JP2008150836A - キーレスシステム - Google Patents

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Abstract

【課題】認証に要する時間を短縮しつつ、携帯機が複数存在する場合は各携帯機からの返信信号が混信するのを防止したキーレスシステムを提供する。
【解決手段】携帯機1の無線通信部3が起動信号を受信すると、制御部4が起動信号に含まれるID情報と、自己の固有ID又は全ての携帯機を対象とするグローバルIDとを比較し、一致した場合は無線通信部3から識別情報を送信させる。電気錠装置10は、送信対象の携帯機1のID情報を含む起動信号を送信するとともに、携帯機1から返送された識別情報を受信する無線通信部13と、トリガ入力があると先ず最初にグローバルIDを含む起動信号を無線通信部13から送信させ、この起動信号に応じて何れかの携帯機1から正しい識別情報が返送されず、認証が成立しなければ、各携帯機1に対して所定の送信順序で固有IDを含む起動信号を送信させる制御部15とを備えている。
【選択図】図1

Description

本発明は、自動車や自動二輪車や住宅等に設けた錠の施錠・解錠に用いられるキーレスシステムに関するものである。
従来、自動車等のドアの施錠、解錠を制御するシステムとして、無線通信機能を有する携帯機から送信された信号を自動車に搭載された車載無線装置で受信して、携帯機から送信された識別情報が、車載無線装置に予め登録された識別情報と一致すると、ドアに設けた錠の施錠、解錠を行うようにしたものがあった。
このようなキーレスシステムにおいて、複数個の携帯機を使用する場合、車載無線装置の通信エリア内に複数個の携帯機が存在すると各携帯機からの返送信号が混信して、誤動作の発生する虞があった。そこで、返送信号の混信を防止するために、複数個の携帯機に個別のIDを付与し、車載無線装置がID情報を含む起動信号を所定の送信順序で送信する動作を複数回繰り返し、IDが一致した携帯機のみが識別情報を返送するようにしたシステムが提案されている。
特開2002−188340号公報
上述のキーレスシステムでは、車載無線装置の通信エリア内に複数個の携帯機が存在する場合でも携帯機からの返信信号が混信することはないが、送信順序の最後の方の携帯機が存在する場合には、認証が成立するまでに比較的長い時間を要し、使い勝手が悪いという問題があった。
本発明は上記問題点に鑑みて為されたものであり、その目的とするところは、認証に要する時間を短縮しつつ、携帯機が複数存在する場合は各携帯機からの返信信号が混信するのを防止したキーレスシステムを提供することにある。
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、それぞれ固有IDが割り当てられた複数の携帯機と、携帯機に対して識別情報の返送を要求し、携帯機から返送された識別情報の認証に成功すると錠の施解錠を行う電気錠装置とを具備し、携帯機は、電気錠装置との間で無線通信を行う第1の無線通信手段と、第1の無線通信手段の受信した起動信号に含まれるID情報が自己の固有ID又は全携帯機を対象としたグローバルIDの何れかに一致した場合、第1の無線通信手段から識別情報を送信させる第1の通信制御手段とを備えるとともに、電気錠装置は、複数の携帯機の固有IDが予め登録された記憶手段と、送信対象の携帯機の固有ID又はグローバルIDの何れかを含む起動信号を無線信号により送信させるとともに、起動信号に応じて携帯機から返送された識別情報を受信する第2の無線通信手段と、第2の無線通信手段の受信した識別情報が正しい信号であれば錠の施解錠を行う認証手段と、トリガ入力があると、グローバルIDを含む起動信号を第2の無線通信手段から送信させるとともに、グローバルIDを含む起動信号の送信に応じて認証が成立しなければ、複数の携帯機に対して所定の送信順序で固有IDを含む起動信号を第2の無線通信手段から送信させる第2の通信制御手段とを備えて成ることを特徴とする。
