JP2008148629A - 複数種の微生物存在下における感染症起炎微生物を検出する方法 - Google Patents

複数種の微生物存在下における感染症起炎微生物を検出する方法 Download PDF

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Abstract

【課題】採取された検体に常在菌のような検出対象外の微生物が大量に含まれている場合でも、検出対象となる感染症起炎微生物を効率的に検出する方法を提供すること。
【解決手段】検体中の感染症起炎微生物を検出する方法であって、該検体から、除去対象の微生物を除去する工程と、複数の感染症起炎微生物の各々のDNAに対するプライマーを用いて、該検体から抽出したDNAをPCRで増幅する工程とを有することを特徴とする検体中の感染症起炎微生物の検出方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、感染症の原因微生物を検出及び同定する方法に関する。特に、常在菌のような原因微生物以外の微生物が大量に存在する検体中における感染症原因微生物を検出する方法に関する。
ヒトゲノム計画に代表されるように、各種の生物の遺伝子が解明され、生命活動のメカニズム、病気、体質等と遺伝子との関連が次々と調べられている。その結果として、遺伝子を解析することにより、感染症、癌などの病気の診断、治療方針の決定、予後予想等が行われるようになってきた。
検体に含まれている特定の遺伝子の有無やその存在量を調べる方法は、昔から多くの方法が考案されている。その中でも応用範囲が広く、検出対象によらず適用可能な方法として、検出対象とする遺伝子あるいは核酸の特徴的な部分配列を選び、その部分配列の有無や量を調べることにより、その有無あるいは存在量を調べる方法が広く用いられている。具体的には選び出された部分配列の相補鎖に相当する核酸配列(プローブ)を用意し、検体とプローブがハイブリダイゼーションすることを何らかの手段で検出することにより、検体中の核酸配列の有無を調べる方法である。
ハイブリダイゼーションを利用した特定の核酸の検出方法は、反応用の媒体として、固相、液相を問わず用いることが可能であるが、DNAチップ(またはDNAマイクロアレイ。以下同じ)と呼ばれる固相を媒体とした方法は近年特に注目されている。固相上に核酸配列(プローブ)を固定または吸着させたDNAチップに対し、何らかの検出可能な標識物質により標識した検体を添加し、固相上からの標識物質の信号を測定することにより検出する方法である。固相上のハイブリダイゼーションは、B/F分離が容易であること、検出領域を物理的に微小化でき高感度化が期待できること、複数種のプローブを物理的に隔離することにより同時多項目の検出が可能である、といった利点がある。
感染症の起炎菌検査はその一例であり、江崎らは特許文献1において、DNAプローブとして染色体DNAが固定化されたDNAチップを用いる微生物同定法を提供している。この方法によれば、互いにGC含量の異なる複数の既知微生物由来の染色体DNAと、検体中の未知微生物由来の染色体DNAとを反応させ、生じたハイブリッド体を検出することで検体中の未知微生物を検出することを可能としている。
また、特許文献2において、感染症検出用プローブセットが提供されている。この方法によれば、複数種類の、しかも類似菌種間における菌種の同定を一度の検査で行うことができる。検体DNAからPCR法により検出対象の核酸配列を含む領域を増幅しているが、16S rRNAより選択した共通プライマーを使用している。共通プライマーを設定することにより、菌種が不明な状態でも効果的に起炎菌の16S rRNAを増幅し、DNAチップによって菌種の同定を可能としている。
上記の発明はいずれも血液のような無菌の検体に対する適応であり、菌が発見されれば何らかの疾病との関連が疑われるケースである。
一方で、感染症起炎菌以外の菌が大量に混入した検体を用いて検査を行うケースもある。非特許文献1において、口腔、腸管、膣、皮膚に広く分布する嫌気性菌についての記載があるが、これらの箇所では常在菌叢が形成されている場合が多い。そのため、検体の採取は、検体が常在菌叢を構成している細菌に汚染されないよう留意することが重要とされているが、実際には常在菌による汚染が避けられず、分離菌の病的意義の解釈は非常に困難であるという課題が提示されている。これらの検体では、常在菌の菌数と検出対象菌の菌数はオーダーが異なり、例えば、口腔内にはStreptococcus mitisが106-8/ml存在する。そのため、この菌を除去するかマスクするかの方策を講じない限り微量な検出対象菌の同定は困難である。
