JP2008150751A - メランジ調人工皮革、及び、その製造方法 - Google Patents

メランジ調人工皮革、及び、その製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ワイルドな色調と凹凸感を有する外観を兼ね備えるメランジ調人工皮革を提供する。
【解決手段】繊度0.01〜2dtexのアクリル系繊維(A)と、割繊繊維(B’)と、編物又は織物からなる基布(C)、及び、高分子弾性体(D)と、からなる人工皮革であって、アクリル系繊維(A)と、割繊繊維(B’)とが、質量比10:90〜90:10の割合で含まれ、且つ、割繊繊維(B’)の割繊部分よりなる交絡物が点在していることを特徴とするメランジ調人工皮革。
【選択図】 図2

Description

本発明は、アクリル系繊維と、易割繊性アクリル系海島複合繊維の少なくとも一部が叩解した割繊繊維とが、交絡し、かつ織物または編物からなる基布との接触面において、基布の織目または編目を貫通、又は、織目または編目と絡み合ったメランジ調人工皮革であり、衣料用途、自動車用途、家具用途などに用いられる。
メランジとはフランス語で混合を意味するものであり、大理石の模様はメランジと称される。人工スエードの分野においても、単にプレーンな外観だけでなく、様々な色調、新規な外観、風合いのメランジ調の人工皮革が必要とされている。人工皮革は衣料用途、自動車内装用途、家具用途に幅広く適用されているが、特に超極細繊維より構成された人工皮革は外観風合いが優れていることで高く評価されている。毛羽をもつ人工皮革においては、毛羽の方向、毛羽の立毛状態など、毛羽の動き、状態により色調変化があるが、これらの毛羽方向の効果だけでなく、人工皮革表面にテクスチュア、異色効果が加味された製品、すなわち、メランジ調人工皮革に対する要求がある。
例えば、特許文献1に、メランジ調は異色染めする技術により形成することができ、染色性の異なる異繊維混合により発現できる事が開示され、これらの異色染めに関連する技術としてはポリエステル繊維とポリアミド繊維からなるメランジ調を発現する人工皮革が示されている。また、特許文献2では、繊度の異なるアクリル短繊維と異繊維により構成された皮革様シート状物において、獣毛調あるいは杢調様風合いを与える合成皮革様不織布シート状物が、開示されている。しかしながら、特に衣料用途において、従来の人工皮革の高品位な風合いを維持しつつも、従来の人工皮革にないワイルドな色調、凹凸感を有する新規なメランジ調人工皮革が望まれているが、これらの開示された方法では、その要求に答えることができなかった。