請求項2の発明は、請求項1の発明において、電気錠装置に、記憶手段にIDが登録された個々の携帯機に使用頻度に応じた重みをもたせ、少なくとも重みが最も大きい携帯機について起動信号の送信回数を重みの小さい携帯機よりも増やすよう各携帯機毎の送信回数を設定する送信回数設定手段を設け、第2の通信制御手段は、送信対象の携帯機の固有IDを含む起動信号を第2の無線通信手段から送信させるに当たり、複数の携帯機に所定の送信順序で送信回数設定手段により設定された送信回数ずつ起動信号を送信させることを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項2の発明において、第2の通信制御手段は、送信対象の携帯機の固有IDを含む起動信号を第2の無線通信手段から送信させるに当たり、固有IDを含む起動信号を送信順序にしたがって送信させる処理を、識別情報の認証に成功するまで1乃至複数回実行しており、1巡目は各携帯機への起動信号の送信回数を送信回数設定手段で設定された送信回数とし、2巡目以降は各携帯機への起動信号の送信回数を1回ずつとしたことを特徴とする。
請求項4の発明は、請求項1乃至3の何れか1項の発明において、電気錠装置に、送信順序を決定する送信順序決定手段を設け、当該送信順序決定手段は、前回認証時に使用された携帯機を送信順序の1番目とし、その他の携帯機については前回の送信順序の早い順番に並べ替えることを特徴とする。
請求項5の発明は、請求項1乃至3の何れか1項の発明において、電気錠装置に、送信順序を決定する送信順序決定手段を設け、当該送信順序決定手段は、直前の複数回の認証において使用回数の最も多い携帯機を送信順序の1番目とし、その他の携帯機については前回の送信順序の早い順番に並べ替えることを特徴とする。
請求項6の発明は、請求項2乃至5の何れか1項の発明において、電気錠装置に、複数の携帯機の使用状況に応じて送信順序を決定する送信順序決定手段を設け、当該送信順序決定手段により送信順序が変更されると、第2の通信制御手段は、変更後の送信順序が1番目の携帯機から所定回数連続して識別情報が返送されるまでは送信順序が1番目の携帯機の送信回数を1回とし、送信順序が1番目の携帯機から所定回数連続して識別情報が返送された場合は送信順序が1番目の携帯機の送信回数を送信回数設定手段で設定された回数とすることを特徴とする。
請求項1の発明によれば、電気錠装置の第2の通信制御手段は、トリガ入力があると、第2の無線通信手段からグローバルIDを含む起動信号を送信させているので、無線通信手段の通信可能範囲に携帯機が1台しか存在しない場合には、この携帯機がグローバルIDを含む起動信号を受信し、第1の通信制御手段が起動信号に応じて識別信号を第1の無線通信手段から返送させているので、電気錠装置の認証手段が携帯機から返送された識別情報の認証を行うことで、認証に要する時間を短縮できるという効果がある。しかも、グローバルIDを含む起動信号の送信に応じて認証が成立しなかった場合、第2の通信制御手段は、複数の携帯機に対して所定の送信順序で固有IDを含む起動信号を第2の無線通信手段から送信させているので、通信可能範囲に携帯機が複数台存在する場合には、各携帯機へ個別に起動信号を送信して、起動信号に応じた識別信号を返送させることで、混信を起こすことなく、携帯機から返送された識別信号を確実に受信して、認証を行うことができるという効果もある。
請求項2の発明によれば、電気錠装置の送信回数設定手段が、記憶手段にIDが登録された個々の携帯機に使用頻度に応じた重みをもたせ、少なくとも重みが最も大きい携帯機の送信回数を重みの小さい携帯機よりも増やすように各携帯機毎の送信回数を設定しているので、少なくとも使用頻度が最も高い携帯機に対しては起動信号の送信回数を増やすことができる。したがって、使用される確率の高い携帯機に起動信号を送信する送信回数を増やすことで、通信環境の不安定な場所で使用する場合でも、携帯機と電気錠装置との間で起動信号或いは識別情報の授受に成功する確率を高めることができ、通信の不安定性を補うことができるという効果がある。
請求項3の発明によれば、1巡目は各携帯機への起動信号の送信回数を送信回数設定手段で設定された送信回数としており、少なくとも使用頻度が最も高い携帯機には起動信号の送信回数を増やすことができるので、通信環境の不安定な場所で使用する場合でも、携帯機と電気錠装置との間で起動信号或いは識別情報の授受に成功する確率を高めることができ、通信の不安定性を補うことができるという効果がある。また、1巡目の送信を終わって、何れの携帯機からも識別情報が返送されなかった場合、少なくとも使用頻度が最も高い携帯機には送信機会が複数回あったにも関わらず、識別情報が返送されなかったので、この携帯機は電気錠装置と通信可能な範囲内に存在しない可能性が高く、したがって第2の通信制御手段は、2巡目以降、各携帯機への起動信号の送信回数を1回ずつとすることによって、各携帯機に起動信号を送信する処理を1巡するのにかかる時間を短縮できるという効果がある。
