JP2008149671A - 液体吐出ヘッドおよび該ヘッドを用いた記録装置 - Google Patents

液体吐出ヘッドおよび該ヘッドを用いた記録装置 Download PDF

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剛生 山▲崎▼
Katsuhiko Shinjo
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Akira Asai
朗 浅井
Tamayoshi Kurashima
玲伊 倉島
Takayuki Yagi
隆行 八木
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Abstract

【課題】 消費電力が低く、耐久性が高い液体吐出ヘッド及び記録装置を提供する。
【解決手段】 発熱体素子を流路の内壁面より浮かせた状態で支持し、前記発熱体を構成する部材が気泡の消滅する位置に存在しないように構成する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、流路内の液体を加熱して発泡させ、発生気泡を利用して液体を吐出する液体吐出ヘッド及び記録装置に関するものである。
従来から液体吐出装置は、微細加工、実験分析、画像形成等の様々な分野で応用されているが、ここではインクジェットによる記録方法を例にとって説明する。
インク滴を吐出し、これを被記録媒体上に付着させて画像形成を行なうインクジェット記録方法は、高速記録が可能であり、また記録品位も高く、低騒音であるという利点を有している。さらに、この方法はカラー画像記録が容易であって、普通紙等にも記録でき、さらに装置を小型化し易いといった多くの優れた利点を有している。
このようなインクジェット記録方法を用いる記録装置には、一般にインクを飛翔インク滴として吐出させるための吐出口と、この吐出口に連通するインク路と、このインク路の一部に設けられ、インク路内のインクに吐出のための吐出エネルギーを与えるエネルギー発生手段とを有する記録ヘッドが備えられる。例えば、特公昭61−59911号、特公昭61−59912号、特公昭61−59913号、特公昭61−59914号の各公報には、エネルギー発生手段として電気熱変換体を用い、電気パルス印加によってこれが発生する熱エネルギーをインクに作用させてインクを吐出させる方法が開示されている。
上記各公報に開示されている記録方法は、熱エネルギーの作用を受けたインクに気泡が発生し、この気泡の急激な膨張に基づく作用力によって、記録ヘッド部先端の吐出口よりインクを吐出し、この吐出インク滴が被記録媒体に付着して画像形成を行なうものである。この方法によれば記録ヘッドにおける吐出口を高密度に配設することができるので、高解像度、高品質の画像を高速で記録することができ、この方法を用いた記録装置は、複写機、プリンタ、ファクシミリなどにおける情報出力手段として用いることができる。
このインクジェット記録方式においては、上述のように電気熱変換体すなわち液体を加熱するための発熱体素子が必要であり、従来は薄膜抵抗体を流路内の壁面に設置し、該薄膜抵抗体の2辺に電気パルスを印加するための電極を接続したものが用いられていた。
しかしながら、上記したように薄膜抵抗体を壁面に設置した場合は、該薄膜抵抗体で発生した熱エネルギーが、かなりの割合で壁面に散逸してしまう場合があった。これにより、熱エネルギーを発泡のエネルギーに変換する効率が低下し、消費電力が大きくなってしまう場合があった。この問題点を解決するために、特開昭55−57477ならびに特開昭62−94347号公報には、発熱体素子を部分的に流路内の空間に空中に延在させて設け、これにより発熱体素子からプリントヘッド本体乃至は基板に熱が散逸されることを極力防止し、発熱体で発生した熱エネルギーを効率良く発泡のエネルギーに変換することにより、消費電力を低減させる装置が開示されている。
