JP2008148018A - 無線通信システムおよび無線装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】受信信号が受信すべき信号か否かを判定するための閾値を適切な値に自動調整することが可能な無線装置および無線通信システムを提供する。
【解決手段】この無線通信システムでは、第1の無線装置100から送信された無線変調信号を第2の無線装置110で受信する。第2の無線装置110は回路110Aで受信信号強度に応じて生成した電圧に基づいて第1の無線装置100のための閾値信号を生成する。この生成した閾値信号を含む無線変調信号は送信回路110Bで第1の無線装置100に送信され、第1の無線装置100では受信回路100Aでこの無線変調信号を受信し復調信号に変換し、この復調信号の中から閾値信号を解読し記憶,保持する。第1の無線装置100はこの閾値信号に基づいて、受信した無線変調信号が受信すべき信号であるのか否かの受信信号判定を行う。
【選択図】図1
【解決手段】この無線通信システムでは、第1の無線装置100から送信された無線変調信号を第2の無線装置110で受信する。第2の無線装置110は回路110Aで受信信号強度に応じて生成した電圧に基づいて第1の無線装置100のための閾値信号を生成する。この生成した閾値信号を含む無線変調信号は送信回路110Bで第1の無線装置100に送信され、第1の無線装置100では受信回路100Aでこの無線変調信号を受信し復調信号に変換し、この復調信号の中から閾値信号を解読し記憶,保持する。第1の無線装置100はこの閾値信号に基づいて、受信した無線変調信号が受信すべき信号であるのか否かの受信信号判定を行う。
【選択図】図1
Description
この発明は、無線通信システムおよび無線装置に関し、例えば、無線装置の受信した信号が受信すべき信号か否かを判定するための閾値を自動的に適切な値に調整できる無線装置に関する。
無線装置では、一般にキャリアセンス機能を有しており、受信信号レベルが所定レベル以上であれば、受信信号がキャリア性信号であると判断し、所定レベル以下であればノイズ性信号であると判断するキャリア判定を行う。
しかしながら、従来、キャリア判定するための閾値は、装置内部のボリューム等で一度調整,固定されると、使用者が変更することができないか、または、装置外部の調整つまみ等で使用者がその都度調整する必要があった。この閾値によって受信感度が決まるので、通常は通信したいエリアにおける最小受信レベル以下に閾値を調整する。
このため、無線装置間の距離が近く、受信信号レベルが大きい場合は、受信の閾値レベルと受信信号レベルとの差が大きくなり、調整した閾値が適切な値でなくなってしまうという問題があった。また、無線装置を設置した時に設定した閾値より通信距離を延ばしたい場合でも、閾値を変更することは困難であるという問題がある。
そこで、上記問題を解決する手段として、例えば、特許文献1(特開平7−202733号)に記載の受信機が提案されている。図11を参照して、この受信機を簡単に説明する。
この受信機は、ワイヤレス受信機であり、高周波増幅器903,混合器905,局部発振器907,中間周波増幅器909,検波回路911を備え、アンテナ入力端子901から入力して高周波増幅器903を経た受信信号をミキサ905で局部発振器907の局部発振信号と混合して中間周波数信号を生成する。そして、この中間周波数信号を中間周波増幅器909を経て検波回路911で検波して可聴周波信号を出力する。この可聴周波信号は、緩衝増幅器913を経てスケルチ回路937のスイッチ部915を介して出力端子939から出力する。
この受信機のスケルチ回路937は、上記受信信号に比例する検出出力を生成する検出回路923と、上記受信信号の発生源である送信機がその使用エリア内を移動した状態における上記検出出力の最小値を記憶する最小値記憶回路929と、上記検出出力と上記最小値を比較して上記検出出力が上記最小値以上のときに、上記スイッチ部915を閉成する制御信号を出力する比較回路935を備える。これにより、受信機のスケルチレベルを自動調整することが可能になる。なお、検出回路923は、ハイパスフィルタ917,ノイズ増幅器919,ノイズ検波回路921を有する。
しかしながら、上記従来の受信機では、スケルチ回路937は、受信状態での最小値を記憶保持するために、積分回路925、A/D回路927、最小値記憶回路929、加算回路931、D/A回路933を有する必要がある。このため、回路規模が大きくなるという問題があった。また、上記従来の受信機では、上記検出出力の最小値を最小値記憶回路929に記憶させるために、スケルチレベル自動調整スイッチ(図示せず)をオンにして、上記検出出力の最小値を取り込んだ後にオフにする動作が必要である。したがって、人手を介さなければならず、スケルチレベルを完全に自動調整することはできないという問題があった。
特開平7−202733号公報
そこで、この発明の課題は、受信信号が受信すべき信号か否かを判定するための閾値を適切な値に自動調整することが可能な無線装置および無線通信システムを提供することにある。
上記課題を解決するため、この発明の無線通信システムは、無線変調信号を送受信する第1の無線装置と、無線変調信号を送受信する第2の無線装置とを備え、上記第2の無線装置は、上記第1の無線装置から送信された無線変調信号を受信すると共に受信した無線変調信号の信号強度に基づいて生成した閾値信号を上記第1の無線装置に送信し、
上記第1の無線装置は、上記第2の無線装置からの上記閾値信号による閾値情報を記憶すると共に上記閾値情報に基づいて、受信した無線変調信号が受信すべき信号であるのか否かの受信信号判定を行うことを特徴としている。
上記第1の無線装置は、上記第2の無線装置からの上記閾値信号による閾値情報を記憶すると共に上記閾値情報に基づいて、受信した無線変調信号が受信すべき信号であるのか否かの受信信号判定を行うことを特徴としている。
この発明の無線通信システムによれば、第1の無線装置は、この第1の無線装置から受信した無線変調信号の信号強度に基づいて第2の無線装置が生成した閾値信号を第2の無線装置から受信する。そして、この第1の無線装置は、受信した無線変調信号が受信すべき信号であるのか否かを、上記閾値信号による閾値情報に基づいて判定する。すなわち、第1の無線装置は、希望する通信相手(第2の無線装置)と、少なくとも1度の無線通信を行うだけで、受信した無線変調信号を受信すべき信号であるか否かを判定するための適切な閾値を自動調整することが可能になる。
また、一実施形態の無線通信システムでは、上記第1の無線装置は、無線変調信号を送受信するアンテナと、受信動作と送信動作を切り替える切り替えスイッチと、
上記アンテナで受信した無線変調信号を復調信号に変換すると共に上記受信した無線変調信号のレベルに応じた出力信号を出力する出力端子を有する受信回路と、
送信信号を無線変調信号に変換して上記アンテナに送信する送信回路と、
メモリ回路と、
