JP6005966B2 - 熱処理装置および熱処理方法 - Google Patents

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Description

本発明は、半導体ウェハーや液晶表示装置用ガラス基板等の薄板状の精密電子基板(以下、単に「基板」と称する)にフラッシュ加熱処理などの熱処理を行う熱処理装置および熱処理方法に関する。
半導体デバイスの製造プロセスにおいて、不純物導入は半導体ウェハー内にpn接合を形成するための必須の工程である。現在、不純物導入は、イオン打ち込み法とその後のアニール法によってなされるのが一般的である。イオン打ち込み法は、ボロン(B)、ヒ素(As)、リン(P)といった不純物の元素をイオン化させて高加速電圧で半導体ウェハーに衝突させて物理的に不純物注入を行う技術である。注入された不純物はアニール処理によって活性化される。この際に、アニール時間が数秒程度以上であると、打ち込まれた不純物が熱によって深く拡散し、その結果接合深さが要求よりも深くなり過ぎて良好なデバイス形成に支障が生じるおそれがある。
そこで、極めて短時間で半導体ウェハーを加熱するアニール技術として、近年フラッシュランプアニール(FLA)が注目されている。フラッシュランプアニールは、キセノンフラッシュランプ(以下、単に「フラッシュランプ」とするときにはキセノンフラッシュランプを意味する)を使用して半導体ウェハーの表面にフラッシュ光を照射することにより、不純物が注入された半導体ウェハーの表面のみを極めて短時間(数ミリ秒以下)に昇温させる熱処理技術である。
キセノンフラッシュランプの放射分光分布は紫外域から近赤外域であり、従来のハロゲンランプよりも波長が短く、シリコンの半導体ウェハーの基礎吸収帯とほぼ一致している。よって、キセノンフラッシュランプから半導体ウェハーにフラッシュ光を照射したときには、透過光が少なく半導体ウェハーを急速に昇温することが可能である。また、数ミリ秒以下の極めて短時間のフラッシュ光照射であれば、半導体ウェハーの表面近傍のみを選択的に昇温できることも判明している。このため、キセノンフラッシュランプによる極短時間の昇温であれば、不純物を深く拡散させることなく、不純物活性化のみを実行することができるのである。
このようなキセノンフラッシュランプを使用した熱処理装置としては、例えば特許文献1に開示されるようなものがある。特許文献1に開示される装置においては、インデクサ部から払い出された半導体ウェハーをアライメントチャンバーを経由して熱処理チャンバーに搬送し、フラッシュランプから半導体ウェハーの表面にフラッシュ光を照射して加熱処理を行う。そして、加熱処理が終了した半導体ウェハーは、熱処理チャンバーからクールチャンバーを経由して再びインデクサ部に戻される。
特開2010−73787号公報
特許文献1に開示される装置においては、内部の清浄度を維持するためにアライメントチャンバー、搬送チャンバー、クールチャンバーに高純度の窒素ガスを供給している。また、フラッシュ加熱処理を実行する熱処理チャンバーにも窒素ガスが供給される。このため、熱処理チャンバー内の酸素濃度は極力低く抑制されているものの、装置外部との間のウェハー搬送に伴って熱処理チャンバーに不可避的に流入する酸素を完全に無くすことは出来ず、フラッシュ加熱処理時にも10ppm程度の酸素が残留することとなっていた。
一方、近年、フラッシュ加熱処理によってニッケルシリサイドなどのシリサイド形成や高誘電率材料を使用した高誘電率膜(High-k膜)の焼き締めも試みられている。これらの処理目的のフラッシュ加熱処理を行うときには、10ppm程度の酸素濃度であっても十分ではなく、より低い酸素濃度での処理が求められている。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、熱処理チャンバー内を極低酸素濃度にして基板の加熱処理を行うことができる熱処理装置および熱処理方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、請求項1の発明は、基板の加熱処理を行う熱処理装置において、基板を収容する常圧仕様の熱処理チャンバーと、前記熱処理チャンバー内にて基板にフラッシュ光を照射して該基板を加熱するフラッシュランプと、未処理の基板を外部から搬入するとともに、処理済みの基板を外部に搬出する搬入搬出部と、前記搬入搬出部と前記熱処理チャンバーとの間の基板の搬送経路の一部領域を真空排気する真空排気手段と、真空排気された前記一部領域に不活性ガスを供給して復圧する復圧手段と、を備え、前記搬送経路には、加熱処理前に基板の向きを調整するアライメントチャンバー、および、加熱処理後の基板を冷却するクールチャンバーが設けられ、前記真空排気手段は、基板の向き調整と並行して前記アライメントチャンバーを真空排気するとともに、冷却された基板が前記クールチャンバーから搬出された後に前記クールチャンバーを真空排気し、前記復圧手段は、前記真空排気手段によって真空排気された前記アライメントチャンバーおよび前記クールチャンバーに不活性ガスを供給して大気圧にまで復圧することを特徴とする。
また、請求項の発明は、基板の加熱処理を行う熱処理方法において、搬入搬出部に搬入された基板を常圧仕様の熱処理チャンバーに搬送する往路搬送工程と、前記熱処理チャンバー内にてフラッシュランプから基板にフラッシュ光を照射して該基板を加熱する加熱工程と、加熱処理後の基板を前記熱処理チャンバーから前記搬入搬出部に搬送する復路搬送工程と、前記搬入搬出部と前記熱処理チャンバーとの間の基板の搬送経路の一部領域を真空排気する真空排気工程と、真空排気された前記一部領域に不活性ガスを供給して復圧する復圧工程と、を備え、前記往路搬送工程では、基板の向きを調整するアライメントチャンバーを経由して基板が搬送され、前記復路搬送工程では、加熱処理後の基板を冷却するクールチャンバーを経由して基板が搬送され、前記真空排気工程は、基板が前記アライメントチャンバーに搬入されたときに基板の向き調整と並行して前記アライメントチャンバーを真空排気するとともに、冷却された基板が前記クールチャンバーから搬出された後に前記クールチャンバーを真空排気し、前記復圧工程は、前記真空排気工程にて真空排気された前記アライメントチャンバーおよび前記クールチャンバーに不活性ガスを供給して大気圧にまで復圧することを特徴とする。
請求項1の発明によれば、搬入搬出部と熱処理チャンバーとの間の基板の搬送経路の一部領域を真空排気し、真空排気されたその一部領域に不活性ガスを供給して復圧するため、熱処理チャンバーへの酸素流入源となる当該一部領域の酸素濃度を低下させ、熱処理チャンバー内を極低酸素濃度にして基板の加熱処理を行うことができる。
また、請求項2の発明によれば、搬入搬出部と熱処理チャンバーとの間の基板の搬送経路の一部領域を真空排気し、真空排気された一部領域に不活性ガスを供給して復圧するため、熱処理チャンバーへの酸素流入源となる当該一部領域の酸素濃度を低下させ、熱処理チャンバー内を極低酸素濃度にして基板の加熱処理を行うことができる。
本発明に係る熱処理装置を示す平面図である。 図1の熱処理装置の正面図である。 フラッシュ加熱部の構成を示す縦断面図である。 フラッシュ加熱部のガス路を示す断面図である。 保持部の構成を示す断面図である。 ホットプレートを示す平面図である。 図3のフラッシュ加熱部の構成を示す縦断面図である。 図1の熱処理装置における半導体ウェハーの搬送経路を模式的に示す図である。 図1の熱処理装置における処理手順を示すフローチャートである。
<1.熱処理装置の構成>
<1−1.全体構成>
