JP2008156550A - ビニル芳香族化合物重合体の製造方法 - Google Patents

ビニル芳香族化合物重合体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】メタロセン系触媒によりビニル芳香族化合物を重合してビニル芳香族化合物重合体を製造する方法であって、透明性に優れた重合体を製造する方法を提供すること。
【解決手段】ビニル芳香族化合物を含む単量体を、多置換フェノール類の存在下、メタロセン系触媒により重合することを特徴とするビニル芳香族化合物重合体の製造方法。好ましくは、単量体に対して0.01〜100wtppmの多置換フェノール類の存在下で重合を行うビニル芳香族化合物重合体の製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、ビニル芳香族化合物重合体の製造方法に関するものである。
エチレン−スチレン共重合体、プロピレン−スチレン共重合体などのビニル芳香族化合物重合体は、光学部品、包装フィルムなど種々の製品に有用であることが知られている。例えば、メタロセン系触媒によりエチレンとスチレンとを共重合してなる重合体は、複屈折率が小さく且つ応力による複屈折率の変化が小さいため、光ファイバーとして好適に用いられること(例えば、特許文献1参照。)、メタロセン系触媒によりエチレンとスチレンとジビニルベンゼンとを共重合してなる重合体は、柔軟性、弾性回復性に優れるため、ストレッチフィルムやシュリンクフィルムとして好適に用いられること(例えば、特許文献2参照。)が知られている。
特開2000−264924号公報 特開2000−313724号公報
しかしながら、従来のビニル芳香族化合物重合体は、透明性において、必ずしも十分満足のいくものではなかった。
かかる状況のもの、本発明が解決しようとする課題は、メタロセン系触媒によりビニル芳香族化合物を重合してビニル芳香族化合物重合体を製造する方法であって、透明性に優れた重合体を製造する方法を提供することにある。
すなわち、本発明は、ビニル芳香族化合物を含む単量体を、多置換フェノール類の存在下、メタロセン系触媒により重合することを特徴とするビニル芳香族化合物重合体の製造方法にかかるものである。
本発明により、透明性に優れたビニル芳香族化合物重合体を製造する方法を提供することができる。
本発明において「重合」という語は、単独重合のみならず、共重合を包含したものであり、また「重合体」という語は単独重合体のみならず共重合体を包含したものである。
本発明に用いられるビニル芳香族化合物としては、スチレン、2−フェニルプロピレン、2−フェニルブテン、3−フェニルプロピレン等のアルケニルベンゼン;p−メチルスチレン、m−メチルスチレン、o−メチルスチレン、p−エチルスチレン、m−エチルスチレン、o−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、2,5−ジメチルスチレン、3,4−ジメチルスチレン、3,5−ジメチルスチレン、3−メチル−5−エチルスチレン、p−第3級ブチルスチレン、p−第2級ブチルスチレン等のアルキルスチレン;1−ビニルナフタレン等のアルケニルナフタレン等をあげることができる。好ましくは、スチレンである。
ビニル芳香族化合物は、通常、使用する前に、活性アルミナ、シリカ、ゼオライト、イオン交換樹脂等の吸着剤で精製処理される。
ビニル芳香族化合物の精製処理としては、ビニル芳香族化合物に吸着剤を添加して混合撹袢し、濾過または遠心分離によってビニル芳香族化合物から吸着剤を除く方法、吸着剤が充填されたカラムにビニル芳香族化合物を流通させる方法などがあげられる。なお、ビニル芳香族化合物に吸着剤を添加する場合、吸着剤の添加量としては、ビニル芳香族化合物に対して、好ましくは、0.1〜10wt%であり、より好ましくは、0.2〜5wt%である。
ビニル芳香族化合物を精製処理する温度は、通常、−30〜40℃であり、好ましくは−30〜25℃である。
本発明に用いられる多置換フェノール類とは、ベンゼン環に2以上の置換基が結合した化合物であって、該置換基の少なくとも1つがヒドロキシル基である化合物である。該多置換フェノール類としては、カテコール類、レゾルシノール類、ヒドロキノン類、ピロガロール類などがあげられる。
カテコール類とは、置換基の2つがヒドロキシル基であって、該2つのヒドロキシル基が1位と2位との関係にある化合物であり、カテコール、3−メチルカテコール、4−メチルカテコール、4−tertブチルカテコール、3−メトキシカテコール、4−メトキシカテコールなどを例示することができる。好ましくは、4−tertブチルカテコールである。