上記送信回路へ入力する送信信号を制御すると共に上記受信回路からの復調信号を処理し、かつ、上記受信回路から入力される復調信号が含む上記閾値信号による閾値情報を上記メモリ回路に記憶させる制御部と、
上記メモリ回路から上記閾値情報が入力されると共に上記閾値情報をD/A変換して基準信号を生成するD/A回路と、
上記受信回路の出力端子からの出力信号と上記D/A回路からの基準信号とを比較して、この比較結果を表す判定信号を出力するコンパレータとを備える。
上記アンテナで受信した無線変調信号を復調信号に変換すると共に上記受信した無線変調信号のレベルに応じた出力信号を出力する出力端子を有する受信回路と、
送信信号を無線変調信号に変換して上記アンテナに送信する送信回路と、
メモリ回路と、
上記送信回路へ入力する送信信号を制御すると共に上記受信回路からの復調信号を処理し、かつ、上記受信回路から入力される復調信号が含む上記閾値信号による閾値情報を上記メモリ回路に記憶させる制御部と、
上記メモリ回路から上記閾値情報が入力されると共に上記閾値情報をD/A変換して基準信号を生成するD/A回路と、
上記受信回路の出力端子からの出力信号と上記D/A回路からの基準信号とを比較して、この比較結果を表す判定信号を出力するコンパレータとを備える。
この実施形態の無線通信システムによれば、第1の無線装置は、無線通信相手(第2の無線装置)からの受信信号(無線変調信号)を受信回路で受信して復調信号とし、制御部はこの復調信号に含まれる閾値信号による閾値情報をメモリ回路に記憶させる。そして、コンパレータは受信回路の出力端子からの出力信号とメモリ回路からD/A回路を経て受けた基準信号とを比較して、この比較結果を表す判定信号を出力する。この比較結果を表す判定信号により、受信回路が受信した無線変調信号が受信すべき信号か否かを判定できる。よって、実施形態によれば、メモリ回路,D/A回路,コンパレータによる簡易な構成により、受信信号判定を行うことが可能になる。
例えば、この判定信号は、制御部に入力されて、制御部は、上記受信回路の出力端子からの出力信号の強度が基準信号の強度以上である場合には、受信回路が受信した無線変調信号が受信すべき信号であると判定する。一方、上記出力信号の強度が基準信号の強度よりも小さい場合には、制御部は受信回路が受信した無線変調信号が受信すべき信号ではないと判定する。
また、一実施形態の無線通信システムでは、上記第2の無線装置は、無線変調信号を送受信するアンテナと、受信動作と送信動作を切り替える切り替えスイッチと、上記アンテナで受信した無線変調信号を復調信号に変換すると共に上記受信した無線変調信号のレベルに応じた出力信号を出力する出力端子を有する受信回路と、
送信信号を無線変調信号に変換して上記アンテナに送信する送信回路と、
上記受信回路が出力端子から出力する出力信号に基づいて閾値信号を生成する閾値計算回路と、
上記送信回路へ入力する送信信号を制御すると共に上記受信回路からの復調信号を処理し、かつ、上記閾値計算回路が生成する上記閾値信号を上記送信回路に出力する制御部とを備える。
送信信号を無線変調信号に変換して上記アンテナに送信する送信回路と、
上記受信回路が出力端子から出力する出力信号に基づいて閾値信号を生成する閾値計算回路と、
上記送信回路へ入力する送信信号を制御すると共に上記受信回路からの復調信号を処理し、かつ、上記閾値計算回路が生成する上記閾値信号を上記送信回路に出力する制御部とを備える。
この実施形態の無線通信システムによれば、第2の無線装置の閾値計算回路は受信回路が出力端子から出力する出力信号に基づいて閾値信号を生成するので、閾値計算回路を設けるだけの簡易な回路構成で無線通信相手(第1の無線装置)の受信信号を判定する閾値信号を生成することが可能になる。
また、一実施形態の無線通信システムでは、上記第2の無線装置は、無線変調信号を送受信するアンテナと、受信動作と送信動作を切り替える切り替えスイッチと、上記アンテナで受信した無線変調信号を復調信号に変換すると共に上記受信した無線変調信号のレベルに応じた出力信号を出力する出力端子を有する受信回路と、
送信信号を無線変調信号に変換して上記アンテナに送信する送信回路と、
メモリ回路と、
入力された情報に基づいて上限閾値信号と下限閾値信号とを生成して出力する閾値計算回路と、
上記送信回路へ入力する送信信号を制御すると共に上記受信回路からの復調信号を処理し、かつ、上記受信回路の出力端子から入力された出力信号から受信信号強度情報を生成して上記メモリ回路に記憶させると共に上記メモリ回路に所定の複数の受信信号強度情報を記憶させた時に上記メモリ回路にアクセスして上記複数の受信信号強度情報を読み出して上記閾値計算回路に入力すると共に上記閾値計算回路が上記複数の受信信号強度情報に基づいて生成した上限閾値信号と下限閾値信号を上記送信回路に出力する制御部とを備える。
送信信号を無線変調信号に変換して上記アンテナに送信する送信回路と、
メモリ回路と、
入力された情報に基づいて上限閾値信号と下限閾値信号とを生成して出力する閾値計算回路と、
上記送信回路へ入力する送信信号を制御すると共に上記受信回路からの復調信号を処理し、かつ、上記受信回路の出力端子から入力された出力信号から受信信号強度情報を生成して上記メモリ回路に記憶させると共に上記メモリ回路に所定の複数の受信信号強度情報を記憶させた時に上記メモリ回路にアクセスして上記複数の受信信号強度情報を読み出して上記閾値計算回路に入力すると共に上記閾値計算回路が上記複数の受信信号強度情報に基づいて生成した上限閾値信号と下限閾値信号を上記送信回路に出力する制御部とを備える。
この実施形態の無線通信システムによれば、上記第2の無線装置は、送受信信号を処理する制御部を利用して、メモリ回路と閾値計算回路とを付加するだけの簡易な構成により、上限閾値信号と下限閾値信号を生成して、送信回路に出力することが可能になる。よって、より適切な受信すべき信号であるのか否かを判定する基準となる閾値信号の上限と下限の範囲を自動調整することが可能になる。
また、一実施形態の無線通信では、上記第2の無線装置は、無線変調信号を送受信するアンテナと、受信動作と送信動作を切り替える切り替えスイッチと、上記アンテナで受信した無線変調信号を復調信号に変換すると共に上記受信した無線変調信号のレベルに応じた出力信号を出力する出力端子を有する受信回路と、送信信号を無線変調信号に変換して上記アンテナに送信する送信回路と、
メモリ回路と、入力された情報に基づいて上限閾値信号と下限閾値信号とを生成して出力する閾値計算回路と、
上記送信回路へ入力する送信信号を制御すると共に上記受信回路からの復調信号を処理し、かつ、上記受信回路の出力端子から入力された出力信号から受信信号強度情報を生成して上記メモリ回路に記憶させると共に上記メモリ回路に所定の複数の受信信号強度情報を記憶させた時に上記メモリ回路にアクセスして上記複数の受信信号強度情報を読み出して上記閾値計算回路に入力すると共に上記閾値計算回路が上記複数の受信信号強度情報に基づいて生成した上限閾値信号と下限閾値信号を上記送信回路に出力する制御部と