特公昭61−59911号公報 特公昭61−59912号公報 特公昭61−59913号公報 特公昭61−59914号公報 特開昭55−57477号公報 特開昭62−94347号公報
しかしながら上記従来技術では、急激に膨張した気泡が収縮して消泡するときに生じる機械的ダメージ(キャビテーション衝撃)によって、発熱体素子が破壊されてしまったり、一度の発泡では破壊せずとも繰り返し衝撃を加えられることにより発熱体素子の耐久性が著しく低下してしまうことがあった。このキャビテーション衝撃について、図6を用いて以下に説明する。流路601に液体602が満たされた状態(図(a))で、発熱体素子603にパルス電圧を印加すると、発熱体素子の温度は急激に上昇し、発熱体表面に気泡604が発生し、気泡は急激に膨張を始める。さらに膨張を続け、気泡の大きさが最大になったときは、気泡内の圧力は1/100気圧以下まで減圧されている(図(b))。その後、気泡内の低圧により収縮力が発生し、気泡は収縮に転じる(図(c))。気泡の収縮により液体が動き始めると液体に慣性力が生じ、ある時点からは液体の慣性力によって押し潰されながら気泡は収縮し、気泡内部は極めて高圧状態となる(図(d))。さらに気泡が収縮することにより、消泡時においては気泡内の高圧が発熱体の1点に集中し、発熱体に機械的ダメージが与えられることになる。この機械的ダメージがキャビテーション衝撃である(図(e))。
特にエネルギーを発泡エネルギーに変換する効率を改善した上記従来技術(特開昭55−57477、特開昭62−94347号)では、発熱体素子が流路内の空間中に延在しているため、発熱体素子の機械的強度が弱く、キャビテーション衝撃による発熱体の破壊や耐久性の低下は深刻な問題となる場合があった。
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものである。本発明の課題は、発熱体で発生した熱エネルギーを効率良く気泡のエネルギーに変換し、さらにキャビテーション衝撃による発熱体の破壊や耐久性の低下を抑え、消費電力が低く、耐久性の高い液体吐出ヘッドおよび該液体吐出ヘッドを用いた記録装置を提供することである。
本発明は上記課題を解決するため、流路内の液体を加熱して発泡させ、発生気泡を利用して液体を吐出する液体吐出ヘッド、および記録装置を以下のように構成したことを特徴とするものである。
すなわち本発明の液体吐出ヘッドは、液体を加熱して発泡させ、発生気泡を利用して液体を吐出するヘッドにおいて、液滴吐出口と、該液滴吐出口に連通して配置された液体を満たすための流路と、前記流路の内壁面より浮かせた状態で支持して前記流路内に配置した発熱体素子を備え、前記発生気泡の消滅する位置近傍に前記発熱体素子が存在しないことを特徴とする。
また、本発明の液体吐出ヘッドは、前記発熱体が、平板形状であることを特徴とする。
また、本発明の液体吐出ヘッドは、前記発熱体素子の気泡が消滅する位置に、発熱体を貫通する穴が形成されていることを特徴とする。
また、本発明の液体吐出ヘッドは、前記発熱体素子に形成された貫通穴が、液体の吐出方向に平行な方向の長い縦長形状であることを特徴とする。
また、本発明の液体吐出ヘッドは、前記発熱体素子に形成された貫通穴近傍の電気抵抗率が、発熱体素子の他の部分と比較して低いことを特徴とする。
また、本発明の液体吐出ヘッドは、少なくとも二つ以上の発熱体素子を備え、該発熱体素子の間隙において、前記気泡が消滅することを特徴とする。
また、本発明の記録装置は、前項に記載の液体吐出ヘッドを有する記録装置である。
また、本発明の記録装置は、複数の液体吐出ヘッドを備え、各発熱体に電気信号を供給する手段を備えたことを特徴とする記録装置である。
以上説明したように、本発明の液体吐出装置型記録ヘッドでは、発熱体素子を流路内壁から浮かせた状態で支持することで、発熱体で発生した熱が基板に散逸するのを防ぎ、さらに気泡が消滅する位置近傍に発熱体素子を構成する部材が存在しないため、キャビテーション衝撃による発熱体の劣化、破壊を防ぐことができる。これにより、高解像度・高速印字が可能で、従来と比較して消費電力が低い記録装置を提供することが可能となった。
