JP2008161747A - 樹脂被覆用アルミニウム板およびその製造方法 - Google Patents

樹脂被覆用アルミニウム板およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 環境への負荷が少なく、経済的にも優れた方法によって、十分な密着性が得られる樹脂被覆用アルミニウム板材を提供する。
【解決手段】 アルミニウム板に、圧延後、有機溶剤洗浄・水洗浄・アルカリ洗浄・酸洗浄から選ばれる少なくとも一つの前処理を行い、さらに水接触角を処理前より10度以上低下させる表面活性化処理としてプラズマ処理・コロナ放電処理・紫外線照射から選ばれる少なくとも一つの処理を行うことによって、表面炭素量10mg/m以下、磨耗粉量3mg/m以下、酸化皮膜厚さ50nm以下、水接触角60度以下とする。
【選択図】なし

Description

塗装、ラミネート等の樹脂被覆を行うアルミニウム板、特に下地処理として活性化処理を行った樹脂被覆アルミニウム板に関する。
樹脂被覆アルミニウム板は前処理として、リン酸クロメート処理が行われるが、アルミ表面に形成される皮膜に三価クロムが含まれる。また、リン酸クロメート処理液には六価クロムやリン酸、フッ酸などが含まれ、液の廃棄やその水洗水は六価クロムの除去、pH調整、富栄養化物質の除去等の廃液処理が必要である。この問題を解決するため、従来の下地処理の代わりに、乾式処理のプラズマ処理・コロナ放電処理・紫外線照射等の表面活性化処理が検討されている。
これらに関係する公知文献として下記が挙げられる。
・特許文献1
プラズマ処理によって、アルミニウム板の脱脂、活性化を行い、密着性や耐食性を向上させる方法が開示されている。
・特許文献2
塗装下地処理として、リン酸クロメート後にプラズマ処理を行うことにより、塗膜密着性を向上させる方法が開示されている。
・特許文献3
キャップ用アルミニウム材料の塗膜密着性向上方法として、脱脂後にコロナ処理を施す方法が開示されている。
特開2005−007710号公報 特開平2−104674号公報 特開昭63−262488号公報
特許文献1に開示される方法によれば、皮膜の三価クロム含有、六価クロムを含む廃水の処理といった問題は解決できる。しかし、乾式処理だけでは、塗膜やラミネートフィルムの密着性が従来のリン酸クロメート処理材より劣る場合があった。これは、乾式活性化処理によって圧延油等の有機物の除去はできるが、摩耗粉の除去はできないためである。摩耗粉はアルミ表面に付着しているだけなので、その上から塗装・ラミネート等を行っても、摩耗粉が樹脂層とアルミ表面の結合を阻害するためである。
特許文献2に開示されるリン酸クロメート処理を行えば、摩耗粉は除去できるため、摩耗粉による密着性の低下は起こらない。しかしながら、りん酸クロメートは上述のごとく環境上問題があるとともに処理工程が多く不経済である。
特許文献3の方法によれば、リン酸クロメート行わずに密着性を向上させることができるが、脱脂方法によっては酸化皮膜の除去が不十分で、十分な密着性が得られない場合があった。
本発明は、下地処理として乾式の表面活性化処理を行う樹脂被覆材において、環境への負荷が少なく、経済的にも優れた方法によって、十分な密着性が得られる樹脂被覆用アルミニウム板材を提供するとともに樹脂層形成方法を提案する。
すなわち、請求項1に記載の発明は、樹脂被覆用アルミニウム板において、樹脂被覆直前の状態で、表面炭素量が10mg/m以下、磨耗粉量が3mg/m以下、酸化皮膜厚さ50nm以下、水接触角60度以下であるような樹脂被覆用アルミニウム板を規定する。
また、請求項2は、そのアルミニウム板の製造方法として、アルミニウム板に、圧延後、有機溶剤洗浄・水洗浄・アルカリ洗浄・酸洗浄から選ばれる少なくとも一つの前処理を行い、さらに水接触角を処理前より10度以上低下させる表面活性化処理としてプラズマ処理・コロナ放電処理・紫外線照射から選ばれる少なくとも一つの処理を行うことによって、表面炭素量10mg/m以下、磨耗粉量3mg/m以下、酸化皮膜厚さ50nm以下、水接触角60度以下とすることを規定する。
