプチドまたはポリペプチドを産生するためのプロセスを記載する。これは、確率論的な遺伝子またはそのフラグメントを産生し、次いで、その確率論的な遺伝子によってコードされる1以上のタンパク質を産生する宿主細胞にこれらの遺伝子を導入することによって達成される。次いで、この宿主は、所望の活性を有するペプチドまたはポリペプチドを産生する、これらのクローンを同定するためにスクリーニングされる。
ペプチドまたはポリペプチドの産生するための別の方法は、Athersys,Inc.によって出願されたPCT/US98/20094(WO99/15650に記載される。「Random Activation of Gene Expression for Gene Discovery」(RAGE−GD)として知られるように、このプロセスは、インサイチュ組換え方法によって、内因性遺伝子の発現または遺伝子の過剰発現の活性化を含む。例えば、内因性遺伝子の発現は、非相同組換えまたは非正統的(illegitimate)組換えによって、遺伝子の発現を活性化し得る標的細胞中に、調節配列を組み込むことによって、活性化または増加される。この標的DNAは、まず、照射に供せられ、そして遺伝子プロモーターが挿入される。このプロモーターは、遺伝子の前方に最終的に開始点(break)を配置し、遺伝子の転写を開始する。これは、所望のペプチドまたはポリペプチドの発現を引き起こす。
これらの方法はまた、包括的なB7RP−2ポリペプチド発現ライブラリーを作製するために使用され得、これは、続いて、種々のアッセイ(例えば、生化学的アッセイ、細胞アッセイおよび生物全体のアッセイ(例えば、植物、マウスなど))において、ハイスループット表現型スクリーニングのために使用され得ることが理解される。
(合成)
本明細書中に記載される核酸およびポリペプチド分子が、組換え手段および他の手段によって生成され得ることが、当業者により理解される。
(選択的結合因子)
用語「選択的結合因子」とは、1つ以上のB7RP−2ポリペプチドに対する特異性を有する分子をいう。適切な選択的結合因子としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:抗体およびその誘導体、ポリペプチド、ならびに低分子。適切な選択的結合因子は、当該分野で公知の方法を用いて調製され得る。本発明の例示的なB7RP−2ポリペプチド選択的結合因子は、B7RP−2ポリペプチドの特定の部分に結合し得、これによってB7RP−2ポリペプチドレセプターへのこのポリペプチドの結合を阻害する。
選択的結合因子(例えば、B7RP−2ポリペプチドに結合する抗体および抗体フラグメント)は、本発明の範囲内にある。抗体は、一特異性ポリクローナル抗体を含むポリクローナル抗体、モノクローナル(MAbs)抗体;組換え抗体;キメラ抗体;ヒト化抗体(例えば、相補性決定領域(CDR)移植片化抗体);ヒト抗体;単鎖抗体;および/または二重特異性抗体;ならびにそれらのフラグメント;改変体;または誘導体であり得る。抗体フラグメントとしては、B7RP−2ポリペプチド上のエピトープに結合する抗体の一部分が挙げられる。このようなフラグメントの例としては、全長の抗体の酵素的切断によって生じるFabおよびF(ab’)フラグメントが挙げられる。他の結合フラグメントとしては、組換えDNA技術(例えば、抗体可変領域をコードする核酸配列を含む組換えプラスミドの発現)によって生じるものが挙げられる。
B7RP−2ポリペプチドに対するポリクローナル抗体は、一般的に、動物(例えば、ウサギまたはマウス)において、B7RP−2ポリペプチドおよびアジュバントの複数回の皮下注射または腹腔内注射によって産生される。B7RP−2ポリペプチドが、免疫させるためにその種において免疫原性であるキャリアタンパク質(例えば、キーホールリンペットヘモシアニン、血清、アルブミン、ウシサイログロブリン、またはダイズトリプシンインヒビター)と結合するのに有用であり得る。また、凝集剤(例えば、ミョウバン)は、免疫応答を増強するために用いられる。免疫後、これらの動物は、飼育され、そしてこの血清を抗B7RP−2抗体力価についてアッセイする。
B7RP−2ポリペプチドに対するモノクローナル抗体は、培養中の継代細胞株による抗体分子の産生を提供する任意の方法を用いて産生される。モノクローナル抗体を調製するための適切な方法の例としては、Kohlerら,1975,Nature,256:495−497のハイブリドーマ法、およびヒトB細胞ハイブリドーマ法(Kozbor,1984,J.Immunol.,133:3001);Brodeurら,Monoclonal Antibody Production Techniques and Applications 51−63(Marcel Dekker,Inc.,1987)が挙げられる。B7RP−2ポリペプチドと反応するモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマ細胞株もまた、本発明によって提供される。
本発明のモノクローナル抗体は、治療剤としての使用のために改変され得る。1つの実施形態は、特定の種由来の抗体あるいは特定の抗体のクラスまたはサブクラスに属する抗体において、重(H)鎖および/または軽(L)鎖の一部分が対応する配列と同一であるか、または相同であるが、その鎖の残部は、別の種由来の抗体または別の抗体のクラスまたはサブクラスに属する抗体において、対応する配列と同一であるかまたは相同である、「キメラ」抗体である。このような抗体のフラグメントもまた、これらのフラグメントが所望の生物学的活性を示す限り、含まれる。米国特許第4,816,567号;Morrisonら,1985,Proc.Natl.Acad.Sci.,81:6851−6855を参照のこと。
別の実施形態において、本発明のモノクローナル抗体は、「ヒト化」抗体である。非ヒト抗体をヒト化するための方法は、当該分野で周知である。米国特許第5,585,089号および同第5,693,762号を参照のこと。一般に、ヒト化抗体は、非ヒトである供給源由来の抗体に導入された1つ以上のアミノ酸残基を有する。ヒト化は、例えば、当該分野で記載された方法(Jonesら,1986,Nature 321:522−525;Riechmannら,1998,Nature,332:323−327;Verhoeyenら,1988,Science 239:1534−1536)を用いて、ヒト抗体の対応する領域についてのげっ歯類相補性決定領域の少なくとも一部分を置換することによって実施され得る。
B7RP−2ポリペプチドに結合するヒト抗体もまた、本発明に包含される。内因性免疫グロブリン産生の非存在下で、ヒト抗体のレパートリーを産生し得るトランスジェニック動物(例えば、マウス)を用いて、このような抗体は、必要に応じてキャリアと結合体化される、B7RP−2ポリペプチド抗原(すなわち、少なくとも6連続アミノ酸を有する)での免疫によって産生される。例えば、Jakobovitsら,1993,Proc.Natl.Acad.Sci.,90:2551−55;Jakobovitsら,1993,Nature 362:255−58;Bruggermannら,1993,Year in Immuno.,7:33を参照のこと。1つの方法において、このようなトランスジェニック動物は、この動物における重鎖および軽鎖免疫グロブリンをコードする内因性遺伝子座を無能力化し、そしてそのゲノム中に、ヒト重鎖および軽鎖のタンパク質をコードする遺伝子座を挿入することによって生成される。次いで、部分的に改変された動物(すなわち、改変の完全未満の補完を有する)を交雑育種して、所望の免疫系の改変の全て有する動物を得る。免疫原を投与された場合、これらのトランスジェニック動物は、これらの抗原に対して免疫特異性である可変領域を含む、ヒト(例えば、マウスではなく)アミノ酸配列を有する抗体を産生する。PCT出願番号PCT/US96/05928およびPCT出願番号PCT/US93/06926を参照のこと。さらなる方法は、米国特許第5,545,807号、PCT出願番号PCT/US91/245およびPCT出願番号PCT/GB89/01207、ならびに欧州特許546073B1および同546073A1に記載される。ヒト抗体はまた、本明細書中に記載されるように、宿主細胞における組換えDNAの発現によってか、またはハイブリドーマ細胞における発現によって産生され得る。
代替の実施形態において、ヒト抗体はまた、ファージディスプレイライブラリーから産生され得る(Hoogenboomら,1991,J.Mol.Biol.227:381;Marksら,1991,J.Mol.Biol.222:581)。これらは、糸状バクテイオファージの表面上の抗体レパートリーの提示を介した模倣免疫選択、およびその後の目的の抗原に対するそれらの結合によってファージの選択をプロセスする。1つのこのような技術は、PCT出願番号PCT/US98/17364に記載されており、これは、このようなアプローチを用いた、MPL−レセプターおよびmsk−レセプターに対する高親和性かつ機能的アゴニスト抗体の単離を記載している。
キメラ抗体、CDR移植抗体、およびヒト化抗体は、組換え方法によって代表的に産生される。抗体をコードする核酸は、宿主細胞中に導入され、そして本明細書に記載される材料および手順を用いて発現される。好ましい実施形態において、抗体は、哺乳動物の宿主細胞(例えば、CHO細胞)において産生される。モノクローナル(例えば、ヒト)抗体は、本明細書において記載されるように、宿主細胞における組換えDNAの発現によってかまたはハイブリドーマ細胞における発現によって産生され得る。
本発明の抗B7RP−2抗体は、B7RP−2ポリペプチドの検出および定量のための任意の公知のアッセイ方法(例えば、競合結合アッセイ、直接的および間接的サンドイッチアッセイ、ならびに免疫沈降アッセイ(Sola,Monoclonal Antibodies:A Manual of Techniques 147−158(CRC Press,Inc.,1987)))において用いられ得る。これらの抗体は、用いられるアッセイ方法に適切な親和性を有するB7RP−2ポリペプチドに結合する。
診断適用について、特定の実施形態において、抗B7RP−2抗体は、検出可能な部分で標識され得る。検出可能な部分は、直接的または間接的のいずれかで検出可能なシグナルを産生し得るもののいずれかであり得る。例えば、検出可能な部分は、放射性同位体(例えば、3H、14C、32P、35S、125I、99Tc、111In、または67Ga);蛍光化合物もしくは化学発光化合物(例えば、フルオロセインイソチオシアネート、ローダミン、もしくはルシフェリン);または酵素(例えば、アルカリホスファターゼ、β−ガラクトシダーゼ、もしくは西洋ワサビペルオキシダーゼ(Bayerら,1990,Meth.Enz.,184:138−63))であり得る。
競合的結合アッセイは、限られた量の抗B7RP−2抗体と結合するために、試験サンプルの分析物(B7RP−2ポリペプチド)と競合する標識された標準物(例えば、B7RP−2ポリペプチド、またはその免疫学的反応性部分)の能力に依存する。試験サンプル中のB7RP−2ポリペプチドの量は、抗体に結合する標準的な量に反比例する。結合する標準物の量を決定するのを容易にするため、これらの抗体は、代表的に、競合の前後に不溶化され、その結果、これらの抗体に結合された標準物および分析物は、未結合の標準物および分析物から、都合よく分離され得る。
サンドイッチアッセイは、代表的に、検出および/または定量されるタンパク質の2つの抗体(各々、異なる免疫原性部分、またはエピトープに結合し得る)の使用を含む。サンドイッチアッセイにおいて、試験サンプルの分析物は、代表的に、固体支持体上に固定化された第1抗体に結合し、その後、第2の抗体がこの分析物に結合し、したがって、不溶性の三部複合体を形成する。例えば、米国特許第4,376,110号を参照のこと。第2の抗体は、それ自体に検出可能な部分を標識してもよいし(直接的サンドイッチアッセイ)、検出可能な部分で標識された抗免疫グロブリン抗体を用いて測定してもよい(間接的サンドイッチアッセイ)。例えば、サンドイッチアッセイの1つの型は、固相酵素免疫アッセイ(ELISA)であり、この場合、検出可能な部分は、酵素である。
