JP2008149551A - 繊維系ボードおよびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】
これまで課題であった繊維圧縮成形体の層間剥離を抑制でき、強度の高い繊維系ボード、およびその製造方法を提供する。
【解決手段】
繊維と熱可塑性樹脂とが混合されてなる層を複数有し、当該層同士の間の少なくとも一つに、熱可塑性樹脂を含んでなるフィルムに由来する層であって隣り合う層と融着してなる層を有することを特徴とする繊維系ボード。
【選択図】なし
これまで課題であった繊維圧縮成形体の層間剥離を抑制でき、強度の高い繊維系ボード、およびその製造方法を提供する。
【解決手段】
繊維と熱可塑性樹脂とが混合されてなる層を複数有し、当該層同士の間の少なくとも一つに、熱可塑性樹脂を含んでなるフィルムに由来する層であって隣り合う層と融着してなる層を有することを特徴とする繊維系ボード。
【選択図】なし
Description
本発明は、繊維系ボードおよびその製造方法に関する。
環境問題に対する解決策として、廃棄時の環境負荷低減を目的に、ポリ乳酸樹脂及び天然繊維を混在させて加熱、加圧し、全体の見かけ密度を特定範囲に成形した繊維系ボードの製造方法が開示されている(例えば特許文献1参照)。しかしながら、この技術では、不織布を多層積層して圧縮成形しているため、高い負荷がかかった場合に繊維系ボードの層間で剥離が発生し、曲げ強度が低下するという問題があった。
繊維系ボードの強度を向上するために、熱硬化性樹脂組成物層からなる接着フィルムの表面をガラスクロス又は有機不織布で挟み込み、加熱、加圧条件下で真空積層した後、熱硬化させ一体化させた積層板が開示されている(特許文献2参照)。しかしながら、この製造方法では、ガラスクロスや有機不織布に熱硬化性樹脂が十分に浸透せず、高い負荷がかかった場合に層間剥離を引き起こす問題は依然として解決していなかった。
なお、遊技盤用の盤面化粧板として、表面材と空隙保有裏打ち材とを低融点フィルムを用いて一体化させた盤面化粧板が提案されている(特許文献3参照)。しかしこの技術では、低融点フィルムと表面材および裏打ち材における樹脂とが相溶しておらず、層間の接着強度が低く、剥離を引き起こすことがあった。
特開2004−130796号公報(請求項1、図1)
特開2004−241394号公報(請求項1、請求項2)
特開2000−70451号公報(請求項1、第0040段落)
本発明は、かかる従来技術の欠点を解消し、これまで課題であった繊維圧縮成形体の層間剥離を抑制できる、強度の高い繊維系ボード、およびその製造方法を提供することを目的とする。
すなわち本発明は、繊維と熱可塑性樹脂とが混合されてなる層を複数有し、当該層同士の間の少なくとも一つに、熱可塑性樹脂含んでなるフィルムに由来する層であって隣り合う層と融着してなる層を有することを特徴とする繊維系ボードである。
また本発明は、繊維と熱可塑性樹脂とが混合されてなるウェブの複数の層の少なくとも一つの層間に、熱可塑性樹脂を含んでなるフィルムを積層して、圧縮成形することを特徴とする繊維系ボードの製造方法である。
本発明によれば、層間剥離を抑制した、強度の高い繊維系ボードを得ることができる。
本発明の繊維系ボードは、繊維と熱可塑性樹脂とが混合されて圧縮成型されてなる層(以下、「繊維含有層」とも呼ぶ。)を複数有する。この層を有することにより、繊維系ボードの基礎的な強度を保持する。
繊維含有層の繊維としては、環境への負荷が小さい点から、天然繊維が好ましい。
