JP2008154710A - 超音波診断装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】超音波診断装置の回路基板上の回路デバイスで発生した熱を放熱する。
【解決手段】回路デバイス52に熱伝導部材54の一端を当接させる。熱伝導部材54の他端を、回路デバイス52を実装した回路基板等を収めた筐体の一つの面である筐体底面42の近傍に位置させる。熱伝導部材54の他端を、筐体底面42上に設けられた受け部材58と押しつけ部材60により挟持する。回路デバイス52で発生した熱は、熱伝導部材54および受け部材58を介して筐体底面42に伝わり、ここから放熱される。
【選択図】図3

Description

本発明は、被検体内に対し超音波を送受し、これに基づき超音波画像を得る超音波診断装置に関し、特に超音波を送受する超音波振動子を駆動する送受信回路装置の放熱または冷却に関する。
電子機器の基板上の回路素子の実装密度、またCPU(中央処理装置)等の回路デバイスの集積度が高まると、回路素子、回路デバイスから発生する熱を効率よく放熱する必要が生じる。回路デバイス等の冷却のために、回路デバイス等に接触するヒートシンクにより発生した熱を吸熱したり、回路デバイス等が実装される基板に熱伝導の良好な層を設け、これにより吸熱したりする方法が、従来より提案されている。例えば、下記特許文献1には、ボルトにより基板に固定されてCPUに密着するヒートシンクが示されている。そして、このヒートシンクは、CPUで発生した熱をヒートパイプにより冷却フィンへと効率よく導く構成となっている。また、特許文献2には、基板内に熱伝導性のよい材料からなる層を設け、回路デバイス等で発生した熱を、この層を伝達させて機器の外部に放熱する基板が開示されている。
超音波診断装置は、多数の超音波振動子を駆動するために、これらの振動子に対応した数の送受信回路を有している。近年、超音波診断装置においては、振動子を縦横に配置した二次元アレイが開発されるなど、振動子数、すなわちチャンネル数が増加し、これに合わせて、送受信回路、受信信号の処理回路などの回路規模も増大する傾向にある。これに呼応して、これらの回路の放熱、特に回路基板に実装された回路デバイスの放熱が問題となりつつある。
超音波診断装置の送受信回路装置は、外形を小形化するために、例えば、下記特許文献3に示されるように、一つの親基板に対し、複数の子基板が、親基板に対して略直交するように配置されて装着される構成を有する。
特開2006−13043号公報 特開2001−203313号公報 特開2004−305416号公報
超音波診断装置の送受信回路装置や受信信号の処理回路等の超音波画像形成に係る回路は、小形化の要請から、実装密度が高く、大きなヒートシンクを設ける十分な空間がない。特に、超音波プローブ内に送受信回路装置の一部を設ける場合、小形化に対する要請が強く、回路から発生する熱の放熱が問題となる。
本発明は、超音波診断装置の送受信回路装置の放熱性の改善を目的とする。
本発明の超音波診断装置は、装置本体または超音波プローブの筐体に受け部材を設け、この受け部材に、超音波画像の形成に係る回路の回路デバイスと当接する熱伝導部材を接触させて、回路デバイスの熱を熱伝導部材を介して筐体に伝え、放熱させる。受け部材に熱伝導部材を接触させるために、受け部材に対して進退し、進出して受け部材と共に熱伝導部材を挟持する押さえ部材が設けられている。押さえ部材を退避させて、熱伝導部材を解放すれば、熱伝導部材を容易に取り外すことができる。
また、複数の押さえ部材を連結し、これらを一括的に連動して進退させる連動機構を有するようにできる。
また、回路デバイスを実装した回路基板は、親回路基板の一方の面に垂直に結合された、互いに平行な子回路基板である場合には、親回路基板に、子回路基板が結合された面と反対側に熱伝導部材を通すためのスリットを形成することができる。
回路基板上の回路デバイスから熱を筐体に導き、放熱することができる。また、熱伝導部材を解放可能に挟持したことにより、これの着脱が容易となる。
以下、本発明の実施形態を図面に従って説明する。図1は、本実施形態に係る超音波診断装置10の概略構成を示すブロック図である。超音波診断装置10は、被検体に対し超音波を送受するプローブヘッド12を含む超音波プローブ14と、超音波プローブを制御して超音波の送受信を行い、得られた受信信号に基づき超音波画像を提供する装置本体16とに大別される。
超音波プローブ14は、装置本体16に着脱可能なプローブコネクタ18を有し、これには接続ピン20を備えたプラグ22が設けられている。接続ピン20と、プローブヘッド12の各振動子とは、プローブケーブル24によって接続されている。また、プローブコネクタ18には、プローブヘッド12からの超音波の送受信の制御や、超音波振動子の駆動、受信された信号に対し所定の処理を行うコネクタ側送受信回路装置26が収容されている。
