JP2008151679A - 試料分析装置 - Google Patents

試料分析装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2008151679A
JP2008151679A JP2006340798A JP2006340798A JP2008151679A JP 2008151679 A JP2008151679 A JP 2008151679A JP 2006340798 A JP2006340798 A JP 2006340798A JP 2006340798 A JP2006340798 A JP 2006340798A JP 2008151679 A JP2008151679 A JP 2008151679A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
spectrum
data
spectrum data
sample
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2006340798A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4709129B2 (ja
Inventor
Junichi Aoyama
淳一 青山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Horiba Ltd
Original Assignee
Horiba Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Horiba Ltd filed Critical Horiba Ltd
Priority to JP2006340798A priority Critical patent/JP4709129B2/ja
Publication of JP2008151679A publication Critical patent/JP2008151679A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4709129B2 publication Critical patent/JP4709129B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Analysing Materials By The Use Of Radiation (AREA)
  • Investigating, Analyzing Materials By Fluorescence Or Luminescence (AREA)

Abstract

【課題】複数の成分領域を有する試料において、その成分間の境界領域を自動的に判別することができる試料分析装置を提供する。
【解決手段】二次エネルギ線検出部4により検出された二次エネルギ線Lのスペクトル波形を示すデータであるスペクトルデータを各ポイント毎に生成するスペクトルデータ生成部51と、類似するスペクトルデータを集めてグループ化するスペクトルデータ分類部52と、互いに異なるグループに属するスペクトルデータの合成である合成スペクトルから得られる合成情報と、その合成情報に係るグループ以外のグループに属するスペクトルデータから得られる情報とを比較して、類似する場合には、前記合成情報に係るグループ以外のグループのスペクトルデータを生じる領域を、前記合成情報に係るグループのスペクトルデータを生じる領域間の境界領域であると判別する境界領域判別部55と、を備えている。
【選択図】図1

