JP2008155446A - パネル状の発泡ブロー成形品の成形方法と発泡ブロー成形品。 - Google Patents

パネル状の発泡ブロー成形品の成形方法と発泡ブロー成形品。 Download PDF

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Abstract

【課題】発泡ビ−ズを充填することなく、簡易に軽量で剛性のあるパネル状の発泡ブロー成形品を製造可能とする。
【解決手段】ブロー型におけるパネル状のキャビティ内に収めた発泡パリソンの中空部へ圧縮エアを吹き込んで膨らませ、圧縮エアの内圧によりブロー型のキャビティ内面に発泡パリソンの外面を付形させパネル状成形体14とする。次いで、パネル状成形体14の中空部13の内圧を外部に開放して外部気圧と略同等とし、所定時間この状態を維持し、パネル状成形体14の中空部13内面を形成する発泡樹脂の各セルを成長させ、この成長時に歪み硬化性伸長粘度がセル内圧力より大きいことによりセルの破泡を招くことなく均一かつ独立したセル構造に発達させて、隣接する成長したセル同士を少なくとも融着させて連接して、中空部13内部を成長したセルで形成する。
【選択図】 図3

Description

本発明はパネル状の発泡ブロー成形品の成形方法と発泡ブロー成形品に関する。
ブロ−成形用金型内で、この金型内に垂下させたパリソンをブロ−成形して中空成形体となした後、この金型を若干開いた状態にしてこの中空成形体内に発泡ビ−ズを充填し、続いて、この金型を型締めして加熱水蒸気を吹込んで発泡成形する方法が公知である(特許文献1)。
特開平07−195535号公報
しかし、従来の発泡成形方法では、パリソンをブロ−成形して中空成形体となした後、この金型を若干開いた状態にしてこの中空成形体内に発泡ビ−ズを充填し、続いて、この金型を型締めして加熱水蒸気を吹込んで発泡成形するため、その製造工程が数工程に及び、その成形時間が長くなるという欠点がある。
この発明は、前記従来の技術の欠点を改善し、前記発泡ビ−ズを充填することなく、簡易に軽量で剛性のあるパネル状の発泡ブロー成形品を製造可能な方法とその発泡ブロー成形品を市場に提供することを主目的としてある。
前記課題を達成するために、特定発明は、樹脂材料をブローダイヘッドからパリソンとして押し出し発泡パリソンを形成し、次いで、パネル状の発泡ブロー成形型でこの発泡パリソンを挟んで型閉めし、その後、前記ブロー型におけるパネル状のキャビティ内に収めた発泡パリソン中空部へ圧縮気体を吹き込んで膨らませ、圧縮気体の内圧により前記ブロー型の前記キャビティ内面に発泡パリソンの外面を付形させパネル状成形体とし、
次いで、圧縮気体の吹込みを止め、前記パネル状成形体の中空部の内圧を下げて外部気圧と略同等とし、所定時間この状態を維持し、このパネル状成形体の外面を前記キャビティの内面で冷却し、前記パネル状成形体の中空部内面を高温とし、発泡樹脂の各セルを活性化して成長させ、この成長時に歪み硬化性伸長粘度がセル内圧力より大きいことによりセルの破泡を招くことなく均一かつ独立したセル構造に発達させて、隣接する成長したセル同士を少なくとも融着させて連接して、この後、この中空部の中心部分まで冷却されるまでこのブロー成形型を閉め、冷却が完了したところで前記ブロー成形型を開いて、前記中空部内部を前記成長したセルで形成したパネル状の発泡ブロー成形品を前記ブロー成形型から取り出すことを特徴とするパネル状の発泡ブロー成形品の成形方法としてある。
前記課題を達成するために、関連発明は、パネル状の発泡ブロー成形型でこの発泡パリソンを挟んで型閉めし、その後、前記ブロー型におけるパネル状のキャビティ内に収めた発泡パリソン中空部へ圧縮気体を吹き込んで膨らませ、圧縮気体の内圧により前記ブロー型の前記キャビティ内面に発泡パリソンの外面を付形させてなるパネル状成形体において、
前記パネル状成形体の中空部内部は、この内面を形成する発泡樹脂の各セルの成長に伴い、均一かつ独立したセル構造となった隣接するセル同士が少なくとも融着し、連接して、前記中空部内部は前記成長したセルで形成されていることを特徴とするパネル状の発泡ブロー成形品としてある。
