JP2008163827A - エンジンの始動制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】エンジンの自動始動の際に一旦エンジンを逆転させることを前提に、自己着火をより確実に防止できるようにする。
【解決手段】あらかじめ設定されたエンジンの自動始動条件を満足したときに、エンジン停止時に圧縮行程にあった圧縮行程気筒で燃焼を実行させてエンジンを一旦逆転させた後、エンジン停止時に膨張行程であった膨張行程気筒で燃焼を行わせて正転方向への始動が行われる。エンジン停止時に吸気行程にある吸気行程気筒における吸気弁のリフト量が、自動始動の際のエンジン逆転中に比してエンジン正転中の方が小さくなるように変更される(逆転中の筒内空気を吸気系に十分に逃がす一方、その後の正転の際に吸気系に逃げた高温の吸入空気が筒内に多量に吸入されることを防止)。
【選択図】 図5

Description

本発明は、エンジンの自動停止および自動始動を行うようにしたエンジンの始動制御装置に関するものである。
エンジン、特に自動車用エンジンにおいては、燃費向上や排気ガスによる環境悪化の抑制のために、例えばアイドル時等の所定のエンジン自動停止条件が満足されたときに、エンジンを自動停止させるようにしている。そして、このようなエンジンの自動停止を行う場合は、エンジンの自動始動が必要となるが、自動始動は確実かつすみやかに行うことが要求される。
エンジンの始動には、通常はスタータモータを利用して行うことが多いが、エンジンの自動停止および自動始動を頻繁に行う場合は、スタータモータとしてその信頼性(耐久性)が極めて高いものが要求されてコスト高となる一方、スタータモータを利用したエンジンの始動では、すみやかなエンジン始動というものが難しくなる。また、スタータモータを頻繁に駆動させる必要から、バッテリの消費電力も大きくなってしまうという問題も生じることになる。
エンジンの自動始動を特にすみやかに行うために、燃焼(燃焼のみ)を利用して自動始動することが提案されている。特許文献1には、エンジンの自動停止後の自動始動の際には、エンジン停止時に圧縮行程にある気筒で燃焼を行わせて一旦エンジンを逆転させることにより、直前のサイクルで膨張行程にあった気筒を十分に圧縮が行われた圧縮行程となるようにして、この圧縮行程とされた気筒に対して燃料を供給してエンジン始動を行うことが提案されている。また、この特許文献1には、自動始動の際に、エンジン停止時に吸気行程にあった気筒内の空気が高温となって自己着火しやすいとう問題点を解消するために、燃料噴射タイミングや点火時期を工夫して自己着火の問題を解消することが開示されている。
なお、特許文献2には、カムシャフトに設けた可変リフト機構をアクチュエータで駆動する弁駆動手段が開示されて、この弁駆動手段によって吸気弁あるいは排気弁のリフト量および開弁期間を変更するものが開示されている。
特開2005−180208号公報 特開2006−97647号公報
燃焼によるエンジンの自動始動の際に、エンジン停止時に圧縮行程にある気筒で燃焼を行わせて一旦エンジンを逆転させた後、直前のサイクルで膨張行程にあった気筒を十分に圧縮が行われた圧縮行程となるようにして、この圧縮行程とされた気筒に対して燃料を供給してエンジン始動を行う場合に、特許文献1に開示のように、エンジン停止時に吸気行程にある吸気行程気筒で自己着火を生じると、自動始動が不可能になってしまうため、この自己着火をより確実に防止することが望まれるものである。
本発明は以上のような事情を勘案してなされたもので、その目的は、エンジンの自動始動の際に一旦エンジンを逆転させることを前提に、自己着火をより確実に防止できるようにしたエンジンの始動制御装置を提供することにある。
前記目的を達成するため、本発明にあっては、基本的に、エンジンの逆転後の正転方向への燃焼を行う際に、エンジン停止時に吸気行程にある吸気行程気筒内にある高温の空気を吸気系に逃がすと共に、その後上記吸気行程気筒の吸気弁のリフト量を小さくすることにより吸入空気量が少なくなるようにして、上記吸気行程気筒において自己着火が生じないようにしてある。
