JP2006055028A - 核酸調製方法、並びに、それを用いた核酸増幅方法、核酸標識方法及び核酸検出方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 検体が非標的核酸と標的核酸との混合物である場合に、効果的かつ感度の良い標的核酸に対するPCR増幅、標的核酸の標識、ハイブリダイゼーションによる標的核酸の検出を可能とする検体の前処理として有用な核酸調製方法を提供することにある。
【解決手段】 非標的核酸と標的核酸との混合物に対して非標的核酸に特異的な分離用プローブを作用させて非標的核酸と標的核酸とを分離し、分離された標的核酸をPCR増幅、標識及び検出に用いる。
【選択図】 なし
【解決手段】 非標的核酸と標的核酸との混合物に対して非標的核酸に特異的な分離用プローブを作用させて非標的核酸と標的核酸とを分離し、分離された標的核酸をPCR増幅、標識及び検出に用いる。
【選択図】 なし
Description
本発明はハイブリダイゼーションを利用して被検出核酸を検出する核酸検出方法で用いるプローブの調製方法、この調製方法で得られた標的核酸をプローブとして利用するための各種処理方法、ならびに、これらの方法により得られた核酸をプローブとして用いた被検出核酸の検出方法に関する。
近年、マイクロアレイを用いた遺伝子発現解析が創薬を初め種々の領域で行なわれている。それは、各種遺伝子セットが配置されたマイクロアレイに、それぞれ異なった検体DNAを反応させ、各検体に存在するそれぞれの遺伝子量を比較して、各ステージで大量に存在する(発現量の高い)遺伝子、或いは逆に不活性化している(発現量の低い)遺伝子を分類し、機能と関連付けて解析するプロセスを経る。スタンフォード法と呼ばれるスタンピング法によるマイクロアレイとしては、例えば、宝酒造から、がん疾患に関連するヒト由来既知遺伝子のcDNA断片をスポット或いはスタンプにより塗布したDNAチップ、ヒト由来既知遺伝子約1000種類のcDNA断片をスライドガラスに貼り付けたチップが市販されている。一方、アフィメトリックス社製のチップは、上記既知遺伝子cDNAを元にオリゴヌクレオチドプローブセットを設計し、基板上の合成によりプローブを配置したもので、一枚のチップ上に高密度にオリゴプローブが配置され、一度に一万を超える遺伝子の発現レベルを解析できるように設計されている。アフィメトリックス社製のDNAアレイを用いた検出方法では、平面基板上に合成されたオリゴDNAに対し、標識された核酸を作用させ、そのハイブリダイゼーションを蛍光検出により測定することで、検体中に含まれる特定の核酸の有無や量を検出している(特許文献1参照)。
マイクロアレイの用途として、感染症の起炎菌検査を目的としたプローブセットの提案もいくつかなされている。細菌検査用として重要なポイントは、感染菌数が少なくても検出できることであり、そのためには、PCR反応によって細菌の特定の遺伝子を増幅させることが有効であるのは当業者には理解されるだろう。実際、重篤な感染症である敗血症の場合を例にとってみても(検査する検体は患者の血液)、血液中に循環する起炎菌の数は患者血液1mL当たり数個から数百個という低コピー数であると言われている。このような数個といった低コピー数であっても存在する以上PCR増幅は可能なのであるが、血液検体から通常の核酸抽出を行なった場合、微生物由来のゲノムに対してヒトゲノムDNAが大過剰に混入してしまい、これが阻害剤様に働きPCRの効率は低下してしまう。
また、特開平01-211500号公報および特開昭63-188399号公報には、標的核酸に相補的なプローブ担体を用いて標的核酸を選択的に濃縮させる方法が開示されている。
米国特許第6410229号明細書
特開平01-211500号公報
特開昭63-188399号公報
本発明は上記問題点に鑑みなされたものであり、その目的は、検体が非標的核酸と標的核酸との混合物である場合に、効果的かつ感度の良い標的核酸に対するPCR増幅、標的核酸の標識、ハイブリダイゼーションによる標的核酸の検出が可能を可能とする検体の前処理として有用な核酸調製方法を提供することにある。更に、本発明の他の目的は、この核酸調製方法で得られた標的核酸を用いた、効果的かつ感度の良い標的核酸に対するPCR増幅方法、標的核酸の標識方法及びハイブリダイゼーションによる標的核酸の検出方法を提供することにある。更に、本発明の他の目的は、検体中の核酸集団の中からヒトゲノム由来のDNAを分離して微生物ゲノム由来のDNAを鋳型としたPCRの感度向上にある。
本発明者等は鋭意検討した結果、非標的核酸に相補的なDNAプローブ担体に、核酸集団を暴露してプローブ−非標的核酸複合体を形成させ、核酸集団から非標的核酸と標的核酸とを分離することで、上記課題が解決されることを見出した。ヒトゲノムに特徴的な配列を有するプローブの担体を用いて、微生物ゲノム由来のDNAとヒトゲノム由来のDNAを分離する。
すなわち、本発明の核酸調製方法は、非標的核酸に相補的なDNAプローブ担体に、核酸集団を暴露してプローブ−非標的核酸複合体を形成させ、核酸集団から非標的核酸と標的核酸とを分離することを特徴とする核酸調製方法である。また、本発明の核酸増幅方法は、上記の核酸調製方法によって得られた標的核酸を、鋳型DNAとしたPCR反応によって増幅して標的核酸の増幅産物を得ることを特徴とする核酸増幅方法である。
