JP2008164465A - 超音波流量計 - Google Patents

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Abstract

【課題】 超音波素子の遅延時間を補正することにより、流量計測を正確に行うことができる超音波流量計を提供することを課題とする。
【解決手段】 送信側となる超音波送受信部から送出される超音波ビームの、受信側となる超音波送受信部へ到達するまでの伝播時間を計測する伝播時間計測手段と、計測された伝播時間に基づいて被測定流体の流量を算出する流量算出手段とを有し、伝播時間計測手段は、送信側となる超音波送受信部に駆動電圧を印加するに伴い、超音波送受信部の圧電セラミック振動板に生ずる音響振動波形を、電極に生ずるモニタ出力電圧波形として取得するモニタ出力電圧波形取得手段と、取得したモニタ出力電圧波形に基づいて伝播時間の補正情報を生成する補正情報生成手段と、計測された伝播時間を補正情報に基づいて補正する伝播時間補正手段とを有する。
【選択図】図15

Description

本発明は超音波流量計に関するものである。
特開2004−251653号公報
従来、都市ガスや水などの流量を計測するための超音波流量計が知られている。その際の測定原理として、一般には「伝搬時間差法」が用いられる。これは、流路の流体流れ方向上流側及び下流側に一対の超音波送受信部を設け、それら超音波送受信部間の超音波送受信方向を交互に切り替えるとともに、上流側超音波送受信部から発信された超音波ビームが下流側超音波送受信部に到達するまでの時間(順方向伝播時間)と、下流側超音波送受信部から発信された超音波ビームが上流側超音波送受信部に到達するまでの時間(逆方向伝播時間)とを計測して、両者の時間差から流路を流れる流体の平均流速度及び流量を求めるものである(例えば、特許文献1)。
上記のような流量計に使用される超音波送受信部(超音波トランスデューサ)は振動駆動部が圧電セラミック振動板にて構成される。該流量計では、超音波送受信部が長期に渡って使用され、最近では使用年数が10年を超える要求も想定されている。このような長期使用中においては、振動駆動部の経時劣化により超音波送受信部の出力特性がドリフトすることがある。近年、流量計に要求されるスペックがますます厳しくなる中、上記の劣化により超音波送受信部が要求される耐用年数を充足できなくなることが懸念される。流量出力のゼロ点がドリフトすると流量の測定精度が悪化し、正確な計測ができなくなることにつながる。
具体的には、超音波送受信部においては、振動駆動部を駆動してから超音波が被測定流体(媒質:例えば都市ガス)中へ放射されるまでに一定の時間遅れが存在する。すなわち、図7に示すように、外部からの駆動信号を受けることで、その信号が圧電セラミック振動板にて機械振動に変換され、さらに音響インピーダンス整合層を伝播して被測定流体へ放射されるので、上記の駆動信号の入力タイミングから超音波が被測定流体に放出されるまでに一定の遅延時間が存在する。
従来の流量計測では、超音波の被測定流体への放出タイミングを、駆動信号の入力タイミングに置き換えて超音波伝播時間の計測起点として用いていた。駆動信号の入力タイミングから超音波の被測定流体への放出タイミングに至る遅延時間が一定であれば、該遅延時間の計測誤差への寄与も一定であり容易に補正可能であるが、該遅延時間が振動駆動部の経時劣化に伴い変動すると該寄与は一定でなくなり、補正はもはや不能となる。例えば、工場出荷時に記憶された超音波送受信部の初期ゼロ点流量が経時ドリフトすると、流れがないにも拘わらず流れがあると誤計測したり、逆に流れがあるにも関わらず流れがないと認識してしまったりする問題を引き起こすことになる。
本発明は、超音波素子の遅延時間を補正することにより、流量計測を正確に行うことができる超音波流量計を提供することを課題とする。
課題を解決するための手段および発明の効果
上記課題を解決するために本発明の超音波流量計は、
被測定流体の流路を形成する流路形成部と、
流路形成部に対し被測定流体の流通方向において互いに異なる位置に設けられ、板厚方向に分極処理された圧電セラミック振動板と、圧電セラミック振動板上に形成された電極とを有する超音波送受信素子を備えるとともに、一方が被測定流体への測定用超音波の送出側となり、他方が測定用超音波の受信側となるように機能するとともに、各々測定用超音波として、予め定められた向きへの指向性を有する超音波ビームを送出可能な対をなす超音波送受信部と、
超音波送受信部にパルス状の駆動電圧を印加する駆動電圧印加手段と、
送信側となる超音波送受信部から送出される超音波ビームの、受信側となる超音波送受信部へ到達するまでの伝播時間を計測する伝播時間計測手段と、
計測された伝播時間に基づいて被測定流体の流量を算出する流量算出手段とを有し、
伝播時間計測手段は、
送信側となる超音波送受信部に駆動電圧を印加するに伴い、超音波送受信部の圧電セラミック振動板に生ずる音響振動波形を、電極に生ずるモニタ出力電圧波形として取得するモニタ出力電圧波形取得手段と、
取得したモニタ出力電圧波形に基づいて伝播時間の補正情報を生成する補正情報生成手段と、
計測された伝播時間を補正情報に基づいて補正する伝播時間補正手段と、
を有することを特徴とする。
上記発明によると、流路の上流側と下流側に一対の超音波送受信部が設けられ、一方から他方に超音波ビームを送出する。超音波送受信部は圧電セラミック振動板と、その圧電セラミック振動板の上に形成された電極とを備える。そして、超音波ビームの伝播時間を伝播時間計測手段により計測し、その伝播時間に基づいて、流路を流れる被測定流体の流量を算出している。超音波送受信部に駆動電圧を印加すると圧電セラミック振動板が振動して音響振動波形が生じ、電極からモニタ出力電圧波形として取り出される。そして、このモニタ出力電圧波形に基づいて伝播時間の補正情報が生成され、超音波ビームの伝播時間が補正情報に基づいて補正される。このようにすると、超音波送受信部に駆動電圧を印加してから超音波が送出されるまでの遅延時間が経時ドリフトした場合でも、その値が補正に反映されるため、流量計測を長年にわたって正確に行うことが可能となる。
この場合、補正情報生成手段は、モニタ出力電圧波形上に伝播時間の計測基準点を補正情報として定めるものとすることができる。このようにすると、駆動信号の入力タイミングから計測基準点までの時間を補正情報とし、この補正情報を使って超音波ビームの伝播時間を補正できる。そのため、駆動信号の入力タイミングから計測基準点までの時間が経時ドリフトした場合でも、その値の影響を受けることなく、超音波ビームの正味の伝播時間(計測基準点から受信側の超音波受信部で超音波が受信されるまでの時間)を求めることができる。
より詳しくは、補正情報生成手段は、モニタ出力電圧波形に生ずる所定順位のゼロクロス点を計測基準点として定め、駆動信号の入力タイミングから計測基準点に至る遅延時間t0を計測し、伝播時間計測手段が計測する、駆動信号の入力タイミングから受信側となる超音波送受信部に生ずる到達波形の所定順位のゼロクロス点に至る時間を原計測時間txとして、伝播時間をtx−t0として算出するものにできる。すなわち、遅延時間t0および原計測時間txを計測し、超音波ビームの伝播時間をtx−t0として算出する。これにより、遅延時間t0が計時ドリフトした場合でも、実際に超音波ビームが伝播した時間を正確に測定できる。そのため、流量計測を正確に行うことができる。
この場合、伝播時間補正手段は、
予め定められた基準温度にて測定された遅延時間t0を記憶する遅延時間記憶手段と、
流量測定のために伝播時間計測手段が原計測時間txを計測取得するに伴い、遅延時間記憶手段から遅延時間t0を読み出し、伝播時間をtx−t0として補正算出する伝播時間補正算出手段と、
被測定流体の温度を測定する流体温度測定手段と、
温度測定手段による測定温度が基準温度に到達する予め定められたキャリブレーションタイミングが到来するに伴い、遅延時間t0’を測定する遅延時間測定手段と、
測定取得された遅延時間t0’により遅延時間記憶手段の記憶内容を更新する遅延時間更新手段と、
を備えたものにできる。このようにすると、遅延時間記憶手段に遅延時間t0が記憶されており、この記憶値を用いて原計測時間tx−t0を算出するため、流量測定の度に遅延時間t0を測定する必要がなくなる。また、超音波素子の遅延時間t0は経年劣化するので、遅延時間t0’を定期的に測定して値を更新している。そのため、長年にわたって正確な流量計測を行える。また、超音波素子の遅延時間t0は温度によっても変化するので、遅延時間t0’の測定は、被測定流体の温度が予め定められた基準温度に到達した場合(キャリブレーションタイミング)に行うようにしている。
この場合、キャリブレーションタイミングは、伝播時間計測手段による流量計測タイミングよりも低頻度にて到来するように定めるとよい。すなわち、流量計測の頻度(超音波伝播時間を計測する頻度)よりも、遅延時間t0を測定する頻度を少なくするとよい。例えば、遅延時間t0の測定は半年に1回とか、1年に1回とする。これにより、頻繁に遅延時間t0を計測する必要がなくなり、超音波流量計の低電力化にも繋がる。