選択的結合因子(抗B7RP−2抗体を含む)はまた、インビボでのイメージングに有用である。検出可能な部分で標識された抗体は、動物に、好ましくは、血流中に投与され得、そして宿主における標識抗体の存在および位置が、アッセイされる。抗体は、核磁気共鳴、放射線学、または当該分野で公知の他の検出手段のいずれかによって、動物において検出可能な任意の部分で標識され得る。
本発明の選択的結合因子(抗体を含む)は、治療剤として用いられ得る。これらの治療剤は、一般に、これらのいずれかが、B7RP−2ポリペプチドの少なくとも1つの生物学的活性を、それぞれ、増強するかまたは減少させるという点で、アゴニストまたはアンタゴニストである。1つの実施形態において、本発明のアンタゴニスト抗体は、B7RP−2ポリペプチドに特異的に結合し得、そして、インビボまたはインビトロにおいてB7RP−2ポリペプチドの機能的活性を阻害または排除し得る、抗体またはその結合フラグメントである。好ましい実施形態において、選択的結合因子(例えば、アンタゴニスト抗体)は、少なくとも約50%、そして好ましくは、少なくとも約80%、B7RP−2ポリペプチドの機能的活性を阻害する。別の実施形態において、選択的結合因子は、B7RP−2結合パートナー(リガンドまたはレセプター)と相互作用し得、これによって、インビボまたはインビトロにおいてB7RP−2ポリペプチド活性を阻害または排除する抗B7RP−2ポリペプチド抗体であり得る。選択的結合因子(アゴニストおよびアンタゴニスト抗B7RP−2ポリペプチド抗体を含む)は、当該分野で周知のスクリーニングアッセイによって同定される。
本発明はまた、B7RP−2選択的結合因子(例えば、抗体)および生物学的サンプルにおいてB7RP−2ポリペプチドのレベルを検出するのに有用な他の試薬を備えるキットに関する。このような試薬は、検出可能な標識、ブロッキング血清、ポジティブおよびネガティブコントロールサンプル、ならびに検出試薬を含み得る。
(マイクロアレイ)
DNAマイクロアレイ技術は、本発明に従って利用され得ることが理解される。DNAマイクロアレイは、固体支持体(例えば、ガラス)上に配置される核酸の小型の高密度アレイである。アレイ内の各セルまたはエレメントは、相補的核酸配列(例えば、mRNA)についてのハイブリダイゼーションのための標的として働く単一核酸種の多数のコピーを有する。DNAマイクロアレイ技術を用いた発現プロファイリングにおいて、mRNAはまず、細胞または組織サンプルから抽出され、次いで、蛍光標識されたcDNAに酵素的に変換される。この物質は、このマイクロアレイにハイブリダイズされ、そして未結合のcDNAが洗浄によって除去される。次いで、このアレイ上に示された個々の遺伝子の発現は、各標的核酸分子に特異的に結合する標識されたcDNAの量を定量化することによって可視化される。このように、幾千もの遺伝子の発現が、生物学的材料の単一サンプルから、ハイスループットかつ並列様式で定量化され得る。
このハイスループット発現プロファイリングは、以下を含むが、これらに限定されない本発明のB7RP−2分子に関して、広い範囲の適用を有する;治療剤のための標的としてのB7RP−2疾患関連遺伝子の同定および確証;関連したB7RP−2分子およびそのインヒビターの分子毒物学;治験のための代理マーカーの集団および世代の階層化;ならびに、ハイスループットスクリーニングにおける選択的化合物の同定に役立つことによって向上する関連したB7RP−2ポリペプチド低分子薬物開発。
(化学的誘導体)
B7RP−2ポリペプチドの化学的に改変された誘導体は、本明細書中に記載された開示を考慮して、当業者によって調製され得る。B7RP−2ポリペプチド誘導体は、このポリペプチドに天然に結合した分子の型または位置のいずれかにおいて異なる様式で改変される。誘導体は、1以上の天然で結合した化学的な基の欠失によって形成される分子を含み得る。配列番号2、配列番号4、もしくは配列番号6または他のB7RP−2ポリペプチドのいずれかのアミノ酸配列を含むポリペプチドは、1以上のポリマーの共有結合によって改変され得る。例えば、選択されたポリマーは、代表的に水溶性であり、その結果、それが結合するタンパク質は、水性環境(例えば、生理学的な環境)下で沈殿しない。ポリマーの混合物が、適切なポリマーの範囲内に含まれる。好ましくは、最終産物の調製物の治療的用途のために、このポリマーは、薬学的に受容可能である。
各々のポリマーは、任意の分子量であり、そして分枝または非分枝であり得る。各々のポリマーは、代表的に、約2kDa〜約100kDaの間の平均分子量を有する(用語「約(およそ)」は、水溶性ポリマーの調製の際に、いくつかの分子が示された分子量より多く、いくぶんかは少ない分子量を有することを示す)。各ポリマーの平均分子量は、好ましくは、約5kDaと約50kDaの間、より好ましくは、約12kDaと約40kDaとの間、そして最も好ましくは、約20kDaと約35kDaとの間である。
適切な水溶性ポリマーまたはその混合物としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:N−結合型またはO−結合型炭水化物、糖、ホスフェート、ポリエチレングリコール(PEG)(これは、モノ−(C1〜C10)、アルコキシ−、またはアリールオキシ−ポリエチレングリコールを含むタンパク質を誘導体化するために使用されたPEGの形態を含む)、モノメトキシ−ポリエチレングリコール、デキストラン(例えば、約6kDの低分子量デキストラン)、セルロース、または他の炭水化物ベースのポリマー、ポリ−(N−ビニルピロリドン)ポリエチレングリコール、プロピレングリコールホモポリマー、ポリプロピレンオキシド/エチレンオキシドコポリマー、ポリオキシエチル化ポリオール(例えば、グリセロール)、およびポリビニルアルコール。共有結合したB7RP−2ポリペプチドマルチマーを調製するために使用され得る、二官能性架橋分子もまた、本発明に包括される。
一般に、化学的誘導体化は、タンパク質と活性化ポリマー分子とを反応させるために用いられる任意の適切な条件下で実施され得る。ポリペプチドの化学的誘導体を調製するための方法は、一般に、(a)配列番号2、配列番号4、または配列番号6のいずれかのアミノ酸配列を含むポリペプチド、あるいは他のB7RP−2ポリペプチドが、1つ以上のポリマー分子との結合を生じる条件下で、ポリペプチドと活性化ポリマー分子(例えば、反応性エステルまたはポリマー分子のアルデヒド誘導体)とを反応させる工程、および(b)反応産物を得る工程、を包含する。最適反応条件は、公知のパラメーターおよび所望の結果に基づいて決定される。例えば、ポリマー分子:タンパク質の比がより大きくなればなるほど、ポリマー分子との結合の割合がより多くなる。1つの実施形態において、B7RP−2ポリペプチド誘導体は、アミノ末端に単一のポリマー分子の部分を有し得る。例えば、米国特許第5,234,784号を参照のこと。
ポリペプチドのペグ化は、特に、当該分野で公知のペグ化反応のいずれかを使用することによって、特に実施され得る。このような反応は、例えば、以下の参考文献に記載される:Francisら,1992,Focus on Growth Factors,3:4−10;欧州特許第0154316号および欧州特許第0401384号;ならびに米国特許第4,179,337号。例えば、ペグ化は、本明細書において記載されるように、反応性ポリエチレングリコール分子(または、アナログ反応水溶性ポリマー)とのアシル化反応またはアルキル化反応を介して実施され得る。アシル化反応について、選択されたポリマーは、単一反応性エステル基を有するべきである。還元的アルキル化について、選択されたポリマーは、単一反応性アルデヒド基を有するべきである。反応性アルデヒドは、例えば、ポリエチレングリコールプロピオンアルデヒド(これは、水溶性である)であるか、またはモノC1〜C10アルコキシもしくはそのアリールオキシ誘導体である(米国特許第5,252,714号を参照のこと)。
別の実施形態において、B7RP−2ポリペプチドは、ビオチンと化学的に結合され得る。次いで、ビオチン/B7RP−2ポリペプチド分子は、アビジンへの結合が可能となり、四価のアビジン/ビオチン/B7RP−2ポリペプチド分子を生じる。B7RP−2ポリペプチドはまた、ジニトロフェノール(DNP)またはトリニトロフェノール(TNP)に共有結合し得、そして得られた結合体は、抗DNPまたは抗TNP−IgMとともに沈澱して10の結合価の十量体の結合体を形成し得る。
一般に、本発明のB7RP−2ポリペプチド誘導体の投与によって緩和され得るかまたは調節され得る状態は、B7RP−2ポリペプチドについて本明細書において記載される状態を含む。しかし、本明細書において開示されるB7RP−2ポリペプチド誘導体は、誘導体化されていない分子と比較した場合、さらなる活性、増強した生物学的活性もしくは減少した生物学的活性、または他の特性(例えば、増加した半減期もしくは減少した半減期)を有し得る。
(遺伝的に操作された非ヒト動物)
非ヒト動物(例えば、マウス、ラット、または他のげっ歯類;ウサギ、ヤギ、ヒツジ、または他の家畜)は、本発明の範囲内にさらに含まれ、ここで、ネイティブB7RP−2ポリペプチドをコードする遺伝子は、破壊されており(すなわち「ノックアウト」)、その結果、B7RP−2ポリペプチドの発現レベルは、有意に減少するかまたは完全に消失する。このような動物は、米国特許第5,557,032号に記載されるような技術および方法を用いて調製され得る。
本発明はさらに、非ヒト動物(例えば、マウス、ラット、または他のげっ歯類;ウサギ、ヤギ、ヒツジ、または他の家畜)を含み、ここで、この動物についてのB7RP−2遺伝子のネイティブな形態または異種B7RP−2遺伝子のいずれかは、この動物によって過剰に発現され、これによって、「トランスジェニック」動物を作製する。このようなトランスジェニック動物は、米国特許第5,489,743号およびPCT出願番号WO94/28122に記載されるような、周知の方法を用いて調製され得る。
本発明はさらに、非哺乳動物を含み、ここで、本発明の1つ以上のB7RP−2ポリペプチドについてのプロモーターは、1つ以上のネイティブB7RP−2ポリペプチドの発現のレベルを変更するために、(例えば、相同組換え方法を用いることによって)活性化させるかまたは不活性化させるかのいずれかである。
これらの非ヒト動物は、薬物候補スクリーニングに使用され得る。このようなスクリーニングにおいて、動物に対する薬物候補の影響が、測定され得る。例えば、薬物候補は、B7RP−2遺伝子の発現を減少または増加し得る。特定の実施形態において、産生されるB7RP−2ポリペプチドの量は、動物をその薬物候補に暴露した後に測定され得る。さらに、特定の実施形態において、動物に対する薬物候補の実際の影響を検出し得る。例えば、特定の遺伝子の過剰発現は、疾患または病理学的状態を生じ得るか、あるいは疾患または病理学的状態に関連し得る。このような場合において、遺伝子の発現を減少させる薬物候補の能力、または病理学的状態を予防もしくは阻害する薬物候補の能力を試験し得る。他の例としては、特定の代謝産物(例えば、ポリペプチドのフラグメント)の産生が、疾患または病理学的状態を生じ得るか、あるいは疾患または病理学的状態と関連し得る。このような場合において、このような代謝産物の産生を減少する薬物候補の能力、または病理学的状態を予防もしくは阻害する薬物候補の能力を試験し得る。
(B7RP−2ポリペプチド活性の他の調節因子についてのアッセイ)
いくつかの状況において、B7RP−2ポリペプチドの活性の調節因子(すなわち、アゴニストまたはアンタゴニスト)である分子を同定することが所望され得る。B7RP−2ポリペプチドを調節する天然分子または合成分子は、本明細書中に記載されるもののような1つ以上のスクリーニングアッセイを使用して同定され得る。このような分子は、注入によるエキソビボ様式またはインビボ様式でか、あるいは経口送達、移植デバイスなどのいずれかで投与され得る。