また、本発明の第1の標的核酸の標識方法は、上記の核酸調製方法によって得られた標的核酸を鋳型DNAとした伸長反応を行い標識を行なうことを特徴とする標的核酸の標識方法である。更に、本発明の第2の標的核酸の標識方法は上記の核酸増幅方法で得られた標的核酸の増幅産物を鋳型DNAとした伸長反応を行い標識を行なうことを特徴とする標的核酸の標識方法である。
更に、本発明の第1の核酸検出方法は、上記の核酸標識方法により得られた標識された標的核酸を該標的核酸を認識するプローブとのハイブリダイゼーション反応により検出することを特徴とする核酸検出方法である。
更に、本発明の第2の核酸検出方法は、微生物ゲノムを検出するための検出方法において、
非標的核酸に相補的なDNAプローブ担体に、非標的核酸としてのヒトゲノムDNAと標的核酸が微生物ゲノムDNAとを含む核酸集団を暴露してプローブ−非標的核酸複合体を形成させ、核酸集団から非標的核酸と標的核酸とを分離する工程と、
分離された標的核酸を鋳型DNAとした伸長反応を行って標識する工程と、
標識された標的核酸を、該標的核酸検出用のプローブと反応させて得られるハイブリッド体を、該ハイブリッド体を形成する標的核酸の有する標識を利用して検出する工程と、
を有することを特徴とする核酸検出方法である。
非標的核酸に相補的なDNAプローブ担体に、非標的核酸としてのヒトゲノムDNAと標的核酸が微生物ゲノムDNAとを含む核酸集団を暴露してプローブ−非標的核酸複合体を形成させ、核酸集団から非標的核酸と標的核酸とを分離する工程と、
分離された標的核酸を鋳型DNAとした伸長反応を行って標識する工程と、
標識された標的核酸を、該標的核酸検出用のプローブと反応させて得られるハイブリッド体を、該ハイブリッド体を形成する標的核酸の有する標識を利用して検出する工程と、
を有することを特徴とする核酸検出方法である。
本発明は、微生物感染の診断用の情報を得るためのヒト由来検体の分析において特に有用であり、本発明の核酸調製方法を用いて微生物ゲノム由来のDNAを含む核酸集団に含まれる大過剰のヒトゲノム由来のDNAを低減させることで、低コピー数の微生物ゲノムDNAであってもPCR増幅のテンプレートとして利用することが可能となる。
以下に、ヒト由来の検体にかかる具体的な構成例について記載するが、本発明は下記方法に限定されるものではない。
核酸調製方法で用いる核酸集団としては、例えば、ヒトの血液、膿汁、痰、髄液、精液、唾液、胃液、膣分泌物、口腔内粘液等の体液、尿及び糞便のような排出物等細菌が存在すると思われるあらゆる物または、生体組織から抽出された核酸集団を挙げることができる。抽出方法としては、従来公知の核酸抽出方法をいずれも好ましく使用できる。核酸調製方法で用いる非標的核酸に相補的なDNAプローブとは、ヒトゲノムに繰り返し多く現れる特徴的な配列であり、且つ微生物に現れない配列である。特に、ヒトのマイクロサテライト配列を含む配列を好ましく用いることができる。プローブは化学合成されたものと、生体試料から抽出したもののどちらを使用することもできるが、コストと取扱い容易性の点において化学合成したものを使用するのがより好ましい。化学合成のものの場合、15〜100塩基長のものが好ましく用いられる。生体試料から抽出したものの場合、特に長さは限定されないが、超音波・制限酵素等の従来公知の方法で断片化されたものをより好ましく用いることができる。
一方、核酸調製方法における標的核酸としては、感染症起炎菌同定のためにハイブリダイゼーション反応で好ましく使用できるDNAチップまたはDNAマイクロアレイに搭載されている検出用プローブに相補的な配列を含んでいるか否かを判定するための領域を含んでいる微生物ゲノムDNAを挙げることができる。
核酸調製方法におけるプローブの担体とは、上記プローブDNAが結合可能な固体(高分子材料を含む)のことを指す。結合方法としては、化学合成プローブを用いる場合、特に限定されるものではないが、アビチン−ビオチン結合、チオール基(5'チオール化DNA)−マレイミド基、チオール基(5'チオール化DNA)−イソシアネート基、アミノ基(5'アミノ化DNA)−スクシンイミド基等の結合方法を用いることが出来る。この例の場合、担体側にそれぞれ、マレイミド基、イソシアネート基、スクシンイミド基が導入されたものを用いることができる。生体使用から抽出されたDNAの場合、ビオチン基などの官能基はターミナルトランスフェラーゼ等を用いる従来公知のDNA末端標識方法によって導入することが出来る。このような結合方法の他にも、アミノ基等の正電荷をもつ担体に対しては、DNA分子のリン酸部分との静電的な吸着を利用することも出来る。プローブの担体としては、吸着および結合可能な面積、非標的核酸との分離を考慮する場合ビーズ状のものを用いることがより好ましい。
プローブ−非標的核酸複合体を形成させる方法としては、従来公知のDNA−DAN複合体形成法を好ましく使用でき、具体的には特定の温度下、緩衝溶液中で数分から数時間インキュベーションすることで可能である。
このようにして形成されたプローブ−非標的核酸複合体は、ビーズを担体とした場合には、ビーズに対して濾過、遠心分離、磁気による吸着などを行なうことで、標的核酸の存在する核酸集団と分離することができる。分離とは、大過剰に存在するヒトゲノム由来のDNAの比率を低減させることであり、完全に分離させなくとも効果は発揮される。具体的にはPCRのテンプレートとして使用するには、テンプレートとする溶液中に存在する微生物ゲノムDNAに由来の標的核酸1コピーに対して0.01ngに満たないヒトゲノムDNAの混入があってもPCRは著しく阻害されないが、標的核酸1コピーに対して10μg以上のヒトゲノムDNA混入はPCRを著しく阻害する。