まず、本発明に係る熱処理装置100の全体概略構成について簡単に説明する。図1は、本発明に係る熱処理装置100を示す平面図であり、図2はその正面図である。熱処理装置100は基板として略円板形状の半導体ウェハーWにフラッシュ光を照射してその半導体ウェハーWを加熱するフラッシュランプアニール装置である。なお、図1および図2においては適宜部分的に断面図としており、細部については適宜簡略化している。また、図1および図2には、それらの方向関係を明確にするためZ軸方向を鉛直方向とし、XY平面を水平面とするXYZ直交座標系を付している。
図1および図2に示すように、熱処理装置100は、未処理の半導体ウェハーWを外部から装置内に搬入するとともに処理済みの半導体ウェハーWを装置外に搬出するためのインデクサ部101、未処理の半導体ウェハーWの位置決めを行うアライメント部130、加熱処理後の半導体ウェハーWの冷却を行う冷却部140、半導体ウェハーWにフラッシュ加熱処理を施すフラッシュ加熱部160並びにアライメント部130、冷却部140およびフラッシュ加熱部160に対して半導体ウェハーWの搬送を行う搬送ロボット150を備える。また、熱処理装置100は、上記の各処理部に設けられた動作機構および搬送ロボット150を制御して半導体ウェハーWのフラッシュ加熱処理を進行させる制御部3を備える。
インデクサ部101は、複数のキャリアC(本実施形態では2個)を並べて載置するロードポート110と、各キャリアCから未処理の半導体ウェハーWを取り出すとともに、各キャリアCに処理済みの半導体ウェハーWを収納する受渡ロボット120とを備えている。未処理の半導体ウェハーWを収容したキャリアCは無人搬送車(AGV、OHT)等によって搬送されてロードポート110に載置されるともに、処理済みの半導体ウェハーWを収容したキャリアCは無人搬送車によってロードポート110から持ち去られる。また、ロードポート110においては、受渡ロボット120がキャリアCに対して任意の半導体ウェハーWの出し入れを行うことができるように、キャリアCが図2の矢印CUにて示す如く昇降移動可能に構成されている。なお、キャリアCの形態としては、半導体ウェハーWを密閉空間に収納するFOUP(front opening unified pod)の他に、SMIF(Standard Mechanical Inter Face)ポッドや収納した半導体ウェハーWを外気に曝すOC(open cassette)であっても良い。
また、受渡ロボット120は、矢印120Sにて示すようなスライド移動、矢印120Rにて示すような旋回動作および昇降動作が可能とされている。これにより、受渡ロボット120は、2つのキャリアCに対して半導体ウェハーWの出し入れを行うとともに、アライメント部130および冷却部140に対して半導体ウェハーWの受け渡しを行う。受渡ロボット120によるキャリアCに対する半導体ウェハーWの出し入れは、ハンド121のスライド移動、および、キャリアCの昇降移動により行われる。また、受渡ロボット120とアライメント部130または冷却部140との半導体ウェハーWの受け渡しは、ハンド121のスライド移動、および、受渡ロボット120の昇降動作によって行われる。
アライメント部130は、半導体ウェハーWを回転させて続くフラッシュ加熱に適切な向きに向ける処理部である。アライメント部130は、アルミニウム合金製の筐体であるアライメントチャンバー131の内部に、半導体ウェハーWを水平姿勢に支持して回転させる機構、および、半導体ウェハーWの周縁部に形成されたノッチやオリフラ等を光学的に検出する機構などを設けて構成される。受渡ロボット120からアライメントチャンバー131へはウェハー中心が所定の位置に位置するように半導体ウェハーWが渡される。アライメント部130では、インデクサ部101から受け取った半導体ウェハーWの中心部を回転中心として鉛直方向軸まわりで回転させノッチ等を光学的に検出することによって半導体ウェハーWの位置決めを行う。
熱処理装置100の主要部であるフラッシュ加熱部160は、予備加熱を行った半導体ウェハーWにキセノンフラッシュランプFLからの閃光(フラッシュ光)を照射してフラッシュ加熱処理を行う処理部である。フラッシュ加熱部160の構成については後に詳述する。
冷却部140は、アルミニウム合金製の筐体であるクールチャンバー141の内部に、金属製の冷却プレートの上面に石英板を載置して構成されている。フラッシュ加熱部160にてフラッシュ加熱処理が施された直後の半導体ウェハーWは温度が高いため、冷却部140にて上記石英板上に載置されて冷却される。
アライメント部130のアライメントチャンバー131および冷却部140のクールチャンバー141はともに、耐圧密閉構造とされており、チャンバー内を真空排気することが可能とされている。アライメントチャンバー131およびクールチャンバー141には、チャンバー内を真空排気するドライポンプ190と、チャンバー内に窒素ガスを供給する窒素供給機構195が接続されているが、これらについてもさらに後述する。
搬送ロボット150は、鉛直方向に沿った軸を中心に矢印150Rにて示すように旋回可能とされるとともに、複数のアームセグメントからなる2つのリンク機構を有し、それら2つのリンク機構の先端にはそれぞれ半導体ウェハーWを保持する搬送アーム151a,151bが設けられる。これらの搬送アーム151a,151bは上下に所定のピッチだけ隔てて配置され、リンク機構によりそれぞれ独立して同一水平方向に直線的にスライド移動可能とされている。また、搬送ロボット150は、2つのリンク機構が設けられるベースを昇降移動することにより、所定のピッチだけ離れた状態のまま2つの搬送アーム151a,151bを昇降移動させる。
また、搬送ロボット150による半導体ウェハーWの搬送空間として搬送ロボット150を収容する搬送チャンバー170が設けられており、第1実施形態においてはアライメントチャンバー131、クールチャンバー141およびフラッシュ加熱部160の熱処理チャンバー6が搬送チャンバー170に連結されて配置されている。搬送ロボット150がアライメントチャンバー131、クールチャンバー141またはフラッシュ加熱部160の熱処理チャンバー6を受け渡し相手として半導体ウェハーWの受け渡し(出し入れ)を行う際には、まず、両搬送アーム151a,151bが受け渡し相手と対向するように旋回し、その後(または旋回している間に)昇降移動していずれかの搬送アームが受け渡し相手と半導体ウェハーWを受け渡しする高さに位置する。そして、搬送アーム151a(151b)を水平方向に直線的にスライド移動させて受け渡し相手と半導体ウェハーWの受け渡しを行う。
アライメント部130のアライメントチャンバー131および冷却部140のクールチャンバー141とインデクサ部101との間にはそれぞれゲートバルブ181,182が設けられている。また、搬送チャンバー170とアライメントチャンバー131、クールチャンバー141およびフラッシュ加熱部160の熱処理チャンバー6との間にはそれぞれゲートバルブ183,184,185が設けられる。熱処理装置100内にて半導体ウェハーWが搬送される際には、適宜これらのゲートバルブが開閉される。
また、制御部3は、熱処理装置100に設けられた種々の動作機構を制御する。制御部3のハードウェアとしての構成は一般的なコンピュータと同様である。すなわち、制御部3は、各種演算処理を行うCPU、基本プログラムを記憶する読み出し専用のメモリであるROM、各種情報を記憶する読み書き自在のメモリであるRAMおよび制御用ソフトウェアやデータなどを記憶しておく磁気ディスクを備えている。制御部3のCPUが所定の処理プログラムを実行することによって熱処理装置100における処理が進行する。