天然繊維としては、その中でもセルロース系繊維が好ましい。例えば、木質系や草本系のセルロース系繊維である。そして、強度及び表面硬度の高い繊維系ボードを得るには、できるだけ、繊維長の長いセルロース系繊維を用いることが好ましい。具体的には、木材パルプ、バガス、ムギワラ、アシ、パピルス、タケ類等のイネ科植物、パルプ、木綿、ケナフ、ローゼル、アサ、アマ、ラミー、ジュート、ヘンプ、まお等の靭皮繊維、サイザルアサおよびマニラアサ等の葉脈繊維等であり、これらの中のから選ばれる1種以上の繊維が含まれていることが好ましい。これらのなかでも、比較的繊維長が長く、一年草であって熱帯地方及び温帯地方での成長が極めて早く容易に栽培できる草本類に属する、ケナフあるいはジュートからの繊維を採用することで、優れた強度及び表面硬度を得ることができる。特に、ケナフはその靭皮にセルロースを60質量%以上と高い含有率で有しており採取効率が高く、かつ高い強度を有していることから、ケナフ靭皮から採取されるケナフ繊維を用いることが好ましい。
天然繊維の平均繊維長としては、5〜100mmが好ましい。平均繊維長がこの範囲の短繊維の天然繊維で繊維含有層を構成することにより、優れた強度及び表面硬度の繊維系ボードを得ることができる。5mm以上、より好ましくは20mm以上、さらに好ましくは50mm以上とすることにより、強度及び表面硬度の高い繊維系ボードを得ることができる。一方、短繊維長が100mmを超えると、繊維と熱可塑性樹脂とを均一に分散させることが困難となり、生産性が低下すると共に強度が不均一となる。
繊維含有層の熱可塑性樹脂としては例えば、ポリ乳酸、ポリエステル、ポリオレフィン等が好ましい。なかでも、強度が高く、ウェブとの相溶性が良好で、かつ、成形性が良好であり、環境に優しいポリ乳酸樹脂を用いることが好ましい。
ポリ乳酸は、トウモロコシなどの植物を原料とする非石油系原料の樹脂であり、製造工程においても石油系の溶剤をほとんど使用せず、また生分解性を有する。よって、繊維系ボードの製造・廃棄の各段階において、環境への負荷を少なくすることができる。また、ポリ乳酸は、生分解性プラスチックの中でも、またポリプロピレンやポリエチレンに比べても強度が高く、融点が170℃程度と適度な耐熱性を有すると共に、成形性に優れ、他の天然繊維や木質系材料との接着性にも優れている。
ポリ乳酸としては、ホモポリマーでもよいし、ポリ乳酸同士の共重合体もしくはブレンドポリマーでもよい。ポリ乳酸におけるL−乳酸単位とD−乳酸単位との構成モル比(L/D)は、100/0〜0/100にわたり採用しうるが、高い融点を得るにはL−乳酸単位あるいはD−乳酸単位のいずれかを90モル%以上含むことが好ましい。
また、ポリ乳酸の重量平均分子量としては5〜50万が好ましい。
また、ポリ乳酸樹脂には、カルボジイミド化合物を添加することが好ましい。ポリ乳酸またはこれに含まれるオリゴマーの反応活性末端を不活性化し、ポリ乳酸の加水分解を抑制するものである。加水分解を抑制することにより、高温・高湿環境下での使用による劣化を防ぐことができる。カルボジイミド化合物としては例えば、ジイソシアネート化合物を重合したものを好適に用いることができ、中でも、4,4−ジシクロヘキシルメタンカルボジイミドの重合体やテトラメチルキシリレンカルボジイミドの重合体やその末端をポリエチレングリコールなどで封鎖したものを好ましく用いることができる。
また、ポリ乳酸樹脂組成物は結晶核剤を含有することも好ましい。結晶核剤により、ポリ乳酸の結晶核の形成を促進させ、繊維系ボードの曲げ強度を向上することができる。結晶核剤としては、ポリ乳酸樹脂組成物中に均一に分散し効率良く結晶核を形成できる点でタルクが特に好ましい。タルクの組成としては、燃焼時の損失分を除いた成分中のSiO2およびMgOの割合が93質量%以上であることが好ましい。タルクの平均粒径としては、分散性の点から0.5〜7μmが好ましい。結晶核剤は1種のみを単独で用いてもよいし2種以上を併用してもよい。結晶核剤の含有量としては、非溶融性の繊維を除くポリ乳酸樹脂組成物の全質量に対して0.1〜20質量%が好ましい。