また、特開平01-211500号公報および特開昭63-188399号公報には、標的核酸に相補的なプローブ担体を用いて標的核酸を選択的に濃縮させる方法が開示されているが、大過剰に存在するヒトゲノムの中に数コピーしか存在しない標的核酸の濃縮を目的とする場合は、標識核酸の結合効率と溶出効率が必ずしも十分ではないために、標的核酸があたかも存在しないという結果が生じ易い。このため、標的核酸を選択的に濃縮させる方法よりも、ヒトゲノムDNAの混入比率を下げる方法の方が誤った結果を生じにくく実質的に効果が高い。
このようにして得られた標的核酸を含む調製物を用いて具体的に、感染症を引き起こす複数の起炎菌を同定する場合について以下に説明する。
標的核酸の有する検出対象領域(標的領域)としては、細菌に由来する特定のrRNA遺伝子、特に16srRNA遺伝子を使用することが可能であり、同16s rRNA遺伝子内にある起炎菌にユニークな塩基配列を検出用のプローブとして使用できる。
まず、先に記載した非標的核酸との分離処理を経て得られた調製物中に含まれる標的核酸を標識する。この標識に先立って、調製物中の標的核酸をPCRで増幅してもよい。
一般に特定されていない細菌に由来する同16srRNA遺伝子の一部または全長を増幅する場合には、細菌の種属を問わず共通性の高い領域をプライマーとしたユニバーサルPCRが行われる。プライマーとして選択可能なものとしては、大腸菌(Escherichisa coli )のポジションとして16srRNAの5'→ 3'方向で9-27、105-123、339-357、515-531、686-704、785-805、907-926、1099-1114、1224-1241、1391-1406、1495-1510、1541-1525に位置する塩基配列挙げられるが、これに限定されるものではなく、この前後10塩基程度の範囲内のものをプライマーとして使用することが出来る。またこの範囲で1〜10塩基の範囲でミスマッチを含んでいる配列であっても、プライマーとして機能できれば使用することは可能であるが、ミスマッチのバリエーションを含んだ複数種のプライマーを同時に使用してもよい。またこの範囲に該当しない場合であっても、50以内のバリエーションでカバー可能な領域であればその領域をプライマーとして使用できる。50を超える場合においては、PCRの感度とコストの点において好ましくない。
非標的核酸との分離処理を経て得られた調製物中の標的核酸あるいはそのPCR増幅産物への標識には種々の公知の方法が利用できる。例えば、上記のユニバーサルPCRと同時か、または別途このPCR産物を鋳型として標識反応を行なう必要ある。検体に標識物質を取り込む方法としては、PCRにおいて標識付きデオキシヌクレオチド(例えば、Cy3−dUTPなど)を付加する方法または標識付きオリゴヌクレオチドを用いた伸長反応を利用した方法等、従来公知の方法をいずれも好ましく使用することができる。
標識された標的核酸をこれを検出するためのプローブを用いたハイブリダイゼーション反応を利用して検出することができる。この場合、標的核酸検出用プローブは、各種基板などの固相表面に固定あるいは吸着させて標的核酸と反応させることができる。この固定したプローブの形態としては、DNAチップまたはDNAマイクロアレイの形態を好適に利用できる。標的核酸検出用のプローブとしては、ヒト由来検体中の微生物、特に感染細菌の存在を検出する場合には、細菌に由来する特定のrRNA遺伝子、特に16srRNA遺伝子中の配列が好適に利用できる。
以下、実施例により、本発明をさらに具体的に説明する。ただし、以下に述べる実施例は、本発明にかかる最良の実施形態の一例ではあるが、本発明の技術的範囲はこれら実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
<プローブDNAの準備>
Pseudomonas aeruginosa検出用Probeとして表1に示す核酸配列を設計した。具体的には、16s rRNAをコーディングしているゲノム部分より、以下に示したプローブ塩基配列を選んだ。これらのプローブ塩基配列群は、当該菌に対し非常に特異性が高く、十分かつそれぞれのプローブ塩基配列でばらつきのないハイブリダイゼーション感度が期待できるように設計されている。
<プローブDNAの準備>
Pseudomonas aeruginosa検出用Probeとして表1に示す核酸配列を設計した。具体的には、16s rRNAをコーディングしているゲノム部分より、以下に示したプローブ塩基配列を選んだ。これらのプローブ塩基配列群は、当該菌に対し非常に特異性が高く、十分かつそれぞれのプローブ塩基配列でばらつきのないハイブリダイゼーション感度が期待できるように設計されている。
表中に示したプローブは、DNAマイクロアレイに固定するための官能基として、合成後、定法に従って核酸の5'末端にチオール基を導入した。官能基の導入後、精製し、凍結乾燥した。凍結乾燥した内部標準用プローブは、-30℃の冷凍庫に保存した。同様な手法によりHaemophilus influenzae検出用のプローブセットとして表2に示す核酸配列を設計した。
<検体増幅用PCR Primer の準備>
起炎菌検出用の為の16s rRNA遺伝子(標的遺伝子)増幅用PCR Primerとして表3に示す核酸配列を設計した。具体的には、16s rRNAをコーディングしているゲノム部分を特異的に増幅するプローブセット、つまり約1500塩基長の16s rRNAコーディング領域の両端部分で、特異的な融解温度をできるだけ揃えたプライマーを設計した。なお、変異株や、ゲノム上に複数存在する16s rRNAコーディング領域も同時に増幅できるように複数種類のプライマーを設計した。
