JP2008158012A - 投射型表示装置 - Google Patents

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智浩 三好
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Abstract

【課題】可変絞りが開放された状態におけるコントラスト向上を図るとともに、絞りによる光量変化に対するコントラストの向上の割合をより高めることができ、セット外形サイズの増大、材料コストの上昇を抑止できる投射型表示装置を提供する。
【解決課題】入力される画像情報に基づいて入射される照明光を変調して出射する光変調部122(R,G,B)と、光源101からの照明光を光変調部に入射させる照明光学装置109と、光変調部のコントラスト視野角特性に複数のピーク方位角を持たせることが可能な光学部品124(R,G,B)と、光変調部から出射される光を投射する投射光学系126と、を有し、投射光学系126の瞳位置近傍に、可変開口絞り装置200が配置され、絞り装置200は、光変調部の複数のピーク方位角を持つコントラスト視野角特性の高コントラスト域の2次元的な分布形状と略一致するように形成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、たとえば液晶プロジェクタ等の投射型表示装置に関するものである。
液晶プロジェクタは、液晶材料を用いた空間光変調器(以下、液晶パネルという)を用いるプロジェクタ装置である。
液晶プロジェクタにおいては、液晶パネル自体は発光しない。そこで、液晶プロジェクタにおいては、液晶パネルと光源とを組み合わせ、液晶パネルに光を照射して照明する。
そして、液晶パネルに映像信号を印加し、液晶パネルにより形成された像を、投射レンズによりスクリーンに投射する。このような構成を有する液晶プロジェクタにより、小型の装置で大画面の映像表示を実現できる。
プロジェクタに用いられる液晶材料は、印加電界に従い、入射光の偏光を変化させる性質(施光性)を持ち、液晶パネルは、この性質を利用して光変調を行う。
このために、液晶パネルに入射する光は、ある一方向の直線偏光(p偏光またはs偏光)とする必要がある。そして、液晶パネルを出射する光は、液晶パネルに印加される映像信号に従い偏光方向が回転する。そこで、光変調を行うために液晶パネルの出射側に検光子として偏光子が配置される。
従来、スクリーンが置かれた環境に応じてより見やすい表示画像が得られるように、映像の明るさを調節する絞りオン・オフモード(絞りを適用するか否かのモード)の切替を持つプロジェクタが提案されている。さらに、液晶プロジェクタにより投影される映像のコントラストを向上させるため絞りを用いることも提案されている。そして、このコントラストを向上させるため照明光学系または投射光学系に絞りを有するプロジェクタについては、たとえば特許文献1に記載されている。
また、照明光学系または投射光学系に、絞り形状が円形の可変絞り機構を有し、絞り量を映像信号の輝度情報に基づいて制御し、明るいシーンと暗いシーンのコントラスト感を向上させる液晶プロジェクタが提案されている(たとえば、特許文献2参照)。
特開平8−106090号公報 特開2006−133750号公報
ところで、液晶プロジェクタ光学系において、液晶パネルに入射する照明光有限の角度分布を持つため、液晶パネルに対して斜めに入射した光の偏光特性が液晶分子の配向(プレチルト)によって乱れ(直線偏光が楕円偏光になり)、検光子から漏れた光によりコントラストが低下する。
そして、コントラストの低下を改善するために、上述の絞りを用いる方法の他に光学補償板を液晶パネルに適用することが提案されているが、市場ではさらにより高いコントラストの向上が求められている。
本発明は、可変絞りが開放された状態におけるコントラスト向上を図るとともに、絞りによる光量変化に対するコントラストの向上の割合をより高めることができ、セット外形サイズの増大、材料コストの上昇を抑止できる投射型表示装置を提供することにある。
本発明の第1の観点の投射型表示装置は、入力される画像情報に基づいて入射される照明光を変調して出射する光変調部と、上記光源からの照明光を上記光変調部に入射させる照明光学装置と、上記光変調部のコントラスト視野角特性に複数のピーク方位角を持たせることが可能な光学部品と、上記光変調部から出射される光を投射する投射光学系と、を有し、上記投射光学系には、開口形状が可変な絞りと当該絞りを駆動する駆動部とが1つの基体に設けられた絞り装置が配置され、上記絞り装置は、開口形状が、上記光変調部の複数のピーク方位角を持つコントラスト視野角特性の高コントラスト域の2次元的な分布形状と略一致するように形成されている。
好適には、上記コントラスト視野角特性の分布形状は、中心部に対してピークを持つ第1ピーク部と、当該第1ピーク部に略直交する方向にピークを持つ第2ピーク部と、上記第1ピーク部と上記中心部を挟んで対向する側にピークを持つ第3ピーク部と、上記第2ピーク部と上記中心部を挟んで対向する側にピークを持つ第4ピーク部と、を含み、高コントラスト域が、上記中心部から、上記第1ピーク部、上記第2ピーク部、上記第3ピーク部、および第4ピーク部に至るような形状を有する。
好適には、上記絞り装置の開口形状は、略十字型を有する。
本発明の第2の観点の投射型表示装置は、入力される画像情報に基づいて入射される照明光を変調して出射する液晶パネルと、上記光源からの照明光を上記液晶パネルに入射させる照明光学装置と、上記液晶パネルのコントラスト視野角特性に複数のピーク方位角を持たせることが可能な光学部品と、上記液晶パネルから出射される光を投射する投射光学系と、を有し、上記投射光学系には、開口形状が可変な絞りと当該絞りを駆動する駆動部とが1つの基体に設けられた絞り装置が配置され、上記絞り装置は、開口形状が、上記液晶パネルの複数のピーク方位角を持つコントラスト視野角特性の高コントラスト域の2次元的な分布形状と略一致するように形成され、絞り形状が上記液晶パネルの高コントラスト域の形状に合わせるように配置されている。
本発明によれば、光学部品により光学補償され、光変調部のコントラスト視野角特性が複数のピーク方位角を持つようになる。そして絞り装置が光変調部の高コントラスト域の形状に合わせるように開閉制御される。
本発明によれば、絞り稼動時に光線通過率を同等とした時の総合的なコントラストの向上を図ることができる。また、稼動範囲を小さくできるためコストダウン、信頼性の向上が図れる。
また、投射光学系の光学設計を変えることなく、コントラスト視野角特性に合せてスクリーン上に投写される映像コントラストを大幅に向上させることができる。
さらに、絞りと当該絞りを駆動する駆動部とが1つの基体に設けられた本絞り装置を設置することによる投射光学系の占有体積の増加は絞り装置取り付け部周辺のみであり、商品性を損なうことなく大幅に性能向上を達成できる。
以下、本発明の実施形態を、添付図面に関連付けて説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る光学装置を採用した液晶プロジェクタ(投射型表示装置)を原理的に示す図である。
図2は、本発明の実施形態に係る光学装置を採用した液晶プロジェクタ(投射型表示装置)を示す図である。
本液晶プロジェクタ100は、図1および図2に示すように、光源部101、コリメータレンズ102、光学フィルタ103、第1のマルチレンズアレイ(MLA)104、第2のMLA105、偏光変換素子106、集光レンズ107、ダイクロイックミラー110R、110G、反射ミラー111,112,113、集光レンズ120R,120G,120B、偏光板121R,121G,121B、液晶パネル122R,122G,122B、偏光板123R,123G,123B、光学部品としての光学補償板124R,124G,124B、ダイクロイックプリズム125、絞り装置200を含む投射光学系126、リレーレンズ130,131等から構成される。
そして、光源部101、コリメータレンズ102、光学フィルタ103、第1MLA104、第2MLA105、偏光変換素子106、および集光レンズ107により照明光学系108が構成される。
本実施形態の特徴部分である絞り装置200は、照明光学系108ではなく、投射光学系126のいわゆるレンズ瞳位置(RGB共通)の近傍に配置されている。
本実施形態の液晶プロジェクタ100は、映像信号のAPL(average picture level )に連動して絞り装置200の絞り径(幅)を変動させるとともに、映像信号の振幅を制御する。
絞り装置200は、後で詳述するように、2枚の板羽根をスライドさせるシンプルな構造を有し、かつ、以下の特徴を有する。
・照明光学系ではなく投射光学系126に配置し、アイリス機構の小型化を図っている。
・2つの板羽根を有し、スライド駆動される2つの板羽根により形成される開口形状が略十字型を有する。
開口形状を略十字型を有するように形成した理由は、後で詳述するが、液晶パネル(光変調部)の複数のピーク方位角を持つコントラスト視野角特性の高コントラスト域の2次元的な分布形状と略一致させて高コントラスト化を図り、光量変化を抑え、チラツキ感の少ない自然な画質が得られるようにするためである。
・絞り装置200を投射光学系126のレンズ鏡筒部に脱着可能な機構としてサービス性の向上を図っている。
・板羽根、スライドガイド機構のピンの材質、径の最適化を図っている。
・レンズ内の絞りに循環冷却風の送風経路を形成している。
・駆動装置としてステッピングモータではなくガルバノメータを採用している。
以下、液晶プロジェクタ100の各構成要素の構成および機能について説明し、続いて絞り装置105の具体的な構成および機能について説明し、さらに液晶プロジェクタの冷却構造について説明する。
光源部101は、放電ランプ101aおよび反射集光鏡101bから構成されており、この放電ランプ101aから出射された光を反射集光鏡101bが集光してコリメータレンズ102に向けて出射する。
コリメータレンズ102は、光源部101から出射された照明光Lを平行束として光学フィルタ103に向けて出射する。
光学フィルタ103は、光源部101から出射され、コリメータレンズ102を介した照明光Lに含まれる赤外線領域および紫外線領域の不要な光を除去する。
第1のMLA104は、光源部101からの照明光Lを複数に分割し、それらの光学像を第2のMLA105の光入射面近傍に配置させる。
より具体的には、第1のMLA104は、複数のレンズがアレイ状に配置され、照明光Lを複数の光束に分割して集光し、各分割像の光スポットを所定の位置(第2のMLA105の光入射面近傍)にレイアウトさせる。
そして第2のMLA105に集光して形成された光源部101の像は、投射光学系126の絞り装置200の配置位置近傍、すなわちレンズの瞳位置近傍に投影される。
第2のMLA105は、第1のMLA104による分割光源像を、液晶パネル122R,122G,122Bの照明光として利用可能となるように偏光変換素子106に入射させる。
第2のMLA105には、第1のMLA104により集光される複数の光スポットに対応する複数のレンズが配置される。第2のMLA105の各レンズは第1のMLA104による分割像を、集光レンズ107を介して液晶パネル122R,122G,122B上に重畳して結像させ、光源部101から出射された光を均一化する。
偏光変換素子106は、たとえば、短冊状に配列された偏光ビームスプリッタと、これに対応して間欠的に設けられた位相差板から構成され、入射した照明光Lのp偏光成分をs偏光成分に変換し、全体としてs偏光成分を多く含む偏光方向の揃えられた照明光を出力する。
集光レンズ107は、偏光変換素子106を通過した照明光Lが液晶パネル122R,122G,122Bにおいて重ね合わされるように集光する。
ダイクロイックミラー110Rは、集光レンズ107を通過した偏光方向の揃えられた照明光Lの光軸に対して45度傾斜しており、照明光Lのうち、赤色の波長領域の光(赤色光という場合もある)LRのみ反射ミラー111に向けて反射し、その他の波長域の光LGBを透過する。
反射ミラー111は、ダイクロイックミラー110Rで反射された光LR の光軸に対して45度傾斜しており、光LR を集光レンズ120Rに向けて反射する。
ダイクロイックミラー110Gは、ダイクロイックミラー110Rを透過した光LGBの光軸に対して45度傾斜しており、ダイクロイックミラー110Rを透過した光LGBのうち緑色の波長域の光(緑色光という場合もある)LG のみを集光レンズ120Gに向けて反射し、その他の波長域(青色の波長域)の光LB を透過する。