繊維含有層における繊維と熱可塑性樹脂との質量比としては、30:70〜90:10が好ましい。非溶融性の繊維を30質量%以上とすることで、繊維補強の実効を得ることができ、また、切削加工性にも優れた繊維系ボードを得ることができる。一方、熱可塑性樹脂を10質量%以上とすることで、バインダーとして繊維含有層を強固に形成する実効を得ることができる。
本発明の繊維系ボードは、繊維含有層同士の間の少なくとも一つに、熱可塑性樹脂を含んでなるフィルムに由来する層であって隣り合う層と融着してなる層(以下、「フィルム層」とも呼ぶ。)を有する。このフィルム層により、せん断方向の層間のずれに対する補強がされ、層間剥離を抑制することができる。また、フィルム層が隣り合う層と融着することにより、繊維含有層の熱可塑性樹脂と一部が一体化して、層同士の接着を強固なものとすることができる。
フィルム層の熱可塑性樹脂の好ましい種類・態様については、繊維含有層の熱可塑性樹脂の好ましい種類・態様を援用できる。
また、フィルム層の熱可塑性樹脂と繊維含有層の熱可塑性樹脂との組み合わせとしては、ポリ乳酸同士、ポリエステル同士、ポリオレフィン同士と、同系のもの同士を用いることが、相溶による高い接着性の点からも好ましい。
繊維含有層を3層以上とする場合には、各繊維含有層間にフィルム層を設けることが、十分な効果を得る上で好ましい。
次に、本発明の繊維系ボードの製造方法について説明する。
(繊維含有層の材料)
繊維含有層における繊維の材料については前述のとおりである。
繊維含有層における繊維の材料については前述のとおりである。
繊維含有層における熱可塑性樹脂の材料としては、短繊維の形態のものを用いるのが好ましい。そうすることで、カーディング工程等により非溶融性の繊維と短繊維同士で均一に分散させることができる。非溶融性の繊維の平均繊維長としては前述のとおり5〜100mmが好ましいので、熱可塑性樹脂繊維も平均繊維長20〜100mmが好ましい。この範囲内とすることで、分散斑を防ぐことができる。
(ウェブ)
繊維含有層の材料である非溶融性の繊維および熱可塑性樹脂繊維は、ローラカードによるカーディング法にて均一に混合させることができる。
繊維含有層の材料である非溶融性の繊維および熱可塑性樹脂繊維は、ローラカードによるカーディング法にて均一に混合させることができる。
そして、前記混合物からウェブを形成する。ウェブの態様としては、不織布でもよい。かかる不織布は、前記混合物をニードルパンチ処理することにより得ることができる。
ウェブの目付としては、50〜2000g/m2が好ましい。
(フィルム)
熱可塑性樹脂を含んでなるフィルムは周知の製造工程(例えばTダイ法又はインフレーション法など)により製造することができる。
熱可塑性樹脂を含んでなるフィルムは周知の製造工程(例えばTダイ法又はインフレーション法など)により製造することができる。
本発明において特に好ましく使用されるポリ乳酸フィルムの製造方法の一例を次に示す。
ポリ乳酸樹脂組成物を、真空状態、60〜140℃で2〜7時間乾燥後、押出機に供給し、Tダイ口金温度160〜220℃でフィルム状に押し出し、10〜45℃に冷却したドラム上にキャストして未延伸フィルムを作製し、用いるフィルムとする。
また、延伸フィルムを用いるフィルムとしてもよい。例えば上記未延伸フィルムを、一旦巻き取ることなく連続して50〜90℃の加熱ロール間で長手方向に3倍延伸した後、この一軸延伸フィルムをクリップで把持してテンター内に導き、50〜95℃の温度で加熱しつつ横方向に延伸し、幅方向に固定した状態で120〜160℃、5〜25秒間の熱処理を行い、厚さ30〜500μmのポリ乳酸系延伸フィルムを得ることができる。
ポリ乳酸樹脂組成物を、真空状態、60〜140℃で2〜7時間乾燥後、押出機に供給し、Tダイ口金温度160〜220℃でフィルム状に押し出し、10〜45℃に冷却したドラム上にキャストして未延伸フィルムを作製し、用いるフィルムとする。
