JP2008148001A - 超音波発生装置及びパラメトリックスピーカ - Google Patents

超音波発生装置及びパラメトリックスピーカ Download PDF

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Abstract

【課題】発生音圧を大きくすることができる超音波発生装置と、十分な再生音圧で、安定した音響再生が可能なパラメトリックスピーカを提供する。
【解決手段】超音波発生装置10は、熱導電性の基板1と、基板1の一方の面に形成された断熱層2と、断熱層2上に形成され、電気的に駆動されて熱を発生する発熱体薄膜3とを有する。さらに、超音波発生装置10は、基板1の発熱体薄膜3を形成した発熱体形成面1a側に配置され、発熱体薄膜3で発生した熱により発生する超音波が伝播する一端4aが開放された開放音響管4を備える。発熱体薄膜3が発生した熱により発生する超音波は開放音響管4内を伝播して外部へ放出される。このとき、発生した超音波は開放音響管4の共鳴作用により共鳴し、発生音圧が大きくなる。
【選択図】図1

Description

この発明は、空気に熱を与えることで空気の粗密を作り、超音波を発生する超音波発生装置、及びこの超音波発生装置を用いたパラメトリックスピーカに関する。
従来より各種の超音波発生装置が知られている。これらの超音波発生装置は、電気火花や流体振動を用いる特殊な物を除いて、すべて何らかの機械振動を空気の振動に変換するものである。このような機械振動を用いる方法は、超音波領域では圧電素子を利用したものが主流である。例えば、圧電材料であるチタン酸バリウムの両面に電極を形成し、電極間に超音波電気信号を印加することで、機械振動を発生させ、空気などの媒質にその振動を伝達して超音波を発生するようにしている。
また、機械振動を全く介さない新しい発生原理の超音波発生装置が提案されている(例えば、特許文献1乃至6、及び非特許文献参照)。例えば、特許文献1などに記載された超音波発生装置は、基板と、基板上に設けられた熱絶縁層(断熱層)と、熱絶縁層上に設けられ、電気的に駆動される発熱体とを備える。熱伝導率の小さい多孔質層や高分子層などの熱絶縁層により発熱体を基板から熱的に絶縁することにより、発熱体表面の空気層の温度変化が大きくなるようにして、超音波を発生するようにしている。
特開平11−300274号公報 特開2002−186097号公報 特開2004−147311号公報 特開2005−73197号公報 特開2005−269745号公報 Nature 400(1999) 835-855
ところで、上述した圧電素子を利用した超音波発生装置では、120dB以上の高温圧を発生することができるが、固有の共振周波数で機械振動するために耐久性の問題や、周囲の環境(温度、振動)等の影響を受け易く、微細化・アレイ化が困難であるという問題があった。
また、上記特許文献1などに記載された超音波発生装置は、機械振動を伴わないので再生周波数帯域が広く、周囲環境の変化を受けにくく、微細化・アレイ化も比較的容易である。しかし、この超音波発生装置では、例えば30cm位置で100dB程度の音圧レベルしか得られないため、空気の非線形性を利用し、120dB以上の再生音圧を必要とするパラメトリックスピーカ用デバイスとして利用することは困難であった。また、発熱体を使用したこの超音波発生装置では、発生音圧は印加電力密度に比例するが、印加電力が大きくなると金属膜からなる発熱体にクラックが発生し、断線してしまい、十分な音圧を得ることができず、安定したデバイスとしては問題があった。
本発明は、このような従来の問題点に着目してなされたもので、その目的は、発生音圧を大きくすることができる超音波発生装置を提供することにある。
