JP2008150958A - 冷媒圧縮機及びそれを用いた冷凍サイクル装置 - Google Patents

冷媒圧縮機及びそれを用いた冷凍サイクル装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 回転軸の良好な摺動性能を確保しながら、回転軸と軸受けの耐摩耗性を改善することができる冷媒圧縮機及びこの冷媒圧縮機を用いた冷凍サイクル装置を提供する。
【解決手段】 回転軸16と当該回転軸16の軸受け54A、56Aとの間に介在するブッシュ122、123を備え、各ブッシュ122、123は、カーボン基材にAl−Cu−Zn系合金を含浸して成る金属含浸カーボン材料から成り、線膨張率が8.5×10-6〜10.5×10-6/℃である。
【選択図】図3

Description

本発明は、回転軸の回転により圧縮要素を駆動して冷媒を圧縮する冷媒圧縮機及びこの冷媒圧縮機を用いた冷凍サイクル装置に関するものである。
従来より回転軸の回転によって圧縮要素を駆動し、冷媒を圧縮する冷媒圧縮機では、回転軸とこの回転軸の軸受けとの間にカーボン製のブッシュを介在して、回転軸の良好な摺動性能を確保していた(例えば、特許文献1参照)。
上記ブッシュとしては、従来カーボン基材に、Al−Si系合金を含有したものや、Al、Cu、Mg、Ti、Be、Znを含む合金を含有したものが使用されていた。例えば、後者の合金を含むブッシュは、カーボン基材に、Alを1wt%(重量%)〜30wt%、Cuを2wt%〜15wt%、Mgを0.01wt%〜7wt%、Tiを0.01wt%〜3wt%、Beを0.01wt%〜0.3wt%及び残部Znを含む合金を含浸することにより構成されたものであった(例えば、特許文献2参照)。
特開2003−129981号公報 特開2005−187288号公報
このように回転軸と軸受けの間に上記ブッシュを介在することで、供給される潤滑油の量が不足した場合であっても回転軸が焼き付く不都合を解消することが可能となり、良好な潤滑性を確保することができるようになった。しかしながら、上述した従来のブッシュでは、耐久性を確保するために、耐摩耗性の高い非常に硬質なカーボンが基材として使用されているため、この硬質なカーボンによってブッシュの内面に位置する回転軸が傷付けられ、回転軸の耐久性が悪化する問題が生じていた。
本発明は、係る従来の技術的課題を解決するために成されたものであり、回転軸の良好な摺動性能を確保しながら、回転軸の耐久性を改善することができる冷媒圧縮機及びこの冷媒圧縮機を用いた冷凍サイクル装置を提供することを目的とする。
請求項1の発明の冷媒圧縮機は、回転軸の回転により圧縮要素を駆動し、この圧縮要素にて冷媒を圧縮するものであって、 回転軸と当該回転軸の軸受けとの間に介在するブッシュを備え、このブッシュは、カーボン基材にAl−Cu−Zn系合金を含浸して成る金属含浸カーボン材料から成り、線膨張率が8.5×10-6〜10.5×10-6/℃であることを特徴とする。
請求項2の発明の冷媒圧縮機は、回転軸の回転により圧縮要素を駆動し、この圧縮要素にて冷媒を圧縮するものであって、回転軸と当該回転軸の軸受けとの間に介在するブッシュを備え、このブッシュは、カーボン基材にAl−Cu−Zn系合金を、28wt%より多く、31wt%より少ない量で含浸して成る金属含浸カーボン材料から構成されていることを特徴とする。
請求項3の発明の冷媒圧縮機は、請求項2に記載の発明においてブッシュは、カーボン基材にAl−Cu−Zn系合金を、30wt%含浸して成る金属含浸カーボン材料から構成されていることを特徴とする。
請求項4の発明の冷媒圧縮機は、請求項1乃至請求項3の何れかに記載の発明においてAl−Cu−Zn系合金は、Al1wt%〜30wt%、Cu2wt%〜15wt%、Mg0.01wt%〜7wt%、Ti0.01wt%〜3wt%、Be0.01wt%〜0.3wt%及び残部Znを含む合金であることを特徴とする。
請求項5の発明の冷媒圧縮機は、請求項1乃至請求項4の何れかに記載の発明において軸受けは、線膨張率が10.5×10-6〜13.0×10-6/℃である金属で形成されていることを特徴とする。
請求項6の発明の冷媒圧縮機は、請求項1乃至請求項5の何れかに記載の発明において回転軸は、線膨張率が9.5×10-6〜12.5×10-6/℃である金属で形成されていることを特徴とする。
請求項7の発明の冷媒圧縮機は、請求項1乃至請求項6の何れかに記載の発明において冷媒としてHFC系冷媒、又は、自然系冷媒を用い、潤滑油として鉱物油、ポリビニルエーテル、ポリオールエステル、アルキルベンゼン、ポリアルファオレフィン、又は、ポリアルキレングリコールを用いることを特徴とする。
請求項8の発明の冷凍サイクル装置は、請求項1乃至請求項7の何れかに記載の冷媒圧縮機と、放熱器、膨張装置及び蒸発器を配管接続して構成したことを特徴とする。
請求項1の発明によれば、回転軸の回転により圧縮要素を駆動し、この圧縮要素にて冷媒を圧縮する冷媒圧縮機において、 回転軸と当該回転軸の軸受けとの間に介在するブッシュを備え、このブッシュは、カーボン基材にAl−Cu−Zn系合金を含浸して成る金属含浸カーボン材料から成り、線膨張率が8.5×10-6〜10.5×10-6/℃であるので、金属含浸カーボン材料の線膨張率を軸受け及び回転軸の線膨張率と同じ、或いは、軸受け及び回転軸の線膨張率に極力近づけることができるようになる。これにより、軸受けの熱膨張によるブッシュの割れや前記ブッシュにより回転軸が傷付く不都合を抑制して、ブッシュや回転軸の耐久性を著しく改善することができるようになる。