本件方法発明により、従来のような発泡ビ−ズを充填することなく、簡易に軽量で剛性のあるパネル状の発泡ブロー成形品を製造できる。
本件成形品においては、その製造コストを低減できるとともに、従前のものと同等の特性を有する発泡ブロー成形品を得ることができる。
実施の形態1
この形態は、請求項1記載の方法発明の代表的な実施の形態であり、少なくとも核剤を含んだ発泡樹脂材料をブローダイヘッド10からパリソンとして押し出し発泡パリソンPを形成する(図1参照)。この際、冷却水供給排出管17を利用して、前記ブロー型11の空間部内に冷却水を供給し、適温に前記ブロー型11を維持しておく。
次にパネル状の発泡ブロー成形型11でこの発泡パリソンPを挟んで型閉めし、その後、前記ブロー成形型11におけるパネル状のキャビティ12内に収めた発泡パリソンPの中空部へ圧縮エアをエア吹き込みノズルBから吹き込んで膨らませ、圧縮エアの内圧により前記ブロー型11の前記キャビティ12内面に前記発泡パリソンPの外面を付形させパネル状成形体14とする(図2参照)。
次いで、前記エア吹き込みノズルBを引き抜き、前記パネル状成形体14の中空部13の内部を外部に開放してこの内圧を下げて外部気圧と略同等とし、所定時間この状態を維持し、前記冷却水供給排出管17を利用して、前記ブロー型11の空間部内に冷却水を供給し、このパネル状成形体14の外面をこのキャビティ12内面で冷却し、前記パネル状成形体14の中空部13内面をパリソン自体の余熱により、または加熱エアを吹き込んで高温とし、発泡樹脂の各セルを活性化し、成長させ、この成長時に歪み硬化性伸長粘度がセル内圧力より大きいことによりセルの破泡を招くことなく均一かつ独立したセル構造に発達させて、隣接する成長したセル同士を融着させて連接して、前記中空部13内部を前記成長したセルで略充満させ、前記中空部13内部を前記成長したセルで形成する(図3参照)。
この後、前記冷却水供給排出管17を利用して、前記ブロー型11の空間部内に冷却水を供給し、この中空部13の中心部まで冷却されるまでこのブロー成形型11を閉じ、冷却が完了したところで、このブロー成形型11を開いて、パネル状の発泡ブロー成形品16をこのブロー成形型11から取り出し、成形を完了する(図4参照)。この発泡ブロー成形品16は、請求項7記載の発明の代表的な実施の形態である。
実施の形態2
この形態は請求項2記載の方法発明の代表的な実施の形態であり、実施の形態1と異なる内容は、前記中空部内部を前記成長したセルで形成する工程において、隣接する前記セルの一部が破泡している構造を含むことであり、その他は実施の形態1と同様である。
実施の形態3
この形態は請求項3記載の方法発明の代表的な実施の形態であり、実施の形態1と異なる内容は、前記セルを成長させ、独立で均一なセルにする工程において、エアを吹き込むことであり、その他は実施の形態1と同様である。
なお、必要に応じて前記エアの吹き込みを、前記セルの成長に適する温度とし、前記ブロー型内で循環することもある(請求項5記載の発明の代表的な実施の形態に対応)。
また、前記エアの吹き込みを、前記セルの成長に適する温度とし、前記ブロー型内外で循環し、常時適温に維持する場合もある(請求項6記載の発明の代表的な実施の形態に対応)。
前記パネル状の発泡ブロー成形品を二重壁構造のものとすることが好ましい(請求項4、9記載の発明の代表的な実施の形態に対応)。
実施の形態4
実施の形態1において記載したパネル状の発泡ブロー成形品16において、全ての前記中空部13が前記セルにより完全に埋められている場合もある(請求項8記載の発明の代表的な実施の形態に対応)。
前記パネル状の発泡ブロー成形品16は間仕切り、工具箱、簡易トイレの仕切体、業務用屋外、屋内設置型ゴミ箱のうちの一種としてある(請求項10記載の発明の代表的な実施の形態に対応)。
装置発明の代表的な実施の形態の概略を示し、ブロー成形の第1工程を示す概略図である。 ブロー成形の第2工程を示す概略図である。 ブロー成形の第3工程を示す概略図である。 ブロー成形の第4工程を示す概略図である。
符号の説明
B エア吹き込みノズル
P 発泡パリソン
11 ブロー型
12 キャビティ
13 中空部
14 パネル状成形体
16 発泡ブロー成形品
17 冷却水供給排出管