例えば、伝播時間補正手段において、基準温度が1点のみ定められ、遅延時間記憶手段は、基準温度にて測定された遅延時間を記憶するものとされ、さらに、遅延時間と、予め記憶された温度係数とに基づいて遅延時間較正直線を決定する遅延時間較正直線決定手段を有するとともに、
伝播時間計測手段は、伝播時間計測を任意の温度にて行ない、伝播時間計測がなされた測定温度に対応する遅延時間を遅延時間較正直線から読み取り、これを用いて伝播時間を算出するものにできる。このようにすると、流量測定を行う際の温度が、遅延時間t0を測定した際の基準温度と異なる場合でも、その遅延時間t0を遅延時間較正直線から読み取り、伝搬時間の算出(tx−t0)に利用することができる。すなわち、超音波素子の遅延時間t0の、温度による変化をも補正して、正確な流量計測を行うことが可能となる。また、基準温度を1点のみとし、それと温度係数のみを用いて遅延時間較正直線を決定するようにすると、切片のみを決定するだけで遅延時間較正直線を定義することが可能となる。そのため、遅延時間較正直線の決定方法を簡単なものにできる。なお、温度係数は、工場出荷する際に個々の超音波流量計について計測し、その値を記憶してもよいし、製品間差があまり無い場合は、代表平均値を採用して記憶してもよい。
また、伝播時間補正手段において、基準温度が互いに異なる複数点に定められ、遅延時間記憶手段は、複数の基準温度にて各々測定された遅延時間を記憶するものとされ、さらに、遅延時間記憶手段に記憶されている複数の基準温度に基づいて遅延時間較正曲線を決定する遅延時間較正曲線決定手段を有するとともに、
伝播時間計測手段は、伝播時間計測を任意の温度にて行ない、伝播時間計測がなされた測定温度に対応する遅延時間を遅延時間較正曲線から読み取り、これを用いて伝播時間を算出するものとしてもよい。この場合は、互いに異なる複数点において遅延時間t0を測定し記憶するため、1点のみ測定する場合と比較して、温度と遅延時間t0との関係(遅延時間較正曲線)を正確に定めることができる。
次に、駆動電圧印加手段は、1回の流量測定に際してパルス状の駆動電圧を超音波送受信部に複数回連続して印加するものであり、
補正情報生成手段は、複数回のパルス状の駆動電圧に由来したモニタ出力電圧波形に生ずる複数個のゼロクロス点の発生タイミングを平均化して計測基準点として定めるものとすることができる。このようにすると、超音波送受信部にパルス状の駆動電圧が複数回連続して印加されるため、超音波送受信部の振動を安定させることができる。また、複数個のゼロクロス点の発生タイミングを平均化して計測基準点を決定するため、駆動電圧を入力してから計測基準点までの時間を安定化することができ、従って、超音波の伝播時間tx−t0を精度良く算出することが可能となる。この場合、超音波送受信部の振動が安定化するまで複数の駆動信号を印加し、その後に続いて入力される駆動信号について、ゼロクロス点の発生タイミングを平均化して計測基準点を定めるようにすることが好ましい。
次に、超音波送受信素子は、
圧電セラミック振動板の各主表面を覆う形で圧電セラミック振動板を挟んで対向形成され、圧電セラミック振動板を超音波振動させるために駆動電圧が印加される主電極対と、
主電極対のいずれとも絶縁分離した形で圧電セラミック振動板上に形成され、駆動電圧の印加に伴い圧電セラミック振動板に生ずる超音波振動の圧電モニタリング信号を取り出すためのモニタ用部分電極とを備え、
モニタ出力電圧波形取得手段は、モニタ用部分電極の圧電モニタリング信号をモニタ出力電圧波形として取り出すものにできる。このようにすると、振動駆動部の要部をなす圧電セラミック振動板に、駆動用の電極以外に、駆動電圧の印加に伴い当該の圧電セラミック振動板に生ずる超音波振動の圧電モニタリング信号を取り出すためのモニタ用部分電極を設けたので、駆動信号が入力された圧電セラミック振動板の振動波形をリアルタイムでモニタリングできる。これにより、遅延時間の測定を精度よく行うことが可能となる。また、モニタ用部分電極を有さない超音波素子を使って、圧電モニタリング信号を得るためには、駆動信号を入力してからすぐにスイッチ切り替えをして、駆動電極から圧電モニタリング信号を取り出す必要が生じるが、上記のようにモニタ用部分電極を備えたものであれば、スイッチを急いで切り替える必要がないため、回路上の負担を軽減できる。また、必要以上に高速な回路を使用する必要がなくなるので、コストダウンも可能となる。
例えば、駆動信号が入力された後、圧電セラミック振動板での遅延を含めて、実際にいつ超音波振動が圧電セラミック振動板に発生したかを、このモニタ用部分電極の波形を監視することで知ることができる。従って、駆動信号の入力タイミングからモニタ用部分電極の出力に振動波形が現われるまでの時間を計測すれば、駆動信号の入力タイミングから超音波の被測定流体への放出タイミングに至る遅延時間を正確に把握できる。特に、遅延時間が振動駆動部の経時劣化に伴い変動した場合でも、モニタ用部分電極の出力監視により該遅延時間を特定することで、超音波伝播時間の測定基準を、超音波の被測定流体への実際の放出タイミングに近づけることができ、超音波出力素子のゼロ点流量が経時ドリフトの影響を受け難くなる。なお、モニタ用部分電極の出力に特定の振動波形が現われるタイミングを検知して、これを超音波伝播時間の測定基準として使用することも当然可能である。この場合、遅延時間自体を測定により特定する必要は必ずしも生じない。
上記の場合において、主電極対は、圧電セラミック振動板の第一主表面を覆う接地電極と、同じく第二主表面を覆う駆動電極とからなり、モニタ用部分電極は、それら接地電極及び駆動電極のいずれよりも圧電セラミック振動板に対する被覆面積が小さく形成されていることが望ましい。
なお、モニタ用部分電極についても出力取出時の電圧基準を接地により与えてやる必要があるので、駆動電極とモニタ用部分電極とで接地電極を共用する構成が、振動駆動部の構造を簡略化する上でも好都合である。具体的には、駆動電極は接地電極よりも圧電セラミック振動板に対する被覆面積が小さく形成し、圧電セラミック振動板の第二主表面の駆動電極に覆われていない残余領域にモニタ用部分電極を形成するとよい。
この場合、モニタ用部分電極を圧電セラミック振動板の第二主表面の外周縁領域に形成しておくと、該モニタ用部分電極による圧電セラミック振動板の振動駆動特性への影響を軽減することができる。
圧電セラミック振動板が円板状に形成される場合、駆動電極は該圧電セラミック振動板の外周縁に沿う円状の外周縁形状を有するものとして形成できる。この場合、当該円状の外周縁の一部を半径方向内側に凹状に引っ込ませる形で駆動電極の一部を切り欠き、その切欠き領域の内側にモニタ用部分電極を形成することができる。このようにすると、モニタ用部分電極の形成面積を十分縮小しつつ、出力取り出し用のワイヤや半田付け部を容易に形成することができる。
また、駆動電極側の外周縁は、モニタ用部分電極との隣接位置にて、該駆動電極とモニタ用部分電極との間に所定幅の隙間を形成する形で、該モニタ用部分電極の外周縁に倣う形状に形成することができる。これにより、駆動電極とモニタ用部分電極との絶縁を確保しつつ、圧電セラミック振動板の振動駆動上のデッドエリアとなる、駆動電極とモニタ用部分電極との間の露出部を最小限に留めることができる。駆動電極とモニタ用部分電極との間に形成される隙間の幅は、0.5mm以上2.5mm以下とするのがよい。0.5mm以下では駆動電極とモニタ用部分電極との絶縁性を十分に確保できなくなる場合があり(例えば、メッキ不良や導電性異物付着によるブリッジングなど)、2.5mm以下では圧電セラミック振動板の振動駆動上のデッドエリアが増加しすぎ、超音波振動の駆動効率が低下する問題につながる。
圧電セラミック振動板は、駆動電極及びモニタ用部分電極の形成された第一主表面側がケーシングの底部内面と対向する形で該ケーシング内に配置することができる。この場合、ケーシングの底部裏面に突出形成された駆動端子及びモニタ端子に対し、駆動電極及びモニタ用部分電極をそれぞれ接続することができる。これにより、駆動電極及びモニタ用部分電極の駆動端子及びモニタ端子への導通経路の引き回し距離を短縮でき、配線構造を単純化でき、信頼性も向上する。この場合、圧電セラミック振動板とケーシングの底部との間に絶縁層を配置することができる。駆動端子と駆動電極及びモニタ端子とモニタ用部分電極とは、絶縁層を貫く個別のワイヤによりそれぞれボンディングすることができるので、ボンディングワイヤの引き回し長を削減できる。これにより、耐ノイズ性の向上や、電極ワイヤ間の機械的干渉回避等を図ることができる。なお、駆動端子及びモニタ端子の接続端を基板上に形成したパッドとし、ここに駆動電極及びモニタ用部分電極を面実装する構成も可能である。
一方、接地電極への導通経路は、圧電セラミック振動板の第二主表面側から該圧電セラミック振動板の側周面を経て第一主表面側に回り込む形で形成されることとなる。この場合、ケーシングの底部裏面に突出形成された接地端子に接地電極が該導通経路を介して接続することができる。これにより、ケーシングの裏面に、接地端子、駆動端子及びモニタ端子を集合させることができ、ケーブルコネクタ等の接続も容易である。
