JP2008159834A - 半導体装置の製造方法および半導体装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】リソグラフィ工程を追加することなく、様々な線幅およびレイアウトで配置された電極を、均一な組成でフルシリサイド化させることが可能な製造方法を提供する。
【解決手段】シリコン基板1上にポリシリコンからなるゲート電極5をパターン形成する。シリコン基板1上を絶縁膜11で覆った状態で、絶縁膜11から露出させたゲート電極5を覆ように第1金属材料を主成分とする第1金属膜31を成膜する。熱処理によってゲート電極5の表面層のみを第1金属膜と反応させる第1回目のシリサイド化を行い上層シリサイド膜33を形成する。次いで第1金属膜を除去する。上層シリサイド膜33を覆う状態で、第1金属材料よりも拡散速度の速い第2金属材料を主成分とする第2金属膜35を成膜する。上層シリサイド膜33で表面が覆われたゲート電極5の全層を熱処理によって第2金属膜と反応させる第2回目のシリサイド化を行い、ゲート電極5をフルシリサイド化させる。
【選択図】図2
【解決手段】シリコン基板1上にポリシリコンからなるゲート電極5をパターン形成する。シリコン基板1上を絶縁膜11で覆った状態で、絶縁膜11から露出させたゲート電極5を覆ように第1金属材料を主成分とする第1金属膜31を成膜する。熱処理によってゲート電極5の表面層のみを第1金属膜と反応させる第1回目のシリサイド化を行い上層シリサイド膜33を形成する。次いで第1金属膜を除去する。上層シリサイド膜33を覆う状態で、第1金属材料よりも拡散速度の速い第2金属材料を主成分とする第2金属膜35を成膜する。上層シリサイド膜33で表面が覆われたゲート電極5の全層を熱処理によって第2金属膜と反応させる第2回目のシリサイド化を行い、ゲート電極5をフルシリサイド化させる。
【選択図】図2
Description
本発明は、半導体装置の製造方法および半導体装置に関し、特には基板上にフルシリサイド化された電極を形成する工程を備えた半導体装置の製造方法およびこれによって得られる半導体装置に関する。
素子構造の微細化にともない、ゲート絶縁膜が薄膜化したMOS型の電界効果トランジスタにおいては、ポリシリコンからなるゲート電極の空乏化により実効的なゲート絶縁膜の膜厚が厚くなり、駆動電流の低下を引き起こすことが問題となっている。その対策として、ゲート電極全体をシリサイド化するフルシリサイドゲート(FUlly SIlicided gate:FUSI)技術が検討されている。
図4には、FUSI技術を適用した半導体装置の製造方法の一例を示す。先ず図4(1)に示すように、シリコン基板101上に、ゲート絶縁膜103を介してポリシリコンからなるゲート電極105を形成する。ゲート電極105の上部には、後の化学機械研磨(CMP)のストッパ層107として窒化シリコン膜を積層させておく。その後、これらの側壁に酸化シリコンからなるサイドウォール109を形成する。次に、図4(2)に示すように、ゲート電極105およびストッパ層107等を埋め込むように、酸化シリコン膜などからなる絶縁膜111を成膜する。その後、絶縁膜111をCMPによってストッパ層107が露出するまで平坦化する。次に、図4(3)に示すように、ストッパ層107を熱燐酸によって剥離して、ゲート電極105を露出させる。次いで、図4(4)に示すように、絶縁膜111およびサイドウォール109を、ゲート電極105の高さにまでエッチバックする。次に、図4(5)に示すように、ゲート電極105を覆う状態で、ニッケル膜113を堆積成膜する。その後、図4(6)に示すように、熱処理を行うことによってゲート電極105全体をフルシリサイド化させる。以上の後には、混酸を用いて未反応のニッケル膜113をエッチング除去することにより、フルシリサイド化されたゲート電極(フルシリサイドゲート)105aを形成する。
ところが、上述した手順でフルシリサイドゲート105aを形成する場合、他の部分と比較して線幅が細い部分や、レイアウトが疎な領域に配置された部分では、ゲート電極105のシリコン量に対してシリサイド化に寄与するニッケルの量が多くなる。このため、これらの部分は、他の部分と比較してニッケル組成の高いシリサイドとなってしまう。そして、混酸を用いて未反応のニッケル膜113をエッチング除去する際には、図5に示すように、ニッケル組成の高いシリサイド部分、すなわち他の部分と比較して線幅が細いフルシリサイドゲート105a部分や、レイアウトが疎な領域に配置されたフルシリサイドゲート105a部分が同時にエッチング除去され、フルシリサイドゲート105aが部分的に消失する問題が発生する。