レゾルシノール類とは、置換基の2つがヒドロキシル基であって、該2つのヒドロキシル基が1位と3位との関係にある化合物であり、レゾルシノール、5−メチルレゾルシノール、5−メトキシレゾルシノールなどを例示することができる。
ヒドロキノン類とは、置換基の2つがヒドロキシル基であって、該2つのヒドロキシル基が1位と4位との関係にある化合物であり、ヒドロキノン、メチルヒドロキノン、メトキシヒドロキノンなどを例示することができる。
ピロガロール類とは、置換基の3つがヒドロキシル基であって、該3つのヒドロキシル基が1位と2位と3位との関係にある化合物であり、ピロガロール、メチル−3、4、5トリヒドロキシベンゾエイトなどを例示することができる。
また、多置換フェノール類としては、置換基の少なくとも1つがアルキル基である化合物を用いることができ、2−tertブチルフェノール、3−tertブチルフェノール、2−tertブチル−4−メチルフェノール、2−tertブチル−5−メチルフェノール、2−tertブチル−6−メチルフェノール、2、6−ジ−tertブチル−4−メチルフェノールなどを例示することができる。置換基の少なくとも1つがアルキル基である化合物としては、好ましくは、2、6−ジ−tertブチル−4−メチルフェノールである。
更に、多置換フェノール類としては、置換基の少なくとも1つがアルコキシル基である化合物を用いることができ、2−メトキシフェノール、3−メトキシフェノール、4−メトキシフェノールなどを例示することができる。置換基の少なくとも1つがアルコキシル基である化合物としては、好ましくは4−メトキシフェノールである。
多置換フェノール類としては、上述の化合物を1種または2種以上組み合わせ用いることができる。好ましくは、カテコール類およびヒドロキノン類であり、より好ましくはカテコール類である。
重合系での多置換フェノール類の存在量は、重合体の透明性を高める観点から、単量体に対して、好ましくは0.01wtppm以上であり、より好ましくは0.1wtppm以上である。また、経済性を高める観点から、単量体に対して、好ましくは100wtppm以下であり、より好ましくは10wtppm以下である。
多置換フェノール類は、重合系に単独で添加してもよく、ビニル芳香族化合物などの重合に用いる単量体、重合に用いる溶媒などにあらかじめ添加しておき、重合系に、単量体との混合状態で添加してもよく、溶媒との混合状態で添加してもよい。
本発明に用いられるメタロセン系触媒とは、シクロペンタジエン形アニオン骨格を有する基を有する遷移金属化合物を触媒成分に用いた触媒である。シクロペンタジエン形アニオン骨格を有する基としては、η5−シクロぺンタジエニル基、η5−メチルシクロぺンタジエニル基、η5−ペンタメチルシクロぺンタジエニル基、η5−インデニル基、η5−メチルインデニル基、η5−4,5,6,7−テトラヒドロインデニル基、η5−フルオレニル基、η5−メチルフルオレニル基などを例示することができる。
シクロペンタジエン形アニオン骨格を有する基を有する遷移金属化合物としては、一般式MLaXn-a(式中、Mは元素の周期律表(IUPAC無機化学命名法改訂版1989:以下同じ。)の第4族又はランタナイド系列の遷移金属原子である。nは遷移金属原子の原子価を表し、aは0<a≦nなる整数である。Lはシクロペンタジエン形アニオン骨格を有する基であり、Lが複数ある場合、複数のLは結合していてもよい。Xはハロゲン原子、水素又は炭素数1〜20の炭化水素基である。)で表さる化合物をあげることができる。
上記一般式 MLaXn-a で表される遷移金属化合物の内、Mがジルコニウムである化合物としては、エチレンビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、エチレンビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジブロマイド、エチレンビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジメチル、エチレンビス(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、エチレンビス(ペンタメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、イソプロピリデンビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ビス(インデニル)ジルコニウムジクロライド、ビス(インデニル)ジルコニウムジブロマイド、ビス(インデニル)ジルコニウムジメチル、ビス(4,5,6,7−テトラヒドロインデニル)ジルコニウムジクロライド、ビス(4,5,6,7−テトラヒドロインデニル)ジルコニウムジブロマイド、ビス(4,5,6,7−テトラヒドロインデニル)ジルコニウムジメチル、ビス(フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ビス(フルオレニル)ジルコニウムジブロマイド、ビス(フルオレニル)ジルコニウムジメチル、エチレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロライド、エチレンビス(インデニル)ジルコニウムジブロマイド、エチレンビス(インデニル)ジルコニウムジメチル、エチレンビス(4,5,6,7−テトラヒドロインデニル)ジルコニウムジクロライド、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシリレンビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシリレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシリレンビス(4,5,6,7−テトラヒドロインデニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルシリレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロライド、シクロペンタジエニルジメチルアミノジルコニウムジクロライド、シクロペンタジエニルフェノキシジルコニウムジクロライド、ジメチルシリレン(tert−ブチルアミノ)(テトラメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシリレン(n−ブチルアミノ)(テトラメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ビス(tert−ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド等を例示することができる。また、上記例示化合物のジルコニウムを、チタン、ハフニウム等に置き替えた遷移金属化合物も例示することができる。
シクロペンタジエン形アニオン骨格を有する基を有する遷移金属化合物としては、下記一般式[I](式中、M1は元素の周期律表の第4族の遷移金属原子を示し、Aは元素の周期律表の第16族の原子を示し、Jは元素の周期律表の第14族の原子を示す。Cp1はシクロペンタジエン形アニオン骨格を有する基である。X1、X2、R1、R2、R3、R4、R5およびR6はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アラルキル基、アリール基、置換シリル基、アルコキシ基、アラルキルオキシ基、アリールオキシ基または2置換アミノ基を示す。R1、R2、R3、R4、R5およびR6は任意に結合して環を形成してもよい。)で表される遷移金属化合物が好ましい。
Figure 2008156550
式[I]で表される遷移金属錯体の具体例としては、例えばジメチルシリル(テトラメチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライドやイソプロピリデン(シクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライドなどがあげられる。
メタロセン系触媒においては、シクロペンタジエン形アニオン骨格を有する基を有する遷移金属化合物に加え、通常、アルミニウム化合物(化合物(A))やホウ素化合物(化合物(B))を触媒成分に用いる。
アルミニウム化合物としては、下記(A1)〜(A3)からなる群から選ばれる1種以上の化合物をあげることができる。
(A1)一般式 E1 aAlZ3-aで示される有機アルミニウム化合物
(A2)一般式 {−Al(E2)−O−}bで示される構造を有する環状のアルミノキサン
(A3)一般式 E3{−Al(E3)−O−}cAlE3 2で示される構造を有する線状のアルミノキサン
(但し、aは0<a≦3を満足する数で、bは2以上の整数を、cは1以上の整数を表す。E1、E2およびE3は、それぞれ炭化水素基であり、全てのE1、全てのE2及び全てのE3は同じであっても異なっていてもよい。Zは水素原子またはハロゲン原子を表し、全てのZは同じであっても異なっていてもよい。)
