JP2008167571A - 電気工事用養生シート - Google Patents

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Abstract

【課題】 耐釘穴開き性に優れ、柔軟で電気絶縁性の大きい電気工事用養生シートを提供する。
【解決手段】 シート厚が0.2〜1.0mmであって、穴空き応力が50N以上である熱可塑性ポリウレタン樹脂からなる電気工事用養生シートにより解決する。なお、該熱可塑性ポリウレタン樹脂は、(a)ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオールから選択されるポリオール、(b)鎖延長剤、及び(c)有機ジイソシアネート、を反応させて得られるものが好ましい。
【選択図】 なし

Description

本発明は、電気工事用養生シートに関する。更に詳細には、耐釘穴開き性に優れ、柔軟で電気絶縁性の大きい電気工事用養生シートに関する。
電気工事を行う際、顧客の利便性から対象機器を通電したまま行う場合が多い。そのため、電気工事用養生シートには、・釘先を押しつけられても容易に穴が開くことのない耐釘穴開き性、・対象機器を容易に覆うことができる柔軟性、・工事作業者を感電から保護するための電気絶縁性、等が求められている。
従来から、電気工事用養生シートに塩化ビニル系樹脂、塩素化系樹脂等が用いられてきた。その理由として、塩化ビニル系樹脂、塩素化系樹脂はハロゲン元素を含有しているため難燃化が容易であること、加工性が優れており種々の加工法が採用できること、また、可塑剤で柔軟性を任意に調整することができる、等の理由による。
例えば、特許文献1には、塩化パラフィンで処理した充填材を配合した、塩素化ポリエチレン系の電気工事用養生シートが示されている。
特開平01−043903号公報
しかしながら塩化ビニル系樹脂や塩素化系樹脂は、多くの長所を有する反面、1)塩素元素を含むため密度が大きく、大型機器を覆うくらいのシートでは重くなり作業性が悪い、2)釘先等の鋭利なものを押しつけられると容易に穴が開いてしまうため、工事現場での実際の使用に際にすぐ穴が開く、3)使用後の廃棄焼却時にハロゲンを含む有毒なガスや煙及び残査が発生する、という問題がある。更に、塩化ビニル系樹脂には、可塑剤の一部が、近年問題視されている環境ホルモン(内分泌攪乱物質)の対象物質に挙がっていることから、塩化ビニル系樹脂被覆加工布が使われた場合、被覆品を通じて健康に対する悪影響を懸念する声も高まっており、地球環境的規模からの環境保全と安全性を目的にハロゲン元素を含まない樹脂組成による製品の開発が切望されている。
かかる観点から、塩化ビニル樹脂系以外の樹脂として、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、及びポリウレタン系樹脂等による商品化の検討が行われているが、満足できる製品が提案されていないのが実状である。
本発明の目的は、耐釘穴開き性に優れ、柔軟で電気絶縁性の大きい電気工事用養生シートを提供することにある。
すなわち本発明は、以下の(1)、(2)に示されるものである。
(1)シート厚が0.2〜1.0mmであって、穴空き応力が50N以上である熱可塑性ポリウレタン樹脂からなる電気工事用養生シート。
(2)(a)ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオールから選択されるポリ
オール、(b)鎖延長剤、及び(c)有機ジイソシアネート、を反応させて得られる熱可塑性ポリウレタン樹脂からなることを特徴とする、前記(1)の電気工事用養生シート。
本発明により、軽量・柔軟で耐釘穴開き性、電気絶縁性の優れた電気工事用養生シートを提供することが可能になった。
本発明に用いられる熱可塑性ポリウレタン樹脂の穴開き応力は50N以上以上である。穴開き応力が小さすぎる場合は、実際の作業時において、容易に破れやすくなる。ここで、穴開き応力とは、図1に示すように、内径25mm(25φ)のパイプにサンプルシートを貼り付け、JIS−A5508に規定されたN65の釘を刺して穴を開ける際に測定される応力である。
本発明に用いられるポリウレタン樹脂のガラス転移温度(Tg)は−10℃以下が好ましく、特に−20℃以下が好ましい。Tgが高い場合、柔軟性に欠けるものとなる。ここでTgとは、動的粘弾性測定における損失弾性率が極大になる温度であり、その測定条件は昇温速度:3℃/分、振動数11Hzである。