さらに、請求項3では、請求項2の製造方法において、プラズマ処理・コロナ放電処理・紫外線照射から選ばれる少なくとも一つの表面活性化処理を行った後、10分内に塗装あるいはラミネートから選ばれる少なくとも一つの方法によって樹脂層を形成することを規定する。
本発明により、環境負荷の少ない乾式の塗装下地処理材においても、経済的に、摩耗粉による密着性低下が起こらない樹脂被覆アルミニウム板を製造することができる。
(1)表面状態
1.炭素量
樹脂被覆直前の状態で、表面炭素量は10mg/m以下でなければならない。炭素量は有機炭素量測定装置(TOC)にて測定する。表面炭素量が10mg/mを超えると、樹脂層との密着性が低下する。圧延したアルミニウム板表面の炭素はほとんどが圧延油に由来するものであり、圧延油がある程度以上残存していると樹脂層とアルミニウム素地の密着を阻害するからである。望ましくは5mg/m以下である。
2.磨耗粉量
樹脂被覆直前の状態で、磨耗粉量は3mg/m以下でなければならない。3mg/mを超えると、樹脂層との密着性が低下する。これは、摩耗粉はアルミニウム表面に物理的に吸着しているだけで密着力は低いためである。摩耗粉量は1mの板を100mm角程度に切断し、ヘキサン中で超音波洗浄し、そのヘキサンを1μmのナイロンフィルターにて濾過し、フィルターの重量変化から測定する。さらに望ましくは1mg/m以下である。
3.酸化皮膜厚さ
樹脂被覆直前の状態で、酸化皮膜厚さは50nm以下でなければならない。厚い酸化皮膜は破壊しやすく、樹脂層の密着性に悪影響を及ぼすからである。さらに望ましくは20nm以下である。
4.水接触角
圧延後、摩耗粉除去、表面活性化処理を行った、樹脂被覆前の状態で、水接触角が60度以下でなければならない。60度を超えると、樹脂層との密着性が低下する。水接触角は表面活性度の尺度であり、値が低いほど活性度は高く、樹脂層との密着性も高くなる。さらに望ましくは30度以下である。
(2)前処理方法
本発明の表面状態を得るには、前処理によって表面炭素量の低減、摩耗粉量の低減、酸化皮膜の除去を行い、活性化処理によって水接触角が小さい、活性な表面を得るのが望ましい。前処理方法としては、有機溶剤洗浄・水洗浄・アルカリ洗浄・酸洗浄のいずれかが望ましい。ただし、熱処理を行った5000系合金のように処理前の酸化皮膜が厚い場合は、アルカリ洗浄にて酸化皮膜の除去を行う必要がある。
有機溶剤としては、キシレン、ヘキサンといったの炭化水素類、メチルアルコール、ブタノールといったアルコール類、アセトン、メチルエチルケトンといったケトン類などがある。
また、市販の溶剤系金属洗浄剤を用いてもよい。水洗浄では水和酸化皮膜が成長しない範囲で温度を上げることが望ましく、洗浄効果を上げるために界面活性剤を添加することも有効である。
アルカリ洗浄液としては、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、硼酸ナトリウム等の水溶液、およびそれに界面活性剤やキレート剤、pH緩衝剤等を添加したものを用いることができる。
酸洗浄液としては、硫酸、硝酸などが用いられる。また、市販のアルミニウム用のアルカリ性脱脂剤および酸洗浄剤を用いてもよい。
一方、それぞれの前処理液とアルミニウム材の接液方法としては、スプレー・浸漬があるが、スプレーによる処理がより望ましい。スプレーの圧力により、より効率的に摩耗粉が除去できるからである。また、ブラッシングを併用することも有効である。これらの処理は油分除去効果も期待でき、表面活性化処理の前に圧延油等の油分が除去されている方が、表面活性化処理を弱くでき、経済的である。
(2)表面活性化処理
表面活性化方法は、処理直後に水接触角を測定して、処理前より、10度以上低下させる処理が望ましい。水接触角の低下が10度未満では、表面活性化効果が不足し、樹脂被覆したときの密着性が不十分な場合があるからである。より望ましくは30度以上である。
具体的には、プラズマ処理・コロナ放電処理・紫外線照射・オゾン処理・火炎処理などがあるが、十分な密着性を得るには、プラズマ処理・コロナ放電処理・紫外線照射のいずれかが望ましい。プラズマ処理の中では大気圧プラズマ処理が望ましい。この処理は、大気圧中で行うことが可能であり、低コストで十分な表面活性化を行うことができるからである。