特開2001−262476号公報 特開2000−248471号公報
本発明は、ワイルドな色調と凹凸感を有する外観を兼ね備えるメランジ調人工皮革に関する。
本発明は、下記のアクリル系繊維(A)、分割繊維(B’)と、編物又は織物よりなる基布(C)、及び高分子弾性体(D)と、からなる人工皮革であって、アクリル系繊維(A)と、割繊繊維(B’)とが、質量比10:90〜90:10の割合で含まれ、且つ、割繊繊維(B’)の割繊部分よりなる交絡物が点在していることを特徴とするメランジ調人工皮革を提供することを第1の要旨とする。
(1)アクリル系繊維(A)は、アクリロニトリル単位を50質量%以上含有したアクリロニトリル系ポリマーからなる繊度0.01〜2dtexの繊維。
(2)割繊繊維(B’)は、アクリロニトリル単位を50質量%以上含有したアクリロニトリル系ポリマーを海成分として50〜70質量部と、該アクリロニトリル系ポリマーと共通な溶剤に可溶且つ相溶性がなく、さらに、カチオン染料に染色されないポリマーを島成分として50〜30質量部と、を含む繊度1〜5dtexの易割繊性アクリル系海島複合繊維(B)の少なくとも一部が割繊した繊維である。
さらに、下記のアクリル系繊維(A)と易割繊性アクリル系海島複合繊維(B)とを、編物又は織物からなる基布(C)に積載し、加圧した水流を用いて、アクリル系繊維(A)と易割繊性アクリル系海島複合繊維(B)とを交絡し、かつ基布(C)との接触面で、基布(C) の編目又は織目に絡ませ、基布(C)全体を覆わせる人工皮革の製造工程において、人工皮革の表面とする基布(C)のa面に積載するアクリロニトリル系繊維(A)と易割繊性アクリル系海島複合繊維(B)との積載量の合計をFLa、人工皮革の裏面とする基布(C)のb面に積載するアクリロニトリル系繊維(A)と易割繊性アクリル系海島複合繊維(B)との積載量の合計をFLbとしたとき、積載量比FLb/FLaが1以上3以下であり、且つ、基布(C)のa面から処理する加圧水流の仕事量Wa、及び、b面から処理する加圧水流の仕事量Wbとしたとき、仕事量比Wb/Waが1.3以上2以下である事を特徴とする請求項1に記載のメランジ調人工皮革の製造方法である。
(1)アクリル系繊維(A)は、アクリロニトリル単位を50質量%以上含有したアクリロニトリル系ポリマーからなる繊度0.01〜2dtexの繊維。
(2)易割繊性アクリル系海島複合繊維(B)は、アクリロニトリル単位を50質量%以上含有したアクリロニトリル系ポリマーを海成分として50〜70質量部と、該アクリロニトリル系ポリマーと共通な溶剤に可溶、且つ相溶性がなく、さらに、カチオン染料に染色されないポリマーを島成分として50〜30質量部と、を含む繊度1〜5dtexの繊維。
本発明は、従来にないワイルドな外観、色調、凹凸感を有するメランジ調人工皮革を提供するものであり、特にファッション性を要求される人工皮革の衣料用途において、優れた感性の繊維製品を提供する事を可能とするものである。
本発明で用いられるアクリル系繊維(A)はアクリロニトリル単位を50質量%以上含有したアクリル系ポリマーからなる。アクリロニトリル単位の含有量が50質量%未満では、得られたメランジ調人工皮革の風合いや発色性が十分でないので好ましくない。
本発明のメランジ調人工皮革を構成するアクリル系繊維(A)はカチオン染料により濃色に染色され、表面のメランジ感を強調することに寄与する。いわゆる、メランジテクスチャの濃色部を形成する構成成分である。アクリル系繊維(A)に共重合されるモノマーは、通常のアクリル系繊維を構成する不飽和モノマーであれば特に限定されないが、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸ヒドロキシプロピルなどに代表されるアクリル酸エステル類、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸n−ヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸ヒドロキシプロピル、メタクリル酸ジエチルアミノエチルなどに代表されるメタクリル酸エステル類、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、スチレン、ビニルトルエン、酢酸ビニル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニリデン、フッ化ビニル、フッ化ビニリデンなどが挙げられる。さらに、染色性改良などの目的で、p−スルホフェニルメタリルエーテル、メタリルスルホン酸、アリルスルホン酸、スチレンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸およびこれらのアルカリ金属塩などを共重合しても良い。
本発明において、アクリロニトリル系ポリマーの分子量は特に限定しないが、分子量5万〜100万が望ましい。分子量5万未満では紡糸性が低下すると同時に繊維の糸質も悪化する傾向にある。分子量100万を越えると紡糸原液の最適粘度を与えるポリマー濃度が低くなり、生産性が低下する傾向にある。
本発明に用いるアクリル系繊維(A)は、湿式紡糸を用いて製造することができる。アクリロニトリル系ポリマーは溶剤に溶解して紡糸原液として、通常の紡糸方法により、細孔ノズルより紡糸し、湿熱延伸、洗浄、乾燥、乾熱延伸を施される。用いる溶剤としてはジメチルアミド、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルフォキシドなどの有機溶剤を用いることができる。
本発明のアクリル系繊維(A)の繊度は特に限定されないが、基布へ貫通、交絡させることができる範囲であることが必要である。抄造法を用いてウエッブを形成後、ウオータージェットパンチング法によりアクリル系繊維(A)、及び、易割繊性アクリル系海島複合繊維(B)を基布(C)へ交絡する場合においては、繊度が0.01〜2dtexを用いることが好ましい。アクリル系繊維(A)が繊度0.01dtex未満の場合は、直接紡糸法により繊維を工業的に生産することが困難であり、また、アクリル系繊維(A)はメランジテクスチャを形成する濃色部に用いられるため、染色部分が淡色化し、非染色部との濃淡差が小さくなる為、本願発明の目的であるメランジ調を得ることができないので好ましくない。繊度2dtexを越えると繊維の剛性が高くなり基布(C)へのアクリル系繊維(A)の交絡が困難となるとともに、得られた人工皮革は、本願の目的である優雅な外観と風合いを得ることができないので、好ましくない。
本発明のアクリル系繊維(A)のカット長は、特に限定されるものではないが、シート状物形成の工程で抄造法を用いてウエッブを形成し、その後、ウオータージェットパンチング法によりアクリル系繊維(A)、及び、易割繊性アクリル系海島複合繊維(B)を基布へ交絡する場合においては、抄造工程において良好な分散状態が得られること、及び、使用する織編物基布の組織に貫通する必要があるため、1mm〜10mmが好ましい。カット長が1mm未満ではアクリル系繊維(A)は基布に交絡が難しく、ウオータージェットパンチングによりアクリル系繊維(A)が基布(C)、及び、基布の支持体であるネットより脱落する場合がある。また、10mmを越えると、基布(C)への貫通、及び交絡が弱くなり、アクリル系繊維(A)が基布(C)から簡単に層間剥離する傾向となるので好ましくない。
本発明で用いられる易割繊性アクリル系海島複合繊維(B)は、アクリロニトリル単位を50質量%以上含有したアクリロニトリル系ポリマーを海成分として50〜70質量部と、該アクリロニトリル系ポリマーと共通な溶剤に可溶、且つ相溶性がなく、さらに、カチオン染料に染色されないポリマーを島成分として50〜30質量部と、からなる。該アクリロニトリル単位を50質量%以上含有するアクリロニトリル系ポリマーとしては、前述のアクリル系繊維(A)のポリマーと同じポリマーでも良いし、又は異なるポリマーであっていても良い。