本発明の電気工事用養生シートのシート厚は0.2〜1.0mmであり、好ましくは0.25〜0.8mmである。シート厚が0.2mm未満の場合は、耐釘穴開き性や耐電圧性が不十分となる。また、1.0mmを越える場合はシートの柔軟性に欠け、また重くなるため作業性が低下する。
本発明で用いられる(a)ポリオールは、数平均分子量500〜10,000、好ましくは、800〜5,000のポリエステルポリオール、ポリアミドエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリエーテルエステルポリオール、ポリオレフィンポリオール、動植物系ポリオール等が挙げられる。なお、本発明においては、柔軟性や耐加水分解性の優れたポリカーボネートポリオール、ポリエーテルポリオールが好ましい。
(a)ポリオールの数平均分子量が上限を越える場合は、得られるポリウレタン樹脂の溶液粘度が高くなりすぎてシートへの加工が困難になりやすい。また、下限未満の場合は、得られるシートの耐ブロッキング性が悪くなりやすい。
特にポリカーボネートポリオールとしては、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール(以後、1,4−BDと略称する)、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール(以後、1,6−HDと略称する)、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、ジエチレングリコール、シクロヘキサン−1,4−ジオール、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール、ビス(β−ヒドロキシエチル)ベンゼン、キシリレングリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール等の直鎖状の低分子ポリオール類、1,2−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール(以後、MPDと略称する)、3,3−ジメチロールヘプタン、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、ジプロピレングリコール、ダイマー酸ジオール、ビスフェノールAのエチレンオキサイドやプロピレンオキサイド付加物、トリメチロールプロパン等の側鎖を有する低分子ポリオール類の1種類以上と、エチレンカーボネート、ジエチルカーボネート、ジフェニルカーボネートとの脱アルコール反応や脱フェノール反応から得られる。本発明において、好ましいポリカーボネートポリオールは、炭素数2〜8の低分子ジオールから得られるポリカーボネートポリオールであり、1,4−BD、1,6−HD、MPDが特
に好ましい。
また、ポリエーテルポリオールとしては、前述の低分子ポリオールを開始剤としてエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、テトラヒドロフラン等のエポキサイドや環状エーテルを開環付加させたホモポリマーやコポリマーがある。
ポリエステルポリオールとしては、公知のフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、コハク酸、酒石酸、シュウ酸、マロン酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、クルタコン酸、アゼライン酸、セバシン酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、1,4−シクロヘキシルジカルボン酸、α−ハイドロムコン酸、β−ハイドロムコン酸、α−ブチル−α−エチルグルタル酸、α,β−ジエチルサクシン酸、マレイン酸、フマル酸等のジカルボン酸又は無水物等の1種類以上と、前述のポリカーボネートポリオールに用いられる(直鎖状及び/又は側鎖を有する)低分子ポリオールの1種類以上との脱水縮合反応から得られる。更に、ε−カプロラクトン、アルキル置換ε−カプロラクトン、δ−バレロラクトン、アルキル置換δ−バレロラクトン等の環状エステル(いわゆるラクトン)モノマーの開環重合から得られるラクトン系ポリエステルポリオール等がある。更に、低分子ポリオールの一部をヘキサメチレンジアミン、イソホロンジアミン、モノエタノールアミン等の低分子ジアミンや低分子アミノアルコールを用いてもよい(この場合は、ポリエステル−アミド)ポリオールが得られる)。