そこで、ゲート電極の幅に応じて、ゲート電極の上層をエッチングして高さを調節することにより、全てのゲート電極部分を均一な組成でフルシリサイド化する方法が考案されている(下記特許文献1参照)。
しかしながら、特許文献1の方法は、それぞれの線幅に対応してゲート電極の高さを調整する構成であるため、リソグラフィ工程やエッチング工程を追加する必要がある。このため、実際の半導体装置に設けられる様々な線幅およびレイアウトのゲート電極毎にゲート電極の高さを対応させることは、工程数を大幅に増加にさせることになる。したがって、全てのゲート電極を均一な組成でフルシリサイド化することは、実質的に不可能である。
そこで本発明は、リソグラフィ工程を追加することなく、様々な線幅およびレイアウトで配置された電極を、均一な組成でフルシリサイド化させることが可能な製造方法を提供すること、およびこのような製造方法によって得られた均一な組成の電極を用いることにより面内均一な特性の半導体装置を提供することを目的とする。
このような目的を達成するための本発明の半導体装置の製造方法は、次の第1〜第7の工程を順次行うことを特徴としている。先ず第1工程では、基板上にシリコンからなる電極をパターン形成する。第2工程では、電極を覆う状態で基板上に第1金属材料を主成分とする第1金属膜を成膜する。第3工程では、熱処理によって電極の表面層のみを第1金属膜と反応させる第1回目のシリサイド化を行う。これにより、電極の表面層に上層シリサイド膜を形成する。第4工程では、第1回目のシリサイド化で残された第1金属膜を除去する。次の第5工程では、上層シリサイド膜を覆う状態で、第1金属材料よりも拡散速度の速い第2金属材料を主成分とする第2金属膜を成膜する。第6工程では、上層シリサイド膜で表面が覆われた電極の全層を熱処理によって第2金属膜と反応させる第2回目のシリサイド化を行う。これにより、電極をフルシリサイド化させる。第7工程では、第2回目のシリサイド化で残された前記第2金属膜を除去する。
このような製造方法では、第1回目のシリサイド化においてシリコンからなる電極の表面層のみをシリサイド化させる際には、電極の線幅が細い部分ほど、また電極のレイアウトが疎なほど、シリコン量に対してシリサイド化に寄与する第1金属材料の供給量が多くなる。そして、電極の表面層には、各電極の線幅やレイアウトに依存した膜厚で上層シリサイド膜が形成される。このため、第2回目のシリサイド化においては、電極の線幅やレイアウトに依存した膜厚の上層シリサイド膜により、電極を構成するシリコンに対して第2金属材料の供給が制御されるようになる。これにより、電極の線幅が細い部分ほど、また電極のレイアウトが疎なほど、シリコン量に対してシリサイド化に寄与する第2金属材料の供給量が多くなるが、逆に上層シリサイド膜の膜厚が厚いためにこの下層のシリコン部分にまで達する第2金属材料の量が抑制されることになる。このため、第2回目のシリサイド化においては、電極の線幅やレイアウトによらずに、より均一な組成で電極がフルシリサイド化される。
また本発明は、以上の製造方法によって得られた半導体装置でもあり、基板上に全層が金属シリサイドからなる電極がパターン形成されている。そして特に、この電極の構成が、第1金属材料のシリサイドを用いた上層シリサイド膜と、当該第1金属材料よりも拡散速度が速い第2金属材料のシリサイドを用いた下層シリサイド膜との積層構造となっていることを特徴としている。
以上説明したように本発明によれば、リソグラフィ工程を追加することなく、電極の線幅やレイアウトによらずに、より均一な組成で電極をフルシリサイド化することが可能になる。このため、特に金属リッチな電極部分が形成されることはなく、シリサイド化の後の金属膜のエッチング除去における電極の部分的な消失を防止することができる。さらに、電極の組成が均一化することにより、この電極を用いて構成される半導体装置における特性の面内均一化を達成することが可能になる。
