JP2008159994A - 熱処理装置 - Google Patents

熱処理装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2008159994A
JP2008159994A JP2006349376A JP2006349376A JP2008159994A JP 2008159994 A JP2008159994 A JP 2008159994A JP 2006349376 A JP2006349376 A JP 2006349376A JP 2006349376 A JP2006349376 A JP 2006349376A JP 2008159994 A JP2008159994 A JP 2008159994A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
unit
light
substrate
standard
wafer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2006349376A
Other languages
English (en)
Inventor
Toru Kuroiwa
徹 黒岩
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dainippon Screen Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Dainippon Screen Manufacturing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dainippon Screen Manufacturing Co Ltd filed Critical Dainippon Screen Manufacturing Co Ltd
Priority to JP2006349376A priority Critical patent/JP2008159994A/ja
Publication of JP2008159994A publication Critical patent/JP2008159994A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Container, Conveyance, Adherence, Positioning, Of Wafer (AREA)

Abstract

【課題】容易にかつ確実にキャリブレーション作業を行うことができる熱処理装置を提供する。
【解決手段】半導体ウェハーWの位置決めを行うアライメント部130の天井部分には光の投受光を行う測定光学系を固定設置し、底部には回転機能を有するウェハ保持部を設ける。アライメント部130の直下には標準ウェハーBWを格納する標準ウェハー格納部が配置されている。適当なタイミングにて受渡ロボット120が標準ウェハー格納部から標準ウェハーBWを取り出してアライメント部130に搬送する。アライメント部130では、測定光学系から標準ウェハーBWに光を照射して反射強度を取得し、処理対象半導体ウェハーWの反射強度との相対比較の基準値として設定しなおし、キャリブレーション作業を行う。
【選択図】図1

Description

本発明は、半導体ウェハーや液晶表示装置用ガラス基板等(以下、単に「基板」と称する)に対して光を照射することによって当該基板を加熱する熱処理装置、特に基板にフラッシュ光を照射する熱処理装置に関する。
従来より、イオン注入後の半導体ウェハーのイオン活性化工程においては、ハロゲンランプを使用したランプアニール装置が一般的に使用されていた。このようなランプアニール装置においては、半導体ウェハーを、例えば、1000℃ないし1100℃程度の温度に加熱(アニール)することにより、半導体ウェハーのイオン活性化を実行している。そして、このような熱処理装置においては、ハロゲンランプより照射される光のエネルギーを利用することにより、毎秒数百度程度の速度で基板を昇温する構成となっている。
一方、近年、半導体デバイスの高集積化が進展し、ゲート長が短くなるにつれて接合深さも浅くすることが望まれている。しかしながら、毎秒数百度程度の速度で半導体ウェハーを昇温する上記ランプアニール装置を使用して半導体ウェハーのイオン活性化を実行した場合においても、半導体ウェハーに打ち込まれたボロンやリン等のイオンが熱によって深く拡散するという現象が生ずることが判明した。このような現象が発生した場合においては、接合深さが要求よりも深くなり過ぎ、良好なデバイス形成に支障が生じることが懸念される。
このため、キセノンフラッシュランプ(以下、単に「フラッシュランプ」とするときにはキセノンフラッシュランプを意味する)を使用して半導体ウェハーの表面に閃光を照射することにより、イオンが注入された半導体ウェハーの表面のみを極めて短時間(数ミリセカンド以下)に昇温させる技術が提案されている。キセノンフラッシュランプの放射分光分布は紫外域から近赤外域であり、従来のハロゲンランプよりも波長が短く、シリコンの半導体ウェハーの基礎吸収帯とほぼ一致している。よって、キセノンフラッシュランプから半導体ウェハーに閃光を照射したときには、透過光が少なく半導体ウェハーを急速に昇温することが可能である。また、数ミリセカンド以下の極めて短時間の閃光照射であれば、半導体ウェハーの表面近傍のみを選択的に昇温できることも判明している。このため、フラッシュランプによる極短時間の昇温であれば、イオンを深く拡散させることなく、イオン活性化のみを実行することができるのである。
ところが、フラッシュランプを使用した熱処理装置では極めて短時間に非常に巨大な光エネルギーをウェハー表面に照射するため、その表面温度が急速に上昇し、ウェハーの表面のみが急激に膨張することとなる。そして、フラッシュランプから照射するエネルギーが過剰であると、表面のみが急激に膨張した結果ウェハー表面にスリップが生じたり、最悪の場合ウェハー割れが生じることも判明している。一方、照射エネルギーが少ないとイオン活性化を行うことができない。従って、フラッシュランプから照射する光エネルギーの範囲を適正化することが重要となる。
一般に、照射時間が極めて短いフラッシュランプの場合、半導体ウェハーの温度測定結果に基づくランプ出力のフィードバック制御は不可能であるため、パターン形成のなされていないベアウェハーにイオン注入を行い、そのウェハーに実際に光照射を行ってから処理後の特性(例えばシート抵抗値等)を測定し、その結果に基づいてフラッシュランプから照射される光エネルギーを調整するようにしている。
しかしながら、実際に処理対象となるウェハーはパターン形成がなされたものであり、無地のベアウェハーとは光吸収特性が異なることが多い。通常、同じエネルギーの光を照射したとしても、パターン形成のなされたウェハーの方がベアウェハーよりも多くの光エネルギーを吸収する傾向にある。このため、ベアウェハーにて照射エネルギーの適正化を行ったとしても、実際に処理するウェハーではより多くの光エネルギーを吸収した結果ウェハー割れが生じたりするという問題が発生していた。これを防止するためには、ベアウェハーでの適正照射エネルギー値に対して処理対象のウェハー毎に補正を行わなければならない。
このような課題を解決するために、特許文献1には、フラッシュ加熱を行うのに先立って、反射率が既知の標準ウェハー、パターン形成がなされていない無地ウェハー(例えば、ベアウェハー)および実際に処理対象となる半導体ウェハーの反射強度を測定して無地ウェハーが吸収した光エネルギー値および処理対象ウェハーが吸収した光エネルギー値を算出し、それらに基づいて無地ウェハーに対する処理対象ウェハーの光エネルギー吸収比率を算出し、その値と無地ウェハーに照射する光の適正エネルギー値とから処理対象ウェハーに照射すべき適正エネルギー値を算出する技術が開示されている。
特開2005−39213号公報
特許文献1に開示されている手法では、要するに、パターン形成がなされていない無地ウェハーの反射強度を基準値とし、その基準値と処理対象ウェハーの反射強度との相対的な比較結果に基づいて処理対象ウェハーに照射すべき適正エネルギー値を算出している。このような基準値との相対比較によって演算を行う装置においては、例えば反射強度測定用光源の経年劣化等の経時的変動要因に対応するために、定期的に無地ウェハーの反射強度を測定してそれを基準値として記憶しなおす必要がある(いわゆるキャリブレーション)。
しかしながら、キャリブレーション作業を行うときには、その都度無地ウェハーを清浄な格納容器に収納した状態で装置に渡さなければならず、このために装置の実稼働プロセス(処理対象ウェハーの処理)に障害を与えることもあった。また、キャリブレーション用の無地ウェハーは同一のものを使用し続けることが望ましいため、そのためのウェハー管理、保管も負担の大きな作業となっていた。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、容易にかつ確実にキャリブレーション作業を行うことができる熱処理装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、請求項1の発明は、処理対象基板に対して光を照射することによって当該処理対象基板を加熱する熱処理装置において、照射する光の適正エネルギー値が既知である標準基板を格納する標準基板格納部と、チャンバー内の基板保持部に保持された前記標準基板に投受光部から光を照射したときの反射光を前記投受光部によって受光することにより得られる当該反射光の強度および前記基板保持部に保持された処理対象基板に前記投受光部から光を照射したときの反射光を前記投受光部によって受光することにより得られる当該反射光の強度から前記標準基板に対する前記処理対象基板の光エネルギー吸収比率を算定する吸収比率測定部と、前記標準基板に照射する光の適正エネルギー値および前記吸収比率測定部によって求められた光エネルギー吸収比率に基づいて前記処理対象基板に照射する光の適正エネルギー値を算定し、ランプから当該適正エネルギー値にて前記処理対象基板に光を照射する加熱部と、光エネルギー吸収比率を算定するときに前記標準基板格納部から前記吸収比率測定部に前記標準基板を搬送して前記基板保持部に載置するとともに、光エネルギー吸収比率の算定後に前記基板保持部から前記標準基板を取り出して前記標準基板格納部に帰還させる搬送手段と、を備えることを特徴とする。
