JP2008153932A - 高周波直交検波器 - Google Patents

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Abstract

【課題】検波ダイオード回路の入力インピーダンスが特性インピーダンスとの整合から外れる場合でも、アイソレーションの劣化をなくす。
【解決手段】局発信号の第1入力端1に接続され、位相差π×n0で2分配する分配器3、受信信号の第2入力端2に接続され、位相差(π/2)(2×n1+1)で2分配する第1ブランチラインカプラ4、I信号出力端10側の検波ダイオード7a,7bに接続され、局発信号及び受信信号を位相差(π/2)(2×n2+1)で2分配する第2ブランチラインカプラ5、Q信号出力端11側の検波ダイオード7c,7dに接続され、局発信号及び受信信号を位相差(π/2)(2×n3+1)で2分配する第3ブランチラインカプラ6、この第3ブランチラインカプラ6と上記検波ダイオード7c,7dとの間に接続され、D=(π+2×π×n4−(π/2)(2×n1−6×n2+6×n3+2×n0+1))/2の移相量を持つ移相器14a,14bを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、レーダ装置、通信装置、各種センサー等に使用される高周波直交検波器、特に整合及び信号端間のアイソレーションに優れた直交検波器の回路構成に関する。
従来から、レーダ装置、通信装置や各種センサー等において、π/2の位相差を有する2つの信号を得るために高周波直交検波器が用いられており、この高周波直交検波器としては、特開2003−110640号公報に示すもの等もある一方、ブランチラインカプラ等の分配器を用いるものが提案されている。
図6には、ブランチラインカプラ等を用いた高周波直交検波器の構成例が示されており、この直交検波器は、局発信号を入力する第1入力端(PL)1と受信信号を入力する第2入力端(PR)2との間に、同相2分配器3、第1ブランチラインカプラ4、第2ブランチラインカプラ5及び第3ブランチラインカプラ6を図のように配置する。また、上記第2ブランチラインカプラ5とI信号出力端(I‐IF)10との間に、検波ダイオード7a,7b、チョーク8a,8b、コンデンサ9a,9bが挿入され、上記第3ブランチラインカプラ6とQ信号出力端(Q‐IF)11との間に、検波ダイオード7c,7d、チョーク8c,8d、コンデンサ9c,9dが挿入配置される。
このような高周波直交検波器によれば、第1入力端1から入力された局発信号:SL =Acos(ωt+θ)と第2入力端2から入力された受信信号:SR =Bcos(ωt+θ)により、I信号出力端10からIF信号の一方のSI信号(I信号)、Q信号出力端11からIF信号の他方のSQ信号(Q信号)が出力される。そして、これらのSI信号及びSQ信号は、以下のように表すことができる。
(数1)
SI =(AB/16)×cos((ωt−ωt)+(θ−θ)−π/2)
SQ =(AB/16)×cos((ωt−ωt)+(θ−θ)−π)
なお、位相の単位はradである。
図7には、上記SI信号及びSQ信号が示されており、この図7及び上記数式1から分かるように、直交検波器では、π/2(90度)の位相差を有するSI信号及びSQ信号(IF信号)が得られることになる。
特開2003−110640号公報
ところで、上記の図6の直交検波器における高周波特性に着目すると、重要な項目としては下記の3項目が挙げられる。
a)局発信号入力端(PL−第1入力端1)における特性インピーダンスとの整合度(リターンロス)
b)受信信号入力端(PR−第2入力端2)における特性インピーダンスとの整合度(リターンロス)
c)局発信号入力端(PL)と受信信号入力端(PR)との間の信号分離度(アイソレーション)
そして、上記第2ブランチラインカプラ5の出力端に接続される検波ダイオード7a,7b、及び第3ブランチラインカプラ6の出力端に接続される検波ダイオード7c,7dの回路の入力インピーダンスが特性インピーダンスに整合している場合、上記の高周波として重要な項目a)〜c)は良好な特性が得られる。