以下、本発明を適用した各実施の形態を図面に基づいて説明する。尚、各実施形態においては、MOS型の電界効果トランジスタを備えた半導体装置の製造に本発明を適用した製造手順を説明し、次いでこれによって形成された半導体装置の構成を説明する。
<第1実施形態>
先ず、図1(1)に示すように、シリコン基板1の表面側に素子分離2を形成する。次に、素子分離2で分離されたシリコン基板1上の領域を横切る状態で、酸窒化シリコンからなるゲート絶縁膜3を介してポリシリコンからなるゲート電極5をパターン形成する。この際、酸窒化シリコン膜、ポリシリコン膜、窒化シリコン膜をこの順に積層成膜し、この積層膜をパターンエッチングすることにより、ポリシリコン膜をパターニングしてなるゲート電極5上に、窒化シリコンからなるストッパ層7が設けられるようにする。
先ず、図1(1)に示すように、シリコン基板1の表面側に素子分離2を形成する。次に、素子分離2で分離されたシリコン基板1上の領域を横切る状態で、酸窒化シリコンからなるゲート絶縁膜3を介してポリシリコンからなるゲート電極5をパターン形成する。この際、酸窒化シリコン膜、ポリシリコン膜、窒化シリコン膜をこの順に積層成膜し、この積層膜をパターンエッチングすることにより、ポリシリコン膜をパターニングしてなるゲート電極5上に、窒化シリコンからなるストッパ層7が設けられるようにする。
尚、ゲート絶縁膜3は、ハフニウムやアルミを含んだ金属酸化膜で構成されても良い。よい。またゲート電極5は、ポリシリコンからなるものに特定するものではなく、金属材料を含んだ膜で構成されても良い。さらにゲート電極5に対して必要に応じた部分にn型またはp型の不純物を導入することにより、仕事関数を部分的に変調しておくこともできる。さらにストッパ層7は、酸化シリコンであっても良く、金属材料を含んでいてもよい。
以上のような状態において、必要に応じてソース/ドレインのエクステンション領域(図示省略)を形成するためのイオン注入を行う。
次に、ストッパ層7およびゲート電極5の側壁に絶縁性のサイドウォール9を形成する。この際先ず、ストッパ層7およびゲート電極5を覆う状態で、酸化シリコン膜、窒化シリコン膜、またはこれらの積層膜からなる絶縁膜を成膜する。次いで、成膜した絶縁膜をエッチバックすることにより、ストッパ層7およびゲート電極5の側壁のみに絶縁膜を20nm程度の膜厚で残してサイドウォール9とする。
その後、イオン注入によってシリコン基板1の表面層に不純物を導入し、アニールを行うことによりソース・ドレイン領域S/Dを形成する。この際、レジストパターをマスクに用いたイオン注入により、nチャンネルのMOS型FET領域にはn型不純物であるリン(P)を、pチャンネルのMOSFET領域にはp型不純物であるボロン(B)をそれぞれに分けて導入する。
次に、図1(2)に示すように、ストッパ層7およびサイドウォール9を埋め込む状態で、化学気相堆積法(CVD)やスピンコート法によって絶縁膜11を成膜し、ストッパ層7が露出するまで絶縁膜11を化学機械研磨(CMP)する。これにより、絶縁膜11の平坦化を行う。
次いで、図1(3)に示すように、ストッパ層7を選択的にエッチング除去してゲート電極5を露出させる。この際、ストッパ層7が窒化シリコンからなるものであれば、熱燐酸を用いたウェットエッチングを行う。
また引き続き、図1(4)に示すように、ゲート電極5よりも低くなる程度に、絶縁膜11およびサイドウォール9をエッチバックする。この際、絶縁膜11およびサイドウォール9が酸化シリコンからなるものであれば、希フッ酸を用いたウェットエッチングを行う。
尚、以上のようなストッパ層7、絶縁膜11、およびサイドウォール9のエッチングは、それぞれの材質によって適するエッチングを行えば良く、これらが同一の材質で構成されていれば図1(3)、図1(4)のエッチングを1段階で行っても良い。
また、以上までの工程は従来のFUSI技術と同様の手順であって、以降に説明する工程からが本実施形態に特有の手順となる。
先ず、図2(1)に示すように、露出させたゲート電極5に接する状態で、シリコン基板1の上方に第1金属材料を用いた第1金属膜31を成膜する。第1金属材料としては、以降の工程で用いる第2金属材料よりもポリシリコンに対する拡散速度が遅い材料であることが必須である。特にこの中でも、第1金属材料としてはプラチナ(Pt)およびパラジウム(Pd)のような貴金属や、エルビウム(Er)またはインジウム(In)のような拡散速度が遅い材料を用いることが好ましい。また、この第1金属膜31は、これらの第1金属材料を主成分としたものであれば他の金属材料を含有していても良い。