本発明の液体吐出装置は、発熱体素子を流路の内壁面より浮かせた状態で支持するので、ヘッド本体や基板への熱の散逸を防止することができ、発熱体で発生した熱エネルギーを効率良く発泡エネルギーに変換することができる。さらに、気泡の消滅する位置近傍に、発熱体素子を構成する部材が存在しないので、従来技術で問題となっていた。気泡消滅時における機械ダメージ(キャビテーション衝撃)を受けない。
また、発熱体の形状としては特に制限がないが、平板形状の発熱体のときに、投入電力を発泡エネルギーに変換する効率が最も良い。平板形状以外の発熱体を用いた場合も、気泡の消滅する位置近傍に、発熱体を構成する部材が存在しないようにすればキャビテーション衝撃を受けない。
また、発熱体素子上で気泡が消滅する場合は、該発熱体の気泡が消滅する位置近傍に発熱体を貫通する穴を形成することにより、キャビテーション衝撃を回避することができる。
前記貫通穴の形状としては、特に制限は無い。穴を滑らかな曲線で構成することにより、穴近傍における電流密度の集中による局所的な発熱が発生せずに、安定した発泡特性を得ることが可能となる。また、液体の吐出方向に平行な方向の長い縦長形状とすることにより、駆動条件が変わって気泡の消滅位置が移動した場合でも、キャビテーション衝撃を回避することが可能となる。
また、前記発熱体に貫通穴を形成した場合、前記形成した貫通穴の近傍の電気抵抗率を、発熱体の他の部分と比較して低くすることにより、貫通穴近傍では発熱体の温度が上昇せず、穴近傍における電流密度の集中による局所的な発熱および発泡が発生しない。これにより、常に安定した発泡特性を得ることが可能となる。
また、気泡の消滅する位置近傍に発熱体素子を構成する部材が存在しないようにする方法としては、複数の発熱体素子を形成し、前記発熱体素子で発生した複数の気泡どうしを連通させ、気泡を前記発熱体の間隙において消滅させる方法がある。この場合、特に発熱体を長方形の平板形状とすると、発熱体面内で電流密度が一定となるので、局所的な発熱および発泡が起こらず、安定した発泡特性を得ることが可能となる。
また、本発明の記録装置では、上記した液体吐出ヘッドを複数備えることにより高速な記録が可能となり、さらに記録ヘッドの各発熱体に膜沸騰を生じさせる電気信号を供給する手段を備えることにより安定した記録が可能となる。
以下、図1に示した本発明の液体吐出ヘッドの断面図を用いて、本発明の一形態である液体吐出ヘッドの発泡−消泡過程を説明する。流路101が液体102に満たされた状態(図1(a))で、気泡の消泡位置に貫通穴103が形成された平板形状の発熱体素子104の両端に形成された電極(不図示)に、パルス電圧を印加することにより、発熱体の温度を、膜沸騰が生じる温度(300℃以上)まで急速に上昇させる。これにより、発熱体104の発泡面に、気泡105が発生し、急激に膨張を始める。この気泡の作用力によって、液滴106が液体吐出口より107より吐出される。以下、発生した気泡の挙動に着目する。気泡の大きさが最大になったとき(図1(b))、気泡内の圧力は1/100気圧以下まで減圧されている。この気泡内の低圧により収縮力が発生し、気泡は収縮に転じる(図1(c))。さらに気泡は、液体の慣性力によって押し潰されながら収縮を続け(図1(d))、最終的には流路内の一点に収束して消滅する(図1(e))。
本発明の液体吐出ヘッドでは、図1に示したように、気泡の消滅する場所には、貫通穴が形成してあり発熱体素子を構成する部材が存在しない。したがって、消泡時の気泡内の高圧は、発熱体素子に作用せず、発熱体素子にキャビテーション衝撃が加えられることはない。
次に、図2を用いて気泡の消泡位置に関する考察を行なう。