<1−2.フラッシュ加熱部の構成>
次に、フラッシュ加熱部160の構成について詳細に説明する。図3は、フラッシュ加熱部160の構成を示す縦断面図である。フラッシュ加熱部160は、半導体ウェハーWを収容する略円筒形状の熱処理チャンバー6と、複数のフラッシュランプFLを内蔵するランプハウス5と、を備える。
熱処理チャンバー6は、ランプハウス5の下方に設けられており、略円筒状の内壁を有するチャンバー側部63、および、チャンバー側部63の下部を覆うチャンバー底部62によって構成される。また、チャンバー側部63およびチャンバー底部62によって囲まれる空間が熱処理空間65として規定される。熱処理空間65の上方は上部開口60とされており、上部開口60にはチャンバー窓61が装着されて閉塞されている。
熱処理チャンバー6の天井部を構成するチャンバー窓61は、石英により形成された円板形状部材であり、フラッシュランプFLから出射されたフラッシュ光を熱処理空間65に透過する石英窓として機能する。熱処理チャンバー6の本体を構成するチャンバー底部62およびチャンバー側部63は、例えば、ステンレススチール等の強度と耐熱性に優れた金属材料にて形成されており、チャンバー側部63の内側面の上部のリング631は、光照射による劣化に対してステンレススチールより優れた耐久性を有するアルミニウム(Al)合金等で形成されている。
また、熱処理空間65の気密性を維持するために、チャンバー窓61とチャンバー側部63とはOリングによってシールされている。すなわち、チャンバー窓61の下面周縁部とチャンバー側部63との間にOリングを挟み込むとともに、クランプリング90をチャンバー窓61の上面周縁部に当接させ、そのクランプリング90をチャンバー側部63にネジ止めすることによって、チャンバー窓61をOリングに押し付けている。
チャンバー底部62には、保持部7を貫通して半導体ウェハーWをその下面(フラッシュランプFLからフラッシュ光が照射される側とは反対側の面)から支持するための複数(本実施の形態では3本)の支持ピン70が立設されている。支持ピン70は、例えば石英により形成されており、熱処理チャンバー6の外部から固定されているため、容易に取り替えることができる。
チャンバー側部63は、半導体ウェハーWの搬入および搬出を行うための搬送開口部66を有し、搬送開口部66は、軸662を中心に回動するゲートバルブ185により開閉可能とされる。チャンバー側部63における搬送開口部66とは反対側の部位には熱処理空間65に処理ガス(本実施形態では、窒素ガス(N))を導入する導入路81が形成され、その一端は弁82を介して図示省略の給気機構に接続され、他端はチャンバー側部63の内部に形成されるガス導入バッファ83に接続される。また、搬送開口部66には熱処理空間65内の気体を排出する排出路86が形成され、弁87を介して図示省略の排気機構に接続される。
図4は、熱処理チャンバー6をガス導入バッファ83の位置にて水平面で切断した断面図である。図4に示すように、ガス導入バッファ83は、図3に示す搬送開口部66の反対側においてチャンバー側部63の内周の約1/3に亘って形成されており、導入路81を介してガス導入バッファ83に導かれた処理ガスは、複数のガス供給孔84から熱処理空間65内へと供給される。
図3に戻り、フラッシュ加熱部160は、熱処理チャンバー6の内部において半導体ウェハーWを水平姿勢にて保持しつつフラッシュ光照射前にその保持する半導体ウェハーWの予備加熱を行う略円板状の保持部7と、保持部7を熱処理チャンバー6の底面であるチャンバー底部62に対して昇降させる保持部昇降機構4と、を備える。図3に示す保持部昇降機構4は、略円筒状のシャフト41、移動板42、ガイド部材43(本実施の形態ではシャフト41の周りに3本配置される)、固定板44、ボールネジ45、ナット46およびモータ40を有する。熱処理チャンバー6の下部であるチャンバー底部62には保持部7よりも小さい直径を有する略円形の下部開口64が形成されており、ステンレススチール製のシャフト41は、下部開口64を挿通して、保持部7(厳密には保持部7のホットプレート71)の下面に接続されて保持部7を支持する。
移動板42にはボールネジ45と螺合するナット46が固定されている。また、移動板42は、チャンバー底部62に固定されて下方へと伸びるガイド部材43により摺動自在に案内されて上下方向に移動可能とされる。また、移動板42は、シャフト41を介して保持部7に連結される。
モータ40は、ガイド部材43の下端部に取り付けられる固定板44に設置され、タイミングベルト401を介してボールネジ45に接続される。保持部昇降機構4により保持部7が昇降する際には、駆動部であるモータ40が制御部3の制御によりボールネジ45を回転し、ナット46が固定された移動板42がガイド部材43に沿って鉛直方向に移動する。この結果、移動板42に固定されたシャフト41が鉛直方向に沿って移動し、シャフト41に接続された保持部7が図3に示す半導体ウェハーWの受渡位置と図7に示す半導体ウェハーWの処理位置との間で滑らかに昇降する。
移動板42の上面には略半円筒状(円筒を長手方向に沿って半分に切断した形状)のメカストッパ451がボールネジ45に沿うように立設されており、仮に何らかの異常により移動板42が所定の上昇限界を超えて上昇しようとしても、メカストッパ451の上端がボールネジ45の端部に設けられた端板452に突き当たることによって移動板42の異常上昇が防止される。これにより、保持部7がチャンバー窓61の下方の所定位置以上に上昇することはなく、保持部7とチャンバー窓61との衝突が防止される。
また、保持部昇降機構4は、熱処理チャンバー6の内部のメンテナンスを行う際に保持部7を手動にて昇降させる手動昇降部49を有する。手動昇降部49はハンドル491および回転軸492を有し、ハンドル491を介して回転軸492を回転することより、タイミングベルト495を介して回転軸492に接続されるボールネジ45を回転して保持部7の昇降を行うことができる。
チャンバー底部62の下側には、シャフト41の周囲を囲み下方へと伸びる伸縮自在のベローズ47が設けられ、その上端はチャンバー底部62の下面に接続される。一方、ベローズ47の下端はベローズ下端板471に取り付けられている。べローズ下端板471は、鍔状部材411によってシャフト41にネジ止めされて取り付けられている。保持部昇降機構4により保持部7がチャンバー底部62に対して上昇する際にはベローズ47が収縮され、下降する際にはべローズ47が伸張される。そして、保持部7が昇降する際にも、ベローズ47が伸縮することによって熱処理空間65内の気密状態が維持される。
図5は、保持部7の構成を示す断面図である。保持部7は、半導体ウェハーWを予備加熱(いわゆるアシスト加熱)するホットプレート(加熱プレート)71、および、ホットプレート71の上面(保持部7が半導体ウェハーWを保持する側の面)に設置されるサセプタ72を有する。保持部7の下面には、既述のように保持部7を昇降するシャフト41が接続される。サセプタ72は石英(あるいは、窒化アルミニウム(AIN)等であってもよい)により形成され、その上面には半導体ウェハーWの位置ずれを防止するピン75が設けられる。サセプタ72は、その下面をホットプレート71の上面に面接触させてホットプレート71上に設置される。これにより、サセプタ72は、ホットプレート71からの熱エネルギーを拡散してサセプタ72上面に載置された半導体ウェハーWに伝達するとともに、メンテナンス時にはホットプレート71から取り外して洗浄可能とされる。