上記メモリ回路からの上記下限閾値信号と下限閾値信号をD/A変換して基準信号を生成するD/A回路と、
上記受信回路の出力端子から入力される出力信号と上記D/A回路から入力される基準信号とを比較して、この比較結果を表す判定信号を出力するコンパレータとを備える。
メモリ回路と、入力された情報に基づいて上限閾値信号と下限閾値信号とを生成して出力する閾値計算回路と、
上記送信回路へ入力する送信信号を制御すると共に上記受信回路からの復調信号を処理し、かつ、上記受信回路の出力端子から入力された出力信号から受信信号強度情報を生成して上記メモリ回路に記憶させると共に上記メモリ回路に所定の複数の受信信号強度情報を記憶させた時に上記メモリ回路にアクセスして上記複数の受信信号強度情報を読み出して上記閾値計算回路に入力すると共に上記閾値計算回路が上記複数の受信信号強度情報に基づいて生成した上限閾値信号と下限閾値信号を上記送信回路に出力する制御部と
上記メモリ回路からの上記下限閾値信号と下限閾値信号をD/A変換して基準信号を生成するD/A回路と、
上記受信回路の出力端子から入力される出力信号と上記D/A回路から入力される基準信号とを比較して、この比較結果を表す判定信号を出力するコンパレータとを備える。
この実施形態の無線通信システムによれば、上記第2の無線装置は、送受信信号を処理する制御部を利用して、メモリ回路と閾値計算回路とを付加するだけの簡易な構成により、上限閾値信号と下限閾値信号を生成して、送信回路に出力することが可能になる。その上、上記第2の無線装置の無線通信相手(第1の無線装置)に送信する上限および下限の閾値信号をメモリ回路に記憶,保持し、D/A回路,コンパレータの構成を追加するだけで、通信相手(第1の無線装置)に送信する上限,下限の閾値信号を自身の受信信号判定のための基準として利用することが可能になる。
また、一実施形態の無線通信システムは、上記第1の無線装置を複数備えると共に上記第2の無線装置を少なくとも1つ備え、上記第1の無線装置と上記第2の無線装置とが1対N(Nは自然数)型無線送受信を行い、
上記第2の無線装置は、上記複数の第1の無線装置が記憶する複数の閾値信号が表す閾値のうちで最小の閾値を表す閾値信号を下限閾値信号とし、上記複数の第1の無線装置が記憶する複数の閾値信号が表す閾値のうちで最大の閾値を表す閾値信号を上限閾値信号とする。
上記第2の無線装置は、上記複数の第1の無線装置が記憶する複数の閾値信号が表す閾値のうちで最小の閾値を表す閾値信号を下限閾値信号とし、上記複数の第1の無線装置が記憶する複数の閾値信号が表す閾値のうちで最大の閾値を表す閾値信号を上限閾値信号とする。
この実施形態の無線通信システムによれば、第2の無線装置は、受信信号の信号強度が下限閾値信号による最小の閾値と上限閾値信号による最大の閾値との間の値であるときに、受信信号を受信すべき信号であると判定することが可能になる。よって、第2の無線装置は、受信信号判定のために記憶している閾値信号が表す閾値が異なる複数の端末(第1の無線装置)を有する1対N型無線通信システムにおいて、誤りのない受信信号判定を行うことが可能になる。
また、一実施形態の無線通信システムでは、上記第1の無線装置は、上記受信信号判定の結果、上記受信した無線変調信号が受信すべき信号ではないと判定した場合、受信動作を停止する。
この実施形態の無線通信システムによれば、受信信号判定により希望の通信相手でないと判断した場合は、無線装置を停止することが可能になり、省電力化が実現される。
また、一実施形態の無線装置は、無線信号を送受信する一方、受信した閾値信号に基づいて、受信した無線変調信号が受信すべき信号であるのか否かの受信信号判定を行う無線装置であって、
無線変調信号を送受信するアンテナと、
受信動作と送信動作を切り替える切り替えスイッチと、
上記アンテナで受信した無線変調信号を復調信号に変換すると共に上記受信した無線変調信号のレベルに応じた出力信号を出力する出力端子を有する受信回路と、
送信信号を無線変調信号に変換して上記アンテナに送信する送信回路と、
メモリ回路と、
上記送信回路へ入力する送信信号を制御すると共に上記受信回路からの復調信号を処理し、かつ、上記受信回路から入力される復調信号が含む上記閾値信号による閾値情報を上記メモリ回路に記憶させる制御部と、
上記メモリ回路から上記閾値情報が入力されると共に上記閾値情報をD/A変換して基準信号を生成するD/A回路と、
上記受信回路の出力端子からの出力信号と上記D/A回路からの基準信号とを比較して、この比較結果を表す判定信号を出力するコンパレータとを備える。
無線変調信号を送受信するアンテナと、
受信動作と送信動作を切り替える切り替えスイッチと、
上記アンテナで受信した無線変調信号を復調信号に変換すると共に上記受信した無線変調信号のレベルに応じた出力信号を出力する出力端子を有する受信回路と、
送信信号を無線変調信号に変換して上記アンテナに送信する送信回路と、
メモリ回路と、
上記送信回路へ入力する送信信号を制御すると共に上記受信回路からの復調信号を処理し、かつ、上記受信回路から入力される復調信号が含む上記閾値信号による閾値情報を上記メモリ回路に記憶させる制御部と、
上記メモリ回路から上記閾値情報が入力されると共に上記閾値情報をD/A変換して基準信号を生成するD/A回路と、
上記受信回路の出力端子からの出力信号と上記D/A回路からの基準信号とを比較して、この比較結果を表す判定信号を出力するコンパレータとを備える。
また、一実施形態の無線装置は、無線信号を送受信する一方、受信した無線変調信号の信号強度に基づいて生成した閾値信号を送信する無線装置であって、
無線変調信号を送受信するアンテナと、
受信動作と送信動作を切り替える切り替えスイッチと、
上記アンテナで受信した無線変調信号を復調信号に変換すると共に上記受信した無線変調信号のレベルに応じた出力信号を出力する出力端子を有する受信回路と、
送信信号を無線変調信号に変換して上記アンテナに送信する送信回路と、
上記受信回路が出力端子から出力する出力信号に基づいて閾値信号を生成する閾値計算回路と、
上記送信回路へ入力する送信信号を制御すると共に上記受信回路からの復調信号を処理し、かつ、上記閾値計算回路が生成する上記閾値信号を上記送信回路に出力する制御部とを備える。
無線変調信号を送受信するアンテナと、
受信動作と送信動作を切り替える切り替えスイッチと、
上記アンテナで受信した無線変調信号を復調信号に変換すると共に上記受信した無線変調信号のレベルに応じた出力信号を出力する出力端子を有する受信回路と、
送信信号を無線変調信号に変換して上記アンテナに送信する送信回路と、
上記受信回路が出力端子から出力する出力信号に基づいて閾値信号を生成する閾値計算回路と、
上記送信回路へ入力する送信信号を制御すると共に上記受信回路からの復調信号を処理し、かつ、上記閾値計算回路が生成する上記閾値信号を上記送信回路に出力する制御部とを備える。