また、請求項2の発明は、請求項1の発明に係る熱処理装置において、未処理の処理対象基板を装置内に搬入するとともに処理済みの処理対象基板を装置外に搬出するためのインデクサ部をさらに備え、前記標準基板格納部を前記インデクサ部に配置することを特徴とする。
また、請求項3の発明は、請求項1の発明に係る熱処理装置において、前記加熱部にて加熱された基板を冷却する冷却部をさらに備え、前記標準基板格納部と前記冷却部とを積層して配置することを特徴とする。
また、請求項4の発明は、請求項1の発明に係る熱処理装置において、未処理の処理対象基板の位置決めを行うアライメント部をさらに備え、前記吸収比率測定部を前記アライメント部に設けるとともに、前記標準基板格納部と前記アライメント部とを積層して配置することを特徴とする。
また、請求項5の発明は、請求項1から請求項4のいずれかの発明に係る熱処理装置において、前記加熱部は、コンデンサーに充電された電荷を放電管内で放電することによって生じるフラッシュ光をフラッシュランプから照射して処理対象基板を加熱し、前記コンデンサーの充電時間に、前記搬送手段が前記標準基板格納部から前記吸収比率測定部に前記標準基板を搬送し、前記吸収比率測定部が前記標準基板に前記投受光部から光を照射して前記標準基板の反射光強度を取得することを特徴とする。
また、請求項6の発明は、処理対象基板に対して光を照射することによって当該処理対象基板を加熱する熱処理装置において、標準基板を格納する標準基板格納部と、前記標準基板に光を照射したときの反射光の強度および処理対象基板に光を照射したときの反射光の強度から前記標準基板に対する前記処理対象基板の反射光強度比を算定する反射強度比測定部と、ランプから前記処理対象基板に光を照射する加熱部と、前記標準基板格納部と前記反射強度比測定部との間で前記標準基板を搬送する搬送手段と、を備えることを特徴とする。
請求項1から請求項5の発明によれば、照射する光の適正エネルギー値が既知である標準基板を格納する標準基板格納部を装置内に設けているため、容易にかつ確実にキャリブレーション作業を行うことができる。
また、特に請求項4の発明によれば、吸収比率測定部をアライメント部に設けるとともに、標準基板格納部とアライメント部とを積層して配置するため、標準基板の搬送距離が短くなり搬送に要する時間を短縮することができる。
また、特に請求項5の発明によれば、コンデンサーの充電時間に、標準基板格納部から吸収比率測定部に標準基板を搬送し、標準基板に光を照射して標準基板の反射光強度を取得するため、処理対象基板の処理の障害となるのを防止することができる。
また、請求項6の発明によれば、標準基板を格納する標準基板格納部を装置内に設けているため、容易にかつ確実にキャリブレーション作業を行うことができる。
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について詳細に説明する。
<1.熱処理装置の全体構成>
図1は、本発明に係る熱処理装置100を示す平面図であり、図2はその正面図である。なお、図1および図2においては適宜部分的に断面図としており、細部については適宜簡略化している。また、図1,2および以降の各図においては、それらの方向関係を明確にするためZ軸方向を鉛直方向とし、XY平面を水平面とするXYZ直交座標系を必要に応じて付している。
図1および図2に示すように、熱処理装置100は、未処理の半導体ウェハーWを装置内に搬入するとともに処理済みの半導体ウェハーWを装置外に搬出するためのインデクサ部101、未処理の半導体ウェハーWの位置決めを行うアライメント部130、加熱処理後の半導体ウェハーWの冷却を行う冷却部(クーラ)140、半導体ウェハーWにフラッシュ加熱処理を施す加熱処理部160並びにアライメント部130、冷却部140および加熱処理部160に対して半導体ウェハーWの搬送を行う搬送ロボット150を備える。また、本実施形態の熱処理装置100は、標準ウェハーBWを格納する標準ウェハー格納部190を冷却部140の下側に備える(図9)。
インデクサ部101は、複数のキャリアC(本実施形態では2個)を並べて載置するロードポート110と、各キャリアCから未処理の半導体ウェハーWを取り出すとともに、各キャリアCに処理済みの半導体ウェハーWを収納する受渡ロボット120とを備えている。未処理の半導体ウェハーWを収容したキャリアCは無人搬送車(AGV)等によって搬送されてロードポート110に載置されるともに、処理済みの半導体ウェハーWを収容したキャリアCは当該無人搬送車によってロードポート110から持ち去られる。また、ロードポート110においては、受渡ロボット120がキャリアCに対して任意の半導体ウェハーWの出し入れを行うことができるように、キャリアCが図2の矢印CUにて示す如く昇降移動可能に構成されている。なお、キャリアCの形態としては、半導体ウェハーWを密閉空間に収納するFOUP(front opening unified pod)の他に、SMIF(Standard Mechanical Inter Face)ポッドや収納した半導体ウェハーWを外気に曝すOC(open cassette)であっても良い。
また、受渡ロボット120は、矢印120Sにて示すようなスライド移動、矢印120Rにて示すような旋回動作および若干の昇降動作が可能とされている。これにより、受渡ロボット120は、2つのキャリアCに対して半導体ウェハーWの出し入れを行うとともに、アライメント部130および冷却部140に対して半導体ウェハーWの受け渡しを行う。受渡ロボット120によるキャリアCに対する半導体ウェハーWの出し入れは、ハンド121のスライド移動、および、キャリアCの昇降移動により行われる。また、受渡ロボット120とアライメント部130または冷却部140との半導体ウェハーWの受け渡しは、ハンド121のスライド移動、および、受渡ロボット120の昇降動作によって行われる。
アライメント部130は、半導体ウェハーWを回転させて続くフラッシュ加熱に適切な向きに向ける処理部である。受渡ロボット120からアライメント部130へは半導体ウェハーWの中心が所定の位置に位置するように半導体ウェハーWが渡される。また、アライメント部130は後述の光学測定ユニットを備えており、その光学測定ユニットによって熱処理に供される半導体ウェハーWの光エネルギー吸収比率等を測定する。
熱処理装置100の主要部である加熱処理部160は、キセノンフラッシュランプFLからの閃光(フラッシュ光)を半導体ウェハーWに照射して加熱処理を行う処理部である。なお、加熱処理部160およびアライメント部130の構成については後に詳述する。
冷却部140は、金属製の冷却プレートの上面に石英板を載置して構成されている。加熱処理部160にてフラッシュ加熱処理が施された直後の半導体ウェハーWは温度が高いため、冷却部140にて上記石英板上に載置されて冷却される。
搬送ロボット150は、鉛直方向に沿った軸を中心に矢印150Rにて示すように旋回可能とされるとともに、複数のアームセグメントからなる2つのリンク機構を有し、それら2つのリンク機構の末端にはそれぞれ半導体ウェハーWを保持する搬送アーム151a,151bが設けられる。これらの搬送アーム151a,151bは上下に所定のピッチだけ隔てて配置され、リンク機構によりそれぞれ独立して同一水平方向に直線的にスライド移動可能とされている。また、搬送ロボット150は、2つのリンク機構が設けられるベースを昇降移動することにより、所定のピッチだけ離れた状態のまま2つの搬送アーム151a,151bを昇降移動させる。
また、搬送ロボット150による半導体ウェハーWの搬送空間として搬送ロボット150を収容する搬送室170が設けられており、アライメント部130、冷却部140および加熱処理部160は搬送室170に連結されて配置されている。搬送ロボット150がアライメント部130、加熱処理部160または冷却部140を受け渡し相手として半導体ウェハーWの受け渡し(出し入れ)を行う際には、まず、両搬送アーム151a,151bが受け渡し相手と対向するように旋回し、その後(または旋回している間に)昇降移動していずれかの搬送アームが受け渡し相手と半導体ウェハーWを受け渡しする高さに位置する。そして、搬送アーム151a(151b)を水平方向に直線的にスライド移動させて受け渡し相手と半導体ウェハーWの受け渡しを行う。
また、インデクサ部101とアライメント部130および冷却部140との間にはそれぞれゲートバルブ181,182が設けられ、搬送室170とアライメント部130、冷却部140および加熱処理部160との間にはそれぞれゲートバルブ183,184,185が設けられる。そして、アライメント部130、冷却部140および搬送室170の内部が清浄に維持されるようにそれぞれに窒素ガス供給部(図示省略)から高純度の窒素ガスが供給され、余剰の窒素ガスは適宜排気管から排気される。なお、半導体ウェハーWが搬送される際に適宜これらのゲートバルブが開閉される。