請求項4の発明によれば、送信順序決定手段が、前回認証時に使用された携帯機の送信順序を1番目とし、その他の携帯機については前回の送信順序の早い順番に並べ替えており、前回使用された携帯機の送信順序を早い順番とすることで、同じ携帯機を続けて使用する場合には携帯機の認証にかかる時間を短縮できるという効果がある。また、前回の認証時とは異なる携帯機が使用された場合でも、この携帯機の送信順序が1番目に変更されるので、この携帯機を次回以降使用する場合は、次回以降認証にかかる時間を短縮できるという効果もある。
請求項5の発明によれば、送信順序決定手段が、直前の複数回の認証において使用回数の最も多い携帯機を送信順序の1番目とし、その他の携帯機については前回の送信順序の早い順番に並べ替えており、最近、最も高い頻度で使用された携帯機の送信順序を1番目に並べ替えることで、使用頻度の高い携帯機を続けて使用する場合には携帯機の認証にかかる時間を短縮できるという効果がある。また、認証に用いる携帯機が1回変更されただけでは、起動信号の送信順序が変更されないので、例えば複数の利用者がそれぞれ携帯機を所持している場合には、使用頻度の高い利用者が所持している携帯機の送信順序を早めて、認証にかかる時間を短縮できるという効果もある。
請求項6の発明によれば、送信順序設定手段により送信順序が変更された場合でも、第2の通信制御手段では、送信順序が1番の携帯機から所定回数連続して識別情報が返送されるまでは、送信順序が1番目の携帯機の送信回数を1回としているので、送信順序の1番目の携帯機が頻繁に変更される場合(つまり使用される携帯機が頻繁に変更される場合)には、送信順序が1番目の携帯機に他の携帯機に優先して起動信号を送信しつつ、送信順序が1番目の携帯機の送信回数を1回とすることで、他の携帯機に起動信号が送信されるまでの時間を短縮できるという効果がある。
以下に、本発明に係るキーレスシステムを自動二輪車の施錠・解錠用に適用した一実施形態について図1〜図4に基づいて説明する。尚、本発明に係るキーレスシステムの用途を自動二輪車の施解錠に限定するものではなく、自動車や住宅等のドアに設けた錠の施錠・解錠を行うシステムに適用しても良いことは言うまでもない。
図1はキーレスエントリシステムの概略構成を示すブロック図であり、それぞれ固有IDが割り当てられ、自動二輪車の搭乗者が携帯して施錠・解錠に用いる複数の携帯機1と、携帯機1に対して識別情報の返送を要求し、携帯機から返送された識別情報の認証に成功すると、例えばエンジンの始動やトランクの開閉などをロックするロック機構14の施解錠を行う電気錠装置10とで構成されている。尚、図1では携帯機1を1つしか図示していないが、実際には電気錠装置10に複数の携帯機1が登録されて、施錠・解錠操作に使用される。
携帯機1は、複数の携帯機1を個別に呼び出すために各携帯機1に割り当てられた固有IDや全ての携帯機1を対象にしたグローバルIDや認証のための識別情報を含むデータを記憶する不揮発性のメモリ2と、電気錠装置10から送信されたLF波を受信するとともに応答信号としてRF波を返送することによって電気錠装置10との間で無線通信を行う無線通信部(第1の無線通信手段)3と、無線通信部3の受信した起動信号に含まれるID情報が自己の固有ID又はグローバルIDの何れかに一致した場合、第1の無線通信手段から識別情報を送信させる制御部(第1の通信制御手段)4とを備えている。ここに、制御部4は例えばマイクロコンピュータにより構成される。なお、携帯機1の通信可能範囲は、携帯機1を携帯した搭乗者が自動二輪車の近傍にいる時のみエンジンの始動やトランクのロック解除が可能なように1〜2m程度に設定されている。
一方、電気錠装置10は、例えば自動二輪車のハンドル付近に設けられ、押操作に応じてトリガ信号を発生するアクセススイッチ11と、複数の携帯機1に個別に割り当てた固有ID、全携帯機1を対象とするグローバルID、各携帯機1に登録された識別情報、起動信号の送信順序や携帯機毎の送信回数などのデータを記憶する不揮発性のメモリ12と、ID情報を含む起動信号をLF波により送信するとともに、起動信号に応じて携帯機1からRF波により返送された識別情報を受信する無線通信部(第2の無線通信手段)13と、自動二輪車のエンジンの始動やトランクの開閉などをロックするロック機構14と、例えばマイクロコンピュータからなり電気錠装置10の全体を制御する制御部15とを備えている。