本発明の易割繊性アクリル系海島複合繊維(B)に用いる異種ポリマーは、アクリロニトリル系ポリマーと共通の溶剤に溶解し、紡糸原液とした場合に安定に存在することが必要である。紡糸原液においては非相溶性の度合いが大きい場合、繊維が不均質となるとともに、紡糸時における糸切れの原因となり繊維への賦形はできない。従って、異種ポリマーは、共通の溶剤に溶解した場合に、アクリロニトリル系ポリマーに対して非相溶であるが、紡糸の際に海島構造を形成できる程度の混和性が必要である。また、易割繊性アクリル系海島複合繊維(B)を湿式紡糸する場合、凝固槽、及び、洗浄工程で異種ポリマーが水に溶解すると脱落が起こると製造上問題であるため、異種ポリマーは水に難溶性であることが必要である。これらの要求を満足する異種ポリマーとしては、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリフッ化ビニリデン、ポリビニルピロリドン、酢酸セルロース、アクリル樹脂、メタクリル樹脂などが挙げられるが、アクリル樹脂及び/又はメタクリル樹脂は、前述要件のバランスの点で、好ましく用いることができる。アクリル樹脂及び/又はメタクリル樹脂としては、カルボン酸、またはスルホン酸等の酸性基を有する共重合体であり、たとえばアクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸等の一塩基、フマール酸、マレイン酸、イタコン酸、イソフタル酸等の二塩基酸、及びこれらの部分エステル等が共重合されていても良い。また、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸i−ブチル、アクリル酸t−ブチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸i−ブチル、メタクリル酸t−ブチル等のモノマーが共重合されていてもよい。また、ポリマーの水溶性を抑制する等の別の目的で、更にスチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、メタクリル酸ベンジルなどの芳香族ビニル化合物を共重合したポリマーでも良い。
本発明に用いられる易割繊性アクリル系海島複合繊維(B)は、通常の湿式紡糸法で製造することができる。易割繊性アクリル系海島複合繊維(B)を構成するアクリロニトリル系ポリマーと異種ポリマーとを混合した後、溶剤に溶解して、易割繊性アクリル系海島複合繊維(B)の紡糸原液(DAB)とする、又は、アクリロニトリル系ポリマーを溶剤に溶解して獲られる紡糸原液(DA)、異種ポリマーを溶剤に溶解して得られる紡糸原液(DB)とを、スタティックミキサー等で混合し、易割繊性アクリル系海島複合繊維(B)の紡糸原液(DAB’)としてもよい。溶剤としてはジメチルアミド、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルフォキシドなどの有機溶剤を用いることができる。これらの紡糸原液(DAB又はDAB’)を、ノズルより紡糸し、湿熱延伸、洗浄、乾燥、乾熱延伸とを施こし、易割繊性アクリル系海島複合繊維(B)を得る。
本発明に用いる易割繊性アクリル系海島複合繊維(B)の繊度は、アクリル系繊維(A)との交絡、基布(C)を貫通させることができる範囲であれば良いが、繊度1dtexから5dtexを用いることが好ましい。繊度1dtex未満では、本発明の目的とする、ワイルドな色調、凹凸感を有する外観が得られないので好ましくなく、一方、繊度5dtexを越えると、本来の目的である極細繊維を使った人工皮革の優雅な外観が損なわれるので好ましくない。
本発明に用いる易割繊性アクリル系海島複合繊維(B)の繊維長は1mm〜10mmが好ましい。1mm未満では易割繊性アクリル系海島複合繊維(B)は、アクリル系繊維(A)との交絡が難しく、製造工程における水流により易割繊性アクリル系海島複合繊維(B)が基布より脱落する傾向となるので好ましくない。また、10mmを越えると基布(C)の編目または織目への貫通や繊維同士の交絡が難しくなる傾向となるので好ましくない。
易割繊性アクリル系海島複合繊維(B)単独使用の場合は、基布(C)への貫通が困難なため、製造工程で基布(C)からの脱落が発生するが、アクリル系繊維(A)を併用することにより、易割繊性アクリル系海島複合繊維(B)の基布(C)への貫通が、アクリル系繊維(A)により促進されるので好ましい。このため、アクリル系繊維(A)と易割繊性アクリル系海島複合繊維(B)が、質量比で、10:90〜90:10の範囲である事が必要である。アクリル系繊維(A)の質量比が、10質量部未満であれば、前述の易割繊性アクリル系海島複合繊維(B)の基布(C)への貫通効果が低下し、脱落が多くなる傾向となるので好ましくない。一方、90質量部を越えると、本発明の目的とする、ワイルドな色調、凹凸感を有する外観が得られないので好ましくない。
易割繊性アクリル系海島複合繊維(B)は、アクリロニトリル系ポリマーを含み、カチオン染料に対して染色性がある一方、アクリロニトリル系ポリマーに対して非相溶性であり、カチオン染料に染まらない異種ポリマーを含んでいるので、カチオン染料により染色した場合に、カチオン染料に染まったアクリル系繊維(A)、割繊繊維(B’)のアクリロニトリル系ポリマー成分と、カチオン染料に染まらない割繊繊維(B’)の異種ポリマー成分とで、特異なメランジ調を発現する事ができる。
本発明で用いられる易割繊性アクリル系海島複合繊維(B)は、機械的外力により相分離界面の剥離により叩解して、その少なくとも一部分が割繊した分割繊維(B’)の形態へ変化する。例えば、加圧水流の噴射(ウオータージェットパンチング)により易割繊性アクリル系海島複合繊維(B)を、その少なくとも一部分を叩解し、割繊繊維(B’)にすることが可能である。
本発明で使用する織物または編物からなる基布(C)を構成する繊維は特に限定されるものではない。例えば、ポリエステル系繊維、ポリアミド系繊維、ポリオレフィン系繊維、アクリル系繊維、ポリビニアルコール系繊維、セルロース系繊維、アセテート系繊維の公知の繊維からなるものが使用可能である。
アクリル系繊維(A)、易割繊性アクリル系海島複合繊維(B)を強固に支持するためには、潜在的収縮性を有する繊維からなる編織物を用い、アクリル系繊維(A)、易割繊性アクリル系海島複合繊維(B)とを、交絡、基布(C)へ貫通させた後、次いで基布(C)を収縮させることが好ましい。また、得られた人工皮革の表面を緻密化させてより緻密感の高い外観、風合いが得られる。この目的のため基布(C)を構成する繊維は、60〜100℃の熱水中で処理することより10〜60%、好ましくは20〜50%収縮するような繊維を用いることが好ましい。
本発明の基布(C)の目付は通常、特に限定されないが、衣料用途や自動車用途の人工皮革を想定する場合は、アクリル系繊維(A)、分割繊維(B’)及び高分子弾性体を複合した最終製品の衣料品としての商品性を考慮すると、50g/m2〜200g/m2を用いることが好ましい。50g/m2未満では目的とする実用に耐えられる十分な耐久性を得られる人工皮革を得ることが困難であり、一方、200g/m2を越える基布は用いることもできるが、人工皮革の重量が高くなるので、商品性の点で好ましくない。
本発明の人工皮革に用いる高分子弾性体(D)としては、ポリウレタン弾性体、アクリロニトル−ブタジエン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、ポリブタジエン、ネオプレン等の合成ゴム、ポリアクリル酸エステルなどの高分子弾性体がある。この中でポリウレタン弾性体は柔軟性や耐摩耗性が優れており、人工皮革には適している。ポリウレタン弾性体のポリオール成分としてはポリエチレンアジペートグリコール、ポリエチレンアジペートグリコールなどのポリエチレンジオール類、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどのポリエーテルグリコール類、ポリカーボネートジオール類がある。また、イソシアネート成分としては、芳香族イソシアネート、脂環族イソシアネート、脂肪族ジイソシアレートが使用できる。また、鎖伸長剤としてエチレングリコールなどグリコール類、エチレンジアミン等のジアミン類等を使用できる。更に、前述のポリオール成分とジイソシアナート成分、及び、鎖伸長剤から強制乳化重合法によって得られた水分散型ポリウレタン弾性体を用いることが好ましい。水分散型ポリウレタン弾性体としては、ポリエーテル系の無黄変ポリウレタン弾性体、カーボネート系の無黄変ポリウレタン弾性体、ポリエステル系の弾性体を用いることができる。また、前記水分散型弾性体に耐熱性向上剤として酸化防止剤、光安定剤を併用することが好ましい。酸化防止剤としては、ヒンダードアミン系、ヒンダードフェノール系、ヒドラジン系がある。