図8には、上記検波ダイオード7a〜7dの入力インピーダンスが特性インピーダンスに整合している場合の特性が示されており、高周波として重要な項目a)〜c)であるリターンロス及びアイソレーションは、特性線101〜103に示されるように、周波数比帯域10%に渡り、概ね−20dB以下であり、良好となっている。
しかしながら、検波ダイオード7a〜7dの入力インピーダンスは、これら検波ダイオード7a〜7dへの局発信号のレベル、該ダイオード自体のロットや周囲温度等の影響を受け、理想的な特性インピーダンスとの整合を保つことは不可能であり、そのため、高周波として重要な項目の1つである、c)局発信号入力端(第1入力端1)と受信信号入力端(第2入力端2)との間の信号分離度(アイソレーション)に劣化が生じるという問題があった。
図9には、具体的な例として、4個の検波ダイオード7a〜7dへの入力インピーダンスが特性インピーダンス(例えば50Ω)との整合から同様に外れ、その入力VSWRが2.0:1となったときのアイソレーション劣化のシミュレートが示されており、この場合は、特性線203に示されるように、アイソレーションが−10dB程度となり、良好な特性が得られていない。
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、検波ダイオード回路の入力インピーダンスが特性インピーダンスとの整合から外れる場合でも、アイソレーションの劣化が少ない高周波直交検波器を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明に係る高周波直交検波器は、局発信号又は受信信号を入力する第1入力端に接続され、入力信号を位相差π×n0で2分配する分配器と、受信信号又は局発信号を入力する第2入力端に接続され、入力信号を位相差(π/2)(2×n1+1)で2分配する第1ブランチラインカプラと、I信号出力端に接続されたI信号側検波ダイオード回路と、このI信号側検波ダイオード回路に接続され、かつ上記分配器及び第1ブランチラインカプラに接続され、局発信号及び受信信号を位相差(π/2)(2×n2+1)で2分配する第2ブランチラインカプラと、Q信号出力端に接続されたQ信号側検波ダイオード回路と、このQ信号側検波ダイオード回路に接続され、かつ上記分配器及び第1ブランチラインカプラに接続され、局発信号及び受信信号を位相差(π/2)(2×n3+1)で2分配する第3ブランチラインカプラと、この第3ブランチラインカプラと上記Q信号側検波ダイオード回路との間又は上記第2ブランチラインカプラと上記I信号側検波ダイオード回路との間のいずれか一方に接続され、以下の移相量Dを持つ移相器と、を含んで構成される。
D=(π+2×π×n4−(π/2)(2×n1−6×n2+6×n3+2×n0+1))/2
[n0=0,1,2,3…、n1=0,1,2,3…、n2=0,1,2,3…、n3=0,1,2,3…、n4=0,1,2,3…で、位相の単位は[rad]とする]。
上記のn4 は、移相器で設定される任意の値である。
上記の構成によれば、例えば第3ブランチラインカプラとQ信号側検波ダイオード回路との間に、移相量Dの移相器が挿入されるが、この移相器は、各出力端から出力されるI信号とQ信号のπ/2位相差を維持しながら、例えば第1入力端へ向かう2ルートの受信信号の位相差、及び第2入力端へ向かう2ルートの局発信号の位相差のそれぞれが逆相(π)となるようにし、これによって2ルートの各信号の位相が相殺される。この結果、局発信号入力端(第1入力端)と受信信号入力端(第2入力端)との間のアイソレーションを良好に維持することが可能になる。
本発明によれば、4個の検波ダイオード回路の入力インピーダンスが特性インピーダンスとの整合から同様に外れた場合においても、局発信号入力端と受信信号入力端との間の信号分離度(アイソレーション)の劣化を改善することができ、検波ダイオードへの局発信号のレベル、検波ダイオードのロットや周囲温度等の影響を受け難い、安定した直交検波器を得ることが可能となる。
