JP2008149847A - トラック用荷台の側面扉構造 - Google Patents

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宣博 木嵜
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【課題】箱形の荷台の側面に形成された荷物の搬入出開口部に扉を開閉自在に枢着する場合に、ヒンジが側面外方に突出することを防止でき、荷台全体の幅を縮めることを不要とし得、荷物の搬送効率向上を図り得るトラック用荷台の側面扉構造を提供する。
【解決手段】箱形の荷台としての保冷庫3の側面に形成される荷物の搬入出開口部5に対しダブルヒンジ11を用いて扉6を枢着するよう構成し、該ダブルヒンジ11の連結ヒンジ部材11eによって連結されるベースヒンジピン部11bと可動ヒンジピン部11dとを、該ベースヒンジピン部11bと可動ヒンジピン部11dとが扉6を閉じた状態で搬入出開口部5の周縁に埋め込まれるよう、配設する。
【選択図】図2

Description

本発明は、トラック用荷台の側面扉構造に関するものである。
一般に、生鮮食品や冷凍食品等を運搬するための保冷車両は、図6に示される如く、トラック1におけるキャブ2後部に、保冷機能を有する箱型の荷台としての保冷庫3を搭載してなる構成を有している。
前記保冷庫3としては、後面の部分を観音開き式の扉4とする形式のものが多く採用されているが、近年においては、前記箱形の荷台としての保冷庫3の側面に荷物の搬入出開口部5を形成し、該搬入出開口部5に扉6を開閉自在に枢着し、前記保冷庫3の側面からも荷物の搬入出ができるようにすることにより、作業性を高めるようにしたものも開発されている。
前記保冷庫3の側面に設けられる扉6は、従来の場合、図7及び図8に示される如く、前記搬入出開口部5側に固着されるベースヒンジプレート7aと、前記扉6側に固着される可動ヒンジプレート7bとをヒンジピン部7cを介して連結してなるヒンジ7によって、搬入出開口部5に対して開閉自在に取り付けられている。
ここで、仮に、図9に示される如く、一般的なヒンジ7を用い且つそのヒンジピン部7cを搬入出開口部5の周縁に埋め込む構造とすると、扉6を閉じた状態では何ら問題はないが、扉6を開いた場合、図9の仮想線で示される如く、扉6を途中までしか開くことができず、180°全開にすることが困難となるため、従来においては、扉6を閉じた状態から180°回動させて全開可能とするには、図8に示される如く、ヒンジ7のヒンジピン部7cを保冷庫3の側面外方に突出させざるを得なかった。
又、前記扉6には、図7及び図10に示される如く、開閉レバー8の操作でリンクバー9を回転させることにより扉6のロックとロック解除とを切り換え可能なロック機構10が設けられており、運転中等に扉6が開いてしまうことを防止するようになっている。
尚、トラック用荷台構造の一般的技術水準を示すものとしては、例えば、特許文献1がある。
特開2005−255077号公報
ところで、車両の法規上、トラック用荷台の全幅は2500[mm]以内に規制されているため、図8に示される従来例の如く、ヒンジ7のヒンジピン部7cが保冷庫3の側面外方に突出すると、その分だけ保冷庫3全体の幅を縮める必要が生じ、該保冷庫3の容積が小さくなって荷物の搬送効率の低下につながるという欠点を有していた。
尚、前記保冷庫3全体の幅を縮めた場合に、該保冷庫3の壁の厚さや扉6の厚さを薄くすれば、保冷庫3内部の容積を確保することは可能ではあるが、この場合、前記保冷庫3の壁の厚さや扉6の厚さを薄くした分だけ、保冷効率が低下することとなり、好ましい対策であるとは言えなかった。
本発明は、斯かる実情に鑑み、箱形の荷台の側面に形成された荷物の搬入出開口部に扉を開閉自在に枢着する場合に、ヒンジが側面外方に突出することを防止でき、荷台全体の幅を縮めることを不要とし得、荷物の搬送効率向上を図り得るトラック用荷台の側面扉構造を提供しようとするものである。
本発明は、箱形の荷台の側面に形成された荷物の搬入出開口部に扉を開閉自在に枢着したトラック用荷台の側面扉構造において、