「試験分子」は、B7RP−2ポリペプチドの活性を調節(すなわち、増加または減少)する能力についての評価の下にある分子をいう。最も一般的には、試験分子は、B7RP−2ポリペプチドと直接相互作用する。しかし、試験分子はまたB7RP−2ポリペプチド活性を、例えば、B7RP−2遺伝子発現に影響を与えることによってか、またはB7RP−2ポリペプチド結合パートナー(例えば、レセプターまたはリガンド)に結合することによって、間接的に調節し得ることも意図される。1つの実施形態において、試験分子は、少なくとも約10−6M、好ましくは約10−8M、より好ましくは約10−9M、そしてさらにより好ましくは約10−10Mの親和性定数でB7RP−2ポリペプチドに結合する。
B7RP−2ポリペプチドと相互作用する化合物を同定するための方法は、本発明によって包含される。特定の実施形態において、B7RP−2ポリペプチドは、試験分子とB7RP−2ポリペプチドとの相互作用が可能な条件下で、試験分子と共にインキュベートされ、そして相互作用の程度が測定される。試験分子は、実質的に精製された形態または粗製の混合物中でスクリーニングされ得る。
特定の実施形態において、B7RP−2ポリペプチドアゴニストまたはアンタゴニストは、タンパク質、ペプチド、炭水化物、脂質、または低分子量の分子であり得、これは、B7RP−2ポリペプチドと相互作用して、その活性を調節する。B7RP−2ポリペプチドの発現を調節する分子は、B7RP−2ポリペプチドをコードする核酸と相補的であるか、またはB7RP−2ポリペプチドの発現を指向もしくは制御する核酸配列に対して相補的である核酸分子、および発現のアンチセンス調節因子として作用する核酸分子を含む。
一旦、1つの試験分子がB7RP−2ポリペプチドと相互作用するとして同定されると、この分子は、B7RP−2ポリペプチド活性を増加または減少させる能力についてさらに評価され得る。試験分子とB7RP−2ポリペプチドとの相互作用の測定は、いくつかの様式で実施され得、これには、細胞ベースの結合アッセイ、膜結合アッセイ、液相アッセイ、および免疫アッセイが挙げられる。一般に、試験分子は、特定の期間、B7RP−2ポリペプチドと共にインキュベートされ、そしてB7RP−2ポリペプチド活性が、生物学的活性を測定するために1以上のアッセイによって決定される。
試験分子とB7RP−2ポリペプチドとの相互作用はまた、免疫アッセイにおいて、ポリクローナル抗体またはモノクローナル抗体を使用して直接的にアッセイされ得る。あるいは、本明細書中に記載されるようなエピトープタグを含むB7RP−2ポリペプチドの改変形態は、溶液および免疫アッセイ中で使用され得る。
B7RP−2ポリペプチドが、結合パートナー(例えば、レセプターまたはリガンド)との相互作用を介して、生物学的活性を示す場合において、種々のインビトロアッセイが、対応する結合パートナー(例えば、選択的結合因子、レセプター、またはリガンド)へのB7RP−2ポリペプチドの結合を測定するために使用され得る。これらのアッセイは、結合パートナーに対するB7RP−2ポリペプチドの結合の速度および/または程度を増加または減少させるその能力について、試験分子をスクリーニングするために使用され得る。1つのアッセイにおいて、B7RP−2ポリペプチドは、マイクロタイタープレートのウェル中で固定される。次いで、放射標識したB7RP−2ポリペプチド結合パートナー(例えば、ヨウ素化したB7RP−2ポリペプチド結合パートナー)および試験分子は、このウェルに、1つずつ(いずれかの順序で)または同時にのいずれかで添加され得る。インキュベーション後に、このウェルを洗浄し、そしてシンチレーション計数器を使用して、放射活性を計数し、結合パートナーがB7RP−2ポリペプチドに結合する程度を決定する。代表的に、分子は、ある濃度範囲にわたって試験され、そして試験アッセイの1以上のエレメントを欠く一連のコントロールウェルは、結果の評価の正確性のために使用され得る。この方法の代わりは、タンパク質の「位置」を逆にする工程を逆にする工程(すなわち、マイクロタイタープレートウェルに対してB7RP−2ポリペプチド結合パートナーを固定し、試験分子および放射標識したB7RP−2ポリペプチドと共にインキュベートし、そしてB7RP−2ポリペプチド結合の程度を決定する工程)を包含する。例えば、Current Protocols in Molecular Biology、第18章(Ausubelら、編、Green Publishers Inc.and Wiley and Sons 1995)を参照のこと。
放射性標識に対する代替として、B7RP−2ポリペプチドまたはその結合パートナーは、ビオチンと結合体化され得、そしてビオチン化されたタンパク質の存在が、次いで、酵素(例えば、西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)またはアルカリホスファターゼ(AP))(これらは、比色測定的に検出される)に結合したストレプトアビジンを使用して検出され得るか、またはストレプトアビジンの蛍光タグ化によって検出され得る。B7RP−2ポリペプチドまたはB7RP−2ポリペプチド結合パートナーに対する抗体(これは、ビオチンに結合されている)もまた使用されそして、APまたはHRPに連結した酵素連結ストレプトアビジンとのこの複合体のインキュベーションの後に検出され得る。
B7RP−2ポリペプチドまたはB7RP−2ポリペプチド結合パートナーはまた、アガロースビーズ、アクリルビーズ、または他の型のこのような不活性な固相基材への付着によって固定され得る。基材−タンパク質複合体は、相補タンパク質および試験化合物を含む溶液内に配置され得る。インキュベーション後、これらのビーズは、遠心分離によって沈澱され得、そしてB7RP−2ポリペプチドとその結合パートナーとの間の結合の量が、本明細書中に記載の方法を使用して評価され得る。あるいは、基材−タンパク質複合体は、カラム内に固定され得、試験分子および相補タンパク質はカラムを通される。B7RP−2ポリペプチドとその結合パートナーとの間の複合体の形成が、次いで、本明細書中に記載の技術(例えば、放射性標識または抗体結合)のいずれかを使用して評価され得る。
B7RP−2ポリペプチド結合タンパク質とB7RP−2ポリペプチド結合パートナーとの間の複合体の形成を増加または減少させる試験分子を同定するために有用な別のインビトロアッセイは、表面プラズモン共鳴検出器システム(例えば、BIAcoreアッセイシステム(Pharmacia,Piscataway,NJ))である。BIAcoreシステムは、製造業者に指示されるように利用され得る。このアッセイは、本質的に、B7RP−2ポリペプチドまたはB7RP−2ポリペプチド結合パートナーのいずれかの、デキストランコーティングセンサーチップ(これは、検出器中に配置される)への共有結合を含む。次いで、この試験化合物および他の相補タンパク質が、同時にかまたは連続的にかのいずれかで、センサーチップを備えるチャンバーに注入され得る。結合する相補タンパク質の量は、センサーチップのデキストランコート側に物理的に結合する分子の質量の変化に基づいて評価され得、この分子の質量の変化は、検出器システムによって測定され得る。
いくつかの場合において、2つ以上の試験化合物を一緒に、B7RP−2ポリペプチドとB7RP−2ポリペプチド結合パートナーとの間の複合体の形成を増加または減少させるそれらの能力について評価することが所望され得る。これらの場合において、本明細書中に記載のアッセイは、第一の試験化合物と同時にか、またはそれに続いてのいずれかで、このようなさらなる試験化合物を添加することによって容易に改変され得る。このアッセイにおける工程の残りは、本明細書中に記載されるとおりである。
インビトロアッセイ(例えば、本明細書中に記載されるもの)は、B7RP−2ポリペプチドとB7RP−2ポリペプチド結合パートナーとの間の複合体の形成に対する効果について、多数の化合物をスクリーニングするために、有利に使用され得る。これらのアッセイは、ファージディスプレイ、合成ペプチド、および化学合成ライブラリーにおいて生成された化合物をスクリーニングするために、自動化され得る。
B7RP−2ポリペプチドとB7RP−2ポリペプチド結合パートナーとの間の複合体の形成を増加または減少させる化合物はまた、B7RP−2ポリペプチドまたはB7RP−2ポリペプチド結合パートナーのいずれかを発現する細胞および細胞株を使用して、細胞培養物においてスクリーニングされ得る。細胞および細胞株は、任意の哺乳動物から得られ得るが、好ましくは、ヒト、または他の霊長類、イヌまたはげっ歯類の供給源由来である。B7RP−2ポリペプチドの、B7RP−2ポリペプチド結合パートナーを発現する細胞への、その表面での結合は、試験分子の存在下または非存在下で評価され、そして結合の程度が、例えば、B7RP−2ポリペプチド結合パートナーに対するビオチン化抗体を使用するフローサイトメトリーによって決定され得る。細胞培養アッセイは、本明細書中に記載されるタンパク質結合アッセイにおいて、陽性であるとスコア付けされる化合物をさらに評価するために有利に使用され得る。
細胞培養物はまた、薬物候補の影響をスクリーニングするために使用され得る。例えば、薬物候補は、B7RP−2遺伝子の発現を減少または増加させ得る。特定の実施形態において、生成されるB7RP−2ポリペプチドまたはB7RP−2ポリペプチドフラグメントの量は、細胞培養物の薬物候補への曝露の後に測定され得る。特定の実施形態において、細胞培養物に対する薬物候補の実際の影響が検出され得る。例えば、特定の遺伝子の過剰発現は、細胞培養物に対する特定の影響を有し得る。このような場合に、遺伝子の発現を増加または減少させる薬物候補の能力、または細胞培養物に対する特定の影響を予防または阻害するその能力が試験され得る。他の例において、特定の代謝産物(例えば、ポリペプチドのフラグメント)の生成が、疾患または病理的状態を生じ得るか、またはそれらと関連し得る。このような場合、細胞培養物におけるこのような代謝産物の生成を減少する薬物候補の能力が試験され得る。
(内部移行タンパク質)
tatタンパク質配列(HIV由来)が、タンパク質を細胞内に内部移行させるために、使用され得る。例えば、Falwellら、1994、Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.91:664−68を参照のこと。例えば、HIV tatタンパク質の11アミノ酸の配列(Y−G−R−K−K−R−R−Q−R−R−R;配列番号14)(「タンパク質形質導入ドメイン」、またはTAT PDTを称される)は、細胞の細胞質膜および核膜を横切る送達を媒介するとして記載されている。Schwarzeら,1999、Science 285:1569−72;およびNagaharaら,Nat.Med.4:1449−1452(1998)を参照のこと。これらの手順において、FITC構築物(FITC標識されたG−G−G−G−Y−G−R−K−K−R−R−Q−R−R−R;配列番号15)(これは、腹腔内投与後に組織を透過する)が調製され、そしてこのような構築物の細胞への結合が、蛍光活性セルソーティング(FACS)分析によって検出される。tat−β−gal融合タンパク質で処置された細胞は、β−gal活性を示す。注入に続いて、このような構築物の発現が、多くの組織(肝臓、腎臓、肺、心臓および脳組織を含む)において検出され得る。これらの構築物は、細胞に入るためにある程度の変性を受け、そしてそれ自体、細胞内への移入に続いて、再折り畳みを必要とし得ると考えられる。
従って、tatタンパク質配列は、所望のポリペプチドを細胞に内部移入させるために使用され得ることが理解される。例えば、tatタンパク質配列を使用して、B7RP−2アンタゴニスト(例えば、抗B7RP−2選択的結合因子、低分子、可溶性レセプター、またはアンチセンスオリゴヌクレオチド)は、B7RP−2分子の活性を阻害するために、細胞内投与され得る。本明細書中で使用される場合、用語「B7RP−2分子」は、本明細書中に規定されるような、B7RP−2核酸分子およびB7RP−2ポリペプチドの両方をいう。所望ならば、B7RP−2タンパク質自体はまた、これらの手順を使用して、細胞に内部投与され得る。Straus、1999、Science 285:1466−1467をまた参照のこと。
(B7RP−2ポリペプチドを使用する細胞供給源同定)