リレーレンズ130および131は、青色の波長域の光(青色光という場合もある)LB のダイクロイックミラー110Gから液晶パネル122Bまでの光路長が比較的長いため、光路途中で青色光LB を結像しなおすために設けられている。
ダイクロイックミラー110Gを通過した青色の波長域の光LB は、リレーレンズ130および131を通過し、反射ミラー113によって集光レンズ120Gに向けて反射される。
各集光レンズ120R,120G,120Bおよび液晶パネル122R,122G,122Bは、立方体形状のダイクロイックプリズム124の3つの側面に対して所定の位置にそれぞれ配置されている。
また、液晶パネル122R,122G,122Bの入射側と出射側には、偏光子としての偏光板121R,121G,121Bと、検光子としての偏光板123R,123G,123Bがそれぞれ配置されている。
偏光板121R,121G,121Bは、集光レンズ120R,120G,120Bの出射側にそれぞれ固定されており、偏光板123R,123G,123Bはダイクロイックプリズム124の入射側の3面にそれぞれ固定されている。
そして、液晶パネル122R,122G,122Bの入射側の面と偏光板121R,121G,121Bには、光学部品としての光学補償板124R,124G,124Bが配置されている。
本実施形態においては、光学補償板124R,124G,124Bは液晶パネル122R,122G,122Bの入射側の面に一体的に配置されている。なお、光学補償板124R,124G,124Bは液晶パネル122R,122G,122Bの入射側でなく出射側に配置してもよく、また、入射側と出射側の両側に配置することも可能である。
液晶パネル122R,122G,122Bは、印加される赤色、緑色、青色の三原色に対応する映像信号によって、集光レンズ120R,120G,120Bを通じて入射する各色光LR ,LG ,LB の強度を変調する。
すなわち、偏光板121R,121G,121Bを透過した所定の偏光方向の色光LR,LG ,LB は、液晶パネル122R,122G,122Bに印加された映像信号に基づき、偏光面が回転する。
偏光面の回転を受けた光の所定の偏光成分が、偏光板123R,123G,123Bを透過し、ダイクロイックプリズム124に入射される。
本実施形態において採用する光学補償板124R,124G,124Bは液晶パネル122R,122G,122Bのコントラスト視野角特性に複数のピーク方位角を持たせることが可能な機能を有している。
図3は、本実施形態に係る光学補償板の構成例を示す図である。
図3に示す光学補償板124は、位相差板140aと位相差板140bとを組み合わせて、具体的には接着剤150で貼り合わせて形成されている。
位相差板140aは、透明なガラス基板などからなる基板141aと、基板141a上に形成された配向膜142aと、配向膜142a上に形成された第1の補償膜(位相差層)143aとを有する。配向膜142aに施された配向処理に応じて、第1の補償膜143aの光軸の向きが調整される。配向膜142aは、たとえば光照射により配向が可能な光配向膜により形成される。第1の補償膜143aは、たとえば液晶ポリマにより形成される。
位相差板140bは、透明なガラス基板などからなる基板141bと、基板141b上に形成された配向膜142bと、配向膜142b上に形成された第2の補償膜(位相差層)143bとを有する。配向膜142bおよび第2の補償膜143bの材料については、配向膜142aおよび第1の補償膜143aと同様である。
<位相差板の作製方法>
上記の位相差板の作製方法の例について説明する。なお、本例では、一例として、図3に示す位相差板140aの作製方法について説明する。
まず、位相差板に用いる基板141aを作製する。基板141aとして、たとえば、透明絶縁性基板を用意する。なお、液晶パネルと一体に作製する場合には、TFT素子などのスイッチング素子や透明電極が付いた透明絶縁基板であってもよい。
次に、基板141aの上に配向膜142aを塗布する。上記配向膜142aは、光硬化型配向膜を用いることが好ましい。光配向膜を形成する露光工程において、複数回の露光処理を行っても良いし、一枚のフォトマスクにおいて、一枚の位相差板の四隅に対応する領域の配向方向を変更しても良い。
次に、配向膜142a上に補償膜(位相差層)材料を塗布する。たとえば、位相差層材料として液晶ポリマを使用する。液晶ポリマは、配向膜の配向方向に従って液晶分子が配向する。これにより、面内に複数の光軸を有する位相差板140aを作製することができる。位相差板140bの作製方法については、位相差板140aと同様である。
そして、位相差板140aと位相差板140bが各補償膜(位相差層)143a、143が向かい合うように接着剤150で貼り合せられる。
このときの各補償膜(位相差層)143a、143bの法線方向に対するリタデーションは、80nm以下であることが好ましい。また、各補償膜(位相差層)143a,143bの光軸(配向軸)の方向が、少なくとも液晶層の面内における中央部分の光軸に対して、周辺部分が0.5°〜5°異なることが好ましい。これは、温度の上昇に伴い、上記の角度範囲で光軸の変化が確認されたためである。
このように、光学補償板は、ガラス基板に配向膜を形成し、その上に正の一軸異方性を持つ液晶を塗布し、配向された状態のまま硬化する。
光学補償をするためには、様々な入射光角度に対する液晶パネルのリタデーションを打ち消す必要がある。このために以下の3つが重要である。
すなわち、ハイブリッド配向(界面チルト−表面チルト)状態、液晶層厚み、液晶の屈折率異方性Δnの選定である。
このような構成を有する光学補償板124R,124G,124Bは、前述したように、液晶パネル122R,122G,122Bのコントラスト視野角特性に複数のピーク方位角を持たせることが可能な機能を有している。
図4は、液晶パネルのパネルコントラスト視野角特性の照明光(入射光)角度依存性を示す図である。
透過型液晶パネルに代表される光強度変調素子は、その素子に対する照明光線の光入力角度によって変調特性(透過型液晶の場合、透過特性)が異なる。
したがって、下記で定義されるコントラスト比CNTRの値も光入射角度に依存する。
CNTR=BRT−W/BRT−B