請求項2の発明によれば、回転軸の回転により圧縮要素を駆動し、この圧縮要素にて冷媒を圧縮する冷媒圧縮機において、回転軸と当該回転軸の軸受けとの間に介在するブッシュを備え、このブッシュは、カーボン基材にAl−Cu−Zn系合金を、28wt%より多く、31wt%より少ない量で含浸して成る金属含浸カーボン材料から構成されるので、例えば、請求項3の発明の如くブッシュは、カーボン基材にAl−Cu−Zn系合金を、30wt%含浸して成る金属含浸カーボン材料から構成されるものとすれば、金属含浸カーボン材料の線膨張率を軸受け及び回転軸の線膨張率と同じ、或いは、軸受け及び回転軸の線膨張率に極力近づけることができるようになる。これにより、軸受けの熱膨張によるブッシュの割れや前記ブッシュにより回転軸が傷付く不都合を抑制して、ブッシュや回転軸の耐久性を著しく改善することができるようになる。
特に、カーボン基材にAl−Cu−Zn系合金を、28wt%より多く、31wt%より少ない量で含浸することで、合金の含浸量を極力抑えることができるようになり、材料コストを低減、或いは、抑制することができる。
また、請求項4の発明の如くAl−Cu−Zn系合金は、Al1wt%〜30wt%、Cu2wt%〜15wt%、Mg0.01wt%〜7wt%、Ti0.01wt%〜3wt%、Be0.01wt%〜0.3wt%及び残部Znを含む合金とすれば、重金属の鉛を含有せずに、鉛含浸カーボン材料と同等の摺動特性を有した金属含浸カーボン材料を造ることができる。これにより、環境問題にも寄与することができる。
特に、請求項5の発明の如く軸受けを、線膨張率が10.5×10-6〜13.0×10-6/℃である金属で形成し、請求項6の発明の如く回転軸を線膨張率が9.5×10-6〜12.5×10-6/℃である金属で形成することで、軸受けによるブッシュの破損や当該ブッシュにより回転軸が傷付く不都合を効果的に抑制することができる。更に、請求項7の発明の如く冷媒としてHFC系冷媒、又は、自然系冷媒を用い、潤滑油として鉱物油、ポリビニルエーテル、ポリオールエステル、アルキルベンゼン、ポリアルファオレフィン、又は、ポリアルキレングリコールを用いた場合により効果的となる。
そして、請求項8の如く上記各発明の冷媒圧縮機と、放熱器、膨張装置及び蒸発器を配管接続して冷凍サイクル装置を構成することで、冷凍サイクル装置の信頼性の向上を図ることができるようになる。
本発明は、従来、回転軸の良好な摺動性能を確保するために回転軸とこの回転軸の軸受けとの間に硬質のカーボンを基材としたブッシュを介在する冷媒圧縮機において、軸受けの熱膨張によるブッシュの割れや当該ブッシュにより回転軸と軸受けの耐久性が悪化する不都合を解消するために成されたものである。回転軸の良好な摺動性能を確保しながら、回転軸と軸受けの耐摩耗性を改善するという目的を、カーボン基材にAl−Cu−Zn系合金を含浸して成る金属含浸カーボン材料からブッシュを構成し、線膨張率を8.5×10-6〜10.5×10-6/℃とすることにより実現した。以下図面に基づき本発明の実施形態を詳述する。
図1は、本発明の冷媒圧縮機の一実施例として、第1及び第2の回転圧縮要素(本発明の圧縮要素)32、34を備えた内部中間圧型多段(2段)圧縮式のロータリコンプレッサ10の縦断面図を示している。実施例のロータリコンプレッサ10は、鋼板から成る縦型円筒状の密閉容器12の内部空間の上側に収容された電動要素14と、この電動要素14の下側に収容され、電動要素14の回転軸16により駆動される回転圧縮機構部18にて構成されている。当該回転圧縮機構部18は、第1の回転圧縮要素32(1段目)と、この第1の回転圧縮要素32より排除容積の小なる第2の回転圧縮要素34(2段目)から成る。本実施例の回転軸16はクロム含有鋼材、鋳鉄材、球状黒鉛鋳鉄材、又は、共晶黒鉛鋳鉄材の何れかから構成されており、この回転軸16の線膨張率は9.5×10-6〜12.5×10-6/℃である。また、この回転軸16の表面粗さは約Rz0.3〜2.0μmである。
密閉容器12は底部をオイル溜めTとし、電動要素14と回転圧縮機構部18を収容する容器本体12Aと、この容器本体12Aの上部開口を閉塞する略椀状のエンドキャップ(蓋体)12Bとで構成されている。このエンドキャップ12Bの上面中心付近には円形の取付孔12Dが形成され、当該取付孔12Dには電動要素14に電力を供給するためのターミナル(配線を省略)20が取り付けられている。
この場合、ターミナル20の周囲のエンドキャップ12Bには、座押成形によって所定曲率の段差部12Cが環状に形成されている。また、ターミナル20は電気的端子139が貫通して取り付けられた円形のガラス部20Aと、このガラス部20Aの周囲に形成され、斜め外下方に鍔状に張り出した金属製の取付部20Bとから構成されている。そして、ターミナル20は、そのガラス部20Aを下側から取付孔12Dに挿入して上側に臨ませ、取付部20Bを溶接することで、エンドキャップ12Bに固定されている。
電動要素14は、密閉容器12の上部空間の内周面に沿って環状に取り付けられたステータ22と、このステータ22の内側に若干の間隙を設けて配置されたローラ24とから成る。このロータ24は中心を通り鉛直方向に延びる回転軸16に固定されている。