このキーレスシステムの動作を図2(a)(b)のフロー図を参照して説明する。尚、図2(a)は電気錠装置10の動作を説明するフロー図、同図(b)は携帯機1の動作を説明するフロー図である。
自動二輪車の搭乗者が、電気錠装置10に予め登録されている携帯機1を所持して自動二輪車に近づき、アクセススイッチ11を押操作すると、アクセススイッチ11から制御部15にトリガ入力が与えられる(図2のステップS1)。第2の通信制御手段たる制御部15は、アクセススイッチ11からトリガ信号が入力されると、通信対象の携帯機1を決定し(ステップS2)、通信対象の携帯機1のID情報を含む起動信号を作成して、この起動信号を無線通信部13からLF波で送信させる(ステップS3)。ここで、制御部15では、トリガ信号が入力されると、先ず全ての携帯機1を対象にしたグローバルIDを含む起動信号を送信させ、グローバルIDを含む起動信号の送信に応じた認証が成立しなければ、その後、複数の携帯機1に対して所定の送信順序で通信相手の携帯機1の固有IDを含む起動信号を送信させるようになっている。
携帯機1では、無線通信部3が電気錠装置10からLF波で送信された起動信号を受信すると(ステップS11)、制御部4が、起動信号に含まれるID情報(グローバルID又は固有ID)と、メモリ2に登録された自己の固有IDとを比較する(ステップS12)。ここで、受信したID情報が自己の固有ID又はグローバルIDの何れかに一致していれば、制御部4は、メモリ2から読み込んだ識別情報を応答信号として無線通信部3からRF波により送信させ(ステップS13)、一致していなければ応答信号の返送は行わない(ステップS14)。
電気錠装置10の制御部15は、ステップS3で起動信号を送信してから所定時間が経過するまでの間に、携帯機1から応答信号を受信したか否かを判断する(ステップS4)。所定時間内に応答信号を受信できれば、認証手段たる制御部15が、応答信号に含まれる識別情報と、メモリ12に予め登録された識別情報とを比較する(ステップS5)。ここで、応答信号に含まれる識別情報がメモリ12に登録された識別情報と一致していれば、制御部4は、ロック機構14に解錠命令を出力して、ロック機構14を解錠させ、エンジンの始動操作やトランクの開放操作を可能にする(ステップS6)。一方、ステップS4において所定時間内に応答信号を受信できなかったり、ステップS5において識別情報の認証が不成立だった場合、制御部4は、メモリ12から読み込んだ送信順序や携帯機毎の送信回数に基づいて、次に送信する携帯機1の固有IDを決定し、通信対象の携帯機1の固有IDを含む起動信号を作成して、この起動信号を無線通信部13からLF波で送信させた後(ステップS7)、上述したステップS4の処理に移行する。
以上の動作をまとめると電気錠装置10は図3のフロー図に示すような動作を行う。尚、図3のフロー図は複数台の携帯機1a〜1nに1回ずつ起動信号を送信する場合の動作を示している。電気錠装置10では、トリガ入力(ロック解除要求)があると(ステップS21)、全ての携帯機1a〜1nを通信対象とするグローバルIDを含む起動信号を送信し(ステップS22)、何れかの携帯機1a〜1nからの応答信号を所定時間内に受信できたか否かを判断する(ステップS23)。所定時間内に応答信号を受信できれば、電気錠装置10が返送された識別情報の認証を行い(ステップS24)、認証に成功すればロック機構14を解除する(ステップS25)。
一方、ステップS23で所定時間内に応答信号を受信できなかったり、ステップS24で認証に失敗した場合、電気錠装置10は、予め設定された送信順序に従い送信順序が1番目の携帯機1aに起動信号を送信し(ステップS26)、携帯機1aからの応答信号を所定時間内に受信できたか否かを判断する(ステップS27)。ここで、所定時間内に応答信号を受信できれば、電気錠装置10が携帯機1aから返送された識別情報の認証を行い(ステップS28)、認証に成功すればロック機構14を解除する(ステップS25)。一方、ステップS27で所定時間内に応答信号を受信できなかったり、ステップS28で認証に失敗した場合、電気錠装置10は、送信順序が2番目の携帯機に起動信号を送信する。
