JP2008149785A5 - - Google Patents
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Description
本発明は、豆の茎葉を刈り取って収穫するための豆刈り装置に関する。
枝豆などの豆の収穫の際には、まず圃場に植生する茎葉を豆ごと引き抜き、茎葉を集約して作業所に運搬した後、茎葉の根本をもって脱莢器などにより茎葉から豆莢を脱莢することが一般的に行われている。
豆の茎葉の引き抜き作業は重労働であるため専用の刈取り機を用いて行われているが、このような豆用の刈取り機として特許文献1がある。
豆の茎葉には根本付近にまで豆莢が付いていることから、特許文献1に記載の刈取り機は、切断刃の前部が土中を進行するように形成して、茎葉を土中で切断してすべての豆莢を収穫すべく構成されている。従来、この切断刃は畝の頂面から深さ1cm乃至3cm程度の浅い位置を進行するように形成されていた。
豆の茎葉には根本付近にまで豆莢が付いていることから、特許文献1に記載の刈取り機は、切断刃の前部が土中を進行するように形成して、茎葉を土中で切断してすべての豆莢を収穫すべく構成されている。従来、この切断刃は畝の頂面から深さ1cm乃至3cm程度の浅い位置を進行するように形成されていた。
刈り取った茎葉は、その根本を持って脱莢器により梳いて脱莢を行っているが、このとき、従来のように畝の頂面から浅い位置で茎葉を切断した場合、茎葉の根本が短く脱莢作業がやりにくいという問題があった。
しかし、茎葉の根本を充分に長く確保するために刈刃が畝の頂面から深い位置を進行するように形成すると刈刃で大量の土を押しのけることになるため、刈刃や回転軸に大きな負荷がかかることとなり、刈刃が消耗しやすくなったり、回転軸が疲労して折損したりするおそれがあった。
また、切断刃が土中を進行すると、その上面に畝土が付着するだけでなく草や根が絡まることがあり、作業性を損なっていた。
特開2002−253029号公報
また、切断刃が土中を進行すると、その上面に畝土が付着するだけでなく草や根が絡まることがあり、作業性を損なっていた。
豆の収穫において、根本切断刃が畝の頂面から所望の深さを進行して豆の茎葉を土中で切断すると共に、根本切断刃の消耗や回転軸の損耗を防止することを目的とする。
上記課題を解決するために、請求項1記載の発明では、前進しながら豆の茎の根本を順次切断して刈り取る豆刈り装置において、円板の外周に鋸状の刃を有する根本切断刃を、水平方向に対して円板の進行方向前側を低く後側を高く傾斜して回転軸に連結し、この根本切断刃の上面には回転中心より径方向に伸びる突出体を設け、前記根本切断刃を回転軸に固定する押え座金を非円形状に形成し、前記突出体を、該押え座金の凸角部により構成したことを特徴とする。
請求項2記載の発明は、前記回転軸を根本切断刃の下面側に配置したことを特徴とする。
請求項2記載の発明は、前記回転軸を根本切断刃の下面側に配置したことを特徴とする。
請求項1記載の発明によれば、進行方向前側を低く後側を高く傾斜した円盤状の根本切断刃の上面に、回転中心より径方向に伸びる突出体を設けたことにより、この突出体が、根本切断刃の上面に載った畝土を回転に伴って側方に跳ね飛ばすため、根本切断刃が畝中深くを進行して豆の茎葉を深い位置で切断して、必要な長さの根本を確保可能なうえに、畝土による根本切断刃への負荷が少なく済み、後の作業の効率性を確保しつつ根本切断刃の消耗を抑えることができる。さらに、根本切断刃の上面に畝土が付着することがなく草などの巻付きを防止することができる。また、根本切断刃を回転軸に固定する押え座金を非円形状に形成し、該押え座金の凸角部を突出体としたことにより、簡易な構成で突出体を形成して、後の作業の効率性を確保しつつ根本切断刃の消耗を抑えることができる、という目的を達成可能である。
請求項2記載の発明によれば、根本切断刃の下面側に回転軸を配置したことにより、根本切断刃の上面に形成される突出体の設計自由度の向上を図れると共に、回転軸を短く形成して軸にかかる曲げモーメントを小さくし、回転軸の消耗を抑えることができるうえに、回転軸への草等の絡み付きを抑制することができる。