ここで、BRT−Wは白表示時の明るさを示し、この明るさBRT−Wは白表示時の透過率に比例する。BRT−Bは黒表示時の明るさを示し、この明るさBRT−Bは黒表示時の透過率に比例する。
このコントラスト比CNTRは、図4において、右側の縦軸部分に付した値で示してある。
図4においては、コントラスト比が異なる領域として6領域ACNT1〜ACNT6を有する。
中心部に最も近い第1領域ANCT1が最もコントラストが高く、第1領域ACNT1を囲む第2領域ACNT2が2番目にコントラストが高く、第2領域ACNT2を囲む第3領域ACNT3が3番目にコントラストが高く、本実施形態においては、これらの第1〜第3領域ACNT1〜ACNT3によりいわゆる高コントラスト域HACNTが形成されている。
また、第4領域ACNT4が4番目にコントラストが高く、第5領域ACNT5がコントラストが高く、第6領域ACNT6が最もコントラストが低くなっている。
そして、本実施形態において、高コントラスト域HACNTにおけるコントラスト視野角特性の分布形状は、中心部CENTに対してピークを持つ第1ピーク部PK1と、第1ピーク部PK1に略直交する方向にピークを持つ第2ピーク部PK2と、第1ピーク部PK3と中心部CENTを挟んで対向する側にピークを持つ第3ピーク部PK3と、第2ピーク部PK2と中心部CNTRを挟んで対向する側にピークを持つ第4ピーク部PK4と、を含み、高コントラスト域HACNTが、中心部CNTRから、第1ピーク部PK、上第2ピーク部PK2、第3ピーク部PK3、および第4ピーク部PK4に裾状をなして(いわゆるスペクトル状をなして)至るような形状を有する
換言すれば、高コントラスト域HACNTは、大略的に略十字型を有している。
本実施形態においては、後で説明するように、絞り装置の開口形状は、この高コントラスト域HACNTの形状に合わせるように略十字型を有するように形成されている。
また、図4のパネルコントラストの照明光(入射光)角度依存性を示す円形の分布図に付した角度0度(360度)〜330度について、図5(A)および図5(B)に関連付けて説明する。
図5(A)に示すように、表示素子としての液晶パネル122(R,G,B)の面に対する法線νに対する入射光ILのなす角度をθとし、パネル面122aに対する入射光ILのなす角度をφとする。
そして、図5(B)に示すように、角度θの同軸方向を基準にした同径方向の角度φとして、図4に示すように図面に付してある。
図6は、液晶パネルへの照明光角度分布を示す図である。
照明光学系109の第1のMLA104は、図6に示すように、光源部101からの照明光Lを複数に分割して集光し、各分割像の光スポットを所定の位置(第2のMLA105の光入射面近傍)にレイアウトさせる。
そして第2のMLA105に集光して形成された光源部101の像は、投射光学系126の絞り装置200の配置位置近傍、すなわちレンズの瞳位置近傍に投影される。
図6中の丸CRCが絞り径、すなわち光線角度の制御機能部として働く。
また、パネルコントラスト特性は、図4に示すような特性を示すことから、本実施形態においては、図7に示すように、パネルコントラスト視野角特性と絞り開閉時の形状を合わせるように配置している。
これは、高コントラスト域は光線角度が小さく、光線を絞ればコントラストが向上する。すなわち、図8に示すように、光線角度が小さい場合には、コントラストは高くなり、明るさは低くなる、一方、光線角度が大きい場合には、コントラストは低くなり、明るさは高くなる、ことに対応し、最適な特性を得るためである。
ダイクロイックプリズム125は、たとえば、複数のガラスプリズムを接合することによって構成されており、各ガラスプリズムの接合面には、所定の光学特性を有する干渉フィルタ125a,125bが形成されている。
干渉フィルタ125aは、青色光LB を反射し、赤色光LR および緑色光LG を透過する。干渉フィルタ125bは、赤色光LR を反射し、緑色光LG および青色光LB を透過する。
したがって、液晶パネル122R,122G,122Bによって変調された各色光LR,LG ,LB は、合成されて投射光学系126に入射する。
投射光学系126は、たとえば、ダイクロイックプリズム125から入射された映像光をスクリーン等の投影面に、向けて投射する。スクリーンには、カラー映像が映し出される。
図9は、本実施形態に係る液晶プロジェクタの光軸を直線に配置し、光線を図示しない場合の光学系配置を示す図である。
図9に示すように、投射光学系126は、第1レンズ群1261、第2レンズ群1262、および第3レンズ群1263を含んで構成されている。
そして、絞り装置200は第2レンズ群1262の光入射側に配置されている。
以下に、絞り装置200の具体的な構成および機能について、図面に関連付けて説明する。
図10は、本実施形態に係る絞り装置の開放時の構成例を示す正面図である。また、図11は、本実施形態に係る絞り装置の最大絞り(最小絞り径)時の構成例を示す正面図である。また、図12(A)および図12(B)は、本実施形態に係る絞り装置の基体の裏面側から見た図である。
本実施形態の絞り装置200は、所定厚さの略直方体をなす板状の基体201と、基体201の表面側に互いに一部重なるように配置され、ガルバノメータの回転に応じて基体201の長手方向にスライドする2つの絞り羽根202,203を有している。
基体201の略中央より長手方向の一側部側に円形の絞り開口2011が形成されている。基体201の裏面側の他側部側には、ガルバノメータ300が搭載され、ガルバノメータ300の頂部には基板400が配置されている。基板400は、ガルバノメータ300のホール素子、制動コイル、駆動コイルの端子部を絞り装置200より離間した位置に配置される図示しない制御系回路基板にリード線を通して接続される。
基体201の表面201aには、開口2011を挟んで長手方向の側部に2つの絞り羽02,203をスライドさせるための係止ピン2012,2013,2014,2015が形成されている。
また、基体201には、円弧状の2つの回転案内孔2016,2017が形成されている。これら2つの回転案内孔2016,2017は、基体201のガルバノメータ300の2つの回転出力軸301,302を案内し、かつ、ガルバノメータ300の回転出力軸301,302の回転範囲を所定範囲に規制するための案内孔であり、円筒状をなすガルバノメータ300の円筒軸を中心として略180度対向する位置に形成されている。