近年に入り、病原性大腸菌O−157などによる微生物に起因する大規模な食中毒事件が発生している。また、大腸菌以外にも、ポツリヌス菌やサルモネラ菌などの微生物によって激痛を伴う下痢症状を引き起こすことがある。このような場合、対象となる微生物種を特定し、更に対象微生物種に対応した適切な治療及び処置を迅速に行う必要があった。しかし、現在これらの検査は培養によって菌を増やし,できたコロニー(菌の塊)の色や生化学的な性質を調べる方法で行われており、結果が出るまでに3〜4日かかっていた。そのため、これらの微生物の検出を速やかに行える方法が求められていた。この目的を達成する方法の一つとしてPCR法に基づいた微生物検出方法があげられる。
ところで、微生物の検査は上述のO−157といった特定の微生物の検出を目的とする以外に不特定の微生物の検出、もしくは複数種の微生物の同時検出を目的として行われることが多い。このような検査においてPCR法を適用する場合には、検出対象となり得る微生物それぞれ特有のプライマーを設定するのが通常である。しかし、この方法ではプライマーセットごとにPCRを行うことになる。或いは、1チューブ内に全てのプライマーセットを含めて行う方法(マルチプレックスPCR)もあるが、最適な温度サイクル条件を設定する必要がある。複数種の微生物の検出方法には、その他に特許文献2のように広範囲の微生物間、例えば細菌全般に普遍的な遺伝子を標的とするプライマー(ユニバーサルプライマー)で増幅後、それぞれの検出対象とする細菌特有のプローブを用いて菌を特定する方法がある。
特開2001−299396号公報 特開2004−313181号公報 臨床雑誌 内科92(5)巻2003年11月号p845−848
大腸菌O−157やポツリヌス菌やサルモネラ菌等の検査には、通常、糞便を使用するが、糞便中には大量に検出対象以外の微生物が存在する。その種類も大腸菌のみならず、ペプトストレプトコッカス属のようなグラム陽性球菌、ビフィズス菌やオイバクテリア族といったグラム陽性桿菌等、種類も多く、かつその菌数も108-11/gになる場合もある。また、糞便以外にも、口腔、皮膚、膣、尿、喀痰のような検体でも、多種類・多量の常在菌が存在し、多い場合には108-11/mlになる。
一方、検出対象となる感染症起炎菌の菌数は102-6/g程度、場合によっては数個/gであり、常在菌に対してはるかに少ない場合が多い。従って、そのような場合、ユニバーサルプライマーを使用したPCR反応では、検体に大量に存在する常在菌ばかりが増幅されてしまい、肝心の起炎菌が増幅されず、検出できないという問題がある。
そこで本発明は、上記問題に鑑み、採取された検体に常在菌のような検出対象外の微生物が大量に含まれている場合でも、検出対象となる感染症起炎微生物を効率的に検出する方法を提案することを目的とする。
本発明は、検体中の感染症起炎微生物を検出する方法であって、
該検体から、除去対象微生物を除去する工程と、
該除去工程後の検体からDNAを抽出する工程と、
複数種の感染症起炎微生物のDNAに対するプライマーを用いて、前記抽出工程により得られたDNAをPCRで増幅する工程と、
該増幅により得られたDNAを用いて該複数種の感染症起炎微生物の検出を行う工程と、を有することを特徴とする感染症起炎微生物の検出方法である。
本発明によれば、検体から検出対象外の微生物を除去することにより、効率的に感染症起炎微生物を検出することが可能となる。すなわち、口腔や便等から採取された、常在菌が大量に含まれている検体から感染症起炎微生物の検出を行うことができる。
更に、検出対象の感染症起炎微生物の候補が複数あったとしても、本発明の方法によれば一度の検査で当該微生物の種類を同定することが可能となる。
上記目的を達成するために本発明者らは、以下の工程から成る方法を見出した。
(1)検体から除外対象とする微生物を除去する工程。
(2)複数の感染症起炎微生物のDNAに対するプライマーを用いて、検体から抽出したDNAをPCRで増幅する工程。
工程(1)の除外対象とする微生物を除去する工程は、除外対象とする微生物を特異的に結合可能な固相を用意し、この固相と検体を含む液体を接触させて除外対象とする微生物を捕捉させて検体溶液中から分離することにより実現させる。
除外対象とする微生物を特異的に結合可能な固相は、検体収納容器の内壁、もしくは微粒子等の形態であると検体処理を行いやすい。除外対象とする微生物に対する抗体を検体収納容器の内壁や微粒子に固定することによって、除外対象とする微生物を特異的に結合可能な固相を提供する。抗体は、除外対象の微生物それぞれに対するものを用意し、それら全ての抗体を検体収納容器の内壁に固定する。もしくは、全ての抗体について抗体付き微粒子を作製する。微粒子には例えば磁性ビーズを用いることができ、磁性を有していることにより、磁石で迅速かつ容易に試料の分離が可能となる。粒径が数μmの磁性ビーズを好適に用いることができる。微粒子を用いた場合の工程(1)(除去工程)の一例は次のようになる。まず、除外対象菌を除外するための抗体を固定させた磁性ビーズ(例えば磁性高分子ポリマービーズ)を用意する。つぎに除外対象菌抗体を固定させた磁性ビーズと試料とを混合させ、室温で20分から30分程度インキュベートする。インキュベーション後、磁石を用いて磁性ビーズと溶液を分離させる。こうして得られた溶液は、除外対象菌が除去されている。