また、圧電セラミック振動板は、ケーシングの底部と反対側の開口に望む位置に配置することができる。この場合、該開口を塞ぐ形で、圧電セラミック振動板との接触側と反対側の主表面に超音波放出面が形成された音響インピーダンス整合層を、圧電セラミック振動板の第二主表面上に形成された接地電極と密着する形で設けることができる。音響インピーダンス整合層を圧電セラミック振動板に密着配置することで、該圧電セラミック振動板からの超音波の放射効率、あるいは圧電セラミック振動板による超音波の受信効率を高めることができる。
上記の構成において導通経路は、圧電セラミック振動板の第二主表面側にて一端が接地電極に半田付けされるワイヤとすることができる。この場合、音響インピーダンス整合層の該接地電極との対向面に、ワイヤの半田付け部を収容する凹状部を形成することで、圧電セラミック振動板と音響インピーダンス整合層との密着に伴なう、半田付け部と音響インピーダンス整合層との干渉を回避することができ、半田付け部を保護することができる。また、圧電セラミック振動板の第二主表面側に接地電極に導通するパッドを設ける必要がなくなり、駆動電極の面積を大きく確保することができる。
これとは別の構成として、配線部を、一端が接地電極に接続し、駆動電極及びモニタ用部分電極のいずれとも絶縁分離された形で圧電セラミック振動板の第一主表面に形成された接地用接続パッドに他端が接続する形で圧電セラミック振動板の周側面上に形成された接地用リード層と、一端が接地用接続パッドに半田付けされ他端が接地端子に半田付けされるワイヤとからなるものとして形成することもできる。このようにすると、圧電セラミック振動板の第二主表面側から接地用ワイヤの半田付け部を排除でき、接地電極の全面に渡って音響インピーダンス整合層を密着配置できるので、超音波の放射効率(あるいは超音波の受信効率)をさらに高めることができる。
また、さらに別な構成として、ケーシングは、底部と、該底部の周縁から立ち上がる側壁部と、該側壁部の底部と反対側の開口を塞ぐ天面部とが互いに導通する金属部材にて形成することができる。この場合、天面部の内面に圧電セラミック振動板の第二主表面を覆う接地電極を、導電性接着層を介して密着配置し、当該ケーシングを介して接地電極を接地するように構成することができる。この構成により、ケーシングを駆動用の接地経路として流用でき、接地用の配線部を簡略化することができる。この場合、天面部の外側主表面に、当該天面部との接触側と反対側の主表面に超音波放出面が形成された音響インピーダンス整合層を密着配置することができ、超音波の放射効率(あるいは超音波の受信効率)を高めることができる。
次に、駆動電圧印加手段は、駆動電圧をモニタ用部分電極に印加せず主電極対に印加するものにできる。このようにすると、モニタ用部分電極を、予め圧電モニタリング信号を検出するための回路に接続しておくことができる。すなわち、モニタ用部分電極に駆動電圧を印加した後に、信号検出回路にスイッチ切り替えする必要がない。
また、駆動電圧の電源ラインと圧電モニタリング信号の出力ラインとのいずれかにモニタ用部分電極を切替可能に接続する切替スイッチが設けられ、駆動電圧印加手段は、モニタ用部分電極を電源ラインに接続することにより、駆動電圧を主電極対とともにモニタ用部分電極にも印加し、その後切替スイッチを圧電モニタリング信号の出力ライン側に切り替えるようにしてもよい。このようにすると、主電極対とともにモニタ用部分電極にも駆動電圧を印加できるため、超音波ビームの送出効率を高めることができる。
次に、駆動電圧の電源ラインと圧電モニタリング信号の出力ラインとのいずれかに主電極を切替可能に接続する切替スイッチが設けられ、駆動電圧印加手段は、主電極を電源ラインに接続することにより、駆動電圧を印加し、その後切替スイッチを圧電モニタリング信号の出力ライン側に切り替えるようにしてもよい。このようにすると、駆動電圧を印加した後に、主電極対から圧電モニタリング信号を取り出すことができる。そのため、圧電モニタリング信号として比較的振幅の大きな信号を取り出せるので、ノイズ等の影響を受けにくくなる。
一方、駆動電圧印加手段は、1回の流量測定に際してパルス状の駆動電圧を超音波送受信部に複数回連続して印加するものであり、かつ、複数のパルス状の駆動電圧の最後のものを、これに先行する残余のものよりもパルス電圧振幅の大きいマーカーパルスとして印加することができる。このようにすると、超音波送受信部の振動を安定化することができる。
本発明の実施形態を、図面を参照しながら説明する。
図1は、一般住宅用ガスメータ等として用いられる超音波流量計の一実施例の基本構成である。また、図2は超音波送受信部2の拡大断面図である。この超音波流量計1には、被測定流体GFの流路を形成する流路形成部3と、流路形成部3に対し被測定流体GFの流通方向Oにおいて互いに異なる位置に設けられ、板厚方向に分極処理された圧電セラミック振動板21(図2参照)と、圧電セラミック振動板21上に形成された電極22〜24とを有する超音波送受信素子を備えるとともに、一方が被測定流体GFへの測定用超音波の送出側となり、他方が測定用超音波の受信側となるように機能するとともに、各々測定用超音波として、予め定められた向きへの指向性を有する超音波ビームSWを送出可能な対をなす超音波送受信部2とを備えている。流路形成部3と超音波送受信部2a,2bとが流量計本体1Mを構成し、該流量計本体1Mと制御回路部1Eとにより超音波流量計1の全体が構成されている。
流路形成部3は例えば金属製である。測定対象がガスの場合、流路形成部3の軸断面形状は壁部3Jにより閉鎖された空間を形成するものであればよく、例えば、円形状、楕円形状、正方形状、矩形状等のいずれを採用してもよい。本実施形態では、流路形成部3は矩形状の流路断面を有するものとして形成され、上壁部3Jaに上流側超音波送受信部2aが、また下壁部3Jbに下流側超音波送受信部2bが取り付けられている。つまり、対をなす超音波送受信部2a,2bが流路を挟む形で振り分けて配置されている。
超音波送受信部2a,2bは超音波振動子を有した超音波トランスデューサである。いずれも、駆動電圧の印加により超音波ビームを送出する超音波送出機能と、超音波ビームの受信により電気信号(受信信号)を出力する超音波受信機能とを複合して備える。いずれも全く同一の構造を有するので、その一方で代表させて説明する(以下、符号「2」により代表させる)。
次に、超音波流量計1は、超音波送受信部2にパルス状の駆動電圧を印加する駆動電圧印加手段(送信部)5と、送信側となる超音波送受信部2から送出される超音波ビームSWの、受信側となる超音波送受信部2へ到達するまでの伝播時間を計測する伝播時間計測手段(制御回路)1Eと、計測された伝播時間に基づいて被測定流体GFの流量を算出する流量算出手段(演算部)11とを有する。
また、伝播時間計測手段1Eは、送信側となる超音波送受信部2に駆動電圧を印加するに伴い、超音波送受信部2の圧電セラミック振動板21に生ずる音響振動波形を、電極に生ずるモニタ出力電圧波形として取得するモニタ出力電圧波形取得手段(受信部)6と、取得したモニタ出力電圧波形に基づいて伝播時間の補正情報を生成する補正情報生成手段8と、計測された伝播時間を補正情報に基づいて補正する伝播時間補正手段(演算部)11とを有する。
上記発明によると、超音波ビームSWの伝播時間を伝播時間計測手段1Eにより計測し、その伝播時間に基づいて、流路を流れる被測定流体GFの流量を算出している。超音波送受信部2に駆動電圧を印加すると圧電セラミック振動板21が振動して音響振動波形が生じ、電極24からモニタ出力電圧波形として取り出される。そして、このモニタ出力電圧波形に基づいて伝播時間の補正情報が生成され、超音波ビームSWの伝播時間が補正情報に基づいて補正される。このようにすると、超音波送受信部2に駆動電圧を印加してから超音波が送出されるまでの遅延時間が経時ドリフトした場合でも、この遅延時間が補正に反映されるため、流量計測を正確に行うことが可能となる。
図26に、演算部11のブロック図を示す。このように、演算部11はCPU111、ROM112、RAM113、I/O114、これらの構成を繋ぐライン115を備える。ROM112には制御プログラム112aが記憶されており、CPU111がこの制御プログラム112aを読み出して実行することにより、本発明の流量算出手段、伝播時間補正手段、伝播時間補正算出手段、遅延時間測定手段、遅延時間更新手段、遅延時間較正直線決定手段、遅延時間較正曲線決定手段がそれぞれ実現される。また、RAM113には、遅延時間較正直線を決定した際の温度係数を記憶するための温度係数記憶領域113aと、同じく切片を記憶するための切片記憶領域113bと、基準温度Taにて測定した遅延時間の測定データを記憶するための測定データ記憶領域113cが設けられている。
図4は、図1の回路構成の詳細例を示すものである。2つの超音波送受信部2a,2bは、いずれも接地端子41a,41bが個別のスイッチSW3,SW4を介して接地ラインGNDに接続されている。接地ラインGNDはスイッチSW5を開始して接地導通とフロートとの間で切り替え可能になっている。一方、駆動端子43a,43bは、スイッチSW1,SW2により駆動入力ラインINPに、択一的に接続切り替え可能につながれている。また、モニタ端子44a,44bは、スイッチSW8,SW9によりモニタラインMNTに、択一的に接続切り替え可能につながれている。さらに、駆動入力ラインINPとモニタラインMNTとは、増幅部7に対し、スイッチSW6,SW7により択一的に接続切り替え可能につながれている。