本発明にあっては、具体的には、次のような解決手法を採択してある。すなわち、特許請求の範囲における請求項1に記載のように、
多気筒4サイクルエンジンを制御するエンジンの始動制御装置であって、
あらかじめ設定されたエンジンの自動停止条件が満足されたときに、燃料供給を停止してエンジンを自動停止させる自動停止手段と、
あらかじめ設定されたエンジンの自動始動条件を満足したときに、エンジン停止時に圧縮行程にあった圧縮行程気筒で燃焼を実行させてエンジンを一旦逆転させた後、エンジン停止時に膨張行程であった膨張行程気筒で燃焼を行わせて正転方向への始動を行う自動始動手段と、
エンジン停止時に吸気行程にある吸気行程気筒における吸気弁のリフト量を、前記自動始動手段によるエンジン逆転中に比してエンジン正転中の方が小さくなるように変更する弁駆動手段と、
を備えているようにしてある。
上記解決手法によれば、エンジンの自動始動の際には、エンジンが一旦逆転されたとき、エンジン停止時に吸気行程にある吸気行程気筒内の高温の空気は、吸気系に逃がされることになる。とりわけ、逆転中での吸気弁のリフト量は相対的に大きくされるので、上記吸気行程気筒内の高温の空気を十分に吸気系に逃がすことが可能となる。そして、エンジン停止時に膨張行程にある膨張行程気筒での燃焼が行われて正転方向へ駆動されたときは、上記吸気行程気筒の吸気弁のリフト量は相対的小さくされているので、吸気系に逃がされた高温の空気が再び多量に吸入されてしまう事態が防止され、これに加えて一旦吸気系に逃がされた空気は吸気系で少なからず冷却されているので、上記吸気行程気筒での自己着火が確実に防止されることになる。
上記解決手法を前提とした好ましい態様は、特許請求の範囲における請求項2以下に記載のとおりである。すなわち、
前記弁駆動手段が、吸気弁用のカムシャフトに設けられた可変リフト機構と、該可変リフト機構を駆動するアクチュエータとを備えている、ようにしてある(請求項2対応)。この場合、従来から提案されている可変リフト機構を有効に利用して、吸気弁のリフト量を0にすることができる。特に、吸気弁を、カムシャフトを用いることなく電磁式のアクチュエータによって直接開閉駆動する場合は、4サイクルでの通常の運転モード時であってもアクチュエータをクランク軸の回転位置に同期させて常時駆動する必要があるが、請求項2に記載の構成によればこのようなアクチュエータの常時駆動の必要もなく、制御の容易化等の上でも好ましいものとなる。
前記弁駆動手段は、エンジン停止時に吸気行程にある吸気行程気筒における吸気弁のリフト量を、前記自動始動手段によるエンジン逆転中において吸気弁が開弁した後に徐々に小さくなるように変更する、ようにしてある(請求項3対応)。この場合、弁駆動手段による吸気弁のリフト量変更の応答性を考慮して、エンジン停止時に吸気行程にある吸気行程気筒内の空気が吸気系に放出され始めてから吸気弁のリフト量を徐々に小さくすることにより、次にエンジンが正転方向へ駆動されるときに吸気弁を確実に小さなリフト量にしておくことができる。
前記弁駆動手段は、エンジン停止時に排気行程にある排気行程気筒が次に吸気行程を迎えるまでに、吸気弁のリフト量を再度大きくなるように変更する、ようにしてある(請求項4対応)。この場合、エンジン停止時に排気行程にある排気行程気筒が次に吸気行程となったときに、吸気弁のリフト量を大きい状態に確実に復帰させて、上記排気行程気筒の吸入空気量を十分に確保することができる。
前記弁駆動手段は、エンジンの自動始動の際に、自己着火の発生しやすい条件のときにのみ吸気弁のリフト量変更を行うように設定されている、ようにしてある(請求項5対応)。この場合、弁駆動手段による吸気弁のリフト量変更を行う機会を極力少なくして、リフト量変更のためのアクチュエータ保護等の上で好ましいものとなる。
エンジン停止時に膨張行程であった膨張行程気筒で燃焼を行わせて正転方向への始動を行った後に、最初に吸気行程となる気筒の吸気弁のリフト量または開弁期間の少なくとも一方が、アイドル時の吸気弁のリフト量または開弁期間よりも小さくされる、ようにしてある(請求項6対応)。この場合、自動始動の際にエンジン回転数が急激に吹き上がってしまう事態を防止する上で好ましいものとなる。