また、本発明の別の目的は、十分な再生音圧で、安定した音響再生が可能なパラメトリックスピーカを提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明の第1の態様に係る超音波発生装置は、熱導電性の基板と、該基板の一方の面に形成された断熱層と、該断熱層上に形成され、電気的に駆動されて熱を発生する発熱体とを有する超音波発生装置であって、前記熱導電性の基板の前記発熱体を形成した側に、前記発熱体で発生した熱により発生する超音波を伝播する一端が開放された開放音響管が配置されていることを特徴とする。
この態様によると、発熱体が発生した熱により発生する超音波は開放音響管内を伝播して外部へ放出されるが、このとき、発生した超音波は開放音響管の共鳴作用により特定の周波数で共鳴し、発生音圧を大きくすることができる。したがって、空気の非線形性を利用し、120dB以上の高い再生音圧を必要とするパラメトリックスピーカ用デバイスとして利用することが可能になる。
また、上記特許文献1などに記載された従来技術のように開放音響管が無い超音波発生装置では、発熱体で発生した熱は自由空間の空気層に温度変化を与える。これに対して、この態様に係る超音波発生装置では、発熱体で発生した熱は、開放音響管内の限られた空間の空気層に温度変化、例えば超音波周期の温度変化を与え、超音波などの圧力波を発生させるので、上記従来技術よりも、発熱体表面の温度変化の最初の立ち上がりを早くすることができる。これにより、超音波発生効率が上記従来技術よりも高くなり、発熱体の表面に接する空気層に伝達される圧力波エネルギーも大きくなるので、パラメトリックスピーカに利用するのにより適した超音波発生装置を実現することができる。
本発明の他の態様に係る超音波発生装置は、前記開放音響管は、同軸に配置された複数個の開放音響管を含むことを特徴とする。
この態様によると、開放音響管の開口径(内径)がその軸方向の長さ(管長)と同等になると、開放音響管の軸方向に垂直な面内での共鳴(径方向の共鳴)も顕著に現れる場合がある。そこで、この態様のように複数個の開放音響管を同軸に配置することにより、径方向の共鳴を抑えることが可能になり、その結果、軸方向の共鳴のみが強調されるようになる。
本発明の他の態様に係る超音波発生装置は、前記開放音響管は、外側の開放音響管と、該外側の開放音響管の内部にその軸を中心に配置された複数個の開放音響管とを含むことを特徴とする。
この態様によると、開放音響管の開口径(内径)がその軸方向の長さ(管長)と同等になると、開放音響管の軸方向に垂直な面内での共鳴(径方向の共鳴)も顕著に現れる場合がある。そこで、外側の開放音響管と、この内部に配置された複数個の開放音響管とを備え、これら複数個の開放音響管を外側の開放音響管の軸を中心に配置することにより、径方向の共鳴を抑えることが可能になり、その結果、軸方向の共鳴のみが強調されるようになる。
本発明の他の態様に係る超音波発生装置は、複数個の前記開放音響管は軸方向の長さが異なることを特徴とする。
この態様によると、複数個の開放音響管の軸方向の長さを異ならせることで、開放音響管の共鳴作用による共鳴周波数の種類を増やすことができる。
本発明の他の態様に係る超音波発生装置は、前記断熱層は多孔質薄膜であり、該多孔質薄膜は1層又は少なくとも2層以上からなる多層構造であることを特徴とする。
この態様によると、基板上に形成される断熱層と、この断熱層上に形成される金属膜などから構成される発熱体とを、従来の半導体集積回路製造技術を利用して容易に製造することができる。
本発明の他の態様に係る超音波発生装置は、前記断熱層が樹脂或いは発泡樹脂からなることを特徴とする。
この態様によると、基板上に形成される断熱層を、従来の半導体集積回路製造技術を利用して容易に製造することができる。
本発明の他の態様に係る超音波発生装置は、前記開放音響管の他端側の開放端が前記断熱層で塞がれるように、前記開放音響管の他端が前記基板の発熱体形成面に固定されていることを特徴とする。
この態様によると、基板の発熱体形成面は開放音響管内の空気層に接していないので、発熱体で発生した熱は基板に直接伝わらず、断熱層により熱的に絶縁される。これにより、断熱層による断熱効果が向上し、これによっても発熱体表面の温度変化の最初の立ち上がりを早くすることができる。