一般式 E1 aAlZ3-aにおけるE1の炭化水素基としては、炭素数1〜8の炭化水素基が好ましく、アルキル基がより好ましい。一般式 E1 aAlZ3-aで示される有機アルミニウム化合物(A1)の具体例としては、トリエチルアルミニウム、またはトリイソブチルアルミニウムなどがあげられ、好ましくはトリイソブチルアルミニウムである。
一般式 {−Al(E2)−O−}bで示される構造を有する環状のアルミノキサン(A2)、一般式 E3{−Al(E3)−O−}cAlE3 2で示される構造を有する線状のアルミノキサン(A3)におけるE2、E3としては、メチル基、エチル基、ノルマルプロピル基、イソプロピル基、ノルマルブチル基、イソブチル基、ノルマルペンチル基、ネオペンチル基等のアルキル基を例示することができる。E2、E3として好ましくは、炭素数1〜8の炭化水素基であり、より好ましくは、アルキル基であり、更に好ましくは、メチル基、イソブチル基である。bは2以上の整数であり、好ましくは、2〜40である。cは1以上の整数であり、好ましくは、1〜40である。
ホウ素化合物としては、下記(B1)〜(B3)からなる群から選ばれる1種以上の化合物(B)をあげることができる。
(B1)一般式 BQ123で表されるホウ素化合物
(B2)一般式 G+(BQ1234-で表されるホウ素化合物
(B3)一般式 (L−H)+(BQ1234-で表されるホウ素化合物
一般式 BQ123で表されるホウ素化合物(B1)において、Bは3価の原子価状態のホウ素原子であり、Q1〜Q3はハロゲン原子、炭化水素基、ハロゲン化炭化水素基、置換シリル基、アルコキシ基又は2置換アミノ基であり、それらは同じであっても異なっていてもよい。Q1〜Q3は好ましくはハロゲン原子、1〜20個の炭素原子を含む炭化水素基、1〜20個の炭素原子を含むハロゲン化炭化水素基、1〜20個の炭素原子を含む置換シリル基、1〜20個の炭素原子を含むアルコキシ基または2〜20個の炭素原子を含むアミノ基であり、より好ましくはQ1〜Q3はハロゲン原子、1〜20個の炭素原子を含む炭化水素基、または1〜20個の炭素原子を含むハロゲン化炭化水素基である。化合物(B1)の具体例としては、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン等があげられる。
一般式 G+(BQ1234-で表されるホウ素化合物(B2)において、G+は無機または有機のカチオンであり、Bは3価の原子価状態のホウ素原子であり、Q1〜Q4は上記の(B1)におけるQ1〜Q3と同様である。一般式 G+(BQ1234-で表される化合物における無機のカチオンであるG+の具体例としては、フェロセニウムカチオン、アルキル置換フェロセニウムカチオン、銀陽イオンなどが、有機のカチオンであるG+としては、トリフェニルメチルカチオンなどが挙げられる。G+として好ましくはトリフェニルメチルカチオンである。(BQ1234-としては、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートなどが挙げられる。G+(BQ1234)の具体例としてはトリフェニルメチルテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートなどがあげられる。
また、一般式(L−H)+(BQ1234-で表されるホウ素化合物(B3)においては、Lは中性ルイス塩基であり、(L−H)+はブレンステッド酸であり、Bは3価の原子価状態のホウ素原子であり、Q1〜Q4は上記のルイス酸(B1)におけるQ1〜Q3と同様である。一般式(L−H)+(BQ1234-で表される化合物におけるブレンステッド酸である(L−H)+の具体例としては、トリアルキル置換アンモニウム、N,N−ジアルキルアニリニウム、ジアルキルアンモニウム、トリアリールホスホニウムなどが挙げられ、(BQ1234-としては、前述と同様のものがあげられる。(L−H)+(BQ1234)の具体例としてはN,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートなどをあげることができる。
各触媒成分の使用量は通常、化合物(A)/遷移金属化合物のモル比が0.1〜10000で、好ましくは5〜2000、化合物(B)/遷移金属化合物のモル比が0.01〜100で、好ましくは0.5〜10の範囲にあるように、各成分を用いることが望ましい。各触媒成分を溶液状態もしくは溶媒に懸濁状態で用いる場合の濃度は、重合反応器に各触媒成分を供給する装置の性能などの条件により、適宜選択されるが、一般に、遷移金属化合物が、通常0.01〜500μmol/g、好ましくは0.05〜100μmol/g、化合物(A)が、Al原子換算で、通常0.01〜10000μmol/g、好ましくは0.1〜5000μmol/g、化合物(B)は、通常0.01〜500μmol/g、好ましくは0.05〜200μmol/gの範囲にあるように各成分を用いることが望ましい。