なお、駆動入力ラインINP上には、並列の双方向ダイオード対からなるインピーダンス変換用のブートストラップ回路51が設けられている。また、モニタラインMNTと接地ラインGNDとの間には、並列の双方向ダイオード対からなる過電圧保護回路52が配置されている。さらに、駆動入力ラインINP上と接地ラインGNDとの間には、耐ノイズ性向上と駆動入力電圧安定化を図るための抵抗R2が挿入されている。また、モニタラインMNT上には、増幅部7への入力インピーダンス調整用の抵抗R1が挿入されている。増幅部7は、入力上段側から、圧電セラミック振動板に生ずる電荷量変化を電圧変換するチャージアンプ71と、該チャージアンプ71の出力電圧を反転増幅する反転増幅部72とを有する。
図5は、ゼロクロスコンパレータ部9の回路構成例を示すものであり、増幅部7の波形出力の入力信号は、該入力信号をGND基準で方形波化する第一コンパレータ91と、同じく下限振幅(振幅下限値Vs)を規制しつつ方形波化する第二コンパレータ92とに分配入力される。第一コンパレータ91の出力は、セットリセットフリップフロップ(RSFF)回路93のセット端子に、第二コンパレータ92の出力は同じくリセット端子に入力され、該セットリセットフリップフロップ(RSFF)回路93の出力変化エッジをトリガとする形で、単安定回路にて構成されたゼロクロスポイントパルス発生回路94が、増幅部7からの入力波形のうち振幅Vsを超える半波によるゼロクロスポイントに対応したパルス波形を出力する。このパルス波形は、クロックパルス発生回路96からのクロック入力と同期して動作するパルスカウンタ回路95にて計測され、規定数のパルス入力を計数することにより伝播時間の検出信号を出力する。
図6は、各部の動作シーケンスを示すタイミング図である。駆動パルス入力により励起された振動波形の増幅出力(Va)は、第一コンパレータ91により方形波化される一方(Vb1)第二コンパレータ92は、振幅Vsを閾値とした反転波形にて上記振動波形を方形化する。これにより、第一コンパレータ91の方形波出力は、振幅Vsを超える半波が入力された場合にのみRSFF回路93によりラッチされ、ゼロクロスポイントパルス発生回路94へのパルス出力トリガとなる入力エッジを生ずる。本実施形態では、振幅が漸増する初期振動波形の所定順位波のゼロクロスポイント(ここでは、第二正半波のゼロクロスポイント(つまり、波形開始点から3番目のゼロクロスポイント)から認識されるように、第二コンパレータ92の振幅閾値が定められている。
図4の回路は、以下のように動作する(スイッチの繰り替え駆動は、図1の演算部11が制御プログラム112aを実行することにより行なわれる)。まず、上流側超音波送受信部2aに駆動信号パルスが入力される。このとき、SW1,SW7,SW8がONとなり、SW3,4,5もONとなる。他方、SW2,SW6,SW9はOFFとなる。これにより、上流側超音波送受信部2aは駆動端子43aにて振動励起され、前述の遅延時間を経てモニタ端子44aに駆動モニタ波形が現われる。この波形は、モニタラインMNT(SW7)を経て増幅部7からゼロクロスコンパレータ9に入力され、前述のごとく、所定順位波のゼロクロスポイントが特定され、伝播時間検出信号が時間計測回路10に出力される。時間計測回路10は、駆動信号の入力タイミングを起点として、モニタ波形の上記ゼロクロスポイントまでの時間を遅延時間t0(図7)として測定する。
なお、後述するように本発明では、遅延時間t0の計測頻度を、例えば半年に1回のように少なくしている。そして、遅延時間t0を記憶しておく。通常の流量計測をする場合は、上流側超音波送受信部2aに駆動信号パルスを入力してから、スイッチを切り替え、下流側超音波送受信部2bからゼロクロス信号が検出されるまでの時間txを測定し、tx−t0を算出する。そして、この値を用いて流量計測する。
より詳細に説明する。上流側超音波送受信部2aに駆動信号パルスを入力した後は、超音波が被測定媒体中に放出されているので、この波形が下流側超音波送受信部2bに到達するまでの間に、SW7,SW8をOFFとして、SW2,SW6をONとする切り替えを行なう(SW1,3,4,5はON状態を、SW9はOFF状態を継続する)。これにより、下流側超音波送受信部2bの受信波形が駆動ラインMNT(SW6)を経て増幅部7からゼロクロスコンパレータ9に入力され、所定順位波のゼロクロスポイントが特定され、伝播時間検出信号が時間計測回路10に出力される。時間計測回路10は、駆動信号の入力タイミングを起点として、受信波形の上記ゼロクロスポイントまでの時間を原計測時間tx(図7)として測定する。これにより、最終的な順方向伝播時間をtx−t0として算出できる。
続いて、上流側超音波送受信部2aと下流側超音波送受信部2bとの送受信関係を入れ替えて同様の測定が行なわれる。すなわち、下流側超音波送受信部2bに駆動信号パルスを入力するため、SW2,SW7,SW9がONとなり、SW3,4,5もONとなる。他方、SW1,SW6,SW8はOFFとなる。これにより、下流側超音波送受信部2bは駆動端子43bにて振動励起され、前述と同様に所定順位波のゼロクロスポイントが特定され、伝播時間検出信号が時間計測回路10に出力される。時間計測回路10は、駆動信号の入力タイミングを起点として、モニタ波形の上記ゼロクロスポイントまでの時間t0’を測定する。次に、SW7,SW9をOFFとして、SW1,SW2,SW6をONとする切り替えを行なう(SW2,3,4,5はON状態を.SW8はOFF状態を継続する)。これにより、上流側超音波送受信部2aの受信波形のゼロクロスポイントが特定され、伝播時間検出信号が時間計測回路10に出力される。時間計測回路10は、駆動信号の入力タイミングを起点として、受信波形の上記ゼロクロスポイントまでの時間tx’を測定する。これにより、最終的な逆方向伝播時間をtx’−t0’として算出できる。そして、前述の順方向伝播時間tx−t0を合わせ用いて、周知の方法にて流速(あるいは流量)を算出することができる。これにより、超音波素子が経時劣化して遅延時間t0が変化した場合でも、実際に超音波ビームSWが伝播した時間tx−t0を正確に測定できる。そのため、流量計測を正確に行うことができる。
上述したように本実施例では、遅延時間t0の測定を、ガス流量計測の度に行うのではなく、記憶装置(例えば演算部11のRAM113(図26参照))に記憶しておき、流量計測の際に、その記憶値を用いてtx−t0を算出している。このようにすると、頻繁に遅延時間t0を計測する必要がないため、回路の消費電力を低くすることができ、また、スイッチ切り替えの回数が少なくてすむので、ガス流量の測定頻度を多くすることも可能となる。
また、遅延時間t0は経年ドリフトするため、図15に示すように、工場出荷して所定の日数が経過した後、所定の日数が経過した後に、遅延時間t0を測定し、記憶値を更新するとよい。また、超音波送受信部2の遅延時間t0は温度によっても値が変わるので、測定は、超音波送受信部2が予め定められた基準温度Taに到達した際に行うことが望ましい。
より詳しくは、伝播時間補正手段11(図1参照)は、予め定められた基準温度にて測定された遅延時間t0を記憶する遅延時間記憶手段113(図26)と、流量測定のために伝播時間計測手段1Eが原計測時間txを計測取得するに伴い、遅延時間記憶手段113から遅延時間t0を読み出し、伝播時間をtx−t0として補正算出する伝播時間補正算出手段とを備える。また、被測定流体GFの温度を測定する流体温度測定手段80と、温度測定手段による測定温度が基準温度に到達する予め定められたキャリブレーションタイミングが到来するに伴い、遅延時間t0’を測定する遅延時間測定手段と、を備える。そして、測定取得された遅延時間t0’により遅延時間記憶手段113の記憶内容を更新する遅延時間更新手段とを備えている。このようにすると、遅延時間t0’を定期的に測定して値を更新できるため、長年にわたって正確な流量計測を行える。
キャリブレーションタイミングは、伝播時間計測手段1Eによる流量計測タイミングよりも低頻度にて到来するように定めるとよい。すなわち、流量計測の頻度(超音波伝播時間を計測する頻度)よりも、遅延時間t0を測定する頻度を少なくするとよい。例えば、遅延時間t0の測定は半年に1回とか、1年に1回とする。これにより、頻繁に遅延時間t0を計測する必要がなくなり、超音波流量計1の低電力化にも繋がる。
また、図15の実施例では、基準温度が1点のみ定められ、遅延時間記憶手段113は、基準温度にて測定された遅延時間を記憶するものとされ、さらに、遅延時間と、予め記憶された温度係数αとに基づいて遅延時間較正直線が決定される。例えば、遅延時間較正直線として図15の(1)式と(2)式を決定する。ここで、(1)式はt1=αTa+β1を満足し、(2)式はt2=αTa+β2を満足している。(1)式は上流側超音波送受信部2aに対応し、(2)式は下流側超音波送受信部2bに対応するものである。一方、伝播時間計測手段1Eは、伝播時間計測を任意の温度にて行ない、伝播時間計測がなされた測定温度に対応する遅延時間t0を遅延時間較正直線から読み取り、これを用いて伝播時間tx−t0を算出している。このようにすると、流量測定を行う際の温度が、遅延時間t0を測定した際の基準温度と異なる場合でも、その遅延時間t0を遅延時間較正直線から読み取り、伝搬時間の算出(tx−t0)に利用することができる。これにより、超音波素子の遅延時間t0の、温度による変化をも補正して、正確な流量計測を行うことが可能となる。