絞り羽根202は、係止ピン2012,2013が係止し、所定の長さをもってスライド範囲を規制する長手方向に沿って形成された直線状で長孔状の被係止孔2021,2022と、一端部側において、被係止孔2021,2022の案内方向と略直交するように直線線状に形成され、基体201の回転案内孔2016を挿通されたガルバノメータ300の回転出力軸301の端部を係止させて案内する被係止孔2023が形成されている。
絞り羽根202は、図10および図11に示すように、一端部が被係止孔2023に出力回転軸301が係止され、一端部から略中央部において、被係止孔2021に係止ピン2012が係止され、被係止孔2022に係止ピン2013が、絞り羽根203の被係止孔とともに係止される。
絞り羽根202の一端部から中央部にかけては、図10および図11に示すように、基体201の絞り開口2011の図中右側部に位置し、中央部から他端部が、基体201の一側部側から絞り開口2011の周縁部に沿い、かつ、絞り開口2011の図中左側部に至るような形状をもってアイリス羽根部202aが形成されている。
そして、絞り羽根202の絞り開口2011の図中の左側部側に位置する部分に、係止ピン2015が、絞り羽根203の被係止孔とともに係止される被係止孔2024が長手方向に沿って直線状で長孔状に形成されている。
このアイリス羽根部202aは、ガルバノメータ300の回転に応じて絞り開口2011の略半分を開閉するように動作制御される。
絞り羽根203は、係止ピン2014,2015が係止し、所定の長さをもってスライド範囲を規制する長手方向に沿って形成された直線状で長孔状の被係止孔2031,2032と、一端部側において、被係止孔2031,2032の案内方向と略直交するように直線線状に形成され、基体201の回転案内孔2017を挿通されたガルバノメータ300の回転出力軸302の端部を係止させて案内する被係止孔2033が形成されている。
絞り羽203は、図4および図5に示すように、一端部が被係止孔2033に出力回転軸302が係止され、一端部から略中央部において、被係止孔2031に係止ピン2014が係止され、被係止孔2032に係止ピン2015が、絞り羽根202の被係止孔2024とともに係止される。
絞り羽根202の一端部から中央部にかけては、図10および図11に示すように、基体201の絞り開口2011の図中左側部に位置し、中央部から分岐するように、基体201の他側部側から絞り開口2011の周縁部に沿い、かつ、絞り開口2011の図中右側部に至るような形状をもってアイリス羽根部203aが形成されている。
そして、絞り羽根203の絞り開口2011の図中の右側部側に位置する部分に、係止ピン2013が、絞り羽根202の被係止孔2022とともに係止される被係止孔2034が長手方向に沿って直線状で長孔状に形成されている。
このアイリス羽根部203aは、ガルバノメータ300の回転に応じて絞り開口2011の略半分を開閉するように動作制御される。
また、本実施形態の絞り装置200は、前述したように、投射光学系126のレンズ鏡筒部に脱着可能な機構としてサービス性の向上を図っている。
そのため、基体201の周縁部には、レンズ鏡筒部にねじにより脱着可能とするための、ねじ挿入孔が形成された取り付け片2018、2019が形成されている。
また、基体201の長手方向の一端部には、レンズ鏡筒部の形成された位置決め部に挿入可能な位置決め用切り欠き部2020が形成されている。
また、本実施形態においては、絞り羽根202,203と係止ピン2012〜2015(基体201)の材質としては、以下の材料を採用することが可能である。
絞り羽根202,203と係止ピン2012〜2015(基体201)のすべてを金属(SUS)で形成する。この場合、高温、たとえば140℃に温度条件下で1000万回以上継続して使用することが可能となり、耐久性に優れた絞り装置200を形成することが可能である。
この他にも、たとえば絞り羽根202,203をプラスチック(PET)で形成し、係止ピン2012〜2015(基体201)をアルミニウム等の金属で形成することも可能である。この場合も十分な耐久性を得ることができる。
また、絞り羽根202,203の材料として、SK材からなる金属を採用し、ピン材料としてアルミニウム等の金属を採用することも可能である。
絞り羽根202,203は、互いに重なり合う領域を有しているが、上記の材料を適宜選択等することにより、開閉時の摩擦抵抗を減らし、スムースな開閉動作を実現している。
本実施形態の絞り装置200は、全閉状態でも遮光率100%ではなく約80%までに留めている。
最小絞り開口径は、ユニフォミティが目標規格内であり、かつ、羽根表面の異常温度上昇による発煙などのシステムトラブルを想定して決定される。
このように構成することにより、何らかのシステム異常により、絞り装置の強制冷却が停止した場合でも光源光(照明光L)の一部が透過するので、著しく高温になる危険性から回避される。
また、絞り羽根202のアイリス羽根部202aと絞り羽根203のアイリス羽根部203aとで形成される絞り領域を図10および図11に例では、略十字形状に形成されるような例を示している。
本実施形態の絞り装置200によれば、図13(A)に示すように、小絞り開口形状が略十字形状をなし、パネルコントラスト視野角特性と絞り開閉時の形状を合わせるように配置している。
また、開口形状として直線が交差してなるエッジ部が形成されず、投影された映像の周りにゴーストが発現することを抑止できる。
そこで、本実施形態の場合、絞り装置200は、開放開口形状が、図13(B)に示すように、略円形状となるように構成されている。
次に、本実施形態における絞り装置200の取り付け構造について説明する。
図9は、本実施形態における絞り装置200のレンズ鏡筒部への取り付け構造例を示す図である。
絞り装置200は、レンズ鏡筒部500の絞り取り付け部501の位置決め部502に対して切り欠き部2020を挿入して位置決めし取り付け片2018,2019を介してねじ止めする。
この場合、絞り開口2011の略中心部がレンズ鏡部500の光軸と略一致するように取り付け可能である。