起炎菌検出用の為の16s rRNA遺伝子(標的遺伝子)増幅用PCR Primerとして表3に示す核酸配列を設計した。具体的には、16s rRNAをコーディングしているゲノム部分を特異的に増幅するプローブセット、つまり約1500塩基長の16s rRNAコーディング領域の両端部分で、特異的な融解温度をできるだけ揃えたプライマーを設計した。なお、変異株や、ゲノム上に複数存在する16s rRNAコーディング領域も同時に増幅できるように複数種類のプライマーを設計した。
表中に示したPrimerは、合成後、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により精製し、Forward Primer 3種、Reverse Primer 3種を混合し、それぞれのPrimer濃度が、最終濃度10 pmol/μl となるようにTE緩衝液に溶解した。
<分離用DNAプローブ担体の調整>
5'がビオチン化されたヒトのマイクロサテライト配列を有するオリゴヌクレオチドを調整した。
配列:5'TGAGGG TGAGGG TGAGGG TGAGGG 3'
分離用DNAプローブは、合成後、常法によってビオチン化され高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により精製し最終濃度5μg/50〜500 μl となるようにTE緩衝液に溶解した。上記分離用DNAプローブ溶液を使用して、MAGNOTEX−SA[JSR(社)製]を用い、その製造者の指示に添って、該分離用DNAプローブの結合したDNAプローブ担体を得た。
5'がビオチン化されたヒトのマイクロサテライト配列を有するオリゴヌクレオチドを調整した。
配列:5'TGAGGG TGAGGG TGAGGG TGAGGG 3'
分離用DNAプローブは、合成後、常法によってビオチン化され高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により精製し最終濃度5μg/50〜500 μl となるようにTE緩衝液に溶解した。上記分離用DNAプローブ溶液を使用して、MAGNOTEX−SA[JSR(社)製]を用い、その製造者の指示に添って、該分離用DNAプローブの結合したDNAプローブ担体を得た。
<Pseudomonas aeruginosa DNA(モデル核酸集団)の抽出>
(微生物の培養 & Genome DNA 抽出の前処理)
まず、Pseudomonas aeruginosa標準株(ATCC 10145)を、定法に従って培養した。この微生物培養液を1.5ml容量のマイクロチューブに1コロニー108を菌体数として5個/μLまで段階希釈を行なった菌液1μLに新鮮血999μLを加えて遠心分離を行なった。(8500rpm、5min、4℃) 上精を捨てた後、Enzyme Buffer(50mM Tris-HCl:p.H. 8.0、25mM EDTA)300μlを加え、ミキサーを用いて再縣濁した。 上精を捨てた後、回収された菌体に、以下の酵素溶液を加え、ミキサーを用いて再縣濁した。
Lysozyme:50 μl (20 mg/ml in Enzyme Buffer)
N-Acetylmuramidase SG:50 μl (0.2 mg/ml in Enzyme Buffer)
次に、酵素溶液を加え再縣濁した菌液を、37℃のインキュベーター内で30分間静置し、細胞壁の溶解処理を行った。
(微生物の培養 & Genome DNA 抽出の前処理)
まず、Pseudomonas aeruginosa標準株(ATCC 10145)を、定法に従って培養した。この微生物培養液を1.5ml容量のマイクロチューブに1コロニー108を菌体数として5個/μLまで段階希釈を行なった菌液1μLに新鮮血999μLを加えて遠心分離を行なった。(8500rpm、5min、4℃) 上精を捨てた後、Enzyme Buffer(50mM Tris-HCl:p.H. 8.0、25mM EDTA)300μlを加え、ミキサーを用いて再縣濁した。 上精を捨てた後、回収された菌体に、以下の酵素溶液を加え、ミキサーを用いて再縣濁した。
Lysozyme:50 μl (20 mg/ml in Enzyme Buffer)
N-Acetylmuramidase SG:50 μl (0.2 mg/ml in Enzyme Buffer)
次に、酵素溶液を加え再縣濁した菌液を、37℃のインキュベーター内で30分間静置し、細胞壁の溶解処理を行った。
(Genome抽出)
以下に示す微生物のGenome DNA抽出は、核酸精製キット(MagExtractor −Genome-:TOYOBO社製)を用いて行った。具体的には、まず、前処理した微生物縣濁液に溶解・吸着液750μlと磁性ビーズ40μlを加え、チューブミキサーを用いて、10分間激しく攪拌した。(ステップ1)
次に、分離用スタンド(Magical Trapper)にマイクロチューブをセットし、30秒間静置して磁性粒子をチューブの壁面に集め、スタンドにセットした状態のまま、上精を捨てた。(ステップ2)
次に、洗浄液 900 μl を加え、ミキサーで5sec程度攪拌して再縣濁を行った。
(ステップ3)
次に、分離用スタンド(Magical Trapper)にマイクロチューブをセットし、30秒間静置して磁性粒子をチューブの壁面に集め、スタンドにセットした状態のまま、上精を捨てた。(ステップ4)