エンジン停止時に膨張行程であった膨張行程気筒で燃焼を行わせて正転方向への始動を行った後は、その後の複数回の燃焼については、各気筒の吸気弁のリフト量または開弁期間の少なくとも一方がアイドル時の吸気弁のリフト量または開弁期間以下の大きさに設定される、ようにしてある(請求項7対応)。この場合、自動始動の際にエンジン回転数が急激に吹き上がってしまう事態を防止する上で好ましいものとなる。
エンジン停止時に膨張行程であった膨張行程気筒で燃焼を行わせて正転方向への始動を行った後は、その後の複数回の燃焼については膨張行程初期に燃焼が実行される、ようにしてある(請求項8対応)。この場合、自動始動の際にエンジン回転数が急激に吹き上がってしまう事態を防止する上で好ましいものとなる。
本発明によれば、自動始動の際に、エンジン停止時に吸気行程にある吸気行程気筒での自己着火をより確実に防止して、より確実な自動始動を行うことができる。
図1,図2において、エンジンE(エンジン本体)は、実施形態では火花点火式の直列4気筒エンジンとされて、各気筒1には、それぞれ2つの吸気ポート2と,2つの排気ポート3が形成されている。吸気ポート2に連なる吸気通路4には、上流側から下流側へ順次、エアクリーナ5(図1では図示略),スロットル弁6,サージタンク7が配設されている。吸気通路4のうち、サージタンク7よりも上流側部分は1本の共通吸気通路4aとされ、サージタンク7から下流側部分は、サージタンク7に対して各気筒1を個々独立して接続する分岐吸気通路4bとされている。また、排気ポート3には、排気通路8が接続されている。この排気通路8は、その下流側部分が1本の共通排気通路8aとされると共に、その上流側部分が、各気筒1における排気ポート3を共通排気通路8aに対して個々独立して接続する分岐排気通路8bとされている。
図1に示すように、各気筒1には、吸気ポート2を開閉する吸気弁10,排気ポート3を開閉する排気弁11の他、気筒内に燃料噴射を行う燃料噴射弁12,および噴射された燃料の着火を行う点火プラグ13が配設されている。吸気弁10は、吸気弁用カムシャフト(のカムで、図示を略す)によって開閉駆動され、同様に、排気弁11も排気弁用カムシャフト(のカムで、図示を略す)によって開閉駆動されるようになっている。図1中、15はクランク軸、16はピストン、17はコンロッドである。
クランク角(つまりクランク軸の回転)と同期して吸気弁10を開閉駆動するための吸気弁用カムシャフトには、特許文献2に記載のような可変リフト機構が組み込まれている。この可変リフト機構をアクチュエータ20によって駆動することにより、吸気弁10のリフト量が、最大リフト量とリフト量0(吸気弁10が閉弁された状態)との間で連続可変式に変更可能とされている。図4には、吸気弁のリフト量変更の一例が示され、リフト量が0以外のときは、開弁時期は常に一定で、リフト量が小さくなるにつれて閉弁時期が早くなるように設定されている。
エンジンEは、後述するように自動停止および自動始動されるが、通常時、つまり通常のエンジン運転時には、各気筒1は、吸気行程、圧縮行程、膨張行程、排気行程の4行程を順次繰り返す4サイクルでの運転とされ、この運転状態が通常モードとされる(吸気弁10のリフト量は0以外とされる)。この一方、エンジンEの自動停止に関連して、各気筒つまり吸気行程にある気筒における吸気弁リフト量が強制的に0とされる(吸気弁10が閉弁状態とされる)。自動始動時の制御の詳細については、後述する。なお、自動始動以外のイグニッションキーを利用した始動の場合は、スタータモータ19を駆動して行うものである。
図3は、本発明における制御系統例を示すもので、Uはマイクロコンピュータを利用して構成されたコントローラである。このコントローラUには、各種センサ21〜25からの信号が入力される。センサ21,22は、クランク軸15の回転位置を検出するクランク角センサである(図2をも参照)、センサ23は、アクセル開度を検出するアクセル開度センサである、センサ24は、ブレーキペダルを踏み込み操作したときにONされるブレーキセンサである。センサ25は、車速を検出する車速センサである。また、コントローラUは、点火プラグ13,燃料噴射弁12,スロットル弁を駆動するアクチュエータ18(図1、図2をも参照)、可変リフト機構を駆動するアクチュエータ20を制御する。