また、本実施形態においては、小絞り開口形状が略十字形状をなし、パネルコントラスト視野角特性と絞り開閉時の形状を合わせるように配置している。
上述したように、本実施形態においては、絞り形状を素子のコントラスト特性と合わせることで、コントラスト向上の度合いを高く維持できる。
したがって、本実施形態のように、絞り形状を素子のコントラスト特性と合わせることで、コントラスト向上の度合いが高く維持できることが、小型化、設計変更の少なさに寄与している。
このように、絞りを斜め配置することによりコントラスト向上に大きく寄与できる表示パネルとしては、たとえば捩れ方向が水平あるいは垂直方向であるTN(ツイストネマチック)液晶を用いた液晶パネルを上げることができる。
本実施形態においては、ガルバノメータ300の出力軸301,302と絞り羽根202,203は係止関係をもって連接しており、ガルバノメータ300に対して所定の絞り開口を得るためのコントロール電圧を印加すると、ガルバノメータ出力軸301,302の回転力が絞り羽根202,203の被係止孔2023,2033を通して直線的な動きに変換されて絞り羽根202,203がスライドし、このとき、外部(この場合プロジェクタのコントロール側)からのコントロール電圧値により任意の絞り開口を得ることができる。
図14は、本実施形態に係るガルバノメータの一例を示す回路図である。
このガルバノメータ300は、図14に示すように、ホール素子310、制動コイル311、駆動コイル312、オペアンプ313〜315、抵抗素子R301〜R319、キャパシタC301〜C305を有する。抵抗素子R309、R314は可変抵抗素子である。
ガルバノメータ300のコントロール信号として目標となる絞り口径の位置信号が入力されると、駆動コイル312に電流が流れガルバノメータの出力軸が回転する。
軸回転に伴い、ガルバノメータ300内部に設置されたホール素子310から回転位置信号が出力され、入力コントロール信号と平衡状態になったところで出力軸が停止する。
制動コイル311は駆動コイル312のピックアップセンサとして働き、急激な変化にはブレーキとして働くように常にフィードバックをかけ平衡状態を保つ。
ガルバノメータ300を構成する主にホール素子310の個体差によるコントロール電圧と揺動角の個体差(ばらつき)をなくすため、電源オン時にプロジェクタ側に設けた図示しない制御用マイクロコンピュータ(マイコン)によりイニシャライズ動作を行う。
ホール素子310の出力電圧により、オープン端とクローズ端での電圧をサンプリングし、絞り装置200のオープン端とクローズ端までの出力電圧の絶対量を制御側に用意したメモリに記憶する。
ガルバノメータ300の最大揺動角と上記出力電圧の絶対量から、揺動角と出力電圧の関係が分かり出力軸の絶対回転角を任意の角度に位置決めすることができる。
次に、駆動源としてガルバノメータ300を用いる理由について説明する。
ガルバノメータ300は、動作時の騒音が非常に小さく無音に近い高速動作(全開から全閉まで約50〜70ms)が可能である。
絞り装置200は、絞り羽根202,203を所定の速度と精度で目標位置に位置決めする必要がある。
一般的に虹彩型絞り等では制御方法が簡単なことからステッピングモータが多く用いられるが、投影する画面の照度に応じて連続的に、かつ高速で動作させると、作動中に耳障りな励磁騒音を発するので静音性を求められるホーム用プロジェクタではノイズ源となり使用上不適切である。
これに対して、ガルバノメータ300は、騒音源となるギヤを介さず連接リンクのみにより駆動することで機械騒音を抑制できる。駆動コイル312と制動コイル311に流す電流値を最適化し、始動と停止時の加速度カーブを最適化し、加減速時の機構部慣性とバックラッシュによる衝撃音を出さないように制御する。
ガルバノメータ300の出力軸は機械的な終端位置ではメカ衝突音が発生する。実際の制御においては揺動限界である終端位置より内側での使用とし、終端位置での衝突音を出さないように制御する。
ここで、ホール素子310の出力側に配置される増幅系回路について考察する。
図14の回路におけるホール素子増幅系回路は、等価的に図15に示すように表すことが可能である。
この回路は、ホール素子310の素子電圧の1/2の同相電圧が存在することから、差動増増幅回路OP1で増幅する。
そのゲインAは、R2/(R1+Rh)で与えられる。ここで、Rhはホール素子310の内部抵抗を示している。
この場合、Rhのばらつきが大きく、また、温度特性があることから、ホール素子310の出力のばらつきが大きくなる傾向があるが、差動増幅回路であることから、ノイズの影響を受けにくく、部品点数が少ないという利点がある。
また、ホール素子増幅系回路は、図16に示すような構成を採用することが可能である。
この回路は、差動増幅回路OP2でホール素子310の同相電圧をキャンセルし、非反転増幅回路OP1で増幅するように構成されている。
第1の増幅回路としての差増増幅回路OP2には反転入力(−)にホール素子310の一出力を入力させ、非反転入力(+)にリファレンス電圧Vrefを供給している。また、第2の増幅回路としての増幅回路OP1の非反転入力(+)にホール素子310の他方の出力を入力させ、反転入力(−)にリファレンス電圧Vrefを供給している。
ここで、リファレンス電圧変動分をΔVref、ホール素子の出力をΔVref+Vh(=Vh(+)−Vh(−))とすると、次の関係を満足する。
ΔVref:(ΔVref+Vh)=R3//R4:R3//R4+R1
したがって、(ΔVref+Vh)=(R3//R4/R1+1)×Vh
すなわち、ホール素子310の出力が(R3//R4/R1+1)倍になる。
また、ゲインAは次式で与えられる。
A=[1+R2/(R1+R3//R4)]×(R3//R4/R1+1)
このように、図16の回路は、非反転増幅回路のため、ホール素子301の内部抵抗Rhの影響を受けない。したがって、温度特性がよく、ホール素子出力のばらつきが小さい。そして、ホール素子310の出力を大きくすることで、ノイズの影響を受けにくくすることができる。
本実施形態においては、絞り装置200を駆動するガルバノメータ300は、ホール素子310、制動コイル311、駆動コイル312の端子部を絞り装置200より離間した位置に配置される図示しない制御系回路基板に基板400に接続されるリード線を通して接続され、リード線部分でノイズ等の影響を受けやすい傾向にあることから、ホール素子増幅系回路としては、図15の回路より図16の回路の方が適している。