また、延伸フィルムを用いるフィルムとしてもよい。例えば上記未延伸フィルムを、一旦巻き取ることなく連続して50〜90℃の加熱ロール間で長手方向に3倍延伸した後、この一軸延伸フィルムをクリップで把持してテンター内に導き、50〜95℃の温度で加熱しつつ横方向に延伸し、幅方向に固定した状態で120〜160℃、5〜25秒間の熱処理を行い、厚さ30〜500μmのポリ乳酸系延伸フィルムを得ることができる。
フィルムの厚さとしては30〜500μmが好ましく、当該範囲内とすることで、30μm以上とすることで、層間剥離を抑制する実効を得ることができる。また500μm以下とすることで、溶融が不十分になるのを防ぐことができる。
(積層・成形)
本発明の繊維系ボードの製造方法においては、前記ウェブの複数の層の少なくとも1つの層間に、前記フィルムを積層して、これらを積層したものを圧縮成形することが重要である。そうすることで、熱可塑性樹脂からなるフィルムが溶融し、ウェブ中の熱可塑性樹脂とも相溶し、隣り合うウェブ同士を強固に接着する接着剤の役目を担うので、強度の高い繊維系ボードを効率良く製造することができる。
本発明の繊維系ボードの製造方法においては、前記ウェブの複数の層の少なくとも1つの層間に、前記フィルムを積層して、これらを積層したものを圧縮成形することが重要である。そうすることで、熱可塑性樹脂からなるフィルムが溶融し、ウェブ中の熱可塑性樹脂とも相溶し、隣り合うウェブ同士を強固に接着する接着剤の役目を担うので、強度の高い繊維系ボードを効率良く製造することができる。
圧縮成形工程においては、ウェブおよびフィルムを積層したものを圧縮前に加熱するか、または圧縮と同時に加熱することが好ましい。加熱を行うことで、熱可塑性樹脂を溶融させ、極端に大きな圧力で圧縮を行わなくても強固な成形が可能となるので、全体的なエネルギーコストとしても好ましく、また、部材の密度の調節も容易に行うことができる。均質なボードを成形する上では、圧縮と同時に加熱することが好ましい。
加熱温度としては、熱可塑性樹脂を溶融して均一に分散させる上で180〜220℃が好ましい。また、加熱時間としては3〜20分が好ましい。
圧縮の圧力としては、繊維材料や加熱温度にもよるが0.5〜12MPaが好ましい。
圧縮成形に用いる加熱・加圧装置としては、上下2枚の加熱平板を用いるいわゆる平板加熱プレス装置を採用することができる。
また、厚みが10mm以上の比較的厚い繊維系ボードを成形する場合には、高周波誘導加熱装置を用いるのが好ましい。当該装置は、ウェブの積層体の内部まで均一に加熱することができるため、曲げ強さ、針やネジなどに対する突き刺し性、その保持性等、均一な特性の繊維系ボードが得られる。
(1)繊維系ボードの見かけ密度
JIS A 5905:2003 6.3に準じて測定した。すなわち、繊維系ボードを温度20℃、湿度65%RHの標準状態にて24hr放置後、外形寸法が10cm×10cmの試験片を3枚切り出した。次に1枚の試験片について、幅、長さ及び厚さを測定し、それぞれについての平均値を求め、試験片の幅、長さ及び厚さとし、体積(v)を求めた。次に、質量(g)を測定し、下記式によって算出した。厚さは0.05mm、幅及び長さは0.1mm、質量は0.1gの精度まで測定し、密度は0.01g/cm3単位まで算出した。1枚の試験片ごとに密度を求めた上で、3枚の試験片の平均値を求め、この値を見かけ密度とした。
見かけ密度(g/cm3)=m/v
ここに、m:質量(g)
v:体積(cm3)。