本発明に用いられる高分子弾性体(D)は、アクリル系繊維(A)、割繊繊維(B’)と基布(C)との絡み合いの固定と、人工皮革に弾力性をもたせ、天然皮革の性状に近くすることが目的であり、人工皮革に対して1〜30質量%、好ましくは3〜20質量%程度で十分な効果を発揮する。高分子弾性体が1質量%以上で天然皮革様の風合いを十分に得られる。また、高分子弾性体が30質量%を越えると硬い風合いの人工皮革となるので好ましくない。
本発明のメランジ調人工皮革のアクリル系繊維(A)と割繊繊維(B’)との構成質量比は、90:10〜10:90であることが必要である。アクリル系繊維(A)と割繊繊維(B’)のアクリル系ポリマーからなる部分は。カチオン染料により染色される、割繊繊維(B’)の異種ポリマーからなる部分は、カチオン染料により染色されず、メランジ感は両者の染色性に違いにより発現する。アクリル系繊維(A)と割繊繊維(B’)との上記構成質量比において人工皮革の力学的特性のバランス、及び、良好なメランジ外観を両立できる。アクリル系繊維(A)が10質量%未満では十分なメランジ感が得られないし、また、アクリル系繊維(A)が90質量%を超える場合も、十分なメランジ感が得られないので、好ましくない。
本発明のメランジ調人工皮革のアクリル系繊維(A)及び割繊繊維(B’)と、基布(C)との構成質量比は、70:30〜20:80であることが好ましい。アクリル系繊維(A)及び割繊繊維(B’)の構成質量比が70質量%を越えると、アクリル系繊維(A)及び割繊繊維(B’)と、基布(C)との間で層間剥離が起こる傾向となるので好ましくない。一方、アクリル系繊維(A)及び割繊繊維(B’)の構成質量比が20質量%未満では、部分的に基布(C)の編み組織または織り組織が露出し、目的とする優雅な外観の人工皮革が得られないので好ましくない。
本発明のメランジ調人工皮革の目付は、特に限定されるものではないが、衣料用途、家具、自動車用途で用いる場合、目付50〜400g/m2であることが好ましい。50g/m2未満では目的とする実用に耐えられる十分な耐久性を得られる人工皮革を得ることが困難であり好ましくなく、400g/m2を越えると、人工皮革が重くなり、商品性の点で好ましくない傾向となる。
本発明におけるメランジ調人工皮革において、割繊繊維(B’)の割繊部分よりなる交絡物は、主に割繊した超極細アクリル系繊維および、カチオン染料に染まらない超極細繊維の交絡により構成され、ワイルドなメランジ感、凹凸の有する外観に寄与する。該交絡物の点在の状態は、後述のメランジ感等級及び凹凸感等級測定法により評価され、メランジ感等級は、2級〜4級であることが好ましい。メランジ感等級が2級未満であると、緻密なメランジ調となり、ワイルド感がなくなるので好ましくなく、一方、4級を越えると表面が粗くなるので、商品性の点で好ましくない傾向となる。また、凹凸感等級は、2級〜4級であることが好ましい。凹凸感等級が2級未満であると凹凸感が乏しく、一方、4級を越えると、表面が粗く、粗雑となり、商品性の点で好ましくない傾向となる。
次に、本発明のメランジ調人工皮革の製造方法について説明する。
本発明における人工皮革に用いるシート状物の形成方法は特に限定されるものではないが、例えばカードによるウエッブ調製後、ニードルパンチングによる繊維交絡でシート状物の調製は可能であるが、風合い、外観が優れたメランジ調人工皮革を製造するには、抄造法によるウエッブ調製、加圧水流の噴射による繊維交絡方法を使用する方法が好ましい
本発明のメランジ調人工皮革の製造工程は、以下に示す第1工程(工程I)から第5工程(工程V)の5つよりなる。
第1工程(工程I)は、アクリル系繊維(A)と易割繊性アクリル系海島複合繊維(B)とを、編物又は織物からなる基布(C)上に積載する工程である。例えば、アクリル系繊維(A)及び易割繊性アクリル系海島複合繊維(B)を抄造して得られたシート状物を、基布(C)上へ積載する方法、または、アクリル系繊維(A)及び易割繊性アクリル系海島複合繊維(B)を、基布(C)の上に直接抄造する方法等を用いることができる。後者の方法は、製造工程を簡略化できるので好ましい。
本発明のメランジ調人工皮革製造における第2工程(工程II)は、圧力が5Mpa未満、かつ全仕事量Wが1KW/m2未満の条件で、加圧水流を噴射し、アクリル系繊維(A)と易割繊性アクリル系海島複合繊維(B)とを、交絡、かつ基布(C)との接触面で、基布(C) の編目または織目を貫通、または編目又は織目に絡ませ、基布(C)の少なくとも片面全体を覆わせる工程である。5Mpa以上の圧力、または、1KW/m2以上の全仕事量Wの条件で水流噴射を行うと、アクリル系繊維(A)及び易割繊性アクリル系海島複合繊維(B)は、交絡よりも、基布(C)の編目または織目の貫通が進み、アクリル系繊維(A)と易割繊性アクリル系海島複合繊維(B)と基布(C)との強固な構造を得ることができないので、好ましくない。
本発明のメランジ調人工皮革製造における第3工程(工程III)は、圧力が5MPa以上、かつ全仕事量Wが1KW/m2以上の条件で、工程IIを経たシート状物に、加圧水流を噴射することにより、易割繊性アクリル系海島複合繊維(B)の少なくとも一部分を叩解させて、分割繊維(B’)を基布(C)の表面に形成し、シート状物を得る工程であり、最終的に得られる人工皮革の表面に独特な風合い、凹凸感、ワイルドな従来の人工皮革にない色調を加味する工程であり、本発明の従来にないメランジ感を与えるための重要な工程である。5Mpa未満の圧力、または、1KW/m2未満の全仕事量Wの条件で、加圧水流の噴射を行うと、易割繊性アクリル系海島複合繊維(B)の叩解が進まず、本発明の人工皮革の独特な風合い、従来の人工皮革にないワイルドな風合いを得ることができないので好ましくない。
本発明のメランジ調人工皮革の製造においては、まず、工程Iで、人工皮革の表面とする基布(C)のa面に、アクリロニトリル系繊維(A)と易割繊性アクリル系海島複合繊維(B)とを積載し、工程II、工程IIIの処理を施す事により、基布(C)のa面のみにアクリロニトリル系繊維(A)及び割繊繊維(B’)の交絡体を形成させた後、基布(C)の表面と裏面を反転して、基布(C)のb面に、工程I、工程II、工程IIIの処理を行うことにより、b面に、アクリロニトリル系繊維(A)及び割繊繊維(B’)の交絡体を形成させる。このとき、a面に積載するアクリロニトリル系繊維(A)と易割繊性アクリル系海島複合繊維(B)の全積載量FLaと、b面に積載するアクリロニトリル系繊維(A)と易割繊性アクリル系海島複合繊維(B)の全積載量FLbとの積載量比FLb/FLaが1.0以上3.0以下であり、かつ、工程II及び工程IIIで、a面に印加した加圧水流の仕事量をWa、及び、工程II及び工程IIIで、b面に印加した加圧水流の仕事量をWbとしたとき、仕事量比Wb/Waが1.3以上2以下であることが必要である。積載量比FLb/FLaが1未満では、基布(C)のa面に割繊繊維(B’)の割繊部分よりなる交絡物の形成しにくい傾向となり、その結果、人工皮革に、ワイルドなメランジ感や凹凸感を有する外観を形成させることが難しいので好ましくない。一方、積載量比FLb/Flaが3を越えると、前述の目付けの範囲では、基布(C)のb面に積載されたアクリロニトリル系繊維(A)と易割繊性アクリル系海島複合繊維(B)は、基布(C)の編目または織目の貫通が難しくなり、同様に、基布(C)のa面にワイルドなメランジ感や凹凸感を有する外観が発現しない傾向となるので好ましくない。また、仕事量比Wb/Waが1.3未満では、基布(C)のb面に積載されたアクリロニトリル系繊維(A)と易割繊性アクリル系海島複合繊維(B)は、基布(C)の編目または織目の貫通が難しくなり、基布(C)のa面に、割繊繊維(B’)の割繊部分よりなる交絡物の形成が難しく、その結果、ワイルドなメランジ感、凹凸感を有する外観が発現しない傾向となるので好ましくなく、仕事量比Wb/Waが2を越えると、基布(C)のb面で、基布(C)が露出する傾向となるので好ましくない。
尚、基布(C)に、アクリロニトリル系繊維(A)と易割繊性アクリル系海島複合繊維(B)とを積載する場合、基布(C)の同一面に、工程Iと工程IIを繰り返す等、数回に分けて積載したのち、工程IIIの処理を行うことも可能である。
本発明における加圧水流噴射の全仕事量Wは、以下のようにして求められる。
加圧水流の1本(1holeノズル)の仕事率は、下式で示される。