ここでは一例としてプラチナからなる第1金属膜31を成膜することとし、物理堆積法や電子ビーム蒸着を用いてプラチナからなる第1金属膜31を1〜8nmの膜厚で堆積成膜する。
次に、図2(2)に示すように、熱処理によって、ゲート電極5の表面層のみを第1金属膜31と反応させる第1回目のシリサイド化を行う。これにより、ゲート電極5の表面層のみに、例えばプラチナシリサイドからなる上層シリサイド膜33を形成する。
この際の熱処理は、ランプアニールまたはファーネスアニールの何れの方式でも良く、処理温度は400〜650℃、処理時間はランプアニールであれば5〜120秒、ファーネスアニールであれば5〜60分の範囲で実施する。この処理温度および処理時間は、上層シリサイド膜33の成長が、ゲート電極5の全ての部分において表面層のみに止まる範囲で設定され、上層シリサイド膜33の必要膜厚や、既に形成されているソース・ドレイン領域S/Dのような拡散層の広がりを防止できる程度に適切な値を選択すれば良い。
尚、第1金属膜31がパラジウムからなる場合の熱処理温度は300〜550℃、エルビウムまたはインジウムからなる場合の熱処理温度は400〜600℃とする。
このシリサイド化においては、ゲート電極5の線幅W1,W2が細くゲート電極5のレイアウトが疎なほど(つまりゲート電極5が疎なほど)、シリコン量に対してシリサイド化に寄与する第1金属材料の供給量が多くなる。このため、以上のようにゲート電極5の表面層のみをシリサイド化させた場合には、各ゲート電極5の線幅W1,W2やレイアウトに依存し、ゲート電極5が疎なほど膜厚t1,t2の厚い上層シリサイド膜33が形成されることになる。
以上の後には、第1回目のシリサイド化で残された第1金属膜31を、上層シリサイド膜33に対して選択的に除去する工程を行う。ここでは、王水を用いたエッチングにより、プラチナからなる第1金属膜31を選択剥離する。王水は、例えば70%に希釈し、液温50℃で用いる。
尚、このように第1金属膜31を選択剥離した状態で、必要に応じて上層シリサイド膜33の改質のためのセカンドアニールを施しても良い。
次に、図2(3)に示すように、上層シリサイド膜33を覆う状態で、第1金属材料よりもポリシリコンに対する拡散速度が速い第2金属材料を主成分とする第2金属膜35を成膜する。このような第2金属材料としては、例えばニッケル(Ni)が用いられる。この第2金属膜35は、ゲート電極5の全体をシリサイド化できる程度の充分な膜厚で成膜されることが重要である。例えば、ゲート電極5が100nm程度の膜厚で形成されている場合、ニッケルからなる第2金属膜35を70nm程度の膜厚で成膜する。
その後、図2(4)に示すように、熱処理によって、上層シリサイド膜33で表面が覆われたゲート電極5の全層を第2金属膜35と反応させる第2回目のシリサイド化を行う。ここでは、第2金属膜35を構成する第2金属材料(例えばニッケル)が、上層シリサイド膜33を構成する第1金属材料よりも速く下層のゲート電極5分部に拡散していくため、上層シリサイド膜33の下層に第2金属材料のシリサイドが形成される。そして、ゲート電極5における残りポリシリコン部分の全層を第2金属材料のシリサイドとした下層シリサイド膜37を形成する。
この際の熱処理は、ランプアニールまたはファーネスアニールの何れの方式でも良く、処理温度は300〜550℃、処理時間はランプアニールであれば5〜120秒、ファーネスアニールであれば5〜60分の範囲で実施する。この処理温度および処理時間は、第2金属膜35の膜厚やゲート電極5の膜厚によって適切な値を選択すれば良い。
尚、この熱処理は、第2金属膜35の上部に、窒化チタン膜、酸化シリコン膜、または窒化シリコン膜などからなるキャップ膜を積層成膜した状態で行っても良い。これにより、ニッケルシリサイドを安定して形成することができる。
このような第2回目のシリサイド化を行うことにより、ゲート電極5は、第1金属材料のシリサイドを用いた上層シリサイド膜33と、第1金属材料よりも拡散速度の速い第2金属材料のシリサイドを用いた下層シリサイド膜37との積層構造からなるフルシリサイドゲート5aとなる。また、第2回目のシリサイド化においては、上層シリサイド膜33中に第2金属膜35中から第2金属材料が供給される。このため、上層シリサイド膜33は、第1金属材料のシリサイドを主成分とし第2金属材料のシリサイドも含有されたものとなる。さらに、このような第2回目のシリサイド化においては、上層シリサイド膜33にもともと含有されていた第1金属材料の拡散も進む。このため、上層シリサイド膜33の膜厚方向には第1金属材料の濃度分布が発生する場合もある。