その後、送信順序が最後の携帯機1nの順番が来るまで起動信号に対する応答信号を受信できなかった場合、電気錠装置10は、送信順序が最後の携帯機1nに起動信号を送信し(ステップS29)、携帯機1nからの応答信号を所定時間内に受信できたか否かを判断する(ステップS30)。ここで、所定時間内に応答信号を受信できれば、電気錠装置10が携帯機1nから返送された識別情報の認証を行い(ステップS31)、認証に成功すればロック機構14を解除する(ステップS25)。一方、ステップS30で所定時間内に応答信号を受信できなかったり、ステップS31で認証に失敗した場合、電気錠装置10は、起動信号を1巡送信する間に携帯機1からの応答が無かったと判断し(ステップS32)、現在までの巡回送信(所定の送信順序で1巡して送信する送信動作)の回数が規定値(例えば5回)に達したか否かを判定する(ステップS33)。ここで、電気錠装置10では、巡回送信の回数が5回未満であれば、ステップS22に戻って上記の処理を繰り返し、巡回送信の回数が5回に達していれば、ロック機構14のロック状態を継続して処理を終了する(ステップS34)。
本実施形態の電気錠装置10は上述のような動作を行うものであり、電気錠装置10の制御部15は、トリガ入力があると、無線通信部13からグローバルIDを含む起動信号を送信させているので、無線通信部13の通信可能範囲に携帯機1が1台しか存在しない場合には、この携帯機1がグローバルIDを含む起動信号を受信し、第1の通信制御手段が起動信号に応じて識別信号を第1の無線通信手段から返送させているので、電気錠装置の認証手段が携帯機から返送された識別情報の認証を行うことで、認証に要する時間を短縮できるという効果がある。
また電気錠装置10の通信可能範囲内に複数台の携帯機1が存在した場合は、グローバルIDを含む起動信号の送信に応じて複数台の携帯機1から識別信号が返送されるため、混信が発生して通信エラーとなってしまい、認証に失敗するのであるが、グローバルIDを含む起動信号の送信に応じて認証が成立しなかった場合、制御部15では、複数の携帯機1に対して所定の送信順序で固有IDを含む起動信号を無線通信部13から送信させているので、各携帯機1へ個別に起動信号を送信し、起動信号に応じて識別信号を返送させることで、混信を起こすことなく、携帯機1から返送された識別信号を確実に受信して、認証を行うことができるという効果もある。尚、電気錠装置10の通信可能範囲内に複数の携帯機1が存在する確率は、通信可能範囲内に携帯機が1台しか存在しない確率よりも小さいので、トリガ入力に応じて先ず最初にグローバルIDを含む起動信号を送信することで、携帯機1の認証を短時間で成立させることができる。
ところで、周囲の電波環境が不安定なために、電気錠装置10から送信された起動信号を通信対象の携帯機1が受信できなかったり、通信対象の携帯機1から起動信号に応じて返送された識別情報を電気錠装置10が受信できないといった通信エラーが発生した場合、通信対象の携帯機1へ次回起動信号が送信されるのは、他の全ての携帯機1に起動信号を送信した後になるので、携帯機1の認証に成功してロック機構14のロックを解除させるまでに比較的長い時間が必要になっていた。
そこで、本実施形態の電気錠装置10では、送信回数設定手段たる制御部15が、メモリ12に固有IDが登録された個々の携帯機1に使用頻度に応じた重み付けを行うとともに、重みが大きいほど送信回数が多くなるように各携帯機1毎に送信回数を設定してあり、優先順位の高い(すなわち使用される頻度の高い)携帯機1については起動信号の送信回数を増やしているので、通信エラーが発生した場合でも起動信号が再度送信されるまでの時間が短縮されるから、携帯機1の認証に成功してロック機構14を解錠させるまでの時間を短縮することができる。
例えば電気錠装置10のメモリ12に、4台の携帯機1a,1b,1c,1dの固有IDが登録されている場合に、表1に示すように最近10回の解錠時に使用された回数が携帯機1aは6回、携帯機1bは3回、携帯機1cは1回、携帯機1dは0回であれば、制御部15は、使用頻度に応じて携帯機1a>携帯機1b>携帯機1c>携帯機1dの順番で重み付けを行い、重み付けの結果に基づいて1巡当たりの送信回数を携帯機1aは3回、携帯機1bは2回、携帯機1c,1dは共に1回ずつとしている。尚、制御部15では、起動信号の送信を1巡する間に全ての携帯機1a〜1dに少なくとも1回ずつ起動信号が送信されるよう、各携帯機1a〜1dの送信回数を設定している。