ステータ22は、ドーナッツ状の電磁鋼板を積層した積層体26と、この積層体26の歯部に直巻き(集中巻き)方式により巻装されたステータコイル28を有している。また、ロータ24もステータ22と同様に電磁鋼板の積層体30で形成され、この積層体30内に永久磁石MGを挿入して構成されている。
そして、前記第1の回転圧縮要素32と第2の回転圧縮要素34との間には中間仕切板36が挟持されている。即ち、第2の回転圧縮要素34と第1の回転圧縮要素32は、中間仕切板36と、この中間仕切板36の上下に配置されたシリンダ38、40とこの上下シリンダ38、40内を180度の位相差を有して回転軸16に設けた上下偏心部42、44に嵌合されて偏心回転する上下ローラ46、48と、この上下ローラ46、48に当接して上下シリンダ38、40内をそれぞれ低圧室側と高圧室側に区画するベーン(図示せず)と、上シリンダ38の上側(電動要素14側)の開口面を閉塞して回転軸16の軸受けを兼用する上部支持部材54と、下シリンダ40の下側(電動要素14とは反対側)の開口面を閉塞して、上記上部支持部材54と同様に回転軸16の軸受けを兼用する下部支持部材56にて構成されている。
上部支持部材54及び下部支持部材56には、吸込ポート161、162にて上下シリンダ38、40の内部とそれぞれ連通する吸込通路58、60と、凹陥した吐出消音室62、64が形成されると共に、これら両吐出消音室62、64の開口部はそれぞれカバーにより閉塞されている。即ち、吐出消音室62はカバーとしての上部カバー66、吐出消音室64はカバーとしての下部カバー68にて閉塞されている。
この場合、上部支持部材54の中央には電動要素14方向に突出する長軸受けとなる軸受け54Aが起立形成されており、この軸受け54Aの内側には後述する円筒状のブッシュ122が装着されている。このブッシュ122は、回転軸16と軸受け54Aとの間に介在し、内面が回転軸16に摺動自在に接触している。
また、下部支持部材56の中央には軸受け54Aと比較して短軸受けとなる軸受け56Aが貫通形成されており、この軸受け56Aの内側には後述する円筒状のブッシュ123が装着されている。このブッシュ123は、回転軸16と軸受け56Aとの間に介在し、内面が回転軸16に摺動自在に接触している。
これにより、回転軸16は回転圧縮機構部18の電動要素14側(上側)ではブッシュ122を介して上部支持部材54の軸受け54Aに保持され、電動要素14と反対側(下側)ではブッシュ123を介して下部支持部材56の軸受け56Aに保持される。そして、各ブッシュ122、123の表面粗さは約Rz0.2〜0.6μmである。また、上記軸受け54A、56Aは鋳鉄材、焼結材の何れかから構成されており、この軸受け54A、56Aの線膨張率は10.5×10-6〜13.0×10-6/℃である。
一方、下部カバー68はドーナッツ状の円形鋼板から構成されており、周辺部の4カ所を主ボルト129・・によって下から下部支持部材56に固定され、第1の回転圧縮要素32の下シリンダ40内部と連通する吐出消音室64の下面開口部を閉塞する。この主ボルト129・・の先端は上部支持部材54に螺合する。
尚、吐出消音室64と密閉容器12内における上部カバー66の電動要素14側は、上下シリンダ38、40や中間仕切板36を貫通する孔である図示しない連通路にて連通されている。この連通路の上端には中間吐出管121が立設されており、この中間吐出管121は上方の電動要素14のステータ22に巻装され、相隣接するステータコイル28、28間の隙間に指向している。
また、上部カバー66は第2の回転圧縮要素34の上シリンダ38内部と連通する吐出消音室62の上面開口部を閉塞し、密閉容器12内を吐出消音室62と電動要素14側とに仕切る。この上部カバー66は周辺部が4本の主ボルト78・・・により、上から上部支持部材54に固定されている。この主ボルト78・・の先端は下部支持部材56に螺合する。
次に、上シリンダ38の下側の開口面及び下シリンダ40の上側の開口面を閉塞する中間仕切板36内には、上シリンダ38内の吸込側に対応する位置に、外周面から内周面に至り、外周面と内周面とを連通して給油路を構成する貫通孔131が穿設されており、この貫通孔131の外周面側に封止材132を圧入して外周面側の開口を封止している。また、この貫通孔131の途中部には上側に延在する連通孔133が穿設されている。
一方、上シリンダ38の吸込ポート161(吸込側)には中間仕切板36の連通孔133に連通する連通孔134が穿設されている。また、回転軸16内には軸中心に鉛直方向のオイル孔80と、このオイル孔80に連通する横方向の給油孔82、84(回転軸16の上下偏心部42、44にも形成されている)が形成されており、中間仕切板36の貫通孔131の内周面側の開口は、これら給油孔82、84を介してオイル孔80に連通している。
後述する如く密閉容器12内は中間圧となるため、2段目で高圧となる上シリンダ28内にはオイルの給油が困難となるが、中間仕切板36を係る構造としたことにより、密閉容器12内底部のオイル溜めTから汲み上げてオイル孔80を上昇し、給油孔82、84から出たオイルは、中間仕切板36の貫通孔131に入り、連通孔133、134から上シリンダ38の吸込側(吸込ポート161)に供給されるようになる。