また、アライメント部130および冷却部140は、インデクサ部101と搬送ロボット150との間のウェハー搬送経路の往路および復路にそれぞれ位置し、アライメント部130では半導体ウェハーWの位置決めを行うために半導体ウェハーWが一時的に載置され、冷却部140では加熱処理後の半導体ウェハーWを冷却するために半導体ウェハーWが一時的に載置される。
<2.加熱処理部の構成>
次に、加熱処理部160の構成について説明する。図3は、加熱処理部160の構成を示す側断面図である。加熱処理部160は基板として略円形の半導体ウェハーWに閃光を照射してその半導体ウェハーWを加熱する熱処理ユニットである。
加熱処理部160は、半導体ウェハーWを収容する略円筒形状のチャンバー6と、複数のフラッシュランプFLを内蔵するランプハウス5と、を備える。なお、チャンバー6およびランプハウス5に設けられた各動作機構は、熱処理装置100に設けられた制御部3によって制御されて半導体ウェハーWの熱処理を進行する。
チャンバー6は、ランプハウス5の下方に設けられており、略円筒状の内壁を有するチャンバー側部63、および、チャンバー側部63の下部を覆うチャンバー底部62によって構成される。また、チャンバー側部63およびチャンバー底部62によって囲まれる空間が熱処理空間65として規定される。熱処理空間65の上方は上部開口60とされており、上部開口60にはチャンバー窓61が装着されて閉塞されている。
チャンバー6の天井部を構成するチャンバー窓61は、石英により形成された円板形状部材であり、ランプハウス5から出射されたフラッシュ光を熱処理空間65に透過する。チャンバー6の本体を構成するチャンバー底部62およびチャンバー側部63は、例えば、ステンレススチール等の強度と耐熱性に優れた金属材料にて形成されており、チャンバー側部63の内側面の上部のリング631は、光照射による劣化に対してステンレススチールより優れた耐久性を有するアルミニウム(Al)合金等で形成されている。
また、熱処理空間65の気密性を維持するために、チャンバー窓61とチャンバー側部63とはOリングによってシールされている。すなわち、チャンバー窓61の下面周縁部とチャンバー側部63との間にOリングを挟み込むとともに、クランプリング90をチャンバー窓61の上面周縁部に当接させ、そのクランプリング90をチャンバー側部63にネジ止めすることによって、チャンバー窓61をOリングに押し付けている。
チャンバー底部62には、保持部7を貫通して半導体ウェハーWをその下面(ランプハウス5からの光が照射される側とは反対側の面)から支持するための複数(本実施の形態では3本)の支持ピン70が立設されている。支持ピン70は、例えば石英により形成されており、チャンバー6の外部から固定されているため、容易に取り替えることができる。
チャンバー側部63は、半導体ウェハーWの搬入および搬出を行うための搬送開口部66を有し、搬送開口部66は、軸662を中心に回動するゲートバルブ185により開閉可能とされる。チャンバー側部63における搬送開口部66とは反対側の部位には熱処理空間65に処理ガス(例えば、窒素(N2)ガスやヘリウム(He)ガス、アルゴン(Ar)ガス等の不活性ガス、あるいは、酸素(02)ガス等)を導入する導入路81が形成され、その一端は弁82を介して図示省略の給気機構に接続され、他端はチャンバー側部63の内部に形成されるガス導入バッファ83に接続される。また、搬送開口部66には熱処理空間65内の気体を排出する排出路86が形成され、弁87を介して図示省略の排気機構に接続される。
図4は、チャンバー6をガス導入バッファ83の位置にて水平面で切断した断面図である。図4に示すように、ガス導入バッファ83は、図3に示す搬送開口部66の反対側においてチャンバー側部63の内周の約1/3に亘って形成されており、導入路81を介してガス導入バッファ83に導かれた処理ガスは、複数のガス供給孔84から熱処理空間65内へと供給される。
また、加熱処理部160は、チャンバー6の内部において半導体ウェハーWを水平姿勢にて保持しつつフラッシュ光照射前にその保持する半導体ウェハーWの予備加熱を行う略円板状の保持部7と、保持部7をチャンバー6の底面であるチャンバー底部62に対して昇降させる保持部昇降機構4と、を備える。図3に示す保持部昇降機構4は、略円筒状のシャフト41、移動板42、ガイド部材43(本実施の形態ではシャフト41の周りに3本配置される)、固定板44、ボールネジ45、ナット46およびモータ40を有する。チャンバー6の下部であるチャンバー底部62には保持部7よりも小さい直径を有する略円形の下部開口64が形成されており、ステンレススチール製のシャフト41は、下部開口64を挿通して、保持部7(厳密には保持部7のホットプレート71)の下面に接続されて保持部7を支持する。
移動板42にはボールネジ45と螺合するナット46が固定されている。また、移動板42は、チャンバー底部62に固定されて下方へと伸びるガイド部材43により摺動自在に案内されて上下方向に移動可能とされる。また、移動板42は、シャフト41を介して保持部7に連結される。
モータ40は、ガイド部材43の下端部に取り付けられる固定板44に設置され、タイミングベルト401を介してボールネジ45に接続される。保持部昇降機構4により保持部7が昇降する際には、駆動部であるモータ40が制御部3の制御によりボールネジ45を回転し、ナット46が固定された移動板42がガイド部材43に沿って鉛直方向に移動する。この結果、移動板42に固定されたシャフト41が鉛直方向に沿って移動し、シャフト41に接続された保持部7が図3に示す半導体ウェハーWの受渡位置と図8に示す半導体ウェハーWの処理位置との間で滑らかに昇降する。
移動板42の上面には略半円筒状(円筒を長手方向に沿って半分に切断した形状)のメカストッパ451がボールネジ45に沿うように立設されており、仮に何らかの異常により移動板42が所定の上昇限界を超えて上昇しようとしても、メカストッパ451の上端がボールネジ45の端部に設けられた端板452に突き当たることによって移動板42の異常上昇が防止される。これにより、保持部7がチャンバー窓61の下方の所定位置以上に上昇することはなく、保持部7とチャンバー窓61との衝突が防止される。
また、保持部昇降機構4は、チャンバー6の内部のメンテナンスを行う際に保持部7を手動にて昇降させる手動昇降部49を有する。手動昇降部49はハンドル491および回転軸492を有し、ハンドル491を介して回転軸492を回転することより、タイミングベルト495を介して回転軸492に接続されるボールネジ45を回転して保持部7の昇降を行うことができる。
チャンバー底部62の下側には、シャフト41の周囲を囲み下方へと伸びる伸縮自在のベローズ47が設けられ、その上端はチャンバー底部62の下面に接続される。一方、ベローズ47の下端はベローズ下端板471に取り付けられている。べローズ下端板471は、鍔状部材411によってシャフト41にネジ止めされて取り付けられている。保持部昇降機構4により保持部7がチャンバー底部62に対して上昇する際にはベローズ47が収縮され、下降する際にはべローズ47が伸張される。そして、保持部7が昇降する際にも、ベローズ47が伸縮することによって熱処理空間65内の気密状態が維持される。
図5は、保持部7の構成を示す断面図である。保持部7は、半導体ウェハーWを予備加熱(いわゆるアシスト加熱)するホットプレート(加熱プレート)71、および、ホットプレート71の上面(保持部7が半導体ウェハーWを保持する側の面)に設置されるサセプタ72を有する。保持部7の下面には、既述のように保持部7を昇降するシャフト41が接続される。サセプタ72は石英(あるいは、窒化アルミニウム(AIN)等であってもよい)により形成され、その上面には半導体ウェハーWの位置ずれを防止するピン75が設けられる。サセプタ72は、その下面をホットプレート71の上面に面接触させてホットプレート71上に設置される。これにより、サセプタ72は、ホットプレート71からの熱エネルギーを拡散してサセプタ72上面に載置された半導体ウェハーWに伝達するとともに、メンテナンス時にはホットプレート71から取り外して洗浄可能とされる。
ホットプレート71は、ステンレススチール製の上部プレート73および下部プレート74にて構成される。上部プレート73と下部プレート74との間には、ホットプレート71を加熱するニクロム線等の抵抗加熱線76が配設され、導電性のニッケル(Ni)ロウが充填されて封止されている。また、上部プレート73および下部プレート74の端部はロウ付けにより接着されている。
図6は、ホットプレート71を示す平面図である。図6に示すように、ホットプレート71は、保持される半導体ウェハーWと対向する領域の中央部に同心円状に配置される円板状のゾーン711および円環状のゾーン712、並びに、ゾーン712の周囲の略円環状の領域を周方向に4等分割した4つのゾーン713〜716を備え、各ゾーン間には若干の間隙が形成されている。また、ホットプレート71には、支持ピン70が挿通される3つの貫通孔77が、ゾーン711とゾーン712との隙間の周上に120°毎に設けられる。
6つのゾーン711〜716のそれぞれには、相互に独立した抵抗加熱線76が周回するように配設されてヒータが個別に形成されており、各ゾーンに内蔵されたヒータにより各ゾーンが個別に加熱される。保持部7に保持された半導体ウェハーWは、6つのゾーン711〜716に内蔵されたヒータにより加熱される。また、ゾーン711〜716のそれぞれには、熱電対を用いて各ゾーンの温度を計測するセンサ710が設けられている。各センサ710は略円筒状のシャフト41の内部を通り制御部3に接続される。