Figure 2008150836
このように、電気錠装置10の制御部15が、最も使用頻度の高い携帯機1aの送信回数を3回、2番目に使用頻度の高い携帯機1bの送信回数を2回とし、使用頻度の低い携帯機1c,1dの送信回数は1回ずつに設定してあり、頻繁に使用される携帯機1の重みを重くすることで、電波環境が不安定な場合でも、起動信号を1巡送信する間に、重み付けを重くした携帯機1a,1bとの間で通信に成功する確率を高めて、通信の不安定性を補うことができる。
また、最近10回の解錠時に使用された回数が表2に示すように携帯機1a,1bが共に5回、携帯機1c,1dが共に0回であれば、制御部15では、携帯機1a,1bの重みを重く、携帯機1c,1dの重みを軽くするとともに、重み付けの結果に基づいて1巡当たりの送信回数を携帯機1a,1bは共に3回ずつ、携帯機1c,1dは共に1回ずつとしている。この場合も使用頻度の高い携帯機1a,1bの重みを重くすることで、電波環境が不安定な場所で使用されたとしても、起動信号を1巡送信する間に、重み付けを重くした携帯機1a,1bとの間で通信に成功する確率を高めて、通信の不安定性を補うことができる。
Figure 2008150836
尚、本実施形態の電気錠装置10では、アクセススイッチ11が押された場合にどの携帯機1が周囲に存在するのか不明なため、登録されている携帯機1a〜1dの中で最も重みの小さい携帯機1c,1dでも、起動信号の送信を1巡する間に少なくとも1回は起動信号が送信されるように各携帯機1a〜1d毎の送信回数を設定している。
ここで、電気錠装置10の制御部15は、トリガ入力があると無線通信部13から複数の携帯機1a…に対して所定の送信順序で起動信号を送信させる巡回送信処理を、識別情報の認証に成功するまで1乃至複数回(本実施形態では最大5回)実行するのであるが、1巡目は各携帯機1a…への起動信号の送信回数を、各携帯機1a…の重みに基づいて設定した送信回数とし、2巡目以降は各携帯機1a…への起動信号の送信回数を1回ずつにしても良い。この場合、1巡目は各携帯機1a…への起動信号の送信回数を、各携帯機1a…の重みに基づいて設定された送信回数とすることで、使用頻度の高い携帯機1a…に対しては起動信号の送信回数を増やすことができ、電気錠装置10との間で起動信号或いは識別情報の授受を確実に行えるという効果がある。また1巡目の送信を終わって、何れの携帯機1a…からも識別情報が返送されなかった場合、使用頻度の高い携帯機1a…には送信機会が複数回あったにも関わらず、識別情報が返送されなかったので、重みの大きい携帯機1a…は電気錠装置10と通信可能な範囲内に存在しない可能性が高く、重みの大きい携帯機が通信圏内に存在する可能性と、重みの小さい携帯機が通信圏内に存在する可能性とは同程度と予想される。したがって、電気錠装置10の制御部15が、2巡目以降、各携帯機1a…への起動信号の送信回数を1回ずつとすることによって、起動信号の送信を1巡するのに要する時間を短縮して、認証に要する時間を短縮できるという効果がある。なお本実施形態では、送信回数設定手段としての制御部15が、表1及び表2に示すように使用頻度の高い(重みの大きい)携帯機1ほど送信回数が多くなるように各携帯機毎の送信回数を設定しているが、使用頻度が最も高い(重みが最も大きい)携帯機1のみ送信回数を複数回とするように各携帯機毎の送信回数を設定しても良く、少なくとも重みが最も大きい携帯機1について起動信号の送信回数を重みの小さい携帯機1よりも増やすよう各携帯機毎の送信回数を設定すれば良い。
また、電気錠装置10の制御部15は、複数の携帯機1a…に対して起動信号を送信する送信順序を決定し、決定した送信順序をメモリ12に登録する機能を備えており、送信順序決定手段として動作する。すなわち、電気錠装置10の制御部15では、アクセススイッチ11からのトリガ入力があると、先ずグローバルIDを含む起動信号を送信し、この起動信号に応じた認証が成立しなければ、メモリ12に固有IDが登録された複数台の携帯機1a…に対して、所定の送信順序で送信対象の携帯機1の固有IDを含む起動信号を無線通信部13から送信させているので、起動信号の送信順序が固定されていると、反応の早い(認証に要する時間が短い)携帯機1と、反応の遅い携帯機1とができてしまう。そこで、制御部15では、使用頻度の高い携帯機1a…から順番に起動信号を送信するように、送信順序の設定を変更しており、使い勝手の良いキーレスシステムとすることができる。