Description

この発明は、複数の成分領域、例えば複合材料などの試料に電子線を照射して発生する光を検出し、その光のスペクトルに基づいて、試料の分析を行う試料分析装置に関するものである。
従来、試料の表面の成分などを分析する装置においては、マッピング測定、すなわち、エネルギ線をそのエリアで走査させ、走査した多数のポイントから得られる各光のスペクトルを算出して、分析することにより、試料表面を分析するものがある(特許文献1)。
ところで、光のスペクトルのピーク位置を特定するにあたっては、測定によって得られた生のスペクトルデータに対して1又は複数のガウシアン関数等をフィッティングする手法が用いられている。
しかしながら、このようなフィッティング処理は、初期値により測定結果が左右されてしまうという問題がある。つまり、測定者はだいたいの予想で初期値を与えるため、主成分領域ではフィッティング処理が上手くできたとしても、境界領域においては、うまくフィッティングができず、無駄なフィッティング処理を繰り返す、あるいは、誤ったフィッティングをしてしまうという問題がある。
また、得られた各スペクトルがどの領域から生じたものか、1つずつスペクトルデータを見比べて判断しており、大量のスペクトルデータを含むマッピング測定の場合、多くの時間がかかってしまうという問題がある。
特開平9−54053号公報
そこで本発明は、上記問題点を一挙に解決するためになされたものであり、複数の成分領域を有する試料において、その成分間の境界領域を自動的に判別して、測定時間を短縮することができる試料分析装置を提供することをその主たる所期課題とするものである。
すなわち本発明に係る試料測定装置は、試料の複数ポイントにエネルギ線を照射するエネルギ線照射部と、前記エネルギ線が照射された試料から生じる二次エネルギ線を検出する二次エネルギ線検出部と、前記二次エネルギ線検出部からの出力信号を受信して、所定の演算処理を行う情報処理装置と、を具備し、前記情報処理装置が、前記二次エネルギ線検出部により検出された二次エネルギ線のスペクトル波形を示すデータであるスペクトルデータを各ポイント毎に生成するスペクトルデータ生成部と、類似するスペクトルデータを集めてグループ化するスペクトルデータ分類部と、互いに異なるグループに属するスペクトルデータの合成である合成スペクトルから得られる合成情報と、前記互いに異なるグループ以外のグループに属するスペクトルデータから得られる情報とを比較して、類似する場合には、前記互いに異なるグループ以外のグループのスペクトルデータを生じる領域を、前記互いに異なるグループのスペクトルデータを生じる領域間の境界領域であると判別する境界領域判別部と、を備えていることを特徴とする。ここで、「エネルギ線」とは、例えばX線、電子線、イオンビーム等である。また、「二次エネルギ線」とは、カソードルミネッセンス等のルミネッセンス、X線や二次電子、オージェ電子又は反射電子等の電子などである。
このようなものであれば、複数の成分領域を有する試料において、その成分間の境界領域を自動的に判別することができる。したがって、測定すべき領域に適した初期値を設定することができ、試料測定の時間短縮を可能とすることができる。
自動的に主成分グループ及び副成分グループに分類して、境界判別の演算を簡略化するためには、全スペクトルデータの数に対して所定割合以上の数のスペクトルデータを有するグループを主成分グループとし、それ以外のグループを副成分グループとして設定する主副グループ設定部をさらに備え、前記境界領域判別部が、互いに異なる主成分グループに属するスペクトルデータの合成である合成スペクトルから得られる合成情報と、前記副成分グループに属するスペクトルデータから得られる情報とを比較して、類似する場合には、前記副成分グループのスペクトルデータを生じる副成分領域を、前記主成分グループのスペクトルデータを生じる主成分領域間の境界領域であると判別するものであることが望ましい。
各ポイントから得られたスペクトルデータを複数のグループに分類する具体的な実施の態様としては、前記スペクトル分類部が、各スペクトルデータ同士の相関値を算出し、その相関値が所定値以上のものを同一グループに分類するものであることが望ましい。
合成情報の具体的な実施の態様としては、前記境界判別部が、互いに異なるグループに属するスペクトルデータの合成である合成スペクトルデータと、前記互いに異なるグループ以外のグループに属するスペクトルデータとを比較するものであることが望ましい。
副成分領域を主成分領域間の境界領域であると判別するための具体的な実施の態様としては、前記合成スペクトルデータと、前記互いに異なるグループ以外のグループに属するスペクトルデータとの相関値を算出し、その相関値が所定値以上である場合に、前記副成分領域を境界領域と判別するものであることが望ましい。
このように構成した本発明によれば、複数の成分領域を有する試料において、その成分間の境界領域を自動的に判別して、測定時間を短縮することができる試料分析装置を提供することができる。