本発明で用いられる(b)鎖延長剤は、数平均分子量500未満で活性水素基を1分子中に2個以上有するものである。具体的には前述のポリカーボネートポリオールに用いられる(直鎖状及び/又は側鎖を有する)低分子ポリオールや、N−メチルジエタノールアミン、N−メチルジプロパノールアミン、N−エチルジエタノールアミン等のN−アルキルジアルカノールアミン類、N−フェニルジエタノールアミン、N−フェニルジプロパノールアミン等のN−アリールジアルカノールアミン類、N−メチルジエタノールアミン、N−メチルジプロパノールアミン、N−エチルジエタノールアミン等のN−アルキルジアルカノールアミン類、N−フェニルジエタノールアミン、N−フェニルジプロパノールアミン等のN−アリールジアルカノールアミン類等の低分子ポリアミン、低分子アミノアルコール等が挙げられる。これらは1種類又は2種類以上の混合物として使用できる。本発明で好ましい鎖延長剤は、1,4−BDである。
本発明で用いられる(c)有機ジイソシアネートとしては、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,2′−ジフェニルメタンジイソシアネート、1,5−ナフチレンジイソシアネート、1,4−ナフチレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、o−キシリレンジイソシアネート、m−キシリレンジイソシアネート、p−キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルエーテルジイソシアネート、2−ニトロジフェニル−4,4′−ジイソシアネート、2,2′−ジフェニルプロパン−4,4′−ジイソシアネート、3,3′−ジメチルジフェニルメタン−4,4′−ジイソシアネート、4,4′−ジフェニルプロパンジイソシアネート、3,3′−ジメトキシジフェニル−4,4′−ジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2−メチル−1,5−ペンタンジイソシアネート、3−メチル−1,5−ペンタンジイソシアネート、リジンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水素添加トリレンジイソシアネート、水素添加ジフェニルメタンジイソシアネート、水素添加キシリレンジイソシアネート、水素添加テトラメチルキシリレンジイソシアネート、シクロヘキシルジイソシアネート等の脂環族ジイソシアネートや、これらの2種類以上の混合物、
これらの有機ジイソシアネートのウレタント変性体、アロファネート変性体、ウレア変性体、ビウレット変性体、ウレトジオン変性体、ウレトイミン変性体、イソシアヌレート変性体、カルボジイミド変性体等、公知の有機ジイソシアネートを用いることができる。
本発明に用いられる熱可塑性ポリウレタン樹脂の製造方法は、上記原料(a)〜(c)を用いる以外には特に限定はなく、公知の方法で製造が可能である。例えば次に具体的な製造工程について述べる。高分子ポリオール(a)と鎖延長剤(b)との混合物と、有機ジイソシアネート(c)との2液を、それぞれ計量・混合撹拌する方法、上記の原料を定量ポンプで計量し強烈に混合撹拌した後、バット上に注下して更に例えば50〜200℃好ましくは60〜160℃の温度で反応させる方法、80〜250℃好ましくは120〜250℃に設定された押出機に上記の原料を供給し、該押出機内で原料を混練、搬送しながら重合を行い生成した樹脂をダイから押し出す方法、ニーダーに全ての原料を仕込み、80〜250℃好ましくは120〜230℃で反応させる方法等で製造できる。製造後はストランドカット等を用いて裁断し、樹脂ペレットが得られることになる。本発明では、押出機による製造方法が連続生産可能なため好ましい。ペレットにするのは、(1)粉体のように加工時に粉塵が舞い上がることもない、(2)溶液のように保管時や輸送時の制約がない、(3)様々な形状に容易に加工できる、等の点に優れるからである。
熱可塑性ポリウレタン樹脂の製造時には、いわゆるウレタン化触媒については使用・不使用のどちらでもかまわない。この触媒としては、通常用いられているウレタン化触媒がいずれも使用できるが、例えばビスマス、鉛、錫、鉄、アンチモン、ウラン、カドミウム、コバルト、トリウム、アルミニウム、水銀、亜鉛、ニッケル、セリウム、モリブデン、バナジウム、銅、マンガン、ジルコニウム、カルシウム等の有機化合物、無機化合物等が挙げられる。好ましい触媒は有機金属化合物、特にジアルキル錫化合物が好ましい。代表的な有機錫触媒はとしては、例えばオクタン酸第一錫、オレイン酸第一錫、ジブチル錫ジアセテート、ジブジル錫ジラウレート、ジブチル錫マレート、ジブチル錫メルカプトプロピオネート、ジブチル錫ドデシルメルカプチド等が挙げられる。使用する触媒の量は他の原料の性質、反応条件、所望の反応時間等によって決定されるものであるので、特に制限されるものではないが、おおむね、触媒は反応混合物の全質量の0.0001〜5質量%、好ましくは約0.001〜2質量%の範囲で使用される。