メタロセン系触媒は、SiO2やAl23等の無機担体、オレフィン重合体(ポリエチレン、ポリスチレン等)等の有機ポリマー担体等の粒子状担体を含むものであってもよい。
メタロセン系触媒を用いてなるビニル芳香族化合物の重合においては、通常、他の共重合性モノマーとの共重合を行う。ビニル芳香族化合物と共重合するモノマーとしては、例えば、エチレン、プロピレン、ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン、3−メチル−1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1,3−ブタジエン、シクロペンダジエン、2−ノルボルネン、テトラシクロドデセン、ビニルシクロヘキサンなどのオレフィン類があげられ、これらは、1種または2種以上用いられる。好ましくは、エチレンとプロピレンである。
重合法としては、液相重合法、気相重合法があげられる。また、重合形式としては、バッチ式であってもよく、連続式であってもよい。
重合反応器としては、撹拌式槽型反応器、管型反応器等が使用できる。また、重合反応器内を複数の反応帯域となるように区切ってもよく、複数個の重合反応器を直列または並列に連絡しもよい。複数個の重合反応器を連結する場合、連結する重合反応器の組み合わせとしては、槽型反応器−槽型反応器であってもよく、槽型反応器−管型反応器であってもよい。
重合においては、重合体の分子量を調節するために、水素等の連鎖移動剤を添加してもよい。
液相重合法で重合する場合、使用される溶媒は、例えばブタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサンなどの飽和炭化水素系溶媒;トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素系溶媒があげられる。また、重合温度は、通常、−20〜120℃であり、重合時間は、通常、1分〜10時間である。
本発明により得られたビニル芳香族化合物重合体は、透明性に優れる。
本発明により得られたビニル芳香族化合物重合体は、光ディスク基板、カメラ用レンズなどの光学材料の分野、ブリスターバック用シートなどの包装材料の分野に好適に用いられる。
以下、実施例および比較例によって本発明をさらに詳細に説明する。
重合体の性質は、下記の方法によって測定した。
(1)水分含量の測定
微量水分測定装置(平沼微量水分測定装置AQ−2000)を用いて測定した。
(2)極限粘度[η]
ウベローデ型粘度計を用い、テトラリンを溶媒として、温度135℃で測定した。
(3)ガラス転移点
示差走査熱量計(セイコー電子工業社製 SSC−5200)を用いて、次の条件で吸熱曲線を測定し、該曲線の変曲点よりガラス転移点を求めた。
[測定条件]
状態調整:20℃から200℃まで10℃/分で昇温し、200℃で10分間保持し、次に、200℃から−50℃まで10℃/分で降温し、−50℃で10分間保持した。
測定:状態調整後、直ちに−50℃から300℃まで10℃/分で昇温した。
(4)数平均分子量および分子量分布
ゲル・パーミュエーション・クロマトグラフ(日本分光社製)を用いて、次の条件で分子量分布曲線を測定し、該曲線から数平均分子量および分子量分布を求めた。なお、分子量分布は重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)で評価した。
[測定条件]
カラム :東ソ(株)社製 TSKgelG6000+G5000+G4000+G3000HXL
測定温度:40℃
移動相 :テトラヒドロフラン
試料濃度:1mg/ml
分子量標準物質:標準ポリスチレン
(5)重合体中の単量体単位含有量
エチレン単位とスチレン単位とテトラシクロドデセン単位とは、次の条件で測定したプロトン核磁気共鳴スペクトル(1H−NMR)とカーボン核磁気共鳴スペクトル(13C−NMR)から求めた。
1H−NMR]
装置 日本電子社製 JNM−EX270
測定溶媒 ジクロロメタン−d2
測定温度 室温
13C−NMR]
装置 BRUKER社製 AC250
測定溶媒 オルトジクロロベンゼンと重ベンゼンの85:15(容積比)混合液
測定温度 135℃
(6)重合体フィルムの透明性