ホットプレート71は、ステンレススチール製の上部プレート73および下部プレート74にて構成される。上部プレート73と下部プレート74との間には、ホットプレート71を加熱するニクロム線等の抵抗加熱線76が配設され、導電性のニッケル(Ni)ロウが充填されて封止されている。また、上部プレート73および下部プレート74の端部はロウ付けにより接着されている。
図6は、ホットプレート71を示す平面図である。図6に示すように、ホットプレート71は、保持される半導体ウェハーWと対向する領域の中央部に同心円状に配置される円板状のゾーン711および円環状のゾーン712、並びに、ゾーン712の周囲の略円環状の領域を周方向に4等分割した4つのゾーン713〜716を備え、各ゾーン間には若干の間隙が形成されている。また、ホットプレート71には、支持ピン70が挿通される3つの貫通孔77が、ゾーン711とゾーン712との隙間の周上に120°毎に設けられる。
6つのゾーン711〜716のそれぞれには、相互に独立した抵抗加熱線76が周回するように配設されてヒータが個別に形成されており、各ゾーンに内蔵されたヒータにより各ゾーンが個別に加熱される。保持部7に保持された半導体ウェハーWは、6つのゾーン711〜716に内蔵されたヒータにより加熱される。また、ゾーン711〜716のそれぞれには、熱電対を用いて各ゾーンの温度を計測するセンサ710が設けられている。各センサ710は略円筒状のシャフト41の内部を通り制御部3に接続される。
ホットプレート71が加熱される際には、センサ710により計測される6つのゾーン711〜716のそれぞれの温度が予め設定された所定の温度になるように、各ゾーンに配設された抵抗加熱線76への電力供給量が制御部3により制御される。制御部3による各ゾーンの温度制御はPID(Proportional,Integral,Derivative)制御により行われる。ホットプレート71では、半導体ウェハーWの熱処理(複数の半導体ウェハーWを連続的に処理する場合は、全ての半導体ウェハーWの熱処理)が終了するまでゾーン711〜716のそれぞれの温度が継続的に計測され、各ゾーンに配設された抵抗加熱線76への電力供給量が個別に制御されて、すなわち、各ゾーンに内蔵されたヒータの温度が個別に制御されて各ゾーンの温度が設定温度に維持される。なお、各ゾーンの設定温度は、基準となる温度から個別に設定されたオフセット値だけ変更することが可能とされる。
6つのゾーン711〜716にそれぞれ配設される抵抗加熱線76は、シャフト41の内部を通る電力線を介して電力供給源(図示省略)に接続されている。電力供給源から各ゾーンに至る経路途中において、電力供給源からの電力線は、マグネシア(マグネシウム酸化物)等の絶縁体を充填したステンレスチューブの内部に互いに電気的に絶縁状態となるように配置される。なお、シャフト41の内部は大気開放されている。
次に、ランプハウス5は、熱処理チャンバー6の上方に設けられている。ランプハウス5は、筐体51の内側に、複数本(本実施形態では30本)のキセノンフラッシュランプFLからなる光源と、その光源の上方を覆うように設けられたリフレクタ52と、を備えて構成される。また、ランプハウス5の筐体51の底部にはランプ光放射窓53が装着されている。ランプハウス5の床部を構成するランプ光放射窓53は、石英により形成された板状部材である。ランプハウス5が熱処理チャンバー6の上方に設置されることにより、ランプ光放射窓53がチャンバー窓61と相対向することとなる。ランプハウス5は、熱処理チャンバー6内にて保持部7に保持される半導体ウェハーWにランプ光放射窓53およびチャンバー窓61を介してフラッシュランプFLからフラッシュ光を照射することにより半導体ウェハーWを加熱する。
複数のフラッシュランプFLは、それぞれが長尺の円筒形状を有する棒状ランプであり、それぞれの長手方向が保持部7に保持される半導体ウェハーWの主面に沿って(つまり水平方向に沿って)互いに平行となるように平面状に配列されている。よって、フラッシュランプFLの配列によって形成される平面も水平面である。
キセノンフラッシュランプFLは、その内部にキセノンガスが封入されその両端部にコンデンサーに接続された陽極および陰極が配設された棒状のガラス管(放電管)と、該ガラス管の外周面上に付設されたトリガー電極とを備える。キセノンガスは電気的には絶縁体であることから、コンデンサーに電荷が蓄積されていたとしても通常の状態ではガラス管内に電気は流れない。しかしながら、トリガー電極に高電圧を印加して絶縁を破壊した場合には、コンデンサーに蓄えられた電気がガラス管内に瞬時に流れ、そのときのキセノンの原子あるいは分子の励起によって光が放出される。このようなキセノンフラッシュランプFLにおいては、予めコンデンサーに蓄えられていた静電エネルギーが0.1ミリセカンドないし100ミリセカンドという極めて短い光パルスに変換されることから、連続点灯の光源に比べて極めて強い光を照射し得るという特徴を有する。
また、リフレクタ52は、複数のフラッシュランプFLの上方にそれら全体を覆うように設けられている。リフレクタ52の基本的な機能は、複数のフラッシュランプFLから出射されたフラッシュ光を保持部7の側に反射するというものである。リフレクタ52はアルミニウム合金板にて形成されており、その表面(フラッシュランプFLに臨む側の面)はブラスト処理により粗面化加工が施されている。このような粗面化加工を施しているのは、リフレクタ52の表面が完全な鏡面であると、複数のフラッシュランプFLからの反射光の強度に規則パターンが生じて半導体ウェハーWの表面温度分布の均一性が低下するためである。
上記の構成以外にもフラッシュ加熱部160は、半導体ウェハーWの熱処理時にフラッシュランプFLおよびホットプレート71から発生する熱エネルギーによる熱処理チャンバー6およびランプハウス5の過剰な温度上昇を防止するため、様々な冷却用の構造を備えている。例えば、熱処理チャンバー6のチャンバー側部63およびチャンバー底部62には水冷管(図示省略)が設けられている。また、ランプハウス5は、内部に気体流を形成して排熱するための気体供給管55および排気管56が設けられて空冷構造とされている(図3,7参照)。また、チャンバー窓61とランプ光放射窓53との間隙にも空気が供給され、ランプハウス5およびチャンバー窓61を冷却する。
<1−3.半導体ウェハーの搬送経路>
次に、熱処理装置100における半導体ウェハーWの搬送経路について説明する。図8は、熱処理装置100における半導体ウェハーWの搬送経路を模式的に示す図である。半導体ウェハーWの搬送経路は、インデクサ部101からアライメントチャンバー131、搬送チャンバー170を経て熱処理チャンバー6に至る往路TP1と、熱処理チャンバー6から搬送チャンバー170、クールチャンバー141を経てインデクサ部101に至る復路TP2と、に二分される。フラッシュ加熱処理前の半導体ウェハーWは往路TP1に沿って搬送され、フラッシュ加熱処理後の半導体ウェハーWは復路TP2に沿って搬送される。
アライメント部130のアライメントチャンバー131は、往路TP1のうちのインデクサ部101と搬送チャンバー170との間に位置する。一方、冷却部140のクールチャンバー141は、復路TP2のうちの搬送チャンバー170とインデクサ部101との間に位置する。アライメントチャンバー131には、半導体ウェハーWの位置決めを行うために半導体ウェハーWが一時的に滞留する。また、クールチャンバー141には、加熱処理後の半導体ウェハーWを冷却するために半導体ウェハーWが一時的に滞留する。
