JP2008163759A - 歯車ポンプ - Google Patents
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Abstract
【課題】 ボディの吸込口近傍で作動油が不足することを防止して、異常負圧の発生を防止する。
【解決手段】 歯車ポンプを構成するボディ11のリアカバー18側に設けられた吸込口側31から吸い込まれた作動油がフロントカバー19側に流れる際、その流れの一部が、ボディ11の低圧部15に設けた仕切り部29に衝突することで、低圧部吸込口側31近傍に戻るので、吸込口側31近傍において作動油が不足することがなくなり、異常負圧の発生が防止され、それに伴う騒音や部品の損傷を防止できる。
【選択図】 図2
【解決手段】 歯車ポンプを構成するボディ11のリアカバー18側に設けられた吸込口側31から吸い込まれた作動油がフロントカバー19側に流れる際、その流れの一部が、ボディ11の低圧部15に設けた仕切り部29に衝突することで、低圧部吸込口側31近傍に戻るので、吸込口側31近傍において作動油が不足することがなくなり、異常負圧の発生が防止され、それに伴う騒音や部品の損傷を防止できる。
【選択図】 図2
Description
本発明は、トラクター、コンバイン等の農業用機械や、テーブルリフター、ミニショベル等の一般産業機械を始めとして、種々の機械に油圧源として利用可能な歯車ポンプに関するものである。
歯車ポンプの一般的構成は、ボディの内周に形成した眼鏡孔に互いに噛合状態で収容される一対の歯車と、それら歯車が駆動軸及び従動軸に軸支されて同期逆回転駆動された際に歯同士が漸次離反する位置に開口する低圧部および漸次噛合する位置に開口する高圧部と、ボディの一方の開口端面を蓋封するフロントカバーと、ボディの他方の開口端面を蓋封するリアカバーと、このリアカバーに設けられ前記高圧部及び低圧部にそれぞれ連通して油の吸排を行う吐出口及び吸込口とを具備してなる。
そして、吸込口から低圧部に吸い込んだ油をポンプ作用によって高圧部に移送し、吐出口から吐出する作用を営み得るようになっている。
特開平11−62855号
ところで、この種の歯車ポンプにおいて、作動油が吸込口から低圧部に流入する際、作動油の流速の影響により、低圧部吸込口側近傍では作動油が不足しやすく、異常負圧が発生することがある。そのため、キャビテーションが発生して騒音を引き起こしたり、側板などの構成部品を損傷することもあった。
本発明は、作動油が吸込口から低圧部に流入する際、低圧部吸込口側近傍に作動油が不足することを防止して、異常負圧の発生やそれに伴う騒音や部品の損傷を防止できる歯車ポンプを提供する。
本発明は、ボディに設けた眼鏡孔に互いに噛合状態で収容される一対の歯車と、それらの歯車が同期逆回転した際に歯同士が漸次噛合する側に設けた高圧部および漸次離反する側に設けられた低圧部と、ボディの一方の開口端面を蓋封するフロントカバーと、ボディの他方に一体形成若しくは着脱可能に設けられるリアカバーと、フロントカバー若しくはリアカバーに、低圧部及び高圧部のそれぞれに油の吸排を行う吸込口及び吐出口とが形成された歯車ポンプにおいて、低圧部には、フロントカバー若しくはリアカバーの一方に設けられた吸込口から吸い込まれた作動油が、フロントカバー若しくはリアカバーの他方の方向に流れるのを一部規制する仕切り部を設けたことを特徴とする。
本発明の歯車ポンプは、低圧部に、フロントカバー若しくはリアカバーの一方に設けられた吸込口から吸い込まれた作動油の流れを一部規制する仕切り部を設けたことにより、仕切り部に衝突した作動油の一部が低圧部吸込口側に戻り、吸込口側付近において作動油が不足することなく充満するので、異常負圧の発生に伴うキャビテーションや側板等の構成部品の損傷を防止することができる。
以下、本発明の一実施例を、図1〜3を参照して説明する。本実施例の歯車ポンプのボディ11は、例えばダイキャスト法により成形された後、一対の歯車12が噛合い状態で収容される眼鏡孔13が加工される。また、眼鏡孔13には、組み込まれた一対の歯車12が同期逆回転した際に歯同士が漸次噛合する側に高圧部14、漸次離反する側に設けられた低圧部15が形成されるとともに、それぞれには吐出口16と吸込口17が形成される。本実施例では、リアカバー18に作動油の吸込通路30と吐出通路31が設けられており、吸込通路30を通過した作動油が、ボディ11の低圧部15に流入し、一対の歯車12で高圧部14に搬送された作動油が、リアカバー18の吐出通路31から吐出口16に流出するよう構成されている。
また、リアカバー18及びフロントカバー19にはそれぞれ2箇所に軸受孔20、21が穿設され、それらの軸受孔20、21にブッシュ22、23が嵌装されている。ボディ11の眼鏡孔13に一対の歯車12を組み込んだ後、リアカバー18及びフロントカバー19のブッシュ22、23で、歯車12のシャフト24、25を軸支して、ボディ11に対しガスケット26を介してリアカバー18及びフロントカバー19をボルト等の固定部材を用いて固定する。なお、歯車12のリアカバー18側の側面とフロントカバー19側の側面には側板27、28が組み込まれる。