本発明の特定の実施形態に従って、B7RP−2ポリペプチドに結合する特定の細胞型の供給源を決定し得ることは有用であり得る。例えば、適切な治療を選択する目的として疾患または病理学的状態の期限を決定することは、有用であり得る。特定の実施形態において、B7RP−2ポリペプチドをコードする核酸は、プローブとして使用されて、このようなプローブを用いて細胞の核酸をスクリーニングすることによって、本明細書中に記載される細胞を同定し得る。他の実施形態において、細胞におけるB7RP−2ポリペプチドの存在について試験するために、抗B7RP−2ポリペプチド抗体を使用し得、従って、このような細胞が本明細書中に記載される型の細胞であるかどうかを決定し得る。
(B7RP−2ポリペプチド組成物および投与)
治療組成物は、本発明の範囲内である。このようなB7RP−2ポリペプチド薬学的組成物は、治療有効量のB7RP−2ポリペプチドまたはB7RP−2核酸分子を、投与の様式と適合するように選択された薬学的にまたは生理学的に受容可能な処方薬剤との混合物中に、含み得る。薬学的組成物は、治療有効量の1以上のB7RP−2ポリペプチド選択的結合因子を、投与の様式と適合するように選択された薬学的にまたは生理学的に受容可能な処方薬剤との混合物中に、含み得る。
受容可能な処方物材料は、好ましくは、使用される投薬量および濃度で、レシピエントに対して非毒性である。
薬学的組成物は、例えば、組成物のpH、浸透圧、粘度、清澄性、色、等張性、におい、無菌性、安定性、解離もしくは放出の速度、吸着、または透過を改変、維持または保存するための処方物材料を含み得る。適切な処方物材料としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:アミノ酸(例えば、グリシン、グルタミン、アスパラギン、アルギニン、またはリジン)、抗菌剤、抗酸化剤(例えば、アスコルビン酸、亜硫酸ナトリウム、または亜硫酸水素ナトリウム(sodium hydrogen−sulfite))、緩衝剤(例えば、ホウ酸塩、炭酸水素塩、Tris−HCl、クエン酸塩、リン酸塩、または他の有機酸)、バルク剤(例えば、マンニトールまたはグリシン)、キレート化剤(例えば、エチレンジアミン四酢酸(EDTA))、複合体化剤(例えば、カフェイン、ポリビニルピロリドン、β−シクロデキストリン、またはヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン)、充填剤、単糖類、二糖類、および他の炭水化物(例えば、グルコース、マンノースまたはデキストリン)、タンパク質(例えば、血清アルブミン、ゼラチン、または免疫グロブリン)、着色剤、芳香剤および希釈剤、乳化剤、親水性ポリマー(例えば、ポリビニルピロリドン)、低分子量ポリペプチド、塩形成対イオン(例えば、ナトリウム)、保存剤(例えば、塩化ベンザルコニウム、安息香酸、サリチル酸、チメロサール、フェネチルアルコール、メチルパラベン、プロピルパラベン、クロルヘキシジン(B7RP−2orhexidine)、ソルビン酸、または過酸化水素)、溶媒(例えば、グリセリン、プロピレングリコール、またはポリエチレングリコール)、糖アルコール(例えば、マンニトールまたはソルビトール)、懸濁剤、界面活性剤または湿潤剤(例えば、プルロニック(pluronic);PEG;ソルビタンエステル;ポリソルベート(例えば、ポリソルベート20またはポリソルベート80);トリトン;トロメタミン;レシチン;コレステロールまたはチロキサポール(tyloxapal))、安定性増強剤(例えば、スクロースまたはソルビトール)、張度増強剤(例えば、ハロゲン化アルカリ金属(好ましくは塩化ナトリウムまたは塩化カリウム)、またはマンニトール、ソルビトール)、送達ビヒクル、希釈剤、賦形剤および/または薬学的なアジュバント。Remington’s Pharmaceutical Sciences 第18版,A.R.Gennaro編,Mack Publishing Company 1990を参照のこと。
最適な薬学的組成物は、当業者によって、例えば、意図される投与経路、送達形式、および所望の投薬量に依存して決定される。例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences,前出を参照のこと。このような組成物は、B7RP−2分子の、物理的な状態、安定性、インビボ放出の速度、およびインビボクリアランスの速度に影響し得る。
薬学的組成物における主要なビヒクルまたはキャリアは、自然状態では、水性または非水性のいずれかであり得る。例えば、注入のための適切なビヒクルまたはキャリアは、水、生理食塩水溶液、または人工脳脊髄液であり得、非経口投与のための組成物において一般的な他の材料で補充され得る。中性の緩衝化生理食塩水または血清アルブミンと混合された生理食塩水は、さらなる例示的なビヒクルである。他の例示的な薬学的組成物は、約pH7.0〜8.5のTris緩衝液または約pH4.0〜5.5の酢酸塩緩衝液を含み、これはさらに、ソルビトールまたは適切な置換物を含み得る。本発明の1つの実施形態において、B7RP−2ポリペプチド組成物は、所望の程度の純度を有する選択された組成物を、任意の処方薬剤(Remington’s Pharmaceutical Sciences,前出)と混合することによって、凍結乾燥ケークまたは水溶液の形態で、保存のために調製され得る。さらに、B7RP−2ポリペプチド産物は、スクロースのような適切な賦形剤を使用して凍結乾燥物として処方され得る。
このB7RP−2ポリペプチドの薬学的組成物は、非経口送達のために選択され得る。あるいは、これらの組成物は、吸入または消化管を介する送達(例えば、経口)のために、選択され得る。このような薬学的に受容可能な組成物の調製は、当該分野の技術の範囲内にある。
処方成分が、投与の部位に受容可能な濃度で存在する。例えば、緩衝液は、生理学的pHまたはわずかにより低いpH(典型的に、約5〜約8のpH範囲内)にこの組成物を維持するために使用される。
非経口投与が意図される場合、本発明における使用のための治療組成物は、薬学的に受容可能なビヒクルに所望のB7RP−2分子を含む、発熱物質を含まない非経口的に受容可能な水溶液の形態であり得る。非経口注入のために特に適切なビヒクルは、滅菌蒸留水であり、ここで、B7RP−2分子は、滅菌の等張溶液として処方され、適切に保存される。なお別の調製物は、所望の分子と、薬剤(例えば、注入可能なミクロスフェア、生物腐食性(bio−erodible)粒子、ポリマー化合物(例えば、ポリ乳酸またはポリグリコール酸)、ビーズまたはリポソーム)との処方物を含み得、これは、次いで蓄積注射を介して送達され得る産物の制御放出または持続放出を提供する。ヒアルロン酸もまた使用され得、そしてこれは、循環における持続時間を増進する効果を有し得る。所望の分子の導入のための他の適切な手段は、移植可能な薬物送達デバイスを含む。
1つの実施形態において、薬学的組成物は、吸入のために処方され得る。例えば、B7RP−2ポリペプチドは、吸入のための乾燥粉末として処方され得る。CB7RP−2ポリペプチドまたは核酸分子の吸入溶液はまた、エアロゾル送達のための噴霧剤と共に処方され得る。なお別の実施形態において、溶液は、噴霧され得る。肺投与が、PCT公開番号WO94/20069にさらに記載され、これは化学的に改変されたタンパク質の肺送達を記載する。
特定の処方物が、経口投与され得ることもまた意図される。本発明の1つの実施形態において、このよう様式で投与されるB7RP−2ポリペプチドが、固体投薬形態(例えば、錠剤およびカプセル)の調合において慣用的に使用されるキャリアを伴うか、または伴わず処方され得る。例えば、カプセルは、バイオアベイラビリティーが最大化され、そして前全身的分解(pre−systemic degradation)が最小化される場合に、胃腸管内の時点で処方物の活性部分を放出するように設計され得る。さらなる薬剤が、B7RP−2ポリペプチドの吸収を容易にするために含まれ得る。希釈剤、芳香剤、低融点ワックス、植物油、滑沢剤、懸濁剤、錠剤崩壊剤、および結合剤もまた使用され得る。
別の薬学的組成物は、錠剤の製造に適切な非毒性賦形剤との混合物中に、有効量のB7RP−2ポリペプチドを含み得る。錠剤を滅菌水または別の適切なビヒクルに溶解することによって、溶液が、単位用量形態で調製され得る。適切な賦形剤としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:不活性な希釈剤(例えば、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウムまたは炭酸水素ナトリウム、ラクトース、あるいはリン酸カルシウム);または結合剤(例えば、デンプン、ゼラチンまたはアカシア);あるいは滑沢剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸またはタルク)。
さらなるB7RP−2ポリペプチドの薬学的組成物は、当業者に明らかであり、持続送達処方物または制御送達処方物中にB7RP−2ポリペプチドを含む処方物を含む。種々の他の持続送達手段または制御送達手段(例えば、リポソームキャリア、生物腐食性微粒子あるいは多孔性ビーズおよび蓄積注射)を処方するための技術はまた、当業者に公知である。例えば、PCT/US93/00829(これは、薬学的組成物の送達のための多孔性ポリマー性微粒子の制御放出を記載する)を参照のこと。
徐放性調製物のさらなる例としては、成形された物品の形態(例えば、フィルム、またはマイクロカプセル)の半透過性ポリマーマトリクスを含む。徐放性マトリクスとしては、ポリエステル、ヒドロゲル、ポリラクチド(米国特許第3,773,919号および欧州特許第058481号)、L−グルタミン酸とγエチル−L−グルタメートとのコポリマー(Sidmanら,1983,Biopolymers 22:547−56)、ポリ(2−ヒドロキシエチル−メタクリレート)(Langerら,1981,J.Biomed.Mater.Res.15:167−277およびLanger,1982,Chem.Tech.12:98−105)、エチレンビニルアセテート(Langerら,前出)またはポリ−D(−)−3−ヒドロキシ酪酸(欧州特許第133988号)が挙げられ得る。徐放性組成物はまた、リポソームを含み得、これは、当該分野で公知のいくつかの方法のいずれかによって調製され得る。例えば、Eppsteinら,1985,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 82:3688−92;および欧州特許第036676号、同第088046号、および同第143949号を参照のこと。
インビボ投与のために使用されるB7RP−2の薬学的組成物は、代表的に無菌でなければならない。このことは、滅菌濾過膜を介する濾過によって達成され得る。組成物が、凍結乾燥される場合、この方法を使用する滅菌は、凍結乾燥および再構築の前または後のいずれかで実施され得る。非経口投与のための組成物は、凍結乾燥された形態または溶液で保存され得る。さらに、非経口組成物は、一般に、滅菌アクセスポートを有する容器(例えば、静脈内溶液バッグまたは皮下注射針によって貫通可能なストッパーを有するバイアル)内に配置される。
一旦、薬学的組成物が処方されると、それは、滅菌バイアル中に溶液、懸濁液、ゲル、エマルジョン、固体、または脱水粉末もしくは凍結乾燥粉末として保存され得る。このような処方物は、すぐに使用できる形態または投与の前に再構成を必要とする形態(例えば、凍結乾燥された形態)のいずれかで保存され得る。
特定の実施形態において、本発明は、単一用量投与単位を生成するためのキットに関する。このキットは、各々、乾燥タンパク質を有する第一の容器および水性処方物を有する第二の容器の両方を含み得る。また、本発明の範囲内には、単一および多チャンバーの予め充填されたシリンジ(例えば、液体シリンジおよび分散シリンジ(lyosyringe))を含むキットが含まれる。