図1には、本発明の実施例に係る高周波直交検波器の構成が示されており、この高周波直交検波器は、図6の場合と同様に、局発信号(又は受信信号)を入力する第1入力端(PL)1に同相2分配器3が接続され、この分配器3は入力信号を位相差π×n0(同相)で2分配し、また受信信号(又は局発信号)を入力する第2入力端(PR)2に第1ブランチラインカプラ4が接続され、この第1ブランチラインカプラ4は、入力信号を位相差(π/2)(2×n1+1)で2分配する。
一方、I信号出力端(I-IF)10に、I信号側検波ダイオード7a,7b、チョーク8a,8b、コンデンサ9a,9bが配置され、上記I信号側検波ダイオード7a,7bと上記分配器3及び第1ブランチラインカプラ4との間に、第2ブランチラインカプラ5が接続され、この第2ブランチラインカプラ5は、局発信号と受信信号を位相差(π/2)(2×n2+1)で2分配し、またQ信号出力端(Q-IF)11に、Q信号側検波ダイオード7c,7d、チョーク8c,8d、コンデンサ9c,9dが配置され、上記Q信号側検波ダイオード7c,7cと上記分配器3及び第1ブランチラインカプラ4との間に、第3ブランチラインカプラ6が接続され、この第3ブランチラインカプラ6は、局発信号と受信信号を位相差(π/2)(2×n3+1)で2分配する。なお、上記第1ブランチラインカプラ4のブランチ44の他端と接地の間には、終端抵抗12が設けられる。
そして、実施例では、上記第3ブランチラインカプラ6とQ信号側検波ダイオード7c,7dとの間に(即ち、第2入力端2が接続されてないブランチ44側に接続される方のブランチラインカプラと検波ダイオードとの間に)、移相量Dを持つ移相器14a,14bが接続されており、この移相器14a,14bのそれぞれの移相量Dは、
D=(π+2×π×n4−(π/2)(2×n1−6×n2+6×n3+2×n0+1))/2、[n0=0,1,2,3…、n1=0,1,2,3…、n2=0,1,2,3…、n3=0,1,2,3…、n4=0,1,2,3…で、位相の単位はradとする]となる。
即ち、実施例において、例えば上記分配器3の位相差をπ(n0 =1)、第1〜第3ブランチラインカプラ4〜6の位相差をπ/2(n1,n2,n3 =0)としたとき、移相量Dは、π×n4−π/4(n4=0,1,2,3…の任意の数)となる。
図2には、上記第1〜第3ブランチラインカプラ4〜6の構成が示されており、このブランチラインカプラ4〜6は、図2(A)のように、4個の信号入力ポート1〜4、特性インピーダンスがZ/√2で、長さが(λ/4)(2×nx+1)[即ち、透過位相が(π/2)(2×nx+1)、nx=n1,n2,n3 =0,1,2,3…]からなる一対の信号伝送ライン(ブランチ1,4)と、特性インピーダンスがZで、長さが(λ/4)(2×nx+1)からなる一対の信号伝送ライン(ブランチ2,3)によって構成された伝送線である。この図2(A)に示したブランチラインカプラは、図2(B)に示すシンボルで表される。
次に、このブランチラインカプラ4〜6の透過特性及び反射特性について説明する。
(透過特性)図2のポート1から入力された信号S=Acos(ωt+θ)は、ポート3及びポート4に出力され、その出力信号Sp4,Sp3は、
p4=(A/2)cos(ωt+θ−((π/2)(2×nx+1)))、
p3=(A/2)cos(ωt+θ−2×((π/2)(2×nx+1)))となる。
即ち、ポート3では、入力信号に対して電力は半分で位相がπ/2(90度)の奇数倍遅れる。また、ポート4では、入力信号に対して電力は半分で位相が(π/2の奇数倍)×2だけ遅れる。例えば、nx =0の場合、ポート3では入力信号に対して電力は半分で位相がπ/2だけ遅れ、ポート4では入力信号に対して電力は半分で位相がπだけ遅れる。