次に、コントローラUによる制御の概要について説明する。まず、通常のエンジンEの運転時には、4サイクルでの運転を行う通常モードとされる。この通常モードは、従来一般的な4サイクルエンジンと全く同じ運転態様であり、クランク軸15の回転位置に応じて、各気筒1の吸気弁10および排気弁11が、それぞれクランク軸と同期して回転されるカムシャフトによって適宜開閉駆動されて、各気筒1は、吸気行程、圧縮行程、膨張行程および排気行程を順次繰り返すことになる。
通常モードにおいては、燃料噴射弁12からの燃料噴射タイミングは、例えば圧縮行程の途中で燃料噴射が実行されて、圧縮行程の終期に点火が実行されることになる。また、アクセル開度に応じてスロットル弁6の開度つまり吸入空気量が決定され、燃料噴射量は、エンジン回転数およびアクセル開度に応じて決定される。このような通常モード時での運転については、従来からよく知られているので、これ以上の説明は省略する。
エンジンEは、後述するように、あらかじめ設定された自動停止条件を満足したときに、燃料噴射および点火が中止されて、自動停止される。自動停止条件としては、種々設定できるが、例えば、ブレーキペダルを踏み込み操作しているとき、あるいは車速が0でかつブレーキペダルを踏み込み操作しているとき、という条件設定を行うことができる(アイドルストップ)。
エンジンEが自動停止された後に、あらかじめ設定された自動始動条件が満足されたときには、エンジンEの自動始動が行われる。自動始動の条件は適宜設定できるが、例えば、アクセルペダルが踏み込み操作されると共に、ブレーキペダルの踏み込みが解除されたときとして設定することができる。
図5は、エンジンEの自動停止状態から自動始動を行う際に、1番気筒〜4番気筒の4つの気筒についての行程の変化を示すもので、図5では、エンジン停止時に圧縮行程にある気筒が1番気筒とされ、膨張行程にある気筒が2番気筒とされ、排気行程にある気筒が3番気筒とされ、吸気行程にある気筒が4番気筒とされている。
図5を参照しつつ、エンジンEが自動停止された後の自動始動について説明する。まず、エンジン停止状態において圧縮行程にあった圧縮行程(図5で1番気筒)気筒に燃料噴射を行うと共に点火を実行することによって、エンジンEが一旦逆転される。この逆転が実行された後、その直前のサイクルにおいてつまり停止状態において膨張行程であった膨張行程気筒(図5で2番気筒)が、上記逆転によって吸気が十分に圧縮された圧縮行程となっているので、この圧縮行程となっているエンジン停止時の膨張行程気筒に対して燃料噴射を行うと共に点火が実行されて、エンジンEの自動始動が行われることになる。
ここで、エンジン停止時に吸気行程にある吸気行程気筒(図5で3番気筒)は、その、筒内に存在する多量の空気が、エンジンからの放熱を受けて高温とされている。したがって、上記吸気行程気筒内の多量の空気が高温のまま自動始動を行うと、この吸気行程気筒において自己着火を発生して、自動始動に失敗してしまう事態の発生が考えられる。この吸気行程気筒での自己着火防止のため、自動始動の際のエンジン逆転中は、吸気弁10のリフト量を相対的に大きい状態として、この逆転中に、上記吸気行程気筒内の高温の空気を吸気通路2へ逃がすようにしてある。そして、エンジン停止時に膨張行程にある膨張行程気筒で燃焼が行われたエンジンの正転中は、上記吸気行程気筒の吸気弁10のリフト量を、相対的に小さいものとして、上記吸気行程気筒内への吸入空気量を減少させるようにしてある。また、エンジン正転中に上記吸気行程気筒内に吸入される空気は、減少されていることに加えて、一旦吸気通路2に逃げることにより少なからず冷却されているため、自動始動の際に、上記吸気行程気筒が自己着火してしまう事態がより確実に防止されることになる。