以下に、本発明の試料測定装置の一実施形態について、図面を参照して説明する。なお、図1は、本実施形態に係る電子線分析装置1の模式的構成図であり、図2は、試料測定装置1の情報処理装置5の模式構造図であり、図3は、情報処理装置5の機能ブロック図である。図4は、試料の測定エリアの成分領域を示す模式図である。図5は、主成分グループ及び副成分グループの比較方法を示す図である。図6〜図8は、情報処理装置5の動作を示すフローチャートである。
<装置構成>
本実施形態に係る試料分析装置1は、エネルギ線である電子線EBを複数の成分領域を有する測定試料Wに照射することにより試料Wから生じる二次エネルギ線であるカソードルミネッセンスLを用いて、試料Wの微小領域における物性評価や半導体素子の解析を行うもの、いわゆるカソードルミネッセンス測定装置である。
具体的に、このものは、図1に示すように、試料台2と、その試料台2に載置された試料Wに電子線EBを照射するエネルギ線照射部たる電子線照射装置3と、電子線EBの照射によって試料Wから発生するカソードルミネッセンスLを分光し、検出する二次エネルギ線検出部たる検出装置4と、その検出装置4からの出力信号を受信し、前記試料Wを評価等(例えば応力測定)するために所定の演算処理を行う情報処理装置5と、を備えている。
以下、各部2〜5について説明する。
試料台2は、例えばX軸、Y軸及びZ方向に移動可能なものであり、本実施形態では試料スペクトルのピーク半値幅を小さくし、前記スペクトルから意味のある情報を得るために、図示しない冷却手段及び温度制御機構をさらに設け、この試料台2及び試料Wを数十K以下の所定温度に冷却できるようにしている。
電子線照射装置3は、電子銃31と、電子銃31から射出された電子線EBを試料Wの所定部位に収束させるレンズ機構及び電子線EBを走査させるための走査機構等からなる電子線制御機構32と、電子銃31及び電子線制御機構32を内部に有する鏡筒33と、を備えている。なお、前記電子銃31としては、熱フィラメント型のものや熱電界放出型ものがある。
検出装置4は、集光部41、分光部42及びセンシング部43を備えたものである。集光部41は、試料Wから発生するカソードルミネッセンスLを最小限の損失で集め分光部42に導くものであり、例えば楕円面鏡411や光ファイバ412等からなる。楕円面鏡411はそれ自体が受光と集光の作用をし、球面収差や色収差を発生しないという利点を有するためこれを採用している。その一方で楕円面鏡411は、結像倍率が機械的配置条件から決まるため、分光部42とのカップリングがうまくいかない欠点を有する。そこでこれを解消し、なおかつ光軸調整を簡単にするということから前記光ファイバ412を用い、楕円面鏡411で集光したルミネッセンスLを分光部42に転送するようにしている。もちろんその他に放物面鏡を用いたものやレンズを用いたものでも構わないのは言うまでもない。
分光部42は、前記集光部41で集光されたカソードルミネッセンスLを単色光に分離するもので、例えばモノクロメータを利用して構成している。
センシング部43は、前記分光部42で波長毎に複数に分光された各単色光の強度をそれぞれ測定し、各単色光の強度に応じた値の電流値(又は電圧値)を有する出力信号を出力するものである。本実施形態ではこのセンシング部43をフォトマルチプライヤ(PMT)を用いて構成しているが、測定する波長領域によって使用する機器を変えても構わない。例えば赤外(1μm〜)においては、Ge検出器、Pbs検出器、赤外PMT等を用いることが好ましい。また、光−電子変換効率、ダイナミックレンジ、S/Nに優れているといったことからCCDを利用してもよい。CCDによればスペクトルの一括検出も可能である。
情報処理装置5は、構造としては図2に示すように、CPU501、メモリ502、入出力インターフェイス503、AD変換器504、入力手段(図示しない)等からなる汎用又は専用のコンピュータである。そして、前記メモリ502の所定領域に格納してあるプログラムに基づいてCPU501やその周辺機器が作動することにより、この情報処理装置5が、図3に示すように、スペクトルデータ生成部51と、スペクトルデータ分類部52と、領域設定部53、主副グループ設定部54と、境界領域判別部55等としての機能を少なくとも発揮する。
スペクトルデータ生成部51は、前記検出装置4からの出力信号を受信し、走査した各測定ポイントでのスペクトルデータを生成するものであり、前記出力信号をA/D変換するAD変換器504等を含んで構成される。そして、スペクトルデータ生成部51は、受信した出力信号をA/D変換し、カソードルミネッセンスLの波数毎の光強度値で表されるスペクトルデータを生成する。そしてこのスペクトルデータを、測定したポイントの位置情報と関連づけて、前記メモリ502の所定領域に設定したスペクトルデータ格納部D1に格納する。