(反射特性)図2のポート3及びポート4の先に接続されるデバイスの入力インピーダンスが特性インピーダンスZと等しい場合は、ポート1から入力された信号S=Acos(ωt+θ)は、ポート3及びポート4において反射がないためにポート2には出力されず、ポート1においても、同様に反射がないため入力信号の戻り信号は出力されない。即ち、ポート1とポート2のアイソレーション(信号分離度)が∞で、ポート1の特性インピーダンスとの整合度(リターンロス)は良好となる。
しかし、ポート3及びポート4の先に接続されるデバイスの入力インピーダンスが特性インピーダンスと等しくなく、反射係数Γ=ρ∠θであった場合、ポート1から入力された信号S=Acos(ωt+θ)は、ブランチ1を通過しポート3にて反射係数ρ、反射位相θで反射され、その信号はブランチ3,4を通過してポート2に現れ、
=ρ×(A/2)×cos(ωt+θ−3×((π/2)(2×nx+1))−θ
となり、また同様にポート1から入力された信号S=Acos(ωt+θ)は、ブランチ1,3を通過しポート4にて反射係数ρ、反射位相θで反射され、その信号はブランチ4を通過してポート2に現れ、
=ρ×(A/2)×cos(ωt+θ−3×((π/2)(2×nx+1))−θ
となり、上記SとSがポート2で合成されるために、ポート2においては、ポート1からの入力信号に対して、
=ρ×A×cos(ωt+θ−3×((π/2)(2×nx+1))−θ
となって出力される。
即ち、電力は反射係数ρ分減衰し、透過位相は−3×((π/2)(2×nx+1))−θとなる。例えば、nx =0、ρ=1/3、θ=π/2の場合、ポート1から入力してポート2に出力される信号は、電力が20×log(1/3)[約9.5dB]減少し、位相が2πの遅延となる。このことは、ポート1とポート2との間のアイソレーションが−9.5dB、透過位相が2πとなることを意味する。
次に、ポート1における特性インピーダンスとの整合度をみると、ポート1から入力された信号は、ブランチ1を通過し、ポート3にて反射係数ρ、反射位相θで反射され、その信号はブランチ1を通過してポート1に戻り、
=ρ×(A/2)×cos(ωt+θ−2×((π/2)(2×nx+1))−θ
となり、また同様にポート1から入力信号は、ブランチ1.3を通過しポート4にて反射係数ρ、反射位相θで反射され、その信号はブランチ3,1を通過してポート1に戻り、
=ρ×(A/2)×cos(ωt+θ−4×((π/2)(2×nx+1))−θ
となり、上記SとSがポート1で合成されるが、このポート1においては、両信号の位相差が2×(π/2)(2×nx+1)=π(2×nx+1)、即ちπの奇数倍となり、常に逆相となって位相相殺されるために、ポート1には、ポート3,4からの反射波は出力されない。このことは、ポート1の特性インピーダンスとの整合度が良好であることを意味する。
実施例は以上の構成からなり、以下にその作用を説明する。
図1の第1入力端(PL)1から入力された局発信号:SL =Acos(ωt+θ)は、同相2分配器3にて2分配された後、例えばπ/2(即ちλ/4)の位相差で2分配する第2ブランチラインカプラ5及び第3ブランチラインカプラ6へ供給される。一方、第2入力端(PR)2から入力された受信信号:SR =Bcos(ωt+θ)は、第1ブランチラインカプラ4にて例えば位相差π/2にて2分配された後、第2ブランチラインカプラ5及び第3ブランチラインカプラ6へ供給される。
そして、上記第2ブランチラインカプラ5から出力された局発信号SL及び受信信号SRは、検波ダイオード7a,7bに入力されてミキシングされることにより、I信号出力端(I-IF)10からIFのI信号SIが出力される。また、第3ブランチラインカプラ6から出力された局発信号SL及び受信信号SRは、移相量Dに設定された移相器14a,14bを通り、検波ダイオード7c,7dにてミキシングされることにより、Q信号出力端(Q-IF)11からIFのQ信号SQとして出力される。これらのI信号出力端10及びQ信号出力端11から出力されるI信号及びQ信号は下記のようになる。
(数2)
SI =(AB/16)×cos((ωt−ωt)+(θ−θ)−π/2)