図1から明らかなように、往路TP1のうち、アライメントチャンバー131から熱処理チャンバー6に至る経路は3つの密閉チャンバー(アライメントチャンバー131、搬送チャンバー170、熱処理チャンバー6)をゲートバルブを介して接続して構成されるため、熱処理装置100の外部雰囲気からは遮断された気密の経路となっている。同様に、復路TP2のうち、熱処理チャンバー6からクールチャンバー141に至る経路は3つの密閉チャンバー(熱処理チャンバー6、搬送チャンバー170、クールチャンバー141)をゲートバルブを介して接続して構成されるため、熱処理装置100の外部雰囲気からは遮断された気密の経路となっている。その一方、インデクサ部101は、熱処理装置100の外部雰囲気に曝されている。
アライメントチャンバー131およびクールチャンバー141には、ドライポンプ190が接続されている。アライメントチャンバー131とドライポンプ190とを接続する配管にはバルブ191が介挿され、クールチャンバー141とドライポンプ190とを接続する配管にはバルブ192が介挿されている。ドライポンプ190は、油や液体を使用しない真空ポンプであり、半導体製造装置に好適である。ドライポンプ190を作動させつつ、バルブ191を開放すると、アライメントチャンバー131が真空排気される。また、ドライポンプ190を作動させつつ、バルブ192を開放すると、クールチャンバー141が真空排気される。
また、アライメントチャンバー131およびクールチャンバー141には、半導体工場内の用力の1つとして各種半導体製造装置に窒素を供給する窒素供給機構195が接続されている。アライメントチャンバー131と窒素供給機構195とを接続する配管にはバルブ196が介挿され、クールチャンバー141と窒素供給機構195とを接続する配管にはバルブ197が介挿されている。窒素供給機構195は、窒素供給源と送給ポンプとを備えており、不活性ガスとしての窒素ガス(N)を送給する。窒素供給機構195を作動させつつ、バルブ196を開放すると、アライメントチャンバー131に窒素ガスが供給される。また、窒素供給機構195を作動させつつ、バルブ197を開放すると、クールチャンバー141に窒素ガスが供給される。
以上のように、インデクサ部101と熱処理チャンバー6との間の半導体ウェハーWの搬送経路において、往路TP1のうち熱処理チャンバー6と気密に連通接続されるアライメントチャンバー131および復路TP2のうち熱処理チャンバー6と気密に連通接続されるクールチャンバー141をドライポンプ190によって真空排気することができる。また、それらアライメントチャンバー131およびクールチャンバー141に対して窒素供給機構195から窒素ガスを供給することもできる。
<2.熱処理装置の処理動作>
次に、本発明に係る熱処理装置100による半導体ウェハーWの処理動作について説明する。この熱処理装置100において処理対象となる半導体ウェハーWは、パターン形成後にイオン注入法により不純物(イオン)が添加された半導体ウェハーである。その不純物の活性化がフラッシュ加熱部160によるフラッシュ光照射加熱処理(アニール)により実行される。以下に説明する熱処理装置100の処理手順は、制御部3が熱処理装置100の各動作機構を制御することにより進行する。
図9は、熱処理装置100における処理手順を示すフローチャートである。熱処理装置100では、まず、不純物注入後の半導体ウェハーWがキャリアCに複数枚収容された状態でインデクサ部101のロードポート110に載置される。そして、受渡ロボット120がキャリアCから半導体ウェハーWを1枚ずつ取り出し、アライメント部130のアライメントチャンバー131に搬入する(ステップS1)。アライメントチャンバー131に半導体ウェハーWが搬入された時点で、ゲートバルブ181がアライメントチャンバー131とインデクサ部101との間を閉鎖する。また、アライメントチャンバー131と搬送チャンバー170との間はゲートバルブ183によって閉鎖されている。これにより、半導体ウェハーWが搬入されたアライメントチャンバー131の内部は密閉空間となる。
アライメント部130では、半導体ウェハーWをその中心部を回転中心として鉛直方向軸まわりで回転させ、ノッチ等を光学的に検出することによって半導体ウェハーWの位置決めを行う。また、このような半導体ウェハーWの位置決め動作と並行して、アライメントチャンバー131の真空排気を行う(ステップS2)。すなわち、ゲートバルブ181およびゲートバルブ183によってアライメントチャンバー131の内部が密閉空間とされた状態において、ドライポンプ190を作動させつつバルブ191を開放する。これにより、アライメントチャンバー131の内部空間が真空排気される。本実施形態では、ドライポンプ190によって、アライメントチャンバー131の内部空間が0.13Pa(1×10−3Torr)にまで真空排気される。
続いて、アライメントチャンバー131の内部空間が目標真空度(0.13Pa)にまで真空排気された後、バルブ191を閉止し、窒素供給機構195を作動させつつ、バルブ196を開放する。これにより、真空排気されたアライメントチャンバー131の内部空間に窒素供給機構195から窒素ガスが供給され、アライメントチャンバー131が大気圧にまで復圧される(ステップS3)。ステップS2の真空排気およびステップS3の復圧が完了する時点では、半導体ウェハーWの位置決めも終了している。
次に、ゲートバルブ183がアライメントチャンバー131と搬送チャンバー170との間を開放し、搬送ロボット150が上側の搬送アーム151a(または下側の搬送アーム151b)によってアライメントチャンバー131から位置決めが行われた半導体ウェハーWを搬送チャンバー170へと搬出する。半導体ウェハーWを取り出した搬送ロボット150はフラッシュ加熱部160を向くように旋回する。また、半導体ウェハーWの搬出後に、ゲートバルブ183がアライメントチャンバー131と搬送チャンバー170との間を再び閉鎖する。
続いて、ゲートバルブ185が熱処理チャンバー6と搬送チャンバー170との間を開放し、搬送ロボット150が半導体ウェハーWを熱処理チャンバー6に搬入する(ステップS4)。このときに、先行する加熱処理済みの半導体ウェハーWが熱処理チャンバー6に存在している場合には、搬送アーム151a,151bによってウェハー入れ替えを行う。
熱処理チャンバー6に搬送された半導体ウェハーWにはフラッシュ加熱処理が行われる(ステップS5)。以下、フラッシュ加熱部160におけるフラッシュ加熱処理について説明する。フラッシュ加熱部160においては、半導体ウェハーWが搬入されるのに先立って保持部7が図7に示す処理位置から図3に示す受渡位置に下降する。「処理位置」とは、フラッシュランプFLから半導体ウェハーWにフラッシュ光照射が行われるときの保持部7の位置であり、図7に示す保持部7のチャンバー6内における位置である。また、「受渡位置」とは、チャンバー6に半導体ウェハーWの搬出入が行われるときの保持部7の位置であり、図3に示す保持部7のチャンバー6内における位置である。フラッシュ加熱部160における保持部7の基準位置は処理位置であり、処理前にあっては保持部7は処理位置に位置しており、これが処理開始に際して受渡位置に下降するのである。図3に示すように、保持部7が受渡位置にまで下降するとチャンバー底部62に近接し、支持ピン70の先端が保持部7を貫通して保持部7の上方に突出する。