発生気泡を利用した液体吐出ヘッドにおいては、発泡初期には液体の速度が小さいので、対流、粘性の効果は小さく、慣性の効果が運動を規定する主要因である。そこで、液体吐出ヘッドの流路内の液体を図2に示したように、3つの部分に分割したモデルで考える。図中の矢印は、各部分の運動の様子を示したものである。図2において、A2の部分とA3の部分の間で気泡201が発生し、A1の部分が液滴202として液滴吐出口203から吐出するとする。A1、A2、A3の各部分のイナータンスを、それぞれA1、A2、A3とする。ここで、イナータンスとは、液体の慣性(動きにくさ)を示す量で、(体積加速度/圧力)のディメンジョンを持つ量である。発泡による圧力変化をPcとし(この圧力変化は、非常に短い時間Δtで発生する。)、A1、A2、A3の部分の初期状態(図2(a))からの体積変位を、それぞれν1、ν2、ν3とすると、発泡時刻(t=0)における体積変位速度は、運動量保存則より、
Figure 2008149671
である。ここで、気泡発生直後にA1の部分が分離すると仮定し、気泡の内部と大気圧との圧力差(この圧力差による力は気泡を消滅させる方向に働く。)をPとして、運動方程式を立てると、
Figure 2008149671
となる。(1)〜(4)より、時刻tにおけるA2部分およびA3部分の体積変位速度は、
Figure 2008149671
となる。時刻tにおけるA2部分およびA3部分の体積変位は、(5)および(6)を積分することにより求めることができ、
Figure 2008149671
ここで、消泡時刻tcはν2=ν3となる時刻であり、(7)、(8)より
Figure 2008149671
消泡位置204は、時刻tcにおけるν2(=ν3)であり、
Figure 2008149671
より求めることができる。流路の形状およびサイズ、液体吐出口の形状およびサイズ、発熱体の電気抵抗および大きさ、駆動条件等が決定すれば、式(10)より消泡位置を見積もることが可能である。本発明では、式(10)より、消泡位置を見積もり、見積もった消泡位置に発熱体素子を構成する部材が存在しないように液体吐出ヘッドを設計、作製する。
以下、実施例を用いて本発明を、より詳細に説明する。なお、以下の実施例中の基板、天板、流路、発熱体、液滴吐出口等の寸法や形状や材質、駆動条件等は一例であり、設計事項として任意に変更できるものである。
(第1実施例)
本実施例では、図3に示したインクジェットヘッドを設計、作製した。本実施例の吐出ヘッドは、単結晶シリコン基板301上に流路302となる溝をエッチングにより形成し、不純物を導入して導電性を持たせたpoly−Siの両面にSi34よりなる保護層(不図示)を形成した平板形状の発熱体素子303を溝に対して両持ち梁状となるように配置し、該発熱体素子の両端に電極(不図示)を形成し、流路302となる溝を形成したガラス基板よりなる天板304を前記基板に張合わせ、液体供給口305および先細形状の液滴吐出口306を形成したものである。図3に示した通り、発熱体素子303の気泡が消滅する場所には貫通穴307が形成してあり、発熱体素子が消泡時に機械的ダメージを受けないような構成となっている。また、貫通穴307は滑らかな曲線および直線で構成してあり、穴近傍において電流密度の集中により局所的な発熱が発生しないようになっている。吐出ヘッドの各部の寸法は、図1に示した通りである。
この吐出ヘッドに、C.I.フードブラック23.0重量%、ジエチレングリコール15.0重量%、N−メチル−2−ピロリドン5.0重量%、イオン交換水77.0重量%よりなる各配合成分を容器中で撹拌し、均一に混合溶解させた後、孔径0.45μmのポリフッ化エチレン系繊維製フィルタで濾過して得た粘度2.0cps(20℃)のインクを流路に供給し吐出を試みた。
吐出ヘッドの発熱体の加熱条件を、電圧9.0V、パルス幅2.5μsec、周波数3kHzの矩形パルスよりなる電気信号とし、吐出口よりインクを吐出させた。この状況をパルス光源と顕微鏡を用い観察した。すなわち、発熱体を加熱するための駆動パルスに同期し、かつ所定の遅延時間をおいてパルス光を発光させながら、発泡および消泡の状況、吐出したインクを観察した。天板側より、発泡および消泡の状況を観察したところ、発熱体素子の貫通穴内部において気泡が消滅していることが確認でき、発熱体素子を破壊することなく、安定した繰り返し吐出が可能であった。