SQ =(AB/16)×cos((ωt−ωt)+(θ−θ)−π)
この数式2は、上記数式1と同じになっており、実施例では、移相器14a,14bを設けた場合でも、その挿入による影響はなく、π/2の位相差を有する良好なSI信号とSQ信号が得られる。
このことを、位相差に着目して説明する。
例えば、第1入力端1からcos(ωt)の局発信号、第2入力端2からcos(ωt)の受信信号が入力されたとき、I信号出力端10におけるI信号は、
(数3)
I信号:cos((ω−ω)t−(π/2)(2×n1+1)−(π/2)(2×n2+1))となり、
一方、Q信号出力端11でのQ信号は、
Q信号:cos((ω−ω)t−2×(π/2)(2×n1+1)−(π/2)(2×n3+1)+π×n0 )となる。
(数4)
そして、これらの信号の位相差は、
I信号−Q信号
=−(π/2)(2×n1+1)−(π/2)(2×n2+1)−(−2×(π/2)(2×n1+1)−(π/2)(2×n3+1)+π×n0 )
=−(π/2)(2×n1+1)−(π/2)(2×n2+1)+2×(π/2)(2×n1+1)+(π/2)(2×n3+1)−π×n0 )
=−π×n0+(π/2)(2×n1+1)−(π/2)(2×n2+1)+(π/2)(2×n3+1)
=(π/2)−(π/2)(2×n0+1)+(π/2)(2×n1+1)−(π/2)(2×n2+1)+(π/2)(2×n3+1)
=−(π/2)(2×(n0−n1+n2−n3)−1)
となる。
この式の値、即ちI−Q信号の位相差(Q基準)は、−(π/2)の奇数倍で、+(π/2)又は−(π/2)となり、n0〜n3がどの値であっても、常にπ/2(90deg)の位相差を保ち、直交検波器として動作することになる。
ここで、移相器14a,14bは、検波ダイオード7cの局発信号側と検波ダイオード7dの受信信号側の両方に挿入されるので、この移相器14a,14bで変化した移相量Dは、検波ミキシングされるときに引き算されてπ/2の位相差が保たれることになり、移相器14a,14bがあってもなくても、また検波ダイオード7c,7dの入力インピーダンスが特性インピーダンスと整合しているか否かに拘らず、同じ結果となる。
次に、実施例において第2ブランチラインカプラ5の出力端に接続される検波ダイオード7a,7b及び第3ブランチラインカプラ6の出力端に接続される検波ダイオード7c,7dのそれぞれの入力インピーダンスが特性インピーダンスとの整合から外れ、その入力VSWRが2.0:1となったときの高周波直交検波器における高周波特性に着目する。
重要な項目としては上述のように、下記の3項目が挙げられる。
a)第1入力端(局発信号入力端PL)1における特性インピーダンスとの整合度(リターンロス)
b)第2入力端(受信信号入力端PR)2における特性インピーダンスとの整合度(リターンロス)
c)第1入力端1と第2入力端2との間の信号分離度(アイソレーション)
まず、重要な項目a)について説明する。第1〜第3ブランチラインカプラ4〜6の特徴でもあるが、負荷からの一対の反射波(即ち、整合から外れたことによる一対の検波ダイオード7a及び7b、又は7c及び7dからの局発信号の反射波)は逆相であることにより、入力端において位相相殺される。即ち、第2ブランチラインカプラ5及び第3ブランチラインカプラ6の入力端であるポイントA及びポイントCにおけるリターンロスは良好に保たれる。これにより、局発信号入力端である第1入力端1におけるリターンロスも良好な特性を示す。
図5には、実施例の特性例が示されており、局発信号入力端、即ち第1入力端1におけるリターンロスは特性線301に示されるように良好となる。
また、重要な項目b)についても、項目a)と同様であり、受信信号入力端、即ち第2入力端2におけるリターンロスは特性線302のように良好な特性を示す。
次に、重要な項目c)のアイソレーションの改善を図3及び図4により説明する。