治療的に使用されるB7RP−2の薬学的組成物の有効量は、例えば、治療の内容および目的に依存する。当業者は、処置のための適切な投薬レベルが、従って、送達される分子、B7RP−2分子が使用されている指標、投与の経路、および患者のサイズ(体重、体表面、または器官の大きさ)および状態(年齢および全身の健康状態)に、部分的に依存して変化することを理解する。従って、臨床医は、最適な治療効果を得るために、投薬量を力価決定し(titer)、投与経路を改変し得る。代表的な投薬量は、上記の因子に依存して、約0.1μg/kg〜約100mg/kg以上までの範囲であり得る。他の実施形態において、投薬量は、0.1μg/kg〜約100mg/kgまで;または1μg/kg〜約100mg/kgまで;または5μg/kg〜約100mg/kgまでの範囲であり得る。
投薬の頻度は、使用される処方物中でのB7RP−2分子の薬物動態学のパラメーターに依存する。典型的に、臨床家は、所望の効果を達成する投薬量に達するまで組成物を投与する。組成物は、従って、組成物は、経時的な単一用量として、2以上の用量(これは、同量の所望の分子を含んでも、含まなくてもよい)として、あるいは移植デバイスまたはカテーテルを介する連続的な注入として、投与され得る。適切な投薬量のさらなる改良は、当業者によって慣用的になされ、そしてそれらによって慣用的に実施される課題の範囲内である。適切な投薬量は、適切な用量−応答データの使用を介して確認され得る。
薬学的組成物の投与の経路は、以下のような公知の方法と一致する:経口的に;静脈内、腹腔内、脳内(実質内の)、脳室内、筋肉内、眼内、動脈内、門脈内、または病巣内の経路による注入を介する方法;徐放性系による方法;または移植デバイスによる方法。所望される場合、これらの組成物は、ボーラス注射によって投与され得るか、または注入によって連続的に投与され得るか、または移植デバイスによって投与され得る。
あるいは、またはさらに、組成物は、その上に所望の分子が吸収されるかまたはカプセル化された膜、スポンジ、または他の適切な材料の移植を介して局所的に投与され得る。移植デバイスが使用される場合、このデバイスは、任意の適切な組織または器官に移植され得、そして所望の分子の送達は、拡散、時限放出ボーラスまたは連続的な投与を介し得る。
いくつかの場合において、エキソビボ様式において、B7RP−2ポリペプチドの薬学的組成物を使用することが所望され得る。このような例において、患者から取り出された細胞、組織または器官は、B7RP−2ポリペプチドの薬学的組成物に曝露され、その後これらの細胞、組織または器官は続いて患者に移植し戻される。
他の場合において、B7RP−2ポリペプチドは、本明細書中に記載されるような方法を使用して、B7RP−2ポリペプチドを発現および分泌するように遺伝子操作された特定の細胞を移植することによって送達され得る。このような細胞は、動物細胞またはヒト細胞であり得、そして自己、異種(heterologous)、または異種間(xenogeneic)であり得る。必要に応じて、細胞は、不死化され得る。免疫学的応答の機会を減少するために、細胞は、周囲の組織の浸潤を回避するようにカプセル化され得る。カプセル化材料は、典型的に、生体適合性の半透性ポリマーの包囲物または膜であり、これらは、タンパク質産物の放出を可能にするが、患者の免疫系によるかまたは周囲の組織由来の他の有害な因子による細胞の破壊を防止する。
本明細書中に開示されるように、1つ以上のB7RP−2ポリペプチドで単離された細胞集団(例えば、幹細胞、リンパ球、赤血球、軟骨細胞、神経など)を処置することが所望され得る。これは、単離された細胞を、(細胞膜を透過し得る形態で存在する)ポリペプチドに直接曝露することによって達成され得る。
本発明のさらなる実施形態は、治療ポリペプチドのインビトロ産生と、遺伝子治療または細胞治療による治療ポリペプチドの産生および送達との両方のための、細胞および方法(例えば、相同組換えおよび/または他の組換え産生方法)に関する。相同組換えおよび他の組換えの方法を使用して、通常は転写的にサイレントなB7RP−2遺伝子(すなわち、過少発現される遺伝子)を含む細胞を改変し得、これによって、治療有効量のB7RP−2ポリペプチドを発現する細胞を産生し得る。
相同組換えは、転写的に活性な遺伝子における変異を誘導または矯正するように遺伝子を標的化するために元々開発された技術である(Kucherlapti、1989,Prog.in Nucl.Acid Res.& Mol.Biol.,36:301)。この基本的技術は、特定の変異を、哺乳動物ゲノムの特定の領域へ導入するための方法として(Thomasら、1986,Cell,44:419−428;ThomasおよびCapecchi、1987,Cell,51:503−512;Doetschmanら、1988,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.85:8583−8587)、または欠損遺伝子内の特定の変異を矯正するための方法として(Doetschmanら、1987,Nature,330:576−578)開発された。例示的な相同組換え技術は、米国特許第5,272,071号、EP 913051、欧州公開番号第505500号;PCT/US90/07642、国際公開番号 WO 91/09955に記載される。
相同組換えを介して、ゲノム中に挿入されるべきDNA配列は、標的化DNAにこのDNA配列を結合することによって、目的の遺伝子の特定の領域に指向され得る。この標的化DNAは、ゲノムDNA領域に相補的である(相同である)ヌクレオチド配列である。ゲノムの特定の領域に相補的である標的化DNAの小片は、DNA複製プロセスの間に親鎖と接触下に置かれる。共有される相同領域を介して内因性DNAの他の小片とハイブリダイズし、そして従って、組み換わることは、細胞内に挿入されたDNAの一般的な特性である。この相補鎖が、変異または異なる配列またはさらなるヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチドに結合された場合、これもまた、新たに合成された鎖に組換えの結果として組み込まれる。プルーフリーディング機能の結果として、この新たなDNA配列が、テンプレートとして作用することが可能である。このように、この移入されたDNAは、ゲノム内に組み込まれる。
B7RP−2ポリペプチドと相互作用し得るかまたはB7RP−2ポリペプチドの発現を制御し得るDNA領域(例えば、隣接配列)が、標的化DNAのこれらの小片に結合される。例えば、プロモーター/エンハンサーエレメント、サプレッサーまたは外因性転写調節エレメントが、所望のB7RP−2ポリペプチドをコードするDNAの転写に影響を与えるに十分に近位でかつ十分な方向で、その意図される宿主細胞のゲノムに挿入される。制御エレメントは、宿主細胞ゲノム中に存在するDNAの一部を制御する。従って、所望のB7RP−2ポリペプチドの発現は、B7RP−2遺伝子自体をコードするDNAのトランスフェクションによってではなく、むしろDNA調節セグメントと結合された標的化DNA(その目的の内因性遺伝子と相同な領域を含む)の使用によって達成され得、この調節セグメントは、B7RP−2遺伝子の転写について認識可能なシグナルを、その内因性遺伝子配列に提供する。
例示的な方法において、細胞内の所望の標的化された遺伝子(すなわち、所望の内因性の細胞遺伝子)の発現は、少なくとも調節配列、エキソンおよびスプライスドナー部位を含むDNAの導入による、予め選択された部位でのその細胞ゲノムへの相同組換えを介して変更される。これらの成分は、実際には、これらの成分が、新たな転写単位の産生を生じる(ここで、そのDNA構築物中に存在する調節配列、エキソンおよびスプライスドナー部位が、内因性遺伝子に作動的に連結される)このような様式で染色体(ゲノム)DNA中に導入される。染色体DNAへのこれらの成分の導入の結果として、所望の内因性遺伝子の発現が変更される。
本明細書中に記載されるように、変更された遺伝子発現は、得られたときの細胞において通常サイレントな(発現されない)遺伝子を活性化すること(または発現されるのを引き起こすこと)、ならびに得られたときの細胞において生理学的に重要なレベルで発現されない遺伝子の発現を増大させることを包含する。この実施形態はさらに、得られたときの細胞において生じる調節または誘導のパターンとは異なるように調節または誘導のパターンを変更すること、ならびに得られたときの細胞において発現される遺伝子の発現を減少させること(除去することを含む)を包含する。
相同組換えを用いて、細胞の内因性B7RP−2遺伝子からのB7RP−2ポリペプチド産生を増大させ得るかまたは生じさせ得る1つの方法は、第1に、相同組換えを用いて部位特異的組換え系(例えば、Cre/loxP、FLP/FRT)(Sauer、1994,Curr.Opin.Biotechnology,5:521−527;Sauer、1993,Methods Enzymol.,225:890−900)由来の組換え配列を、細胞の内因性ゲノムB7RP−2ポリペプチドコード領域の上流に(すなわち、5’側に)配置することを含む。ゲノムB7RP−2ポリペプチドコード領域のすぐ上流に配置された部位に相同な組換え部位を含むプラスミドは、この改変された細胞株に、適切なリコンビナーゼ酵素により導入される。このリコンビナーゼ酵素は、このプラスミドを、プラスミドの組換え部位を介して、その細胞株におけるゲノムB7RP−2ポリペプチドコード領域のすぐ上流に位置する組換え部位に組み込ませる(BaubonisおよびSauer、1993,Nucleic Acids Res.,21:2025−2029;O’Gormanら,Science、1991,251:1351−1355)。転写を増大させることが公知の任意の隣接配列(例えば、エンハンサー/プロモーター、イントロン、翻訳エンハンサー)は、このプラスミド内に適切に配置された場合に、新たな転写単位または改変された転写単位を作製するような様式で組み込み、この細胞の内因性B7RP−2遺伝子からのデノボB7RP−2ポリペプチド産生または増大したB7RP−2ポリペプチド産生を生じる。
部位特異的な組換え配列がその細胞の内因性ゲノムB7RP−2ポリペプチドコード領域のすぐ上流に配置された細胞株を使用するためのさらなる方法は、相同組換えを使用して、第2の組換え部位を、この細胞株のゲノムの他の箇所に導入することである。次いで、適切なリコンビナーゼ酵素が、この2つの組換え部位の細胞株に導入されて、これが、組換え事象(欠失、逆位および転座)を引き起こす(Sauer,1994,Curr.Opin.Biotechnol.,5:521−27;Sauer,1993,Methods Enzymol.,225:890−900)。この組換え事象は、新たな転写単位または改変された転写単位を作製し、この転写単位が、この細胞の内因性B7RP−2遺伝子からのデノボB7RP−2ポリペプチド産生または増加したB7RP−2ポリペプチド産生を生じる。
細胞の内因性B7RP−2遺伝子からのB7RP−2ポリペプチドの発現を増加させるかまたは引き起こすためのさらなるアプローチは、細胞の内因性B7RP−2遺伝子からのデノボB7RP−2ポリペプチド産生または増加したB7RP−2ポリペプチド産生を生じる様式で、ある遺伝子(例えば、転写因子)の発現を増加させるかもしくは引き起こすこと、および/またはある遺伝子(例えば、転写リプレッサー)の発現を減少させることを包含する。この方法は、細胞の内因性B7RP−2遺伝子からのデノボB7RP−2ポリペプチド産生または増加したB7RP−2ポリペプチド産生が生じるように、天然には存在しないポリペプチド(例えば、転写因子ドメインに融合した部位特異的DNA結合ドメインを含むポリペプチド)をその細胞に導入することを包含する。
本発明は、さらに、標的遺伝子の発現を変化させる方法において有用なDNA構築物に関する。特定の実施形態において、例示的なDNA構築物は、以下を含む:(a)1つ以上の標的化配列;(b)調節配列;(c)エキソン;および(d)不対(unpaired)スプライスドナー部位。このDNA構築物における標的化配列は、細胞中の標的遺伝子へのエレメント(a)〜(d)の取り込みを、エレメント(b)〜(d)がその内因性標的遺伝子の配列に作動可能に連結されるように、指向する。別の実施形態においては、DNA構築物は、以下を含む:(a)1つ以上の標的化配列、(b)調節配列、(c)エキソン、(d)スプライスドナー部位、(e)イントロン、および(f)スプライスアクセプター部位;ここで、この標的化配列は、エレメント(a)〜(f)の取り込みを、(b)〜(f)のエレメントが内因性遺伝子に作動可能に連結されるように、指向する。この標的化配列は、相同組換えが生じる細胞染色体DNAにおける所定の部位に相同である。この構築物において、エキソンは、一般に、調節配列の3’側であり、そしてスプライスドナー部位は、エキソンの3’側である。