本発明の第2の態様に係るパラメトリックスピーカは、上記態様のいずれか一つに記載の超音波発生装置と、音声信号やオーディオ信号などの音信号を発生する音信号発生器と、超音波発生器と、該超音波発生器から出力される超音波を前記音信号で振幅変調する変調器と、該変調器からの変調波を増幅する増幅器と、を備え、前記増幅器で増幅された変調波を前記超音波発生装置の前記発熱体に入力することを特徴とする。
この態様によると、発生音圧を大きくすることができる超音波発生装置を用いることで、十分な再生音圧で、安定した音響再生が可能なパラメトリックスピーカを実現することができる。ここで、「音信号」は音声信号やオーディオ信号などの信号である。
請求項1に記載の発明によれば、発生音圧を大きくすることができる超音波発生装置を実現できる。
請求項8に記載の発明によれば、十分な再生音圧で、安定した音響再生が可能なパラメトリックスピーカを実現できる。
以下、本発明の各実施形態に係る超音波発生装置及び超音波発生装置を用いたパラメトリックスピーカの一実施形態を図面に基づいて説明する。
(第1の実施形態)
本発明の第1実施形態に係る超音波発生装置10を、図1乃至図3に基づいて説明する。
図1に示す超音波発生装置10は、熱導電性の基板1と、この基板1の一方の面に形成された断熱層2と、この断熱層2上に形成され、電気的に駆動されて熱を発生する発熱体としての発熱体薄膜3とを有する。さらに、この超音波発生装置10は、熱導電性の基板1の発熱体薄膜3を形成した側(発熱体形成面1a側)に配置され、発熱体薄膜3で発生した熱により発生する超音波が伝播する一端4aが開放された開放音響管4を備える。
断熱層2は、樹脂又は発泡樹脂からなり、発熱体薄膜3の外径より十分大きな外径を有している。断熱層2は、例えば、有機溶剤に溶解する成分で構成された多孔質薄膜である。この多孔質薄膜は、1層又は少なくとも2層以上からなる多重構造である。また、その多孔質薄膜の厚さは、10μm以下であるのが望ましい。
発熱体薄膜3は、電気的に駆動されて熱を発生する金属膜からなる。
開放音響管4は、その一端4aと他端4bとが開放した円筒体で、例えば樹脂或いは発泡樹脂で作製されている。開放音響管4は、断熱層2の外径と略同じか或いはその外径よりも大きい内径を有する。また、開放音響管4は、断熱層2とこの上に形成された発熱体薄膜3とが内部に存在するように、その他端4bを基板1の発熱体形成面1aに接着などにより固定して配置されている。
本実施形態に係る超音波発生装置10は、電気的に駆動されて発熱体薄膜3で発生した熱により発生する超音波が、開放音響管4内を伝播し、開放音響管4により特定の周波数で共鳴するようになっている。
開放音響管4による共鳴について、図2及び図3を参照して説明する。なお、図2は、図1に示す発熱体薄膜3と同様の発熱体薄膜3aを開放音響管4の他端4b側の開放端を塞ぐように配置して、この発熱体薄膜3aを駆動速度V0の正弦波で駆動した場合の状態を示す模式図である。
図2において、開放音響管4による共鳴周波数は次式で表される。
f(n)=(2n−1)c/4L (n=1,2,3,・・・)
ただし、cは音速、Lは開放音響管4の長さである。
上の式から、開放音響管4は複数の周波数で共鳴し、それらの周波数は順に、f(1)=c/4L、f(2)=3c/4L、f(3)=5c/4L、・・・となり、共鳴はf(1)及びその奇数倍の周波数で生じることが分かる。これらの共鳴周波数における共鳴状態の概念図を図3で示している。このように、発熱体薄膜3によって発生した超音波の音圧は、開放音響管4内を伝播し、開放音響管4の共鳴作用によって著しく増大されるようになっている。