ところで、本実施例では、リアカバー18をボディ11と別の部材で構成したが、リアカバー18をボディ11に一体形成したものでも適用は可能である。また、本実施例では、リアカバー18に作動油の吸込通路30と吐出通路31が設けられているが、フロントカバー19に作動油の吸込通路30と吐出通路31を設けたものでも適用は可能である。
そして、本実施例では、図2及び図3に示したように、ボディ11の低圧部15には仕切り部29が設けられる。すなわち、吸込口17から流入した作動油の一部が仕切り部29に衝突して低圧部吸込口側31近傍に戻るように、作動油の流れに対して略垂直に仕切り部29が低圧部に設けられる。これにより、流速を有した作動油が吸込口17から低圧部15に流れ込んでも、低圧部吸込口側31近傍で作動油が不足することがない。したがって、吸込口側近傍31において流量不足による負圧の発生に伴うキャビテーションの発生、さらには、騒音や側板27等の構成部品が損傷するなどの弊害を防止できる。なお、仕切り部29は、衝突した作動油が逆流して十分に低圧部吸込口側31近傍を充満させることができれば、低圧部15のいずれの位置またいずれの方向に向けて設けても差し支えない。
また、本実施例では、ボディ11をダイキャストで成形する際、仕切り部29をボディ11に一体形成したが、ボディ11の材質や成形方法によっては、切削加工等により削り出してもよいし、別途加工した仕切り部29をボディ11に嵌め込むようにしてもよい。
ところで、図4に示したような変形実施例も本発明に含まれる。即ち、低圧部15の断面積が吸込口側31からフロントカバー側に向かって小さくなるようテーパ形状とした構造である。このような構造によっても、フロントカバー側に向かう作動油の流れが規制され、この規制に応じて、低圧部吸込口側31近傍の流量不足を補うことができ、上記したような異常負圧の発生を防止できる。
11 ボディ
15 低圧部
17 吸込口
29 仕切り部
15 低圧部
17 吸込口
29 仕切り部
Claims (1)
- ボディに設けた眼鏡孔に互いに噛合状態で収容される一対の歯車と、それらの歯車が同期逆回転した際に歯同士が漸次噛合する側に設けた高圧部および漸次離反する側に設けられた低圧部と、ボディの一方の開口端面を蓋封するフロントカバーと、ボディの他方に一体形成若しくは着脱可能に設けられるリアカバーと、フロントカバー若しくはリアカバーに、前記低圧部及び高圧部のそれぞれに油の吸排を行う吸込口及び吐出口とが形成された歯車ポンプにおいて、前記低圧部には、フロントカバー若しくはリアカバーの一方に設けられた吸込口から吸い込まれた作動油が、フロントカバー若しくはリアカバーの他方の方向に流れるのを一部規制する仕切り部を設けたことを特徴とする歯車ポンプ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006350878A JP2008163759A (ja) | 2006-12-27 | 2006-12-27 | 歯車ポンプ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006350878A JP2008163759A (ja) | 2006-12-27 | 2006-12-27 | 歯車ポンプ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2008163759A true JP2008163759A (ja) | 2008-07-17 |
Family
ID=39693570
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2006350878A Pending JP2008163759A (ja) | 2006-12-27 | 2006-12-27 | 歯車ポンプ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2008163759A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US11378076B1 (en) | 2021-01-28 | 2022-07-05 | Shimadzu Corporation | Gear pump or motor |
-
2006
- 2006-12-27 JP JP2006350878A patent/JP2008163759A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US11378076B1 (en) | 2021-01-28 | 2022-07-05 | Shimadzu Corporation | Gear pump or motor |
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