この発明の無線通信システムによれば、第1の無線装置は、この第1の無線装置から受信した信号強度に基づいて第2の無線装置が生成した閾値信号をこの第2の無線装置から受信して、この第1の無線装置は、受信した無線変調信号が受信すべき信号であるのか否かを、上記閾値信号に基づいて判定する。すなわち、第1の無線装置は、希望する通信相手(第2の無線装置)と、少なくとも1度の無線通信を行うだけで、受信信号を受信すべき信号であるか否かを判定するための適切な閾値を自動調整することが可能になる。
以下、この発明を図示の実施の形態により詳細に説明する。
(第1の実施の形態)
図1に、この発明の第1実施形態としての無線通信システムを示す。この無線通信システムは、無線変調信号を送受信する第1の無線装置100と、無線変調信号を送受信する第2の無線装置110とを備える。
図1に、この発明の第1実施形態としての無線通信システムを示す。この無線通信システムは、無線変調信号を送受信する第1の無線装置100と、無線変調信号を送受信する第2の無線装置110とを備える。
第2の無線装置110は、第1の無線装置100から送信された送信信号を受信すると共に受信した信号の信号強度に基づいて生成した閾値信号を第1の無線装置100に送信する。第1の無線装置100は、第2の無線装置110からの上記閾値信号による閾値情報を記憶すると共に上記閾値情報に基づいて、受信した無線変調信号が受信すべき信号であるのか否かの受信信号判定を行う。
この無線通信システムでは、図1に示すように、第1の無線装置100からアンテナ1を介して送信された無線変調信号を、アンテナ10を介して第2の無線装置110で受信する。第2の無線装置110内では、受信信号強度に応じた電圧を生成する回路110Aが設けられており、この回路110Aが生成する電圧に基づいて、第1の無線装置100のための閾値信号を生成する。この生成した閾値信号を第2の無線装置110内の送信回路110Bに送り、この閾値信号を含む無線変調信号を、アンテナ10を介して第1の無線装置100に送信する。
この無線変調信号を、アンテナ1を介して第1の無線装置100で受信する。この受信した無線変調信号を第1の無線装置100内にある受信回路100Aで復調信号に変換する。第1の無線装置100は、この復調信号の中から閾値信号による閾値情報を解読し、記憶,保持する。この閾値情報に基づいて、受信した無線変調信号が受信すべき信号であるのか否かの受信信号判定を行う。
ここで、第1の無線装置100から送信された無線変調信号を、第2の無線装置110で受信した時の受信信号強度が、第1の無線装置100の受信信号判定の閾値として用いることが可能な理由を以下に説明する。
第1の無線装置100から無線送信し、第2の無線装置110にて受信する場合、第2の無線装置110における受信電力をPr2とすると、この受信電力Pr2は次式(1)で表せる。ただし、式(1)において、アンテナ1のアンテナ利得をG1、アンテナ10のアンテナ利得をG2、空間伝搬損失をL、第1の無線装置100の送信出力をPt1とする。
Pr2=Pt1+G1−L+G2 … (1)
Pr2=Pt1+G1−L+G2 … (1)
次に、第2の無線装置110から無線送信し、第1の無線装置100にて受信する場合、第1の無線装置100における受信電力をPr1とすると、この受信電力Pr1は次式(2)で表せる。ただし、式(2)において、アンテナ1のアンテナ利得をG1、アンテナ10のアンテナ利得をG2、空間伝搬損失をL、第2の無線装置110の送信出力をPt2とする。
Pr1=Pt2+G1−L+G2 … (2)
Pr1=Pt2+G1−L+G2 … (2)
双方向通信システムでは、通常、第1の無線装置100の送信出力Pt1と第2の無線装置110の送信出力Pt2は等しいので、上述の式(1)、式(2)式より、次式(3)が成り立つ。
Pr2=Pr1 … (3)
Pr2=Pr1 … (3)
つまり、第1の無線装置100から無線送信した無線変調信号を、第2の無線装置110にて受信する場合の受信電力Pr2と、第2の無線装置110から無線送信した無線変調信号を、第1の無線装置100にて受信する場合の受信電力Pr1とが等しいことになる。この式(3)の関係から、第2の無線装置110で受信した無線変調信号の信号強度が、第1の無線装置100が受信する無線変調信号の信号強度に等しい。したがって、第1の無線装置100からの無線変調信号を第2の無線装置110で受信した無線変調信号の信号強度から第1の無線装置100が受信信号判定を行うための閾値を決めることが可能になる。
(第2の実施の形態)
次に、図2に、この発明の第2実施形態としての無線装置200を示す。この無線装置200は、前述の第1実施形態の第1の無線装置100の一例に相当する。
次に、図2に、この発明の第2実施形態としての無線装置200を示す。この無線装置200は、前述の第1実施形態の第1の無線装置100の一例に相当する。
この無線装置200は、無線変調信号を送受信するアンテナ201と、受信動作と送信動作を切り替える切り替えスイッチ202と、アンテナ201で受信した無線変調信号を復調信号に変換すると共に上記受信した無線変調信号のレベルに応じた出力信号を出力する出力端子204を有する受信回路203と、送信信号を無線変調信号に変換してアンテナ201に送信する送信回路209とを備える。
また、この無線装置200は、メモリ回路206と、送信回路209へ入力する送信信号を制御すると共に受信回路203からの復調信号を処理し、かつ、受信回路203から入力される復調信号が含む上記閾値信号による閾値情報をメモリ回路206に記憶させる制御部としてのCPU(中央演算装置)205とを備える。
また、この無線装置200は、メモリ回路206から上記閾値信号による閾値情報が入力されると共に上記閾値情報をD/A変換して基準信号を生成するD/A回路207と、受信回路203の出力端子204からの出力信号とD/A回路207からの基準信号とを比較して、この比較結果を表す判定信号をCPU205に出力するコンパレータ208を有する。CPU205は、この判定信号に基づいて受信回路203が受信した無線変調信号が受信すべき信号か否かを判定する。
この無線装置200は、図2に示すように、アンテナ201から受信した無線変調信号は、切り替えスイッチ202を介して受信回路203に入力され、受信回路203によって復調信号に変換される。この変換された復調信号は、CPU205に送られ、このCPU205で復調信号から閾値信号による閾値情報が取り出され、メモリ回路206に記憶,保持される。
以降、受信動作時に出力端子204からの出力信号と、メモリ回路206に記憶,保持された閾値情報をD/A回路207によりアナログ信号に変換した信号である基準信号とをコンパレータ208に入力し、上記出力信号と基準信号とをコンパレータ208で比較する。ここで、出力端子4の出力信号の強度が、D/A回路207で変換した基準信号の強度よりも低ければ、コンパレータ208の判定信号がL(Low)レベルとなる。すると、CPU205は、受信信号(受信回路203に入力された無線変調信号)は希望する通信相手からの信号ではないと判定する。一方、出力端子204からの出力信号の強度が上記基準信号の強度よりも高ければ、コンパレータ8の出力がハイとなり、CPU205は受信信号が希望する通信相手であると判定することが可能になる。