エンジン停止時に吸気行程にある上記吸気行程気筒の吸気弁10のリフト量は、逆転中は、開弁後に徐々に小さくされて、正転状態へと変更されたときにおいて吸気弁10のリフト量が小さい状態が確実に確保される。そして、エンジン停止時に排気行程にある排気行程気筒が次に吸気行程となったときに、吸気弁10のリフト量が十分大きく確保できるように、正転中において、エンジン停止時に排気行程にある気筒がそのまま排気行程にある過程において、吸気弁10のリフト量を徐々に大きくするようにしてある。
ここで、エンジン停止時に排気行程にあった3番気筒が吸気行程となった時点での吸気弁10のリフト量(および開弁期間)は、アイドル時よりも小さいものとされる。そして、その後は、吸気弁10のリフト量(および開弁期間)は、通常のアイドル時に設定される。このように、エンジン停止時に排気行程にある3番気筒が最初に吸気行程となったときの吸気弁10のリフト量(および開弁期間)をアイドル時よりも小さくするのは、吸入空気量を通常の運転モード時よりも減少させて、自動始動によるエンジン回転数の急激な吹き上がりを防止するためである。また、エンジン停止時に2つの気筒によって正転方向の燃焼が実行された後、数回分(図5では2回分)の燃焼については、エンジン回転数の急激な吹き上がりを防止するために、点火時期を膨張行程の初期に行うようにしてあり、その後、圧縮行程後期という通常の点火時期に復帰させるようにしてある。
図6、図7は、図5に示すような制御内容を行うフローチャートであり、以下このフローチャートについて説明する。なお、以下の説明でSはステップを示す。まず、図6のS1において、エンジンの自動停止条件が満足されたか否かが判別される。このS1の判別でNOのときは、S1の判別が繰り返される。
上記S1の判別でYESのときはS2において、各気筒への燃料噴射が停止される。S2の後、S3において、エンジンEが完全に停止したか否かが判別される。S3の判別でNOのときは、S3の判別が繰り返される。
上記S3の判別でYESのときは、S4において、エンジンの自動始動条件が満足されたか否かが判別される。このS4の判別でNOのときは、S4の判別が繰り返される。
上記S4の判別でYESのときは、S5において、吸気温度が所定温度以上であるか、あるいはエンジン冷却水温度が所定温度以上であるか否かが判別される。このS5の判別は、つまるところ、自己着火しやすい状態であるか否かの判別(検出)となる。上記S5の判別でYESのときは、エンジン停止時に圧縮行程にあった気筒(図5では1番気筒)で燃焼が実行されて、エンジンEが一旦逆転駆動される。
上記S6の後、S7において、エンジン停止時に吸気行程にある吸気行程気筒の吸気弁10が開弁されたか否かが判別される。このS7の判別でNOのときは、S7の判別が繰り返される。
上記S7の判別でYESのときは、S8において、エンジン停止時に吸気行程にある気筒が上死点になるよりも前の所定クランク角となったか否かが判別される。このS8の判別でNOのときは、S8の判別は繰り返される。上記S8の判別でYESのときは、S9において吸気弁10のリフト量が徐々に小さくされる(最小リフト量は0よりも大)。すなわち、吸気弁10開弁されて、エンジン停止時に吸気行程にある吸気行程気筒内の空気が吸気通路2へ放出されている途中段階から、吸気弁10のリフト量が徐々に小さくされる。
上記S9の後、S10において、ピストン16が、エンジン停止時に膨張行程にあった気筒(図5では2番気筒)が十分に圧縮される位置にまで移動したか否かが判別される。このS10の判別でNOのときは、S10の判別が繰り返される。
上記S10の判別でYESのときは、S11において、エンジン停止時に膨張行程にあった膨張行程気筒について、燃焼が実行されて、エンジンEが正転方向へ駆動される。上記膨張行程気筒での空燃比は、理論空燃比あるいは理論空燃比よりもリッチとされて、大きなトルクを確保するようにしてある。
S11の後、S12において、ピストン16が、吸気弁10のリフト量が0以外の値のときでも、エンジン停止時に吸気行程にあった気筒の吸気弁10が開かない位置にまで移動したか否かが判別される。このS12の判別でNOのときは、S12の判別が繰り返される。