請求項2記載の発明によれば、根本切断刃の下面側に回転軸を配置したことにより、根本切断刃の上面に形成される突出体の設計自由度の向上を図れると共に、回転軸を短く形成して軸にかかる曲げモーメントを小さくし、回転軸の消耗を抑えることができるうえに、回転軸への草等の絡み付きを抑制することができる。
以下、本発明に係る豆刈り装置について、図1乃至図5を参照して説明する。
まず、図1及び図2を参照して、本発明に係る豆刈り装置の全体構成について説明する。図1は、本発明に係る豆刈り装置の全体斜視図である。図2は、本発明に係る豆刈り装置の側面図であり、エンジン11と操作盤12の図示を省略している。
まず、図1及び図2を参照して、本発明に係る豆刈り装置の全体構成について説明する。図1は、本発明に係る豆刈り装置の全体斜視図である。図2は、本発明に係る豆刈り装置の側面図であり、エンジン11と操作盤12の図示を省略している。
豆刈り装置は、左右一対のクローラ10、10を有する機体1の右側部にエンジン11を設け、左側部に操作盤12と乗用台13とを設け、機体の後部に茎葉集積台14を設け、さらに、機体1の正面に刈取り搬送装置2を搭載して形成されている。クローラ10、10及び刈取り搬送装置2はエンジン10によって駆動される。
クローラ10、10はそれぞれ畝間を進行可能な幅に形成し、一条の畝を跨ぐ距離をおいて左右に配置すると共に脚高の三角クローラに形成して機体1の車高を高くし、豆刈り装置が畝を跨いで走行可能に構成する。
操作盤12は機体の右側部のクローラ10の後部上方に設ける。この操作盤12は、畝間に立つ作業者の胸位置乃至目線位置程度の高さ、すなわち百数十cm程度の高さ位置に設置する。例えば、140cm乃至160cm程度の高さ位置に設ける。また、この操作盤12の後下方でかつクローラ10の後方に作業者が搭乗する乗用台13を設ける。乗用台13は、数十cm程度、例えば20cm乃至40cm程度の高さ位置に設置する。
作業者は、乗用台13に搭乗して操作盤12により豆刈り装置を操作することもできるし、または進行する豆刈り装置に併歩しながらでも操作盤12を操作することができるため、作業における汎用性が高く、各作業者の実情に合った作業態様を実現できる。
刈取り搬送装置2は、刈り取った茎葉を機体後部の茎葉集積台14に搬送する搬送部3と、畝に植生する豆の茎葉の根本を切断して刈り取る切断刃を備えた刈取り部4と、搬送部3及び刈取り部4の作業位置を制御する刈高さ制御部5とにより構成する。この刈取り搬送装置2を、進行方向前側を低く後側を高く傾斜して機体1の正面に搭載し、刈取り搬送装置2の後端下方に茎葉集積台14を配置する。
搬送部3は、左右一対の回動チェーンに搬送爪34を取り付けてなる搬送機を上側と下側の上下二段に並べて構成する。搬送爪34は、上側の搬送機30では間隔を広くし、下側の搬送機31では間隔を狭くして、回動チェーンに取り付けられている。
上側と下側の搬送機30、31は進行方向前側を低く後側を高く傾斜した状態で上下に並べて平行に配置する。上側の搬送機30を下側の搬送機31よりも長尺に形成して前方に突出し、両搬送機30、31の前端部が共に畝の頂面の直上を進行するように構成している。
搬送機30、31には、機体1の左右方向に設けた水平駆動軸15及び水平駆動軸15と直交する駆動軸16を介してエンジン11の動力を伝達する。このとき、上側の搬送機の回動チェーンの回動速度が、下側の搬送機の回動速度よりも速くなるように構成する。この搬送部3は、図示しない油圧ポンプにより前端部の下限を規定すると共に水平駆動軸15を中心に揺動自在に構成する。
また、上側の搬送機30の前部には分草杆32を取り付ける。上側と下側の両搬送機30、31の後部にはそれぞれ、搬送された茎葉が一定の方向を向いた状態で茎葉集積台14に放出されるように案内する案内杆33、33を取り付ける。