図3には、第2入力端2から第1入力端1へ向かう受信信号のアイソレーション(信号分離度)を説明するための図が示されており、図3に示されるように、第2入力端2から受信信号cos(ωt)が入力されたとき、第2ブランチラインカプラ5を通って第1入力端1に達する図の上側の信号(Upper Leakage)501は、
cos(ωt−(π/2)(2×n1+1)−3(π/2)(2×n2+1))
で、第3ブランチラインカプラ6を通って第1入力端1に達する下側の信号(Lower Leakage)502は、
cos(ωt−2×(π/2)(2×n1+1)−3(π/2)(2×n3+1)−2×(π+2π×n4−(π/2)(2×n1−6×n2+6n3+2×n0+1))/2−π×n0)
となり、下側信号502と上側信号501との位相差(下側信号基準)は、
π+(2π×n4)
となる。従って、信号501と502は、逆相となり、位相相殺によって出力されないことになり、局発信号入力端である第1入力端1と受信信号入力端である第2入力端2との間のアイソレーション(信号分離度)は良好な状態に維持される。上記説明では、第2入力端2に入力した受信信号について説明したが、第1入力端に入力する局発信号についても同様となる。
図4には、第1入力端1から第2入力端2へ向かう局発信号で、n0,n1,n2,n3,n4の全てを0とした場合の位相の変化に着目した説明図が示されており、局発信号はπ/2の透過位相を有する同相の2分配器3にて2分配されるため、ポイントA及びポイントCにおいては、図4中の位相グラフで表されるように、第2入力端2に対しπ/2の位相遅れとなる。このポイントAを通過した局発信号(503)は、第2ブランチラインカプラ5を通過し、検波ダイオード7a,7bからの反射によりポイントBに出力されるが、このとき、ブランチ51を通り検波ダイオード7aで反射された信号はブランチ52,54を通ってポイントBに到達し、またブランチ51,52を通り検波ダイオード7bで反射された信号はブランチ54を通ってポイントBに到達することから、局発信号は3π/2[=3×(π/2)]の位相遅延が生じ、ポイントBにおいては第1入力端1に対し2πの位相遅れとなる。更に、ポイントBを通過した局発信号は、第1ブランチラインカプラ4を通過して第2入力端2に出力されるが、このとき、局発信号(503)はブランチ41を通過するためπ/2の位相遅延が生じ、この結果、第2入力端2においては第1入力端1に対しπ/2の位相遅延となる。
一方、上記ポイントCを通過した局発信号(504)は、第3ブランチラインカプラ6を経由し、移相量D(実施例では、n0,n1,n2,n3,n4=0としてπ/4)を持つ移相器14a,14bを通過した後、検波ダイオード7c,7dにて反射されポイントDに出力される。このとき、ブランチ61及び移相器14aを通過して検波ダイオード7cで反射された信号は、移相器14a、ブランチ63,64を通過してポイントDへ到達し、またブランチ61,63及び移相器14bを通過して検波ダイオード7dで反射された信号は、移相器14b、ブランチ64を通過してポイントDへ到達することから、局発信号は2π[=(3π/2)+2×(π/4)]の位相遅延が生じ、ポイントDにおいては第1入力端1に対しπ/2の位相遅れとなる。更に、ポイントDを通過した局発信号は第1ブランチラインカプラ4を通過して第2入力端2に出力されるが、このとき、局発信号(504)はブランチ43,41を通過するためπ[=2×(π/2)]の位相遅延が生じ、この結果、第2入力端2においては第1入力端1に対し3π/2の位相遅延となる。
そして、上記π/2の位相遅延を持つ信号503(Upper Leakage)と3π/2の位相遅延を持つ信号504(Lower Leakage)が第2入力端2にて合成されるが、両信号の位相差はπ[=(3π/2)−(π/2)]と逆相となるため、お互いに位相相殺され、この結果、第1入力端2には局発信号が出力されず、実施例では、図5の特性線303に示されるように、良好なアイソレーションが保たれることになる。