上記S12の判別でYESのときは、S13において、吸気弁10のリフト量(および開弁期間)が、アイドル時よりも小さく設定される。この後、S14において、エンジン停止時に排気行程にあった気筒の吸気弁が閉弁されるタイミングとなったか否かが判別される。このS14の判別でNOのときは、S14の判別が繰り返される。
上記S14の判別でYESのときは、S15において、エンジン回転数の急激な吹き上がり防止のために、吸気弁10のリフト量(および開弁期間)がアイドル時の大きさに設定される。この後、S16において、エンジン停止時に吸気行程にあった気筒が、膨張行程になったか否かが判別される。このS16の判別でNOのときは、S16の判別が繰り返される。
上記S16の判別でYESのときは、S17において、エンジン停止時に吸気行程にあった気筒の燃焼が実行される。この後、S18において、エンジン停止時に排気行程にあった気筒が膨張行程を迎えたか否かが判別される。このS18の判別でNOのときは、S18の判別が繰り返される。
上記S18の判別でYESのときは、S19において、エンジン停止時に排気行程にあった気筒の燃焼が実行された後、S20において、通常の運転モードに復帰される。
なお、図6の制御例では、エンジン停止時に排気行程にある気筒が膨張行程となるときまでは、点火を膨張行程初期時に行うようにしてある一方、図5では、その次の燃焼となるエンジン停止時に膨張行程にある気筒についても膨張行程初期に点火を実行するようにしてある。図5のような燃焼態様とするには、図6のS19の後に、エンジン停止時に膨張行程にあった気筒が次に膨張行程を迎えた時点でもって点火を実行させた後、S20へ移行させるようにすればよい。
前記S5の判別でNOのときは、自己着火のおそれが低いときであり、このときは、図7のS31移行の処理が行われる。このS31移行の処理は、エンジン停止時に吸気行程にある気筒の自己着火防止のために、エンジン逆転中と正転中での吸気弁10のリフト量の変更制御を行わない点において、図6のS6以降の処理と相違している。すなわち、S31は図6のS6に対応しており、S32、S33は、図6のS10、S11に対応し、S34〜S38は、図6のS16〜S20に対応している。なお、図7の場合でも、S12〜S15に相当する処理を、図7のS33とS34との間において実行するようにしてもよい。
以上実施形態について説明したが、本発明は、実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載された範囲において適宜の変更が可能であり、例えば次のような場合をも含むものである。自動始動条件や自動停止条件は、適宜設定できるものである。特に、エンジンの他に走行用のモータを備えたハイブリッド車においては、モータ駆動用バッテリの蓄電量の大小や、走行負荷等に応じてエンジンの自動停止と自動始動とをかなり頻繁に繰り返すことになるが、このための自動停止条件と自動始動条件とは、ハイブリッドシステム構成に応じて適宜選択されることになる。吸気弁10(排気弁11についても同じ)が、クランク軸15との機械的な連係を採択されておらず、例えば電磁式の弁駆動手段によって直接開閉駆動されるようにしてもよい(各気筒毎に、吸気弁10をクランク軸の回転位置とは無関係に自由にその開閉時期や開弁リフト量を変更することが可能になる)。本発明は、火花点火式エンジンに限らず、ディーゼルエンジン等についても同様に適用し得るものである。
自動始動の際のエンジン回転数の急激な吹き上がり防止のために、燃焼エネルギが大きくなり過ぎないようにする処理は、吸気弁のリフト量と開弁期間とのいずれか一方のみをアイドル時よりも小さく設定することにより行うようにしてもよい。また、燃焼エネルギを小さくする処理(過大になり過ぎるのを防止する処理)は、リフト量変更、開弁期間変更の他に、点火時期の遅角や空燃比のリーン化等適宜の手法によって得ることができる。そして、燃焼エネルギを小さくする処理は、正転方向への燃焼が最初に行われた後、その後の所定の複数回分の燃焼についても行うようにしてもよく、この場合、上記所定の複数回という回数を、エンジン回転数の上昇度合に応じて変更するようにしてもよい。フローチャートに示す各ステップあるいは複数のステップからなるステップ群は、例えばその機能内容に手段の名称を付することにより、コントローラUの有する機能として把握することができる。勿論、本発明の目的は、明記されたものに限らず、実質的に好ましいあるいは利点として表現されたものを提供することをも暗黙的に含むものである。