スペクトルデータ分類部52は、各スペクトルデータを比較して、類似する(同じ組成であると判断される)スペクトルデータを1つのグループとして、全スペクトルデータを複数のグループに分類(グループ化)するものであり、スペクトルデータ格納部D1に格納されているスペクトルデータを取得して、それらスペクトルデータを比較して、複数のグループ(本実施形態では5つ)に分類する。そして、そのグループ分類データを主副グループ設定部54に出力する。具体的な分類方法を以下に詳述する。
スペクトルデータ分類部52は、スペクトルデータの中から、ある1つのスペクトルデータ(例えば最初に生成したスペクトルデータ)を取得して、このスペクトルデータをグループAの代表値とする。そして、このスペクトルデータ(基準スペクトルデータ)と、その他のスペクトルデータとの相関値を所定演算式に基づいて算出する。
前記所定演算式は、次の数式[1]に示されるもので、演算プログラムとしてメモリ501の所定領域に格納されている。
ここでIxはスペクトル、Iyは基準スペクトル、ρIx,Iyは相関値、σIx、σIyはそれぞれスペクトル及び基準スペクトルの標準偏差を示す。
なお、Ix、Iyを離散化したデジタルデータ(スペクトルデータ及び基準スペクトルデータ)としてIx、Iy(j=0,1,・・・n)と表せば、前記Cov(Ix,Iy)は、次の数式[2]で示される。
ここでμ、μは平均の光強度を示す。
かかる演算式[1]、[2]から算出される相関値は、ピークシフト、半値幅の変化、スペクトル形状の変化、ベースラインの変化により変化し、スペクトルの強度変化、オフセット値の変化に対しては変化は起こらない。なお、その相関値の変化量は多分に定性的なものであって、その変化量から直ちにピークシフト量等が示されるものではない。このように相関値を用いた類似の判断は、汎用性が高い。
上記の演算式[1]、[2]により、算出した相関値が、所定値以上(例えば0.8以上)であるスペクトルデータをグループAに分類する。
次に、スペクトルデータ分類部52は、グループAに分類されなかったスペクトルデータの中から、1つスペクトルデータを取得する。そして、スペクトルデータ分類部52は、このスペクトルデータをグループBの代表値として、上記と同様に、スペクトルデータをグループBに分類する。このように、全てのスペクトルデータが分類されるまで同様に処理を行う。
領域設定部53は、スペクトルデータ分類部54により分類された各グループにおいて、それに属する各スペクトルデータに関連付けられた位置情報に基づいて、連続するポイントにおいて、そのポイントから生じるスペクトルデータが類似している範囲を領域と設定するものである。そして、領域設定部53は、その領域設定データを主副グループ設定部54に出力する。例えば、1つのグループ内にスペクトルデータは類似するが測定ポイントが離隔した2ポイントでは、2領域であると設定する。そして、本実施形態では、スペクトルデータは5つのグループに分類されるが、各グループに属するスペクトルデータは1つの領域から生じるものである。
主副グループ設定部54は、全スペクトルデータの数に対して所定割合以上の数のスペクトルデータを有するグループを主成分グループとし、それ以外のグループを副成分グループとして設定するものである。また、主成分グループに属するスペクトルデータを生じる領域を主成分領域、及び副成分グループに属するスペクトルデータを生じる領域を副成分領域と設定する。そして、主副グループ設定部54は、そのグループ設定データを境界領域判別部55に出力する。
具体的には、主副グループ設定部54は、スペクトルデータ分類部52からグループ分類データを取得し、各グループにどの割合でスペクトルデータが分類されているか判断する。そして、所定割合(例えば10%)以上のグループを主成分グループとし、所定割合未満のグループを副成分グループとして設定する。例えば、グループAには25%、グループBには2%、グループCには32%、グループDには1%、グループEには40%のスペクトルデータが属している場合には、グループA、グループC、グループEが主成分グループとして設定され、グループB、グループDが副成分グループとして設定される。
境界領域判別部55は、主副グループ設定部54からグループ設定データを取得し、副成分グループに属するスペクトルデータを生じる副成分領域を、境界領域と判別するものである。
境界領域の全スペクトルデータに占める割合は少ないため、適当なしきい値で境界領域になる可能性の高いグループと、そうでないグループとを分けることができる。このようにしておけば、後に示す境界領域の判別にかかる時間を短くすることができる。
つまり、境界領域判別部55は、互いに異なる主成分グループに属するスペクトルデータの合成である合成スペクトルデータと、副成分グループに属するスペクトルデータとを比較して、類似する場合には、副成分グループのスペクトルデータを生じる副成分領域を、主成分グループのスペクトルデータを生じる主成分領域間の境界領域であると判別するものである。
以下に、具体例を挙げて説明する。