JIS A 5905:2003 6.3に準じて測定した。すなわち、繊維系ボードを温度20℃、湿度65%RHの標準状態にて24hr放置後、外形寸法が10cm×10cmの試験片を3枚切り出した。次に1枚の試験片について、幅、長さ及び厚さを測定し、それぞれについての平均値を求め、試験片の幅、長さ及び厚さとし、体積(v)を求めた。次に、質量(g)を測定し、下記式によって算出した。厚さは0.05mm、幅及び長さは0.1mm、質量は0.1gの精度まで測定し、密度は0.01g/cm3単位まで算出した。1枚の試験片ごとに密度を求めた上で、3枚の試験片の平均値を求め、この値を見かけ密度とした。
見かけ密度(g/cm3)=m/v
ここに、m:質量(g)
v:体積(cm3)。
(2)繊維系ボードの曲げ強さ
JIS A 5905:2003 6.6に準じて測定した。繊維系ボードから、縦方向および横方向のそれぞれについて、幅50mm、長さ150mmの試験片を3枚ずつ採取した。上記規定に準じた曲げ強さ試験装置(支点及び荷重作用点の曲率半径はそれぞれ5.0mm)に、スパン(L)100mmとして試験片を設置し、スパンの中間位置にて試験片の表面から平均変形速度50mm/分の荷重を加え、その最大荷重(P)を測定し、次式によって曲げ強さを求め、6枚の平均値を算出した。
曲げ強さ(MPa)=3PL/2bt2
ここに、P:最大荷重(N)
L:スパン(mm)
b:試験片の幅(mm)
t:試験片の厚さ(mm)。
JIS A 5905:2003 6.6に準じて測定した。繊維系ボードから、縦方向および横方向のそれぞれについて、幅50mm、長さ150mmの試験片を3枚ずつ採取した。上記規定に準じた曲げ強さ試験装置(支点及び荷重作用点の曲率半径はそれぞれ5.0mm)に、スパン(L)100mmとして試験片を設置し、スパンの中間位置にて試験片の表面から平均変形速度50mm/分の荷重を加え、その最大荷重(P)を測定し、次式によって曲げ強さを求め、6枚の平均値を算出した。
曲げ強さ(MPa)=3PL/2bt2
ここに、P:最大荷重(N)
L:スパン(mm)
b:試験片の幅(mm)
t:試験片の厚さ(mm)。
(3)繊維含有層とフィルム層との融着状態
繊維系ボードの断面を、走査形拡大顕微鏡(SEM)を用いて観察し、繊維含有層とフィルム層との融着状態を観察した。
繊維系ボードの断面を、走査形拡大顕微鏡(SEM)を用いて観察し、繊維含有層とフィルム層との融着状態を観察した。
[実施例1]
(不織布)
非溶融性の繊維として、平均繊維長75mmのケナフ靭皮繊維を用いた。
また、ポリ乳酸樹脂を溶融紡糸法により紡糸し、捲縮付与し、カットして、繊度6.6dtex、平均繊維長51mmのポリ乳酸短繊維を得た。
上記ケナフ靭皮繊維と上記ポリ乳酸短繊維とを70:30の質量比で、ローラーカードを用いて混綿し、開繊して目付1000g/m2の不織布を得た。
(不織布)
非溶融性の繊維として、平均繊維長75mmのケナフ靭皮繊維を用いた。
また、ポリ乳酸樹脂を溶融紡糸法により紡糸し、捲縮付与し、カットして、繊度6.6dtex、平均繊維長51mmのポリ乳酸短繊維を得た。
上記ケナフ靭皮繊維と上記ポリ乳酸短繊維とを70:30の質量比で、ローラーカードを用いて混綿し、開繊して目付1000g/m2の不織布を得た。
(フィルム)
ポリ乳酸樹脂を、真空状態、120℃で8時間乾燥後、押出機に供給し、Tダイ口金温度195℃でフィルム状に押し出し、40℃に冷却したドラム上にキャストして厚さ200μmの未延伸フィルムを作製した。
ポリ乳酸樹脂を、真空状態、120℃で8時間乾燥後、押出機に供給し、Tダイ口金温度195℃でフィルム状に押し出し、40℃に冷却したドラム上にキャストして厚さ200μmの未延伸フィルムを作製した。
(積層・成形)
上記の不織布を13枚積層し、次いで、この積層体の上から6層目と7層目との層間に上記フィルムを1枚、挿入・積層し、この積層体を厚さ18mmのスペーサーと共に高周波プレス機に挟み、定盤温度170℃、積層体の内部設定温度200℃、圧力2.4MPaで、15分間の加熱、加圧成形を行い、繊維系ボードを得た。