仕事率e =ρqv2/2 =ρav3/2 [kgf・(m/sec)2]

ρ[g/cm3]:流体密度 水ρ=1
q[m3]:吐出流量
q=av (非粘性流体、体積一定)
v[m3/s]:吐出速度
a[m2]:孔面積

一方、加圧水流の噴射に用いるウオータージェットノズルは、多ホールにより形成されている。したがって、ウオータージェットノズル単位幅(m)当たりの仕事率Eは下式で計算できる。

仕事率E=n・e=n・ρav3/2 (kgf・m/s2

n(個/m):ウオータージェットノズル孔数(個/m)

また、単位面積(m2)に投入する全仕事量Wは、処理時間によりきまる。ウオータージェットノズルとシート状物とを相対的に移動させて、連続的にシート状物を処理することも可能である。その際、シート状物、又は、ウオータージェットノズルの搬送速度より処理時間を求めることができる。従って、水流噴射により投入した全仕事量Wを、以下のように求められる事ができる。

全仕事量W=n・e・t=n・ρav3/2・t [kgf・m/s]

t(sec):処理時間 = 1(m)/処理速度(m/s)
1(kgf・m/s)=4.4(W)

加圧水流噴射圧力 ∝ 吐出流量である。加圧水流噴射圧力より吐出流量を適宜求めることができる。
上記のように加圧水流噴射における全仕事量Wは処理時間や処理回数にも比例しているが、加圧水流噴射圧力の3乗に依存している。すなわち、加圧水流噴射の圧力が繊維―繊維間、繊維―基布間の交絡や易割繊性アクリル系海島複合繊維(B)の叩解に最も支配的なファクターであることを意味している。
本発明のメランジ調人工皮革の製造における第4の工程(工程IV)は、工程IIIで得られたシート状物のアクリロニトリル系ポリマーよりなる部分を、カチオン染料による染色処理する工程であり、例えば、液流染色機等、通常の染色方法により染色される。本発明のメランジ調人工皮革の表面は、アクリル系繊維(A)、割繊繊維(B’)により形成されているが、カチオン染料により染色した場合に、アクリル系繊維(A)、割繊繊維(B’)のアクリル系ポリマー成分がカチオン染料により染まり、割繊繊維(B’)の異種ポリマー成分がカチオン染料により染まらないため、特異なメランジ調を発現する。
本発明のメランジ調人工皮革の製造における第5の工程(工程V)は、高分子弾性体(D)を、工程IVで得られたシート状物に含浸処理する工程である。高分子弾性体を含浸する手法は特に限定されるものではないが、例えば、溶剤に溶解した高分子弾性体をシート状物に含浸した後に、非溶剤で凝固、凝固、洗浄する湿式法、水分散系の高分子弾性体を含浸、乾燥する水系法などを用いることができる。どちらの手法でも含浸は可能であるが、湿式法は溶剤を大量に使用するため、環境へ配慮という点で、敬遠される方向にある。水分散系の高分子弾性体を含浸、乾燥する水系法は溶剤を使わない点で環境にはやさしい手法であり、人工皮革の製造では主流になっている。また、水系法は少量のポリウレタンを含浸、付着する手法として優れており、本発明の目指している風合いの優れる人工皮革を提供する観点からより好ましい。
このようにして得られた高分子弾性体を含浸したシート状物は、適宜、表面の研削処理による表面加工が施され、外観の優れた人工皮革に仕上げられる。
以下に実施例、比較例を挙げて本発明を具体的に説明する。

(メランジ感等級の測定方法)
メランジ調人工皮革サンプルの表面を、実体顕微鏡によるデジタル画像とし、該デジタル画像を、ソフトウエアを用いて、白黒の2階調に変換して、2階調デジタル画像を得、あらかじめ準備しておいた等級付けしたメランジ感見本と被検者5名により目視比較判定し、判定結果の平均等級を、該メランジ調人工皮革サンプルのメランジ感等級とした。

画像撮影使用器具
実体顕微鏡:Leica MZ12 (PLAN×1 Digital Zoll ×0.5)
照明:Cold Lighting System PIA-NEX NP-1
デジタルカメラ:Nikon DXm 1200 (実体顕微鏡接続)
画像取り込み解像度:640×480
画像処理方法
使用スフトウェア:Adobe Photo Shop 5.0
自動レベル調整、2階調化(しきい値128)処理
等級付けしたメランジ感見本
パソコン画面上に下記の白黒市松模様を作成し、メランジ感見本とした。
5級 □0.50mm市松模様
4級 □0.25mm市松模様
3級 □0.13mm市松模様
2級 □0.06mm市松模様
1級 □0.03mm市松模様

(凹凸感等級の測定方法)
下記のように、各繊度のアクリル系繊維を10mmにカットして、目付100g/m2のスパンレース不織布作成後に、後述の実施例1と同様にポリウレタンを含浸、染色、表面研削処理により起毛面の形成して、各等級に対応する凹凸感外観見本とした。この外観見本とメランジ調人工皮革サンプルとを被検者5名により目視比較判定し、判定結果の平均等級を、該メランジ調人工皮革サンプルの凹凸感等級とした。

5級:繊度1.0dtexアクリル系繊維の不織布より形成される外観見本と同等
4級:繊度0.7dtexアクリル系繊維の不織布より形成される外観見本と同等
3級:繊度0.5dtexアクリル系繊維の不織布より形成される外観見本と同等
2級:繊度0.3dtexアクリル系繊維の不織布より形成される外観見本と同等
1級:繊度0.1dtexアクリル系繊維の不織布より形成される外観見本と同等