(第3の実施の形態)
図3に、この発明の第3実施形態に係る無線装置を示す。この無線装置310は、第1実施形態の第2の無線装置110の一例に相当する。
図3に、この発明の第3実施形態に係る無線装置を示す。この無線装置310は、第1実施形態の第2の無線装置110の一例に相当する。
この無線装置310は、無線変調信号を送受信するアンテナ301と、受信動作と送信動作を切り替える切り替えスイッチ202と、無線変調信号を受信して復調信号に変換する受信回路303と、送信信号を無線変調信号に変換し送信する送信回路309とを備える。受信回路303は、受信した無線変調信号のレベルに応じた出力信号を出力する出力端子304を有する。
また、この無線装置310は、受信回路303が出力端子304から出力する出力信号に基づいて閾値信号を生成する閾値計算回路311と、送信回路309へ入力する送信信号を制御すると共に受信回路303からの復調信号を処理する制御部としてのCPU305を備える。このCPU305は、受信回路303の出力端子304からの出力信号が入力されると共にこの出力信号を閾値計算回路311に入力する。また、このCPU305は、閾値計算回路311が生成した閾値信号を送信回路309に出力する。
この第3実施形態の無線装置305では、図3に示すように、アンテナ301から受信した無線変調信号が切り替えスイッチ302を介して受信回路303に入力され復調信号に変換されて、CPU305に入力される。また、CPU305には、受信信号の強度を表す出力信号が出力端子304から入力され、CPU305から閾値計算回路311に上記出力信号が送られる。閾値計算回路311では、所定の演算処理により、上記出力信号が閾値信号に変換される。この閾値信号は、CPU305を介して送信回路309に送られ、無線変調信号に変換されて、切り替えスイッチ302を経由し、アンテナ301から送信される。
ここで、図4Aを参照して、閾値計算回路311が、入力された出力信号が表す受信信号レベルから閾値信号による閾値を決める一例を説明する。図4Aに示す受信入力レベルPr2は、平均受信信号レベルに等しいと仮定している。受信入力レベルは、伝送路の状態により変動するので、その変動分の最大値をΔMとすると、最低受信入力レベルPrminは、次式(4)で表せる。
Prmin=Pr2−ΔM … (4)
Prmin=Pr2−ΔM … (4)
この(4)式より、最低受信レベルPrminの時の受信信号強度電圧が閾値電圧Vthになる。
上記説明では、受信信号レベルPr2が平均受信信号レベルに等しいと仮定したが、実際には異なっている場合が多い。受信信号レベルPr2が平均受信信号レベルと異なるレベルである場合での閾値の決め方の一例を図4Bに示す。
図4Bでは、受信信号レベルPr2が最大受信信号レベルPrmaxである場合の一例を示している。この場合、受信信号レベルPr2から2×ΔMだけマージンを取ったレベルPrminの時の受信信号強度電圧Vminを閾値電圧Vthとすることで、最大受信信号レベルPrmaxの信号が入力された場合にも適切な閾値信号を生成でき、相手側の第1の無線装置による受信信号判別を誤らないようにすることができる。
すなわち、次式(5)から計算される最小受信信号レベルPrmin時の受信信号強度電圧を閾値電圧Vthとする。
Prmin=Pr2−2ΔM … (5)
Prmin=Pr2−2ΔM … (5)
このことで、平均受信信号レベルと異なる最大受信信号レベルから閾値電圧Vthを生成した場合でも適切な閾値信号を生成できる。よって、受信信号レベルの変動により最大受信信号が入力された場合にも適切な閾値信号を生成でき、相手側の第1の無線装置では、誤りのない受信信号の判定を行うことが可能になる。
(第4の実施の形態)
次に、図5に、この発明の第3実施形態に係る無線装置を示す。この無線装置410は、第1実施形態の第2の無線装置110の一例に相当する。
次に、図5に、この発明の第3実施形態に係る無線装置を示す。この無線装置410は、第1実施形態の第2の無線装置110の一例に相当する。
この無線装置410は、無線変調信号を送受信するアンテナ401と、受信動作と送信動作を切り替える切り替えスイッチ402と、アンテナ401で受信した無線変調信号を復調信号に変換すると共に受信した無線変調信号のレベルに応じた出力信号を出力する出力端子404を有する受信回路403を備える。
また、この無線装置410は、送信信号を無線変調信号に変換してアンテナ401に送信する送信回路409と、メモリ回路406と、入力された情報に基づいて上限閾値信号と下限閾値信号とを生成して出力する閾値計算回路411とを備える。また、この無線装置410は、送信回路409へ入力する送信信号を制御すると共に受信回路403からの復調信号を処理する制御部としてのCPU405を備える。このCPU405は、受信回路403の出力端子404から入力された出力信号から受信信号強度情報を生成してメモリ回路406に記憶させる。また、このCPU405は、メモリ回路406に所定の複数の受信信号強度情報を記憶させた時にメモリ回路406にアクセスして上記複数の受信信号強度情報を読み出して閾値計算回路411に入力する。また、このCPU405は、閾値計算回路411が上記複数の受信信号強度情報に基づいて生成した上限閾値信号と下限閾値信号を送信回路409に出力する。
この第4実施形態の無線装置410では、通信相手となる第1の無線装置から受信した複数の無線変調信号のレベルに応じた出力信号を受信回路403の出力端子から出力し、CPU405はこの出力信号から受信信号強度情報を生成してメモリ回路406に記憶させる。そして、無線装置410が第1の無線装置から複数回受信することで、CPU405は複数の受信信号強度情報をメモリ回路406に記憶させる。そして、閾値計算回路411は、メモリ回路に記憶された複数の受信信号強度情報に基づいて、上限閾値信号と下限閾値信号を生成する。
ここで、図6を参照して、閾値計算回路411が、複数の受信信号強度情報に基づいて、上限閾値信号と下限閾値信号を生成する一例を説明する。
図6に示すように、複数回の受信により、受信回路403の出力端子404からCPUに入力される複数の出力信号が表す複数の受信信号レベルの最大値をPrmaxとし、最小値をPrminとしている。
そして、この複数回の受信により、CPU405が生成した受信信号強度電圧の内、最大値をVmax、最小値をVminとすると、閾値計算回路411は下限閾値VthLを次式(6)により決定し、上限閾値VthHを次式(7)式より決定する。
VthL=Vmin−(Vmax−Vmin)/2 … (6)
VthH=Vmax+(Vmax−Vmin)/2 … (7)
VthL=Vmin−(Vmax−Vmin)/2 … (6)
VthH=Vmax+(Vmax−Vmin)/2 … (7)