前記搬入出開口部側に固着されるベースヒンジプレートと、該ベースヒンジプレートの端部に形成されるベースヒンジピン部と、前記扉側に固着される可動ヒンジプレートと、該可動ヒンジプレートの端部に形成される可動ヒンジピン部と、前記ベースヒンジピン部に対し可動ヒンジピン部を該可動ヒンジピン部がベースヒンジピン部を中心として回動自在となるよう連結する連結ヒンジ部材とからなるダブルヒンジを備え、
該ダブルヒンジの連結ヒンジ部材によって連結されるベースヒンジピン部と可動ヒンジピン部とを、該ベースヒンジピン部と可動ヒンジピン部とが扉を閉じた状態で搬入出開口部の周縁に埋め込まれるよう、配設したことを特徴とするトラック用荷台の側面扉構造にかかるものである。
上記手段によれば、以下のような作用が得られる。
前述の如くダブルヒンジを用いて搬入出開口部に対し扉を枢着するよう構成すると、ベースヒンジピン部と可動ヒンジピン部とは、扉を閉じた状態で搬入出開口部の周縁に埋め込まれているが、扉を開く際には、ベースヒンジピン部を支点として可動ヒンジピン部が搬入出開口部の周縁から外方へ張り出す方向に回動しつつ、可動ヒンジピン部を中心として扉が回動する形となり、従来例の如く、ヒンジのヒンジピン部を箱形の荷台の側面外方に突出させなくても、扉を閉じた状態から180°回動させて全開させることが可能となるため、荷台全体の幅を縮めなくても、トラック用荷台の全幅に関する車両の法規を遵守することが可能となり、該荷台の容積が小さくならず荷物の搬送効率が低下する心配がなくなる。
前記トラック用荷台の側面扉構造においては、荷台が保冷庫であるようにすることができ、このようにすると、保冷庫の容積を確保するために、該保冷庫の壁の厚さや扉の厚さを薄くしなくて済み、保冷効率が低下せず、保冷庫に保管された生鮮食品や冷凍食品等の荷物の鮮度を確実に保持する上できわめて有効となる。
本発明の請求項1記載のトラック用荷台の側面扉構造によれば、箱形の荷台の側面に形成された荷物の搬入出開口部に扉を開閉自在に枢着する場合に、ヒンジが側面外方に突出することを防止でき、荷台全体の幅を縮めることを不要とし得、荷物の搬送効率向上を図り得るという優れた効果を奏し得る。
又、本発明の請求項2記載のトラック用荷台の側面扉構造によれば、上記効果に加え更に、荷台を保冷庫にすることにより、保冷庫の容積を確保するために、該保冷庫の壁の厚さや扉の厚さを薄くすることを不要とし得、保冷効率を低下させずに保冷庫に保管された生鮮食品や冷凍食品等の荷物の鮮度を確実に保持し得るという優れた効果を奏し得る。
以下、本発明の実施の形態を添付図面を参照して説明する。
図1〜図5は本発明を実施する形態の一例であって、図中、図6〜図10と同一の符号を付した部分は同一物を表わしており、基本的な構成は図6〜図10に示す従来のものと同様であるが、本図示例の特徴とするところは、図1〜図5に示す如く、箱形の荷台としての保冷庫3の側面に形成される荷物の搬入出開口部5に対しダブルヒンジ11を用いて扉6を枢着するよう構成した点にある。
本図示例の場合、前記ダブルヒンジ11は、搬入出開口部5側に固着されるベースヒンジプレート11aと、該ベースヒンジプレート11aの端部に形成されるベースヒンジピン部11bと、前記扉6側に固着される可動ヒンジプレート11cと、該可動ヒンジプレート11cの端部に形成される可動ヒンジピン部11dと、前記ベースヒンジピン部11bに対し可動ヒンジピン部11dを該可動ヒンジピン部11dがベースヒンジピン部11bを中心として回動自在となるよう連結する連結ヒンジ部材11eとを備えてなる構成を有している。
そして、前記ダブルヒンジ11の連結ヒンジ部材11eによって連結されるベースヒンジピン部11bと可動ヒンジピン部11dとを、該ベースヒンジピン部11bと可動ヒンジピン部11dとが扉6を閉じた状態で搬入出開口部5の周縁に埋め込まれるよう、配設してある。
又、前記扉6に設けられるロック機構10は、図1、図2及び図5に示す如く、従来と同様に、開閉レバー8の操作でリンクバー9を回転させることにより扉6のロックとロック解除とを切り換え可能なものであって、運転中等に扉6が開いてしまうことを防止するようになっているが、扉6の内側に埋め込んで外方へ突出しないようにしてある。尚、前記扉6の内側に埋め込んで外方へ突出しないようにしたロック機構10については、後部扉等に採用されている公知のものを用いることができる。