本実施例の液体吐出ヘッドでは、発熱体を流路の内壁面より浮かせた状態に支持してあるので、該発熱体で発生した熱は、基板もしくは天板に散逸せず、その殆どが気泡の発生に利用される。さらに、発熱体素子の気泡が消滅する位置に貫通穴が形成してあるので、発熱体素子が消泡時に機械的ダメージを受けず、耐久性を向上させることができた。
(第2実施例)
本実施例では、図4に示したインクジェットヘッドを設計、作製した。本実施例の液体吐出ヘッドは、流路401、液滴吐出口402、液体供給口403、流路の内壁面より浮かせた状態で支持した平板状の発熱体素子404からなる。発熱体素子404における気泡が消滅する位置には、液体の吐出方向が長くなるように、縦長形状の貫通穴405が形成してあり、発熱体素子が消泡時に機械的ダメージを受けないような構成となっている。また、貫通穴の形状を縦長にすることにより、駆動条件の変化等によって気泡の消滅位置が変化した場合でも、発熱体素子がキャビテーション衝撃を受けないようになっている。
発熱体素子404は不純物を導入することにより導電性を持たせたpoly−Siで形成されている。発熱体素子404における貫通穴近傍の領域には、他の領域と比較して不純物を多く導入することにより、低抵抗領域406を形成してある。これにより、貫通穴近傍における電流密度の集中による局所的な発熱により、不均一な発泡が起こらないようになっている。流路、液滴吐出口、液体供給口の材質、構成、寸法等は実施例1と同様である。
この吐出ヘッドに、実施例1と同様のインクを流路に供給し吐出を試みた。
吐出ヘッドの発熱体の加熱条件を、電圧9.0V、パルス幅2.5μsec、周波数3kHzの矩形パルスよりなる電気信号とし、吐出口よりインクを吐出させた。この状況をパルス光源と顕微鏡を用い観察した。すなわち、発熱体を加熱するための駆動パルスに同期し、かつ所定の遅延時間をおいてパルス光を発光させながら、発泡および消泡の状況、吐出したインクを観察した。天板側より、発泡および消泡の状況を観察したところ、貫通穴の内部で気泡が消滅していることが確認でき、発熱体素子を破壊することなく、安定した繰り返し吐出が可能であった。さらに、発熱体の駆動電圧を7.0Vから11.0Vに変化させても、気泡が消滅する位置は、穴の内部に収まることを確認することができ、発熱体素子を破壊することなく、安定した繰り返し吐出が可能であった。
本実施例では、発熱体素子に形成する貫通穴の形状を、液体の吐出方向に平行な方向が長い縦長形状にすることにより、発熱体の駆動電圧が変化したときにも、発熱体素子が消泡時に受ける機械的ダメージを回避することができる。また、穴近傍ではそれ以外の部分と比較して電気抵抗率が低くなるように構成されている。これにより、貫通穴近傍の領域では温度が上昇せず、穴近傍領域での電流密度の集中による局所的な発熱および発泡が発生せず、発泡特性を安定させることが可能である。
(第3実施例)
本実施例では、図5に示したインクジェットヘッドを設計、作製した。本実施例の液体吐出ヘッドは、流路501、液滴吐出口502、液体供給口503、流路の内壁面より浮かせた状態で支持した平板状の発熱体素子504、505からなる。本実施例では、発熱体素子504および発熱体素子505で気泡が発生する。それらの気泡は急激に膨張し、合体し1つの気泡となる。その後、気泡は合体したまま収縮し、発熱体素子504と発熱体素子505の間で、消泡する。したがって、気泡の消泡位置には発熱体素子を構成する部材が存在しないので、発熱体素子はキャビテーション衝撃を受けない。また、発熱体素子に穴等を形成する必要がないので、発熱体面内において電流密度が一定となり、発泡特性が安定する。本実施例における、流路、液滴吐出口、液体供給口の材質、構成、寸法等は実施例1と同様である。
この吐出ヘッドに、実施例1と同様のインクを流路に供給し吐出を試みた。