この状態でゲートバルブ185が開いて搬送開口部66が開放され、搬送ロボット150が未処理の半導体ウェハーWを搬送開口部66からチャンバー6内に進入させる。搬送ロボット150は、3本の支持ピン70の上方にまで半導体ウェハーWを保持する搬送アーム151a(または搬送アーム151b)を進出させた後、搬送アーム151aを若干下降させる。このときに、搬送アーム151aに保持されていた半導体ウェハーWは3本の支持ピン70に受け渡される。
半導体ウェハーWがチャンバー6内に搬入されて3本の支持ピン70に載置されると、搬送ロボット150が搬送アーム151aをチャンバー6から退出させる。そして、ゲートバルブ185により搬送開口部66が閉鎖された後、保持部昇降機構4により保持部7が受渡位置からチャンバー窓61に近接した処理位置にまで上昇する。保持部7が受渡位置から上昇する過程において、半導体ウェハーWは支持ピン70から保持部7のサセプタ72へと渡され、サセプタ72の上面に載置・保持される。保持部7が処理位置にまで上昇するとサセプタ72に保持された半導体ウェハーWも処理位置に保持されることとなる。
ホットプレート71の6つのゾーン711〜716のそれぞれは、各ゾーンの内部(上部プレート73と下部プレート74との間)に個別に内蔵されたヒータ(抵抗加熱線76)により所定の温度まで加熱されている。保持部7が処理位置まで上昇して半導体ウェハーWが保持部7と接触することにより、その半導体ウェハーWはホットプレート71に内蔵されたヒータによって予備加熱されて温度が次第に上昇する。
この処理位置にて約60秒間の予備加熱が行われ、半導体ウェハーWの温度が予め設定された予備加熱温度T1まで上昇する。予備加熱温度T1は、半導体ウェハーWに添加された不純物が熱により拡散する恐れのない、200℃ないし800℃程度、好ましくは350℃ないし550℃程度とされる。
約60秒間の予備加熱時間が経過した後、保持部7が処理位置に位置したまま制御部3の制御によりランプハウス5のフラッシュランプFLから半導体ウェハーWへ向けてフラッシュ光が照射される。このとき、フラッシュランプFLから放射されるフラッシュ光の一部は直接にチャンバー6内の保持部7へと向かい、他の一部は一旦リフレクタ52により反射されてからチャンバー6内へと向かい、これらのフラッシュ光の照射により半導体ウェハーWのフラッシュ加熱が行われる。フラッシュ加熱は、フラッシュランプFLからの閃光照射により行われるため、半導体ウェハーWの表面温度を短時間で上昇することができる。
すなわち、ランプハウス5のフラッシュランプFLから照射されるフラッシュ光は、予め蓄えられていた静電エネルギーが極めて短い光パルスに変換された、照射時間が0.1ミリ秒ないし100ミリ秒程度の極めて短く強い閃光である。そして、フラッシュランプFLからのフラッシュ光照射によりフラッシュ加熱される半導体ウェハーWの表面温度は、瞬間的に1000℃ないし1100℃程度の処理温度T2まで上昇し、半導体ウェハーWに注入された不純物が活性化された後、表面温度が急速に下降する。このように、熱処理装置100では、半導体ウェハーWの表面温度を極めて短時間で昇降することができるため、半導体ウェハーWに注入された不純物の熱による拡散を抑制しつつ不純物の活性化を行うことができる。なお、不純物の活性化に必要な時間はその熱拡散に必要な時間に比較して極めて短いため、0.1ミリセカンドないし100ミリセカンド程度の拡散が生じない短時間であっても活性化は完了する。
また、フラッシュ加熱の前に保持部7により半導体ウェハーWを予備加熱しておくことにより、フラッシュランプFLからのフラッシュ光照射によって半導体ウェハーWの表面温度を処理温度T2まで速やかに上昇させることができる。
フラッシュ加熱が終了し、処理位置における約10秒間の待機の後、保持部7が保持部昇降機構4により再び図3に示す受渡位置まで下降し、半導体ウェハーWが保持部7から支持ピン70へと渡される。続いて、ゲートバルブ185により閉鎖されていた搬送開口部66が開放され、搬送ロボット150が搬送アーム151a(または151b)を搬送開口部66からチャンバー6内に進入させる。搬送ロボット150は、3本の支持ピン70によって支持される半導体ウェハーWの下方にまで搬送アーム151aを進出させた後、搬送アーム151aを上昇させる。これにより、支持ピン70に載置されていた半導体ウェハーWは搬送アーム151aに受け渡される。その後、搬送ロボット150は、フラッシュ加熱処理後の半導体ウェハーWを支持した搬送アーム151aをチャンバー6から退出させて半導体ウェハーWを搬出する。
その後、搬送ロボット150は冷却部140に向くように旋回し、ゲートバルブ185は熱処理チャンバー6と搬送チャンバー170との間を閉鎖する。また、ゲートバルブ184がクールチャンバー141と搬送チャンバー170との間を開放し、搬送ロボット150が加熱処理直後の半導体ウェハーWをクールチャンバー141に搬入する(ステップS6)。クールチャンバー141に半導体ウェハーWが搬入された時点で、ゲートバルブ184がクールチャンバー141と搬送チャンバー170との間を閉鎖する。また、クールチャンバー141とインデクサ部101との間はゲートバルブ182によって閉鎖されている。これにより、半導体ウェハーWが搬入されたクールチャンバー141の内部は密閉空間となる。
冷却部140では、フラッシュ加熱処理後の半導体ウェハーWの冷却処理が行われる。熱処理チャンバー6から搬出された時点での半導体ウェハーW全体の温度は概ね予備加熱温度T1程度の比較的高温であるため、これを冷却部140にて常温近傍にまで冷却するのである。所定の冷却処理時間が経過した後、ゲートバルブ182がクールチャンバー141とインデクサ部101との間を開放し、受渡ロボット120が冷却後の半導体ウェハーWをクールチャンバー141から搬出し、キャリアCへと返却する(ステップS7)。キャリアCに所定枚数の処理済み半導体ウェハーWが収容されると、そのキャリアCはインデクサ部101のロードポート110から搬出される。
また、クールチャンバー141から半導体ウェハーWが搬出された時点で、ゲートバルブ182がクールチャンバー141とインデクサ部101との間を閉鎖する。これにより、半導体ウェハーWが搬出されたクールチャンバー141の内部は再び密閉空間となる。ゲートバルブ182およびゲートバルブ184によってクールチャンバー141の内部が密閉空間とされた状態において、ドライポンプ190を作動させつつバルブ192を開放する。これにより、クールチャンバー141の内部空間が真空排気される(ステップS8)。本実施形態では、ドライポンプ190によって、クールチャンバー141の内部空間が0.13Pa(1×10−3Torr)にまで真空排気される。
続いて、クールチャンバー141の内部空間が目標真空度(0.13Pa)にまで真空排気された後、バルブ192を閉止し、窒素供給機構195を作動させつつ、バルブ197を開放する。これにより、真空排気されたクールチャンバー141の内部空間に窒素供給機構195から窒素ガスが供給され、クールチャンバー141が大気圧にまで復圧される(ステップS9)。なお、上述の一連の動作を行っている間、アライメントチャンバー131およびクールチャンバー141以外の搬送チャンバー170および熱処理チャンバー6には常時窒素ガスが継続して供給されている。
<3.熱処理装置における雰囲気管理>
上述のように、本発明に係る熱処理装置100においては、インデクサ部101から熱処理チャンバー6に至る往路TP1に設けられたアライメントチャンバー131、および、熱処理チャンバー6からインデクサ部101に至る復路TP2に設けられたクールチャンバー141に対して真空排気後に窒素ガスで復圧する処理を行っている。アライメントチャンバー131では、インデクサ部101から未処理の半導体ウェハーWが搬入されたときに位置決め動作と並行して真空排気・復圧を行う。また、クールチャンバー141では、処理済みの半導体ウェハーWがインデクサ部101に搬出された後に真空排気・復圧を行う。