上記の方法によって、検出対象とする感染症起炎微生物以外の微生物を除去した検体に対し、感染症起炎微生物の各々のDNAに対する共通プライマーを用いてPCRを行い、DNAを増幅させる。工程(1)で、感染症起炎微生物以外の微生物が除去されているので、ここでは検出対象の微生物由来のDNAが増幅されている。そして、微生物の各々のDNAに固有の塩基配列と相補的な塩基配列を有するプローブを用いて検出対象である微生物の有無、及び菌種同定を行う。この同定には、DNAマイクロアレイ等を用いることが望ましい。DNAマイクロアレイは多数のプローブを搭載することができるため、検出対象の微生物候補が複数あったとしても、それら全てを検出できるプローブをDNAマイクロアレイに搭載させておくことにより、一度の検査で感染症起炎微生物の同定を行うことができる。
また、複数種類の感染症起炎微生物をPCRにより増幅して同時に検出する場合、大量に存在する感染症起炎微生物のみが増幅されることを防ぐために、除去工程において、大量に存在する感染症起炎微生物を、他の検出対象の微生物についても増幅可能な数量まで除外しておくために本発明の方法を適用することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の検出方法は、ヒトに好適に用いることができるが、それ以外の動物であってもよく、例えば、霊長類、ネコ科動物、イヌ科動物、げっ歯類(例えば、ラット若しくはマウスなど)などの哺乳類が挙げられる。
本発明における微生物が含まれる検体として、口腔、皮膚、大腸、糞便、尿、膣及び喀痰、或はこれらを蒸留水、緩衝液、生理食塩水等の液体に懸濁した溶液があげられる。
本発明における検体に含まれる微生物としては、例えば、ブドウ球菌、レンサ球菌、大腸菌、肺炎球菌、緑膿菌、赤痢菌、ジフテリア菌、腸チフス菌、パラチフス菌、セレウス菌、エルシニア菌、カンピロバクター、ウエルシュ菌、ディフィシル菌、サルモネラ菌、腸炎ビブリオ、コレラ菌、ボツリヌス菌、ヘリコバクター、プレシオモナス菌、エロモナス菌、レジオネラ、クラミジア、スピロヘータ、結核菌、淋菌、梅毒菌、百日咳菌、破傷風菌等の細菌、カビ、カンジダ、酵母、アスペルギルス等の真菌、肺炎ウィルス、肝炎ウィルス、ロタウィルス、ヘルペスウィルス、インフルエンザウィルス、麻疹ウィルス、サイトメガロウィルス、デングウィルス、エイズウィルス等のウィルス、といった病原微生物の他、一般環境下に存在するバチルス菌、放線菌、光合成細菌、古細菌、硝酸菌等の病原性を有さない微生物、藻類等も含まれる。
本発明の検出対象となる感染症起炎性微生物は、真菌、細菌、ウィルスのいずれであってよく、上記に記載した検体に含まれる病原性微生物を含む。
除去対象微生物としては、真菌、細菌、ウィルスなどを挙げることができ、特に検体中に大量に存在する微生物を除くことが好ましい。このような大量に存在する常在菌は、検体の種類によって異なる場合が多く、例えば、ヒト糞便および大腸ではバクテロイデス(Bacteroides)属、ユウバクテリウム(Eubacterium)属、ビフィズス菌などが挙げられる。口腔では、ストレプトコッカス・ミティス(Streptococcus mitis)、ベイロネラ(Veillonella)属、プレボテラ(Prevotella)属が挙げられる。皮膚では、スタフィロコッカス・エピデルミディス(Staphylococcus epidermidis)、コリネバクテリウム(Corynebacterium)属、プロピオニバクテリウム(Propionibacterium)属が挙げられる。膣では、ペプトストレプトコッカス(Peptostreptococcus)属、ラクトバシラス(Lactobacillus)属が挙げられる。各検体に含まれる菌の種類や数量は、採取される環境や個人の健康状態によって差異や幅があるので、検査目的に応じて除去する菌を適宜選択し、除去量を設定する。
本発明においては、検体中の微生物を選択的に捕捉するために、除去対象とする微生物に特異的に結合し得る抗体を固定した固相を用意する。抗体としては除去したい微生物表面の構造に特徴的な成分を有するものであれば良い。例えば、微生物そのものや、細胞表面に存在する糖タンパク、脂質、線毛に対する抗体などが挙げられる。また、除外対象とする微生物が複数種存在する場合は、それぞれについての抗体を同時に固相に固定することで除去することが可能である。また、抗体の除外する対象菌の設定に応じて、株特異的な抗原に対して抗体を作成してもよいし、菌の属や他の分類属性に共通の抗原に対しても抗体を作成してもよい。