以上の後、図3(1)に示すように、第2回目のシリサイド化で残された第2金属膜35を上層シリサイド膜33に対して選択的に除去する。ここでは、例えば硫酸過水などの混酸を用いたウェットエッチングにより、ニッケルからなる第2金属膜35を剥離除去する。尚、第2金属膜35上にキャップ膜を積層させた場合には、第2金属膜35の剥離除去に先だってキャップ膜の除去を行うこととする。
以上の後には、絶縁膜11をドライエッチングによってエッチバック除去するか、またはフッ酸系の薬液を用いたウェットエッチングによって剥離除去する。これにより、シリコン基板1の表面、すなわちソース・ドレイン領域S/Dの表面を露出させる。
尚、このように第2金属膜35を選択剥離した状態、またはさらに絶縁膜11を剥離除去した状態で、必要に応じて下層シリサイド膜37の改質のためのセカンドアニールを施しても良い。
次いで、図3(2)に示すように、希釈フッ酸によるウェットエッチングやNF3ガスを用いたドライエッチング等による前処理を行った後、フルシリサイドゲート5aを覆う状態でシリコン基板1上にニッケルなどからなる金属膜41を成膜する。この金属膜41は、例えば10nmの膜厚で成膜する。
その後、図3(3)に示すように、熱処理によって、ソース・ドレイン領域S/Dの表面層に、シリサイド層43を形成する。
この際の熱処理は、ランプアニールまたはファーネスアニールの何れの方式でも良く、処理温度は300〜550℃、処理時間はランプアニールであれば5〜90秒、ファーネスアニールであれば5〜30分の範囲で実施する。この処理温度および処理時間は、シリサイド化がソース・ドレイン領域S/Dの表面層に止まる範囲で、金属膜41の膜厚やゲート電極5の膜厚によって適切な値を選択すれば良い。
次に、図3(4)に示すように、混酸を用いてシリサイド化において未反応のまま残された金属膜41を剥離する。その後は、必要に応じて、層間絶縁膜、接続孔、および上層配線を形成することにより、半導体装置45を完成させる。
尚、金属膜41を選択剥離した状態で、必要に応じてシリサイド層43の改質のためのセカンドアニールを施しても良い。
以上のようにして得られた半導体装置45は、シリコン基板1上にゲート絶縁膜3を介して形成されたゲート電極が、フルシリサイドゲート5aとして形成されたMOS型の電界効果トランジスタを備えたものとなる。そして特に、フルシリサイドゲート6aは、第1金属材料のシリサイドを用いた上層シリサイド膜33と、第1金属材料よりも拡散速度の速い第2金属材料のシリサイドを用いた下層シリサイド膜37との積層構造となっている。
そして、上層シリサイド膜33は、フルシリサイドゲート5aの線幅が細くレイアウトが疎であるほど膜厚が厚く形成されたものとなっている。ただし、上層シリサイド膜33は、第1金属材料のシリサイドを主成分としているが、第2金属材料のシリサイドや他の成分が含有されていても良い。さらに、上層シリサイド膜33は、膜厚方向の組成分布を持つものであっても良い。
以上説明した第1実施形態によれば、図2(2)を用いて説明したように、第1回目のシリサイド化においてシリコンからなる電極の表面層のみをシリサイド化させる工程を行うことによって、ゲート電極5が疎なほど膜厚t1,t2の厚い上層シリサイド膜33が形成される。これにより、図2(4)を用いて説明した第2回目のシリサイド化においては、ゲート電極5が疎なほど、ゲート電極5への第2金属材料の供給割合が多くなるものの、より膜厚が厚い上層シリサイド膜33がブロック層となり、上層シリサイド膜33下のポリシリコン分部への第2金属材料の供給が制御されるようになる。これにより、第2回目のシリサイド化においては、ゲート電極5の線幅W1,W2やレイアウトによらずに、より均一な組成でゲート電極5がフルシリサイド化されるようになる。
したがって、リソグラフィ工程を追加することなく、ゲート電極5の線幅W1,W2やレイアウトによらずに、より均一な組成でゲート電極5をフルシリサイド化したフルシリサイドゲート5aを得ることが可能になる。