(実施例1)
アクリル系繊維(A)として、アクリロニトリル単位/アクリル酸メチル単位/メタリルオキシベンゼンスルフォン酸ソーダ単位が、質量比で91.5/6.9/1.6のアクリル系ポリマーからなる単繊維繊度0.06dtex、カット長3mmの繊維を用い、易割繊性アクリル系海島複合繊維(B)としては、アクリロニトリル単位/酢酸ビニル単位が、質量比で92/8のアクリロニトリル系ポリマー50重量部と、メタクリル酸メチル単位/アクリル酸ブチル単位/メタクリル酸単位/スチレン単位が質量比で52/40/7/1からなる樹脂15重量部と、メタクリル酸メチル単位/アクリル酸メチル単位が質量比で90/10の組成を有するメタクリル樹脂35重量部と、からなる単繊維繊度3.0dtex、カット長3mmのアクリル系海島複合繊維(B)を使用した。基布(C)としては、熱収縮性をもつ72dtex/36フィラメントのポリエチレンテレフタレートフィラメントからなる目付50g/m編地(天竺)を幅70cm、長さ11mにカットしたものを用いた。次に、該基布(C)へのアクリル系繊維(A)及び易割繊性アクリル系海島複合繊維(B)の積載を抄紙法とし、繊維と基布の交絡は加圧水流噴射処理法によりシート状物を作成した。尚、これらの処理は以下のような処理装置、処理手順及び条件により実施した。
*処理装置
ネット駆動部及び幅60cm×長さ585cmのステンレス製平織(日本フィルコン製)#80メッシュをベルト状につなぎあわせて連続的に回転させるネットよりなるシート状物搬送装置、スラリー供給部幅が48cm、供給スラリー量が30L/minである抄紙用スラリー供給装置、ネット下部に配置した減圧脱水装置、と下記に示す加圧水流噴射処理装置からなる。

ウォータージェットノズルは、以下の2種類、3本を用いた。

ノズル1 :孔径φ0.15mm×501Hole、幅方向孔間ピッチ1mm(1001hole/幅1m)、1列配置、ノズル有効幅500mm
ノズル2 :孔径φ0.15mm×501Hole、幅方向孔間ピッチ1mm(1001hole/幅1m)、1列配置、ノズル有効幅500mm
ノズル3 :孔径φ0.15mm×1002Hole、幅方向孔間ピッチ1.5mm
3列配置、列間ピッチ5mm、ノズル有効幅500mm
*処理手順及び条件
(1)アクリル系繊維(A)の離解
単繊維繊度0.06dtex、カット長3mmのアクリル系繊維(A)を、繊維濃度が1%(10g/L)になるように水中へ分散して、ディスクリファイナー(熊谷理機製)を通して離解処理し、離解スラリー繊維(SA)とした。
(2)易割繊性アクリル系海島複合繊維(B)の離解
単繊維繊度3dtex、カット長3mmの易割繊性アクリル系海島複合繊維(B)を、繊維濃度が1%(10g/L)になるように水中へ分散し離解スラリー繊維(SB)とした。
(3)抄紙用スラリーの調整
アクリル系繊維(A)と易分割性アクリル系海島複合繊維(B)とが、質量比50:50で、かつスラリー中の繊維(以下、フロックと略す)の濃度が、1.44g/Lとなるように離解スラリー繊維(SA)、離解スラリー繊維(SB)、希釈水を計量し、スラリー供給タンクに調製した。さらに、ポリアクリルアマイドを添加して粘度22センチポイズの抄紙用スラリーを調製した。
(4)フロックの基布(C)への積載、及び水流噴射処理
*基布(C)a側の処理
試験機のネット上に基布(C)を積載搬送した。次に上記抄紙用スラリーを定量ポンプにより基布(C)上に供給した。抄紙用スラリーは均一な流れに整流するためのフローボックスを通して所定サイズに拡幅して供給した。その後静置、自然脱水する部分を通過して、減圧脱水装置により完全脱水し、目付20g/mの湿紙ウエッブを基布上に積載した。この処理が完了すると同時に、試験機後方のウオータージェットノズルより、加圧水流噴射圧力を2MPa(ノズル1)、圧力3MPa(ノズル2)、圧力4MPa(ノズル3)の順で通過させて交絡処理を加えた。このノズル3本の処理において投入された仕事量は0.8kw/m2であった。得られたシート状物を再び、ウオータージェットノズルより、加圧水流噴射圧力を5MPa(ノズル1)、圧力7MPa(ノズル1)、10MPa(ノズル2)の順で通過させて交絡処理を加えた。このノズル3本の仕事量は3.0kw/m2であり、a面形成に用いた全仕事量Waは、3.78kw/m2であった。
*基布(C)b側の処理
次にこのシート状物の表裏を反転して、前記処理面(a)と反対側である裏側(b)より、上記抄紙処理と同様に、目付20g/mの抄造ウエッブを積載してウオータージェットノズルより、加圧水流噴射圧力を2MPa(ノズル1)、圧力3MPa(ノズル2)、圧力4MPa(ノズル3)の順で通過させて交絡処理を加えた。このノズル3本の仕事量は0.78kw/m2であった。引き続いて、ウオータージェットノズルより、加圧水流噴射圧力を2MPa(ノズル1)、圧力3MPa(ノズル2)、圧力4MPa(ノズル3)の順で通過させて交絡処理を行った。このノズル3本の仕事量は0.78kw/m2であった。さらに、基布(C)のb面に、目付20g/mの抄造ウエッブを追加積載した後、ウオータージェットノズルより、加圧水流噴射圧力を2MPa(ノズル1)、圧力3MPa(ノズル2)、圧力4MPa(ノズル3)の順で通過させて交絡処理を加えた。このノズル3本の仕事量は、0.8kw/m2であった。引き続き、ウオータージェットノズルより、加圧水流噴射圧力を5MPa(ノズル1)、圧力7MPa(ノズル2)、圧力10MPa(ノズル3)の順で通過させて交絡処理を加えた。このノズル3本の仕事量は3.01kw/m2であった。従って、基布(C)のb面の処理を行った全仕事量は5.34 kw/m2であった。以上のシート状物処理に用いた加圧水流噴射圧力、及び、仕事量を表1にまとめて示す。尚、このときのFLaは、20g/m2、FLbは、40g/m2であるので、積載量比FLb/FLaは、2であり、かつ、仕事量Waは、3.78kw/m2、仕事量Wbは、5.34kw/m2であるので、仕事量比Wb/Waは、1.4である。
(5)収縮処理
上記(4)の処理により調製したシート状物を、沸水中で2分間収縮処理した。シート状物は幅方向、長さ方向に30%収縮(面積51%収縮)し、収縮前シート状物の目付は設計上では110g/m2に対して、収縮処理後のシート状物の目付は225g/m2となった。
(6)乾燥処理
(5)で収縮処理したシート状物を、マングルにより水分を絞った後、シート状物の幅を30cmにカットした。次にピンテンター試験機(辻井染色機製PT-2A-400)により150℃×3分で乾燥した。
(7)染色処理
(6)で得られたシート状物を液流染色機(日本染色機製ユニエース)を用いて、カチオン染料により染色した。染色レサイプは以下のとおりである。
Nichilon Golden Yellow GL(日成化成製):1.0owf%
Nichilon Red RS New(日成化成製):0.26owf%
Nichilon Blue AQN(日成化成製):0.2owf%
染液水量:180L
酢酸(90%):90g
酢酸Na:45g
染色温度×時間:105℃ × 1時間
染色したシート状物は洗浄処理して、マングルで絞った後、ピンテンター試験機(辻井染色機製PT-2A-400)により150℃×3分で乾燥した。
この時点でこのシート状物の表面は毛羽を有するともに、染色部と非染色部が混在したメランジ調外観を有していた。
(8)高分子弾性体(D)の含浸
(7)の染色処理上がりのシート状物に水分散型ポリウレタンEvafanol AP-12(日華化学製 エーテル系ポリウレタン)のエマルジョン(濃度4%dispに調製)を含浸した。含浸率が100%になるようにマングル絞りをした。次にアルギン酸ナトリュ−ウム3%水溶液を#100メッシュのスクリーンを介して表面にコートして、150℃×3分で乾燥させた。本シート状物へのポリウレタンの理論付着量を、4%とした。
(9)表面研削処理
(8)で得た高分子弾性体含浸処理上がりのシート状物を、サンドペーパー(#180)により表面研削をした。さらに、シート状物を、洗浄処理後、乾燥した。このようにして得られた調製シート状物のメランジ感等級は3.5級であり、凹凸感等級が2.0級の表面に独特なメランジ感を有する人工皮革を得ることができた。
Figure 2008150751