Claims (10)

  1. 樹脂材料をブローダイヘッドからパリソンとして押し出し発泡パリソンを形成し、次いで、パネル状の発泡ブロー成形型でこの発泡パリソンを挟んで型閉めし、その後、前記ブロー型におけるパネル状のキャビティ内に収めた発泡パリソン中空部へ圧縮気体を吹き込んで膨らませ、圧縮気体の内圧により前記ブロー型の前記キャビティ内面に発泡パリソンの外面を付形させパネル状成形体とし、
    次いで、圧縮気体の吹込みを止め、前記パネル状成形体の中空部の内圧を下げて外部気圧と略同等とし、所定時間この状態を維持し、このパネル状成形体の外面を前記キャビティの内面で冷却し、前記パネル状成形体の中空部内面を高温とし、発泡樹脂の各セルを活性化して成長させ、この成長時に歪み硬化性伸長粘度がセル内圧力より大きいことによりセルの破泡を招くことなく均一かつ独立したセル構造に発達させて、隣接する成長したセル同士を少なくとも融着させて連接して、この後、この中空部の中心部分まで冷却されるまでこのブロー成形型を閉め、冷却が完了したところで前記ブロー成形型を開いて、前記中空部内部を前記成長したセルで形成したパネル状の発泡ブロー成形品を前記ブロー成形型から取り出すことを特徴とするパネル状の発泡ブロー成形品の成形方法。
  2. 前記中空部内部を前記成長したセルで形成する工程において、隣接する前記セルの一部が破泡している構造を含むことを特徴とする請求項1記載のパネル状の発泡ブロー成形品の成形方法。
  3. 前記セルを成長させ、独立で均一なセルにする工程において、エアを吹き込むことを特徴とする請求項1又は2記載のパネル状の発泡ブロー成形品の成形方法。
  4. 前記パネル状の発泡ブロー成形品を二重壁構造のものとすることを特徴とする請求項1、2又は3記載のパネル状の発泡ブロー成形品の成形方法。
  5. 前記エアの吹き込みを、前記セルに適する温度とし、前記ブロー型内で循環することを特徴とする請求項1、2、3又は4記載のパネル状の発泡ブロー成形品の成形方法。
  6. 前記エアの吹き込みを、前記セルに適する温度とし、前記ブロー型内外で循環し、常時適温に維持することを特徴とする請求項1、2、3又は4記載のパネル状の発泡ブロー成形品の成形方法。
  7. パネル状の発泡ブロー成形型でこの発泡パリソンを挟んで型閉めし、その後、前記ブロー型におけるパネル状のキャビティ内に収めた発泡パリソン中空部へ圧縮気体を吹き込んで膨らませ、圧縮気体の内圧により前記ブロー型の前記キャビティ内面に発泡パリソンの外面を付形させてなるパネル状成形体において、
    前記パネル状成形体の中空部内部は、この内面を形成する発泡樹脂の各セルの成長に伴い、均一かつ独立したセル構造となった隣接するセル同士が少なくとも融着し、連接して、前記中空部内部は前記成長したセルで形成されていることを特徴とするパネル状の発泡ブロー成形品。
  8. 全ての前記中空部が前記セルにより埋められていることを特徴とする請求項7記載のパネル状の発泡ブロー成形品。
  9. 前記パネル状の発泡ブロー成形品は二重壁構造のものとすることを特徴とする請求項7又は8記載のパネル状の発泡ブロー成形品。
  10. 前記パネル状の発泡ブロー成形品は間仕切り、工具箱、簡易トイレの仕切体、業務用屋外、屋内設置型ゴミ箱のうちの一種としてある特徴とする請求項7、8又は9記載のパネル状の発泡ブロー成形品。
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