以上のように、実施例では、例えばπ/4の移相量Dの移相器14a,14bを挿入することにより、検波ダイオード7a,7b,7c,7dの入力インピーダンスが特性インピーダンスとの整合から外れ、その入力VSWRが2.0:1となった時においても、高周波特性が悪化しない良好な高周波直交検波器が得られる。
なお、上記実施例では、局発信号の分配に同相2分配器3を使用したが、位相差がπ×n0[n0=0,1,2,3…]で2分配する他の分配器でも同様の効果が得られる。また、第1〜第3ブランチラインカプラ4〜6としてπ/2(入/4)の位相差で2分配するものを使用したが、(π/2)(2×n+1)[n=0,1,2,3…]で2分配する他のブランチラインカプラでも同様の効果が得られる。更に、このブランチラインカプラの代わりにレンジカプラを使用してもよい。
本発明の実施例に係る高周波直交検波器の構成を示す回路図である。 実施例のブランチラインカプラの構成を示し、図(A)は構成図、図(B)はシンボル図である。 実施例において第2入力端から第1入力端へ向かう受信信号のアイソレーションを説明するための図である。 実施例において第1入力端1から第2入力端2へ向かう局発信号のアイソレーションを位相の変化に着目して説明するための図である。 実施例の高周波直交検波器における第1入力端及び第2入力端でのリターンロス並びに第1入力端−第2入力端間のアイソレーションの特性を示すグラフ図である。 従来の高周波直交検波器の構成を示す図である。 高周波直交検波器で得られるSI信号及びSQ信号を示す図である。 従来の高周波直交検波器において検波ダイオード回路の入力インピーダンスが特性インピーダンスに整合している場合の局発信号入力端(PL)及び受信信号入力端(PR)のリターンロス並びに局発信号入力端−受信信号入力端間のアイソレーションの特性を示す図である。 従来の高周波直交検波器において検波ダイオード回路の入力インピーダンスが特性インピーダンスとの整合から外れている場合の局発信号入力端(PL)及び受信信号入力端(PR)リターンロス並びに局発信号入力端−受信信号入力端間のアイソレーションの特性を示す図である。
符号の説明
1…第1入力端(局発信号入力端)、 2…第2入力端(受信信号入力端)、
3…同相2分配器、 4…第1ブランチラインカプラ、
5…第2ブランチラインカプラ、 6…第3ブランチラインカプラ、
7a,7b,7c,7d…検波ダイオード、
8a,8b,8c,8d…チョーク、
10…I信号出力端、 11…Q信号出力端、
12…終端抵抗、 14a,14b…移相器。

Claims (1)

  1. 局発信号又は受信信号を入力する第1入力端に接続され、入力信号を位相差π×n0で2分配する分配器と、
    受信信号又は局発信号を入力する第2入力端に接続され、入力信号を位相差(π/2)(2×n1+1)で2分配する第1ブランチラインカプラと、
    I信号出力端に接続されたI信号側検波ダイオード回路と、
    このI信号側検波ダイオード回路に接続され、かつ上記分配器及び第1ブランチラインカプラに接続され、局発信号及び受信信号を位相差(π/2)(2×n2+1)で2分配する第2ブランチラインカプラと、
    Q信号出力端に接続されたQ信号側検波ダイオード回路と、
    このQ信号側検波ダイオード回路に接続され、かつ上記分配器及び第1ブランチラインカプラに接続され、局発信号及び受信信号を位相差(π/2)(2×n3+1)で2分配する第3ブランチラインカプラと、
    この第3ブランチラインカプラと上記Q信号側検波ダイオード回路との間又は上記第2ブランチラインカプラと上記I信号側検波ダイオード回路との間のいずれか一方に接続され、以下の移相量Dを持つ移相器と、
    D=(π+2×π×n4−(π/2)(2×n1−6×n2+6×n3+2×n0+1))/2、[n0=0,1,2,3…、n1=0,1,2,3…、n2=0,1,2,3…、n3=0,1,2,3…、n4=0,1,2,3…で、位相の単位はradとする]
    を含んで構成される高周波直交検波器。
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