フィルムの作成は、厚み調整用として厚み100μmの型枠を用いて、重合体を温度190℃で3分間予熱後、圧力18kg/cm2で5分間プレスし、その後、30℃に温調したプレス板で2分間プレスして行った。得られたフィルムの全光線透過率、内部ヘーズを次の方法で測定した。
全光線透過率:JIS K7105に従って実施した。
内部ヘーズ:測定装置の試料ホルダーに、ジメチルフタレートで満たしたガラス製セルを設置した。光が垂直に入射するようにフィルムをセル内に浸漬して、JIS K7105に従ってヘーズ値を測定し、下式より内部ヘーズの値を求めた。ブランクは当該ガラス製セルにジメチルフタレートのみが入った状態でのヘーズの値である。
[内部ヘーズ]=[測定値]−[ブランク]
実施例1
[スチレンの調整]
アルゴンで置換した500mlのガラスフラスコに、スチレン180gと活性アルミナ(NKHD24住友化学(製))10gを添加した。温度25℃で30分間、スチレン中にアルゴンを流通させた。アルゴン雰囲気下のまま、スチレン中から活性アルミナを抜き出し、tert−ブチルカテコール2mg添加した。
[重合]
アルゴンで置換した300mlのガラスフラスコ中に、予めスチレン3.1g、テトラシクロドデセン4.8g、脱水トルエン118gを投入し、次いでエチレンを20分間流通させた。イソプロピリデン(シクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロリド1.9mgを脱水トルエン1.9mlに溶解したものと、トリイソブチルアルミニウムのトルエン溶液1.0ml(トリイソブチルアルミニウムとして1mmol)と、N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート12mgを脱水トルエン3mlに溶解したものとを加え、50℃で1時間撹拌して重合を行なった。
重合反応溶液に、メタノール3mlを添加した。次に、該重合反応溶液100重量部に対して0.1規定の塩酸水溶液100重量部を添加し、5分間攪拌した後、塩酸水溶液を分離した。その後、水100重両部を添加し、5分間攪拌した後、水を分離する操作を2回繰り返した。得られた重合反応液を真空下、80℃で8時間、加熱濃縮した。その後さらに、真空下、230℃で4時間乾燥させて、完全に溶媒の除去を行った。これにより、無色透明固体の重合体1.24gを得た。得られた重合体の[η]は1.0dl/g、数平均分子量は330,000、分子量分布(重量平均分子量/数平均分子量)は2.0、ガラス転移点は120℃、エチレン単位の含有量は49mol%、テトラシクロドデセン単位の含有量は27mol%、スチレン単位の含有量は24mol%であった。
また、得られた重合体のフィルムの透明性は良好であり、全光線透過率は91%、内部へイズは0.3%であった。
比較例1
スチレンの調整において、「tert−ブチルカテコール2mgを添加する」操作を行わなかった以外は実施例1と同様に行い、重合体を得た。得られた重合体のフィルムは白色であり、全光線透過率は89%、内部へーズは3.9%であった。
比較例2
スチレンの調整において、「スチレンに活性アルミナ(NKHD24住友化学(製))10gを添加し、温度25℃で30分間、スチレン中にアルゴンを流通させ、アルゴン雰囲気下のまま、スチレン中から活性アルミナを抜き出す」操作を行なわなかった以外は実施例1と同様に操作を行ったところ、重合体は得られなかった。

Claims (5)

  1. ビニル芳香族化合物を含む単量体を、多置換フェノール類の存在下、メタロセン系触媒により重合することを特徴とするビニル芳香族化合物重合体の製造方法。
  2. 単量体に対して0.01〜100wtppmの多置換フェノール類の存在下で重合を行うことを特徴とする請求項1に記載のビニル芳香族化合物重合体の製造方法。
  3. 多置換フェノール類がカテコール類およびヒドロキノン類から選ばれる少なくとも1種の化合物であることを特徴とする請求項1または2に記載のビニル芳香族化合物重合体の製造方法。
  4. 多置換フェノール類が4−tertブチルカテコールであることを特徴とする請求項1または2に記載のビニル芳香族化合物重合体の製造方法。
  5. ビニル芳香族化合物と炭素原子数2〜20の非芳香族モノマーとを含む単量体を共重合することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のビニル芳香族化合物重合体の製造方法。
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