常時窒素ガスが供給されている熱処理チャンバー6内にて酸素濃度が上昇する主たる要因は、半導体ウェハーWの搬入・搬出時にゲートバルブ185が開いたときの搬送チャンバー170から雰囲気流入である。搬送チャンバー170にも常時窒素ガスが供給されているのであるが、アライメントチャンバー131およびクールチャンバー141からの雰囲気流入によって酸素が混入する。そのアライメントチャンバー131およびクールチャンバー141へは大気雰囲気(厳密には、熱処理装置100が設置されたクリーンルームの雰囲気)に曝されたインデクサ部101から大量に酸素が流入するのである。
より具体的に説明すると、インデクサ部101からアライメントチャンバー131に半導体ウェハーWを搬入するときに、ゲートバルブ181がアライメントチャンバー131とインデクサ部101との間を開放するため、大気雰囲気のインデクサ部101から大量の酸素がアライメントチャンバー131内に流入する。ゲートバルブ181が開く前にアライメントチャンバー131が窒素雰囲気とされていたとしても、半導体ウェハーWの搬入動作によってアライメントチャンバー131内の酸素濃度はウェハー搬入直後に約5%にまで上昇する。
ここで、真空排気を行わずに、搬送チャンバー170や熱処理チャンバー6と同様にアライメントチャンバー131に窒素ガス供給のみを行うと、半導体ウェハーWの搬入後約1分でアライメントチャンバー131内の酸素濃度は約1200ppmまで低下する。この残留酸素は、位置決め後にアライメントチャンバー131から搬送チャンバー170に半導体ウェハーWを搬送するときに、搬送チャンバー170に流入する。搬送チャンバー170にも常時窒素ガスが供給されているため、搬送チャンバー170から熱処理チャンバー6に半導体ウェハーWを搬送する直前には搬送チャンバー170内の酸素濃度は約300ppmにまで低下する。そして、酸素濃度約300ppmの搬送チャンバー170から熱処理チャンバー6に半導体ウェハーWが搬入された時点では、熱処理チャンバー6内の酸素濃度は一時的に約100ppmにまで上昇する。よって、半導体ウェハーWは約100ppmの酸素雰囲気に曝されながらホットプレート71によって予備加熱されることとなる。
その後、半導体ウェハーWが熱処理チャンバー6に搬入されてから約1分で熱処理チャンバー6内の酸素濃度は約10ppmにまで低下する。そして、約10ppmの酸素雰囲気にてフラッシュランプFLからフラッシュ光が照射されて半導体ウェハーWのフラッシュ加熱が行われる。なお、クールチャンバー141についても、アライメントチャンバー131と同様に、ゲートバルブ182が開いて半導体ウェハーWがインデクサ部101に搬出されるときに、酸素濃度が約5%にまで上昇し、その後の窒素ガス供給によって約1200ppmにまで低下する。よって、クールチャンバー141が熱処理チャンバー6の酸素濃度に与える影響はアライメントチャンバー131と同程度である。
本実施形態においては、未処理の半導体ウェハーWがアライメントチャンバー131に搬入され、ゲートバルブ181およびゲートバルブ183が閉じられてアライメントチャンバー131の内部が密閉空間とされたときに、アライメントチャンバー131を0.13Pa(1×10−3Torr)にまで真空排気している。半導体ウェハーWが搬入された直後のアライメントチャンバー131内の酸素濃度は約5%であるが、そのアライメントチャンバー131を一旦真空排気した後、窒素ガスを供給して大気圧にまで復圧することにより、アライメントチャンバー131内の酸素濃度を約0.065ppmにまで大きく低下させることができる。
従来のように真空排気を行わずにアライメントチャンバー131に窒素ガス供給のみを行った場合には、アライメントチャンバー131内の酸素濃度を約1200ppmにまでしか低下できなかったのに対して、一旦真空排気した後に窒素ガスを供給して復圧することにより、その2万分の1程度の約0.065ppmにまで低下させることができるのである。
同様に、本実施形態においては、処理済みの半導体ウェハーWがクールチャンバー141から搬出され、ゲートバルブ182およびゲートバルブ184が閉じられてクールチャンバー141の内部が密閉空間とされたときに、クールチャンバー141を0.13Paにまで真空排気している。半導体ウェハーWが搬出された直後のクールチャンバー141内の酸素濃度は約5%であるが、そのクールチャンバー141を一旦真空排気した後、窒素ガスを供給して大気圧にまで復圧することにより、クールチャンバー141内の酸素濃度を約0.065ppmにまで低下させることができる。
搬送チャンバー170および熱処理チャンバー6への酸素の流入源であるアライメントチャンバー131およびクールチャンバー141の酸素濃度を従来の2万分の1程度である約0.065ppmにまで低下させることにより、搬送チャンバー170および熱処理チャンバー6の酸素濃度も約2万分の1にまで低下させることができるものと考えられる。すなわち、熱処理チャンバー6に半導体ウェハーWを搬送する直前における搬送チャンバー170内の酸素濃度は約0.015ppmにまで低下し、半導体ウェハーWが搬入された後の熱処理チャンバー6内の酸素濃度は0.005ppm以下にまで低下させることができる。
このようにすれば、熱処理チャンバー6内を0.005ppm以下という極低酸素濃度にして半導体ウェハーWのフラッシュ加熱処理を行うことができる。0.005ppm以下の極低酸素濃度の雰囲気であれば、ニッケルシリサイドなどのシリサイド形成や高誘電率材料を使用した高誘電率膜(High-k膜)の焼き締めにフラッシュ加熱処理を用いる場合であっても、要求されている酸素濃度条件を十分に満たすことができ、良好な処理結果を得ることができる。
ところで、熱処理チャンバー6内を極低酸素濃度とするためには、熱処理チャンバー6自体を真空排気した後に窒素ガスで復圧した方がより直接的であるように考えられる。しかしながら、通常、フラッシュ加熱処理を行う熱処理チャンバー6は常圧仕様であって真空排気が可能な構造とはされていない。熱処理チャンバー6を真空排気可能とするためには、例えば石英のチャンバー窓61をさらに厚くして耐圧構造とするとともに、チャンバー窓61とチャンバー側部63とのシールなども真空仕様とすることが必要となる。また、チャンバー窓61を厚くすると蓄熱も増加するため、チャンバー窓61の冷却機能を強化する必要もある。このように、熱処理チャンバー6を真空仕様とするためには、熱処理チャンバー6の設計を大きく変更しなければならない。
これに対して、アライメントチャンバー131およびクールチャンバー141は、特段の設計変更無く、或いは僅かな設計変更にて真空排気可能である。このため、熱処理チャンバー6自体を真空排気可能とするための設計変更に比較して、低いコストで本実施形態の技術を実現することができる。
また、本発明に係る技術がスループットに与える影響に関して、熱処理装置100においてはフラッシュ加熱部160でのフラッシュ加熱処理が律速工程となっている。フラッシュ光照射の時間自体は極めて短いのであるが、予備加熱時間と半導体ウェハーWの搬入・搬出に要する時間が必要なため、フラッシュ加熱部160での半導体ウェハーWの処理時間は例えばウェハー1枚あたり2分である。フラッシュ加熱部160以外の各部での処理時間はフラッシュ加熱部160に整合される。従って、上記の例では、アライメントチャンバー131に半導体ウェハーWが搬入されてから搬出されるまでの時間も2分となる。アライメントチャンバー131を真空排気した後に窒素ガスによって復圧するのに要する時間は2分以内であり、半導体ウェハーWの通常の処理時間内で完了する。このため、ロットの最初の半導体ウェハーWがインデクサ部101から熱処理チャンバー6に到達するのに従来より若干時間を要する点を除いては、熱処理装置100のスループットを低下させることなく本発明に係る技術を実施することができる。