上記の不織布を13枚積層し、次いで、この積層体の上から6層目と7層目との層間に上記フィルムを1枚、挿入・積層し、この積層体を厚さ18mmのスペーサーと共に高周波プレス機に挟み、定盤温度170℃、積層体の内部設定温度200℃、圧力2.4MPaで、15分間の加熱、加圧成形を行い、繊維系ボードを得た。
得られた繊維系ボードの単位面積当たりの質量は13745g/m2、厚さは18.9mm、見かけ密度は0.73g/cm3であった。この繊維系ボードは、繊維含有層の樹脂とフィルム層の樹脂とが相溶により融着しており、曲げ強さに優れるものであった。
[実施例2]
(不織布)
実施例1で得たのと同様の不織布を用いた。
(不織布)
実施例1で得たのと同様の不織布を用いた。
(フィルム)
実施例1で得たのと同様のフィルムを用いた。
実施例1で得たのと同様のフィルムを用いた。
(積層・成形)
上記の不織布を13枚積層し、次いで、この積層体の上から3層目と4層目の層間、6層目と7層目の層間、9層目と10層目の層間に上記フィルムを1枚ずつ(合計3枚)、挿入・積層し、この積層体を厚さ18mmのスペーサーと共に高周波プレス機に挟み、実施例1におけるのと同様の条件で加熱加圧成形を行い、繊維系ボードを得た。
上記の不織布を13枚積層し、次いで、この積層体の上から3層目と4層目の層間、6層目と7層目の層間、9層目と10層目の層間に上記フィルムを1枚ずつ(合計3枚)、挿入・積層し、この積層体を厚さ18mmのスペーサーと共に高周波プレス機に挟み、実施例1におけるのと同様の条件で加熱加圧成形を行い、繊維系ボードを得た。
得られた繊維系ボードの単位面積当たりの質量は14050g/m2、厚さは19.0mm、見かけ密度は0.74g/cm3であった。この繊維系ボードは、繊維含有層の樹脂とフィルム層の樹脂とが相溶により融着しており、曲げ強さに優れるものであった。
[実施例3]
(不織布)
実施例1で得たのと同様の不織布を用いた。
(不織布)
実施例1で得たのと同様の不織布を用いた。
(フィルム)
実施例1で得たのと同様のフィルムを用いた。
実施例1で得たのと同様のフィルムを用いた。
(積層・成形)
上記の不織布を12枚積層し、次いで、この積層体の上から2層目と3層目の層間、4層目と5層目の層間、6層目と7層目の層間、8層目と9層目の層間、10層目と11層目の層間に上記フィルムを1枚ずつ(合計5枚)、挿入・積層し、この積層体を厚さ18mmのスペーサーと共に高周波プレス機に挟み、実施例1におけるのと同様の条件で加熱加圧成形を行い、繊維系ボードを得た。
上記の不織布を12枚積層し、次いで、この積層体の上から2層目と3層目の層間、4層目と5層目の層間、6層目と7層目の層間、8層目と9層目の層間、10層目と11層目の層間に上記フィルムを1枚ずつ(合計5枚)、挿入・積層し、この積層体を厚さ18mmのスペーサーと共に高周波プレス機に挟み、実施例1におけるのと同様の条件で加熱加圧成形を行い、繊維系ボードを得た。
得られた繊維系ボードの単位面積当たりの質量は13725g/m2、厚さは18.7mm、見かけ密度は0.73g/cm3であった。この繊維系ボードは、繊維含有層の樹脂とフィルム層の樹脂とが相溶により融着しており、曲げ強さに優れるものであった。
[実施例4]
(不織布)
実施例1で得たのと同様の不織布を用いた。
(不織布)
実施例1で得たのと同様の不織布を用いた。
(フィルム)
実施例1で得たのと同様のフィルムを用いた。
実施例1で得たのと同様のフィルムを用いた。
(積層・成形)
上記の不織布を11枚積層し、次いで、この積層体の各層間に上記フィルムを1枚ずつ(合計10枚)、挿入・積層し、この積層体を厚さ18mmのスペーサーと共に高周波プレス機に挟み、実施例1におけるのと同様の条件で加熱加圧成形を行い、繊維系ボードを得た。