刈取り部4は、機体1から畝の頂面の直上まで進行方向前側に向かって斜め下方に伸びた伝動軸40と、伝動軸40の先端部から下向きに延出した回転軸41と、この回転軸41に取り付けた根本切断刃42とにより構成される。
伝動軸40は後端を水平駆動軸15に接続し、この水平駆動軸15からエンジンの動力を先端の回転軸41に伝達すると共に水平駆動軸15を中心として揺動可能に構成する。また、伝動軸40の途中部には、刈高さ制御部5と連結するための連結板45が設けられている。
回転軸41は、伝動軸40の先端から、伝動軸40に対して直角に下向きに延出する。この回転軸41の下端に根本切断刃42を取り付ける。根本切断刃42は進行方向前側を低く後側を高く傾斜して回転軸41に取り付けられる。
刈高さ制御部5は、畝間を転動するゲージホイル50と、このゲージホイル50に対する刈取り部4の高さ位置を調節するための扇形状の調節板51とにより構成される。調節板51は、連結板45と連結するための多数の通孔52を有している。この通孔52を選択して、刈取り部4の刈高さを調節する。
次に、図3を参照して本発明に係る刈取り刃体について説明する。図3は、刈取り刃体の拡大図である。
根本切断刃42は円板状で外周に鋸状の刃が形成されている。この根本切断刃42の上面に、突出体として、根本切断刃42の回転中心部から径方向に放射状に伸びる突条43を設けて刈取り刃体を形成する。
図例において突出体は、根本切断刃42の上面に、三本の突条43、43、43を等間隔に設けて形成している。
図例において突出体は、根本切断刃42の上面に、三本の突条43、43、43を等間隔に設けて形成している。
突条43は、回転軸41に衝突しない高さ(例えば1cm乃至3cm)に形成する。一方、低すぎると充分に畝土を跳ね飛ばせないため、突条43の高さは少なくとも0.5cm以上の高さに形成する。好ましくは1cm乃至2cm程度に形成するとよい。
また、突条43は、短すぎると充分な量の畝土を跳ね飛ばせず、一方、長すぎると突条43の最前端部が根本切断刃42の鋸刃状外周よりも突出して豆の茎葉に衝突するおそれがあるため、根本切断刃42の半径の0.3倍乃至0.8倍程度の長さに形成するとよい。さらに好ましくは、0.4倍乃至0.7倍に形成するとよい。
また、図例では、三本の突条43を放射状に形成しているが、一本や二本、又は四本以上の突条を根本切断刃42の上面に放射状に設けてもよい。
次に、この豆刈り装置の作業態様について説明する。
最初に、刈高さ制御部5によって切断作業高さを調整する。まず、通孔52を選択して調節板51と連結板45との連結位置を調節し、根本切断刃42の作業高さの下端位置を規定する。そして、油圧ポンプにより搬送部3の傾斜を変えて、搬送部3の前端部が畝頂面の直上にくるように調整する。
最初に、刈高さ制御部5によって切断作業高さを調整する。まず、通孔52を選択して調節板51と連結板45との連結位置を調節し、根本切断刃42の作業高さの下端位置を規定する。そして、油圧ポンプにより搬送部3の傾斜を変えて、搬送部3の前端部が畝頂面の直上にくるように調整する。
作業高さは、根本切断刃42の前側の端部が畝の頂面から数cm乃至20cm程度の深さを進行するように調整する。この作業高さは、豆の茎葉の根本に寄せた畝土の畝高さに応じて上記範囲を超えて適宜決めることもできる。
作業高さを調整した後、畝を跨ぐ豆刈り装置を前進させる。豆刈り装置が跨ぐ畝の茎葉は分草杆32により搬送機30、31に引き寄せられ、畝の頂面よりも深い位置を進行する根本切断刃42により茎葉が順次切断されていく。切断された茎葉は搬送機30、31により機体1の後部に搬送される。
搬送機30、31は、上側の搬送機30が下側の搬送機31よりも搬送速度が速くなっており、茎葉は下部の根側よりも上部の葉側が後方に引き倒されるように機体1の後部に搬送される。搬送機30、31からは、後部の案内杆33により茎葉が一定の向きで茎葉集積台14に放出され、茎葉は根本側と葉側の向きが揃えられた状態で集積される。
上記のごとく構成した豆刈り装置は、以下に述べる効果を奏する。