吐出ヘッドの発熱体の加熱条件を、電圧9.0V、パルス幅2.5μsec、周波数3kHzの矩形パルスよりなる電気信号とし、吐出口よりインクを吐出させた。この状況をパルス光源と顕微鏡を用い観察した。すなわち、発熱体を加熱するための駆動パルスに同期し、かつ所定の遅延時間をおいてパルス光を発光させながら、発泡および消泡の状況、吐出したインクを観察した。天板側より、発泡および消泡の状況を観察したところ、2つの発熱体素子504と505の間で気泡が消滅していることが確認でき、発熱体素子を破壊することなく、安定した繰り返し吐出が可能であった。
本実施例の液体吐出ヘッドでは、発熱体を流路の内壁面より浮かせた状態で支持してあるので、該発熱体で発生した熱は、基板もしくは天板に散逸せず、その殆どが気泡の発生に利用される。さらに、発熱体素子の気泡が消滅する位置に発熱体素子が存在しないので、発熱体素子が消泡時に機械的ダメージを受けず、耐久性を向上させることができる。
(第4実施例)
第3実施例のインクジェット吐出ヘッドを複数装備し、発熱体駆動用回路を備え、該吐出ヘッドと被記録媒体とを所望の間隔で対向させるための支持体と、入力された情報に応じて、該吐出ヘッドと被記録媒体との相対位置を変化させるための機構を有する記録装置を作製した。本実施例の記録装置は、高解像度・高速印字が可能で、従来と比較して消費電力が低く、耐久性が高いものであった。
本発明の液体吐出ヘッドの一実施形態を示す図。 液体吐出ヘッドにおける消泡点について考察した図。 本発明の第1実施例の液体吐出ヘッドを示す図。 本発明の第2実施例の液体吐出ヘッドを示す図。 本発明の第3実施例の液体吐出ヘッドを示す図。 従来技術の問題点であったキャビテーション衝撃について説明する図。
符号の説明
101 流路
102 液体
103 貫通穴
104 発熱体素子
105 気泡
106 液滴
107 液滴吐出口
201 気泡
202 液滴
203 液体吐出口
204 消泡位置
301 基板
302 流路
303 発熱体素子
304 天板
305 液体供給口
306 液滴吐出口
307 貫通穴
401 流路
402 液滴吐出口
403 液体供給口
404 発熱体素子
405 貫通穴
406 低抵抗領域
501 流路
502 液滴吐出口
503 液体供給口
504 発熱体素子
505 発熱体素子
601 流路
602 液体
603 発熱体素子
604 気泡

Claims (8)

  1. 液体を加熱して発泡させ、発生気泡を利用して液体を吐出するヘッドにおいて、液滴吐出口と、該液滴吐出口に連通して配置された液体を満たすための流路と、前記流路の内壁面より浮かせた状態で支持して前記流路内に配置した発熱体素子を備え、前記発生気泡の消滅する位置近傍に前記発熱体素子が存在しないことを特徴とする液体吐出ヘッド。
  2. 前記発熱体が、平板形状であることを特徴とする請求項1に記載の液体吐出ヘッド。
  3. 前記発熱体素子の気泡が消滅する位置に、発熱体を貫通する穴が形成されていることを特徴とする請求項1から請求項2に記載の液体吐出ヘッド。
  4. 前記発熱体素子に形成された穴が、液体の吐出方向に平行な方向の長い縦長形状であることを特徴とする請求項1から請求項3に記載の液体吐出ヘッド。
  5. 前記発熱体素子に形成された貫通穴近傍の電気抵抗率が、発熱体素子の他の部分と比較して低いことを特徴とする請求項3または4に記載の液体吐出ヘッド。
  6. 少なくとも二つ以上の発熱体素子を備え、該発熱体素子の間隙において、前記気泡が消滅することを特徴とする請求項1に記載の液体吐出ヘッド。
  7. 請求項1から6のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッドを有する記録装置。
  8. 複数の液体吐出ヘッドを備え、各発熱体に電気信号を供給する手段を備えたことを特徴とする請求項7に記載の記録装置。
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