ステップ3、4を繰り返して2度目の洗浄(ステップ5)を行った後、70%エタノール 900 μl を加え、ミキサーで5sec程度攪拌して再縣濁した。
(ステップ6)
次に、分離用スタンド(Magical Trapper)にマイクロチューブをセットし、30秒間静置して磁性粒子をチューブの壁面に集め、スタンドにセットした状態のまま、上精を捨てた。(ステップ7)
ステップ6、7を繰り返して70%エタノールによる2度目の洗浄(ステップ8)を行った後、回収された磁性粒子に純水 100 μl を加え、チューブミキサーで10分間攪拌を行った。
以下に示す微生物のGenome DNA抽出は、核酸精製キット(MagExtractor −Genome-:TOYOBO社製)を用いて行った。具体的には、まず、前処理した微生物縣濁液に溶解・吸着液750μlと磁性ビーズ40μlを加え、チューブミキサーを用いて、10分間激しく攪拌した。(ステップ1)
次に、分離用スタンド(Magical Trapper)にマイクロチューブをセットし、30秒間静置して磁性粒子をチューブの壁面に集め、スタンドにセットした状態のまま、上精を捨てた。(ステップ2)
次に、洗浄液 900 μl を加え、ミキサーで5sec程度攪拌して再縣濁を行った。
(ステップ3)
次に、分離用スタンド(Magical Trapper)にマイクロチューブをセットし、30秒間静置して磁性粒子をチューブの壁面に集め、スタンドにセットした状態のまま、上精を捨てた。(ステップ4)
ステップ3、4を繰り返して2度目の洗浄(ステップ5)を行った後、70%エタノール 900 μl を加え、ミキサーで5sec程度攪拌して再縣濁した。
(ステップ6)
次に、分離用スタンド(Magical Trapper)にマイクロチューブをセットし、30秒間静置して磁性粒子をチューブの壁面に集め、スタンドにセットした状態のまま、上精を捨てた。(ステップ7)
ステップ6、7を繰り返して70%エタノールによる2度目の洗浄(ステップ8)を行った後、回収された磁性粒子に純水 100 μl を加え、チューブミキサーで10分間攪拌を行った。
次に分離用スタンド(Magical Trapper)にマイクロチューブをセットし、30秒間静置して磁性粒子をチューブ壁面に集め、スタンドにセットした状態のまま、上精を新しいチューブに核酸集団を回収した。
<核酸集団からの非標的核酸の分離>
回収した核酸集団100μLに、24x SSPE / 40% Form amide 水溶液30μLを加えた後、DNAプローブ担体と混合し、1.5mLチューブで45℃で4時間インキュベーションを行った。Magnetight Separation Stand[タカラバイオ(社)製]を使用して、単体と 上精を分離し、この上清をTemplate Genome DNA1とした。
回収した核酸集団100μLに、24x SSPE / 40% Form amide 水溶液30μLを加えた後、DNAプローブ担体と混合し、1.5mLチューブで45℃で4時間インキュベーションを行った。Magnetight Separation Stand[タカラバイオ(社)製]を使用して、単体と 上精を分離し、この上清をTemplate Genome DNA1とした。
<DNAマイクロアレイの作製>
[1]ガラス基板の洗浄
合成石英のガラス基板(サイズ:25mmx75mmx1mm、飯山特殊ガラス社製)を耐熱、耐アルカリ のラックに入れ、所定の濃度に調製した超音波洗浄用の洗浄液に浸した。一晩洗浄液中で浸した後、20分間超音波洗浄を行った。続いて基板を取り出し、軽く純水ですすいだ後、超純水中で20分超音波洗浄をおこなった。次に80℃に加熱した1N水酸化ナトリウム水溶液中に10分間基板を浸した。再び純水洗浄と超純水洗浄を行い、DNAチップ用の石英ガラス基板を用意した。
[1]ガラス基板の洗浄
合成石英のガラス基板(サイズ:25mmx75mmx1mm、飯山特殊ガラス社製)を耐熱、耐アルカリ のラックに入れ、所定の濃度に調製した超音波洗浄用の洗浄液に浸した。一晩洗浄液中で浸した後、20分間超音波洗浄を行った。続いて基板を取り出し、軽く純水ですすいだ後、超純水中で20分超音波洗浄をおこなった。次に80℃に加熱した1N水酸化ナトリウム水溶液中に10分間基板を浸した。再び純水洗浄と超純水洗浄を行い、DNAチップ用の石英ガラス基板を用意した。
[2]表面処理
シランカップリング剤KBM-603(信越シリコーン社製)を、1%の濃度となるように純水中に溶解させ、2時間室温で攪拌した。続いて、先に洗浄したガラス基板をシランカップリング剤水溶液に浸し、20分間室温で放置した。ガラス基板を引き上げ、軽く純水で表面を洗浄した後、窒素ガスを基板の両面に吹き付けて乾燥させた。次に乾燥した基板を120℃に加熱したオーブン中で1時間ベークし、カップリング剤処理を完結させ、基板表面にアミノ基を導入した。次いで同仁化学研究所社製のN-マレイミドカプロイロキシスクシイミド(N-(6-Maleimidocaproyloxy)succinimido)(以下EMCSと略す)を、ジメチルスルホキシドとエタノールの1:1混合溶媒中に最終濃度が0.3mg/mlとなるように溶解したEMCS溶液を用意した。ベークの終了したガラス基板を放冷し、調製したEMCS溶液中に室温で2時間浸した。この処理により、シランカップリング剤によって表面に導入されたアミノ基とEMCSのスクシイミド基が反応し、ガラス基板表面にマレイミド基が導入された。EMCS溶液から引き上げたガラス基板を、先述のMCSを溶解した混合溶媒を用いて洗浄し、さらにエタノールにより洗浄した後、窒素ガス雰囲気下で乾燥させた。