この(6)、(7)式より閾値計算回路411が求めた上限閾値VthH、下限閾値VthLは、図6に示すように、受信入力レベルPrthH、受信入力レベルPrthLに対応しており、この受信入力レベルPrthH〜PrthLの範囲は、受信入力レベルの最小値Prminから最大値Prmaxの範囲を含んでいる。したがって、この無線装置410からの上限閾値VthH、下限閾値VthLによる閾値信号を受信した相手側の第1の無線装置は適切な受信信号判定を行うことが可能になる。
(第5の実施の形態)
次に、図7に、この発明の第5実施形態に係る無線装置を示す。この無線装置510は、第1実施形態の第2の無線装置110の一例に相当する。
次に、図7に、この発明の第5実施形態に係る無線装置を示す。この無線装置510は、第1実施形態の第2の無線装置110の一例に相当する。
この無線装置510は、前述の第4実施形態の無線装置410の変形例に相当し、アンテナ501,切り替えスイッチ502,送信回路509,受信回路504,閾値計算回路511,メモリ回路506,CPU505はそれぞれ無線装置410のアンテナ401,切り替えスイッチ402,送信回路409,受信回路404,閾値計算回路411,メモリ回路406,CPU405に相当する。したがって、この第5実施形態では、前述の第4実施形態と異なる点を主に説明する。
この無線装置510は、メモリ回路506からの下限閾値信号と下限閾値信号をD/A変換して下限基準信号と上限基準信号を生成するD/A回路507と、受信回路503の出力端子504から入力される出力信号とD/A回路507から入力される下限基準信号および上限基準信号とを比較して、この比較結果を表す判定信号をCPU505に出力するコンパレータ508とを備える。
この第5実施形態では、CPU505は、コンパレータ508から入力された判定信号に基づいて、受信回路504が受信した無線変調信号が受信すべき信号か否かを判定する。たとえば、出力端子504の出力信号の強度が、D/A回路507で変換した下限基準信号の強度と上限基準信号の強度の範囲外である場合は、コンパレータ508の判定信号がL(Low)レベルとなる。すると、CPU505は、受信信号(受信回路504に入力された無線変調信号)は希望する通信相手からの信号ではないと判定する。一方、出力端子504からの出力信号の強度が上記範囲内である場合は、コンパレータ508の出力がハイとなり、CPU505は受信信号が希望する通信相手であると判定することが可能になる。
ここで、図8Aの配置模式図に、この実施形態の無線装置510に相当する第2の無線装置610、この第2の無線装置610が通信相手とすべき第1の無線装置600、および、他の無線装置620,630の配置状態を示す。また、図8Bでは、符号(1)の点が、無線装置620からの受信信号による受信回路504の出力信号が表す受信入力レベルとこの受信入力レベルに対応する受信信号強度電圧を示している。また、符号(2)の点が、第1の無線装置600からの受信信号による受信回路504の出力信号が表す受信入力レベルとこの受信入力レベルに対応する受信信号強度電圧を示している。また、符号(3)の点が、無線装置630からの受信信号による受信回路504の出力信号が表す受信入力レベルとこの受信入力レベルに対応する受信信号強度電圧を示している。
ここで、説明を簡単にするために、無線装置620および無線装置630の送信電力は、第1の無線装置600の送信電力と同じとしている。
図8Aに示すように、第2の無線装置610に対して、他の無線装置620が最も近く、次に、第1の無線装置600が近く、無線装置630は第2の無線装置610から最も離れている。このため、第2の無線装置610における各無線装置620,600,630からの受信入力レベルと受信信号強度電圧はそれぞれ、図8Bに(1)点,(2)点,(3)点で示すようになる。すなわち、他の無線装置620の受信信号強度電圧は、上限閾値VthHよりも高く、他の無線装置630の受信信号強度電圧は下限閾値VthLよりも低くなる。また、第1の無線装置600の受信信号強度電圧は、下限閾値VthLよりも高く、上限閾値VthHよりも低くなる。
したがって、受信信号強度電圧Vrが第1の無線装置600に対応するものである場合は、下限閾値VthLに対して次式(8)を満たし、上限閾値VthHに対して次式(9)を満たす。つまり、受信すべき受信信号を受信している場合に次式(8),(9)の両方を満たす。一方、他の無線装置620,630からの受信信号を受信している場合は、次式(8),(9)のいずれか一方だけを満たす。
Vr≧VthL … (8)
Vr≦VthH … (9)
よって、受信信号判定の手順の一例としては、メモリ回路506から一定時間D/A回路507に下限閾値信号を送り、この下限閾値信号をD/A回路507で下限基準信号に変換してコンパレータ508に入力し、コンパレータ508では出力端子504からの出力信号と下限基準信号とを比較する。この比較の結果、出力信号の強度が下限基準信号の強度以下である場合に、コンパレータ508は例えばHレベル信号をCPU505に出力し、CPU505は上式(8)の条件が成立したことを確認する。次に、メモリ回路506から一定時間D/A回路507に上限閾値信号を送り、この上限閾値信号をD/A回路507で上限基準信号に変換してコンパレータ508に入力し、コンパレータ508では出力端子504からの出力信号と上限基準信号とを比較する。この比較の結果、出力信号の強度が上限基準信号の強度以下である場合に、コンパレータ508は例えばHレベル信号をCPU505に出力し、CPU505は上式(9)の条件が成立したことを確認する。
Vr≧VthL … (8)
Vr≦VthH … (9)
よって、受信信号判定の手順の一例としては、メモリ回路506から一定時間D/A回路507に下限閾値信号を送り、この下限閾値信号をD/A回路507で下限基準信号に変換してコンパレータ508に入力し、コンパレータ508では出力端子504からの出力信号と下限基準信号とを比較する。この比較の結果、出力信号の強度が下限基準信号の強度以下である場合に、コンパレータ508は例えばHレベル信号をCPU505に出力し、CPU505は上式(8)の条件が成立したことを確認する。次に、メモリ回路506から一定時間D/A回路507に上限閾値信号を送り、この上限閾値信号をD/A回路507で上限基準信号に変換してコンパレータ508に入力し、コンパレータ508では出力端子504からの出力信号と上限基準信号とを比較する。この比較の結果、出力信号の強度が上限基準信号の強度以下である場合に、コンパレータ508は例えばHレベル信号をCPU505に出力し、CPU505は上式(9)の条件が成立したことを確認する。
一方、上記出力信号の強度が下限基準信号の強度よりも小さい場合、または、上記出力信号の強度が上限基準信号の強度よりも大きい場合には、コンパレータ508はCPU505にLレベル信号を出力し、CPU505は受信信号が他の無線装置630または620からの無線変調信号であると判断する。
(第6の実施の形態)