特定の遺伝子の配列(例えば、本明細書中に提示されるB7RP−2ポリペプチドの核酸配列)が既知である場合には、この遺伝子の選択された領域に相補的なDNA小片は、合成され得るか、またはさもなければ、例えば、その目的の領域に結合する特異的な認識部位でのネイティブDNAの適切な制限処理によって得られ得る。この小片は、細胞への導入時に標的化配列として作用し、そしてゲノム内のその相同領域とハイブリダイズする。このハイブリダイゼーションがDNA複製の間に起こる場合、このDNA小片およびこのDNA小片に結合した任意のさらなる配列は、岡崎フラグメントとして作用し、そして新たに合成されたDNAの娘鎖に組み込まれる。従って、本発明は、B7RP−2ポリペプチドをコードするヌクレオチドを包含し、このヌクレオチドは、標的化配列として使用され得る。
B7RP−2ポリペプチド細胞治療(例えば、B7RP−2ポリペプチドを産生する細胞の移植)もまた意図される。この実施形態は、生物学的に活性な形態のB7RP−2ポリペプチドを合成および分泌し得る細胞を移植することを包含する。このようなB7RP−2ポリペプチド産生細胞は、B7RP−2ポリペプチドの天然の産生体である細胞であり得るか、または所望のB7RP−2ポリペプチドをコードする遺伝子もしくはB7RP−2ポリペプチドの発現を増強する遺伝子で形質転換することによってそのB7RP−2ポリペプチドを産生する能力が増強された、組換え細胞であり得る。このような改変は、その遺伝子を送達するため、ならびにその発現および分泌を促進するために適したベクターによって、達成され得る。B7RP−2ポリペプチドを投与される患者において、外来種のポリペプチドの投与によって生じ得るような潜在的な免疫学的反応を最小化するためには、B7RP−2ポリペプチドを産生する天然の細胞がヒト起源であり、かつヒトB7RP−2ポリペプチドを産生することが、好ましい。同様に、B7RP−2ポリペプチドを産生する組換え細胞が、ヒトB7RP−2ポリペプチドをコードする遺伝子を含む発現ベクターで形質転換されることが好ましい。
移植される細胞は、周囲の組織の浸潤を回避するために、カプセル化され得る。ヒトまたは非ヒト動物の細胞は、B7RP−2ポリペプチドの放出を可能にするが患者の免疫系によるかまたは周囲の組織からの他の有害な因子による細胞の破壊を防止する、生体適合性の半透過性のポリマー包皮または膜内で、患者に移植され得る。あるいは、B7RP−2ポリペプチドを産生するようエキソビボで形質転換された患者自身の細胞が、このようなカプセル化なしに、患者に直接移植され得る。
生存細胞をカプセル化するための技術は、当該分野において公知であり、そしてカプセル化された細胞の調製およびこれらの患者への移植は、慣例的に達成され得る。例えば、Baetgeら(PCT公開番号WO95/05452およびPCT/US94/09299)は、生物学的に活性な分子の効果的な送達のための、遺伝子操作された細胞を含む膜カプセルを記載する。これらのカプセルは生体適合性であり、そして容易に回収可能である。これらのカプセルは、プロモーターに作動可能に連結された生物学的に活性な分子をコードするDNA配列を含む組換えDNA分子でトランスフェクトされた細胞をカプセル化し、これらの細胞は、哺乳動物宿主への移植の際に、インビボでのダウンレギュレーションに供されない。このデバイスは、生存細胞からレシピエント内の特異的な部位への分子の送達を提供する。さらに、米国特許第4,892,538号、同第5,011,472号、および同第5,106,627号を参照のこと。生存細胞をカプセル化するための系は、PCT公開番号WO91/10425(Aebischerら)に記載されている。PCT公開番号WO91/10470(Aebischerら);Winnら、1991、Exper.Neurol.113:322−329;Aebischerら、1991、Exper.Neurol.111:269−275;およびTrescoら、1992、ASAIO 38:17−23もまた参照のこと。
B7RP−2ポリペプチドのインビボおよびインビトロ遺伝子治療送達もまた想定される。遺伝子治療技術の1つの例は、構成的プロモーターまたは誘導性プロモーターに作動可能に連結され得るB7RP−2ポリペプチドをコードするB7RP−2遺伝子(ゲノムDNA、cDNA、および/または合成DNAのいずれか)を使用して、「遺伝子治療DNA構築物」を形成することである。このプロモーターは、内因性B7RP−2遺伝子に対して同種であっても異種であってもよいが、但し、この構築物が挿入される細胞または組織型において、このプロモーターは、活性である。遺伝子治療DNA構築物の他の成分は、必要に応じて、部位特異的組み込みのために設計されたDNA分子(例えば、相同組換えのために有用な内因性配列)、組織特異的なプロモーター、エンハンサーまたはサイレンサー、親細胞より優れた選択的利点を提供し得るDNA分子、形質転換された細胞を同定するための標識として有用なDNA分子、ネガティブ選択系、細胞特異的結合因子(例えば、細胞標的化のため)、細胞特異的インターナリゼーション因子、ベクターによる発現を増強するための転写因子、およびベクターの産生を可能にする因子を含み得る。
次いで、遺伝子治療DNA構築物は、ウイルスベクターまたは非ウイルスベクターを使用して、細胞に(エキソビボまたはインビボでのいずれかで)導入され得る。遺伝子治療DNA構築物を導入するための1つの手段は、本明細書中に記載されるようなウイルスベクターによる手段である。特定のベクター(例えば、レトロウイルスベクター)は、DNA構築物を細胞の染色体DNAに送達し、そしてこの遺伝子は、染色体DNAに組み込まれ得る。他のベクターは、エピソームとして機能し、そして遺伝子治療DNA構築物は、細胞質内に残る。
なお別の実施形態において、調節エレメントが、標的細胞におけるB7RP−2遺伝子の制御された発現のために含まれ得る。このようなエレメントは、適切なエフェクターに対する応答の際に、オンにされる。この様式で、治療ポリペプチドは、所望のときに発現され得る。1つの従来の制御手段は、小分子結合ドメインおよび生物学的プロセスを開始し得るドメインを含むキメラタンパク質(例えば、DNA結合タンパク質または転写活性化タンパク質)を二量体化するために使用される、小分子二量体化剤またはラパログ(rapalog)(PCT国際公開番号WO96/41865、WO97/31898およびWO97/31899を参照のこと)の使用を包含する。このタンパク質の二量体化を使用して、導入遺伝子の転写を開始し得る。このタンパク質の二量化は、導入遺伝子の転写を開始するために使用され得る。
代替の調節技術は、目的の遺伝子から発現されたタンパク質を、その細胞の内側で凝集体またはクラスターとして貯蔵する方法を使用する。目的の遺伝子は、融合タンパク質として発現され、この融合タンパク質は、条件的凝集ドメインを含み、このドメインは、小胞体内での凝集したタンパク質の保持を生じる。貯蔵されたタンパク質は、細胞内で安定でありそして不活性である。しかし、これらのタンパク質は、条件的凝集ドメインを除去し、これによってこの凝集体またはクラスターを特異的に破壊する薬物(例えば、低分子リガンド)を投与することによって、放出され得、その結果、これらのタンパク質は、その細胞から分泌され得る。Aridorら、2000,Science 287:816−817およびRiveraら、2000,Science 287:826−830を参照のこと。
他の適切な制御手段または遺伝子スイッチとしては、本明細書中に記載される系が挙げられるが、これらに限定されない。ミフェプリストン(RU486)が、プロゲステロンアンタゴニストとして使用される。プロゲステロンアンタゴニストに対する、改変されたプロゲステロンレセプターリガンド結合ドメインの結合は、2つの転写因子の二量体の形成し、次いで、これらの転写因子が、核を通ってDNAに結合することによって、転写を活性化する。このリガンド結合ドメインは、そのレセプターがその天然のリガンドに結合する能力を排除するよう改変される。改変されたステロイドホルモンレセプター系は、米国特許第5,364,791号;ならびにPCT公開番号WO96/40911およびWO97/10337に、さらに記載されている。
なお別の制御系は、エクジソン(ショウジョウバエのステロイドホルモン)を使用し、これは、エクジソンレセプター(細胞質レセプター)に結合し、そしてこのレセプターを活性化する。次いで、このレセプターは、核に転移して、特定のDNA応答エレメント(エクジソン応答性遺伝子由来のプロモーター)を結合する。エクジソンレセプターは、転写を開始するための、トランス活性化ドメイン/DNA結合ドメイン/リガンド結合ドメインを含む。エクジソン系は、米国特許第5,514,578号、ならびにPCT公開番号WO97/38117、WO96/37609、およびWO93/03162にさらに記載されている。
別の制御手段は、ポジティブなテトラサイクリン制御可能トランスアクチベーターを使用する。この系は、転写を活性化させるポリペプチドに連結された、変異tetリプレッサータンパク質DNA結合ドメイン(逆テトラサイクリン調節トランスアクチベータータンパク質(すなわち、これは、テトラサイクリンの存在下で、tetオペレーターに結合する)を生じる変異tet R−4アミノ酸変化)を含む。このような系は、米国特許第5,464,758号、同第5,650,298号、および同第5,654,168号に記載されている。
さらなる発現制御系および核酸構築物は、Innovir Laboratories Inc.に対する米国特許第5,741,679号および同第5,834,186号に記載されている。
インビボ遺伝子治療は、B7RP−2ポリペプチドをコードする遺伝子を、B7RP−2核酸分子の局所的注射を介してかまたは他の適切なウイルス送達ベクターもしくは非ウイルス送達ベクターによって、細胞に導入することにより達成され得る。Hefti、1994,Neurobiology,25:1418−1435。例えば、B7RP−2ポリペプチドをコードする核酸分子は、標的化された細胞への送達のために、アデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターに含まれ得る(例えば、Johnson,国際公開番号WO95/34670;および国際出願番号PCT/US95/07178)。組換えAAVゲノムは、代表的に、機能的プロモーターおよびポリアデニル化配列に作動可能に連結されたB7RP−2ポリペプチドをコードするDNA配列に隣接する、AAV逆方向末端反復を含む。
代替の適切なウイルスベクターとしては、レトロウイルスベクター、アデノウイルスベクター、単純ヘルペスウイルスベクター、レンチウイルスベクター、肝炎ウイルスベクター、パルボウイルスベクター、パポバウイルスベクター、ポックスウイルスベクター、アルファウイルスベクター、コロナウイルスベクター、ラブドウイルスベクター、パラミクソウイルスベクター、およびパピローマウイルスベクターが挙げられるが、これらに限定されない。米国特許第5,672,344号は、組換え神経栄養性HSV−1ベクターを含む、インビボウイルス媒介遺伝子移入系を記載する。米国特許第5,399,346号は、治療タンパク質をコードするDNAセグメントを挿入するようインビトロで処理されたヒト細胞の送達による、患者に治療タンパク質を提供するためのプロセスの例を、提供する。遺伝子治療技術の実施のためのさらなる方法および材料は、米国特許第5,631,236号(アデノウイルスベクターを含む);米国特許第5,672,510号(レトロウイルスベクターを含む);および米国特許第5,635,399号(サイトカインを発現するレトロウイルスベクターを含む)に記載されている。