前記密閉容器12の容器本体12Aの側面には、上部支持部材54と下部支持部材56の吸込通路58、60、吐出消音室62及び上部カバー66の上側(電動要素14の下端に略対応する位置)に対応する位置に、スリーブ141、142、143及び144がそれぞれ溶接固定されている。スリーブ141と142は上下に隣接すると共に、スリーブ143はスリーブ141の略対角線上にある。また、スリーブ144はスリーブ141と略90度ずれた位置にある。
上記スリーブ141内には上シリンダ38内に冷媒ガスを導入するための冷媒導入管92の一端が挿入接続され、この冷媒導入管92の一端は上シリンダ38の吸込通路58に連通される。この冷媒導入管92は密閉容器12の上側を通過してスリーブ144に至り、他端はスリーブ144内に挿入接続されて密閉容器12内に連通する。
また、スリーブ142内には下シリンダ40に冷媒ガスを導入するための冷媒導入管94の一端が挿入接続され、この冷媒導入管94の一端は下シリンダ40の吸込通路60に連通される。また、スリーブ143内には冷媒吐出管96が挿入接続され、この冷媒吐出管96の一端は吐出消音室62に連通される。
そして、本実施例のロータリコンプレッサ10は図2に示すように放熱器154、膨張弁156(膨張装置)及び蒸発器157と配管接続されて、冷凍サイクル装置150を構成している。即ち、ロータリコンプレッサ10の冷媒吐出管96は放熱器154の入口に接続される。放熱器154を出た配管は膨張装置としての膨張弁156に接続される。尚、本実施例では膨張装置として膨張弁156を用いるものとしたが、本発明で使用する膨張装置は冷媒を減圧することができるものであれば良く、例えば、キャピラリチューブを用いても差し支えない。
また、膨張弁156を出た配管は蒸発器157の入口に至り、蒸発器157の出口は冷媒導入管に接続される。
そして、この場合冷媒としてはHFC系冷媒、又は、自然系冷媒を用いるものとする。本実施例では冷媒として自然系冷媒の二酸化炭素(CO2)を用いるものとする。また、潤滑油としてのオイルは、鉱物油、ポリビニルエーテル、ポリオールエステル、アルキルベンゼン、ポリアルファオレフィン、又は、ポリアルキレングリコールの何れかを用いるものとする。
以上の構成で次に動作を説明する。ターミナル及び図示しない配線を介して電動要素14のステータコイル28に通電されると、電動要素14が起動してロータ24が回転する。この回転により回転軸16と一体に設けた上下偏心部42、44に嵌合された上下ローラ46、48が上下シリンダ38、40内を偏心回転する。
これにより、冷媒導入管94及び下部支持部材56に形成された吸込通路60を経由して吸込ポート162から下シリンダ40の低圧室側に吸入された低圧の冷媒ガスはローラ48とベーンの動作により圧縮されて中間圧となり、下シリンダ40の高圧室側より下部支持部材56に形成された吐出消音室64に吐出され、前記連通路を経て中間吐出管121から密閉容器12内に吐出される。
このとき、中間吐出管121は前述したように上方の電動要素14のステータ22に巻装され、相隣接するステータコイル28、28間の隙間に指向しているので、未だ比較的低温の冷媒ガスを電動要素14方向に積極的に供給して、電動要素14の温度上昇を抑制することができる。また、上記中間吐出管121から第1の回転圧縮要素32にて圧縮された冷媒ガスを密閉容器12内に吐出することで、密閉容器12内は中間圧となる。
そして、密閉容器12内の中間圧の冷媒ガスは、スリーブ144から出て冷媒導入管92及び上部支持部材54に形成された吸込通路58を経由して吸込ポート161から上シリンダ38の低圧室側に吸入される。吸入された中間圧の冷媒ガスは、ローラ46とベーンの動作により2段目の圧縮が行われて高温高圧の冷媒ガスとなり、高圧室側から上部支持部材54に形成された吐出消音室62、冷媒吐出管96を経由して放熱器154に流入する。
当該放熱器154において周囲と熱交換して冷却された冷媒は、膨張弁156で減圧された後、蒸発器157に流入して蒸発し冷媒導入管94から第1の回転圧縮要素32内に吸い込まれるサイクルを繰り返す。
このようなロータリコンプレッサ10の運転中、偏心部44の下方の回転軸16は軸受け56Aの内部に圧入されて固定された前記ブッシュ123内で摺動しながら回転し、偏心部42上方の回転軸16は軸受け54内部に設けられた前記ブッシュ122内で摺動しながら回転することとなる。ここで、各ブッシュ122、123について説明する。
各ブッシュ122、123はカーボン基材にAl−Cu−Zn系合金を含浸して成る金属含浸カーボン材料から構成されている。カーボン基材は、平均粒径が1μm〜50μm程度の各種黒鉛粉、油煙等を骨材とし、これに必要に応じて二酸化モリブデン、滑石、雲母等の固体潤滑剤と、タールピッチやコールタール等の結合材を配合し(以下上記各原料を必要に応じて配合したものを配合物と称する)、この配合物を加熱混練したものを粉砕して成形した後、焼成して、これを必要に応じて黒鉛化することにより得られるものである。即ち、カーボン基材は、上記骨材、固体潤滑剤、結合材等を配合した配合物を加熱混練する混練工程と、この混練工程により得られた混練物を粉砕する粉砕工程と、この粉砕工程により粉砕された粉砕物を成形する成形工程と、該成形工程により得られた成形物を焼成する焼成工程の各工程を順次経て製造される。
上記混練工程は、双腕型ニーダーなどを用いて、上記配合物を150℃〜300℃の温度で混練する工程である。この場合、混練温度が150℃未満であると混練時間が長く成る傾向があり、300℃を超えると機械的強度が低下する傾向があるため、上記の如く150℃〜300℃の温度で加熱混練し、好ましくは180℃〜270℃の温度で、更に好ましくは200℃〜250℃の温度範囲で加熱混練することが最も望ましい。