また、本実施形態に係る超音波発生装置10は、開放音響管4の内部に配置された発熱体薄膜3で発生した熱を、同じく内部に配置された断熱層2により基板1から熱的に絶縁するように構成されている。そして、開放音響管4の他端4b側の開放端が断熱層2で塞がれるように、開放音響管4の他端4bが基板1の発熱体形成面1aに固定されている。つまり、基板1の発熱体形成面1aは開放音響管4内の空気層に接していないので、発熱体薄膜3で発生した熱は基板1に直接伝わらず、断熱層2により熱的に絶縁されるようになっている。
以上のように構成された第1実施形態によれば、以下の作用効果を奏する。
○発熱体薄膜3が発生した熱により発生する超音波は開放音響管4内を伝播して外部へ放出されるが、このとき、発生した超音波は開放音響管4の共鳴作用により上の式で表される共鳴周波数で共鳴し、発生音圧を大きくすることができる。
○超音波発生装置10を、空気の非線形性を利用し、120dB以上の高い再生音圧を必要とするパラメトリックスピーカ用デバイスとして利用することが可能になる。
○開放音響管4が無い上記従来の超音波発生装置では、発熱体薄膜で発生した熱は自由空間の空気層に温度変化を与える。これに対して、本実施形態に係る超音波発生装置10では、発熱体薄膜3で発生した熱は、開放音響管4内の限られた空間の空気層に温度変化、例えば超音波周期の温度変化を与え、超音波などの圧力波を発生させるので、開放音響管4が無い従来の超音波発生装置よりも、発熱体薄膜3表面の温度変化の最初の立ち上がりを早くすることができる。これにより、超音波発生効率が従来の超音波発生装置よりも高くなり、発熱体薄膜3の表面に接する空気層に伝達される圧力波エネルギーも大きくなるので、パラメトリックスピーカに利用するのに適した超音波発生装置を実現することができる。
○断熱層2は多孔質薄膜であり、この多孔質薄膜は1層又は少なくとも2層以上からなる多層構造であるので、基板1上に形成される断熱層2と、この断熱層2上に形成される金属膜から構成される発熱体薄膜3とを、従来の半導体集積回路製造技術を利用して容易に製造することができる。
○断熱層が樹脂或いは発泡樹脂で作製されているので、基板1上に形成される断熱層2を、従来の半導体集積回路製造技術を利用して容易に製造することができる。
○基板1の発熱体形成面1aは開放音響管4内の空気層に接していないので、発熱体薄膜3で発生した熱は基板1に直接伝わらず、断熱層2により熱的に絶縁されるので、断熱層2による断熱効果が向上し、これによっても発熱体薄膜3表面の温度変化の最初の立ち上がりを早くすることができる。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2実施形態に係る超音波発生装置10Aを、図4(A)及び図4(B)に基づいて説明する。
上記第1実施形態に係る超音波発生装置10は一つの開放音響管4を備えている。これに対して、本実施形態に係る超音波発生装置10Aは、同軸に配置された複数個の開放音響管を備えている。つまり、この超音波発生装置10Aは、第1実施形態の開放音響管4と、この内部に配置された2つの開放音響管41,42とを備える。これら3つの開放音響管4,41,42は、互いに同軸に配置されている。また、3つの開放音響管4,41,42は、同じ軸方向の長さLを有している。
以上のように構成された第2実施形態によれば、上記第1実施形態の奏する作用効果に加えて以下の作用効果を奏する。
○開放音響管4の開口径(内径)がその軸方向の長さ(管長)Lと同等になると、開放音響管4の軸方向に垂直な面内での共鳴(径方向の共鳴)も顕著に現れる場合がある。そこで、本実施形態のように3つの開放音響管4,41,42を同軸に配置することにより、径方向の共鳴を抑えることが可能になり、その結果、軸方向の共鳴のみが強調されるようになる。
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3実施形態に係る超音波発生装置10Bを、図5(A)及び図5(B)に基づいて説明する。この超音波発生装置10Bは、第1実施形態の開放音響管4と、この内部に配置された7個の開放音響管51,52とを備える。これら7個の開放音響管51,52は、外側の開放音響管4の軸を中心に対称に配置されている。