ホットプレート71が加熱される際には、センサ710により計測される6つのゾーン711〜716のそれぞれの温度が予め設定された所定の温度になるように、各ゾーンに配設された抵抗加熱線76への電力供給量が制御部3により制御される。制御部3による各ゾーンの温度制御はPID(Proportional,Integral,Derivative)制御により行われる。ホットプレート71では、半導体ウェハーWの熱処理(複数の半導体ウェハーWを連続的に処理する場合は、全ての半導体ウェハーWの熱処理)が終了するまでゾーン711〜716のそれぞれの温度が継続的に計測され、各ゾーンに配設された抵抗加熱線76への電力供給量が個別に制御されて、すなわち、各ゾーンに内蔵されたヒータの温度が個別に制御されて各ゾーンの温度が設定温度に維持される。なお、各ゾーンの設定温度は、基準となる温度から個別に設定されたオフセット値だけ変更することが可能とされる。
6つのゾーン711〜716にそれぞれ配設される抵抗加熱線76は、シャフト41の内部を通る電力線を介して電力供給源(図示省略)に接続されている。電力供給源から各ゾーンに至る経路途中において、電力供給源からの電力線は、マグネシア(マグネシウム酸化物)等の絶縁体を充填したステンレスチューブの内部に互いに電気的に絶縁状態となるように配置される。なお、シャフト41の内部は大気開放されている。
次に、ランプハウス5は、筐体51の内側に、複数本(本実施形態では30本)のキセノンフラッシュランプFLからなる光源と、その光源の上方を覆うように設けられたリフレクタ52と、を備えて構成される。また、ランプハウス5の筐体51の底部にはランプ光放射窓53が装着されている。ランプハウス5の床部を構成するランプ光放射窓53は、石英により形成された板状部材である。ランプハウス5がチャンバー6の上方に設置されることにより、ランプ光放射窓53がチャンバー窓61と相対向することとなる。ランプハウス5は、チャンバー6内にて保持部7に保持される半導体ウェハーWにランプ光放射窓53およびチャンバー窓61を介してフラッシュランプFLからフラッシュ光を照射することにより半導体ウェハーWを加熱する。
複数のフラッシュランプFLは、それぞれが長尺の円筒形状を有する棒状ランプであり、それぞれの長手方向が保持部7に保持される半導体ウェハーWの主面に沿って(つまり水平方向に沿って)互いに平行となるように平面状に配列されている。よって、フラッシュランプFLの配列によって形成される平面も水平面である。
図7は、キセノンフラッシュランプFLの駆動回路を示す図である。キセノンフラッシュランプFLは、その内部にキセノンガスが封入されその両端部にコンデンサー93に接続された陽極および陰極が配設された棒状のガラス管(放電管)92と、該ガラス管92の外周面上に付設されたトリガー電極91とを備える。コンデンサー93には、電源ユニット95によって所定の電圧が印加され、その印加電圧に応じた電荷が充電される。また、コンデンサー93とガラス管92の電極とを接続する回路にはコイル94が設けられている。
キセノンガスは電気的には絶縁体であることから、コンデンサー93に電荷が蓄積されていたとしても通常の状態ではガラス管92内に電気は流れない。しかしながら、トリガースイッチSWをON状態にしてトリガー電極91に高電圧を印加して絶縁を破壊した場合には、コンデンサー93に蓄えられた電気がガラス管92内に瞬時に流れ、そのときのジュール熱でキセノンガスが加熱されて光が放出される。このようなキセノンフラッシュランプFLにおいては、予めコンデンサー93に蓄えられていた静電エネルギーが0.1ミリセカンドないし10ミリセカンドという極めて短い光パルスに変換されることから、連続点灯の光源に比べて極めて強い光を照射し得るという特徴を有する。なお、トリガースイッチSWとしては例えばサイリスター等の電気的なスイッチ素子を用いる。
また、図3のリフレクタ52は、複数のフラッシュランプFLの上方にそれら全体を覆うように設けられている。リフレクタ52の基本的な機能は、複数のフラッシュランプFLから出射されたフラッシュ光を保持部7の側に反射するというものである。リフレクタ52はアルミニウム合金板にて形成されており、その表面(フラッシュランプFLに臨む側の面)はブラスト処理により粗面化加工が施されて梨地模様を呈する。このような粗面化加工を施しているのは、リフレクタ52の表面が完全な鏡面であると、複数のフラッシュランプFLからの反射光の強度に規則パターンが生じて半導体ウェハーWの表面温度分布の均一性が低下するためである。
上記の構成以外にも加熱処理部160は、半導体ウェハーWの熱処理時にフラッシュランプFLおよびホットプレート71から発生する熱エネルギーによるチャンバー6およびランプハウス5の過剰な温度上昇を防止するため、様々な冷却用の構造を備えている。例えば、チャンバー6のチャンバー側部63およびチャンバー底部62には水冷管(図示省略)が設けられている。また、ランプハウス5は、内部に気体流を形成して排熱するための気体供給管55および排気管56が設けられて空冷構造とされている(図3参照)。また、チャンバー窓61とランプ光放射窓53との間隙にも空気が供給され、ランプハウス5およびチャンバー窓61を冷却する。
<3.アライメント部の構成>
次に、アライメント部130の構成について説明する。図9は、アライメント部130および標準ウェハー格納部190の構成を示す図である。図9に示すように、本実施形態においては、標準ウェハー格納部190とアライメント部130とが積層配置されており、アライメント部130の直下に標準ウェハー格納部190が配置される。
アライメント部130は、チャンバー131にウェハ保持部132と光学測定ユニット30とを備えて構成されている。チャンバー131は半導体ウェハーWを収容する金属製の筐体である。チャンバー131の側壁には受渡ロボット120および搬送ロボット150がアクセスするための開口133,134がそれぞれ設けられており、それぞれの開口はゲートバルブ181,183によって開閉される。なお、図9では、ゲートバルブ181,183の図示を省略している。
チャンバー131の底部にはウェハ保持部132が設けられている。ウェハ保持部132は、3本の支持ピン136(図9では図示の便宜上2本のみ記載)とモータ135とを備えている。3本の支持ピン136は半導体ウェハーWを下面から支持して載置する。3本の支持ピン136は相互に連結されており、それら3本の支持ピン136はモータ135によって連動して鉛直方向軸まわりで回転可能とされている。
光学測定ユニット30は、測定光学系31と、この測定光学系31に対して投光用光ファイバ32を介して結合された投光器33と、測定光学系31に対して受光用光ファイバ34を介して結合された分光器35とを含む。光学測定ユニット30の構成要素のうち測定光学系31はチャンバー131の天井部分に固定設置されており、他の要素はチャンバー131の外部に設けられている。投光器33はランプを内蔵しており、一定光量の光を発生する。投光器33から出射された光は投光用光ファイバ32を介して測定光学系31に導かれる。
図10は、測定光学系31の構成を説明するための図である。測定光学系31は、支持ピン136に支持された半導体ウェハーWの主面に光を照射するとともに、該主面からの反射光を受光する投受光部として機能するものである。測定光学系31は、下から順に、アクロマティックレンズ36、ハーフミラー37および全反射ミラー38を鉛直方向に沿って配列している。また、全反射ミラー38からの反射光が向かう方向に沿ってディフューザ39を配置している。
ハーフミラー37は、支持ピン136に支持される半導体ウェハーWに対して45°の角度(水平面に対して45°の角度)をなす姿勢で設けられており、投光用光ファイバ32の出射端32aからの水平方向の光を受け、これを鉛直方向下方に向けて反射する。ハーフミラー37によって反射された光は、アクロマティックレンズ36を透過して下方に向かって進行する。こうして測定光学系31から下方に向けて出射された光は、支持ピン136に半導体ウェハーWが支持されているときには、その半導体ウェハーWの上面に照射されることとなる。一方、支持ピン136に標準ウェハーBWが支持されているときには、測定光学系31から出射された光は標準ウェハーBWの上面に照射される。
半導体ウェハーWまたは標準ウェハーBWの上面にて反射された反射光は、アクロマティックレンズ36およびハーフミラー37を順に透過し、全反射ミラー38によってディフューザ39に向けて反射される。ディフューザ39に入射した反射光は拡散均一化処理を受けて、受光用光ファイバ34の入射端34aに入射する。すなわち、ディフューザ39は、受光用光ファイバ34の入射端34aと全反射ミラー38との間に介挿されていて、その入射端面39aが全反射ミラー38に対向するとともに、その出射端面39bが受光用光ファイバ34の入射端34aに対向している。また、アクロマティックレンズ36は、半導体ウェハーWからの反射光をディフューザ39の入射端面39aに集束させる働きを有する。
受光用光ファイバ34に入射された光は、分光器35によってスペクトル分解処理を受け、この処理結果として分光器35から出力された信号が制御部3に入力される。制御部3は、後述するようにして半導体ウェハーWの反射光強度比や光エネルギー吸収比率を算出する。
アライメント部130の下側に設けられた標準ウェハー格納部190は、チャンバー191の内部に載置部192を設けて構成されている。チャンバー191は標準ウェハーBWを収容する金属製の筐体である。チャンバー191の側壁には受渡ロボット120がアクセスするための開口193が形設されており、その開口193は図示を省略するゲートバルブによって開閉される。なお、アライメント部130のチャンバー131と標準ウェハー格納部190のチャンバー191とを一体として形成するようにしても良い。