上記混練時間としては、混練物の量、骨材、結合材などの配合物の配合割合により変化するので、その都度適宜選定する必要がある。また、混練温度は段階的に引き上げることも可能である。例えば、第1段階では170℃で混練を行い、その後の第2段階では250℃に温度を上げて混練することも可能である。
そして、前記粉砕工程は、上述した混練工程で加熱混練された混練物を各種粉砕機器を用いて平均粒径10μm〜300μm程度に粉砕する工程である。この粉砕工程では以降の成型方法、小径又は黒鉛化後に得られるカーボン基材の特性を考慮して粉砕物の平均粒径を上記範囲内(平均粒径10μm〜300μmの範囲内)で適宜選定する必要があるが、20μm〜200μm程度に粉砕することが好ましく、更には、20μm〜100μm程度に粉砕することが最も好ましい。
また、成形工程は、上記粉砕工程にて粉砕された粉砕物(粉体)を金属プレス等を用いてブロック状に加圧成形する工程である。この場合、50MPa未満の圧力を加えて成形すると、成形物の機械的強度が低下する傾向があり、200MPaを超えると後述する焼成中に揮発分の散逸が抑制されて成形物の内部圧力が生じ、割れ易くなる傾向があるので、50MPa〜200MPaで加圧成形とすることが好ましく、更に、60MPa〜150MPaとすることがより好ましい。特に、80MPa〜130MPaの圧力で成形することが最も好ましい。
更に、前記焼成工程は、窒素、アルゴン等の不活性ガスを用いた非酸化雰囲気下で焼成、或いは、成形物の周囲を炭素粉で被覆し還元雰囲気下で焼成する工程である。この場合、焼成時の最高温度が800℃未満であると炭化が不十分となるため充分な摺動特性が得られ難くなり、1000℃を超えると焼成炉が劣化し易くなるので、最高温度が800℃〜1000℃の範囲内とすることが好ましく、850℃〜1000℃とすることがより好ましい。特に、焼成時の最高温度を900℃〜1000℃とすることが最も好ましい。
また、焼成時間は、成形物の量や形状、炉の能力等により決定されるものであり、本発明においては特に限定されるものではないが、生産性や生産コストの点から短時間で終了することが好ましい。具体的には焼成時間は5時間〜500時間が好ましく、10時間〜400時間とすることがより好ましい。特に、焼成時間を20時間〜350時間とすることが最も好ましい。
尚、目標とするカーボン基材を得るために、得られた焼成物を更に1000℃以上の高温で黒鉛化しても良い。この場合の最高温度は1200℃〜3000℃とすることが好ましく、1500℃〜3000℃とすることがより好ましい。特に、最高温度を2500℃〜3000℃とすることが最も好ましい。
ところで、上述した製造方法により得られるカーボン基材は膨張率が低く、このカーボン基材単体にてブッシュを構成すると、ブッシュを軸受け54A、56Aに圧入して取り付ける際に割れたり、当該ブッシュの内面の回転軸16を締め付けて摺動性を悪化させると云った問題が生じていた。そのため、従来より上述した各工程を経て得られたカーボン基材にAl−Cu−Zn系合金を含浸して膨張率を高く調整し、この金属含浸カーボン材料てブッシュを構成していた。そこで、当該金属含浸カーボン材料の製造方法を説明する。金属含浸カーボン材料は、上記カーボン基材にAl−Cu−Zn系合金を含浸する含浸工程を経て得られる。
この含浸工程は、所定の減圧下(例えば、5torr以下の減圧条件下)で上記カーボン基材に合金を含浸する工程である。この合金はAl(アルミニウム)、Cu(銅)、Zn(亜鉛)を含有する複数の金属からなるAl−Cu−Zn系合金であり、具体的には、Alを1wt%〜30wt%、Cuを2wt%〜15wt%、Mgを0.01wt%〜7wt%、Tiを0.01wt%〜3wt%、Beを0.01wt%〜0.3wt%及び残部Znを含む合金から成る。
そして、カーボン基材を容器内に収容して、当該容器内を5ttor以下に減圧脱気し、Al−Cu−Zn系合金の溶融物をこの容器内に注入して、カーボン基材に該Al−Cu−Zn系合金を含浸した後、窒素ガスにより0.5MPa〜1.0MPaに加圧することで上記金属含浸カーボン材料が構成される。
このように得られた金属含浸カーボン材料を機械加工することで各ブッシュが構成される。このような金属含浸カーボン材料にてブッシュを形成し、これを回転軸16と各軸受け54A、56Aの間に介在することで、供給される潤滑油の量が不足した場合であっても回転軸の良好な摺動性能を確保することができるようになった。更に、Al−Cu−Zn系合金を、Al1wt%〜30wt%、Cu2wt%〜15wt%、Mg0.01wt%〜7wt%、Ti0.01wt%〜3wt%、Be0.01wt%〜0.3wt%及び残部Znを含む合金から構成することで、重金属の鉛を含有することなく、鉛含浸カーボン材料と同等の摺動特性を有した金属含浸カーボン材料を造ることができるようになった。これにより、環境問題にも寄与することができるようになった。
しかしながら、従来より金属含浸カーボン材料の上述したカーボン基材はブッシュの耐久性を確保するために、耐摩耗性の高い非常に硬質なカーボンが基材として使用されていたため、この硬質なカーボンによってブッシュの内面に位置する回転軸が傷付けられ、回転軸の耐久性に悪影響を及ぼすといった問題が生じていた。