境界領域判別部55は、グループAに属するスペクトルデータと、グループAとは異なるグループCに属するスペクトルデータとの和を算出する。ただ単にスペクトル同士の強度を加算するだけでも良いが、本実施形態では、最も大きい強度が1となるようにそれぞれ規格化して加算している。そして、その和スペクトルデータと、グループBに属するスペクトルデータとの相関値を前述した演算式[1]、[2]により算出する。そして、この相関値が、所定値以上であれば、グループBに属するスペクトルデータを生じる副成分領域(B成分領域)は、グループAに属するスペクトルデータを生じる主成分領域(A成分領域)及びグループCに属するスペクトルデータを生じる主成分領域(C成分領域)間の境界領域であると判別する(図4参照)。
また、境界領域判別部55は、上記と同様にして、図5に示す組み合わせで、主成分グループと副成分グループとの各相関値を算出し、境界領域を判別する。なお、図5において、「+」記号は、各グループに属するスペクトルデータの和を算出することを意味し、矢印線は比較を意味している。
そして、その判別結果を示す判別結果データは、ディスプレイ6に出力され、主成分領域とともに、境界領域が表示される。
<動作方法>
次に、このように構成した試料測定装置1の動作について、図6、図7及び図8を参照しつつ説明する。
まず、スペクトルデータ格納動作を図6を参照して説明する。試料台2を予め定めた初期位置に移動させ、電子線EBが試料測定エリアの初期ポイント(例えば試料測定エリアの隅部)に照射されるように設定する。
その後、電子銃31から前記ポイントに電子線EBが照射される(ステップS1)。
この電子線EBの照射により発生したカソードルミネッセンスLは、検出装置4で各波長に分光され、この検出装置4から、波長毎の光強度を示す出力信号が情報処理装置5に送信される。
この出力信号をスペクトルデータ生成部51が受信し、波長(波数)と関連づけることによりスペクトルデータを生成する。そしてこのスペクトルデータを、電子線EBの照射ポイント情報に関連づけて前記スペクトルデータ格納部D1に格納する(ステップS3)。
次にスペクトルデータ生成部51は、電子線EBの照射が試料エリアの終了ポイント(例えば初期ポイントの対向に位置する隅部)に至ったかどうかを判断し(ステップS4)、至ってなければ、電子線制御機構に制御信号を出力して電子線EBの軌道をx方向又はy方向を所定単位量だけ変え、次の電子線照射ポイントに電子線EBが照射する(ステップS5)。そしてかかるステップ2〜ステップ5を繰り返し、電子線の走査を行いつつ各ポイントでのスペクトルデータを次々に生成、格納する。
次に、スペクトルデータ分類動作を図7を参照して説明する。測定エリアの電子線走査が終了すれば、スペクトルデータ分類部52が、前記スペクトルデータ格納部D1に格納されている各スペクトルデータをそれぞれ取得する(ステップS6)。そして、例えば最初に取得したスペクトルデータをグループAの代表値として、そのスペクトルデータに対するその他のスペクトルデータの相関値を、前記演算式[1]、[2]に基づいてそれぞれ算出する(ステップS7)。そして、スペクトルデータ分類部52は、このように算出した相関値が所定値以上(例えば0.8以上)か否かを判断し(ステップS8)、所定値以上であれば、グループAに分類する(ステップS9)。
次に、スペクトルデータ分類部52は、グループAに分類されなかったスペクトルデータの1つをグループBの代表値とし、そのスペクトルデータに対するその他のスペクトルデータ(グループAに分類されていないもの)の相関値を、前記演算式[1]、[2]に基づいてそれぞれ算出する(ステップS10)。そして、スペクトルデータ分類部52は、このように算出した相関値が所定値以上(例えば0.8以上)か否かを判断し(ステップS11)、所定値以上であれば、グループBに分類する(ステップS12)。以後、全てのスペクトルデータが分類されるまで、この動作を繰り返す(ステップS13)。そして、そのスペクトル分類データを領域設定部53に出力する。そうすると、領域設定部53は、各グループに属する各スペクトルデータに関連付けられた位置情報に基づいて、試料の測定エリアを複数の異なる領域に設定する。そして、その領域設定データ及び前記スペクトル分類データを主副グループ設定部54に出力する。
次に、境界領域判別動作を図8を参照して説明する。スペクトル分類データを取得した主副グループ設定部54は、前記グループを、主成分グループ又は副成分グループに分類し、設定する(ステップS14)。そして、そのグループ設定データを境界領域判別部55に出力する。
次に、境界領域判別部55は、互いに異なる主成分グループに属するスペクトルデータ同士を足し合わせる(ステップS15)。そして、その合成スペクトルデータに対する副成分グループに属するスペクトルデータ(副成分グループに属する1つ)の相関値を、前記演算式[1]、[2]に基づいてそれぞれ算出する(ステップS16)。このように算出した相関値に基づいて境界領域を判別する(ステップS17)。その後、その境界領域を示す境界領域データ及び主成分領域を示す主成分領域データをディスプレイ6に出力し、ディスプレイ6は、その領域を表示する。その後、各領域に適した初期値を設定して、通常のマッピング測定を行い、試料表面の分析を行う。