図9は、この発明の第6実施形態に係る無線通信システムの構成図である。この第6実施形態の無線通信システムは、n個(nは自然数)の第1の無線装置700−1,700−2,700−3,700−4, …,700−nを備えると共に少なくとも1つの第2の無線装置710を備える。この無線通信システムでは、上記n個の第1の無線装置700−1〜700−nと上記第2の無線装置710とが1対N(Nは自然数)型無線送受信を行う。
図9は、この発明の第6実施形態に係る無線通信システムの構成図である。この第6実施形態の無線通信システムは、n個(nは自然数)の第1の無線装置700−1,700−2,700−3,700−4, …,700−nを備えると共に少なくとも1つの第2の無線装置710を備える。この無線通信システムでは、上記n個の第1の無線装置700−1〜700−nと上記第2の無線装置710とが1対N(Nは自然数)型無線送受信を行う。
なお、このn個の第1の無線装置は前述の第1実施形態の第1の無線装置100もしくは第2実施形態の第1の無線装置200に対応している。また、この第2の無線装置710は前述の第5実施形態の第2の無線装置510に対応している。
そして、この第2の無線装置710は、上記n個の第1の無線装置700−1〜700−nが記憶する複数の閾値信号が表す閾値のうちで最小の閾値を表す閾値信号を下限閾値信号とし、上記n個の第1の無線装置700−1〜700−nが記憶する複数の閾値信号が表す閾値のうちで最大の閾値を表す閾値信号を上限閾値信号としている。
図9に示すように、この無線通信システムは1対N型通信を行うもので、1台の第2の無線装置710(一般的に基地局無線設備と呼ばれる)に対して、n個の第1の無線装置700−1〜700−n(一般的に子局無線設備と呼ばれる)が無線通信を行う。この第6実施形態では、仮に、第2の無線装置710が1つの第1の無線装置が記憶する閾値信号のみに基づいて受信信号判定した場合には、他の第1の無線装置と無線通信ができなくなる場合が生じる。例えば、仮に、基地局である第2の無線装置710が子局2である第1の無線装置700−2からの受信信号に基づいて閾値を決めた場合、子局2からの受信信号に基づいて決まる下限閾値と上限閾値の範囲外の閾値に対応する子局4,子局nからの受信信号を受信すべき信号であると判定しなくなる。この場合、基地局である第2の無線装置710が受信すべき信号と判定する範囲は、図9に斜線で示した領域に存在する子局である無線装置700−1,700−2,700−3等に限られる。
これを回避するために、この実施形態の無線通信システムでは、以下に説明する方法を採用している。すなわち、子局nである無線装置700−(i)が記憶している下限閾値をVthL(i)、上限閾値をVthH(i)とする。ここで、(i)は1からnまでのn個の子局1〜nに対応する。また、第2の無線装置710が有するメモリ回路506には子局と通信する毎に、その子局が記憶している下限閾値と上限閾値を記憶,保持していく。そして、第2の無線装置710では、その下限閾値を次式(10)により決め、上限閾値を次式(11)式により決める。なお、次式(10)において、min{}は{}内の最小値を表し、max{}は{}内の最大値を表している。
VthL=min{VthL1,VthL2, … ,VthLn} … (10)
VthH=max{VthH1,VthH2, … ,VthHn} … (11)
VthL=min{VthL1,VthL2, … ,VthLn} … (10)
VthH=max{VthH1,VthH2, … ,VthHn} … (11)
この(10),(11)式によって、第2の無線装置110がメモリ回路506に記憶する下限閾値と上限閾値を決めることで、1からnの全ての子局との通信において、受信信号を受信すべき信号であると判定することが可能になる。
(第7の実施の形態)
次に、図10に、この発明の第7実施形態に係る無線装置を示す。この第7実施形態の無線装置は、CPU205から受信回路203の電源制御が行われる点だけが、図2に示した第2実施形態の無線装置200と異なる。よって、この第7実施形態では、第2実施形態と異なる点を説明する。
次に、図10に、この発明の第7実施形態に係る無線装置を示す。この第7実施形態の無線装置は、CPU205から受信回路203の電源制御が行われる点だけが、図2に示した第2実施形態の無線装置200と異なる。よって、この第7実施形態では、第2実施形態と異なる点を説明する。
この第7実施形態では、CPU205が、コンパレータ208からの判定信号に基づいて受信回路203が受信した無線変調信号が受信すべき信号ではないと判断した場合、CPU205は制御信号を受信回路203に出力し、受信回路203の電源をオフする。よって、受信回路203が受信した無線変調信号が受信すべき信号ではない場合に、受信動作を停止でき、省電力化できる。
1,10,201,301,401,501 アンテナ
2,202,302,402,502 切り替えスイッチ
100A,203,303,403,503 受信回路
204,304,404,504 出力端子
205,305,405,505 CPU
206,406,506 メモリ回路
207,506 D/A回路
208,508 コンパレータ
110B,209,309,409,509 送信回路
311,411,511 閾値計算回路
100,200 第1の無線装置
110,310,410,510 第2の無線装置
2,202,302,402,502 切り替えスイッチ
100A,203,303,403,503 受信回路
204,304,404,504 出力端子
205,305,405,505 CPU
206,406,506 メモリ回路
207,506 D/A回路
208,508 コンパレータ
110B,209,309,409,509 送信回路
311,411,511 閾値計算回路
100,200 第1の無線装置
110,310,410,510 第2の無線装置
Claims (9)
- 無線変調信号を送受信する第1の無線装置と、
無線変調信号を送受信する第2の無線装置とを備え、
上記第2の無線装置は、
上記第1の無線装置から送信された無線変調信号を受信すると共に受信した無線変調信号の信号強度に基づいて生成した閾値信号を上記第1の無線装置に送信し、
上記第1の無線装置は、
上記第2の無線装置からの上記閾値信号による閾値情報を記憶すると共に上記閾値情報に基づいて、受信した無線変調信号が受信すべき信号であるのか否かの受信信号判定を行うことを特徴とする無線通信システム。 - 請求項1に記載の無線通信システムにおいて、
上記第1の無線装置は、
無線変調信号を送受信するアンテナと、
受信動作と送信動作を切り替える切り替えスイッチと、
上記アンテナで受信した無線変調信号を復調信号に変換すると共に上記受信した無線変調信号のレベルに応じた出力信号を出力する出力端子を有する受信回路と、
送信信号を無線変調信号に変換して上記アンテナに送信する送信回路と、
メモリ回路と、