これにより、特に金属リッチなフルシリサイドゲート5a部分が形成されることはなく、図3(1)で説明したフルシリサイドゲート5a形成後の金属膜(第2金属膜35)のエッチング除去において、フルシリサイドゲート5aの部分的な消失を防止することができる。しかも、上層シリサイド層33が貴金属のシリサイドからなる場合には、この上層シリサイド層33が下層シリサイド層(例えばニッケルシリサイド)33のバリア層となり、下層シリサイド層(例えばニッケルシリサイド)33がエッチング溶液に溶出することが防止される。したがって、フルシリサイドゲート5aの消失を確実に防ぐことが可能となる。
さらに、フルシリサイドゲート5aにおける特に下層シリサイド膜33の組成が均一化する。また、上層シリサイド層33の影響によるMOS型の電界効果トランジスタにおけるしきい値電圧のシフトも発生しない。したがって、このフルシリサイドゲート5aを用いて構成されるMOS型の電界効果トランジスタにおける特性の面内均一化を図ることが可能になる。
以上の結果、フルシリサイドゲート5aによる移動度向上と、サリサイドに対する安定性を両立させたフルシリサイドゲート・トランジスタの形成が可能となる。
<第2実施形態>
本第2実施形態は、第1実施形態の手順において図3(2)〜図3(4)を用いて説明したシリサイド層43の形成を、図1(1)で説明したソース・ドレイン領域S/Dの形成後に行う手順である。
本第2実施形態は、第1実施形態の手順において図3(2)〜図3(4)を用いて説明したシリサイド層43の形成を、図1(1)で説明したソース・ドレイン領域S/Dの形成後に行う手順である。
このような手順であっても、第1回目のシリサイド化と第2回目のシリサイド化とを含む他の工程を第1実施形態と同様の手順で行うことにより、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
<第3実施形態>
本第3実施形態は、第1実施形態の手順において図1(1)を用いて説明したソース・ドレイン領域S/Dの形成を、図3(1)で説明した絶縁膜11を剥離除去した後に行う手順である。
本第3実施形態は、第1実施形態の手順において図1(1)を用いて説明したソース・ドレイン領域S/Dの形成を、図3(1)で説明した絶縁膜11を剥離除去した後に行う手順である。
このような手順であっても、第1回目のシリサイド化と第2回目のシリサイド化とを含む他の工程を第1実施形態と同様の手順で行うことにより、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
尚、以上第2実施形態および第3実施形態で説明したように、本発明は、シリサイド層43の形成およびソース・ドレイン領域S/Dの形成のタイミングを限定するものではなく、シリサイド層43の形成およびソース・ドレイン領域S/Dの形成は、第1回目のシリサイド化と第2回目のシリサイド化とを含む他の工程手順の間の可能なタイミングで行って良い。
1・基板、3…ゲート絶縁膜、5…ゲート電極(電極)、5a…フルシリサイドゲート(ゲート電極)、31…第1金属膜、33…上層シリサイド膜、35…第2金属膜、37…下層シリサイド膜、45…半導体装置、W1,W2…線幅、t1,t2…膜厚、
Claims (7)
- 基板上にシリコンからなる電極をパターン形成する第1工程と、
前記電極を覆う状態で前記基板上に第1金属材料を主成分とする第1金属膜を成膜する第2工程と、
熱処理によって前記電極の表面層のみを前記第1金属膜と反応させる第1回目のシリサイド化を行い上層シリサイド膜を形成する第3工程と、
前記第1回目のシリサイド化で残された前記第1金属膜を除去する第4工程と、
前記上層シリサイド膜を覆う状態で、前記第1金属材料よりも拡散速度の速い第2金属材料を主成分とする第2金属膜を成膜する第5工程と、
前記上層シリサイド膜で表面が覆われた前記電極の全層を熱処理によって前記第2金属膜と反応させる第2回目のシリサイド化を行い、当該電極をフルシリサイド化させる第6工程と、
前記第2回目のシリサイド化で残された前記第2金属膜を除去する第7工程とを行う
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。 - 請求項1記載の半導体装置の製造方法において、