上記の不織布を11枚積層し、次いで、この積層体の各層間に上記フィルムを1枚ずつ(合計10枚)、挿入・積層し、この積層体を厚さ18mmのスペーサーと共に高周波プレス機に挟み、実施例1におけるのと同様の条件で加熱加圧成形を行い、繊維系ボードを得た。
得られた繊維系ボードの単位面積当たりの質量は13510g/m2、厚さは18.8mm、見かけ密度は0.72g/cm3であった。この繊維系ボードは、繊維含有層の樹脂とフィルム層の樹脂とが相溶により融着しており、曲げ強さに優れるものであった。
[比較例1]
(不織布)
実施例1で得たのと同様の不織布を用いた。
(不織布)
実施例1で得たのと同様の不織布を用いた。
(フィルム)
フィルムは用いなかった。
フィルムは用いなかった。
(積層・成形)
上記の不織布を13枚積層し、この積層体を厚さ18mmのスペーサーと共に高周波プレス機に挟み、実施例1におけるのと同様の条件で加熱加圧成形を行い、繊維系ボードを得た。
上記の不織布を13枚積層し、この積層体を厚さ18mmのスペーサーと共に高周波プレス機に挟み、実施例1におけるのと同様の条件で加熱加圧成形を行い、繊維系ボードを得た。
得られた繊維系部材の単位面積当たりの質量は14135g/m2、厚さは18.8mm、見かけ密度は0.75g/cm3であった。この繊維系ボードは、曲げ強さに劣るものであった。
本発明の繊維系ボードは、優れた強度を有するため、建築資材、自動車内装材分野、家具分野、遊技機分野等において好適に用いることができる。
Claims (5)
- 繊維と熱可塑性樹脂とが混合されてなる層を複数有し、当該層同士の間の少なくとも一つに、熱可塑性樹脂を含んでなるフィルムに由来する層であって隣り合う層と融着してなる層を有することを特徴とする繊維系ボード。
- 前記繊維と熱可塑性樹脂とが混合されてなる層の熱可塑性樹脂がポリ乳酸を含む、請求項1記載の繊維系ボード。
- 前記繊維と熱可塑性樹脂とが混合されてなる層における繊維と熱可塑性樹脂との質量比が30:70〜90:10である、請求項1または2記載の繊維系ボード。
- 前記フィルムに由来する層がポリ乳酸を含む、請求項1〜3のいずれか記載の繊維系ボード。
- 繊維と熱可塑性樹脂とが混合されてなるウェブの複数の層の少なくとも一つの層間に、熱可塑性樹脂を含んでなるフィルムを積層して、圧縮成形することを特徴とする繊維系ボードの製造方法。
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2006339513A Pending JP2008149551A (ja) | 2006-12-18 | 2006-12-18 | 繊維系ボードおよびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2008149551A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015113684A (ja) * | 2013-12-13 | 2015-06-22 | ロンシール工業株式会社 | 内装シートとその施工方法および施工構造 |
-
2006
- 2006-12-18 JP JP2006339513A patent/JP2008149551A/ja active Pending
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JP2015113684A (ja) * | 2013-12-13 | 2015-06-22 | ロンシール工業株式会社 | 内装シートとその施工方法および施工構造 |
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