活性化処理後、樹脂層を形成するまでの時間は、10分以内が望ましい。10分を超えると、活性化処理の効果が落ちるからである。さらに望ましくは1分以内である。
表1に示す材質の冷間圧延後無処理のアルミ板(厚さ0.5mm、幅200mm、長さ300mm)を用いて、以下のように、前処理、活性化処理、塗装・ラミネートを行ってサンプルを作製し、密着性を比較した。
Figure 2008161747
(1)サンプル作製方法
1.前処理方法
前処理方法としては、溶剤洗浄・水洗浄・アルカリ洗浄・酸洗浄を行った。比較として、圧搾空気の吹きつけ、ブラシによるブラッシングを行った。
a.溶剤洗浄
常温にて、ヘキサン超音波洗浄を5分行った。
b.水洗浄1
水道水を50℃に加熱して、スプレー洗浄を10秒間行った。
c.水洗浄2
水道水をそのまま、スプレー洗浄を5秒間行った。
d.アルカリ洗浄
水酸化ナトリウムの1%水溶液を60℃に加熱して、5秒間スプレー洗浄した。
e.酸洗浄
2%硫酸を50℃に加熱して、5秒間スプレー洗浄した。
f.圧搾空気
6kg/cmの圧搾空気を板全面に5秒間吹き付けた。
g.ブラッシング
金属洗浄用ナイロン製ブラシを約50g/cmにて押しつけ、板全面をブラッシングした。
2.活性化処理
a.プラズマ処理
大気圧プラズマ処理を行った。電極間にヘリウムガスを流しながら、市販の高周波プラズマ電源を用いてグロー放電させることによりプラズマを発生させて、30秒間処理を行った。
b.コロナ放電
電極間に空気を流しながら高周波電源にてコロナ放電を発生させて、60秒間処理を行った。
c.紫外線照射
メタルハライドランプによって発生した紫外線を30秒照射した。
d.火炎処理
ガスバーナーの酸化炎にて5秒間処理した。
3.塗装、ラミネート
a.塗装
バーコーターにてエポキシ系のプレコートメタル用塗料を膜厚5μm塗布し、250℃にて焼付乾燥した。
b.ラミネート
PETフィルム(20μm)を小型ラミネーターにて、250℃に加熱した金属板に密着させ、アモルファス化した。
(4)評価方法
1.碁盤目試験
通常の碁盤目試験では差が出にくいため、圧延して樹脂層にストレスをかけて試験した。具体的には、圧延後(圧延率50%および60%)にそれぞれ2mmの碁盤目を100個けがき、セロハンテープにて剥離して、残った升目の数を数えた。95以上あれば、実用上問題ない。
(評価基準)○:100、○△:95以上、△:90以上95未満、×:90未満
結果を表1に示す。
記号1〜記号17はいずれも十分な密着性を有し、樹脂被覆アルミニウム板として使用に耐えうる。
それに対して、記号18は炭素分(圧延油)除去が不十分なため、記号19は摩耗粉除去が不十分であるため、記号20は酸化皮膜除去が不十分なため、プラズマ処理を行っても十分な密着性が得られない。記号21は樹脂被覆直前の水接触角が60°を超えているので、十分な密着性が得られない。

Claims (3)

  1. 樹脂被覆用アルミニウム板において、樹脂被覆直前の状態で、表面炭素量が10mg/m以下、磨耗粉量が3mg/m以下、酸化皮膜厚さ50nm以下、水接触角60度以下であるような樹脂被覆用アルミニウム板。
  2. アルミニウム板に、圧延後、有機溶剤洗浄・水洗浄・アルカリ洗浄・酸洗浄から選ばれる少なくとも一つの前処理を行い、さらに水接触角を処理前より10度以上低下させる表面活性化処理としてプラズマ処理・コロナ放電処理・紫外線照射から選ばれる少なくとも一つの処理を行うことによって、表面炭素量10mg/m以下、磨耗粉量3mg/m以下、酸化皮膜厚さ50nm以下、水接触角60度以下とすることを特徴とする樹脂被覆用アルミニウム板の製造方法。
  3. プラズマ処理・コロナ放電処理・紫外線照射から選ばれる少なくとも一つの表面活性化処理を行った後、10分内に塗装あるいはラミネートから選ばれる少なくとも一つの方法によって樹脂層を形成することを特徴とする請求項2に記載の樹脂被覆アルミニウム板の製造方法。
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