前記第3工程では、前記第1金属材料として貴金属を用いることにより、前記上層シリサイド膜として貴金属のシリサイドを主成分とした膜を形成し、
前記第7工程では、前記上層シリサイド膜に対して選択的に前記第2金属膜の除去を行う
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。 - 請求項1記載の半導体装置の製造方法において、
前記第1金属材料としてプラチナ、パラジウム、エルビウム、またはインジウムを用いる
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。 - 請求項1記載の半導体装置の製造方法において、
前記第6工程の前に、前記第2金属膜上にキャップ膜を積層成膜する
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。 - 請求項1記載の半導体装置の製造方法において、
前記電極は、前記基板上にゲート絶縁膜を介してゲート電極として形成される
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。 - 基板上に全層が金属シリサイドからなる電極がパターン形成された半導体装置において、
前記電極は、第1金属材料のシリサイドを用いた上層シリサイド膜と、当該第1金属材料よりも拡散速度の速い第2金属材料のシリサイドを用いた下層シリサイド膜との積層構造となっている
ことを特徴とする半導体装置。 - 請求項6記載の半導体装置において、
前記上層シリサイド膜は、前記電極の線幅が細いほど、また当該電極のレイアウトが疎であるほど膜厚が厚く形成されている
ことを特徴とする半導体装置。
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JP2006347049A JP2008159834A (ja) | 2006-12-25 | 2006-12-25 | 半導体装置の製造方法および半導体装置 |
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JP2006347049A JP2008159834A (ja) | 2006-12-25 | 2006-12-25 | 半導体装置の製造方法および半導体装置 |
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Publication Number | Publication Date |
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JP2008159834A true JP2008159834A (ja) | 2008-07-10 |
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ID=39660418
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JP2006347049A Pending JP2008159834A (ja) | 2006-12-25 | 2006-12-25 | 半導体装置の製造方法および半導体装置 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008218622A (ja) * | 2007-03-02 | 2008-09-18 | Toshiba Corp | 半導体装置およびその製造方法 |
JP2011009469A (ja) * | 2009-06-25 | 2011-01-13 | Fujitsu Semiconductor Ltd | 半導体装置の製造方法 |
-
2006
- 2006-12-25 JP JP2006347049A patent/JP2008159834A/ja active Pending
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JP2008218622A (ja) * | 2007-03-02 | 2008-09-18 | Toshiba Corp | 半導体装置およびその製造方法 |
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