(実施例2)
アクリル系繊維(A)の繊度が0.13dtexである以外は実施例1と同様な方法で実施した。得られたメランジ調人工皮革のメランジ感等級が3.5級であり、凹凸感等級が2.5級の表面に独特なメランジ感を有するワイルドな風合いの人工皮革を得ることができた。

(実施例3)
アクリル系繊維(A)の繊度が0.3dtexである以外は実施例1と同様な方法で実施した。得られたメランジ調人工皮革のメランジ感等級は3.5級であり、凹凸感等級が3級の表面に独特なメランジ感を有する人工皮革を得ることができた。

(実施例4)
アクリル系繊維(A)の繊度が0.5dtexである以外は実施例1と同様な方法で実施した。得られたメランジ調人工皮革のメランジ感等級は4級であり、凹凸感等級が4級の表面に独特なメランジ感を有するスエード調人工皮革を得ることができた。

(実施例5)
アクリル系繊維(A)の繊度が0.7dtexである以外は実施例1と同様な方法で実施した。得られたメランジ調人工皮革のメランジ感等級は4級であり、凹凸感等級が4級の表面に独特なメランジ感を有する人工皮革を得ることができた。

(実施例6)
アクリル系繊維(A)の繊度が1dtexである以外は実施例1と同様な方法で実施した。得られたメランジ調人工皮革のメランジ感等級は4級であり、凹凸感等級が4級の表面に独特なメランジ感を有する人工皮革を得ることができた。
実施例1〜6の結果は表2にまとめる。
Figure 2008150751

(比較例1)
アクリル系繊維(A)の繊度が0.06detxとし、アクリル系繊維(A)と割繊繊維(B’)の質量比を、95:5とし、実施例1と同様な方法で、人工皮革を作製したところ、メランジ感はなく、凹凸感等級が1級の人工皮革となった。

(比較例2)
アクリル系繊維(A)の繊度が0.13dtexである以外は実施例1と同様な方法で人工皮革を作製したところ、メランジ感はなく、凹凸感等級が1.5級の人工皮革となった。

(比較例3)
アクリル系繊維(A)の繊度が0.3dtexである以外は実施例1と同様な方法で人工皮革を作製したところ、メランジ感はなく、凹凸感等級が2級の人工皮革となった。
(比較例4)
アクリル系繊維(A)の繊度が0.5dtexである以外は実施例1と同様な方法で、人工皮革を作製したところ、アクリル系繊維(A)を基布(C)に交絡することが困難であり基布(C)が露出した人工皮革となった。

(比較例5)
アクリル系繊維(A)の繊度が0.7dtexである以外は実施例1と同様な方法で、人工皮革を作製したところ、アクリル系繊維(A)を基布(C)に交絡することが困難であり基布(C)が露出した人工皮革となった。

(比較例6)
アクリル系繊維(A)の繊度が1dtexである以外は実施例1と同様な方法で、人工皮革を作製したところ、アクリル系繊維(A)を基布(C)に交絡することが困難であり基布(C)が露出した人工皮革となった。

比較例1〜6の結果を、表3にまとめた。
Figure 2008150751

(実施例7)
アクリル系繊維(A)に0.3detx、易割繊性アクリル系海島複合繊維(B)に3dtexを用いて、アクリル系繊維(A)と割繊繊維(B’)とが質量比で20:80とする以外は実施例1と同じ条件で、人工皮革を作製したところ、メランジ感等級が3級、凹凸感等級が2.5級の表面に独特なメランジ感を有するワイルドな人工皮革を得ることができた。

(実施例8)
アクリル系繊維(A)に0.3dtex、易割繊性アクリル系海島複合繊維(B)に3dtexを用いて、アクリル系繊維(A)と割繊繊維(B’)とが質量比で80:20とする以外は実施例1と同じ条件で人工皮革を作成したところ、メランジ感等級が3.5級、凹凸感等級が2.5級の表面に独特なメランジ感を有するワイルドな人工皮革を得ることができた。

(比較例7)
アクリル系繊維(A)と割繊繊維(B’)とが、質量比で、5:95となるように、アクリル系繊維(A)0.3dtex及び易割繊性アクリル系海島複合繊維(B)3dtexより抄紙用フロックを作成、基布(C)を実施例1と同様に人工皮革を作製したところ、基布が露出したシート状物となった。
Figure 2008150751

(比較例8)
アクリル系繊維(A)に0.3dtex、易割繊性アクリル系海島複合繊維(B)に0.3dtexを用いて、アクリル系繊維(A)と割繊繊維(B’)とが質量比で50:50となるようにする以外は実施例1と同じ条件で人工皮革を作製したところ、メランジ感等級は1.5級、凹凸感等級が2級の人工皮革となった。

(実施例9)
アクリル系繊維(A)に0.3dtex、易割繊性アクリル系海島複合繊維(B)に1dtexを用いて、アクリル系繊維(A)と割繊繊維(B’)とが質量比で50:50とする以外は実施例1と同じ条件で、人工皮革を作製したところ、メランジ感等級は2.5級、凹凸感等級が2.5級の人工皮革となった。

(実施例10)
アクリル系繊維(A)に0.3dtex、易割繊性アクリル系海島複合繊維(B)に5dtexを用いて、アクリル系繊維(A)と割繊繊維(B’)とが質量比で50:50とする以外は、実施例1と同じ条件で人工皮革を作製したところ、メランジ感等級は4級、凹凸感等級が3.5級の人工皮革となった。

(比較例9)
アクリル系繊維(A)に0.3dtex、易割繊性アクリル系海島複合繊維(B)に7dtexを用いて、アクリル系繊維(A)と割繊繊維(B’)とが質量比で50:50とする以外は、実施例1と同じ条件で人工皮革を作製したところ、得られた人工皮革の基布が一部露出していた。