載置部192は、3本の支持ピン194によって構成されており(図9では図示の便宜上2本のみ記載)、1枚の標準ウェハーBWを載置することができる。本実施形態においては、標準ウェハーBWとしてパターン形成のなされていないシリコンのベアウェハーを使用している。標準ウェハーBWの形状および大きさは通常の処理対象となる半導体ウェハーWと同じである(例えば、φ300mmの円板形状)。なお、載置部192を多段の棚構造とし、標準ウェハー格納部190に複数の標準ウェハーBWを収容できるようにしても良い。
インデクサ部101の受渡ロボット120は、標準ウェハー格納部190とアライメント部130との間で標準ウェハーBWを搬送する。標準ウェハー格納部190からアライメント部130に標準ウェハーBWを搬送するときには、受渡ロボット120が標準ウェハー格納部190の開口193からハンド121を進入させて載置部192から標準ウェハーBWを受け取り、ハンド121を退出させてからそのままの姿勢で上昇し、アライメント部130の開口133にハンド121を進入させてウェハ保持部132に標準ウェハーBWを渡す。アライメント部130から標準ウェハー格納部190に標準ウェハーBWを搬送するときには、受渡ロボット120がこれとは逆の動作を行う。本実施形態においては、標準ウェハー格納部190とアライメント部130とを積層配置しているため、両者間の標準ウェハーBWの搬送距離が短く、搬送に要する時間を短縮するのに好適である。
制御部3は、熱処理装置100の全体を管理するコントローラであり、加熱処理部160や光学測定ユニット30を制御するとともに、後述するようにしてアライメント部130に保持されている半導体ウェハーWの反射光強度比および光エネルギー吸収比率を算出する。図11は、制御部3の構成を示すブロック図である。制御部3のハードウェアとしての構成は一般的なコンピュータと同様である。すなわち、制御部3は、各種演算処理を行うCPU11、基本プログラムを記憶する読み出し専用のメモリであるROM12、各種情報を記憶する読み書き自在のメモリであるRAM13および制御用ソフトウェアやデータなどを記憶しておく磁気ディスク14をバスライン19に接続して構成されている。
また、バスライン19には、加熱処理部160の電源ユニット95およびトリガー制御回路99並びに光学測定ユニット30の投光器33および分光器35が電気的に接続されている。トリガー制御回路99は、複数のフラッシュランプFLのそれぞれのトリガースイッチSWと接続されており、各トリガースイッチSWのON/OFFを制御する。制御部3のCPU11は、磁気ディスク14に格納された制御用ソフトウェアを実行することにより、標準ウェハーBWに対する処理対象半導体ウェハーWの反射光強度比や光エネルギー吸収比率を測定するとともに、フラッシュランプFLの発光タイミングおよびフラッシュランプFLへの供給電力(コンデンサー93への印加電圧)を調整する。
さらに、バスライン19には、表示部21および入力部22が電気的に接続されている。表示部21は、例えば液晶ディスプレイ等を用いて構成されており、処理結果やレシピ内容等の種々の情報を表示する。入力部22は、例えばキーボードやマウス等を用いて構成されており、コマンドやパラメータ等の入力を受け付ける。装置のオペレータは、表示部21に表示された内容を確認しつつ入力部22からコマンドやパラメータ等の入力を行うことができる。なお、表示部21と入力部22とを一体化してタッチパネルとして構成するようにしても良い。
上述した構成要素以外にも、アライメント部130には支持ピン136に支持されて回転する半導体ウェハーWの切り欠き部(φ300mmウェハーの場合はノッチ、φ200mmウェハーの場合はオリフラ)を検出する検出ヘッド、チャンバー131に窒素ガスを供給するガス供給部およびチャンバー131内の雰囲気ガスを排気する排気部等(いずれも図示省略)が設けられている。
<4.熱処理装置における熱処理動作>
次に、本発明に係る熱処理装置100による半導体ウェハーWの熱処理動作について説明する。この熱処理装置100において処理対象となる半導体ウェハーWは、イオン注入法により不純物(イオン)が添加された半導体ウェハーである。ここでは、熱処理装置100全体におけるウェハーフローについて簡単に説明した後、アライメント部130における半導体ウェハーWの光エネルギー吸収比率測定および加熱処理部160における処理内容について説明する。
熱処理装置100では、まず、イオン注入後の半導体ウェハーWがキャリアCに複数枚収容された状態でインデクサ部101のロードポート110に載置される。そして、受渡ロボット120がキャリアCから半導体ウェハーWを1枚ずつ取り出し、アライメント部130に載置する。アライメント部130では、支持ピン136に保持された半導体ウェハーWを、その中心部を回転中心として鉛直方向軸まわりで回転させノッチ等を光学的に検出することによって半導体ウェハーWの位置決めを行う他に、光学測定ユニット30による光エネルギー吸収比率測定も行われる。
アライメント部130にて位置決めが行われた半導体ウェハーWは搬送ロボット150の上側の搬送アーム151aにより搬送室170内へと取り出され、搬送ロボット150が加熱処理部160を向くように旋回する。
搬送ロボット150が加熱処理部160に向くと、下側の搬送アーム151bが加熱処理部160から先行するフラッシュ加熱処理済の半導体ウェハーWを取り出し、上側の搬送アーム151aが未処理の半導体ウェハーWを加熱処理部160へと搬入する。このときに搬送ロボット150は、フラッシュランプFLの長手方向と垂直に搬送アーム151a,151bをスライド移動させる。
次に、搬送ロボット150は冷却部140に向くように旋回し、下側の搬送アーム151bがフラッシュ加熱処理済の半導体ウェハーWを冷却部140内に載置する。冷却部140にて冷却された半導体ウェハーWは受渡ロボット120によりキャリアCへと返却される。
図12は、アライメント部130における半導体ウェハーWの光エネルギー吸収比率測定の手順を示すフローチャートである。アライメント部130では、処理対象となる半導体ウェハーWの反射光強度比および光エネルギー吸収比率が測定される。ここで、処理対象となる半導体ウェハーWの反射光強度比とは標準ウェハーBWに対する処理対象ウェハーWの反射光強度比であり、処理対象となる半導体ウェハーWの光エネルギー吸収比率とは標準ウェハーBWに対する処理対象ウェハーWの光エネルギー吸収比率である。標準ウェハーBWは、処理対象ウェハーWとの相対比較の基準となるウェハーであって光照射を受けたときの反射挙動が既知であり、本実施形態ではパターン形成のなされていないベアウェハーである。ベアウェハーについては、投光器33からの光照射を受けたときの反射挙動が解明されており、また、フラッシュランプFLから照射すべき閃光の適正エネルギー値も既知となっている。
まず、標準ウェハーBWが受渡ロボット120によって標準ウェハー格納部190から搬出されてアライメント部130に搬入され、支持ピン136に載置される(ステップS1)。そして、測定光学系31から標準ウェハーBWに光を照射したときに得られる反射光の強度測定が実行される(ステップS2)。具体的には、支持ピン136に標準ウェハーBWが支持されることによって、測定光学系31から出射された光は標準ウェハーBWの表面に照射されることとなる。標準ウェハーBWの表面にて反射された反射光は、測定光学系31にて受光された後、分光器35によってスペクトル分解処理を受け、この処理結果として反射光の反射強度の分光特性が制御部3に入力される。本明細書では、このような標準ウェハーBWの反射強度の分光特性を「標準反射強度」とする。
標準ウェハーBWの反射強度測定が終了すると、受渡ロボット120がアライメント部130のウェハ保持部132から標準ウェハーBWを取り出して標準ウェハー格納部190へと帰還させる(ステップS3)。次に、ステップS4に進み、処理対象となる半導体ウェハーWが受渡ロボット120によってアライメント部130に搬入され、支持ピン136に載置される。そして、測定光学系31から処理対象となる半導体ウェハーWに光を照射したときに得られる反射光の強度測定が実行される(ステップS5)。すなわち、支持ピン136に半導体ウェハーWが支持されることによって、測定光学系31から出射した光は半導体ウェハーWの表面に照射されることとなる。処理対象となる半導体ウェハーWの表面にて反射された反射光は、測定光学系31にて受光された後、分光器35によってスペクトル分解処理を受け、この処理結果として反射光の反射強度の分光特性が制御部3に入力される。本明細書では、このような処理対象となる半導体ウェハーWの反射強度の分光特性を「処理対象基板反射強度」とする。
処理対象となる半導体ウェハーWの反射強度測定が終了すると、ステップS6に進み、標準ウェハーBWが吸収した光エネルギーが制御部3のCPU11によって算出される。図13は、標準ウェハーBWが吸収した光エネルギーを説明する図である。同図において、縦軸は反射強度を示し、横軸は波数(波長の逆数)を示している。このような2次元座標にて反射強度を積分した値が反射光の光エネルギーとなる。すなわち、図13において、標準反射強度RBを積分した値が標準ウェハーBWの反射光の光エネルギーSBとなる。
また、標準ウェハーBWについては反射挙動が既知であり、照射された光を100%反射する理想鏡に測定光学系31から光を照射したときに得られる反射光の強度(これを「理想反射強度RA」とする)を標準反射強度RBから換算することは可能である。制御部3のCPU11は、ステップS2にて得られた標準反射強度RBから理想反射強度RAを算出し、さらに理想反射強度RAを積分することによって理想鏡の反射光の光エネルギーSAを算出する。理想反射強度RAは、反射率100%のときの反射強度であるため、光エネルギーSAから光エネルギーSBを減じた値(図13の斜線部の面積)が標準ウェハーBWが吸収した光エネルギーとして算出される。