<本実施形態の効果>
このように構成した本実施形態に係る試料分析装置1によれば、複数の成分領域を有する試料において、その成分間の境界領域を自動的に判別することができる。したがって、測定領域に適した初期値を設定することができ、マッピング測定の時間短縮を可能とすることができる。また、電子線EBを照射して生じるカソードルミネッセンスLを測定する空間分解能が高い装置においては、特に、境界を含むエリアをマッピング測定する際には、その測定結果を有効に評価することができるようになる。
<その他の変形実施形態>
なお、本発明は前記実施形態に限られるものではない。以下の説明において前記実施形態に対応する部材には同一の符号を付すこととする。
例えば、相関値を求める演算式は、本実施形態に限られず、種々の変更が可能である。また、相関値がピーク位置にのみ依存して変化するような演算式であればなお好適である。
さらに、前記実施形態では、カソードルミネッセンスを測定するものであったが、その他、ラマンスペクトル、フォトルミネッセンススペクトル等を測定するものであっても良い。
前記実施形態では、エネルギ線照射部を制御して試料の複数ポイントにエネルギ線を照射していたが、試料を動かして試料の複数ポイントにエネルギ線を照射しても良い。
その上、スペクトルデータのみを持ち運び可能な記録媒体に記録し、独立した情報処理装置でそのスペクトルデータから相関値等を算出して、境界領域を判別するなどしてもよい。
加えて、前記実施形態では、スペクトルデータ分類部54が、各ポイントから得られたスペクトルデータを比較してグループ化するものであったが、その他、予め格納された基準スペクトルデータと、各ポイントから得られたスペクトルデータとを比較して分類するようにしても良い。
さらに加えて、スペクトルデータ分類部54のグループ化の方法としては、相関値に基づいて行う方法の他に、スペクトルの積分強度に基づいて行う方法やスペクトルのピーク値又は数などに基づいて行う方法なども考えられる。
また、前記実施形態では、合成情報として合成スペクトルデータを用いるものであったが、その他の合成情報を用いるようにしても良い。合成情報は、互いに異なるグループに属するスペクトルデータを組み合わせて構成されるものであり、例えばそれぞれのグループに属するスペクトルデータのピーク値や強度などの特性を組み合わせて構成することができる。具体的には、合成情報は、最大強度が1となるように規格化した値が、波長300〜400(nm)において0.2以上(例えばグループAに属するスペクトルデータの特性を示す。)であり、波長600〜700(nm)において0.2以上(例えばグループCに属するスペクトルデータの特性を示す。)である、とすることができる。このような合成情報において、例えばグループBに属するスペクトルデータが、最大強度が1となるように規格化した値が、波長300〜400(nm)において0.2以上、かつ波長600〜700(nm)において0.2以上である場合には、グループB(B成分領域)は、グループA(A成分領域)及びグループC(C成分領域)の境界領域であると判別される。
また、情報処理装置内で合成スペクトルを計算し、それから合成情報を求めても良いし、予め用意された合成情報を用いても良い。
境界領域判別部は「互いに異なるグループ以外のグループ」として、「互いに異なるグループ」の領域と連続した領域のグループを選択するようにしても良い。
上記に加えて、エネルギ線として、X線やイオンビーム等を用いたものであっても良いし、二次エネルギ線として、カソードルミネッセンス以外のルミネッセンス、X線や二次電子、オージェ電子又は反射電子等の電子などを検出するものであっても良い。
また、前記実施形態の領域設定部53の機能を、スペクトルデータ分類部52、主副グループ設定部54又は境界領域判別部55に備えさせて、領域設定部53を設けないものであっても良い。
その他、前述した実施形態や変形実施形態の一部又は全部を適宜組み合わせてよいし、本発明は前記実施形態に限られず、その趣旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能であるのは言うまでもない。
本発明の一実施形態に係る試料分析装置の模式構成図。 同実施形態における情報処理装置の模式的構成図。 同実施形態における情報処理装置の機能ブロック図。 成分領域を示す模式図。 主成分グループ及び副成分グループの比較方法を示す図。 スペクトルデータ格納動作を示すフローチャート。 スペクトルデータ分類動作を示すフローチャート。 境界領域判別動作を示すフローチャート。
符号の説明
1 ・・・試料測定装置
W ・・・試料
EB・・・エネルギ線(電子線)
L ・・・二次エネルギ線(カソードルミネッセンス)
3 ・・・エネルギ線照射部(電子線照射装置)
4 ・・・二次エネルギ線検出部(検出装置)
5 ・・・情報処理装置
51・・・スペクトルデータ生成部
52・・・スペクトルデータ分類部
54・・・主副グループ設定部
55・・・境界領域判定部