シランカップリング剤KBM-603(信越シリコーン社製)を、1%の濃度となるように純水中に溶解させ、2時間室温で攪拌した。続いて、先に洗浄したガラス基板をシランカップリング剤水溶液に浸し、20分間室温で放置した。ガラス基板を引き上げ、軽く純水で表面を洗浄した後、窒素ガスを基板の両面に吹き付けて乾燥させた。次に乾燥した基板を120℃に加熱したオーブン中で1時間ベークし、カップリング剤処理を完結させ、基板表面にアミノ基を導入した。次いで同仁化学研究所社製のN-マレイミドカプロイロキシスクシイミド(N-(6-Maleimidocaproyloxy)succinimido)(以下EMCSと略す)を、ジメチルスルホキシドとエタノールの1:1混合溶媒中に最終濃度が0.3mg/mlとなるように溶解したEMCS溶液を用意した。ベークの終了したガラス基板を放冷し、調製したEMCS溶液中に室温で2時間浸した。この処理により、シランカップリング剤によって表面に導入されたアミノ基とEMCSのスクシイミド基が反応し、ガラス基板表面にマレイミド基が導入された。EMCS溶液から引き上げたガラス基板を、先述のMCSを溶解した混合溶媒を用いて洗浄し、さらにエタノールにより洗浄した後、窒素ガス雰囲気下で乾燥させた。
[3]プローブDNA
実施例1で作製した微生物検出用プローブを純水に溶解し、それぞれ、最終濃度(インク溶解時)10μMとなるように分注した後、凍結乾燥を行い、水分を除いた。
実施例1で作製した微生物検出用プローブを純水に溶解し、それぞれ、最終濃度(インク溶解時)10μMとなるように分注した後、凍結乾燥を行い、水分を除いた。
[4]BJプリンターによるDNA吐出、および基板への結合
グリセリン7.0wt%、エチレングリコール5.0wt%、ヘキサントリオール5.0wt%、アセチレノールEH(川研ファインケミカル社製)1.0wt%を含む水溶液を用意した。続いて、先に用意した7種類のプローブ(表1)を上記の混合溶媒に規定濃度なるように溶解した。得られたDNA溶液をバブルジェットプリンター(商品名:BJF-850 キヤノン社製)用インクタンクに充填し、印字ヘッドに装着した。
グリセリン7.0wt%、エチレングリコール5.0wt%、ヘキサントリオール5.0wt%、アセチレノールEH(川研ファインケミカル社製)1.0wt%を含む水溶液を用意した。続いて、先に用意した7種類のプローブ(表1)を上記の混合溶媒に規定濃度なるように溶解した。得られたDNA溶液をバブルジェットプリンター(商品名:BJF-850 キヤノン社製)用インクタンクに充填し、印字ヘッドに装着した。
なお、ここで用いたバブルジェットプリンターは平板への印刷が可能なように改造を施したものである。またこのバブルジェットプリンターは、所定のファイル作成方法に従って印字パターンを入力することにより、約5ピコリットルのDNA溶液を約120マイクロメートルピッチでスポッティングすることが可能となっている。
続いて、この改造バブルジェットプリンターを用いて、1枚のガラス基板に対して、印字操作を行い、アレイを作製した。印字が確実に行われていることを確認した後、30分間加湿チャンバー内に静置し、ガラス基板表面のマレイミド基と核酸プローブ末端のチオール基とを反応させた。
[5]洗浄
30分間の反応後、100mMのNaClを含む10mMのリン酸緩衝液(pH7.0)により表面に残ったDNA溶液を洗い流し、ガラス基板表面に一本鎖DNAが固定した遺伝子チップを得た。
<検体のPCR増幅>
検体となる微生物遺伝子のPCR増幅を以下に示す。
Premix PCR 試薬(TAKARA ExTaq):25μl
Template Genome DNA1:20μl (100ng)
Forward Primer mix:2μl (20pmol/tube each:表3)
Reverse Primer mix: 2μl (20pmol/tube each:表3)
H20:1 μl
Total:50μl
上記組成の反応液を以下のプロトコールに従って、市販のサーマルサイクラーで増幅反応を行った。
(1)95℃:10 min.
(2)92℃:45 sec.
(3)65℃:45 sec.
(4)72℃:45 sec.
(5)72℃:10 min.
反応ステップ(1)を行なってから反応ステップ(2)〜(4)を35サイクル繰り返してから反応ステップ(5)を行なった。反応終了後、精製用カラム(QIAGEN QIAquick PCR Purification Kit)を用いてPrimerを除去してTemplate Genome DNA2とした。
30分間の反応後、100mMのNaClを含む10mMのリン酸緩衝液(pH7.0)により表面に残ったDNA溶液を洗い流し、ガラス基板表面に一本鎖DNAが固定した遺伝子チップを得た。
<検体のPCR増幅>
検体となる微生物遺伝子のPCR増幅を以下に示す。
Premix PCR 試薬(TAKARA ExTaq):25μl
Template Genome DNA1:20μl (100ng)
Forward Primer mix:2μl (20pmol/tube each:表3)
Reverse Primer mix: 2μl (20pmol/tube each:表3)
H20:1 μl
Total:50μl
上記組成の反応液を以下のプロトコールに従って、市販のサーマルサイクラーで増幅反応を行った。
(1)95℃:10 min.