なお、上記において、反射強度の積分範囲を1/800〜1/400、すなわち可視光域にしているのは、キセノンフラッシュランプFLの波長分布が紫外域から赤外域にまでわたることおよびシリコンの半導体ウェハーWが赤外線を透過することを考慮し、半導体ウェハーWの加熱に寄与する波長域を選択したものである。
次に、ステップS7に進み、処理対象の半導体ウェハーWが吸収した光エネルギーが制御部3のCPU11によって算出される。図14は、処理対象となる半導体ウェハーWが吸収した光エネルギーを説明する図である。同図において、理想反射強度RAは上述した通りのものであり、理想反射強度RAを積分した値が反射率100%の理想鏡の反射光の光エネルギーSAであり、処理対象基板反射強度RCを積分した値が処理対象の半導体ウェハーWの反射光の光エネルギーSCである。従って、光エネルギーSAから光エネルギーSCを減じた値(図14の斜線部の面積)が処理対象となる半導体ウェハーWが吸収した光エネルギーとして算出される。
標準ウェハーBWが吸収した光エネルギーおよび処理対象となる半導体ウェハーWが吸収した光エネルギーの双方が算出されると、それらから標準ウェハーBWに対する処理対象半導体ウェハーWの光エネルギー吸収比率が制御部3のCPU11によって算出される(ステップS8)。すなわち、次の数1によって標準ウェハーBWに対する処理対象の半導体ウェハーWの光エネルギー吸収比率rが算出される。
Figure 2008159994
また、これと並行して制御部3は、標準ウェハーBWに対する処理対象半導体ウェハーWの反射光強度比を算出する。すなわち、次の数2によって標準ウェハーBWに対する処理対象の半導体ウェハーWの反射光強度比Rが算出される。
Figure 2008159994
一般にパターン形成がなされていないベアウェハーよりも処理対象の半導体ウェハーWの方が光を良く吸収するため、通常はRB>RC,SB>SCとなり、その結果r>1,R<1となる。
このようにすれば、シンプルな光学系によって標準ウェハーに対する処理対象半導体ウェハーWの光エネルギー吸収比率rおよび反射光強度比Rを簡易に測定することができる。
以上のようにして、標準ウェハーBWに対する処理対象半導体ウェハーWの光エネルギー吸収比率rを算出した後、本実施形態ではフラッシュランプFLから処理対象半導体ウェハーWに照射する光のエネルギーの適正値を算出している(ステップS9)。既述したように、フラッシュランプFLから照射するフラッシュ光のエネルギー値は、パターン形成のなされていないベアウェハーにイオン注入を行い、そのベアウェハーに実際に閃光照射を行ってから処理後の特性(例えばシート抵抗値等)を測定した結果に基づいて調整されている。つまり、ベアウェハーである標準ウェハーBWについては照射すべき光の適正エネルギー値が既知となっている。なお、照射光の適正エネルギー値とは、ウェハーにダメージを与えることなくイオンの活性化を行うことができる必要十分なエネルギー値であり、通常ベアウェハーでは約25J/cm2〜28J/cm2程度の値となる。
ところが、ベアウェハーよりも処理対象の半導体ウェハーWの方が光を良く吸収するため、ベアウェハーでは適正値であったとしてもそれと同等のエネルギーの閃光を実際の処理対象ウェハーに照射すると、表面温度が予定以上に上昇した結果ウェハー割れが生じたりすることも既述した通りである。
そこで、本実施形態では、ベアウェハーに照射すべき光の適正エネルギー値および上記光エネルギー吸収比率rに基づいて、処理対象の半導体ウェハーWに照射する閃光のエネルギーの適正値を制御部3のCPU11が算出し、その適正値にて閃光照射を行うように電源ユニット95を制御している。具体的には、次の数3に基づいて、制御部3のCPU11が処理対象の半導体ウェハーWに照射するフラッシュ光のエネルギーの適正値ECを算出する。
Figure 2008159994
数3において、EBはベアウェハーに照射すべき光の適正エネルギー値であり、この適正エネルギー値は予め実験やシミュレーション等によって求められた上記の通りの値である。すなわち、ベアウェハーに照射すべき光の適正エネルギー値EBおよび光エネルギー吸収比率rから処理対象の半導体ウェハーWに照射する光のエネルギーの適正値ECを算出するのである。なお、通常r>1となるため、EC<EBとなる。
処理対象の半導体ウェハーWに照射すべき光のエネルギーの適正値ECが算出されると、その適正値ECにてフラッシュランプFLから閃光照射を行うように制御部3のCPU11が電源ユニット95を制御する。具体的には、制御部3からの指示に従って、フラッシュランプFLの電極に接続されたコンデンサー93に蓄電する電圧が電源ユニット95によて調整される。コンデンサー93に蓄電する電圧は電荷量を規定し、その電荷量によってフラッシュランプFLから出射される閃光のエネルギー値が規定される。
その後、ステップS10に進み、搬送ロボット150によりアライメント部130から処理対象となる半導体ウェハーWが搬出されて加熱処理部160に搬入される。なお、搬出前に半導体ウェハーWを回転させて位置決めが行われることは勿論である。
加熱処理部160での処理動作について更に説明を続ける。加熱処理部160では、半導体ウェハーWに添加された不純物の活性化がフラッシュ加熱処理により実行される。
まず、保持部7が図8に示す処理位置から図3に示す受渡位置に下降する。「処理位置」とは、フラッシュランプFLから半導体ウェハーWに閃光照射が行われるときの保持部7の位置であり、図8に示す保持部7のチャンバー6内における位置である。また、「受渡位置」とは、チャンバー6に半導体ウェハーWの搬出入が行われるときの保持部7の位置であり、図3に示す保持部7のチャンバー6内における位置である。加熱処理部160における保持部7の基準位置は処理位置であり、処理前にあっては保持部7は処理位置に位置しており、これが処理開始に際して受渡位置に下降するのである。図3に示すように、保持部7が受渡位置にまで下降するとチャンバー底部62に近接し、支持ピン70の先端が保持部7を貫通して保持部7の上方に突出する。
次に、保持部7が受渡位置に下降したときに、弁82および弁87が開かれてチャンバー6の熱処理空間65内に常温の窒素ガスが導入される。続いて、ゲートバルブ185が開いて搬送開口部66が開放され、搬送ロボット150により搬送開口部66を介して上記光学測定の終了した処理対象の半導体ウェハーWがチャンバー6内に搬入され、複数の支持ピン70上に載置される。
半導体ウェハーWの搬入時におけるチャンバー6への窒素ガスのパージ量は約40リットル/分とされ、供給された窒素ガスはチャンバー6内においてガス導入バッファ83から図4中に示す矢印AR4の方向へと流れ、図3に示す排出路86および弁87を介してユーティリティ排気により排気される。また、チャンバー6に供給された窒素ガスの一部は、べローズ47の内側に設けられる排出口(図示省略)からも排出される。なお、以下で説明する各ステップにおいて、チャンバー6には常に窒素ガスが供給および排気され続けており、窒素ガスの供給量は半導体ウェハーWの処理工程に合わせて様々に変更される。
半導体ウェハーWがチャンバー6内に搬入されると、ゲートバルブ185により搬送開口部66が閉鎖される。そして、保持部昇降機構4により保持部7が受渡位置からチャンバー窓61に近接した処理位置にまで上昇する。保持部7が受渡位置から上昇する過程において、半導体ウェハーWは支持ピン70から保持部7のサセプタ72へと渡され、サセプタ72の上面に載置・保持される。保持部7が処理位置にまで上昇するとサセプタ72に載置された半導体ウェハーWも処理位置に保持されることとなる。
ホットプレート71の6つのゾーン711〜716のそれぞれは、各ゾーンの内部(上部プレート73と下部プレート74との間)に個別に内蔵されたヒータ(抵抗加熱線76)により所定の温度まで加熱されている。保持部7が処理位置まで上昇して半導体ウェハーWが保持部7と接触することにより、その半導体ウェハーWはホットプレート71に内蔵されたヒータによって予備加熱されて温度が次第に上昇する。
この処理位置にて約60秒間の予備加熱が行われ、半導体ウェハーWの温度が予め設定された予備加熱温度T1まで上昇する。予備加熱温度T1は、半導体ウェハーWに添加された不純物が熱により拡散する恐れのない、200℃ないし800℃程度、好ましくは350℃ないし550℃程度とされる。また、保持部7とチャンバー窓61との間の距離は、保持部昇降機構4のモータ40の回転量を制御することにより任意に調整することが可能とされている。
約60秒間の予備加熱時間が経過した後、保持部7が処理位置に位置したまま制御部3の制御によりランプハウス5のフラッシュランプFLから半導体ウェハーWへ向けてフラッシュ光が照射される。このときには、予め上記のようにして算出されている半導体ウェハーWに照射すべき光のエネルギーの適正値ECにてフラッシュランプFLからの閃光照射が行われる。具体的には、適正値ECに基づいてコンデンサー93に充電する電圧が電源ユニット95によって調整された状態において、制御部3がトリガー制御回路99を制御して全てのフラッシュランプFLに接続された駆動回路のトリガースイッチSWを一斉に同時にON状態とする。このとき、フラッシュランプFLから放射されるフラッシュ光の一部は直接にチャンバー6内の保持部7へと向かい、他の一部は一旦リフレクタ52により反射されてからチャンバー6内へと向かい、これらのフラッシュ光の照射により半導体ウェハーWのフラッシュ加熱が行われる。フラッシュ加熱は、フラッシュランプFLからの閃光照射により行われるため、半導体ウェハーWの表面温度を短時間で上昇することができる。