固相の形態はチューブ、微粒子、繊維またはスティック等が挙げられる。検体を処理しやすいように、微粒子に磁気を持たせても良い。
本発明では、除去したい微生物に対する抗体を固定化した固相と検体とを接触させることによって、検体中に含まれる微生物を捕捉する。検体収納容器内の内壁に抗体が固定化されている場合には、検体を検体収納容器に注ぎ入れれば抗体と接触させることができる。微粒子や、繊維、スティック等を用いる場合には、検体が収納されている容器にこれらを入れて検体と接触させれば良い。なお、捕捉の際の検体溶液中の温度は望ましくは0℃から常温、さらに望ましくは常温である。また、浸漬時間としては、1分から24時間、好ましくは1分から1時間である。この時、静止状態で浸漬しても良いが、浸漬中の容器を適度に上下左右に動かす、または回転させる等により、捕捉を促進させることができる。可能な限り除去することが好ましいが、完全に除去できなくてもよく、PCRによって増幅が阻害されない程度まで除去されていればよい。その点より、例えば、少なくとも検出対象である感染症起炎微生物と同じオーダーの数量になるまで除去対象微生物を除去する。また、好ましくは検出対象である感染症起炎微生物の数量より少なくなるまで除去し、さらに好ましくは1つ小さいオーダー(0.1倍)の数量より少なくなるまで除去する。
抗体を固定するための固相として容器を用いる場合、容器は除去したい数量の除外対象微生物を一度に捕捉することができる数量の抗体を固定できる大きさであってもよいし、複数個の容器を用いて複数回に分けて捕捉してもよい。
容器に固定する抗体の量は、除去する微生物の数量の設定に応じて決める。所定量の抗体が除去できる微生物の数量は、微生物の種類や抗体の力価がロット間で異なるため予備試験的に求めておくことで想定することができる。除去する微生物の数量の設定は、例えば、各検体で設定した除外対象微生物について検体中に存在するものとして知られる数量から判断し、好ましくは、存在量として知られる上限の数量を設定する。そして、この検体に存在する上限の数量の除外対象微生物を除くことができる抗体を固定することが好ましいが、除外対象微生物は必ずしも完全に除かなくてもよく、検査の目的に応じて使用者が適宜設定してもよい。除外対象微生物を除くための最適な抗体量や捕捉反応の実施時間について予備的な検証を要さないために、抗体量の異なる容器もしくは複数回容器を変える場合は回数の異なる、あるいは補足反応時間の異なる複数の条件のシリーズについて検査を行ってもよい。
抗体と微生物を十分捕捉させた後、固相と検体溶液の分離を行う。得られた検体溶液は、除去対象微生物が除去されており、また検体溶液中の微生物には抗体やビーズが付着していないため、微生物と抗体との分離といった余計な工程を挟まずに、次の工程に進むことができる。
上記で得られた検体溶液を用いて、感染症起炎微生物の検査を行う。ここで、微生物の検査とは、微生物特有の遺伝子配列をもとに、微生物の種類の決定を行うことである。本発明の微生物の検査方法は、上記方法により得られた検体溶液からDNAを抽出し、PCR法で遺伝子を増幅させた後、微生物特有の遺伝子配列をもとに微生物種の特定を行う。PCR増幅産物に対してシークエンスを調べて微生物の特定を行うこともできる。また、様々な微生物特有の遺伝子配列を搭載したDNAマイクロアレイを用意し、上記PCR産物とハイブリダイゼーションを行うことによって、微生物の特定を行うこともできる。ここで検体溶液からのDNAの抽出方法は、従来の細菌等からのDNA抽出方法を用いることができ、市販されている精製キットを用いることができる。PCR法は通常に用いられる方法により行うことができる。RNAウィルスなどのRNAから増幅する場合、ウィルスからの通常のRNA抽出方法により精製したRNAに逆転写反応を行って得られるcDNAを増幅するRT−PCRによって増幅された遺伝子を得ることができる。PCRのプライマーとしては、候補微生物が複数ある場合には微生物共通配列から設定したもの(共通プライマー)を好適に用いることができる。例えば、細菌の場合、16S rRNA遺伝子の共通配列領域よりプライマーを設定し、PCRに用いれば、検出対象の微生物によらず増幅反応を行うことができる。本発明では試料から検出対象となる候補微生物以外の微生物を除外することを特徴とするので、共通プライマーにより候補微生物以外の微生物を増幅することがない。よって、共通プライマーを用いることで、複数種の候補微生物を一度に増幅することが可能となる。なお、共通プライマーのほかにも、検出対象の微生物ごとに特有な遺伝子配列から設定したプライマーを用いてもよい。あるいは、菌の属や他の分類属性ごとに特有の遺伝子配列について複数のプライマーを設定してもよい。その場合、設定したプライマーごとにPRCを行う場合があってもよい。検出対象微生物に特有な遺伝子配列であっても、常在菌などの除外対象菌の配列と共通する部分を含み得る場合を考慮せずに設計することができるため、本発明の方法が好適に適用することができる。