(2)92℃:45 sec.
(3)65℃:45 sec.
(4)72℃:45 sec.
(5)72℃:10 min.
反応ステップ(1)を行なってから反応ステップ(2)〜(4)を35サイクル繰り返してから反応ステップ(5)を行なった。反応終了後、精製用カラム(QIAGEN QIAquick PCR Purification Kit)を用いてPrimerを除去してTemplate Genome DNA2とした。
<PCR産物を鋳型とした標識>
5'がCy3で標識された標識付きオリゴヌクレオチドを用いた標識法を以下に示す。Cy3標識は、常法に従いヌクレオチド鎖の5'に共有的に結合させた後、HPLCを用いて精製を行い、Cy3 Reverse Primerとした。
配列:5'TGGGGTGAAGTCGTAACAAGGTA3'
Premix PCR 試薬(TAKARA ExTaq):25μl
Template Genome DNA2:20μl (100ng)
Cy3 Reverse Primer:5μl (20pmol/tube)
Total:50μl
上記組成の反応液を以下のプロトコールに従って、市販のサーマルサイクラーで増幅反応を行った。
(1)95℃:10 min.
(2)92℃:45 sec.
(3)65℃:45 sec.
(4)72℃:45 sec.
(5)72℃:10 min.
反応ステップ(1)を行なってから反応ステップ(2)〜(4)を35サイクル繰り返してから反応ステップ(5)を行なった。反応終了後、精製用カラム(QIAGEN QIAquick PCR Purification Kit)を用いてPrimerを除去して2nd PCR Productsとした。
5'がCy3で標識された標識付きオリゴヌクレオチドを用いた標識法を以下に示す。Cy3標識は、常法に従いヌクレオチド鎖の5'に共有的に結合させた後、HPLCを用いて精製を行い、Cy3 Reverse Primerとした。
配列:5'TGGGGTGAAGTCGTAACAAGGTA3'
Premix PCR 試薬(TAKARA ExTaq):25μl
Template Genome DNA2:20μl (100ng)
Cy3 Reverse Primer:5μl (20pmol/tube)
Total:50μl
上記組成の反応液を以下のプロトコールに従って、市販のサーマルサイクラーで増幅反応を行った。
(1)95℃:10 min.
(2)92℃:45 sec.
(3)65℃:45 sec.
(4)72℃:45 sec.
(5)72℃:10 min.
反応ステップ(1)を行なってから反応ステップ(2)〜(4)を35サイクル繰り返してから反応ステップ(5)を行なった。反応終了後、精製用カラム(QIAGEN QIAquick PCR Purification Kit)を用いてPrimerを除去して2nd PCR Productsとした。
<ハイブリダイゼーション>
先の<DNAマイクロアレイの作製>で作製した遺伝子チップと<検体の増幅と標識化(PCR増幅&蛍光標識の取り込み)>で作製した標識化検体を用いて検出反応を行った。
先の<DNAマイクロアレイの作製>で作製した遺伝子チップと<検体の増幅と標識化(PCR増幅&蛍光標識の取り込み)>で作製した標識化検体を用いて検出反応を行った。
(遺伝子チップのブロッキング)
BSA(牛血清アルブミンFraction V:Sigma社製)を1wt%となるように100mM NaCl / 10mM Phosphate Bufferに溶解し、この溶液に<DNAマイクロアレイの作製>で作製した遺伝子チップを室温で2時間浸し、ブロッキングを行った。ブロッキング終了後、0.1wt%SDS(ドデシル硫酸ナトリウム)を含む2xSSC溶液(NaCl 300mM 、Sodium Citrate (trisodium citrate dihydrate, C6H5Na3・2H2O) 30mM、p.H. 7.0)で洗浄を行った後、純水でリンスしてからスピンドライ装置で水切りを行った。
BSA(牛血清アルブミンFraction V:Sigma社製)を1wt%となるように100mM NaCl / 10mM Phosphate Bufferに溶解し、この溶液に<DNAマイクロアレイの作製>で作製した遺伝子チップを室温で2時間浸し、ブロッキングを行った。ブロッキング終了後、0.1wt%SDS(ドデシル硫酸ナトリウム)を含む2xSSC溶液(NaCl 300mM 、Sodium Citrate (trisodium citrate dihydrate, C6H5Na3・2H2O) 30mM、p.H. 7.0)で洗浄を行った後、純水でリンスしてからスピンドライ装置で水切りを行った。
(ハイブリダイゼーション)
水切りした遺伝子チップをハイブリダイゼーション装置(Genomic Solutions Inc. Hybridization Station)にセットし、以下に示すハイブリダイゼーション溶液、条件でハイブリダイゼーション反応を行った。
<ハイブリダイゼーション溶液>
6 x SSPE / 10% Form amide / Target (2nd PCR Products 全量)
(6xSSPE: NaCl 900mM、NaH2PO4・H2O 60mM、EDTA 6mM、p.H. 7.4)
<ハイブリダイゼーション条件>
65 ℃ 3min → 92℃ 2min → 45℃ 3hr → Wash 2xSSC / 0.1% SDS at 25℃ → Wash 2 x SSC at 20℃ → (Rinse with H2O : Manual) → Spin dry
<微生物の検出(蛍光測定)>
ハイブリダイゼーション反応終了後の遺伝子チップを遺伝子チップ用蛍光検出装置(Axon社製、GenePix 4000B)を用いで蛍光測定を行った。