次に、上記図示例の作用を説明する。
前述の如くダブルヒンジ11を用いて搬入出開口部5に対し扉6を枢着するよう構成すると、ベースヒンジピン部11bと可動ヒンジピン部11dとは、図2及び図4の実線で示す如く、扉6を閉じた状態で搬入出開口部5の周縁に埋め込まれているが、扉6を開く際には、ベースヒンジピン部11bを支点として可動ヒンジピン部11dが搬入出開口部5の周縁から外方へ張り出す方向に回動しつつ、可動ヒンジピン部11dを中心として扉6が回動する形となる。
この結果、図8に示される従来例の如く、ヒンジ7のヒンジピン部7cを保冷庫3の側面外方に突出させなくても、扉6を閉じた状態から図4の仮想線で示す如く180°回動させて全開させることが可能となるため、保冷庫3全体の幅を縮めなくても、トラック用荷台の全幅に関する車両の法規を遵守することが可能となり、該保冷庫3の容積が小さくならず荷物の搬送効率が低下する心配がなくなる。
しかも、箱形の荷台としての保冷庫3の容積を確保するために、該保冷庫3の壁の厚さや扉6の厚さを薄くしなくて済み、保冷効率が低下せず、保冷庫3に保管された生鮮食品や冷凍食品等の荷物の鮮度を確実に保持する上できわめて有効となる。
こうして、箱形の荷台としての保冷庫3の側面に形成された荷物の搬入出開口部5に扉6を開閉自在に枢着する場合に、ヒンジが側面外方に突出することを防止でき、前記保冷庫3全体の幅を縮めることを不要とし得、荷物の搬送効率向上を図り得ると共に、前記保冷庫3の容積を確保するために、該保冷庫3の壁の厚さや扉6の厚さを薄くすることを不要とし得、保冷効率を低下させずに保冷庫3に保管された生鮮食品や冷凍食品等の荷物の鮮度を確実に保持し得る。
尚、本発明のトラック用荷台の側面扉構造は、上述の図示例にのみ限定されるものではなく、荷台が保冷庫となっていないものにも適用可能なこと等、その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
本発明を実施する形態の一例における側面扉を示す全体図である。 図1のII−II断面図である。 本発明を実施する形態の一例におけるダブルヒンジを示す図であって、図1のIII部拡大図である。 本発明を実施する形態の一例におけるダブルヒンジを用いた場合の扉を閉じた状態と、扉を開いた状態を示す概略図である。 本発明を実施する形態の一例における開閉レバーを示す図であって、図1のV−V断面相当図である。 一般的な保冷車両を示す斜視図である。 従来例における側面扉を示す全体図である。 図7のVIII−VIII断面図である。 従来例における一般的なヒンジを用い且つそのヒンジピン部を搬入出開口部の周縁に埋め込んだと仮定した場合の扉を閉じた状態と、扉を開いた状態を示す概略図である。 従来例における扉のロック機構を示す図であって、図7のX−X断面相当図である。
符号の説明
1 トラック
2 キャブ
3 保冷庫
5 搬入出開口部
6 扉
11 ダブルヒンジ
11a ベースヒンジプレート
11b ベースヒンジピン部
11c 可動ヒンジプレート
11d 可動ヒンジピン部
11e 連結ヒンジ部材

Claims (2)

  1. 箱形の荷台の側面に形成された荷物の搬入出開口部に扉を開閉自在に枢着したトラック用荷台の側面扉構造において、
    前記搬入出開口部側に固着されるベースヒンジプレートと、該ベースヒンジプレートの端部に形成されるベースヒンジピン部と、前記扉側に固着される可動ヒンジプレートと、該可動ヒンジプレートの端部に形成される可動ヒンジピン部と、前記ベースヒンジピン部に対し可動ヒンジピン部を該可動ヒンジピン部がベースヒンジピン部を中心として回動自在となるよう連結する連結ヒンジ部材とからなるダブルヒンジを備え、
    該ダブルヒンジの連結ヒンジ部材によって連結されるベースヒンジピン部と可動ヒンジピン部とを、該ベースヒンジピン部と可動ヒンジピン部とが扉を閉じた状態で搬入出開口部の周縁に埋め込まれるよう、配設したことを特徴とするトラック用荷台の側面扉構造。
  2. 荷台が保冷庫である請求項1記載のトラック用荷台の側面扉構造。
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