本実施形態の絞り装置200は、APL(average picture level )変動に応じて、絞りの開口径をダイナミックに変化させる。
プロジェクタ側の制御系は、絞りオン(ON)/オフ(OFF)/自動(AUTO)の3種類の設定モードを有する。
絞りOFFモードでは絞り全開状態で遮光率0%、絞りONでは遮光率50%、絞りAUTOでは遮光率0〜80%の間で最適な絞り開口となるように可変制御される。
ここで、AUTOモードでの絞り開口率の制御方法について説明する。
液晶パネルドライブ回路では入力信号フォーマットを出力フォーマットに見合った画面サイズ、映像信号タイミング、解像度などに変換するために、最低1フレーム分はいったんフレームバッファに蓄積した後パネルドライバより出力される。
絞り装置制御用のマイコンは、出力前の1フレームに含まれる画像データの平均輝度レベルを示すAPL情報を取り込み、その値を認識する。
認識したAPL情報に基づいて最適な絞り開口を得るためのコントロール信号にデジタル・アナログ(DA)変換される。
液晶パネルへの画像信号出力と同期して、APL情報より最適化されたこのコントロール信号を絞り装置駆動回路に印加し、最適な絞り開口を得る。
映像信号のAPL情報に基づき、絞りの開口と共に液晶パネル122R,122G,122Bを駆動する信号レベルが制御される。
たとえば、映像信号として暗い画面が入力されたときは、絞りの開口を小さくして光出力を制限し、逆に液晶パネル122R,122G,122Bを駆動する信号レベルを高くして所定の階調レベルの映像を表示する。
このような制御を行うことで液晶パネル122R,122G,122Bが表示可能なダイナミックレンジをより広く活用することになり、暗い映像においても優れた階調表現を行うことができる。また、開口を小さく絞ることにより液晶パネル122R,122G,122Bに入射する光束角が小さくなり入射角特性(視野角依存性)が改善しコントラスト比が向上する。
絞り装置制御用のマイコンは、前後フレームのAPL変動を比較しその差分を認識する。
フレーム間でのAPL変動が予め設定されたしきい値を超える場合は、コントロール信号に対して1以下の係数を乗じて絞り装置を駆動することで絞り開口の急激な変化を抑制する。
鑑賞者である人間の眼は急激な明るさ変化に対してはその明るさの絶対値において鈍感である。たとえば、一般的に急に暗いところから明るいところに移動した際に、周囲の明るさに眼が慣れるまでには約40秒の時間を要する。
こうした眼の特性を踏まえて鑑賞者が不快感を覚えないような係数を求め、絞り装置駆動に関連した諸パラメータを決定する。
次に、本実施形態における絞り装置200の耐熱対策について述べる。
図17は、本実施形態に係る液晶プロジェクタ100の絞り装置に対する冷却構造を示す図である。
液晶プロジェクタ100においては、図示しないが、冷却構造として、ランプバラストおよび絞り装置冷却専用シロッコファン、プリズムおよび絞り装置冷却専用シロッコファン、プリズム冷却用送風口等を備えている。
本実施形態においては、プリズム冷却ダクトの風の一部を内気でシールされたメインプレートの穴経由で絞り冷却ダクト600につなぎ、投射光学系126内の絞り羽根202,203を強制冷却する。
具体的には、図18に示すように、投射光学系126の穴126aを形成し、ダクト600を通して内気の風を送り込む。なお、穴126aの形成位置の対角側にも風の逃げ穴を形成する。
このように、本実施形態においては、投射光学系126側の絞り冷却に対して、内気循環ダクト側から絞り冷却ダクトを経由し、風を引き回す。
したがって、内気の風を利用するため、投射レンズがごみの影響を受けない。
また、専用のファンの設ける必要がないことから、コスト低減を図れ、形状の最小化を図ることができる。
また、いわゆるピンポイントで風を当てることができ、最小の風量で大きな冷却効果を得ることが可能となる。
以上説明したように、本実施形態によれば、セット外形サイズの増大等を抑止でき、コントラスト向上を図れ、また、静音性に優れた投射型表示装置を実現することが可能となる。
本実施形態による照明絞り装置200を所定の場所に設置すると従来の照明光学系の光学設計を変えることなく偏光効率を向上できるので、スクリーン上に投写される映像コントラストを大幅に向上させることができる。
本絞り装置200を設置することによる投射光学系の占有体積の増加は絞り装置取り付け部周辺のみであり、商品性を損なうことなく大幅に性能向上を達成できる。
さらに、絞り装置200は、駆動用アクチュエータを強制冷却する構造を有し、絞り装置の羽根およびその周辺部を強制冷却する構造を有することから、駆動アクチュエータ等の各部が高熱の影響で誤動作することを防止できる。
本実施形態に係る光学装置を採用した液晶プロジェクタ(投射型表示装置)を原理的に示す図である。 本実施形態に係る光学装置を採用した液晶プロジェクタ(投射型表示装置)の実装形態を示す図である。 本実施形態に係る光学部品としての光学補償板の構成例を示す図である。 液晶パネルのパネルコントラスト視野角特性の照明光(入射光)角度依存性を示す図である。 パネルコントラストの照明光角度依存性を示す図を説明するための図である。 液晶パネルへの照明光角度分布を示す図である。 絞り形状とコントラスト特性分布を合わせた状態を模式的に示す図である。 光線角度の大小とコントラストおよび明るさとの関係を示す図である。 本実施形態に係る液晶プロジェクタの光軸を直線に配置し、光線を図示しない場合の光学系配置を示す図である。 本実施形態に係る絞り装置の開放時の構成例を示す図である。 本実施形態に係る絞り装置の最小絞り径時の構成例を示す図である。 本実施形態に係る絞り装置の基体の構成を説明するための図である。 好適な絞り形状の一例を説明するための図である。 本実施形態に係るガルバノメータの一例を示す回路図である。 本実施形態に係るホール素子増幅系回路の第1の例を示す回路図である。 本実施形態に係るホール素子増幅系回路の第2の例を示す回路図である。 本実施形態に係る液晶プロジェクタの絞り装置に対する冷却構造を示す図である。 本実施形態に係る液晶プロジェクタの絞り装置に対する冷却構造を示す図である。