根本切断刃42の上面に突条43を放射状に形成したことにより、この突条43によって畝土を側方へ跳ね飛ばすことができ、根本切断刃42が畝の頂面から深い位置を進行しても畝土が根本切断刃42の上面にのらず、根本切断刃42や回転軸41にかかる負荷を軽減することができるため、根本切断刃42の消耗や回転軸41の疲労を抑えることができると共に、刈り取る茎葉の根本を長く確保することができるため豆莢の脱莢作業の作業効率を向上させることができる。
根本切断刃42の上面に突条43を放射状に形成したことにより、この突条43によって畝土を側方へ跳ね飛ばすことができ、根本切断刃42が畝の頂面から深い位置を進行しても畝土が根本切断刃42の上面にのらず、根本切断刃42や回転軸41にかかる負荷を軽減することができるため、根本切断刃42の消耗や回転軸41の疲労を抑えることができると共に、刈り取る茎葉の根本を長く確保することができるため豆莢の脱莢作業の作業効率を向上させることができる。
また、根本切断刃42が伝動軸40の下側に付いていることにより、根本切断刃42の前側部を畝の頂面から充分に深い位置に配置しても、根本切断刃42の水平方向からの傾斜角度を小さくでき、根本切断刃62が畝土から受ける抵抗力の刃面に垂直な成分を小さくして回転軸61にかかる曲げモーメントを減少させることができ、回転軸61の負担を軽減することができる。
また、伝動軸40が根本切断刃の上側にあることにより、伝動軸40や回転軸41の維持管理作業を行いやすい。
次に、刈取り刃体の第2の実施形態について図4及び図5を参照して説明する。図4は、刈取り刃体の第2の実施形態を示す側面図であり、図5は刈取り部6の要部拡大斜視図である。
本実施形態の刈取り刃体は、水平駆動軸15に接続された伝動軸60の先端部から上向きに回転軸61を延出し、この回転軸61の先端部に押え座金63を介して根本切断刃62を取り付けて形成する。押え座金63は、図5に示すように方形に形成する。この押え座金63の四隅が、それぞれ凸角部64として突出体となる。
図例では、押え座金63は方形に形成したが、三角形状や5角以上の多角形状など非円形状であればよい。また、押え座金63を円形状として、その周囲に突条を形成する構成とすることもできる。
本実施形態のごとく構成することにより、伝動軸40が根本切断刃62の下側にくるため、回転軸61を短く形成しても突出体が伝動軸40と衝突することがないため設計の自由度が向上し、効果的に畝土を側方へ跳ね飛ばすことができると共に、茎葉の根本を畝の頂面から深い位置で切断して充分な長さを確保し、豆莢の脱莢作業の作業効率を向上させることができる。
さらに、回転軸61を短く形成できるため、畝の頂面から深い位置を進行する根本切断刃62が畝土から受ける抵抗力により回転軸61にかかる曲げモーメントを大幅に減少させることができ、回転軸61の負担を軽減することができる。
1 機体
2 刈取り搬送装置
3 搬送部
4 刈取り部
40 伝動軸
41 回転軸
42 根本切断刃
43 突条
44 連結板
5 刈高さ制御部
6 刈取り部
60 伝動軸
61 回転軸
62 根本切断刃
63 突条
64 凸角部
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63 突条
64 凸角部
Claims (2)
- 前進しながら豆の茎の根本を順次切断して刈り取る豆刈り装置において、
円板の外周に鋸状の刃を有する根本切断刃を、水平方向に対して円板の進行方向前側を低く後側を高く傾斜して回転軸に連結し、この根本切断刃の上面には回転中心より径方向に伸びる突出体を設け、
前記根本切断刃を回転軸に固定する押え座金を非円形状に形成し、前記突出体を、該押え座金の凸角部により構成したことを特徴とする豆刈り装置。 - 前記回転軸を根本切断刃の下面側に配置したことを特徴とする請求項1記載の豆刈り装置。
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