本発明による検体中の感染症起炎微生物の有無を検出する方法について、以下の実施例により、更に詳しく説明する。ただし、以下に述べる実施例は、本発明にかかる最良の実施形態の一例ではあるが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
<実施例1>
本実施例では除去する菌に結合する抗体を固定する固相として容器の内壁を用いる。
(1)微生物捕捉用抗体付き容器の作製
抗体を容器に固定化させる架橋剤を合成するため、Gregoriusらの用いた手法(J. Immunol. Methods.181(1):65−73,1995)に従い、デキストラン(平均分子量:68800、Sigma−Aldrich社製)を以下の方法によりトシル化した。115℃のヘキサメチルリン酸トリアミド(Sigma−Aldrich社製)を反応させた後、100%メタノールを用いて抽出を行い、トシル化デキストランを得た。以後、このトシル化デキストランを活性化デキストランと呼ぶ。
続いて、抗体を固定する容器としてポリスチレン製の滅菌チューブ(旭テクノグラス社製)を次のように活性デキストラン処理して、活性化デキストラン処理チューブを作製した。滅菌チューブの内部をポリ−L−リジン(Sigma−Aldrich社製)でコートした。次に、活性化デキストラン溶液を加えて、4℃にて24時間静置後、未反応の活性化デキストランを蒸留水で洗浄除去し、活性化デキストラン処理チューブを得た。
微生物に対する抗体として、黄色ブドウ球菌に対するラビット由来のポリクローナル抗体(American Research Products, Inc.TM製:12−6217−1)を用意した。抗体は、Tween20 0.05%を含む炭酸緩衝液(ph7.2)で10μg/mlになるように調製した。この抗体溶液を前述で作製した活性化デキストラン処理チューブに注ぎ入れ、4℃にて16時間反応させることにより、抗体を容器に固定化した。
(2)抗体固定化容器による微生物の捕捉
(1)で作製した抗体固定化容器を用いて処理を行う試料として、黄色ブドウ球菌標準株(ATCC12600)と大腸菌標準株(ATCC11775)の混合溶液を用意した。まず、それぞれの標準株を定法に従って培養し、微生物培養液を作製した。それぞれの培養液の濁度を測定し、1ml辺りの菌数が黄色ブドウ球菌1×106個、大腸菌1×104個になるように混合容液を調製した。
混合溶液1mlを(1)で作製した抗体固定化容器に加え、ミックスローター(MR−5、 AS ONE社)を用いて混和し(室温、60rpm、30分間)、溶液中の黄色ブドウ球菌を容器壁面に固定された抗体に結合させた。そして、壁面にピペットが触れないように注意しながら抗体固定化容器中の溶液を吸い取り、新しいチューブに集めた。
得られた溶液に対して、羊血寒天培地による培養を行い、菌数を評価した。1ml辺りの菌数に換算すると、黄色ブドウ球菌が約4×103個、大腸菌は約1×104個であった。以上より、抗体固定化容器による処理によって、黄色ブドウ球菌が特異的に除去されたことがわかる。
(3)ゲノムDNA抽出
(2)で得られた溶液(試料1)、及び抗体固定化容器で処理を行っていない微生物培養液(試料2)からそれぞれDNAを抽出した。なお、DNA抽出には核酸精製キット(MagExtractor−Genome− : TOYOBO社製)を用いた。
まず、(2)で得られた溶液に対して、菌体を回収するために遠心分離(8500rpm、5min.、4℃)を行った。上清を除去し、EnzymeBuffer(50mM Tris−HCl : pH 8.0、0.25mM EDTA)300μlを加え、ミキサーを用いて再懸濁した。再懸濁した菌液は、再度、遠心分離を行った。上清を除去後、回収された菌体にリゾチームを50μl(20mg/ml in Enzyme Buffer)とN−アセチルムラミダーゼ(Acetylmuramidase) SGを50μl(0.2mg/ml in Enzyme Buffer)を加え、ミキサーを用いて再懸濁した。そして、再懸濁した溶液を37℃のインキュベータ内で30分静置して細胞壁の溶解処理を行った。