温度係数αは、例えば、工場出荷時に個々の超音波流量計について測定し、その値を記憶したものである。このようにすると、温度係数αに個体差があっても、遅延時間t0を正確に求めることが可能となる。工場出荷時に個々の超音波流量計について、温度係数αの個体差があまり無い場合は、代表平均値を記憶するようにしてもよい。なお、温度係数αおよび切片βは、上述したRAM113(図26参照)の温度係数記憶領域113aおよび切片記憶領域113bにそれぞれ記憶され、遅延時間t0の測定データは、測定データ記憶領域113cに記憶される。
図21に、遅延時間t0を計測する際のフローチャートを示す。まず、ステップS1では、工場出荷時または前回の測定から所定の日数が経過したか否かを判断する。ここでNoと判定された場合はリターンに進む。また、Yesと判定された場合はS2に移り、温度センサ80の測定値が、代表温度Ta±ΔTの温度範囲にあるか否かを判定する。ここでYesと判定された場合はS3に移り、各超音波素子2a,2bの遅延時間t0を測定し、記憶値を更新する。その後、上述した遅延時間較正直線を更新する。
図25に、ガス流量を計測する際のフローチャートを示す。まず、ステップS18にて、上流側超音波送受信部2aへ駆動信号を入力する。その後、S19にてスイッチ切り替えを行い、S20に移る。S20では、駆動信号を入力してから下流側超音波送受信部2bのゼロクロス信号を検知するまでの時間tx1を検出する。その後、遅延時間較正直線を用いて現在の温度に対応する遅延時間t0を算出し(S22)、t1=tx1−t0を算出する(S22)。次に、S23〜S26にて、同様の処理を下流側超音波送受信部2bに関しても行い、t2=tx2−t0を算出する。そして、S27にてt1とt2からガス流量を算出する。
次に、図17に示すように、互いに異なる複数の基準温度Ta1,Ta2,Ta3にて遅延時間t0を測定し、これらの測定値から遅延時間較正直線を決定してもよい。このようにすると、複数点において遅延時間t0を測定し記憶するため、1点のみ測定する場合と比較して、温度と遅延時間t0との関係(遅延時間較正直線)を正確に定めることができる。
図22に、複数の基準温度にて遅延時間を測定するためのフローチャートを示す。まずステップS5にて、前回の測定から所定日数が経過したか否かを判定する。ここでNoと判定された場合はリターンに進み、Yesと判定された場合はS6に進む。S6では、温度センサ80の測定値が代表温度Ta1±ΔTの温度範囲にあるか否かを判定する。ここでYesと判定された場合はS7に進み、Ta1について送信遅延時間t0を測定し、記憶値を更新する。次にS8に進み、温度センサ80の測定値が代表温度Ta2±ΔTの温度範囲にあるか否かを判定する。S8でYesと判定された場合はS9に進み、Ta2について送信遅延時間t0を測定し、記憶値を更新する。その後、S10,S11に進み、代表温度Ta3について同様の処理を行う。
次に図23を用いて、複数の基準温度にて遅延時間を測定した場合の、遅延時間較正直線の決定方法について説明する。図23では、破線で記した遅延時間較正直線が古いデータに基づくもので、直線が新しいデータに基づくものである。まず、破線で記した古い遅延時間較正直線は(0)式にて定められている。ここで、基準温度Ta1,Ta2,Ta3のうち、いずれかの基準温度にて新しく遅延時間t0を測定し、記憶値を更新した場合、遅延時間較正直線は(1)式に更新される。例えば第一の測定点(Ta1,t01)が測定された場合、(1)式は、温度係数として(0)式の温度係数α1をそのまま用い、上記第一の測定点(Ta1,t01)を通る直線として定義される。その後、第二の測定点(Ta2,t02)が測定された場合、遅延時間較正直線は(2)式に更新される。(2)式は、第一および第二の測定点を通る直線として定義される。次に、第三の測定点(Ta3,t03)が測定されると、遅延時間較正直線は(3)式に更新される。(3)式は、これら3個の測定点を使って、最小二乗法により定義される。
図24に、遅延時間較正直線を決定する際のフローチャートを示す。まずS12では、基準温度Ta1,Ta2,Ta3のうち、1点めの測定値が得られたか否かを判定する。ここでNoと判定された場合はリターンに進む。また、Yesと判定された場合はS13に進み、遅延時間較正直線を(1)式に更新する。次にS14に進み、2点めの測定値が得られたか否かを判定する。ここでYesと判定された場合はS15に進み、遅延時間較正直線を(2)式に更新する。次に、S16に進み、3点めの測定値が得られた場合は、S17に移って、遅延時間更新直線を(3)式に更新する。
次に、本発明の別の実施例を図16に示す。図16の実施例では、1回の流量測定に際してパルス状の駆動電圧を超音波送受信部2に複数回連続して印加している。また、補正情報生成手段8(図1参照)は、複数回のパルス状の駆動電圧に由来したモニタ出力電圧波形に生ずる複数個のゼロクロス点の発生タイミングを平均化して計測基準点として定めている。例えば、上流側超音波送受信部2aの遅延時間t1’は、(t11+t21+t31)/3にて定義される。このようにすると、超音波送受信部2にパルス状の駆動電圧が複数回連続して印加されるため、超音波送受信部2の振動を安定させることができる。
また、図18に示すように駆動電圧を印加することもできる。この実施例では、1回の流量測定に際してパルス状の駆動電圧を超音波送受信部2に複数回連続して印加しており、かつ、複数のパルス状の駆動電圧の最後のものを、これに先行する残余のものよりもパルス電圧振幅の大きいマーカーパルスとして印加している。このようにすると、超音波送受信部の振動を安定化することができる。
次に図28,図29を用いて、ガスの流量計測を行うための計算式について説明する。図28は、超音波送受信部2aから超音波ビームを送出して、超音波送受信部2bで受信する場合(以下、「順方向計測時」ともいう)の概略図である。各符号の意味を以下に示す。
tx:原計測時間(超音波送受信部2aに駆動パルスを入力してから、超音波送受信部2bにゼロクロス信号が発生するまでの時間);
t01:遅延時間(超音波送受信部2aに駆動パルスを入力してから、当該超音波送受信部2aの部分電極にゼロクロス信号が発生するまでの時間);
T01:実伝播時間(超音波送受信部2aの圧電セラミック振動板を超音波が脱出してから、音響インピーダンス整合層及び被測定流体を通過し、超音波送受信部2bにて特定のゼロクロス点として検出されるまでの時間);
γa:経年変化による超音波送受信部2a側の遅延時間t01の変化量。
また、図29は、送信側と受信側を切り替えて、超音波送受信部2bから超音波ビームを送出した場合(以下、「逆方向計測時」ともいう)の概略図である。各符号の意味を以下に示す。
ty:原計測時間(超音波送受信部2bに駆動パルスを入力してから、超音波送受信部2aにゼロクロス信号が発生するまでの時間);
t02:遅延時間(超音波送受信部2bに駆動パルスを入力してから、当該超音波送受信部2bの部分電極にゼロクロス信号が発生するまでの時間);
T02:実伝播時間(超音波送受信部2bの圧電セラミック振動板を超音波が脱出してから、音響インピーダンス整合層及び被測定流体を通過し、超音波送受信部2aにて特定のゼロクロス点として検出されるまでの時間);
γb:経年変化による超音波送受信部2b側の遅延時間t02の変化量。
図28及び図29に示すごとく、原計測時間tx,tyと、遅延時間t01,t02と実伝播時間T01,T02とは次の関係で結ばれる。
T01=tx−t01 ‥(1)
T02=ty−t02 ‥(2)
あるいは、
tx=T01+t01 ‥(1)’
ty=T02+t02 ‥(2)’
である。他方、超音波送受信部2a及び超音波送受信部2bは、遅延時間t01及びt02が、圧電セラミック振動板の経年劣化により各々γa及びγbだけ変化して、
t’01=t01+γa ‥(3)
t’02=t02+γb ‥(4)
となる。
従来の超音波流量計においては、原計測時間tx,tyそのものを流量算出用の伝播時間として採用していたが、(3)(4)式は、流量算出に使用する該伝播時間のゼロ点が素子の経年劣化によりγaないしγbだけドリフトすることを意味する。他方、原計測時間tx,tyに影響を及ぼす可能性のある因子としては、音響インピーダンス層の経年劣化なども考えられるが、いずれも圧電セラミック振動板の経年劣化による遅延時間t01及びt02への影響に比べればはるかに小さいと考えられる。つまり、(1)’及び(2)’において、実伝播時間T01,T02は、遅延時間t01及びt02と比較してほぼ不変とみなしうるので、経時劣化後の原計測時間tx’と原計測時間ty’の変化量も、遅延時間t01及びt02の変化量であるγa、γbとほぼ等しい。すなわち、