このような問題を解消するためには、軸受け54A、56Aによるブッシュ122、123の破損や回転軸16の耐久性を考慮して金属含浸カーボン材料を製造する必要がある。具体的には、本実施例の軸受け54A、56Bは前述したように線膨張率が10.5×10-6〜13.0×10-6/℃となり、回転軸16は線膨張率が9.5×10-6〜12.5×10-6/℃となるので、ブッシュ122、123の線膨張率を軸受け54A、56A及び回転軸16の線膨張率と同じ、或いは、できるだけ近づけることができれば、上述したような軸受け54A、56Aによるブッシュの破損や回転軸16の傷付きを改善することができる。そこで、本発明ではブッシュ122、123の線膨張率が8.5×10-6〜10.5×10-6/℃となるように金属含浸カーボン材料を製造するものとする。
(1)第1の金属含浸カーボン材料の製造方法
ここで、具体的に幾つか例を挙げて本発明の金属含浸カーボン材料の製造方法を説明する。先ず、骨材として平均粒径が20μmの黒鉛粉43wt%を使用し、これに固体潤滑剤として二酸化モリブデン粉末2wt%、結合剤としてタールピッチ(川崎製鉄(株)製、商品名PKL)45wt%及びコールタール10wt%を配合し、この配合物を双腕型ニーダーを用いて温度250℃で5時間加熱混練した(混練工程)。
次に、上記混練工程を経て得られた混練物を粉砕工程にて平均粒径13μmに粉砕した後、成形工程にて150×250×50mmの金型に入れて、110MPaの加圧条件下で成形した。そして、得られた成形物を焼成工程にて還元雰囲気下で1000℃まで350時間かけて昇温した後、冷却することでカーボン基材を製造した。このとき、製造されたカーボン基材の開気孔率を水中置換法により測定すると、7vl%(体積%)であった。
そして、このカーボン基材を金属含浸容器に収容して、3torrに減圧脱気した。次に、この容器内にAl−Cu−Zn系合金の溶融物を注入した。この場合、容器内に注入するAl−Cu−Zn系合金としては、Al2wt%、Cu7wt%、Mg4wt%、Ti1wt%、Be0.13wt%及びZn85.87wt%からなる合金を使用し、これを溶融して上記カーボン基材が収容された容器内に注入し、カーボン基材に当該Al−Cu−Zn系合金を含浸した後、窒素ガスにより0.98MPaまで加圧することで金属含浸カーボン材料(第1の金属含浸カーボン材料)を得た。このとき、カーボン基材に含浸するAl−Cu−Zn系合金を、28wt%より多く、31wt%より少ない量(本実施例では30wt%)とすると、線膨張率が8.5×10-6〜10.5×10-6/℃となった。
(2)第2の金属含浸カーボン材料の製造方法
次に、上述した製造方法とは異なる方法で製造された他の金属含浸カーボン材料(第2の金属含浸カーボン材料)について説明する。本実施例では、骨材として平均粒径が20μmの黒鉛粉50wt%を使用し、これに結合剤としてタールピッチ(川崎製鉄(株)製、商品名PKL)40wt%及びコールタール10wt%を配合し、この配合物を双腕型ニーダーを用いて温度250℃で5時間加熱混練した(混練工程)。
次に、上記混練工程を経て得られた混練物を粉砕工程にて平均粒径300μmに粉砕した後、成形工程にて150×250×50mmの金型に入れて、110MPaの加圧条件下で成形した。得られた成形物を焼成工程にて還元雰囲気下で1000℃まで400時間かけて昇温した後、冷却して、更に2800℃で黒鉛化処理することでカーボン基材を製造した。このとき、製造されたカーボン基材の開気孔率を水中置換法により測定すると、20vl%であった。
そして、このカーボン基材を金属含浸容器に収容して、3torrに減圧脱気した。次に、この容器内にAl−Cu−Zn系合金の溶融物を注入した。この場合、容器内に注入するAl−Cu−Zn系合金としては、Al27wt%、Cu7wt%、Mg3wt%、Ti1wt%、Be0.13wt%及びZn61.87wt%からなる合金を使用し、これを溶融して上記カーボン基材が収容された容器内に注入し、カーボン基材に当該Al−Cu−Zn系合金を含浸した後、窒素ガスにより0.98MPaまで加圧することで金属含浸カーボン材料(第2の金属含浸カーボン材料)を得た。このとき、カーボン基材に含浸するAl−Cu−Zn系合金を、28wt%より多く、31wt%より少ない量(実施例では30wt%)とすると、線膨張率が8.5×10-6〜10.5×10-6/℃となった。
(3)第3の金属含浸カーボン材料の製造方法
次に、上記各製造方法とは異なる方法で製造されたもう一つの他の金属含浸カーボン材料(第3の金属含浸カーボン材料)について説明する。本実施例では、骨材として平均粒径が20μmの黒鉛粉45wt%を使用し、これに結合剤としてタールピッチ(川崎製鉄(株)製、商品名PKL)45wt%及びコールタール10wt%を配合し、この配合物を双腕型ニーダーを用いて温度250℃で5時間加熱混練した(混練工程)。
次に、上記混練工程を経て得られた混練物を粉砕工程にて平均粒径300μmに粉砕した後、成形工程にて150×250×50mmの金型に入れて、110MPaの加圧条件下で成形した。得られた成形物を焼成工程にて還元雰囲気下で1000℃まで400時間かけて昇温した後、冷却して、更に2800℃で黒鉛化処理することでカーボン基材を製造した。このとき、製造されたカーボン基材の開気孔率を水中置換法により測定すると、13vl%であった。