つまり、これら7個の開放音響管51,52は同じ大きさと形状を有する同一の管で、開放音響管51は開放音響管4の中心に、6つの開放音響管52は開放音響管4と開放音響管51の間に互いに接するように配置されている。このように、本実施形態では、7個の開放音響管51,52は、開放音響管4内で、開放音響管51を中心にいわゆるたわら積みで配置されている。また、7個の開放音響管51,52は、開放音響管4と同じ軸方向の長さLを有している。
以上のように構成された第3実施形態によれば、上記第1実施形態の奏する作用効果に加えて以下の作用効果を奏する。
○開放音響管4の開口径がその軸方向の長さLと同等になると、開放音響管4の軸方向に垂直な面内での共鳴(径方向の共鳴)も顕著に現れる場合がある。そこで、外側の開放音響管4と、この内部に配置された7個の開放音響管51,52とを備え、これら7個の開放音響管51,52を外側の開放音響管4の軸を中心に対称に配置することにより、径方向の共鳴を抑えることが可能になり、その結果、軸方向の共鳴のみが強調されるようになる。
(パラメトリックスピーカの一実施形態)
図6は、上記各実施形態で説明した超音波発生装置を用いたパラメトリックスピーカの一実施形態を示している。なお、本実施形態に係るパラメトリックスピーカ20では、一例として、図1に示す超音波発生装置10を用いている。
パラメトリックスピーカ20は、超音波発生装置10と、オーディオ信号を発生する音信号発生器としての音響信号発生器21と、搬送波としての超音波を発生する超音波発生器22と、この超音波発生器22から出力される超音波をオーディオ信号で振幅変調する変調器23と、この変調器23からの変調波を増幅する増幅器としてのパワーアンプ24と、を備える。パワーアンプ24で増幅された変調波は、超音波発生装置10の発熱体薄膜3(図1参照)に入力されるようになっている。
このパラメトリックスピーカ20では、変調器23は、超音波発生器22から出力される超音波を音響信号発生器21から出力されるオーディオ信号で振幅変調して変調波を生成し、この変調波はパワーアンプ24で増幅されて超音波発生装置10の発熱体薄膜3の図示を省略した入力端子に入力される。この変調波の入力信号により発熱体薄膜3が電気的に駆動され、熱を発生する。発熱体薄膜3で発生した熱により発生する超音波が、超音波発生装置10の開放音響管4(図1参照)内を伝播し、開放音響管4により上の式で表される共鳴周波数で共鳴する。このように、発熱体薄膜3によって発生した超音波の音圧(発生音圧)は、開放音響管4内を伝播し、開放音響管4の共鳴作用によって著しく増大される。
以上のように構成されたパラメトリックスピーカによれば、以下の作用効果を奏する。
○発生音圧を大きくすることができる超音波発生装置を用いることで、十分な再生音圧で、安定した音響再生が可能なパラメトリックスピーカを実現することができる。
(変形例)
なお、この発明は以下のように変更して具体化することもできる。
・上記第1実施形態では、発熱体薄膜3として開放音響管4の内径より小さいものを用いているが、その発熱体薄膜として開放音響管4の内径と同程度の大きさを有するものを用い、その発熱体薄膜が開放音響管4の他端4b側の開放端を塞ぐように配置した構成にも本発明は適用可能である。
・上記第2実施形態では、3つの開放音響管4,41,42を互いに同軸に配置した構成の超音波発生装置10Aを一例として説明したが、2つ以上の開放音響管を同軸に配置した構成の超音波発生装置10Aにも本発明は適用可能である。
・上記第3実施形態では、外側の開放音響管4と、この内部に配置された7個の開放音響管51,52とを備える超音波発生装置10Bを一例として説明したが、開放音響管4内部に配置する開放音響管は7個に限らず、2以上の複数個を中心に対称に配置した構成にも本発明は適用可能である。