続いて、細胞壁を溶解した微生物懸濁液に溶解・吸着液750μlと磁性ビーズ40μlを加え、チューブミキサーを用いて10分間激しく攪拌した(ステップ1)。次に、分離用スタンド(Magical Trapper)にマイクロチューブをセットし、30秒間静置して磁性粒子をチューブの壁面に集めた。そして、マイクロチューブをスタンドにセットした状態のまま、上清を捨てた(ステップ2)。洗浄液900μlを加え、ミキサーで5秒間程度攪拌して再懸濁を行った(ステップ3)。再度、分離用スタンドにマイクロチューブをセットし、30秒間静置して磁性粒子をチューブの壁面に集め、スタンドにセットした状態のまま、上清を捨てた(ステップ4)。ステップ3、4を繰り返し、洗浄をもう1回行う(ステップ5)。その後、70%エタノール900μlを加え、ミキサーで5秒間程度攪拌して再懸濁した(ステップ6)。分離用スタンドにマイクロチューブをセットし、30秒間静置して磁性粒子をチューブの壁面に集め、スタンドにセットした状態のまま、上清を捨てた(ステップ7)。ステップ6、7を繰り返して70%エタノールによる2度目の洗浄を行い(ステップ8)、回収された磁性粒子に純水100μlを加え、チューブミキサーで10分間攪拌を行った(ステップ9)。そして、分離用スタンドにマイクロチューブをセットし、30秒間静置して磁性粒子をチューブ側面に集め、スタンドにセットした状態のまま、上清を新しいチューブに回収した。
回収されたゲノムDNAは、定法に従って、アガロース電気泳動と260/280nmの吸光度測定を行い、その品質と回収量を検定した。本実施例では、試料1では約0.3μg、試料2では約10μgのDNAが回収され、ゲノムDNAのデグラデーションやrRNAの混入は認められなかった。回収したゲノムDNAは1ng/μlとなるようにTE緩衝液に溶解し、以下の実施例に使用した。
(4)DNAマイクロアレイの作製
(i)ガラス基板の洗浄
合成石英のガラス基板(サイズ(W×L×T):25mm×75mm×1mm、飯山特殊ガラス社製)を耐熱、耐アルカリ性のラックに入れ、所定の濃度に調製した超音波洗浄用の洗浄液に浸した。一晩、洗浄液中で浸した後、20分間超音波洗浄を行った。続いて、ガラス基板を取り出し、軽く純水で漱いだ後、超純水中で20分超音波洗浄を行った。次に、80℃に加熱した1N水酸化ナトリウム水溶液中に10分間、ガラス基板を浸した。再び、純水洗浄と超純水洗浄を行い、DNAチップ用の洗浄済石英ガラス基板を用意した。
(ii)表面処理
シランカップリング剤KBM−603(信越シリコーン社製)を、1%の濃度となるように純水中に溶解させ、2時間室温で攪拌した。続いて、洗浄済石英ガラス基板を、このシランカップリング剤水溶液に浸し、20分間室温で放置した。ガラス基板を引き上げ、軽く純水で表面を洗浄した後、ガラス基板の両面に窒素ガスを吹き付けて乾燥させた。次に、窒素ブロー乾燥したガラス基板を、120℃に加熱したオーブン中で1時間ベークし、カップリング剤処理を完結させた。このカップリング剤処理により、ガラス基板表面に、シランカップリング剤由来のアミノ基が導入された。
一方、同仁化学研究所社製のN−マレイミドカプロイロキシスクシイミド(N−(6−Maleimidocaproyloxy)succinimide);以下、EMCSと略す)を、ジメチルスルホキシドとエタノールの1:1混合溶媒中に最終濃度が0.3mg/mlとなるように溶解したEMCS溶液を用意した。ベーク終了後、カップリング剤処理済ガラス基板を放冷し、調製したEMCS溶液中に室温で2時間浸した。この浸漬処理間に、カップリング剤処理済ガラス基板の表面に導入されているアミノ基と、EMCSのスクシイミド基とが反応し、ガラス基板表面にEMCS由来のマレイミド基が導入された。EMCS溶液から引き上げたガラス基板を、先述のジメチルスルホキシドとエタノールの混合溶媒を用いて洗浄し、さらに、エタノールにより洗浄した後、窒素ガス雰囲気下で乾燥させた。
(iii)プローブDNAの合成
特開2004−313181号公報に開示された感染症起炎菌検出用プローブDNAから黄色ブドウ球菌検出用5種と大腸菌検出用5種を選択し、それぞれ合成した。合成したプローブDNAの配列を表1に示す。
プローブDNAは、上記の表面にマレイミド基が導入されガラス基板に対して共有結合させるため、常法に従って、5’末端にチオール化処理を施した。その後、DNA合成時における副反応を避けるために、保護基を脱保護し、さらにHPLC精製および脱塩処理を施した。
Figure 2008148629
得られたプローブDNAは、純水に溶解し、それぞれ、最終濃度(インク溶解時)10μMと なるように分注した後、凍結乾燥を行い、水分を除いた。
(iv)BJプリンターによるプローブDNA吐出、および基板表面への結合