符号の説明
100…液晶プロジェクタ、101…光源部、102…コリメータレンズ、103…光学フィルタ、104…第1のマルチレンズアレイ(MLA)、105…第2のMLA、106…偏光変換素子、107…集光レンズ、108…照明光学装置、110R、110G…ダイクロイックミラー、111,112,113…反射ミラー、120R,120G,120B…集光レンズ、121R,121G,121B…偏光板、122R,122G,122B…液晶パネル、123R,123G,123B…偏光板、124R,124G,124B…光学部品としての光学補償板、125…ダイクロイックプリズム、126…投射光学系、130,131…リレーレンズ、200…絞り装置、201…基体、202,203…絞り羽根。

Claims (17)

  1. 入力される画像情報に基づいて入射される照明光を変調して出射する光変調部と、
    上記光源からの照明光を上記光変調部に入射させる照明光学装置と、
    上記光変調部のコントラスト視野角特性に複数のピーク方位角を持たせることが可能な光学部品と、
    上記光変調部から出射される光を投射する投射光学系と、を有し、
    上記投射光学系には、開口形状が可変な絞りと当該絞りを駆動する駆動部とが1つの基体に設けられた絞り装置が配置され、
    上記絞り装置は、開口形状が、
    上記光変調部の複数のピーク方位角を持つコントラスト視野角特性の高コントラスト域の2次元的な分布形状と略一致するように形成されている
    投射型表示装置。
  2. 上記コントラスト視野角特性の分布形状は、中心部に対してピークを持つ第1ピーク部と、当該第1ピーク部に略直交する方向にピークを持つ第2ピーク部と、上記第1ピーク部と上記中心部を挟んで対向する側にピークを持つ第3ピーク部と、上記第2ピーク部と上記中心部を挟んで対向する側にピークを持つ第4ピーク部と、を含み、
    高コントラスト域が、上記中心部から、上記第1ピーク部、上記第2ピーク部、上記第3ピーク部、および第4ピーク部に至るような形状を有する
    請求項1記載の投射型表示装置。
  3. 上記絞り装置の開口形状は、略十字型を有する
    請求項2記載の投射型表示装置。
  4. 上記絞り装置は、上記投射光学系の瞳位置近傍に配置された2つの絞り羽根を駆動系によりスライドさせて絞り領域を形成する
    請求項3記載の投射型表示装置。
  5. 上記絞り装置は、上記投射光学系のレンズ鏡筒部に対して脱着可能に形成されている
    請求項1記載の投射型表示装置。
  6. 上記投射光学系に配置される絞り装置に対する循環冷却風の送風経路が形成されている 請求項1記載の投射型表示装置。
  7. 上記絞り装置の駆動部は、上記絞りの開閉動作を連接リンク機構により駆動するアクチュエータを有する
    請求項1記載の投射型表示装置。
  8. 上記絞り装置の駆動部は、ガルバノメータを含むアクチュエータを有する
    請求項1記載の投射型表示装置。
  9. 上記アクチュエータは、ホール素子を有するガルバノメータを含み、
    上記ホール素子は2端子出力であって、
    上記ホール素子の第1出力とリファレンス電圧を差動増幅してホール電圧として上記ホール素子に供給する第1の差動増幅回路と、
    上記ホール素子の第2出力と上記リファレンス電圧を差動増幅して出力する第2の差増増幅回路と、を有する
    請求項8記載の投射型表示装置。
  10. 上記照明光学装置は、
    照明光を出射する光源と、
    上記光源から発せられた照明光を均一化する、光軸上に所定間隔をあけて配置された一対の第1のマルチレンズレンズおよび第2のマルチレンズアレイと、を有する
    請求項1記載の投射型表示装置。
  11. 上記絞り装置は、全閉状態でも遮光率が100%以外となるように形成されている
    請求項1記載の投射型表示装置。
  12. 上記絞り装置は、複数の絞り羽根を含み、当該複数の絞り羽根が同期的に開閉される
    請求項1記載の投射型表示装置。
  13. 映像信号のAPL(average picture level )に連動して上記可変開口絞り装置の絞り径を変動させるとともに、上記映像信号の振幅を制御する制御部を有する
    請求項1記載の投射型表示装置。
  14. 上記制御部は、上記映像信号のAPL(average picture level)が減少した場合に、上記駆動部で駆動することにより上記絞り装置の絞りの開口を小さくすると共に、上記映像信号の振幅を大きくするように制御する
    請求項13記載の投射型表示装置。
  15. 入力される画像情報に基づいて入射される照明光を変調して出射する液晶パネルと、
    上記光源からの照明光を上記液晶パネルに入射させる照明光学装置と、
    上記液晶パネルのコントラスト視野角特性に複数のピーク方位角を持たせることが可能な光学部品と、
    上記液晶パネルから出射される光を投射する投射光学系と、を有し、
    上記投射光学系には、開口形状が可変な絞りと当該絞りを駆動する駆動部とが1つの基体に設けられた絞り装置が配置され、
    上記絞り装置は、
    開口形状が、上記液晶パネルの複数のピーク方位角を持つコントラスト視野角特性の高コントラスト域の2次元的な分布形状と略一致するように形成され、絞り形状が上記液晶パネルの高コントラスト域の形状に合わせるように配置されている
    投射型表示装置。
  16. 上記コントラスト視野角特性の分布形状は、中心部に対してピークを持つ第1ピーク部と、当該第1ピーク部に略直交する方向にピークを持つ第2ピーク部と、上記第1ピーク部と上記中心部を挟んで対向する側にピークを持つ第3ピーク部と、上記第2ピーク部と上記中心部を挟んで対向する側にピークを持つ第4ピーク部と、を含み、
    高コントラスト域が、上記中心部から、上記第1ピーク部、上記第2ピーク部、上記第3ピーク部、および第4ピーク部に至るような形状を有する
    請求項15記載の投射型表示装置。
  17. 上記絞り装置の開口形状は、略十字型を有する
    請求項16記載の投射型表示装置。
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