t’x=tx+γa ‥(5)
t’y=ty+γb ‥(6)
本発明では、原計測時間tx,tyから、その遅延時間t01及びt02を減じた実伝播時間T01,T02を流量算出用の伝播時間として採用するので、上記経年劣化によるゼロ点ドリフトの影響を効果的に解消することができる。すなわち、超音波ビームの伝播長をL、ガス中における超音波ビームの伝播速度をK、ガスの流速をv、超音波ビームの送出角度(図1参照)をθ、流路3の断面積をS、単位時間あたりのガスの通過体積をQとすると、経時劣化前は、
T01=L/(K+v・cosθ) ‥(7)
T02=L/(K−v・cosθ) ‥(8)
であり、ガスの流速vは、
v=(L/2cosθ)×(1/T01−1/T02) ‥(9)
(1)、(2)、(9)より、
v =(L/2cosθ)
×{1/(tx−t01)−1/(ty−t02)} ‥(10)
流量Qは、
Q=S・v ‥(11)
として求められる。
次に、経時劣化後のガス流速v’は、
v’=(L/2cosθ)×(1/T’01−1/T’02)
=(L/2cosθ)
×{1/(tx’−t’01)−1/(ty’−t’02)} ‥(12)
となる。しかし、(3)、(4)、(5)、(6)より、該(12)は、
v’ =(L/2cosθ)
×{1/((tx+γa)−(t01+γa))
−1/((ty+γb)−(t02+γb))}
=(L/2cosθ)
×{1/(tx−t01)−1/(ty−t02)}
= v (経時劣化前) ‥(13)
となり、流速測定値v’は該経時劣化の影響をほとんど受けなくなることが明らかである。
つまり、原計測時間tx,tyが経時劣化により(5)(6)のごとく変化してゼロ点がドリフトしても、そのドリフト寄与の大半を担う遅延時間t01,t02を減じた実伝播時間T01,T02を採用する限り、含まれる変化量γa、γbの影響が常に減算相殺され、正確な流量測定が可能となるのである。この場合、ゼロ点ドリフト補正の方式としては、(10)式において、原計測時間tx,tyからの減算項をなす遅延時間t01及びt02を、その都度新しい実測値により丸ごと更新する方法と、工場出荷時の遅延時間t01及びt02を基準値として用い、その後は、遅延時間実測値から求めた変化量γa、γbにて上記基準値を補正しつつ用いる方法とのいずれを採用してもよい。
次に、図2に戻り、超音波送受信部2の断面構造について説明する。超音波送受信部2は、その要部(振動駆動部)が、板厚方向に分極処理された圧電セラミック振動板21と、該圧電セラミック振動板21の各主表面を覆う形で該圧電セラミック振動板21を挟んで対向形成され、該圧電セラミック振動板21を超音波振動させるための駆動電圧が印加される主電極対22,23と、主電極対22,23のいずれとも絶縁分離した形で圧電セラミック振動板21上に形成され、駆動電圧の印加に伴い圧電セラミック振動板21に生ずる超音波振動の圧電モニタリング信号を取り出すためのモニタ用部分電極24とを備える。
圧電セラミック振動版21は、例えばチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)、チタン酸バリウム、チタン酸鉛、チタン酸ジルコン酸ランタン鉛等のペロブスカイト型強誘電性セラミックにて構成されており、板厚方向に分極処理されている。また、各電極22,23,34はCu等の金属蒸着膜からなる。
主電極対22,23は、圧電セラミック振動板21の第一主表面を覆う接地電極22(GND側に接続される)と、同じく第二主表面を覆う駆動電極23(駆動電源側に接続される)とからなる。モニタ用部分電極24は、それら接地電極22及び駆動電極23のいずれよりも圧電セラミック振動板21に対する被覆面積を小さく形成されている。電極駆動電極23は接地電極22よりも圧電セラミック振動板21に対する被覆面積が小さく設定され、該圧電セラミック振動板21の第二主表面の駆動電極23に覆われていない残余領域にモニタ用部分電極24が形成される。
モニタ用部分電極24は、圧電セラミック振動板21の第二主表面の外周縁領域に形成されている。具体的には、圧電セラミック振動板21が円板状に形成され、駆動電極23は該圧電セラミック振動板21の外周縁に沿う円状の外周縁形状を有する。そして、当該円状の外周縁の一部を半径方向内側に凹状に引っ込ませる形で駆動電極23の一部を切り欠き、その切欠き領域23cの内側にモニタ用部分電極24が形成されている。駆動電極23側の外周縁は、モニタ用部分電極24との隣接位置にて、該駆動電極23とモニタ用部分電極24との間に所定幅の隙間20を形成する形で、該モニタ用部分電極24の外周縁に倣う形状に形成されている。なお、駆動電極23とモニタ用部分電極24との間に形成される隙間20の幅wは、0.5mm以上2.5mm以下に調整される。
なお、モニタ用部分電極24の形成形態は上記したものに限られるものではなく、例えば、図12に示すように、駆動電極23を直線状の隙間20により切り欠いて、弓形のモニタ用部分電極24を形成することも可能である。
また、圧電セラミック振動板21の分極処理は、図13に示すように、モニタ用部分電極24と駆動電極23とをパターニング形成し、これら電極に対応する形で絶縁分離された分極ブロック71,72と、接地電極22側の分極ブロックとの間に挟みつけて、分極用電源74から高圧の分極電圧を印加して行なうことができる。一方、図14に示すように、モニタ用部分電極24及び駆動電極23とを一体電極23Gとして形成し、一体電極23Gに対応した非分離の分極ブロック72と、接地電極22側の分極ブロックとの間に挟みつけて分極処理を行なった後、一体電極23Gをパターニングする方法を採用することも可能である。
図2に戻り、圧電セラミック振動板21は、駆動電極23及びモニタ用部分電極24の形成された第一主表面側がケーシング29の底部28の内面と対向する形で該ケーシング29内に配置されている。ケーシング29の底部28の裏面には、駆動端子43及びモニタ端子44が突出形成され、駆動電極23及びモニタ用部分電極24がこれら駆動端子43及びモニタ端子44にそれぞれ接続されている。
ケーシング29の側壁部30は、例えばステンレス鋼やアルミニウム合金など耐食性に優れる金属材料や、エンジニアリングプラスチック等で構成され、内周面底部側端部が段付き形状に拡径された形で裏面側開口部を形成している。そして、駆動端子43、接地端子41及びモニタ端子44を裏面側に立設した基板27が該裏面側開口部に嵌め込まれ、さらにエポキシ樹脂やシリコーン樹脂等の高分子材料が裏面側から充填されて底部28が形成されている。駆動端子43、接地端子41及びモニタ端子44は、該底部28を貫通して裏面側に延出している。
また、圧電セラミック振動板21は、ケーシング29の底部28と反対側の開口に望む位置に配置されている。そして、該開口を塞ぐ形で音響インピーダンス整合層25が、圧電セラミック振動板21の第二主表面上に形成された接地電極22と密着する形で設けられている。音響インピーダンス整合層25は、例えば、エポキシ樹脂などの樹脂材料をマトリックスとし、空隙形成用フィラー(例えば、ガラスバルーン)を分散させた複合材料により円板状に形成されてなり、圧電セラミック振動板21との接触側と反対側の主表面に超音波放出面が形成されている。超音波の伝達効率を向上させるために、該音響インピーダンス整合層25の空隙形成用フィラーの体積配合比率は、圧電セラミック振動板21と被測定流体(ここでは都市ガス)との中間の音響インピーダンス値(例えば、両者の幾何平均値を目標値とする)となるように調整されている。なお、目的とする音響インピーダンス値を得るために、空隙形成用フィラーを混入しない樹脂材料で音響整合層15を構成することもある。
次に、圧電セラミック振動板21とケーシング29の底部28との間には、シリコーン樹脂からなる絶縁層26が配置されている。駆動端子43と駆動電極23及びモニタ端子44とモニタ用部分電極24とは、該絶縁層26を貫く個別のワイヤ33,34によりそれぞれ半田付けによりボンディングされている。
また、接地電極22への導通経路31は、圧電セラミック振動板21の第二主表面側から該圧電セラミック振動板21の側周面を経て第一主表面側に回り込む形で形成されている。接地電極22は、ケーシング29の底部28の裏面に突出形成された接地端子41に対し、導通経路31を介して接続されている。図2において、該導通経路31は、圧電セラミック振動板21の第二主表面側にて一端が接地電極22に半田付けされるワイヤ31とされている。また、音響インピーダンス整合層25の該接地電極22との対向面には、ワイヤ31の半田付け部31sを収容する凹状部25cが形成されている。