Claims (6)

  1. 試料の複数ポイントにエネルギ線を照射するエネルギ線照射部と、前記エネルギ線が照射された試料から生じる二次エネルギ線を検出する二次エネルギ線検出部と、前記二次エネルギ線検出部からの出力信号を受信して、所定の演算処理を行う情報処理装置と、を具備し、
    前記情報処理装置が、
    前記二次エネルギ線検出部により検出された二次エネルギ線のスペクトル波形を示すデータであるスペクトルデータを各ポイント毎に生成するスペクトルデータ生成部と、
    類似するスペクトルデータを集めてグループ化するスペクトルデータ分類部と、
    互いに異なるグループに属するスペクトルデータの合成である合成スペクトルから得られる合成情報と、前記互いに異なるグループ以外のグループに属するスペクトルデータから得られる情報とを比較して、類似する場合には、前記互いに異なるグループ以外のグループのスペクトルデータを生じる領域を、前記互いに異なるグループのスペクトルデータを生じる領域間の境界領域であると判別する境界領域判別部と、を備えている試料分析装置。
  2. 全スペクトルデータの数に対して所定割合以上の数のスペクトルデータを有するグループを主成分グループとし、それ以外のグループを副成分グループとして設定する主副グループ設定部をさらに備え、
    前記境界領域判別部が、互いに異なる主成分グループに属するスペクトルデータの合成である合成スペクトルから得られる合成情報と、前記副成分グループに属するスペクトルデータから得られる情報とを比較して、類似する場合には、前記副成分グループのスペクトルデータを生じる副成分領域を、前記主成分グループのスペクトルデータを生じる主成分領域間の境界領域であると判別するものである請求項1記載の試料分析装置。
  3. 前記スペクトル分類部が、各スペクトルデータ同士の相関値を算出し、その相関値が所定値以上のものを同一グループに分類するものである請求項2記載の試料分析装置。
  4. 前記境界判別部が、互いに異なるグループに属するスペクトルデータの合成である合成スペクトルデータと、前記互いに異なるグループ以外のグループに属するスペクトルデータとを比較するものである請求項1、2又は3記載の試料分析装置。
  5. 前記領域判別部が、前記合成スペクトルデータと、前記互いに異なるグループ以外のグループに属するスペクトルデータとの相関値を算出し、その相関値が所定値以上である場合に、前記副成分領域を境界領域と判別するものである請求項4記載の試料分析装置。
  6. 試料にエネルギ線を照射して、その試料から生じる二次エネルギ線を検出して、前記試料の分析を行うための試料分析プログラムであって、
    二次エネルギ線検出部により検出された二次エネルギ線のスペクトル波形を示すデータであるスペクトルデータを各ポイント毎に生成するスペクトルデータ生成部と、
    各スペクトルデータを比較して、類似するスペクトルデータを集めてグループ化するスペクトルデータ分類部と、
    互いに異なるグループに属するスペクトルデータの合成である合成スペクトルから得られる合成情報と、前記互いに異なるグループ以外のグループに属するスペクトルデータから得られる情報とを比較して、類似する場合には、前記互いに異なるグループ以外のグループのスペクトルデータを生じる領域を、前記互いに異なるグループのスペクトルデータを生じる領域間の境界領域であると判別する境界領域判別部と、としての機能をコンピュータに発揮させる試料分析プログラム。
JP2006340798A 2006-12-19 2006-12-19 試料分析装置 Expired - Fee Related JP4709129B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006340798A JP4709129B2 (ja) 2006-12-19 2006-12-19 試料分析装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006340798A JP4709129B2 (ja) 2006-12-19 2006-12-19 試料分析装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008151679A true JP2008151679A (ja) 2008-07-03
JP4709129B2 JP4709129B2 (ja) 2011-06-22