非ウイルス送達方法としては、リポソーム媒介移入、裸のDNA送達(直接注入)、レセプター媒介移入(リガンド−DNA複合体)、エレクトロポレーション、リン酸カルシウム沈降、および微粒子ボンバードメント(例えば、遺伝子銃)が挙げられるが、これらに限定されない。遺伝子治療の材料および方法としてはまた、誘導性プロモーター、組織特異的エンハンサー−プロモーター、部位特異的組み込みのために設計されたDNA配列、親細胞より優れた選択的利点を提供し得るDNA配列、形質転換された細胞を同定するための標識、ネガティブ選択系および発現制御系(安全性の尺度)、細胞特異的結合因子(細胞標的化のため)、細胞特異的インターナリゼーション因子、およびベクターによる発現を増強するための転写因子、ならびにベクター作製の方法が挙げられ得る。遺伝子治療技術の実施のための、このようなさらなる方法および材料は、米国特許第4,970,154号(エレクトロポレーション技術を含む);米国特許第5,679,559号(遺伝子送達のためのリポタンパク質含有系を記載する);米国特許第5,676,954号(リポソームキャリアを含む);米国特許第5,593,875号(リン酸カルシウムトランスフェクションのための方法を記載する);および米国特許第4,945,050号(生物学的に活性な粒子が、細胞において、この粒子がこの細胞の表面を貫通しそしてこの細胞の内側に取り込まれる速度で推進されるプロセス、を記載する)、ならびにWO96/40958(核リガンドを含む)に記載されている。
B7RP−2遺伝子治療または細胞治療が、同じまたは異なる細胞における1つ以上のさらなるポリペプチドの送達をさらに含み得ることがまた意図される。このような細胞は、患者に別々に導入され得るか、またはこれらの細胞は、単一の移植可能なデバイス(例えば、上記のカプセル化膜)内に含まれ得るか、または細胞は、ウイルスベクターによって別々に改変され得る。
遺伝子治療を介して細胞における内因性B7RP−2ポリペプチド発現を増加させるための手段は、1つ以上のエンハンサーエレメントをB7RP−2ポリペプチドプロモーターに挿入することであり、ここで、このエンハンサーエレメントは、B7RP−2遺伝子の転写活性を増加させるよう作用し得る。使用されるエンハンサーエレメントは、遺伝子を活性化することが所望される組織に基づいて選択される;この組織においてプロモーター活性化を与えることが公知であるエンハンサーエレメントが、選択される。例えば、B7RP−2ポリペプチドをコードする遺伝子がT細胞において「オンにされる」場合には、lckプロモーターエンハンサーエレメントが使用され得る。ここで、付加される転写エレメントの機能性部分は、標準的なクローニング技術を使用して、B7RP−2ポリペプチドプロモーターを含むDNAのフラグメントに挿入され得る(そして必要に応じて、ベクターおよび/または5’および/または3’隣接配列などに挿入され得る)。次いで、この構築物(「相同組換え構築物」として公知)が、エキソビボでかまたはインビボでのいずれかで、所望の細胞に導入され得る。
遺伝子治療はまた、内因性プロモーターのヌクレオチド配列を改変することによって、B7RP−2ポリペプチド発現を減少させるために、使用され得る。このような改変は、代表的に、相同組換え法を介して達成される。例えば、不活化について選択されたB7RP−2遺伝子のプロモーターの全てまたは一部を含むDNA分子は、転写を調節するプロモーター片を除去および/または置換するように、操作され得る。例えば、プロモーターの転写アクチベーターのTATAボックスおよび/または結合部位が、標準的な分子生物学の技術を使用して、欠失され得る;このような欠失は、プロモーター活性を阻害し得、これによって、対応するB7RP−2遺伝子の転写を抑制する。プロモーターにおけるTATAボックスまたは転写アクチベーター結合部位の欠失は、(調節されるB7RP−2遺伝子と同じ種かまたは関連する種由来の)B7RP−2ポリペプチドプロモーターの全てまたは関連する部分を含むDNA構築物を生成することによって達成され得、ここで、1つ以上のTATAボックスおよび/または転写アクチベーター結合部位のヌクレオチドが、1つ以上のヌクレオチドの置換、欠失および/または挿入を介して変異される。結果として、TATAボックスおよび/またはアクチベーター結合部位は、活性が減少されているか、または完全に不活性にされている。この構築物はまた、代表的に、その改変されたプロモーターセグメントに隣接するネイティブな(内因性の)5’および3’DNA配列に対応する、少なくとも約500塩基のDNAを含む。この構築物は、直接的にかまたは本明細書中に記載されるようなウイルスベクターを介して、適切な細胞に(エキソビボでかまたはインビボでかのいずれかで)導入され得る。代表的に、細胞のゲノムDNAへのこの構築物の組み込みは、相同組換えを介し、ここで、このプロモーター構築物における5’および3’DNA配列は、ハイブリダイゼーションを介するその内因性染色体DNAへの改変されたプロモーター領域の組み込みを補助するよう作用し得る。
(治療的使用)
本発明のB7RP−2核酸分子、ポリペプチド、ならびにアゴニストおよびアンタゴニストは、多くの疾患、障害または状態(本明細書中に列挙されるものを含む)を、処置、診断、寛解または予防するために使用され得る。
B7RP−2ポリペプチドのアゴニストまたはアンタゴニストとしては、B7RP−2ポリペプチドの活性を調節するか、または少なくとも1つのB7RP−2ポリペプチドの成熟形態の生物学的活性を、増強または減少させるかのいずれかである、分子が挙げられる。アゴニストまたはアンタゴニストは、B7RP−2ポリペプチドと相互作用してその活性を調節するタンパク質、ポリペプチド、炭水化物、脂質、または低分子量分子のような補因子であり得る。潜在的タンパク質アンタゴニストまたはアンタゴニストは、このタンパク質の細胞外ドメインの一部または全てを含むB7RP−2の可溶化形態または膜に結合した形態のいずれかと反応する抗体を含む。B7RP−2ポリペプチド発現を調節する分子は、代表的に、発現のアンチセンス調節因子として作用し得るB7RP−2ポリヌクレオチドをコードする核酸を含む。
骨組織は、コラーゲンマトリクスおよび非コラーゲンタンパク質、鉱物(主にカルシウムおよびリン)、ならびに細胞からなる。骨に見出される3つの型の細胞(骨細胞、骨芽細胞、および破骨細胞)は、骨が断続的に形成されかつ吸収されることによる劇的なプロセスに関する。骨芽細胞は、骨組織の形成を誘導する一方、破骨細胞は、吸収に関する。骨マトリックスおよび鉱物の吸収、または分解は、骨形成に比べて速くかつ効率的なプロセスであり、そして多量の鉱物を骨から放出する。破骨細胞は、骨格組織の正常な再モデル化の調節、およびホルモンによって誘導される吸収に関する。例えば、吸収は、細胞外液におけるカルシウムイオンの濃度の減少に応じた副甲状腺ホルモンの分泌によって刺激される。対照的に、吸収の阻害は、カルシトニンの主要な機能である。さらに、ビタミンDの代謝物は、副甲状腺ホルモンおよびカルシトニンに対する骨の応答性を変更する。
骨格の成熟に伴って、骨格における骨量は、骨形成および骨吸収のバランス(またはアンバランス)を反映する。ピーク骨量は、40歳になる前の骨格成熟後に生じる。40歳と50歳との間に、この均衡はシフトし、そして骨吸収は、優位になる。年齢とともに進行する骨量の誘因可能な減少は、男性よりも女性において早く開始し、そしていくつかの女性において(主に、CaucasianおよびAsianの家系)、閉経後に顕著に加速される。
骨減少症は、骨量の平均レベル以下への任意の減少に一般に関する状態である。このような状態は、骨合成の割合における減少、または骨崩壊の割合における増加、あるいはこれらの両方より生じ得る。最も一般的な形態の骨減少症は、主に骨粗しょう症である。これは、閉経後の骨粗しょう症および老衰性骨粗しょう症の場合にもいう。この形態の骨粗しょう症は、年齢に伴う一連の骨の一般的な消失であり、そして通常は骨形成の正常な割合を有する骨吸収における増加の結果である。米国における全ての白人女性の約25〜30%は、徴候的骨粗しょう症を発達する。直接の関係は、骨粗しょう症と、45歳以上の女性における尻、大腿部、頸部、および転子間骨折(inter−trochanteric fracture)の発生率との間に存在する。老齢の男性は、50歳と70歳との間の年齢で徴候的骨粗しょう症を発達するが、この疾患は主に女性に影響する。
閉経後および老年性の骨粗鬆症の原因は、未知である。この状態に寄与し得るいくつかの因子が同定されている。これらは、加齢に伴うホルモンレベルの変化、ならびにカルシウムおよび他のミネラルの腸管吸収低下に起因する不適切なカルシウム消耗が挙げられる。処置としては、普通、進行の遅滞を目的とする、ホルモン治療または食事補給が挙げられる。しかし、今日まで、骨損失に対する有効な処置は存在しない。
本発明のB7RP−2核酸分子、B7RP−2ポリペプチド、ならびにB7RP−2アゴニストおよびB7RP−2アンタゴニストを使用して、骨疾患および骨障害(例えば、正味の骨量減少(例えば、骨減少または骨溶解)によって特徴付けられる疾患または障害)を処置、診断、緩和または予防し得る。例えば、B7RP−2ポリペプチドを使用して、骨の再吸収速度を抑制し得る。この様式では、個体をB7RP−2ポリペプチドを用いて処置して、再吸収速度が正常よりも高い場合の骨の再吸収速度を低下させ得、または正常レベル未満の骨形成を代償するために骨再吸収を正常レベル未満に低減させ得る。
本発明のB7RP−2核酸分子、B7RP−2ポリペプチド、ならびにB7RP−2アゴニストおよびB7RP−2アンタゴニストを用いて処置可能である状態としては、以下が挙げられる:骨粗鬆症(例えば、原発性骨粗鬆症、内分泌性骨粗鬆症(甲状腺機能亢進、副甲状腺機能亢進(hyperparathryoidism)、クッシング症候群および末端肥大症)、遺伝性形態および先天性形態の骨粗鬆症(骨形成不全、ホモシスチン尿症、メンケズ症候群およびライリー−デイ症候群)ならびに四肢の不動化に起因する骨粗鬆症);成人および若年における骨のパジェット病(変形性骨炎);骨の損失をもたらす、骨髄炎または骨の感染性損傷;固形腫瘍(胸部、肺および腎臓)および血液の悪性疾患(多発性骨髄腫、リンパ腫および白血病)から生じる高カルシウム血症、特発性高カルシウム血症ならびに甲状腺機能亢進および腎臓機能障害に関連した高カルシウム血症;ステロイド投与によって誘発され、そして小腸および大腸の障害ならびに慢性の肝臓疾患および腎臓疾患と関連する、手術後の骨減少症;ゴシェ病、鎌状赤血球貧血、全身性エリテマトーデス、慢性関節リウマチ、歯周疾患、骨溶解性転移および他の状態に関連した外傷性損傷または非外傷性壊死に関連した、骨壊死(すなわち、骨細胞死)。他の骨疾患および骨障害が、本発明の範囲内に含まれる。
本発明のB7RP−2核酸分子、B7RP−2ポリペプチド、ならびにB7RP−2アゴニストおよびB7RP−2アンタゴニストを使用して、T細胞機能(例えば、T細胞レセプターのおとり(デコイ)としての機能)と関連する疾患を、処置、診断、緩和または予防し得る。例えば、抗体、細胞外ドメインを含有する可溶性タンパク質、またはT細胞活性化の長期化または増強を生じるB7RP−2ポリペプチドの他の制御因子を使用して、腫瘍に対する免疫応答を増加し得る。
本発明のB7RP−2核酸分子、B7RP−2ポリペプチド、ならびにB7RP−2アゴニストおよびB7RP−2アンタゴニストを、自己免疫疾患、移植片の生存、腫瘍細胞増殖を阻害するための免疫細胞活性化、T細胞依存的なB細胞媒介性疾患、および癌遺伝子免疫治療の処置において使用し得る。1つの実施形態において、B7RP−2ポリペプチド機能のアゴニストもしくはアンタゴニスト、可溶性B7RP−2ポリペプチド、またはB7RP−2ポリペプチド誘導体は、慢性の免疫細胞機能不全を伴う疾患の症状を緩和するのに有益であり得る。自己免疫疾患(例えば、全身性エリテマトーデス、慢性関節リウマチ、変形性関節症、免疫性血小板減少性紫斑病(IPT)、および乾癬)を、B7RP−2ポリペプチド機能のアゴニストもしくはアンタゴニスト、可溶性B7RP−2ポリペプチド、またはB7RP−2ポリペプチド誘導体を用いて処置し得る。さらに、慢性炎症疾患(例えば、炎症性腸疾患(クローン病および潰瘍性大腸)、グレーヴズ病、橋本甲状腺炎、および真性糖尿病)を、また、B7RP−2ポリペプチド機能のアゴニストもしくはアンタゴニスト、可溶性B7RP−2ポリペプチド、またはB7RP−2ポリペプチド誘導体を用いて処置し得る。