図1に戻り、制御回路部1Eには、前述の超音波駆動機構4と周辺回路ブロック7〜11が設けられている。超音波駆動機構4は、送信部5、受信部6及び切り替え部4sを有する。送信部5は、超音波送受信部2a,2bに対して駆動信号を入力するための回路である。受信部6はスイッチ等から構成され、このスイッチを切り替えることにより、前述の駆動モードの切り替えがなされる。この受信部6の切り替え制御は切り替え部4sにより行われる。増幅部7は、受信部6により受信された超音波を所定の増幅率で増幅し、ゼロクロスポイント検出部9に入力する。ゼロクロスポイント検出部9は、受信した超音波波形に含まれる特定順位波(例えば、第3波)のゼロクロスポイントを検出するものである。時間計測部10は、第一駆動モードでの、上流側超音波送受信部2aから発信された超音波ビームSWが下流側超音波送受信部2bに到達するまでの順方向伝播時間と、第二駆動モードにおける下流側超音波送受信部2bから発信された超音波ビームSWが上流側超音波送受信部2aに到達するまでの逆方向伝播時間とを計測するものである。また、演算部11は、上記の順方向伝播時間と逆方向伝播時間との時間差から、流路を流れる被測定流体の平均流速度及び流量を計算する。
以下、超音波送受信部2の種々の変形例について説明する。図3Aの実施形態では駆動パルスは1個のみ入力していたが、駆動波形の均一化及び安定化のために、図3Bに示すように、複数個の駆動パルスを連続して入力するようにしてもよい。
また、図8に示すように、駆動端子43にモニタ端子を統合し、駆動電極23とモニタ部分電極25とを、導通接続/絶縁分離との間で切り替えるスイッチSW10を設けることも可能である。この構成では、駆動入力時には駆動電極23とモニタ部分電極25とが導通接続されるようにスイッチSW10を駆動切り替えすることで、モニタ部分電極25も駆動電圧の印加を担うことができ、圧電セラミック振動板21への駆動電圧印加をより均一に行なうことができる。駆動後は直ちにスイッチSW10を切り替えることで、駆動電極23とモニタ部分電極25とを絶縁分離でき、モニタ部分電極25を介して圧電セラミック振動板21の振動波形をより明確にモニタリングできる。図9は、この場合の回路構成例である。図4のスイッチSW8,9は省略されており、駆動ラインINPの一部がモニタラインMNTに共用化されている。
上流側超音波送受信部2aに駆動信号パルスが入力される場合は、SW1,SW7,SW10がONとなり、SW3,4,5もONとなる。他方、SW2,SW6,SW11はOFFとなる。受信時は、SW7,SW1,SW10をOFFとして、SW2,SW6,SW11をONとする切り替えを行なう。また、流側超音波送受信部2bに駆動信号パルスが入力される場合は、SW2,SW7,SW11がONとなり、SW3,4,5もONとなる。他方、SW1,SW6はOFFとなる。受信時は、SW7,SW2,SW11をOFFとして、SW1,SW6,SW10をONとする切り替えを行なう(SW3,4,5はON状態を継続する)。
図10の構成では、接地用の配線部を、一端が接地電極22に接続し、駆動電極23及びモニタ用部分電極24のいずれとも絶縁分離された形で圧電セラミック振動板21の第一主表面に形成された接地用接続パッド3pに他端が接続する形で圧電セラミック振動板21の周側面上に形成された接地用リード層31aと、一端が接地用接続パッド3pに半田付けされ他端が接地端子41に半田付けされるワイヤ31bとからなるものとして形成している。なお、接地用接続パッド3pとモニタ用部分電極24とは、駆動電極22による振動駆動分布の幾何学的バランスを考慮して、圧電セラミック振動板21の第一主表面の中心(幾何学的重心)位置に関してほぼ点対称の位置関係にて配置されている。
また、図7の構成においては、ケーシング29が、底部28と、該底部28の周縁から立ち上がる側壁部30と、該側壁部30の底部28と反対側の開口を塞ぐ天面部29tとが互いに導通する金属部材にて形成することができる。天面部29tの内面には、圧電セラミック振動板21の第二主表面を覆う接地電極22が導電性接着層46を介して密着配置され、ケーシング29を介して接地電極22が接地されるようになっている。また、天面部29tの外側主表面には、当該天面部29tとの接触側と反対側の主表面に超音波放出面が形成された音響インピーダンス整合層25が密着配置されている。側壁部30の内周面にはゴム製の絶縁リングが嵌め込まれ、圧電セラミック振動板21と底部28との間の空隙はシリコーン系等のゲル状高分子材料により充填されている。なお接地端子41は底部28に一体化される形で突出形成されている。
なお、図20に示すように、モニタ用部分電極を有さない超音波送受信部2を用いて流量計測をすることも可能である。この場合の、超音波流量計1のブロック図を図19に示す。例えば上手側超音波送受信部2aから超音波を送出する場合、SW8をON,SW1をOFF,SW7をOFFする。駆動端子43aにパルス状の駆動信号を入力した後、超音波ビームが出力される前に、SW8をOFF,SW1をON,SW7をONする。超音波送受信部2の圧電セラミック振動板21が音響振動することにより、圧電モニタリング信号が駆動端子43aから取り出され、これを増幅器7で増幅することにより、検知することができる。
次に、図27を用いて、時間計測部10の説明をする。時間計測部10には、所定周期のクロック信号が入力されている。また、ガス流量を計測する時には、超音波送受信部2へ印加される駆動信号と同じタイミングで、計時開始信号が入力される。この計時開始信号の入力により、時間計測が開始される。次に、受信側の超音波素子2からのゼロクロス信号が入力され、時間計測が終了する。そして、計時開始信号の入力からゼロクロス信号の入力までの間の時間が演算部11に対して出力される。
本発明の適用対象となる超音波流量計の全体構成を示す模式図。 本発明の超音波送受信素子の一実施形態を示す縦断面図。 図1の超音波送受信素子の電極形態を駆動例とともに示す説明図。 同じく駆動例の第一変形例を示す説明図。 図1の回路部分の詳細を示す図。 図4のゼロクロスコンパレータ回路の構成例を示す回路図。 図5のゼロクロスコンパレータ回路の動作シーケンスを示すタイミング図。 図1の超音波流量計の動作説明図。 図1の超音波送受信素子に係る端子接続形態の変形例を駆動例とともに示す説明図。 図8に対応する回路変形例を示す図。 図1の超音波送受信素子の第一変形例を示す説明図。 同じく第二変形例を示す説明図。 電極形成形態の変形例を示す図。 圧電セラミック振動板の分極工程の第一例を示す説明図。 同じく第二例を示す説明図。 駆動パルスを1回打った場合の音響振動波形の例。 駆動パルスを複数回打った場合の音響振動波形の例。 複数の基準温度にて送信遅延時間を計測する場合の例。 マーカーパルスを印加した場合の音響振動波形。 超音波流量計のブロック図の変形例。 部分電極を備えない超音波素子の例。 送信遅延時間を測定する際のフローチャート。 複数の基準温度にて遅延時間を測定する際のフローチャート。 遅延時間較正直線を決定する場合の説明図。 遅延時間較正直線を決定する場合のフローチャート。 ガス流量を測定するためのフローチャート。 演算部の詳細ブロック図。 時間計測部と演算部の詳細図。 流量計算説明図(その1)。 流量計算説明図(その2)。
符号の説明
3p 接地用接続パッド
20 隙間
21 圧電セラミック振動板
22,23 主電極対
22 接地電極
23c 切欠き領域
24 モニタ用部分電極
25 音響インピーダンス整合層
25c 凹状部
26 絶縁層
28 底部
29 ケーシング
29t 天面部
30 側壁部
31 ワイヤ(導通経路)
31b ワイヤ
31a 接地用リード層
31s 半田付け部
41 接地端子
43 駆動端子
46 導電性接着層

Claims (26)

  1. 被測定流体の流路を形成する流路形成部と、
    前記流路形成部に対し前記被測定流体の流通方向において互いに異なる位置に設けられ、板厚方向に分極処理された圧電セラミック振動板と、該圧電セラミック振動板上に形成された電極とを有する超音波送受信素子を備えるとともに、一方が前記被測定流体への測定用超音波の送出側となり、他方が該測定用超音波の受信側となるように機能するとともに、各々前記測定用超音波として、予め定められた向きへの指向性を有する超音波ビームを送出可能な対をなす超音波送受信部と、
    前記超音波送受信部にパルス状の駆動電圧を印加する駆動電圧印加手段と、
    送信側となる超音波送受信部から送出される超音波ビームの、受信側となる超音波送受信部へ到達するまでの伝播時間を計測する伝播時間計測手段と、
    計測された前記伝播時間に基づいて前記被測定流体の流量を算出する流量算出手段とを有し、
    前記伝播時間計測手段は、
    送信側となる超音波送受信部に前記駆動電圧を印加するに伴い、当該超音波送受信部の前記圧電セラミック振動板に生ずる音響振動波形を、前記電極に生ずるモニタ出力電圧波形として取得するモニタ出力電圧波形取得手段と、
    取得した前記モニタ出力電圧波形に基づいて前記伝播時間の補正情報を生成する補正情報生成手段と、
    計測された前記伝播時間を前記補正情報に基づいて補正する伝播時間補正手段と、
    を有することを特徴とする超音波流量計。
  2. 前記補正情報生成手段は、前記モニタ出力電圧波形上に前記伝播時間の計測基準点を前記補正情報として定める請求項1記載の超音波流量計。
  3. 前記補正情報生成手段は、前記モニタ出力電圧波形に生ずる所定順位のゼロクロス点を前記計測基準点として定め、前記駆動信号の入力タイミングから前記計測基準点に至る遅延時間t0を計測し、前記伝播時間計測手段が計測する、前記駆動信号の入力タイミングから前記受信側となる超音波送受信部に生ずる到達波形の所定順位のゼロクロス点に至る時間を原計測時間txとして、前記伝播時間をtx−t0として算出する請求項1または2記載の超音波流量計。