上記送信回路へ入力する送信信号を制御すると共に上記受信回路からの復調信号を処理し、かつ、上記受信回路から入力される復調信号が含む上記閾値信号による閾値情報を上記メモリ回路に記憶させる制御部と、
上記メモリ回路から上記閾値情報が入力されると共に上記閾値情報をD/A変換して基準信号を生成するD/A回路と、
上記受信回路の出力端子からの出力信号と上記D/A回路からの基準信号とを比較して、この比較結果を表す判定信号を出力するコンパレータとを備えることを特徴とする無線通信システム。 - 請求項1に記載の無線通信システムにおいて、
上記第2の無線装置は、
無線変調信号を送受信するアンテナと、
受信動作と送信動作を切り替える切り替えスイッチと、
上記アンテナで受信した無線変調信号を復調信号に変換すると共に上記受信した無線変調信号のレベルに応じた出力信号を出力する出力端子を有する受信回路と、
送信信号を無線変調信号に変換して上記アンテナに送信する送信回路と、
上記受信回路が出力端子から出力する出力信号に基づいて閾値信号を生成する閾値計算回路と、
上記送信回路へ入力する送信信号を制御すると共に上記受信回路からの復調信号を処理し、かつ、上記閾値計算回路が生成する上記閾値信号を上記送信回路に出力する制御部とを備えることを特徴とする無線通信システム。 - 請求項1に記載の無線通信システムにおいて、
上記第2の無線装置は、
無線変調信号を送受信するアンテナと、
受信動作と送信動作を切り替える切り替えスイッチと、
上記アンテナで受信した無線変調信号を復調信号に変換すると共に上記受信した無線変調信号のレベルに応じた出力信号を出力する出力端子を有する受信回路と、
送信信号を無線変調信号に変換して上記アンテナに送信する送信回路と、
メモリ回路と、
入力された情報に基づいて上限閾値信号と下限閾値信号とを生成して出力する閾値計算回路と、
上記送信回路へ入力する送信信号を制御すると共に上記受信回路からの復調信号を処理し、かつ、上記受信回路の出力端子から入力された出力信号から受信信号強度情報を生成して上記メモリ回路に記憶させると共に上記メモリ回路に所定の複数の受信信号強度情報を記憶させた時に上記メモリ回路にアクセスして上記複数の受信信号強度情報を読み出して上記閾値計算回路に入力すると共に上記閾値計算回路が上記複数の受信信号強度情報に基づいて生成した上限閾値信号と下限閾値信号を上記送信回路に出力する制御部とを備えることを特徴とする無線通信システム。 - 請求項1に記載の無線通信システムにおいて、
上記第2の無線装置は、
無線変調信号を送受信するアンテナと、
受信動作と送信動作を切り替える切り替えスイッチと、
上記アンテナで受信した無線変調信号を復調信号に変換すると共に上記受信した無線変調信号のレベルに応じた出力信号を出力する出力端子を有する受信回路と、
送信信号を無線変調信号に変換して上記アンテナに送信する送信回路と、
メモリ回路と、
入力された情報に基づいて上限閾値信号と下限閾値信号とを生成して出力する閾値計算回路と、
上記送信回路へ入力する送信信号を制御すると共に上記受信回路からの復調信号を処理し、かつ、上記受信回路の出力端子から入力された出力信号から受信信号強度情報を生成して上記メモリ回路に記憶させると共に上記メモリ回路に所定の複数の受信信号強度情報を記憶させた時に上記メモリ回路にアクセスして上記複数の受信信号強度情報を読み出して上記閾値計算回路に入力すると共に上記閾値計算回路が上記複数の受信信号強度情報に基づいて生成した上限閾値信号と下限閾値信号を上記送信回路に出力する制御部と
上記メモリ回路からの上記下限閾値信号と下限閾値信号をD/A変換して基準信号を生成するD/A回路と、
上記受信回路の出力端子から入力される出力信号と上記D/A回路から入力される基準信号とを比較して、この比較結果を表す判定信号を出力するコンパレータとを備えることを特徴とする無線通信システム。 - 請求項1に記載の無線通信システムにおいて、
上記第1の無線装置を複数備えると共に上記第2の無線装置を少なくとも1つ備え、上記第1の無線装置と上記第2の無線装置とが1対N(Nは自然数)型無線送受信を行い、
上記第2の無線装置は、
上記複数の第1の無線装置が記憶する複数の閾値信号が表す閾値のうちで最小の閾値を表す閾値信号を下限閾値信号とし、上記複数の第1の無線装置が記憶する複数の閾値信号が表す閾値のうちで最大の閾値を表す閾値信号を上限閾値信号とすることを特徴とする無線通信システム。 - 請求項1に記載の無線通信システムにおいて、
上記第1の無線装置は、
上記受信信号判定の結果、上記受信した無線変調信号が受信すべき信号ではないと判定した場合、受信動作を停止することを特徴とする無線通信システム。 - 無線信号を送受信する一方、受信した閾値信号に基づいて、受信した無線変調信号が受信すべき信号であるのか否かの受信信号判定を行う無線装置であって、
無線変調信号を送受信するアンテナと、
受信動作と送信動作を切り替える切り替えスイッチと、
上記アンテナで受信した無線変調信号を復調信号に変換すると共に上記受信した無線変調信号のレベルに応じた出力信号を出力する出力端子を有する受信回路と、
送信信号を無線変調信号に変換して上記アンテナに送信する送信回路と、
メモリ回路と、
上記送信回路へ入力する送信信号を制御すると共に上記受信回路からの復調信号を処理し、かつ、上記受信回路から入力される復調信号が含む上記閾値信号による閾値情報を上記メモリ回路に記憶させる制御部と、
上記メモリ回路から上記閾値情報が入力されると共に上記閾値情報をD/A変換して基準信号を生成するD/A回路と、
上記受信回路の出力端子からの出力信号と上記D/A回路からの基準信号とを比較して、この比較結果を表す判定信号を出力するコンパレータとを備えることを特徴とする無線装置。 - 無線信号を送受信する一方、受信した無線変調信号の信号強度に基づいて生成した閾値信号を送信する無線装置であって、
無線変調信号を送受信するアンテナと、
受信動作と送信動作を切り替える切り替えスイッチと、
上記アンテナで受信した無線変調信号を復調信号に変換すると共に上記受信した無線変調信号のレベルに応じた出力信号を出力する出力端子を有する受信回路と、
送信信号を無線変調信号に変換して上記アンテナに送信する送信回路と、
上記受信回路が出力端子から出力する出力信号に基づいて閾値信号を生成する閾値計算回路と、
上記送信回路へ入力する送信信号を制御すると共に上記受信回路からの復調信号を処理し、かつ、上記閾値計算回路が生成する上記閾値信号を上記送信回路に出力する制御部とを備えることを特徴とする無線装置。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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- 2006-12-11 JP JP2006333137A patent/JP2008148018A/ja active Pending
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