水切りした遺伝子チップをハイブリダイゼーション装置(Genomic Solutions Inc. Hybridization Station)にセットし、以下に示すハイブリダイゼーション溶液、条件でハイブリダイゼーション反応を行った。
<ハイブリダイゼーション溶液>
6 x SSPE / 10% Form amide / Target (2nd PCR Products 全量)
(6xSSPE: NaCl 900mM、NaH2PO4・H2O 60mM、EDTA 6mM、p.H. 7.4)
<ハイブリダイゼーション条件>
65 ℃ 3min → 92℃ 2min → 45℃ 3hr → Wash 2xSSC / 0.1% SDS at 25℃ → Wash 2 x SSC at 20℃ → (Rinse with H2O : Manual) → Spin dry
<微生物の検出(蛍光測定)>
ハイブリダイゼーション反応終了後の遺伝子チップを遺伝子チップ用蛍光検出装置(Axon社製、GenePix 4000B)を用いで蛍光測定を行った。
その結果、再現性良く、Pseudomonas aeruginosaのプローブすべてにおいて、十分なシグナルで検出することができ(表4)、Pseudomonas aeruginosaの存在を確認することができた。またHemophilus influenzaのプローブに対するハイブリッド体は検出されなかった。
比較例1
<核酸集団からの非標的核酸の分離>を行なわず、核酸集団をそのままTemplate Genome DNA1とする以外は、実施例1と同様にして微生物の検出(蛍光測定)を行った。その結果、Pseudomonas aeruginosa およびHaemophilus influenzaeのいずれのプローブに対するシグナルも検出されなかった。
<核酸集団からの非標的核酸の分離>を行なわず、核酸集団をそのままTemplate Genome DNA1とする以外は、実施例1と同様にして微生物の検出(蛍光測定)を行った。その結果、Pseudomonas aeruginosa およびHaemophilus influenzaeのいずれのプローブに対するシグナルも検出されなかった。
Claims (17)
- 非標的核酸に相補的なプローブ担体に、核酸集団を暴露してプローブ−非標的核酸複合体を形成させ、核酸集団から非標的核酸と標的核酸とを分離することを特徴とする核酸調製方法。
- 前記非標的核酸がヒトゲノムDNAである請求項1記載の核酸調製方法。
- 前記標的核酸が微生物ゲノムDNAである請求項2記載の核酸調製方法。
- 前記標的核酸が細菌の16srRNA遺伝子である請求項3に記載の核酸調製方法。
- 前記核酸集団が、膿汁、痰、精液、尿、血液、唾液、髄液および生検組織からなる群からなる選択された一つの検体から調製される請求項1記載の核酸調製方法。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の核酸調製方法によって得られた標的核酸を、鋳型DNAとしたPCR反応によって増幅して標的核酸の増幅産物を得ることを特徴とする核酸増幅方法。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の核酸調製方法によって得られた標的核酸を鋳型DNAとした伸長反応を行い標識を行なうことを特徴とする標的核酸の標識方法。
- 請求項6に記載の核酸増幅方法で得られた標的核酸の増幅産物を鋳型DNAとした伸長反応を行い標識を行なうことを特徴とする標的核酸の標識方法。
- 請求項7または8記載の核酸標識方法により得られた標識された標的核酸を該標的核酸を認識するプローブとのハイブリダイゼーション反応により検出することを特徴とする核酸検出方法。
- 前記ハイブリダイゼーション反応が固相表面に固定あるいは吸着したDNAプローブとの間で行われる請求項9に記載の核酸検出方法。
- 前記DNAプローブが、DNAチップまたはDNAマイクロアレイの形態で前記固相の表面に固定されている請求項10記載の核酸検出方法。
- 微生物ゲノムを検出するための検出方法において、
非標的核酸に相補的なDNAプローブ担体に、非標的核酸としてのヒトゲノムDNAと標的核酸が微生物ゲノムDNAとを含む核酸集団を暴露してプローブ−非標的核酸複合体を形成させ、核酸集団から非標的核酸と標的核酸とを分離する工程と、
分離された標的核酸を鋳型DNAとした伸長反応を行って標識する工程と、
標識された標的核酸を、該標的核酸検出用のプローブと反応させて得られるハイブリッド体を、該ハイブリッド体を形成する標的核酸の有する標識を利用して検出する工程と、
を有することを特徴とする核酸検出方法。 - 前記標的核酸が細菌の16srRNA遺伝子である請求項12に記載の核酸検出方法。
- 前記核酸集団が、膿汁、痰、精液、尿、血液、唾液、髄液および生検組織からなる群からなる選択された一つの検体から調製される請求項12記載の核酸検出方法。
- 非標的核酸と分離された標的核酸を該標的核酸を鋳型DNAとしたPCR反応によって増幅してから前記標識を行う請求項12〜14のいずれかに記載の核酸検出方法。
- 前記標的核酸検出用のプローブが、DNAチップまたはDNAマイクロアレイの形態で固相の表面に固定されている請求項12〜15のいずれかに記載の核酸検出方法。
- 前記非標的核酸に相補的なDNAがヒトのマイクロサテライト配列からなる請求項12〜16に記載の核酸検出方法。
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-
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- 2004-08-18 JP JP2004238424A patent/JP2006055028A/ja active Pending
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