反応仕込みの際、好ましいポリオール(a)と鎖延長剤(b)のモル比は、(b)/(a)=0.5〜5、特には1〜3が好ましい。(b)/(a)の値が小さすぎる場合は、得られる熱可塑性ポリウレタン樹脂の機械的強度が不十分となりやすい。大きすぎる場合は、(二次成形性を含めた)成形性が低下しやすい。
仕込み時における活性水素基とイソシアネート基とのモル比は、0.8/1≦活性水素基/イソシアネート基<1/1が好ましく、特に好ましくは0.85/1≦活性水素基/イソシアネート基≦0.99/1である。活性水素基/イソシアネート基が下限未満の場合は、得られるTPUの分子量が小さいため、機械的強度が不十分となる。上限を越える場合は、得られるTPUにフィッシュアイが発生する等の外観不良が起きやすい。
このようにして得られた熱可塑性ポリウレタン樹脂の重量平均分子量は、5,000〜1,000,000が好ましく、特に好ましくは10,000〜500,000である。数平均分子量が下限未満の場合は、強度が不十分となりやすい。上限を越える場合は、成形性が低下しやすい。なお、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)のポリスチレン換算による。
得られる熱可塑性ポリウレタン樹脂のJIS−K7311に規定されるA硬度は70〜98、好ましくは80〜95である。このため指触感に優れ、シートやフィルムのような
薄物成形すると弾性感を生じる。
本発明は更に添加剤を用いることができる。添加剤としては難燃剤、滑剤、加水分解防止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、紫外線安定剤、充填剤、補強用繊維等を必要に応じて使用することができる。
特に具体的な難燃剤としては、テトラブロモビスフェノールA、ジブロモネオペンチルグリコール、デカブロモジフェニルオキサイド、ヘキサブロモシクロドデカン、トリブロモフェノール、エチレンビステトラブロモフタルイミド、臭素化ポリスチレン、エチレンビスペンタブロモジフェニル等の有機ハロゲン系化合物、オルソリン酸アンモニウムと尿素の縮合生成物等のポリリン酸アンモニウム系化合物;トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリブチルホスフェート、トリオクチルホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、オクチルジフェニルホスフェート等のリン酸エステル類;高分子量化したポリホスフェート等の縮合リン酸エステル類、メラミン、硫酸メラミン、リン酸メラミン、ポリリン酸メラミン、メチロールメラミン、シアヌル酸トリメチルエステル、シアヌル酸トリエチルエステル、アンメリン、アンメリド、2,4,6−トリオキシシアニジン及びメラミンシアヌレート等のシアヌル酸誘導体;イソアンメリン、イソメラミン、イソアンメリド、トリメチルカルボジイミド、トリエチルカルボジイミド及びトリカルボイミド等のイソシアヌル酸誘導体、ジシアンジアミド、ジシアンジアミジシン、グアニジン、スルファミン酸グアニジン、及びジグアニド等のシアナミド誘導体;並びに尿素、ジメチロール尿素、ジアセチル尿素、トリメチル尿素、及びN−ベンゾイル尿素等の尿素誘導体等、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、四ホウ酸酸ナトリウム、リン酸マグネシウム、二リン酸ナトリウム、リン酸亜鉛、三酸化アンチモン、五酸化アンチモン及び窒素化グアニジン、赤燐等を挙げることができる。
ポリウレタン樹脂ペレットからシートに成形する方法としては、樹脂ペレットを熱溶融させてから成形する方法としてTダイ押出成形、インフレーション成形、カレンダー成形等が挙げられ、樹脂ペレットを溶剤に溶解させてから成形するキャスト成形等が挙げられる。
次に実施例及び比較例によって本発明を具体的に説明するが、本発明の内容はこの実施例に限定されるものではない。
合成例1