グリセリン7.5wt%、チオジグリコール7.5wt%、尿素7.5wt%、アセチレノールEH(川研ファインケミカル社製)1.0wt%を含む水溶液を用意した。続いて、分注したプローブDNAを上記の混合溶媒に規定濃度(10μM)となるように溶解した。得られたプローブDNA溶液を、インクジェットプリンター(商品名:BJF−850 キヤノン社製)用インクタンクに充填し、印字ヘッドに装着した。
なお、前記インクジェットプリンターは、平板へのインクジェット印刷が可能なように改造を施したものである。また、該改造インクジェットプリンターは、所定のファイル作成方法に従って印字パターンを入力することにより、約5plのDNA溶液液滴を、約190μmピッチでスポッティングすることが可能となっている。
続いて、この改造インクジェットプリンターを用いて、ガラス基板表面に、プローブDNA溶液のスポッティング操作をおこなった。DNAマイクロアレイ1枚あたり、各プローブ16スポットの吐出が行われるよう印字のパターンを予め作成し、インクジェット印字した。目的のパターンにDNA溶液のスポッティングが確実に行われていることを拡大鏡等により確認した後、30分間常温で加湿チャンバー内に静置し、ガラス基板表面のマレイミド基とプローブDNA5’末端のスルファニル基(−SH)とを反応させた。
(v)洗浄
加湿チャンバー内における30分間の反応後、100mMのNaClを含む10mMのリン酸緩衝液(pH7.0)により、ガラス基板表面に残った未反応のプローブDNAを洗い流した。ガラス基板表面に、各DNAチップ当たり16スポットに所定の一本鎖プローブDNAが、それぞれ固定された、DNAチップを得た。
(5)検体増幅用PCR プライマーの準備
特開2004−313181号公報に開示された感染症起炎菌検出用プライマーを合成した。プライマー配列は表2に示す。感染症起炎菌検出用の16s rRNA遺伝子(標的遺伝子)増幅用PCR プライマーとして表2に示す核酸配列を設計した。
具体的には、16s rRNAをコーディングしているゲノム部分を特異的に増幅するプローブセット、つまり約1400〜1700塩基長の16s rRNAコーディング領域の両端部分で、特異的な融解温度をできるだけ揃えたプライマーを設計した。なお、変異株や、ゲノム上に複数存在する16s rRNAコーディング領域も同時に増幅できるように複数種類のプライマーを設計した。
Figure 2008148629
表中に示したプライマーは、合成後、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により精製し、フォワード プライマー 3種、リバース プライマー 3種を混合し、それぞれのプライマー濃度が最終濃度20 pmol/μl となるようにTE緩衝液に溶解した。
(6)検体の増幅と標識化(PCR増幅&蛍光標識の取り込み)
(3)で調整した試料1、2に対して以下に示すようなPCR増幅と標識化反応を行った。なお、PCR試薬としてはタカラバイオ社製ExTaqを使用した。
Figure 2008148629
表3の組成の反応液を図1のプロトコールに従って、市販のサーマルサイクラーで増幅反応を行った。反応終了後、精製用カラム(QIAGEN QIAquick PCR Purification Kit)を用いて精製した後、増幅産物の定量を行い、標識化検体とした。
(7)ハイブリダイゼーション
(4)で作製したDNAマイクロアレイと(6)で作製した標識化検体を用いて検出反応を行った。
(i)DNAマイクロアレイのブロッキング
BSA(牛血清アルブミンFraction V:Sigma社製)を1wt%となるように100mM NaCl / 10mM リン酸緩衝液に溶解し、この溶液に(4)で作製したDNAマイクロアレイを室温で2時間浸し、ブロッキングを行った。ブロッキング終了後、0.1wt%SDS(ドデシル硫酸ナトリウム)を含む2xSSC溶液(NaCl 300mM 、クエン酸ナトリウム(クエン酸3ナトリウム二水和物、C65Na3・2H2O) 30mM、p.H. 7.0)で洗浄を行った後、純水でリンスしてからスピンドライ装置で水切りを行った。
(ii)ハイブリダイゼーション
水切りしたDNAマイクロアレイをハイブリダイゼーション装置(Genomic Solutions Inc.Hybridization Station)にセットし、以下に示すハイブリダイゼーション溶液、条件でハイブリダイゼーション反応を行った。
<ハイブリダイゼーション溶液>
6 x SSPE / 10% ホルムアミド / ターゲット(PCR産物 全量)
(6xSSPE: NaCl 900mM、NaH2PO4・H2O 60mM、EDTA 6mM、p.H. 7.4)
<ハイブリダイゼーション条件>
65 ℃ 3min → 92℃ 2min → 45℃ 3hr → 洗浄 2xSSC / 0.1% SDS at 25℃ → 洗浄 2 x SSC at 20℃ → (水でリンス : マニュアル) → スピンドライ