<4.変形例>
以上、本発明の実施の形態について説明したが、この発明はその趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。例えば、上記実施形態においては、アライメントチャンバー131およびクールチャンバー141を真空排気・復圧するようにしていたが、これに代えて搬送チャンバー170を真空排気した後に窒素ガスを供給して復圧するようにしても良い。このようにしても、熱処理チャンバー6への酸素流入源である搬送チャンバー170の酸素濃度を低下させることができ、その結果として熱処理チャンバー6内を極低酸素濃度にすることができる。
要するに、インデクサ部101と熱処理チャンバー6との間の半導体ウェハーWの搬送経路(往路TP1および復路TP2を含む)のいずれか一部領域を真空排気した後に窒素ガスを供給して復圧すれば良い。これにより、熱処理チャンバー6への酸素流入源である当該一部領域の酸素濃度を低下させて熱処理チャンバー6内を極低酸素濃度とすることができる。もっとも、上記実施形態の熱処理装置100においては、搬送チャンバー170の容積よりもアライメントチャンバー131およびクールチャンバー141の容積の方が小さいため、これらを真空排気した後に窒素ガスを供給して復圧する方が容易である。
また、上記実施形態においては、往路TP1と復路TP2とが一部異なる経路となっていたが(往路TP1がアライメントチャンバー131を含み、復路TP2がクールチャンバー141を含む)、これらは完全に同一であっても良い。この場合であっても、インデクサ部101と熱処理チャンバー6との間の半導体ウェハーWの搬送経路の一部領域を真空排気した後に窒素ガスを供給して復圧することにより、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
また、アライメントチャンバー131およびクールチャンバー141を真空排気した後に復圧するために供給するガスは、窒素ガスに限定されるものではなく、例えばアルゴンガス(Ar)やヘリウムガス(He)などのその他の不活性ガスであっても良い。もっとも、上記実施形態のように、窒素ガスを供給する方がコストを低く抑制することができる。
また、上記実施形態においては、ドライポンプ190をアライメントチャンバー131およびクールチャンバー141に共通のものとしていたが、それぞれのチャンバーに専用のドライポンプを設けるようにしても良い。同様に、アライメントチャンバー131およびクールチャンバー141のそれぞれに専用の窒素供給機構を設けるようにしても良い。
また、上記実施形態においては、ホットプレート71に載置することによって半導体ウェハーWを予備加熱するようにしていたが、予備加熱の手法はこれに限定されるものではなく、ハロゲンランプを設けて光照射によって半導体ウェハーWを予備加熱温度T1にまで予備加熱するようにしても良い。
また、搬送ロボット150の上側の搬送アーム151aを未処理の半導体ウェハーWを保持する専用のアームとして設計し、下側の搬送アーム151bを処理済の半導体ウェハーWを保持する専用のアームとして設計することにより、搬送ロボット150の小型化、および搬送の信頼性の向上を図ることができる。
また、本発明に係る熱処理装置によって処理対象となる基板は半導体ウェハーに限定されるものではなく、液晶表示装置などのフラットパネルディスプレイに用いるガラス基板や太陽電池用の基板であっても良い。また、本発明に係る技術は、金属とシリコンとの接合、或いはポリシリコンの結晶化に適用するようにしても良い。
また、本発明に係る熱処理技術は、フラッシュランプアニール装置に限定されるものではなく、ハロゲンランプを使用した枚葉式のランプアニール装置やCVD装置などのフラッシュランプ以外の熱源の装置にも適用することができる。但し、本発明に係る熱処理技術は、フラッシュランプアニール装置と同様に熱処理チャンバーが常圧仕様となっている装置(常圧CVD装置など)に好適に適用されるものである。
3 制御部
4 保持部昇降機構
5 ランプハウス
6 熱処理チャンバー
7 保持部
100 熱処理装置
101 インデクサ部
130 アライメント部
131 アライメントチャンバー
140 冷却部
141 クールチャンバー
150 搬送ロボット
160 フラッシュ加熱部
170 搬送チャンバー
190 ドライポンプ
195 窒素供給機構
FL フラッシュランプ
TP1 往路
TP2 復路
W 半導体ウェハー

Claims (2)

  1. 基板の加熱処理を行う熱処理装置であって、
    基板を収容する常圧仕様の熱処理チャンバーと、
    前記熱処理チャンバー内にて基板にフラッシュ光を照射して該基板を加熱するフラッシュランプと
    未処理の基板を外部から搬入するとともに、処理済みの基板を外部に搬出する搬入搬出部と、
    前記搬入搬出部と前記熱処理チャンバーとの間の基板の搬送経路の一部領域を真空排気する真空排気手段と、
    真空排気された前記一部領域に不活性ガスを供給して復圧する復圧手段と、
    を備え
    前記搬送経路には、加熱処理前に基板の向きを調整するアライメントチャンバー、および、加熱処理後の基板を冷却するクールチャンバーが設けられ、
    前記真空排気手段は、基板の向き調整と並行して前記アライメントチャンバーを真空排気するとともに、冷却された基板が前記クールチャンバーから搬出された後に前記クールチャンバーを真空排気し、
    前記復圧手段は、前記真空排気手段によって真空排気された前記アライメントチャンバーおよび前記クールチャンバーに不活性ガスを供給して大気圧にまで復圧することを特徴とする熱処理装置。
  2. 基板の加熱処理を行う熱処理方法であって、
    搬入搬出部に搬入された基板を常圧仕様の熱処理チャンバーに搬送する往路搬送工程と、
    前記熱処理チャンバー内にてフラッシュランプから基板にフラッシュ光を照射して該基板を加熱する加熱工程と、
    加熱処理後の基板を前記熱処理チャンバーから前記搬入搬出部に搬送する復路搬送工程と、
    前記搬入搬出部と前記熱処理チャンバーとの間の基板の搬送経路の一部領域を真空排気する真空排気工程と、
    真空排気された前記一部領域に不活性ガスを供給して復圧する復圧工程と、
    を備え、
    前記往路搬送工程では、基板の向きを調整するアライメントチャンバーを経由して基板が搬送され、
    前記復路搬送工程では、加熱処理後の基板を冷却するクールチャンバーを経由して基板が搬送され、
    前記真空排気工程は、基板が前記アライメントチャンバーに搬入されたときに基板の向き調整と並行して前記アライメントチャンバーを真空排気するとともに、冷却された基板が前記クールチャンバーから搬出された後に前記クールチャンバーを真空排気し、
    前記復圧工程は、前記真空排気工程にて真空排気された前記アライメントチャンバーおよび前記クールチャンバーに不活性ガスを供給して大気圧にまで復圧することを特徴とする熱処理方法。
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