そして、このカーボン基材を金属含浸容器に収容して、3torrに減圧脱気した。次に、この容器内にAl−Cu−Zn系合金の溶融物を注入した。この場合、容器内に注入するAl−Cu−Zn系合金としては、Al20wt%、Cu3wt%、Mg7wt%、Ti1wt%、Be0.13wt%及びZn68.87wt%からなる合金を使用し、これを溶融して上記カーボン基材が収容された容器内に注入し、カーボン基材に当該Al−Cu−Zn系合金を含浸した後、窒素ガスにより0.98MPaまで加圧することで本実施例の金属含浸カーボン材料(第3の金属含浸カーボン材料)を得た。このとき、カーボン基材に含浸するAl−Cu−Zn系合金を、28wt%より多く、31wt%より少ない量(本実施例では30wt%)とすると、線膨張率が8.5×10-6〜10.5×10-6/℃となった。
(4)第4の金属含浸カーボン材料の製造方法
次に、上記各製造方法とは異なる方法で製造された更にもう一つの他の金属含浸カーボン材料(第4の金属含浸カーボン材料)について説明する。上記第3の製造方法で得られたカーボン基材(即ち、カーボン基材の製造方法は上記第3の製造方法と同様であるため省略する)を金属含浸容器に収容して、3torrに減圧脱気した。
そして、上記容器内にAl−Cu−Zn系合金の溶融物を注入した。この場合、容器内に注入するAl−Cu−Zn系合金としては、Al20wt%、Cu15wt%、Mg0.02wt%、Ti2.6wt%、Be0.01wt%及びZn62.37wt%からなる合金を使用し、これを溶融して上記カーボン基材が収容された容器内に注入し、カーボン基材に当該Al−Cu−Zn系合金を含浸した後、窒素ガスにより0.98MPaまで加圧することで本実施例の金属含浸カーボン材料(第4の金属含浸カーボン材料)を得た。このとき、カーボン基材に含浸するAl−Cu−Zn系合金を、28wt%より多く、31wt%より少ない量(本実施例では30wt%)とすると、線膨張率が8.5×10-6〜10.5×10-6/℃となった。
(5)第5の金属含浸カーボン材料の製造方法
また、上記第3の製造方法で得られたカーボン基材(即ち、カーボン基材の製造方法は上記第3の製造方法と同様であるため省略する)を金属含浸容器に収容して、3torrに減圧脱気し、この容器内にAl20wt%、Cu8wt%、Mg4wt%、Ti0.01wt%、Be0.28wt%及びZn67.71wt%からなるAl−Cu−Zn系合金の溶融物を注入し、カーボン基材に当該Al−Cu−Zn系合金を28wt%より多く、31wt%より少ない量(本実施例では30wt%)で含浸した後、窒素ガスにより0.98MPaまで加圧することで、もう一つの金属含浸カーボン材料(第5の金属含浸カーボン材料)が得られた。このとき、カーボン基材に含浸するAl−Cu−Zn系合金を、28wt%より多く、31wt%より少ない量(本実施例では30wt%)とすると、線膨張率が8.5×10-6〜10.5×10-6/℃となった。
(6)第6の金属含浸カーボン材料の製造方法
更に、上記第3の製造方法で得られたカーボン基材(即ち、カーボン基材の製造方法は上記第3の製造方法と同様であるため省略する)を金属含浸容器に収容して、3torrに減圧脱気し、この容器内にAl15wt%、Cu4wt%、Mg0.02wt%、Ti0.01wt%、Be0.03wt%及びZn80.94wt%からなるAl−Cu−Zn系合金の溶融物を注入し、カーボン基材に当該Al−Cu−Zn系合金を28wt%より多く、31wt%より少ない量(本実施例では30wt%)で含浸した後、窒素ガスにより0.98MPaまで加圧することで更にもう一つの金属含浸カーボン材料(第6の金属含浸カーボン材料)が得られた。また、カーボン基材に含浸するAl−Cu−Zn系合金を、28wt%より多く、31wt%より少ない量(本実施例では30wt%)とすると、線膨張率が8.5×10-6〜10.5×10-6/℃となった。
(7)第7の金属含浸カーボン材料の製造方法
更にまた、上記第3の製造方法で得られたカーボン基材(即ち、カーボン基材の製造方法は上記第3の製造方法と同様であるため省略する)を金属含浸容器に収容して、5torrに減圧脱気し、この容器内にAl28wt%、Cu14wt%、Mg6wt%、Ti3wt%、Be0.28wt%及びZn48.72wt%からなるAl−Cu−Zn系合金の溶融物を注入し、カーボン基材に当該Al−Cu−Zn系合金を28wt%より多く、31wt%より少ない量(本実施例では30wt%)で含浸した後、窒素ガスにより0.98MPaまで加圧することで、もう一つの別の金属含浸カーボン材料(第7の金属含浸カーボン材料)が得られた。このとき、カーボン基材に含浸するAl−Cu−Zn系合金を、28wt%より多く、31wt%より少ない量(本実施例では30wt%)とすると、線膨張率が8.5×10-6〜10.5×10-6/℃となった。
(8)第8の金属含浸カーボン材料の製造方法
更にまた、上記第7の製造方法とAl−Cu−Zn系合金の各金属と同一の配合割合で、減圧時の圧力(例えば、0.5torr)と、最後の窒素ガス加圧時の圧力(例えば、0.6MPa)のみを変えれば、上記第7の金属含浸カーボン材料とは別の金属含浸カーボン材料(第8の金属含浸カーボン材料)が得られる。
この場合、上述した各製造方法の如く前記カーボン基材に前記Al−Cu−Zn系合金を、28wt%より多く、31wt%より少ない量で含浸して各金属含浸カーボン材料を製造すると、線膨張率が8.5×10-6〜10.5×10-6/℃となった。