すなわち、ランプハウス5のフラッシュランプFLから照射されるフラッシュ光は、予めコンデンサー93に蓄えられていた静電エネルギーが極めて短い光パルスに変換された、照射時間が0.1ミリ秒ないし10ミリ秒程度の極めて短く強い閃光である。そして、フラッシュランプFLからの閃光照射によりフラッシュ加熱される半導体ウェハーWの表面温度は、瞬間的に1000℃ないし1100℃程度の処理温度T2まで上昇し、半導体ウェハーWに添加された不純物が活性化された後、表面温度が急速に下降する。このように、加熱処理部160では、半導体ウェハーWの表面温度を極めて短時間で昇降することができるため、半導体ウェハーWに添加された不純物の熱による拡散(この拡散現象を、半導体ウェハーW中の不純物のプロファイルがなまる、ともいう)を抑制しつつ不純物の活性化を行うことができる。なお、添加不純物の活性化に必要な時間はその熱拡散に必要な時間に比較して極めて短いため、0.1ミリセカンドないし10ミリセカンド程度の拡散が生じない短時間であっても活性化は完了する。
また、処理対象の半導体ウェハーWに照射すべき光のエネルギーの適正値ECにてフラッシュランプFLからの閃光照射が行われるため、熱処理時に半導体ウェハーWにダメージを与えることなくイオン活性化を行うことができる。
また、フラッシュ加熱の前に保持部7により半導体ウェハーWを予備加熱しておくことにより、フラッシュランプFLからの閃光照射によって半導体ウェハーWの表面温度を処理温度T2まで速やかに上昇させることができる。
フラッシュ加熱が終了し、処理位置における約10秒間の待機の後、保持部7が保持部昇降機構4により再び図3に示す受渡位置まで下降し、半導体ウェハーWが保持部7から支持ピン70へと渡される。続いて、ゲートバルブ185により閉鎖されていた搬送開口部66が開放され、支持ピン70上に載置された半導体ウェハーWは搬送ロボット150により搬出され、加熱処理部160における半導体ウェハーWのフラッシュ加熱処理が完了する。
既述のように、加熱処理部160における半導体ウェハーWの熱処理時には窒素ガスがチャンバー6に継続的に供給されており、その供給量は、保持部7が処理位置に位置するときには約30リットル/分とされ、保持部7が処理位置以外の位置に位置するときには約40リットル/分とされる。また、フラッシュ加熱の終了した半導体ウェハーWは冷却部140に搬送されて冷却され、その後受渡ロボット120によって冷却部140から取り出されてキャリアCへと格納される。
以上のように、本実施形態においては、標準ウェハーBWの反射強度を基準値とし、その基準値と処理対象半導体ウェハーWの反射強度との相対的な比較結果に基づいて光エネルギー吸収比率rおよび反射光強度比Rを算定し、最終的には処理対象半導体ウェハーWに照射すべき適正エネルギー値ECを算出している。既述したように、このような基準値と測定値との相対比較によって種々演算を行う装置においては、例えば投光器33のランプの経年劣化等の経時的変動要因に対応するために、定期的に標準ウェハーBWの反射強度を測定してそれを基準値として設定しなおす作業、すなわち図12のステップS1〜ステップS3にて実行されるキャリブレーション作業が必要となる。
本実施形態においては、専ら標準ウェハーBWを格納する標準ウェハー格納部190を熱処理装置100内に設け、標準ウェハー格納部190からアライメント部130に標準ウェハーBWを搬送することによってキャリブレーション作業を実行している。このため、標準ウェハーBWを収容したキャリアCを逐一装置外部からインデクサ部101に渡す必要がなくなり、容易にかつ確実にキャリブレーション作業を行うことができる。
また、標準ウェハー格納部190とアライメント部130とを積層配置し、アライメント部130の直下に標準ウェハー格納部190が配置しているため、標準ウェハーBWの搬送距離が短くなり、キャリブレーション作業に要する時間を短くすることができる。
標準ウェハーBWを標準ウェハー格納部190からアライメント部130に搬送してキャリブレーション作業を行うタイミングは任意のものとすることが可能である。例えば、1日に1回としても良いし、数ロットに1回としても良いし、或いは半導体ウェハーWを1枚処理毎にキャリブレーション作業を行っても良い。具体的には、制御部3が実行するソフトウェアにキャリブレーション作業を行うタイミングを設定しておくことによって自動的に受渡ロボット120が標準ウェハーBWをアライメント部130に搬送してキャリブレーション作業を行うことができる。
特に、フラッシュランプFLを使用する熱処理装置100においては、コンデンサー93に規定量の電荷を充電するのに数十秒を要するため、その充電時間に標準ウェハーBWを標準ウェハー格納部190からアライメント部130に搬送して標準ウェハーBWの反射強度を取得すれば、処理対象の半導体ウェハーWを1枚処理する毎にキャリブレーション作業を実行したとしても装置の実稼働プロセスに影響を与えることが防止される。
<5.変形例>
以上、本発明の実施の形態について説明したが、この発明はその趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。例えば、上記実施形態においては、標準ウェハーBWを格納する標準ウェハー格納部190をアライメント部130と積層配置していたが、標準ウェハー格納部190を冷却部140と積層配置するようにしても良い。標準ウェハー格納部190をアライメント部130と積層配置した方が標準ウェハーBWの搬送距離は短くなるが、冷却部140はウェハー回転のためのモータ(図9のモータ135に相当する要素)を備えないために高さが低く、冷却部140の直下または直上の方が標準ウェハー格納部190の設置スペースを確保しやすい。
また、標準ウェハー格納部190をインデクサ部101に配置するようにしても良い。この場合は、受渡ロボット120の移動の障害とならないように、受渡ロボット120のY軸方向移動通路の上方に標準ウェハー格納部190を設置するのが好ましい。
また、上記実施形態においては、受渡ロボット120が標準ウェハーBWを標準ウェハー格納部190からアライメント部130に搬送していたが、チャンバー191の搬送室170と接する側にも開口を設け、搬送ロボット150によって標準ウェハーBWを標準ウェハー格納部190からアライメント部130に搬送するようにしても良い。
また、上記実施形態においては、標準ウェハーBWに対する処理対象の半導体ウェハーWの光エネルギー吸収比率から処理対象の半導体ウェハーWに照射すべき光のエネルギーの適正値を算出していたが、特許文献1と同様の手法によって熱処理時の半導体ウェハーWの到達予想温度を算出することもできる。
また、上記実施形態においてはランプハウス5に30本のフラッシュランプFLを備えるようにしていたが、これに限定されずフラッシュランプFLの本数は任意のものとすることができる。
また、フラッシュランプFLはキセノンフラッシュランプに限定されるものではなく、クリプトンフラッシュランプであっても良い。
また、ランプハウス5にフラッシュランプFLに代えて他の種類のランプ(例えばハロゲンランプ)を備え、当該ランプからの光照射によって半導体ウェハーWの加熱を行う熱処理装置であっても本発明に係る技術を適用することができる。この場合であっても、標準ウェハーBWに対する処理対象の半導体ウェハーWの光エネルギー吸収比率から処理対象の半導体ウェハーWに照射すべき光のエネルギーの適正値を算出したり、熱処理時の半導体ウェハーWの到達予想温度を算出することができる。
また、上記実施形態においては、アシスト加熱手段としてホットプレート71を使用していたが、半導体ウェハーWを保持する保持部7の下方に複数のランプ群(例えば複数のハロゲンランプ)を設け、それらからの光照射によってアシスト加熱を行うようにしても良い。
また、上記実施の形態では、インデクサ部101にキャリアCが2つ載置されるが、キャリアCが1つだけ載置されてもよく、3つ以上であってもよい。また、受渡ロボット120が2つのキャリアC間を移動するようになっているが、受渡ロボット120が2つ設けられてもよい。
また、搬送ロボット150の上側の搬送アーム151aを未処理の半導体ウェハーWを保持する専用のアームとして設計し、下側の搬送アーム151bを処理済の半導体ウェハーWを保持する専用のアームとして設計することにより、搬送ロボット150の小型化、および搬送の信頼性の向上を図ることができる。
また、上記実施形態においては、標準ウェハーBWとしてベアウェハーを使用していたが、これに限定されるものではなく、標準ウェハーBWは光照射を受けたときの反射挙動が既知のものであって、その再現性が良好なものであれば良く、例えば光学標準ミラーであっても良い。
また、光学測定ユニット30はアライメント部130に設置することに限定されず、インデクサ部101から加熱処理部160に半導体ウェハーWを搬送する経路上のいずれかの位置に設置するようにすれば良い。
また、上記実施形態においては、半導体ウェハーに光を照射してイオン活性化処理を行うようにしていたが、本発明にかかる熱処理装置による処理対象となる基板は半導体ウェハーに限定されるものではない。例えば、窒化シリコン膜や多結晶シリコン膜等の種々のシリコン膜が形成されたガラス基板に対して本発明にかかる熱処理装置による処理を行っても良い。一例として、CVD法によりガラス基板上に形成した多結晶シリコン膜にシリコンをイオン注入して非晶質化した非晶質シリコン膜を形成し、さらにその上に反射防止膜となる酸化シリコン膜を形成する。この状態で、本発明にかかる熱処理装置により非晶質のシリコン膜の全面に光照射を行い、非晶質のシリコン膜が多結晶化した多結晶シリコン膜を形成することもできる。
また、ガラス基板上に下地酸化シリコン膜、アモルファスシリコンを結晶化したポリシリコン膜を形成し、そのポリシリコン膜にリンやボロン等の不純物をドーピングした構造のTFT基板に対して本発明にかかる熱処理装置により光照射を行い、ドーピング工程で打ち込まれた不純物の活性化を行うこともできる。
本発明に係る熱処理装置を示す平面図である。 熱処理装置の正面図である。 加熱処理部の構成を示す側断面図である。 加熱処理部のガス路を示す断面図である。 保持部の構成を示す断面図である。 ホットプレートを示す平面図である。 キセノンフラッシュランプの駆動回路を示す図である。 図3の加熱処理部の構成を示す側断面図である。 アライメント部および標準ウェハー格納部の構成を示す図である。 測定光学系の構成を説明するための図である。 制御部の構成を示すブロック図である。 アライメント部における半導体ウェハーの光エネルギー吸収比率測定の手順を示すフローチャートである。 標準ウェハーが吸収した光エネルギーを説明する図である。 処理対象となる半導体ウェハーが吸収した光エネルギーを説明する図である。
符号の説明
3 制御部
5 ランプハウス
11 CPU
30 光学測定ユニット
31 測定光学系
33 投光器
35 分光器
92 ガラス管
93 コンデンサー
95 電源ユニット
100 熱処理装置
101 インデクサ部
110 ロードポート
120 受渡ロボット
130 アライメント部
131 チャンバー
132 ウェハ保持部
140 冷却部
150 搬送ロボット
160 加熱処理部
190 標準ウェハー格納部
BW 標準ウェハー
C キャリア
FL フラッシュランプ
W 半導体ウェハー

Claims (6)

  1. 処理対象基板に対して光を照射することによって当該処理対象基板を加熱する熱処理装置であって、
    照射する光の適正エネルギー値が既知である標準基板を格納する標準基板格納部と、
    チャンバー内の基板保持部に保持された前記標準基板に投受光部から光を照射したときの反射光を前記投受光部によって受光することにより得られる当該反射光の強度および前記基板保持部に保持された処理対象基板に前記投受光部から光を照射したときの反射光を前記投受光部によって受光することにより得られる当該反射光の強度から前記標準基板に対する前記処理対象基板の光エネルギー吸収比率を算定する吸収比率測定部と、
    前記標準基板に照射する光の適正エネルギー値および前記吸収比率測定部によって求められた光エネルギー吸収比率に基づいて前記処理対象基板に照射する光の適正エネルギー値を算定し、ランプから当該適正エネルギー値にて前記処理対象基板に光を照射する加熱部と、
    光エネルギー吸収比率を算定するときに前記標準基板格納部から前記吸収比率測定部に前記標準基板を搬送して前記基板保持部に載置するとともに、光エネルギー吸収比率の算定後に前記基板保持部から前記標準基板を取り出して前記標準基板格納部に帰還させる搬送手段と、
    を備えることを特徴とする熱処理装置。
  2. 請求項1記載の熱処理装置において、
    未処理の処理対象基板を装置内に搬入するとともに処理済みの処理対象基板を装置外に搬出するためのインデクサ部をさらに備え、
    前記標準基板格納部を前記インデクサ部に配置することを特徴とする熱処理装置。
  3. 請求項1記載の熱処理装置において、
    前記加熱部にて加熱された基板を冷却する冷却部をさらに備え、
    前記標準基板格納部と前記冷却部とを積層して配置することを特徴とする熱処理装置。
  4. 請求項1記載の熱処理装置において、
    未処理の処理対象基板の位置決めを行うアライメント部をさらに備え、
    前記吸収比率測定部を前記アライメント部に設けるとともに、前記標準基板格納部と前記アライメント部とを積層して配置することを特徴とする熱処理装置。
  5. 請求項1から請求項4のいずれかに記載の熱処理装置において、
    前記加熱部は、コンデンサーに充電された電荷を放電管内で放電することによって生じるフラッシュ光をフラッシュランプから照射して処理対象基板を加熱し、
    前記コンデンサーの充電時間に、前記搬送手段が前記標準基板格納部から前記吸収比率測定部に前記標準基板を搬送し、前記吸収比率測定部が前記標準基板に前記投受光部から光を照射して前記標準基板の反射光強度を取得することを特徴とする熱処理装置。
  6. 処理対象基板に対して光を照射することによって当該処理対象基板を加熱する熱処理装置であって、
    標準基板を格納する標準基板格納部と、
    前記標準基板に光を照射したときの反射光の強度および処理対象基板に光を照射したときの反射光の強度から前記標準基板に対する前記処理対象基板の反射光強度比を算定する反射強度比測定部と、
    ランプから前記処理対象基板に光を照射する加熱部と、
    前記標準基板格納部と前記反射強度比測定部との間で前記標準基板を搬送する搬送手段と、
    を備えることを特徴とする熱処理装置。
JP2006349376A 2006-12-26 2006-12-26 熱処理装置 Pending JP2008159994A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006349376A JP2008159994A (ja) 2006-12-26 2006-12-26 熱処理装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006349376A JP2008159994A (ja) 2006-12-26 2006-12-26 熱処理装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2008159994A true JP2008159994A (ja) 2008-07-10

Family

ID=39660554

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006349376A Pending JP2008159994A (ja) 2006-12-26 2006-12-26 熱処理装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2008159994A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011210965A (ja) * 2010-03-30 2011-10-20 Dainippon Screen Mfg Co Ltd 熱処理方法および熱処理装置
CN102651328A (zh) * 2011-02-23 2012-08-29 技鼎股份有限公司 提升晶圆快速热处理产能的设备与操作方法
JP2016054242A (ja) * 2014-09-04 2016-04-14 東京エレクトロン株式会社 熱処理方法及び熱処理装置

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011210965A (ja) * 2010-03-30 2011-10-20 Dainippon Screen Mfg Co Ltd 熱処理方法および熱処理装置
CN102651328A (zh) * 2011-02-23 2012-08-29 技鼎股份有限公司 提升晶圆快速热处理产能的设备与操作方法
JP2016054242A (ja) * 2014-09-04 2016-04-14 東京エレクトロン株式会社 熱処理方法及び熱処理装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6539568B2 (ja) 熱処理方法および熱処理装置
JP2007013047A (ja) 反射光強度比測定装置、光エネルギー吸収比率の測定装置および熱処理装置
JP4675579B2 (ja) 光エネルギー吸収比率の測定方法、光エネルギー吸収比率の測定装置および熱処理装置
CN106469649B (zh) 热处理方法以及热处理装置
KR102504970B1 (ko) 기판 지지 장치, 열처리 장치, 기판 지지 방법, 열처리 방법
JP2019096661A (ja) 熱処理方法および熱処理装置
KR102549304B1 (ko) 열처리 방법 및 열처리 장치
US7531771B2 (en) Heat treatment apparatus of light emission type
JP6005966B2 (ja) 熱処理装置および熱処理方法
CN113690152A (zh) 热处理装置
CN107818925B (zh) 热处理装置
CN114846579A (zh) 热处理装置以及热处理方法
CN111656489A (zh) 热处理方法及热处理装置
US11289344B2 (en) Heat treatment method and heat treatment apparatus for managing dummy wafer
JP2020107698A (ja) 熱処理方法および熱処理装置
JP2014183247A (ja) 基板処理装置
JP2014045067A (ja) 熱処理方法および熱処理装置
JP5646864B2 (ja) 熱処理方法および熱処理装置
CN112349587A (zh) 热处理方法
CN112420498A (zh) 热处理方法以及热处理装置
TWI688007B (zh) 熱處理方法
JP2008159994A (ja) 熱処理装置
JP2010073787A (ja) 熱処理装置
JP2014143299A (ja) 熱処理装置
WO2020166249A1 (ja) 熱処理方法および熱処理装置

Legal Events

Date Code Title Description
RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20091211