ポリオール−1を537部、1,4−ブタンジオールを87部をタンクに仕込み80℃に加温しながら均一なポリオール液とした。また、これとは別のタンクにMDIを仕込み、52℃に加温した。ポリオール液のフィード量を250g/分、MDIのフィード量を149g/分に調整し、ミキシングヘッドで高速混合した後、2軸押出機に混合液を供給した。押出機の温度を180℃(原料口)から200℃(製品口)の傾斜的になるように設定し、2軸回転数を250rpmに設定して、ポリウレタン樹脂ペレットPU−1を得た。結果を表1に示す。
合成例2、3
表1に示す合成条件にて、ポリウレタン樹脂ペレットPU−2、3を合成した。結果を表1に示す。
Figure 2008167571
表1、合成例1〜3において
ポリオール−1:ポリ(オキシテトラメチレン)ジオール
数平均分子量=1,000
ポリオール−2:ポリ(ヘキサメチレンカーボネート)ジオール
数平均分子量=1,000
ポリオール−3:ポリ(ブチレンアジペート)ジオール
数平均分子量=2,000
1,4−BD :1,4−ブタンジオール
MDI :4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート
HDI :ヘキサメチレンジイソシアネート
実施例1
PU−1を単軸の押出機に仕込み、押出機の温度を180℃(原料口)から200℃(製品口)の傾斜的になるように設定し、単軸の回転数を50rpmに設定して、製品口にTダイ(シート厚:0.25mm用)を取り付けて、シート状の熱可塑性ポリウレタン樹脂SE−2を製造した。
実施例2〜9、比較例1〜6
PU−1〜3を、目的とする厚さ(0.1mm、0.25mm、0.5mm、1.0mm、1.5mm)に合わせて押出機の製品口に各種Tダイを取り付けて、表2〜4に示す条件にて熱可塑性ポリウレタン樹脂製シートSE−1、SE−3〜15を製造した。
SE−1〜15、市販の塩化ビニル樹脂シート(SE−16〜18)及びポリエチレン樹脂シート(SE−19〜21)について、以下に示す試験を行った。結果を表2〜5に示す。
実施例1〜9、比較例1〜12、表2〜5において
〔樹脂物性測定方法〕
ガラス転移温度以外の物性:JIS−K7311による
ガラス転移温度 :動的粘弾性測定の損失弾性率の極大温度
昇温速度:3℃/分、振動数:11Hz
〔シート評価〕
折曲げ性:
40cmの長さのシートを二つ折りに床に置いた際の屈曲部の直径から判定した。
○…直径6cm未満
×…直径6cm以上
耐釘穴開き性:
図1に示すように内径25φのパイプ断面にサンプルシートを貼り付け、JIS−A5508に規定されたN65の釘を刺し、穴が開いた際の応力により穴開き性を評価した。
○…穴開き応力50N以上
×…穴開き応力50N未満
耐電圧試験:
JIS−T8010に規定される絶縁用保護具・防具類の耐電圧試験方法に準じて行った。試験条件は、シートの両面の間に20kVの電圧を1分間印加して絶縁破壊が発生しないかどうか確認した。
○…絶縁破壊しない
×…絶縁破壊する
透明性:
JIS−K7136に準拠し、ヘイズを測定することにより評価した。
○…ヘイズ10未満
×…ヘイズ10以上
耐加水分解性:
70℃×95%RHの条件下に10日間置いた後、引張強度を測定する。
○…強度保持率が80%以上
△…強度保持率が60%以上80%未満
×…強度保持率が60%未満
Figure 2008167571
Figure 2008167571
Figure 2008167571
Figure 2008167571
表2〜4により、厚さ0.2〜1.0mmのシートは、電気工事用養生シートとして良好な結果であった。また、ポリウレタン樹脂のタイプとしては、ポリエーテル系及びポリカーボネート系の樹脂が耐加水分解性もポリエステル系より良好な結果となった。厚さ0.2mm未満のシートは、全て耐釘穴開き性、耐電圧試験をクリヤーできず、また、厚さ1.0mmを越えるシートは全て折曲げ性がクリヤーできなかった。また表5から、他樹脂製のシートは耐釘穴開き性がクリヤーできたものはなく、特にポリエチレン性シートにおいては、透明性や折り曲げ性も悪かった。
耐釘穴開き性試験における測定サンプルを説明する断面図である。

Claims (2)

  1. シート厚が0.2〜1.0mmであって、穴空き応力が50N以上である熱可塑性ポリウレタン樹脂からなる電気工事用養生シート。
  2. (a)ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオールから選択されるポリオール、(b)鎖延長剤、及び(c)有機ジイソシアネート、を反応させて得られる熱可塑性ポリウレタン樹脂からなることを特徴とする、請求項1記載の電気工事用養生シート。
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