ここで、本発明により製造された金属含浸カーボン材料から成るブッシュ122、123の摩耗試験を行った。摩耗試験は従来のカーボンブッシュと、本発明のカーボンブッシュ122、123とでそれぞれ2回ずつ行った。この摩耗試験の結果を図3に示す。図3において、それぞれAの棒グラフが回転軸の摩耗の割合を示し、Bの棒グラフがブッシュの摩耗の割合をそれぞれ示している。
図3に示すようにブッシュの摩耗性は、従来のもの(図3の左側の2つのBの棒グラフ)と本発明(図3の右側の2つのBの棒のグラフ)とでは大きな違いは見られなかったが、回転軸の摩耗性は、従来のもの(図3の左側の2つのAの棒グラフ)に比べて本発明(図3の右側の2つのAのグラフ)では著しく低下することが明らかとなった。
このように、本発明の如くブッシュ122、123をカーボン基材にAl−Cu−Zn系合金を含浸して成る金属含浸カーボン材料から構成し、当該ブッシュ122、123の線膨張率を8.5×10-6〜10.5×10-6/℃とすることで、軸受け54A、56Aによるブッシュ122、123の破損やこのブッシュ122、123により回転軸16が傷付くのを防止することで、ブッシュ122、123や回転軸16の耐久性が向上し、ロータリコンプレッサ10の信頼性の向上も図ることができるようになる。
更にまた、本実施例の如く本発明のロータリコンプレッサ10を用いて冷媒サイクル装置150を構成することで冷凍サイクル装置150の信頼性も確保できるようになる。
尚、本実施例に示す上記第1〜第8の金属含浸カーボン材料の製造方法では、カーボン基材にAl−Cu−Zn系合金を28wt%より多く、31wt%より少ない量で含浸することで、ブッシュの線膨張率が8.5×10-6〜10.5×10-6/℃となったが、カーボン基材に含浸するAl−Cu−Zn系合金は、前述したAl1wt%〜30wt%、Cu2wt%〜15wt%、Mg0.01wt%〜7wt%、Ti0.01wt%〜3wt%、Be0.01wt%〜0.3wt%及び残部Znを含む合金であれば、この範囲内から線膨張率が8.5×10-6〜10.5×10-6/℃となる配合の組み合わせを適宜選定してカーボン基材に含浸しても良く、この場合にはAl−Cu−Zn系合金の含浸量は28wt%より多く、31wt%より少ない量に限定されるものではない。
本発明の一実施例の圧縮機の縦断面図である。 図1の圧縮機を備えた冷凍サイクル装置の冷媒回路図である。 摩耗試験の結果を示す図である。
符号の説明
10 ロータリコンプレッサ(冷媒圧縮機)
12 密閉容器
14 電動要素
16 回転軸
18 回転圧縮機構部
32 第1の回転圧縮要素(圧縮要素)
34 第2の回転圧縮要素(圧縮要素)
54 上部支持部材
54A、56A 軸受け
56 下部支持部材
122、123 ブッシュ
150 冷媒サイクル装置
154 放熱器
156 膨張弁(膨張装置)
157 蒸発器

Claims (8)

  1. 回転軸の回転により圧縮要素を駆動し、該圧縮要素にて冷媒を圧縮する冷媒圧縮機において、
    前記回転軸と当該回転軸の軸受けとの間に介在するブッシュを備え、
    該ブッシュは、カーボン基材にAl−Cu−Zn系合金を含浸して成る金属含浸カーボン材料から成り、線膨張率が8.5×10-6〜10.5×10-6/℃であることを特徴とする冷媒圧縮機。
  2. 回転軸の回転により圧縮要素を駆動し、該圧縮要素にて冷媒を圧縮する冷媒圧縮機において、
    前記回転軸と当該回転軸の軸受けとの間に介在するブッシュを備え、
    該ブッシュは、カーボン基材にAl−Cu−Zn系合金を、28wt%より多く、31wt%より少ない量で含浸して成る金属含浸カーボン材料から構成されていることを特徴とする冷媒圧縮機。
  3. 該ブッシュは、カーボン基材にAl−Cu−Zn系合金を、30wt%含浸して成る金属含浸カーボン材料から構成されていることを特徴とする請求項2に記載の冷媒圧縮機。
  4. 前記Al−Cu−Zn系合金は、Al1wt%〜30wt%、Cu2wt%〜15wt%、Mg0.01wt%〜7wt%、Ti0.01wt%〜3wt%、Be0.01wt%〜0.3wt%及び残部Znを含む合金であることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れかに記載の冷媒圧縮機。
  5. 前記軸受けは、線膨張率が10.5×10-6〜13.0×10-6/℃である金属で形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れかに記載の冷媒圧縮機。
  6. 前記回転軸は、線膨張率が9.5×10-6〜12.5×10-6/℃である金属で形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れかに記載の冷媒圧縮機。
  7. 冷媒としてHFC系冷媒、又は、自然系冷媒を用い、潤滑油として鉱物油、ポリビニルエーテル、ポリオールエステル、アルキルベンゼン、ポリアルファオレフィン、又は、ポリアルキレングリコールを用いることを特徴とする請求項1乃至請求項6の何れかに記載の冷媒圧縮機。
  8. 請求項1乃至請求項7の何れかに記載の冷媒圧縮機と、放熱器、膨張装置及び蒸発器を配管接続して構成したことを特徴とする冷凍サイクル装置。
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