例えば図4(a)のように変更前の送信順序が携帯機1a→携帯機1b→携帯機1c→携帯機1dの場合に、電気錠装置10が、トリガ入力に応じて図3に示す送信動作を行った結果、携帯機1cから識別情報が返送されて認証に成功した場合、電気錠装置10の制御部15では、前回認証時に識別情報を受信した携帯機1cを送信順序の1番目とし、その他の携帯機1a,1b,1dについては前回の送信順序の早い順番に並べ替えるように送信順序を変更して、変更後の送信順序をメモリ12に記憶させている。図4(b)は変更後の送信順序を示し、携帯機1c→携帯機1a→携帯機1b→携帯機1dの順番となる。このように、送信順序設定手段としての制御部15が、前回認証時(解錠時)に使用された携帯機1の送信順序を1番目とし、その他の携帯機1については前回の送信順序の早い順番に並べ替えているので、最近使用された携帯機1の送信順序を早い順番とすることによって、同じ携帯機1を続けて使用する場合には携帯機1の認証にかかる時間を短縮することができる。また、前回認証時に使用されたものとは異なる携帯機1が今回使用された場合でも、この携帯機1の送信順序が1番目に変更されるので、この携帯機1を次回以降も使用する場合は、次回以降認証にかかる時間を短縮することができる。
また、電気錠装置10の制御部15が、認証に成功した場合にその履歴情報(送信相手の携帯機1の固有IDなど)をメモリ12に記憶させておき、直前の複数回(例えば10回分)の認証時において使用回数の最も多い携帯機1を送信順序の1番目とし、その他の携帯機1については前回の送信順序の早い順番に並べ替えるようにしても良い。このように、送信順序設定手段たる制御部15が、最近、最も高い頻度で使用された携帯機1の送信順序を1番目に並べ替えることで、使用頻度の高い携帯機1を続けて使用する場合には携帯機1の認証にかかる時間を短縮することができる。また、認証に用いる携帯機1が1回変更されただけでは、起動信号の送信順序が変更されないので、例えば複数の利用者がそれぞれ携帯機1を所持している場合には、使用頻度の高い携帯機1の送信順序を早めて、認証にかかる時間を短縮することができる。
ところで、電気錠装置10の制御部15が、上述のように送信順序の変更を決定した場合、変更後の送信順序が1番目の携帯機1から所定回数連続して識別情報が返送されるまでは(つまり送信順序が1番目の携帯機1が所定回数連続して使用されるまでは)、送信順序が1番目の携帯機1への起動信号の送信回数を1回、2番目以降の携帯機1への送信回数を前回送信時の送信回数とし、送信順序が1番目の携帯機1から所定回数連続して識別情報が返送された場合は、各携帯機1への送信回数を各携帯機1の重みに基づいて設定した送信回数としても良く、送信順序が1番目となる携帯機1が頻繁に変更される場合には、送信順序が1番目の携帯機1に他の携帯機1に優先して起動信号を送信しつつ、送信順序が1番目の携帯機の送信回数を1回とすることで、2番目以降の携帯機1に起動信号が送信されるまでの時間を短縮できるという効果がある。
なお、電気錠装置10の制御部15が、上述のように送信順序の変更を決定した場合、変更後の送信順序が1番目の携帯機1から所定回数連続して識別情報が返送されるまでは(つまり送信順序が1番目の携帯機1が所定回数連続して使用されるまでは)、各携帯機1への起動信号の送信を1回ずつとし、送信順序が1番目の携帯機1から所定回数連続して識別情報が返送された場合は、各携帯機1への送信回数を各携帯機1の重みに基づいて設定した送信回数としても良く、送信順序が1番目となる携帯機1が頻繁に変更される場合には各携帯機1への送信回数が1回ずつに設定されるから、全ての携帯機1に偏り無く起動信号を送信することで、認証にかかる時間を短縮することができる。
なお、本発明の精神と範囲に反することなしに、広範に異なる実施形態を構成することができることは明白なので、この発明は、特定の実施形態に制約されるものではない。