装置本体16には、プローブコネクタのプラグ22を受けるレセプタクル28が設けられ、レセプタクル28は、プラグ22の接続ピン20と接続する接続穴30が設けられている。プローブコネクタ18を装置本体16に装着すると、プラグ22とレセプタクル28が結合し、接続ピン20は接続穴30に接触する。これにより、超音波プローブ14と装置本体16とが電気的に接続される。
装置本体16は、本体側送受信回路装置32を備えている。本体側送受信回路装置32は、コネクタ側の送受信回路装置26と協働して、超音波プローブ14の超音波の送受等に係る制御を行う。本体側送受信回路装置32は、送受制御部34の制御に従い動作し、また、送受制御部34は、操作パネル36より入力されたユーザからの指示に応じて送受信回路装置32の制御を行う。取得された受信信号は、画像形成部38に送られ、ここで所定の処理が実行されて、Bモード断層画像等の所定の画像が形成される。この形成された画像は、例えばディスプレイ40に表示され、ユーザに提供される。
前述のようにプローブコネクタ18には、超音波の送受信、受信信号の処理等を行う回路の一部が備えられている。これらの回路は、従来装置本体16に備えられている送受信回路装置の一部を分離し、更に新たな機能を追加して超音波プローブ14側に設けたものである。このような構成を採るのは、一つには、超音波振動子数の増加等に伴い、回路規模が増大し、装置本体のスペースが足りないこと、さらに配線数の増加により、プローブコネクタ18に設けられる接続ピン20が、コネクタの装置本体16に対向する面に収まらなくなる等の理由による。一部の信号処理を超音波プローブ14側で行うことにより、接続ピン、接続穴の数の減少を図っている。
このように、プローブコネクタ18に回路を内蔵した場合、回路デバイスなどの回路素子からの発熱が問題となる。この発熱は、回路デバイスそのものの故障、コネクタのケースの変形などの問題を生じさせる可能性があり、適切に放熱する必要がある。
図2は、プローブコネクタ18内に設けられるコネクタ側送受信回路装置26の概略構成を示す分解斜視図である。図において、プローブコネクタの筐体は、装置本体16に向いた面(以下、筐体底面42と記す)のみを示し他の面は省略している。また、図3は、コネクタ側送受信回路装置26を図2の右側方より見た状態を示す側面図である。また、プラグ22等の構成は、図の複雑化を避けるために省略する。
コネクタ側送受信回路装置26は、筐体底面42と並行して配置される親回路基板44と、親回路基板44に垂直に配置されて結合される複数の子回路基板46を含む。複数の子回路基板46は、互いに略平行に配置されている。親回路基板44および子回路基板46には、それぞれ基板コネクタ48,50が設けられており、これらが結合することで、親回路基板44上の回路と、子回路基板46上の回路とが電気的に接続される。子回路基板46上には、各種の回路素子が実装されており、図3においては、特に発熱源となる回路デバイス52が示されている。
回路デバイス52には、熱伝導部材54が接着剤により結合されるなどして接触しており、この熱伝導部材54は、子回路基板46に沿って、筐体底面42に向けて延びている。この熱伝導部材54を通すために、親回路基板44にはスリット56が設けられている。スリット56を抜けて、筐体底面42の近傍まで延びた熱伝導部材54に対応する筐体底面上の位置に、受け部材58が設けられている。熱伝達部材54は、後述する押さえ部材60により、受け部材58に押しつけられる。熱伝導部材54を伝達した熱は、受け部材58を介して筐体底面42に伝達される。受け部材58は、筐体底面42と一体に形成されることが好ましいが、筐体底面とは別部材として形成し、接着などにより接合することもできる。筐体底面42は、金属などの熱伝導性の良好な材料で形成され、ここからプローブコネクタ18内で発生した熱が装置本体側に伝達される。特に、筐体底面42をプローブコネクタ18の筐体の他の部分より良好な熱伝導性を有することにより、超音波診断装置の操作者に対し露出している部分の温度を抑制することができる。
各押さえ部材60は、子回路基板46の配列方向に延びる4本のロッド62に支持されている。ロッドは、押さえ部材60の両側の端にそれぞれ2本配置され、一方の端においては、上下に配置されている。押さえ部材60の両端面には、2個ずつ突起66が設けられ、この突起66がロッド62に形成された軸穴68に回動可能に係合している。ロッド62の一カ所、本実施形態においては、その端部に駆動板70が結合されている。駆動板70には、ロッド62にそれぞれ立設された突起72と係合する軸穴74が設けられている。駆動板70には、更にロックレバー76のスリット80と係合する突起78が設けられている。ロックレバー76は、筐体底面42上に回動可能に保持される回動軸82を軸として回動でき、筐体底面42上に設けられるロック受け座84に掛けることにより、その動きを固定することができる。
ロックレバー76が、図3に実線で示す位置にあるときには、押さえ部材60は、受け部材58に対して退避した位置にあり、熱伝導部材54から離れた位置にある。ロックレバー76を倒してロック受け座84に掛けられる位置(一点鎖線で示す位置)とすると、押さえ部材60は受け部材58に向けて移動し、受け部材58と共に熱伝導部材54を挟持する。これにより、熱伝導部材54が受け部材58と密着し、接触面における熱抵抗が小さくなる。