・上記第2実施形態と第3実施形態とを組み合わせた構成の超音波発生装置にも本発明は適用可能である。つまり、外側の開放音響管4と、この開放音響管4内部に同軸に配置した複数個の開放音響管と、これら複数個の開放音響管の間の空間にそれぞれは位置した複数個の開放音響管とを備える構成の超音波発生装置にも本発明は適用可能である。
・上記一実施形態に係るパラメトリックスピーカ20では、図1に示す超音波発生装置10を用いているが、この超音波発生装置10に代えて、図4に示す超音波発生装置10A或いは図5に示す超音波発生装置10Bを用いても良い。
・上記一実施形態に係るパラメトリックスピーカ20では、オーディオ信号を発生する音響信号発生器21を用いているが、この音響信号発生器21に代えて、音声信号などの「音信号」を発生する音響信号発生器を用いても良い。
第1実施形態に係る超音波発生装置を示す縦断面図。 同超音波装置において開放音響管の他端で発熱体薄膜を駆動速度V0の正弦波で駆動した場合の状態を示す模式図。 同開放音響管による共鳴状態を示す概念図。 (A)は第2実施形態に係る超音波発生装置を示す縦断面図、(B)は図4(A)のB−B矢視断面図。 (A)は第3実施形態に係る超音波発生装置を示す縦断面図、(B)は図5(A)のC−C矢視断面図。 一実施形態に係るパラメトリックスピーカの構成を示すブロック図。
符号の説明
1:基板、 1a:発熱体形成面、 2:断熱層、 3:発熱体薄膜(発熱体)、
4,41,42,51,52:開放音響管、 4a:開放音響管の一端、 4b:開放音響管の他端、 10,10A,10B:超音波発生装置、 20:パラメトリックスピーカ。

Claims (8)

  1. 熱導電性の基板と、該基板の一方の面に形成された断熱層と、該断熱層上に形成され、電気的に駆動されて熱を発生する発熱体とを有する超音波発生装置であって、
    前記熱導電性の基板の前記発熱体を形成した側に、前記発熱体で発生した熱により発生する超音波を伝播する一端が開放された開放音響管が配置されていることを特徴とする超音波発生装置。
  2. 前記開放音響管は、同軸に配置された複数個の開放音響管を含むことを特徴とする請求項1に記載の超音波発生装置。
  3. 前記開放音響管は、外側の開放音響管と、該外側の開放音響管の内部にその軸を中心に配置された複数個の開放音響管とを含むことを特徴とする請求項1に記載の超音波発生装置。
  4. 複数個の前記開放音響管は軸方向の長さが異なることを特徴とする請求項2又は3に記載の超音波発生装置。
  5. 前記断熱層は多孔質薄膜であり、該多孔質薄膜は1層又は少なくとも2層以上からなる多層構造であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一つに記載の超音波発生装置。
  6. 前記断熱層が樹脂或いは発泡樹脂からなることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一つに記載の超音波発生装置。
  7. 前記開放音響管の他端側の開放端が前記断熱層で塞がれるように、前記開放音響管の他端が前記基板の発熱体形成面に固定されていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一つに記載の超音波発生装置。
  8. 請求項1乃至7のいずれか一つに記載の超音波発生装置と、音声信号やオーディオ信号などの音信号を発生する音信号発生器と、超音波発生器と、該超音波発生器から出力される超音波を前記音信号で振幅変調する変調器と、該変調器からの変調波を増幅する増幅器と、を備え、前記増幅器で増幅された変調波を前記超音波発生装置の前記発熱体に入力することを特徴とするパラメトリックスピーカ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2015120168A (ja) * 2015-03-30 2015-07-02 三菱電機株式会社 超音波発生装置及び排煙装置

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