本実施形態のシステム構成を示す概略ブロック図である。 (a)(b)は同上の動作を説明するフロー図である。 同上の他の動作を説明するフロー図である。 (a)(b)は同上の送信順序の設定方法を説明する説明図である。
符号の説明
1 携帯機
2 メモリ
3 無線通信部(第1の無線通信手段)
4 制御部(第1の通信制御手段)
10 電気錠装置
11 アクセススイッチ
12 メモリ(記憶手段)
13 無線通信部(第2の無線通信手段)
14 ロック機構
15 制御部(認証手段、第2の通信制御手段、送信回数設定手段)

Claims (6)

  1. それぞれ固有IDが割り当てられた複数の携帯機と、携帯機に対して識別情報の返送を要求し、携帯機から返送された識別情報の認証に成功すると錠の施解錠を行う電気錠装置とを具備し、
    携帯機は、電気錠装置との間で無線通信を行う第1の無線通信手段と、第1の無線通信手段の受信した起動信号に含まれるID情報が自己の固有ID又は全携帯機を対象としたグローバルIDの何れかに一致した場合、第1の無線通信手段から識別情報を送信させる第1の通信制御手段とを備えるとともに、
    電気錠装置は、複数の携帯機の固有IDが予め登録された記憶手段と、送信対象の携帯機の固有ID又はグローバルIDの何れかを含む起動信号を無線信号により送信させるとともに、起動信号に応じて携帯機から返送された識別情報を受信する第2の無線通信手段と、第2の無線通信手段の受信した識別情報が正しい信号であれば錠の施解錠を行う認証手段と、トリガ入力があると、グローバルIDを含む起動信号を第2の無線通信手段から送信させるとともに、グローバルIDを含む起動信号の送信に応じて認証が成立しなければ、複数の携帯機に対して所定の送信順序で固有IDを含む起動信号を第2の無線通信手段から送信させる第2の通信制御手段とを備えて成ることを特徴とするキーレスシステム。
  2. 前記電気錠装置に、前記記憶手段にIDが登録された個々の携帯機に使用頻度に応じた重みをもたせ、少なくとも重みが最も大きい携帯機について起動信号の送信回数を重みの小さい携帯機よりも増やすよう各携帯機毎の送信回数を設定する送信回数設定手段を設け、前記第2の通信制御手段は、送信対象の携帯機の固有IDを含む起動信号を第2の無線通信手段から送信させるに当たり、複数の携帯機に所定の送信順序で前記送信回数設定手段により設定された送信回数ずつ起動信号を送信させることを特徴とする請求項1記載のキーレスシステム。
  3. 前記第2の通信制御手段は、送信対象の携帯機の固有IDを含む起動信号を第2の無線通信手段から送信させるに当たり、固有IDを含む起動信号を前記送信順序にしたがって送信させる処理を、識別情報の認証に成功するまで1乃至複数回実行しており、1巡目は各携帯機への起動信号の送信回数を前記送信回数設定手段で設定された送信回数とし、2巡目以降は各携帯機への起動信号の送信回数を1回ずつとしたことを特徴とする請求項2記載のキーレスシステム。
  4. 前記電気錠装置に、前記送信順序を決定する送信順序決定手段を設け、当該送信順序決定手段は、前回認証時に使用された携帯機を送信順序の1番目とし、その他の携帯機については前回の送信順序の早い順番に並べ替えることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載のキーレスシステム。
  5. 前記電気錠装置に、前記送信順序を決定する送信順序決定手段を設け、当該送信順序決定手段は、直前の複数回の認証において使用回数の最も多い携帯機を送信順序の1番目とし、その他の携帯機については前回の送信順序の早い順番に並べ替えることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載のキーレスシステム。
  6. 前記電気錠装置に、複数の携帯機の使用状況に応じて前記送信順序を決定する送信順序決定手段を設け、当該送信順序決定手段により送信順序が変更されると、前記第2の通信制御手段は、変更後の送信順序が1番目の携帯機から所定回数連続して識別情報が返送されるまでは送信順序が1番目の携帯機の送信回数を1回とし、送信順序が1番目の携帯機から所定回数連続して識別情報が返送された場合は送信順序が1番目の携帯機の送信回数を送信回数設定手段で設定された回数とすることを特徴とする2乃至5の何れか1項に記載のキーレスシステム。
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