(8)微生物の検出(蛍光測定)
ハイブリダイゼーション反応終了後のDNAマイクロアレイをDNAマイクロアレイ用蛍光検出装置(Axon社製、GenePix 4000B)を用いて蛍光測定を行った。測定結果を表4に示す。
Figure 2008148629
表4の蛍光輝度の数値(フォトマル電圧400V)は、ピクセル平均輝度(解像度5μm)を示した。また、S/N比は、測定機付属の解析ソフト(Axon社製、GenePix Pro Ver.3.0)で測定したバックグラウンド平均値で蛍光輝度を除したものを示した。
表4で明らかなように、試料2では検出されていない大腸菌が試料1では検出できている。すなわち、検体中の黄色ブドウ球菌が全てではないが少なくとも大腸菌と同程度の個数になるまで除去できたために、微量しか含まれていなかった大腸菌を検出することができたことが示された。
<実施例2>糞便を検体とした感染症起炎菌検査
実施例1では、1種類の菌を除去する場合を示した。しかし、糞便等を検体とした場合、感染症起炎微生物以外に常在菌と呼ばれる何種類もの微生物が含まれている。感染症起炎微生物を特定するためには、これらの常在菌を除去、または菌数を減らす必要がある。
ヒト糞便中に含まれる常在菌はバクテロイデス属が7割〜8割を占め、その他ユウバクテリウム属、ビフィズス菌が多い。これらに対する抗体を作製し、抗体固定化容器を作製する。以下、実施例1と同様の処理を行うことにより、検体中から感染症起炎微生物ではない微生物を除去することができ、感染症菌の特定検査を行うことが可能となる。
PCR増幅反応のプロトコールを説明する図である。 本発明の検出方法を説明するフローチャートである。

Claims (14)

  1. 検体中の感染症起炎微生物を検出する方法であって、
    該検体から、除外対象微生物を除去する工程と、
    該除去工程後の検体からDNAを抽出する工程と、
    複数種の感染症起炎微生物のDNAに対するプライマーを用いて、前記抽出工程により得られたDNAをPCRで増幅する工程と、
    該増幅により得られたDNAを用いて該複数種の感染症起炎微生物の検出を行う工程と、を有することを特徴とする感染症起炎微生物の検出方法。
  2. 前記プライマーとして、前記複数種の感染症起炎微生物のDNAの共通する塩基配列に対する共通プライマーを用いる請求項1に記載の感染症起炎微生物の検出方法。
  3. 前記除外対象微生物を除去する工程が、
    (i)該検体を、該除外対象微生物と特異的に結合可能な分子が固定された固相と接触させ、該固相に該除外対象微生物を捕捉させる工程と、
    (ii)前記工程(i)により得られた、該除外対象微生物を捕捉した固相と該検体とを分離する工程と、
    を有する請求項1または2に記載の感染症起炎微生物の検出方法。
  4. 該固相としての内壁を有しかつ検体を含む液体を収容可能である容器を用いて前記除去工程を行う請求項3に記載の感染症起炎微生物の検出方法。
  5. 該固相が微粒子である請求項3に記載の感染症起炎微生物の検出方法。
  6. 該固相に、該除外対象微生物に対する抗体が固定されている請求項3乃至5の何れかに記載の感染症起炎微生物の検出方法。
  7. 該抗体が、複数種の該除外対象微生物のそれぞれに対するものであり、少なくとも2種以上固定されているものである請求項6に記載の感染症起炎微生物の検出方法。
  8. 前記感染症起炎微生物の検出を行う工程が、
    検出対象である複数種の感染症起炎微生物の各々のDNAに固有の塩基配列と相補的な塩基配列を有する複数種のプローブを用いて、該複数種の感染症起炎微生物に由来する増幅核酸の有無を検出する、請求項1乃至7の何れかに記載の検出方法。
  9. 該検体が、口腔、皮膚、大腸、糞便、尿、膣及び喀痰から選ばれる少なくとも1つからの採取物を含む請求項1乃至8の何れかに記載の感染症起炎微生物の検出方法。
  10. 該検出対象となる感染症起炎微生物が、細菌、真菌、ウィルスからなる群から選ばれる少なくとも1つである請求項1乃至9の何れかに記載の感染症起炎微生物の検出方法。
  11. 該検出対象となる感染症起炎微生物が、細菌である請求項10に記載の感染症起炎微生物の検出方法。
  12. 該検出対象となる感染症起炎微生物が、真菌である請求項10に記載の感染症起炎微生物の検出方法。
  13. 該除外対象微生物が、該検出対象外の微生物である請求項1乃至12の何れかに記載の感染症起炎微生物の検出方法。
  14. 該除外対象微生物が、常在菌である請求項13に記載の感染症起炎微生物の検出方法。
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