B7RP−2ポリペプチド機能のアゴニストもしくはアンタゴニスト、可溶性B7RP−2ポリペプチド、またはB7RP−2ポリペプチド誘導体を、骨髄移植および器官移植のための免疫抑制剤として使用し得、そして移植片の生存を長期化するために使用し得る。このような、B7RP−2ポリペプチド機能のアゴニストもしくはアンタゴニスト、可溶性B7RP−2ポリペプチド、またはB7RP−2ポリペプチド誘導体は、既存の処置以上に重要な有意性を提供し得る。骨髄移植治療および器官移植治療は、宿主により、外来性の細胞および組織のT細胞媒介性拒絶に対処しなければならない。T細胞媒介性拒絶を阻害するための現在の治療レジメンは、薬物シクロスポリンまたはFK506を用いる処置を包含する。薬物が有効であっても、患者は、肝毒性、腎毒性および神経毒性を含む、重篤な副作用に苦しむ。治療剤のシクロスポリン/FK506のクラスの標的は、遍在性発現を有するホスファターゼである、カルシニュリンである。B7RP−2ポリペプチド機能のアゴニストもしくはアンタゴニスト、可溶性B7RP−2ポリペプチド、またはB7RP−2ポリペプチド誘導体は、現在の免疫治療剤の使用で観察される重篤な副作用を、欠き得る。B7RP−2ポリペプチド機能のアゴニストもしくはアンタゴニスト、可溶性B7RP−2ポリペプチド、またはB7RP−2ポリペプチド誘導体を、自己免疫障害(例えば、慢性関節リウマチ、変形性関節症、多発性硬化症、糖尿病および全身性エリテマトーデス)に対する免疫抑制剤として使用し得る。また、B7RP−2ポリペプチド機能のアゴニストもしくはアンタゴニスト、可溶性B7RP−2ポリペプチド、またはB7RP−2ポリペプチド誘導体を使用して、トキシックショック症候群、炎症性腸疾患、輸血に起因する同種感作、T細胞依存的なB細胞媒介性疾患、および宿主の疾患に対する移植片の処置を緩和し得る。
本発明のB7RP−2遺伝子を使用する遺伝子治療を、癌免疫治療において使用し得る。癌細胞中に導入されたB7RP−2遺伝子は、これら癌細胞を抗原提示細胞へと形質転換し得、そしてこれら細胞は動物中に戻された場合に免疫系のT細胞によって認識され得る。トランスフェクトされた腫瘍細胞のT細胞による認識は、B7RP−2遺伝子を発現する腫瘍および発現しない腫瘍の根絶を生じる。この免疫治療アプローチは、種々の白血病、肉腫、黒色腫、腺癌、乳癌、前立腺腫瘍、肺癌、結腸癌、または他の腫瘍に対して使用される。本発明は、同様の様式でB7RP−2遺伝子を使用して種々の腫瘍に応答してT細胞活性化を増強させる工程を包含する。
例えば、多くのワクチンは、有効かつ特異的な抗体応答を誘発することによって作用する。いくつかのワクチン、特に腸内微生物(例えば、A型肝炎ウイルスおよびSalmonella)に対するワクチンは、短期間の抗体応答を誘発する。この応答を増強しそして持続させて、ワクチンの有効性を増加させることが望ましい。従って、可溶性B7RP−2ポリペプチドは、ワクチンのアジュバントとして役立ち得る。
対照的に、B7RP−2はネガティブな免疫制御機能を有し得るので、抗体、低分子、ペプチボディ(peptibody)またはB7RP−2機能の他のアンタゴニストを用いたB7RP−2活性の阻害は、免疫増強および抗腫瘍活性を生じ得る。
また、抗腫瘍応答を、B7RP−2ポリペプチド経路のアクチベーターまたはアゴニストによって増強し得る。B7RP−2ポリペプチドアンタゴニストによる細胞免疫機能の増強はまた、ウイルス感染細胞の除去において有益であり得る。補完的な様式で、B7RP−2ポリペプチドアンタゴニストはまた、抗体媒介性応答を増強し得、そして生体から遊離ウイルスを取り除く(clear)のを援助するように機能し得る、ホルモン性免疫機能に対する効果を有し得る。
対照的に、抗体産生を阻害することによって緩和される、多くの臨床状態が存在する。過敏症は、過剰または不適切である通常は有益な免疫応答であり、そして炎症反応および組織損傷を導く。抗体媒介性である過敏症反応は、B7RP−2ポリペプチド機能のアゴニスト、可溶性B7RP−2ポリペプチド、またはB7RP−2ポリペプチド誘導体による拮抗作用に特に敏感であり得る。アレルギー、枯草熱、喘息および急性浮腫は、I型過敏性反応を引き起こし、そしてこれらの反応は、B7RP−2ポリペプチド機能のアゴニスト、可溶性B7RP−2ポリペプチド、またはB7RP−2ポリペプチド誘導体により抑制され得る。
抗体媒介性の過敏症反応を引き起こす疾患としては以下が挙げられ、これらを、B7RP−2ポリペプチド機能のアゴニスト、可溶性B7RP−2ポリペプチド、またはB7RP−2ポリペプチド誘導体を用いて処置し得る:全身性エリテマトーデス、関節炎(慢性関節リウマチ、反応性関節炎(reactive arthritis)および変形性関節症)、腎症(糸球体腎炎、膜性糸球体腎炎、膜性増殖性糸球体腎炎、巣状分節状糸球体硬化症、巣状壊死性(focal necrotizing)腎炎、半月形腎炎および増殖性細管障害(proliferative tubulopathy)腎炎)、皮膚障害(天疱瘡、天疱瘡様および結節性紅斑)、内分泌障害(甲状腺炎、グレーヴズ病、橋本病、インスリン依存性真性糖尿病)、種々の肺性障害(pneumopathy)(特に外因性肺胞炎)、種々の血管症、セリアック病、IgAの異常産生、多くの貧血および血小板減少症、ギヤン−バレー症候群、および重症筋無力症。
さらに、リンパ球増殖性障害(例えば、多発性骨髄腫、ヴァルデンストレームマクログロブリン血症およびクリオグロブリン血症)を、B7RP−2ポリペプチド機能のアゴニスト、可溶性B7RP−2ポリペプチド、またはB7RP−2ポリペプチド誘導体により阻害し得る。最終的に、「人工の免疫障害」である宿主疾患に対する移植片は、B7RP−2ポリペプチド機能のアゴニスト、可溶性B7RP−2ポリペプチド、またはB7RP−2ポリペプチド誘導体による抗体産生阻害から利益を受け得る。
B7RP−2ポリペプチド機能のアゴニストまたはアンタゴニストは、処置される状態に適切である場合、1つ以上のサイトカイン、増殖因子、抗生物質、抗炎症剤および/または化学療法剤と(同時にかまたは連続的に)併用して使用され得る。
望まれないレベルのB7RP−2ポリペプチドによるか、またはこれに媒介される他の疾患は、本発明の範囲内に包含される。望まれないレベルは、過剰なレベルのB7RP−2ポリペプチド、および正常以下(sub−normal)のレベルのB7RP−2ポリペプチドを含む。
(B7RP−2核酸およびポリペプチドの使用)
本発明の核酸分子(それ自体は生物学的に活性なポリペプチドをコードしない核酸分子を含む)を使用して、染色体上のB7RP−2遺伝子および関連遺伝子の位置をマッピングし得る。マッピングは、当該分野で公知の技術(例えば、PCR増幅およびインサイチュハイブリダイゼーション)によってなされ得る。
B7RP−2核酸分子(それ自体は生物学的に活性なポリペプチドをコードしない核酸分子を含む)は、哺乳動物組織サンプルまたは体液サンプル中のB7RP−2核酸分子の存在について、定性的または定量的のどちらかで試験するための診断アッセイにおける、ハイブリダイゼーションプローブとして有用であり得る。
また、1つ以上のB7RP−2ポリペプチドの活性を阻害することが所望される場合に他の方法を使用し得る。このような阻害は、発現制御配列(3重鎖を形成する)かまたはB7RP−2 mRNAに相補的でありそしてそれにハイブリダイズする核酸分子によって、もたらされ得る。例えば、B7RP−2遺伝子の少なくとも一部に相補的である配列を有する、アンチセンスDNA分子またはアンチセンスRNA分子は、細胞中に導入され得る。アンチセンスプローブは、本明細書中に開示されるB7RP−2遺伝子の配列を使用する利用可能な技術によって設計され得る。代表的に、このようなアンチセンス分子の各々は、選択されたB7RP−2遺伝子の各々の開始部位(5’末端)に相補的である。次いで、アンチセンス分子が対応するB7RP−2 mRNAとハイブリダイズする場合、このmRNAの翻訳を防止するかまたは低下させる。アンチセンスインヒビターは、細胞内または生物内でのB7RP−2ポリペプチドの減少か、またはB7RP−2ポリペプチドの不在に関する情報を提供する。
あるいは、遺伝子治療は、1つ以上のB7RP−2ポリペプチドのドミナントネガティブインヒビターを生成するために使用され得る。この状況では、各々の選択されたB7RP−2ポリペプチドの変異ポリペプチドをコードするDNAを調製し、そして本明細書中に記載される、ウイルス方法または非ウイルス方法のどちらかを使用して、患者の細胞中に導入し得る。このような変異体の各々は、代表的に、内因性ポリペプチドの生物学的役割において、内因性ポリペプチドと競合するように設計される。
さらに、B7RP−2ポリペプチドは、生物学的に活性であっても活性ではなくても、免疫原として使用され得る。すなわち、このポリペプチドは、少なくとも1つのエピトープを含有し、このエピトープに対してす抗体が惹起され得る。(本明細書に記載のように)B7RP−2ポリペプチドに結合する、選択的な結合性因子は、インビボおよびインビトロの診断目的のために使用され得る。この使用としては、体液または細胞サンプル中のB7RP−2ポリペプチドの存在を検出するための、標識形態での使用が挙げられるが、これに限定されない。また、抗体を使用して、本明細書中に記載される疾患および障害を含む、多くの疾患および障害を、予防、処置または診断し得る。抗体は、B7RP−2ポリペプチドに結合して、B7RP−2ポリペプチドの少なくとも1つの活性特性を低下させ得るかもしくはブロックし得るか、またはポリペプチドに結合して、B7RP−2ポリペプチドの少なくとも1つの活性特性を増大させ得る(B7RP−2ポリペプチドの薬物動態を増大させることによることを含む)。
本発明のB7RP−2ポリペプチドを使用して、B7RP−2ポリペプチドレセプターを、発現クローニングストラテジーを使用してクローニングし得る。放射性標識された(125ヨウ素)B7RP−2ポリペプチドまたは親和性/活性タグ化されたB7RP−2ポリペプチド(例えば、Fc融合物またはアルカリホスファターゼ融合物)を結合アッセイにおいて使用して、B7RP−2ポリペプチドレセプターを発現する細胞型または細胞株または組織を同定し得る。このような細胞または組織から単離されたRNAをcDNAに転換し、哺乳動物の発現ベクターにクローニングし、そして哺乳動物細胞(例えば、COS細胞または293細胞)中にトランスフェクトして発現ライブラリーを作製する。次いで、放射性標識されたB7RP−2ポリペプチドまたはタグ化B7RP−2ポリペプチドを親和性リガンドとして使用して、細胞表面上にB7RP−2ポリペプチドレセプターを発現する細胞サブセットを、このライブラリーから同定および単離し得る。次いで、DNAをこれら細胞から単離し、そして哺乳動物細胞にトランスフェクトして二次発現ライブラリーを作製する。このライブラリー中では、B7RP−2ポリペプチドレセプターを発現する細胞の割合は、元のライブラリーにおける割合におけるより何倍も高い。この富化プロセスを、B7RP−2ポリペプチドレセプターを含有する単一の組換えクローンを単離するまで反復し得る。B7RP−2ポリペプチドレセプターの単離は、B7RP−2ポリペプチドシグナル伝達経路の新規のアゴニストおよびアンタゴニストを同定または開発するのに有用である。このようなアゴニストおよびアンタゴニストとしては、可溶性B7RP−2ポリペプチドレセプター、抗B7RP−2ポリペプチドレセプター抗体、低分子またはアンチセンスオリゴヌクレオチドが挙げられ、そしてこれらを、本明細書中に記載される1つ以上の疾患または障害を、処置、予防または診断するために使用し得る。
本発明のマウスB7RP−2核酸およびヒトB7RP−2核酸はまた、対応する染色体B7RP−2ポリペプチド遺伝子を単離するのに有用なツールである。例えば、B7RP−2配列を含有するマウス染色体DNAを使用して、ノックアウトマウスを構築し得、これによってB7RP−2ポリペプチドのインビボの役割の試験が可能となる。ヒトB7RP−2ゲノムDNAを使用して、遺伝性組織変性疾患を同定し得る。
以下の実施例は、例示の目的のためのみに意図されるものであり、そしていかなる様式でも本発明の範囲を制限するものとして解釈されるべきではない。