本発明が適用されたエンジンの一例を示す要部断面図。 図1に示すエンジンの吸排気系統例を示す簡略平面図。 本発明の制御系統例を示すブロック図。 可変リフト機構によって吸気弁のリフト量が変更される場合の一例を示す特性図。 自動始動の際の各気筒での行程の変化を示す図。 本発明の制御例を示すフローチャート。 本発明の制御例を示すフローチャート。
符号の説明
1:気筒
2:吸気ポート
3:排気ポート
4:吸気通路
8:排気通路
10:吸気弁
11:排気弁
12:燃料噴射弁
13:点火プラグ
15:クランク軸
16:ピストン
20:アクチュエータ(可変リフト機構)
E:エンジン
U:コントローラ

Claims (8)

  1. 多気筒4サイクルエンジンを制御するエンジンの始動制御装置であって、
    あらかじめ設定されたエンジンの自動停止条件が満足されたときに、燃料供給を停止してエンジンを自動停止させる自動停止手段と、
    あらかじめ設定されたエンジンの自動始動条件を満足したときに、エンジン停止時に圧縮行程にあった圧縮行程気筒で燃焼を実行させてエンジンを一旦逆転させた後、エンジン停止時に膨張行程であった膨張行程気筒で燃焼を行わせて正転方向への始動を行う自動始動手段と、
    エンジン停止時に吸気行程にある吸気行程気筒における吸気弁のリフト量を、前記自動始動手段によるエンジン逆転中に比してエンジン正転中の方が小さくなるように変更する弁駆動手段と、
    を備えていることを特徴とするエンジンの始動制御装置。
  2. 請求項1において、
    前記弁駆動手段が、吸気弁用のカムシャフトに設けられた可変リフト機構と、該可変リフト機構を駆動するアクチュエータとを備えている、ことを特徴とするエンジンの始動制御装置。
  3. 請求項2において、
    前記弁駆動手段は、エンジン停止時に吸気行程にある吸気行程気筒における吸気弁のリフト量を、前記自動始動手段によるエンジン逆転中において吸気弁が開弁した後に徐々に小さくなるように変更する、ことを特徴とするエンジンの始動制御装置。
  4. 請求項2または請求項3において、
    前記弁駆動手段は、エンジン停止時に排気行程にある排気行程気筒が次に吸気行程を迎えるまでに、吸気弁のリフト量を再度大きくなるように変更する、ことを特徴とするエンジンの始動制御装置。
  5. 請求項2ないし請求項4のいずれか1項において、
    前記弁駆動手段は、エンジンの自動始動の際に、自己着火の発生しやすい条件のときにのみ吸気弁のリフト量変更を行うように設定されている、ことを特徴とするエンジンの始動制御装置。
  6. 請求項1ないし請求項5のいずれか1項において、
    エンジン停止時に膨張行程であった膨張行程気筒で燃焼を行わせて正転方向への始動を行った後に、最初に吸気行程となる気筒の吸気弁のリフト量または開弁期間の少なくとも一方が、アイドル時の吸気弁のリフト量または開弁期間よりも小さくされる、ことを特徴とするエンジンの始動制御装置。
  7. 請求項1ないし請求項5のいずれか1項において、
    エンジン停止時に膨張行程であった膨張行程気筒で燃焼を行わせて正転方向への始動を行った後は、その後の複数回の燃焼については、各気筒の吸気弁のリフト量または開弁期間の少なくとも一方がアイドル時の吸気弁のリフト量または開弁期間以下の大きさに設定される、ことを特徴とするエンジンの始動制御装置。
  8. 請求項1ないし請求項7のいずれか1項において、
    エンジン停止時に膨張行程であった膨張行程気筒で燃焼を行わせて正転方向への始動を行った後は、その後の複数回の燃焼については膨張行程初期に燃焼が実行される、ことを特徴とするエンジンの始動制御装置。
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