以上の実施例、比較例の人工皮革のメランジ感等級、及び、凹凸感等級を表5にまとめる。
Figure 2008150751

(比較例10)
基布(C)のa側処理における積載ウエッブの目付10g/m2を1回処理(FLa=10g/m2)、基布(C)のb側処理における積載ウエッブ目付25g/m2を2回処理(FLb=50g/m2)、積載量比FLb/FLa=5とした以外は、実施例3と同様な方法で人工皮革を作製したところ、得られた人工皮革の表面には基布(C)の一部が露出した。

(実施例11)
基布(C)のa側処理における積載ウエッブの目付15g/m2を1回処理(FLa=15g/m2)、基布(C)のb側処理における積載ウエッブ目付22.5g/m2を2回処理(FLb=45g/m2)、積載量比FLb/FLa=3とした以外は、実施例3と同様な方法で人工皮革を作製したところ、得られた人工皮革のメランジ感等級が3.5級、凹凸感等級が3級であった。

(実施例12)
基布(C)のa側処理における積載ウエッブの目付30g/m2を1回処理(FLa=30g/m2)、基布(C)のb側処理における積載ウエッブ目付15g/m2を2回処理(FLb=30g/m2)、積載量比FLb/FLa=1とした以外は、実施例3と同様な方法で人工皮革を作製したところ、得られた人工皮革のメランジ感等級は3.5級、凹凸感等級は2.5級であった。

(比較例11)
基布(C)のa側処理における積載ウエッブの目付35g/m2を1回処理(FLa=35g/m2)、基布(C)のb側処理における積載ウエッブ目付12.5g/m2を2回処理(FLb=25g/m2)、積載量比FLb/FLa=0.71とした以外は、実施例3と同様な方法で人工皮革を作製したところ、得られた人工皮革のメランジ感等級は3.5級、凹凸感等級は1.5級であった。

(比較例12)
基布(C)のa側処理における積載ウエッブの目付40g/m2を1回処理(FLa=40g/m2)、基布(C)b側処理における積載ウエッブ目付10g/m2を2回処理(FLb=25g/m2)、積載量比FLb/FLa=0.5した以外は、実施例3と同様な方法で人工皮革を作製したところ、b面の基布が露出した。

以上の実施例、比較例の結果を、表6にまとめた。
Figure 2008150751

(比較例13)
加圧水流噴射(WJ)処理条件を、a面の加圧水流噴射の仕事量Waを3.78kw/m2、b面の加圧水流噴射の仕事量Wbを3.59kw/m2、Wb/Wa=0.95に設定した以外は、実施例3と同様な方法で人工皮革を作製した。シート状物の処理に用いた加圧水流噴射圧力、及び、仕事量を表7にまとめて示す。
Figure 2008150751

得られた人工皮革のメランジ感等級は3.5級、凹凸感等級は1.5級であった。

(実施例13)
加圧水流噴射(WJ)処理条件を、a面の加圧水流噴射の仕事量Waを3.78kw/m2、b面の加圧水流噴射の仕事量Wbを7.38kw/m2、Wb/Wa=2.0に設定した以外は、実施例3と同様な方法で人工皮革を作製した。シート状物の処理に用いたウオータージェット圧力、及び、仕事量を表8にまとめて示す。
Figure 2008150751

得られた人工皮革のメランジ感等級は3.5級、凹凸感等級は4級であった。

(比較例14)
加圧水流噴射(WJ)処理条件を、a面の加圧水流噴射の仕事量Waを3.78kw/m2、b面の加圧水流噴射の仕事量Wbを9.43kw/m2、Wb/Wa=2.5に設定した以外は、実施例3と同様な方法で行った。シート状物の処理に用いた加圧水流噴射圧力、及び、仕事量を表9にまとめて示す。
Figure 2008150751

得られた人工皮革のb面では、基布の一部が露出した。

以上の実施例、比較例の結果を、表10にまとめた。
Figure 2008150751
比較例3で作製した人工皮革表面のSEM像を示す。 実施例3で作製した人工皮革表面のSEM像を示す。

Claims (2)

  1. 下記のアクリル系繊維(A)、分割繊維(B’)と、編物又は織物よりなる基布(C)、及び高分子弾性体(D)と、からなる人工皮革であって、アクリル系繊維(A)と、割繊繊維(B’)とが、質量比10:90〜90:10の割合で含まれ、且つ、割繊繊維(B’)の割繊部分よりなる交絡物が点在していることを特徴とするメランジ調人工皮革。
    (1)アクリル系繊維(A)は、アクリロニトリル単位を50質量%以上含有したアクリロニトリル系ポリマーからなる繊度0.01〜2dtexの繊維。
    (2)割繊繊維(B’)は、アクリロニトリル単位を50質量%以上含有したアクリロニトリル系ポリマーを海成分として50〜70質量部と、該アクリロニトリル系ポリマーと共通な溶剤に可溶、且つ相溶性がなく、さらに、カチオン染料に染色されないポリマーを島成分として50〜30質量部と、を含む繊度1〜5dtexの易割繊性アクリル系海島複合繊維(B)の少なくとも一部が割繊した繊維。
  2. 下記のアクリル系繊維(A)と易割繊性アクリル系海島複合繊維(B)とを、編物又は織物からなる基布(C)に積載し、加圧した水流を用いて、アクリル系繊維(A)と易割繊性アクリル系海島複合繊維(B)とを交絡し、かつ基布(C)との接触面で、基布(C) の編目又は織目に絡ませ、基布(C)全体を覆わせる人工皮革の製造工程において、人工皮革の表面とする基布(C)のa面に積載するアクリロニトリル系繊維(A)と易割繊性アクリル系海島複合繊維(B)との積載量の合計をFLa、人工皮革の裏面とする基布(C)のb面に積載するアクリロニトリル系繊維(A)と易割繊性アクリル系海島複合繊維(B)との積載量の合計をFLbとしたとき、積載量比FLb/FLaが1以上3以下であり、且つ、基布(C)のa面から処理する加圧水流の仕事量Wa、及び、b面から処理する加圧水流の仕事量Wbとしたとき、仕事量比Wb/Waが1.3以上2以下である事を特徴とする請求項1に記載のメランジ調人工皮革の製造方法。
    (1)アクリル系繊維(A)は、アクリロニトリル単位を50質量%以上含有したアクリロニトリル系ポリマーからなる繊度0.01〜2dtexの繊維。
    (2)易割繊性アクリル系海島複合繊維(B)は、アクリロニトリル単位を50質量%以上含有したアクリロニトリル系ポリマーを海成分として50〜70質量部と、該アクリロニトリル系ポリマーと共通な溶剤に可溶、且つ相溶性がなく、さらに、カチオン染料に染色されないポリマーを島成分として50〜30質量部と、を含む繊度1.0〜5dtexの繊維。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP5585450B2 (ja) * 2009-07-08 2014-09-10 三菱レイヨン株式会社 多孔質電極基材及びその製造方法

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