熱伝導部材54と回路デバイス52は、接着剤等により恒久的に固定できる。この場合であっても、押さえ部材60を退避させ、熱伝導部材54を解放することにより、子回路基板46を親回路基板44に対し着脱することができる。また、受け部材58の熱伝導部材54が接触する面に、柔軟性のある熱伝導性シート86を貼付することができる。シートの柔軟性により受け部材58と熱伝導部材54の実質的な接触面積が増加し、接触部分の熱抵抗を小さくすることができる。熱伝導性シート86の材料としては、シリコーンゴムや、シリコーンゴムに熱伝導性をより良好にするために炭素等の微粉末の添加剤を加えたものを用いることができる。また、熱伝導部材54は、銅、アルミニウムなどの金属製の板またはヒートパイプとすることができる。
図4は、押さえ部材60を進退させる駆動機構の他の構成例を示す図である。既出の部材については、同一の符号を付し、その説明を省略する。図4(a)は、熱伝導部材54を挟持していない状態、図4(b)は、挟持した状態を示している。
押さえ部材60は、その両端で側板90に固定され、押さえ部材60と側板90で全体としてはしご形状となっている。このはしご状に形成された部材の一カ所、図示する例においては端部に、この部材を受け部材58に対し移動させ、受け部材58と共に熱伝導部材54を挟持した状態に固定するための駆動機構およびロック機構が設けられている。一つの押さえ部材60にロック軸92が、その軸線回りに回動可能に結合されている。ロック軸92には、半径方向に延びるロックレバー94、ロックピン96が立設されている。一方、筐体底面42上には、ロック受け座98が設けられている。
押さえ部材60を受け部材58から退避させた状態では、ロックピン96は、ロック受け座98とは係合していない状態となっている。この状態から、ロックレバー94またはロック軸92を押して、押さえ部材60を受け部材58に向けて進出させ、これらにより熱伝導部材54を挟持する。そして、ロックレバー94を回して、ロックピン96とロック受け座98を係合させ、押さえ部材を、進出位置にロックする。回路デバイスの熱は、熱伝導部材54を通って、筐体底面42に達し、ここから放熱される。
以上の説明においては、超音波診断装置のプローブコネクタ内に複数の回路基板が密集して配置される場合を例に挙げたが、超音波診断装置の本体側に配置される基板についても同様に、本体の筐体の一面において熱伝導部材を挟持して、基板上の回路デバイスの熱を本体筐体面より放熱することができる。また、装置本体にヒートシンクを設け、このヒートシンクに本実施形態の受け部材に相当する構成を立設し、これと進退する押さえ部材により熱伝導部材を挟持し、回路デバイスの熱をヒートシンクに導くようにしてもよい。
熱伝導部材を、受け部材と押さえ部材により解放可能に挟持したことにより、熱伝導部材を着脱可能とすることができ、子回路基板の組み立て作業、メンテナンス作業が簡略化される。
超音波診断装置の概略構成を示す図である。 プローブコネクタ内の基板および放熱構造の要部を示す斜視図である。 プローブコネクタ内の基板および放熱構造の要部を示す側面図である。 押さえ部材の駆動機構を示す図である。
符号の説明
10 超音波診断装置、14 超音波プローブ、16 装置本体、18 プローブコネクタ、44 親回路基板、46 子回路基板、52 回路デバイス、54 熱伝導部材、56 スリット、58 受け部材、60 押さえ部材。

Claims (3)

  1. 装置本体と、装置本体に着脱可能に装着される超音波プローブとを有し、超音波プローブにより被検体に対し超音波を送受して超音波画像を得る超音波診断装置であって、
    超音波を送受信する超音波振動子を駆動する送信回路と受信回路の少なくとも一方、または受信信号に対し所定の処理を行う処理回路を備えた、複数の回路基板と、
    前記回路基板に実装された回路デバイスと、
    前記複数の回路基板ごとに設けられ、回路デバイスに当接して、回路デバイスで発生した熱を運び去る複数の熱伝導部材と、
    装置本体または超音波プローブの筐体に、前記複数の回路基板ごとに対応して設けられた複数の受け部材と、
    前記複数の受け部材に対応して設けられ、対応する受け部材に対し進退し、進出して受け部材と共に前記熱伝導部材を挟持する複数の押さえ部材と、
    を有する、超音波診断装置。
  2. 請求項1に記載の超音波診断装置であって、前記複数の押さえ部材を連結し、これらを一括的に連動して進退させる連動機構を有する、超音波診断装置。
  3. 請求項1または2に記載の超音波診断装置であって、
    前記複数の回路基板は、親回路基板の一方の面に垂直に結合され、互いに平行な子回路基板であり、
    親回路基板には、子回路基板の結合された面と反対側に、前記熱伝導部材を通すためのスリットが形成されている、
    超音波診断装置。
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