  4. 前記伝播時間補正手段は、
    予め定められた基準温度にて測定された前記遅延時間t0を記憶する遅延時間記憶手段と、
    流量測定のために前記伝播時間計測手段が前記原計測時間txを計測取得するに伴い、前記遅延時間記憶手段から前記遅延時間t0を読み出し、前記伝播時間をtx−t0として補正算出する伝播時間補正算出手段と、
    前記被測定流体の温度を測定する流体温度測定手段と、
    前記温度測定手段による測定温度が前記基準温度に到達する予め定められたキャリブレーションタイミングが到来するに伴い、前記遅延時間t0’を測定する遅延時間測定手段と、
    測定取得された遅延時間t0’により前記遅延時間記憶手段の記憶内容を更新する遅延時間更新手段と、
    を備える請求項3に記載の超音波流量計。
  5. 前記キャリブレーションタイミングは、前記伝播時間計測手段による流量計測タイミングよりも低頻度にて到来するように定められてなる請求項4記載の超音波流量計。
  6. 前記伝播時間補正手段において、前記基準温度が1点のみ定められ、前記遅延時間記憶手段は、当該基準温度にて測定された前記遅延時間を記憶するものとされ、さらに、前記遅延時間と、予め記憶された温度係数とに基づいて遅延時間較正直線を決定する遅延時間較正直線決定手段を有するとともに、
    前記伝播時間計測手段は、前記伝播時間計測を任意の温度にて行ない、当該伝播時間計測がなされた測定温度に対応する遅延時間を前記遅延時間較正直線から読み取り、これを用いて前記伝播時間を算出するものである請求項4又は請求項5に記載の超音波流量計。
  7. 前記伝播時間補正手段において、前記基準温度が互いに異なる複数点に定められ、前記遅延時間記憶手段は、前記複数の基準温度にて各々測定された遅延時間を記憶するものとされ、さらに、前記遅延時間記憶手段に記憶されている前記複数の基準温度に基づいて遅延時間較正曲線を決定する遅延時間較正曲線決定手段を有するとともに、
    前記伝播時間計測手段は、前記伝播時間計測を任意の温度にて行ない、当該伝播時間計測がなされた測定温度に対応する遅延時間を前記遅延時間較正曲線から読み取り、これを用いて前記伝播時間を算出するものである請求項4又は請求項5に記載の超音波流量計。
  8. 前記駆動電圧印加手段は、1回の流量測定に際して前記パルス状の駆動電圧を前記超音波送受信部に複数回連続して印加するものであり、
    前記補正情報生成手段は、前記複数回のパルス状の駆動電圧に由来したモニタ出力電圧波形に生ずる複数個のゼロクロス点の発生タイミングを平均化して前記計測基準点として定めるものである請求項3ないし請求項7のいずれか1項に記載の超音波流量計。
  9. 前記超音波送受信素子は、
    前記圧電セラミック振動板の各主表面を覆う形で該圧電セラミック振動板を挟んで対向形成され、該圧電セラミック振動板を超音波振動させるために前記駆動電圧が印加される主電極対と、
    前記主電極対のいずれとも絶縁分離した形で前記圧電セラミック振動板上に形成され、前記駆動電圧の印加に伴い前記圧電セラミック振動板に生ずる超音波振動の圧電モニタリング信号を取り出すためのモニタ用部分電極とを備え、
    前記モニタ出力電圧波形取得手段は、前記モニタ用部分電極の前記圧電モニタリング信号を前記モニタ出力電圧波形として取り出すものである請求項1ないし請求項8のいずれか1項に記載の超音波流量計。
  10. 前記主電極対は、前記圧電セラミック振動板の第一主表面を覆う接地電極と、同じく第二主表面を覆う駆動電極とからなり、前記モニタ用部分電極は、それら接地電極及び駆動電極のいずれよりも前記圧電セラミック振動板に対する被覆面積が小さく形成されてなる請求項9記載の超音波流量計。
  11. 前記駆動電極は前記接地電極よりも前記圧電セラミック振動板に対する被覆面積が小さく形成されてなり、該圧電セラミック振動板の前記第二主表面の前記駆動電極に覆われていない残余領域に前記モニタ用部分電極が形成されてなる請求項10記載の超音波流量計。
  12. 前記モニタ用部分電極は圧電セラミック振動板の前記第二主表面の外周縁領域に形成されてなる請求項11記載の超音波流量計。
  13. 前記圧電セラミック振動板が円板状に形成され、前記駆動電極は該圧電セラミック振動板の外周縁に沿う円状の外周縁形状を有するとともに、当該円状の外周縁の一部を半径方向内側に凹状に引っ込ませる形で前記駆動電極の一部が切り欠かれ、その切欠き領域の内側に前記モニタ用部分電極が形成されてなる請求項12記載の超音波流量計。
  14. 前記駆動電極側の外周縁は、前記モニタ用部分電極との隣接位置にて、該駆動電極とモニタ用部分電極との間に所定幅の隙間を形成する形で、該モニタ用部分電極の外周縁に倣う形状に形成されてなる請求項12又は請求項13に記載の超音波流量計。
  15. 前記駆動電極とモニタ用部分電極との間に形成される前記隙間の幅が0.5mm以上2.5mm以下とされてなる請求項14記載の超音波流量計。
  16. 前記圧電セラミック振動板は、前記駆動電極及び前記モニタ用部分電極の形成された第一主表面側がケーシングの底部内面と対向する形で該ケーシング内に配置され、
    前記ケーシングの底部裏面に突出形成された駆動端子及びモニタ端子に対し、前記駆動電極及び前記モニタ用部分電極がそれぞれ接続されてなる請求項10ないし請求項15のいずれか1項に記載の超音波流量計。
  17. 前記圧電セラミック振動板と前記ケーシングの底部との間に絶縁層が配置され、前記駆動端子と前記駆動電極及び前記モニタ端子と前記モニタ用部分電極とが、前記絶縁層を貫く個別のワイヤによりそれぞれボンディングされてなる請求項16記載の超音波流量計。
  18. 前記接地電極への導通経路が前記圧電セラミック振動板の前記第二主表面側から該圧電セラミック振動板の側周面を経て前記第一主表面側に回り込む形で形成され、前記ケーシングの底部裏面に突出形成された接地端子に前記接地電極が該導通経路を介して接続されてなる請求項16又は請求項17に記載の超音波流量計。
  19. 前記ケーシングの前記底部と反対側の開口に望む位置に前記圧電セラミック振動板が配置されるとともに、該開口を塞ぐ形で、前記圧電セラミック振動板との接触側と反対側の主表面に超音波放出面が形成された音響インピーダンス整合層が、前記圧電セラミック振動板の前記第二主表面上に形成された前記接地電極と密着する形で設けられている請求項18記載の超音波流量計。
  20. 前記導通経路は、前記圧電セラミック振動板の前記第二主表面側にて一端が前記接地電極に半田付けされるワイヤであり、前記音響インピーダンス整合層の該接地電極との対向面に、前記ワイヤの半田付け部を収容する凹状部が形成されてなる請求項19記載の超音波流量計。
  21. 前記配線部は、一端が前記接地電極に接続し、前記駆動電極及び前記モニタ用部分電極のいずれとも絶縁分離された形で前記圧電セラミック振動板の第一主表面に形成された接地用接続パッドに他端が接続する形で前記圧電セラミック振動板の周側面上に形成された接地用リード層と、一端が前記接地用接続パッドに半田付けされ、他端が前記接地端子に半田付けされるワイヤとからなり、
    前記接地電極の全面に渡って前記音響インピーダンス整合層が密着配置されてなる請求項19記載の超音波流量計。
  22. 前記ケーシングは、前記底部と、該底部の周縁から立ち上がる側壁部と、該側壁部の前記底部と反対側の開口を塞ぐ天面部とが互いに導通する金属部材にて形成され、前記天面部の内面に前記圧電セラミック振動板の前記第二主表面を覆う前記接地電極が導電性接着層を介して密着配置され、当該ケーシングを介して前記駆動電圧が接地される請求項17又は請求項18に記載の超音波流量計。
  23. 前記天面部の外側主表面に、当該天面部との接触側と反対側の主表面に超音波放出面が形成された音響インピーダンス整合層が密着配置されてなる請求項15に記載の超音波流量計。
  24. 前記駆動電圧印加手段は、前記駆動電圧を前記モニタ用部分電極に印加せず前記主電極対に印加するものである請求項9ないし請求項23のいずれか1項に記載の超音波流量計。
  25. 前記駆動電圧の電源ラインと前記圧電モニタリング信号の出力ラインとのいずれかに前記モニタ用部分電極を切替可能に接続する切替スイッチが設けられ、前記駆動電圧印加手段は、前記モニタ用部分電極を前記電源ラインに接続することにより、前記駆動電圧を前記主電極対とともに該モニタ用部分電極にも印加し、その後前記切替スイッチを前記圧電モニタリング信号の出力ライン側に切り替えるものである請求項9ないし請求項23のいずれか1項に記載の超音波流量計。
  26. 前記駆動電圧印加手段は、1回の流量測定に際して前記パルス状の駆動電圧を前記超音波送受信部に複数回連続して印加するものであり、かつ、当該複数のパルス状の駆動電圧の最後のものを、これに先行する残余のものよりもパルス電圧振幅の大きいマーカーパルスとして印加する請求項3ないし請求項25のいずれか1項に記載の超音波流量計。
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