Family

ID=39653989

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006340798A Expired - Fee Related JP4709129B2 (ja) 2006-12-19 2006-12-19 試料分析装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4709129B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017026478A (ja) * 2015-07-23 2017-02-02 日本電子株式会社 分析装置および分析方法

Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH02248847A (ja) * 1989-03-23 1990-10-04 Horiba Ltd 微小部x線分析における三元素化合物の分析方法
JPH06231717A (ja) * 1993-11-26 1994-08-19 Jeol Ltd X線マイクロアナライザにおける試料分析方法
JPH0954053A (ja) * 1995-08-18 1997-02-25 Shimadzu Corp 表面分析装置
JPH1096691A (ja) * 1991-03-19 1998-04-14 Tokai Rika Co Ltd 面分析方法及び面分析装置
JP2000139815A (ja) * 1998-11-09 2000-05-23 Fuji Photo Film Co Ltd 蛍光診断装置
JP2003114204A (ja) * 2001-10-03 2003-04-18 Canon Inc 状態検出装置および状態検出方法、走査型分析装置および元素分析方法
JP2004093511A (ja) * 2002-09-03 2004-03-25 Horiba Ltd X線分析装置及びコンピュータプログラム
JP2006119076A (ja) * 2004-10-25 2006-05-11 Jasco Corp マッピングデータ解析装置及び方法
JP2006250827A (ja) * 2005-03-11 2006-09-21 Pasuko:Kk 作物の生育状況分析方法

Patent Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH02248847A (ja) * 1989-03-23 1990-10-04 Horiba Ltd 微小部x線分析における三元素化合物の分析方法
JPH1096691A (ja) * 1991-03-19 1998-04-14 Tokai Rika Co Ltd 面分析方法及び面分析装置
JPH06231717A (ja) * 1993-11-26 1994-08-19 Jeol Ltd X線マイクロアナライザにおける試料分析方法
JPH0954053A (ja) * 1995-08-18 1997-02-25 Shimadzu Corp 表面分析装置
JP2000139815A (ja) * 1998-11-09 2000-05-23 Fuji Photo Film Co Ltd 蛍光診断装置
JP2003114204A (ja) * 2001-10-03 2003-04-18 Canon Inc 状態検出装置および状態検出方法、走査型分析装置および元素分析方法
JP2004093511A (ja) * 2002-09-03 2004-03-25 Horiba Ltd X線分析装置及びコンピュータプログラム
JP2006119076A (ja) * 2004-10-25 2006-05-11 Jasco Corp マッピングデータ解析装置及び方法
JP2006250827A (ja) * 2005-03-11 2006-09-21 Pasuko:Kk 作物の生育状況分析方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017026478A (ja) * 2015-07-23 2017-02-02 日本電子株式会社 分析装置および分析方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP4709129B2 (ja) 2011-06-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
USRE49543E1 (en) Fine particle measuring apparatus
TWI679710B (zh) 用於判定樣品上缺陷之系統、非暫時性電腦可讀媒體及方法
JP7257009B2 (ja) がん検出を目的としたリアルタイムラマン分光法のためのシステムおよび方法
JP2020073935A (ja) 試料の欠陥検出及び光ルミネセンス測定のための系及び方法
JP5411934B2 (ja) 相乗的エネルギー分散および波長分散型x線分光
JP6769402B2 (ja) 電子線マイクロアナライザー及びデータ処理プログラム
TWI791806B (zh) 用於檢查之模式選擇
US20080181458A1 (en) Light intensity measurement method and light intensity measurement system
KR102629852B1 (ko) 다중-모드 검사를 위한 통계적 학습-기반 모드 선택
US11727612B2 (en) Microparticle analyzing apparatus and data displaying method
JP2011038939A (ja) エネルギー分散型x線分析装置のスペクトルの分類方法及び装置
JP4709129B2 (ja) 試料分析装置
US11698336B2 (en) Analysis method and analysis apparatus
JP5117966B2 (ja) 試料分析装置
CN113330298B (zh) 校正干涉滤波器因入射角引起的透射偏离的系统、方法和设备
CN207336366U (zh) 一种基于数字微镜的icp-aes色散检测装置
JP4733433B2 (ja) ビーズアレイ用蛍光読取装置及びビーズアレイ用蛍光読取方法
EP4281989A1 (en) COST EFFECTIVE PROBING IN HIGH VOLUME MANUFACTURE OF µLEDS
KR20160014340A (ko) 형광수명 분석 시스템 및 그 분석 방법
JP2006125863A (ja) 応力測定装置及び応力測定方法
Cosci et al. Automated algorithm for actinic cheilitis diagnosis by wide-field fluorescence imaging
WO2018042752A1 (ja) 信号分析装置、信号分析方法、コンピュータプログラム、測定装置及び測定方法
JP7033888B2 (ja) ラマンイメージング装置、ラマンイメージングシステム、ラマンイメージング方法、及び、ラマンイメージング装置用プログラム
JP2005265571A (ja) 応力測定装置、応力測定方法及び応力測定用プログラム
JP2009074812A (ja) 薄膜試料分析装置及び薄膜試料分析方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20081222

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20101206

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20101221

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110210

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110315

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110317

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140325

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees