JP2008147599A - 電気二重層キャパシタ - Google Patents

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Abstract

【課題】製造が容易であり、高エネルギー密度化を図れる電気二重層キャパシタを提供する。
【解決手段】正極10と負極12とがセパレータ14を介して積層配置されており、所定の電解液が含浸されて電気二重層キャパシタとして動作する。また、正極10及び負極12には、それぞれ端子電極16、18が設けられており、端子電極16同士及び端子電極18同士で電気的に接続されて正極端子及び負極端子として外部と接続される。上記正極10は、表裏を貫通する貫通孔を複数有する金属基板を正極集電体とし、これに分極性活物質を担持して構成されており、セパレータ14を介さずに連続して積層されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、電気二重層キャパシタの電極構造の改良に関する。
電気二重層キャパシタは、高速充放電が可能であり、比較的長寿命であるという特徴があるが、エネルギー密度が低いという問題があった。そこで、下記特許文献1には、多孔質アルミニウムまたは多孔質ニッケルを分極性電極の集電体として使用し、高エネルギー密度化を図った電気二重層キャパシタが開示されている。このように、集電体として多孔質金属を使用すると、分極性活物質が多孔質金属の孔の中に担持されるので、分極性活物質の担持量を多くしても分極性活物質層の厚さが厚くならず、分極性活物質と集電体との距離を小さく維持できる。このため、電気二重層かキャパシタの総体積を変えずに内部抵抗の上昇を抑制しつつ分極性活物質の担持量を多くして、高エネルギー密度化を図ることができる。
特開平8−339941号公報
しかし、上記従来の技術の電気二重層キャパシタにおいては、高エネルギー密度化できるものの寿命性能が実用的なレベルであるとは言えず、また正負極の両方の集電体に多孔質金属を使用しているが、正極に使用される金属であるアルミニウムは、多孔質に加工することが困難であるという問題があった。
本発明は、上記従来の課題に鑑みなされたものであり、その目的は、製造が容易である電気二重層キャパシタを提供することにあり、特に高エネルギー密度化と同時に長寿命化をも図れる電気二重層キャパシタを提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明は、セパレータを介して積層配置された正極及び負極を備える電気二重層キャパシタであって、少なくとも前記正極がアルミニウム90質量%以上含む金属基板と分極性活物質とを備え、前記負極がニッケルを10質量%以上含む金属基板と分極性活物質とを備え、前記正極の金属基板は表裏を貫通する貫通孔を複数有する金属基板であり、前記正極が複数連続して積層されていることを特徴とする。
ここで、前記負極の金属基板も表裏を貫通する貫通孔を複数有する金属基板であるのが好適である。
また、前記表裏を貫通する貫通孔を複数有する金属基板の開口率が30〜50%であるのが好適である。
また、前記負極の金属基板が、さらにクロムを15〜20質量%含む合金であるのが好適である。
また、前記負極の金属基板が、さらにモリブデンを5〜30質量%含む合金であるのが好適である。
また、前記負極の金属基板が、さらにタングステンを1質量%以上含む合金であるのが好適である。
また、負極の表面が炭素あるいは珪素を含む厚さ0.01〜10μmの層で被覆されていてもよい
また、負極の表面が無機酸化物を含む厚さ0.01〜10μmの層で被覆されていてもよい。
また、負極も複数連続して積層されていてもよい。
また、前記正極の金属基板が、さらに炭素または珪素を0.1〜10質量%含むアルミニウム合金であるのが好適である。
また、前記正極金属基板のアルミニウム合金が、さらにチタン、亜鉛、マグネシウム、マンガンから選ばれる少なくとも一種を0.1〜10質量%含むアルミニウム合金であるのが好適である。
また、前記正極は、前記セパレータを介さずに複数連続して積層されていてもよい。
また、前記正極は、前記セパレータを介して複数連続して積層されていてもよい。
さらには、前記正極の静電容量に対する前記負極の静電容量の比が0.5〜2.5であると好適である。
以上の各構成によれば、少なくとも正極に、表裏を貫通する貫通孔を複数有すしアルミニウムを含む金属基板を集電体として使用することにより、集電体の製造を容易に行うことができ、この電極を複数連続して積層することにより分極性活物質の担持量を増やし、高エネルギー密度化を達成できるとともに、負極をニッケルを含む金属基板にすることにより、長寿命化を図ることができる。
さらには、正極(負極)を複数連続して積層する構造により充填物に含まれる分極性活物質を必要量確保するとともに、1つの集電体上に担持させる充填物層の厚さを薄くできる。
以下、本発明を実施するための最良の形態(以下、実施形態という)を、図面に従って説明する。
図1(a)、(b)には、本発明にかかる電気二重層キャパシタにおける電極群の構成例の断面図が示される。図1(a)、(b)において、正極10と負極12とがセパレータ14を介して積層配置されており、所定の電解液が含浸されて電気二重層キャパシタとして動作する。また、正極10及び負極12には、それぞれ端子電極16、18が設けられており、端子電極16同士及び端子電極18同士で電気的に接続されて正極端子及び負極端子として外部と接続される。なお、図1(a)、(b)においては、筐体等の図示は省略されている。
正極10は、表裏を貫通する貫通孔を複数有する金属基板を正極集電体とし、これに分極性活物質、導電材、結着材、増粘材等を含む充填物を担持して構成されており、セパレータ14を介さずに連続して積層されている。例えば、図1(a)の例では2枚の正極10が連続して積層され、図1(b)の例では3枚の正極10が連続して積層されている。これにより、充填物に含まれる分極性活物質を必要量確保できるとともに、積層された各正極10においては充填物層の厚さを薄くでき、内部抵抗の上昇を抑制できる。このように、複数の正極10を連続して積層しても、正極集電体に貫通孔が形成されているので、電解質が正極10を通過することができ、複数の正極10を一体的に機能させることができる。
なお、図1(a)、(b)の例では、電極群の最も外側に位置する電極(最外電極)は負極12となっている。
図2(a)、(b)、(c)には、正極集電体の構成例が示される。図2(a)において、正極集電体20は、表裏を貫通する円形の貫通孔22を複数有する開孔式の金属基板であり、純度90質量%以上のアルミニウムで構成する。なお、円形の貫通孔22の代わりに他の形状、例えば楕円形等であってもよい。
また、図2(b)の例では、正極集電体20に格子が形成されており、貫通孔22は矩形となる。さらに、図2(c)の例では、正極集電体20にメッシュ(網目)が形成されている。これら開孔式の金属基板には、一般にパンチングメタル、エキスパンドメタル、金網と呼ばれるものが含まれる。
パンチングメタル、エキスパンドメタル、金網等の正極の開孔式金属基板に用いる純度90質量%以上のアルミニウムとしては、純アルミニウム(JIS H 4000で規定されている1000系アルミニウム)、炭素または珪素を0.1〜10質量%含むアルミニウム合金、さらにチタン、亜鉛、マグネシウム、マンガンから選ばれる少なくとも一種を0.1〜10質量%含むアルミニウム合金を挙げることができる。
これらアルミニウム合金のさらに詳細な組成としては、例えば、JIS H 4000で規定されている合金番号3000系(Al−Mn系合金)、5000系(Al−Mg系合金)、6000系(Al−Mg−Si系合金)、7000系(Al−Zn−Mg系合金)等の展伸材用アルミニウム合金、JIS H 5202で規定されている種類の記号AC3A(Al−Si系合金)、AC4C(Al−Si−Mg系合金)、AC7A(Al−Mg系合金)等の鋳造用アルミニウム合金、JIS H 5302で規定される種類の記号ADC3(Al−Si−Mg系合金)、ADC5、ADC6(Al−Mg系合金)等のダイカスト用アルミニウム合金等の組成を挙げることができる。
これら材料の中でも、正極の開孔式金属基板に用いる材料としては1000系アルミニウム、炭素または珪素を0.1〜10質量%含むアルミニウム合金が好ましく、さらには3000系(Al−Mn系合金)、5000系(Al−Mg系合金)、6000系(Al−Mg−Si系合金)、AC7A(Al−Mg系合金)、ADC5、ADC6(Al−Mg系合金)などの、さらにチタン、亜鉛、マグネシウム、マンガンから選ばれる少なくとも一種を0.1〜10質量%含むアルミニウム合金が特に好ましい。
上記の正極金属基板に用いる材料は、材料に応じた方法を用いて平板状や線状に成形し、さらに適宜加工を施して、表裏を貫通する貫通孔を複数有する金属基板に成形すればよい。
負極12は、正極10と同様に、表裏を貫通する貫通孔を複数有する金属基板を負極集電体とし、これに充填物を担持して構成されている。負極集電体の金属基板としてはニッケルを10質量%以上含む多孔質金属が使用されている。ここで多孔質金属とは、発泡式と呼ばれるスポンジ状の金属体、金属繊維焼結体などの細孔を備えた金属焼結体、繊維状金属(メタルウール)を成形した金属フェルト、三次元網目の金属網などをいう。この多孔質金属を用いることにより、負極12の電気抵抗を上昇させずに負極集電体への充填物の担持量を多くすることができる。これは、前述したように、充填物層の厚さを薄くし、分極性活物質と多孔質金属表面との距離を小さくすることができるからである。なお、負極集電体として、正極10と同様に表裏を貫通する貫通孔を複数有する、パンチングメタル、エキスパンドメタル、金網等の正極の開孔式金属基板を使用し、複数枚の負極12を積層して所定の充填物量を確保する構成としてもよい。これによっても、各負極12における充填物層の厚さを薄くすることができ、内部抵抗の上昇を抑制できる。
負極集電体に用いるニッケルを10質量%以上含む多孔質金属は、ニッケルおよびステンレス鋼などのニッケル合金である。ニッケル合金としては、さらにクロムを15〜20質量%含むNi−Cr系合金、さらにモリブデンを5〜30質量%含むNi−Cr−Mo系合金、さらにタングステンを1質量%以上含むNi−Cr−W系合金、Ni−Cr−Mo−W系合金等を挙げることができる。
ニッケルとしては、例えば、JIS H 4551で規定されている合金記号NW2200(常炭素ニッケル)、NW2201(低炭素ニッケル)等が上げられる。ステンレス鋼の詳細な組成としては、例えば、オーステナイト系ステンレス鋼のうちニッケル含有量が10質量%以上である、JIS G 4303等に規定されている種類の記号SUS305、SUS309S、SUS310S、SUS316、SUS316L、SUS316N、SUS316LN、SUS316Ti、SUS316F、SUS317、SUS317L、SUS317LNJ1、SUS836L、等の組成を挙げることができる。その他のニッケル合金の詳細な組成としては、例えば、JIS H 4551で規定されている合金記号NW001、NW0665、NW0276、NW6455、NW6022等の組成を挙げることができる。また特にニッケル含有量が多いニッケル合金としては、インコネル(登録商標)、インコロイ(登録商標)、ハステロイ(登録商標)等から適宜選択し入手することができる。
これら材料の中でも、負極の多孔質金属基板に用いる材料としてはNi−Cr−Mo系合金、Ni−Cr−W系合金、Ni−Cr−Mo−W系合金が好ましい。
さらには、ニッケルを10質量%以上含む金属材料であって、上記に挙げたニッケル合金以外の材料からなる負極集電体であれば、その負極集電体の表面を厚み0.01〜10μmの高分子、または無機酸化物で被覆して本発明の負極集電体として使用することができる。
この負極集電体を被覆する高分子としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリフッ化ビニリデン、などのオレフィン系ポリマー;ポリブタジエン、スチレン−イソプレン共重合体、ブタジエン−アクリロニトリル共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体などのジエン系ポリマー;ポリアミド6、ポリアミド66、ポリアミド12などのポリアミド系ポリマー;ポリスチレン−ポリブタジエンブロック共重合体、エチレン−プロピレンブロック共重合体、スチレン−イソプレン・ブロック共重合体などの熱可塑性エラストマー;シロキサンまたは非シロキサンのシリコン系樹脂;などを挙げることができる。
これら高分子は、ラッテクス、エマルジジョン、非水系ポリマーディスパージョンとして調整し、あるいは樹脂が可溶な溶媒を用いて溶液として調整し、それを負極集電体の表面に塗工・乾燥することで負極集電体を被覆することができる。高分子被膜の乾燥後厚みは10μm以下であれば、分極性活物質、導電材、結着材、増粘材等を含む組成物を充填した集電体を圧延することで導電材を高分子被膜中に押し込み集電体と充填物との間の電導性を確保することができる。さらに必要に応じて、集電体を被覆処理する高分子の溶液などに、アセチレンブラックに代表されるカーボンブラックや黒鉛などの炭素系導電材粉末、金属粉末を添加してもよい。
負極集電体を被覆する無機酸化物としては、シリカ、酸化チタン、アルミナ、酸化ジルコニア、酸化マグネシウム、酸化タンタル、酸化モリブデン、酸化タングステン、酸化スズ、酸化インジウム、酸化鉄、酸化クロム、リン酸アルミニウム、リン酸鉄、リン酸珪素、およびこれらの混合物などの金属酸化物を原料とする無機ガラスあるいは低融点ガラスが挙げられる。
負極集電体の表面に無機ガラスを形成する方法の1つに、ゾル・ゲル法がある。まず金属アルコキシド、アセチルアセトン錯塩、アルキル金属化合物、アセチルアセトン金属塩、ナフテン酸金属塩、オクチル酸金属塩などの金属有機化合物のアルコール溶液に、酸あるいはアルカリと水を加えて加水分解し、金属原子−酸素原子の結合を有する微粒子のコロイド溶液を調整する。そしてこのコロイド溶液を負極集電体に塗布するか、このコロイド溶液に有機ポリマー、あるいは有機ポリマー原料のモノマーと架橋剤を溶解させた溶液を塗布した後に、重合あるいは乾燥硬化させることにより無機ガラス構造の被膜を形成できる。
上記の負極金属基板に用いる材料は、材料に応じた方法を用いて、発泡式と呼ばれるスポンジ状の金属体、金属繊維焼結体などの細孔を備えた金属焼結体、繊維状金属(メタルウール)を成形した金属フェルト、三次元網目の金属網などの多孔質金属に適宜成形する。
上記の正極及び負極に用いる開孔式の金属基板の開口率は、金属基板を平板形状とみなしたとき、貫通孔のある1平面上の充填物で覆われる部分(開口面部)の面積に対する、同平面上にある貫通孔の見かけの孔全ての面積の割合を意味する。その値は、金属基板平板を投影した時の投影面積において、充填物で覆う部分の面積に対する全貫通孔面積の割合から求めることができる。
セパレータ14は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル等の樹脂、ガラス、セルロース等を材料とした、多孔質のシート等を使用して構成される。具体的にはこれら材料が繊維状である不織布やガラス繊維マットが挙げられる。
図3(a)、(b)には、本発明にかかる電気二重層キャパシタにおける電極群の他の構成例の断面図が示される。図3(a)、(b)においても、図1(a)、(b)と同様に、正極10と負極12とがセパレータ14を介して積層配置されており、所定の電解液が含浸されて電気二重層キャパシタとして動作する。また、正極10は、表裏を貫通する貫通孔を複数有する金属基板を集電体とし、これに充填物を担持して構成されており、図3(a)の例では2枚の正極10がセパレータを介さずに連続して積層され、図3(b)の例では3枚の正極10がセパレータを介さずに連続して積層されている。なお、本構成例では、電極群の最も外側に位置する電極(最外電極)が正極10となっており、この最外電極としての正極10は、電極群の両側に各1枚配置される。
図4には、本発明にかかる電気二重層キャパシタにおける電極群のさらに他の構成例の断面図が示される。図4においては、積層されている各正極10同士の間にセパレータ14が配置されている。これにより、各正電極平面方向の最も近傍に電解液を保持でき、充電時に必要なイオン量の確保を容易にし、かつイオン移動距離を最短にすることができる。なお、本例では、セパレータ14を介して2枚の正極10が連続して積層されているが、3枚あるいは4枚の正極10を積層してもよい。ただし、枚数を増加させると厚みあたりの充填物の量に対して相対的に基板の厚みが増すので、5枚以上では連続して積層する効果が飽和する。このため、最も効果的な枚数は3枚である。図4でも、最外電極は図3(a)、(b)と同様に正極10となっており、この最外電極としての正極10は、電極群の両側に各1枚配置される。
図5には、本発明にかかる電気二重層キャパシタにおける単位電極群の他の構成例の斜視図が示される。図5において、単位電極群の正極10、正極集電体20及びセパレータ14はU字状に形成されており、U字状のセパレータ14の外面に正極10のU字の内面が接するように配置されている。また、負極12は、セパレータ14のU字の内面側に配置されている。本例において、電極群は、図5に示された単位電極群が複数積層されて構成される。図5に示された単位電極群を複数積層すると、負極12の1枚に対して正極10が2枚の割合で積層されることになる。
さらに、U字状の正極10・正極集電体20構造体のU字端部側に、前記構造体平面の外面に接する、大きさの異なるもうひとつのU字状の正極・正極集電体構造体を配置することで、負極の周囲を正極で覆い、負極12の1枚に対して正極10を4枚の割合で積層することもできる。
図5に示された例によれば、正極10の積層数を増加させても、2枚の正極10に対して1つの端子電極16が割り当てられるので、端子電極16の増加を抑制でき、電気二重層キャパシタの構造を簡略化することができる。
以上に述べたように、複数の正極10を連続して積層することにより、内部抵抗の上昇を抑制しながら充填物に含まれる分極性活物質の量を多くし、負極12との活物質量のバランスをとることができる。これは、前述したように、積層された各正極10においては正極集電体20に形成される充填物層の厚さを厚くする必要がなく、各正極10の電気抵抗を低くすることができるからである。また、表裏を貫通する貫通孔を複数有する金属基板は、その製造が容易であり、低価格であるので、この金属基板を正極集電体20として使用することにより電気二重層キャパシタの製造コストを低く抑えることができる。
なお、複数の電極を積層する構造は、正極10だけではなく、負極12に採用してもよい。この場合の負極集電体には、多孔質金属ではなく、表裏を貫通する貫通孔を複数有する金属基板を使用する。
以下、本発明の具体例を実施例として説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
なお、本実施例の説明において、キャパシタ全体としての、正極の静電容量に対する負極の静電容量の比(−/+静電容量比)は以下のとおりである。
キャパシタに使用する正極活物質、および負極活物質の固有値である理論静電容量(F/g)をそれぞれCp,cn、Cn,cnとし、正極活物質、および負極活物質の質量(g)をそれぞれm、mとしたとき、−/+静電容量比は下記式で示される。
・Cn,cn/m・Cp,cn
また、キャパシタの理論静電容量C(F)は下記式で示される。
C=(m・Cp,cn+m・Cn,cn)/(m・Cp,cn・m・Cn,cn
一方、定格電圧をV、放電終止電圧をVとし、Vでキャパシタを充電した後(特に指定しない場合、定電圧時間は0.5hである)、放電電流iで(通常1.0Cで行う)終止電圧Vまで放電する。これに要した時間をtとするとき、放電電気量Q(実際に測定された電気量)は下記式で示される。
Figure 2008147599
なお、本発明の電気量測定においては、V=3.0V、V=1.0Vとした。また、このときに見積もられる見かけの静電容量C(F)は下記式で示される。
=Q/ΔV≒it/V−V
実施例1.
[1]キャパシタ用電極群の作製
分極性活物質として活性炭100質量部(マックスソーブ(登録商標)MSP20N、関西熱化学株式会社製)、導電材としてカーボンブラック12.0質量部(デンカブラックHS(登録商標)−100、電気化学工業株式会社製)、バインダとしてPVdF(ポリフッ化ビニリデン)水性懸濁液6.0質量部(40.2wt% BM−400S水性懸濁液、日本ゼオン株式会社製)、増粘剤としてヒドロキシプロピルメチルセルロース(メトローズ(登録商標)90SH−1500、信越化学工業製)の1.0質量%水溶液300質量部、および水32質量部を混合・混錬して正極充填物用スラリーを調整した。
厚み0.020mm、縦50.0mm、幅20.0mm、長辺端部から長さ40.0mmにわたって開口率32.5%の開口面部を持ち、残り長さ10mmが開口のない無地部である、開孔式アルミニウムシート(昭和電工株式会社製)を正極用集電体とした。前記正極充填物用スラリーをこの集電体の開口および開口面部に充填・塗布して乾燥した後、これを定法により圧延して、厚みを0.31mmに調整して充填物の密度を高め、次いで無地部に縦50mm、幅3mm、厚み0.08mmのアルミリードを溶接したものを正極とした。この正極の充填物の質量は0.127g、充填密度は0.53g/cmであった。
活性炭100質量部(LPY039、クラレケミカル株式会社製)、カーボンブラック10.0質量部(デンカブラックHS(登録商標)−100、電気化学工業株式会社製)、バインダ水性懸濁液5.4質量部(40.2wt% BM−400S水性懸濁液、日本ゼオン株式会社製)、増粘剤としてヒドロキシプロピルメチルセルロース(メトローズ(登録商標)90SH−1500)の1.0質量%水溶液400質量部、を混合・混錬して負極充填物用スラリーを調整した。
縦40.0mm、幅20.0mm、厚みを1.00mmに調厚し、角部に5×5mmのコイニングを施した、目付け427g/mの多孔質ニッケル(セルメット(登録商標)、住友電工株式会社製)を負極集電体とした。前記負極充填物用スラリーをこの集電体の多孔部に充填・塗布して乾燥した後、これを定法により圧延して、厚みを0.82mmに調整しして充填物の密度を高め、次いでコイニングした部分に縦50mm、幅3mm、厚み0.05mmのニッケルテープを溶接したものを負極とした。この負極の充填物の質量は0.374g、充填密度は0.63g/cmであった。
上記正極2枚を、セパレータを介さずに積層して正極群2組と上記負極3枚を用意し、縦54.0mm、幅21.0mm、厚み0.14mmのガラスペーパーGM140(日本板硝子株式会社製)を介して前記正極群と負極を交互に積層し、キャパシタ用電極群を作製した。
[2]電気二重層キャパシタセルの作製
上記[1]で作製したキャパシタ用電極群をアルミラミネート容器に挿入し、次いで電解液として2−メトキシエチルジエチルメチルアンモニウム四フッ化ホウ酸塩10質量%のプロピレンカーボネート溶液を容器内に注液し、減圧下電極群に含浸させ、電解液に電極群が浸漬した状態で容器を密閉して電気二重層キャパシタセルを得た。
なお、この実施例1の電気二重層キャパシタセルは、図1(a)の例において、負極間に積層される2枚の正極からなる正極群を2組にしたもので、最外電極は負極である。また、正極の静電容量に対する負極の静電容量の比を、正負極それぞれの活性炭の理論静電容量と総質量とから算出し、エネルギー密度を、定格3Vとし理論静電容量から算出して表1に示した。
実施例2.
実施例1において、正極の厚みを0.25mm、充填物の質量を0.100g(充填密度0.53g/cm)とし、この正極3枚を積層した正電極群2組を用いた点以外は実施例1と同じ構成として電気二重層キャパシタセルを得た。
なお、この実施例2の電気二重層キャパシタセルは、図1(b)の例において負極間に積層される3枚の正極からなる正極群を2組にしたもので、最外電極は負極である。また、正極の静電容量に対する負極の静電容量の比とエネルギー密度を表1に示した。
実施例3.
実施例1において、正極の厚みを0.25mm、充填物の質量を0.100g(充填密度0.53g/cm)とし、負極の外側にさらに正極を最外電極として配置した点以外は実施例1と同じ構成として、電気二重層キャパシタセルを得た。
なお、この実施例3の電気二重層キャパシタセルは、図3(a)の例において負極間に積層される2枚の正極からなる正極群を2組にしたものである。また、正極の静電容量に対する負極の静電容量の比とエネルギー密度を表1に示した。
実施例4.
実施例3において、正極群を、実施例1で用いたセパレータを介して2枚の正極を積層した点以外は実施例3と同じ構成として、電気二重層キャパシタセルを得た。
なお、この実施例4の電気二重層キャパシタセルは、図4の例において負極間に積層される2枚の正極とセパレータからなる正極群を2組にしたものである。また、正極の静電容量に対する負極の静電容量の比とエネルギー密度を表1に示した。
実施例5.
実施例2において、正極の厚みを0.19mm、充填物の質量を0.075g(充填密度0.53g/cc)とし、負極の外側にさらに正極を最外電極として配置した点以外は実施例2と同じ構成として、電気二重層キャパシタセルを得た。
なお、この実施例5の電気二重層キャパシタセルは、図3(b)の例において負極間に積層される3枚の正極からなる正極群を2組にしたものである。また、正極の静電容量に対する負極の静電容量の比とエネルギー密度を表1に示した。
実施例6.
実施例3において、正極の厚みを0.34mm、充填物の質量を0.138g(充填密度0.53g/cc)とした点以外は実施例3と同じ構成として、電気二重層キャパシタセルを得た。
なお、この実施例6の電気二重層キャパシタセルは、図3(a)の例において負極間に積層される2枚の正極からなる正極群を2組にしたものである。また、正極の静電容量に対する負極の静電容量の比とエネルギー密度を表1に示した。
実施例7.
実施例3において、正極の厚みを0.21mm、充填物の質量を0.085g(充填密度0.53g/cc)とした点以外は実施例3と同じ構成として、電気二重層キャパシタセルを得た。
なお、この実施例7の電気二重層キャパシタセルは、図3(a)の例において負極間に積層される2枚の正極からなる正極群を2組にしたものである。また、正極の静電容量に対する負極の静電容量の比とエネルギー密度を表1に示した。
実施例8.
実施例3において、正極の厚みを0.18mm、充填物の質量を0.069g(充填密度0.53g/cc)とした点以外は実施例3と同じ構成として、電気二重層キャパシタセルを得た。
なお、この実施例8の電気二重層キャパシタセルは、図3(a)の例において負極間に積層される2枚の正極からなる正極群を2組にしたものである。また、正極の静電容量に対する負極の静電容量の比とエネルギー密度を表1に示した。
実施例9.
実施例5において、正極の厚みを0.26mm、充填物の質量を0.103g(充填密度0.53g/cc)とした点以外は実施例5と同じ構成として、電気二重層キャパシタセルを得た。
なお、この実施例9の電気二重層キャパシタセルは、図3(b)の例において負極間に積層される3枚の正極からなる正極群を2組にしたものである。また、正極の静電容量に対する負極の静電容量の比とエネルギー密度を表1に示した。
実施例10.
実施例5において、正極の厚みを0.16mm、充填物の質量を0.064g(充填密度0.53g/cc)とした点以外は実施例5と同じ構成として、電気二重層キャパシタセルを得た。
なお、この実施例10の電気二重層キャパシタセルは、図3(b)の例において負極間に積層される3枚の正極からなる正極群を2組にしたものである。また、正極の静電容量に対する負極の静電容量の比とエネルギー密度を表1に示した。
実施例11.
実施例3において、負極の集電体を多孔質SUS316にし、厚みを0.84mm、充填密度を0.61g/cmにした点以外は実施例3と同じ構成として、電気二重層キャパシタセルを得た。
なお、この実施例11の電気二重層キャパシタセルは、図3(a)の例において負極間に積層される2枚の正極からなる正極群を2組にしたものである。また、正極の静電容量に対する負極の静電容量の比とエネルギー密度を表1に示した。
実施例12.
実施例11において、正極の厚みを0.257mm、充填物の質量を0.103g(充填密度0.53g/cc)とし、この正極3枚を積層した正極群2組を用いた点以外は実施例11と同じ構成として、電気二重層キャパシタセルを得た。
なお、この実施例12の電気二重層キャパシタセルは、図3(b)の例において負極間に積層される3枚の正極からなる正極群を2組にしたものである。また、正極の静電容量に対する負極の静電容量の比とエネルギー密度を表1に示した。
実施例13.
実施例12において、多孔質の負極集電体をSUS316から金属組成がNi:80質量%、Cr:15質量%、Mo:5質量%のニッケル合金に変えた点以外は実施例12と同じ構成として、電気二重層キャパシタセルを得た。
なお、この実施例13の電気二重層キャパシタセルは、図3(b)の例において負極間に積層される3枚の正極からなる正極群を2組にしたものである。また、正極の静電容量に対する負極の静電容量の比とエネルギー密度を表1に示した。
実施例14.
実施例12において、多孔質の負極集電体をSUS316から金属組成がNi:75質量%、Cr:15質量%、Mo:10質量%のニッケル合金に変えた点以外は実施例12と同じ構成として、電気二重層キャパシタセルを得た。
なお、この実施例14の電気二重層キャパシタセルは、図3(b)の例において負極間に積層される3枚の正極からなる正極群を2組にしたものである。また、正極の静電容量に対する負極の静電容量の比とエネルギー密度を表1に示した。
実施例15.
実施例12において、多孔質の負極集電体をSUS316から金属組成がNi:65質量%、Cr:15質量%、Mo:20質量%のニッケル合金に変えた点以外は実施例12と同じ構成として、電気二重層キャパシタセルを得た。
なお、この実施例15の電気二重層キャパシタセルは、図3(b)の例において負極間に積層される3枚の正極からなる正極群を2組にしたものである。また、正極の静電容量に対する負極の静電容量の比とエネルギー密度を表1に示した。
実施例16.
実施例12において、多孔質の負極集電体をSUS316から金属組成がNi:79質量%、Cr:15質量%、Mo:5質量%、W:1質量%のニッケル合金に変えた点以外は実施例12と同じ構成として、電気二重層キャパシタセルを得た。
なお、この実施例16の電気二重層キャパシタセルは、図3(b)の例において負極間に積層される3枚の正極からなる正極群を2組にしたものである。また、正極の静電容量に対する負極の静電容量の比とエネルギー密度を表1に示した。
実施例17.
実施例12において、正極用集電体である開孔式アルミニウムシートを金属組成がAl:99質量%、C:1質量%のアルミニウム合金に変えた点以外は実施例12と同じ構成として、電気二重層キャパシタセルを得た。
なお、この実施例17の電気二重層キャパシタセルは、図3(b)の例において負極間に積層される3枚の正極からなる正極群を2組にしたものである。また、正極の静電容量に対する負極の静電容量の比とエネルギー密度を表1に示した。
実施例18.
実施例12において、正極用集電体である開孔式アルミニウムシートを金属組成がAl:90質量%、C:10質量%のアルミニウム合金に変えた点以外は実施例12と同じ構成として、電気二重層キャパシタセルを得た。
なお、この実施例18の電気二重層キャパシタセルは、図3(b)の例において負極間に積層される3枚の正極からなる正極群を2組にしたものである。また、正極の静電容量に対する負極の静電容量の比とエネルギー密度を表1に示した。
実施例19.
実施例12において、正極用集電体である開孔式アルミニウムシートを金属組成がAl:99質量%、Si:1質量%のアルミニウム合金に変えた点以外は実施例12と同じ構成として、電気二重層キャパシタセルを得た。
なお、この実施例19の電気二重層キャパシタセルは、図3(b)の例において負極間に積層される3枚の正極からなる正極群を2組にしたものである。また、正極の静電容量に対する負極の静電容量の比とエネルギー密度を表1に示した。
実施例20.
実施例12において、正極用集電体である開孔式アルミニウムシートを金属組成がAl:90質量%、Si:10質量%のアルミニウム合金に変えた点以外は実施例12と同じ構成として、電気二重層キャパシタセルを得た。
なお、この実施例20の電気二重層キャパシタセルは、図3(b)の例において負極間に積層される3枚の正極からなる正極群を2組にしたものである。また、正極の静電容量に対する負極の静電容量の比とエネルギー密度を表1に示した。
実施例21.
実施例12において、正極用集電体である開孔式アルミニウムシートを金属組成がAl:90質量%、Si:5質量%、Mg:5質量%のアルミニウム合金に変えた点以外は実施例12と同じ構成として、電気二重層キャパシタセルを得た。
なお、この実施例21の電気二重層キャパシタセルは、図3(b)の例において負極間に積層される3枚の正極からなる正極群を2組にしたものである。また、正極の静電容量に対する負極の静電容量の比とエネルギー密度を表1に示した。
実施例22.
実施例12において、正極用集電体である開孔式アルミニウムシートを金属組成がAl:90質量%、Si:5質量%、Ti:5質量%のアルミニウム合金に変えた点以外は実施例12と同じ構成として、電気二重層キャパシタセルを得た。
なお、この実施例22の電気二重層キャパシタセルは、図3(b)の例において負極間に積層される3枚の正極からなる正極群を2組にしたものである。また、正極の静電容量に対する負極の静電容量の比とエネルギー密度を表1に示した。
実施例23.
実施例3において、正極の集電体を格子型アルミニウムシートとし、正極の厚みを0.24mm、充填物の質量を0.100g(充填密度0.53g/cc)とした点以外は実施例3と同じ構成として、電気二重層キャパシタセルを得た。
なお、この実施例23の電気二重層キャパシタセルは、図3(a)の例において負極間に積層される2枚の正極からなる正極群を2組にしたものである。また、正極の静電容量に対する負極の静電容量の比とエネルギー密度を表1に示した。
実施例24.
実施例3において、正極の集電体をメッシュ型アルミニウムシートとし、正極の厚みを0.25mm、充填物の質量を0.100g(充填密度0.53g/cc)とした点以外は実施例3と同じ構成として、電気二重層キャパシタセルを得た。
なお、この実施例24の電気二重層キャパシタセルは、図3(a)の例において負極間に積層される2枚の正極からなる正極群を2組にしたものである。また、正極の静電容量に対する負極の静電容量の比とエネルギー密度を表1に示した。
実施例25.
実施例24において、正極の厚みを0.29mm、充填物の質量を0.119g(充填密度0.53g/cc)とし、この正極3枚を積層した正電極群2組を用いた点以外は実施例24と同じ構成として、電気二重層キャパシタセルを得た。
なお、この実施例25の電気二重層キャパシタセルは、図3(b)の例において負電極間に積層される3枚の正電極からなる正電極群を2組にしたものである。また、正極の静電容量に対する負極の静電容量の比とエネルギー密度を表1に示した。
実施例26.
実施例5において、正極の集電体に開口率40%の開孔式アルミニウムシートを用い、正極の厚みを0.19mm、充填物の質量を0.075g(充填密度0.53g/cc)とした点以外は実施例5と同じ構成として、電気二重層キャパシタセルを得た。
なお、この実施例26の電気二重層キャパシタセルは、図3(b)の例において負極間に積層される3枚の正電極からなる正電極群を2組にしたものである。また、正極の静電容量に対する負極の静電容量の比とエネルギー密度を表1に示した。
実施例27.
実施例5において、正極の集電体に開口率45%の開孔式アルミニウムシートを用い、正極の厚みを0.19mm、充填物の質量を0.075g(充填密度0.53g/cc)とした点以外は実施例5と同じ構成として、電気二重層キャパシタセルを得た。
なお、この実施例27の電気二重層キャパシタセルは、図3(b)の例において負極間に積層される3枚の正極からなる正極群を2組にしたものである。また、正極の静電容量に対する負極の静電容量の比とエネルギー密度を表1に示した。
比較例1.
[1]キャパシタ用電極群の作製
分極性活物質として活性炭100質量部(マックスソーブMSP20N)、導電材としてカーボンブラック11.1質量部(デンカブラックHS−100)、バインダとしてPVdF7.1質量部(KFポリマー、株式会社クレハ製)および同種樹脂1.8質量部(カイナー、東京化学株式会社製)および溶剤としてNMP250質量部を混合・混錬して正極充填物用スラリーを調整した。
厚み0.030mm、縦50.0mm、幅20.0mmの、開口のないアルミニウムシート30CB(日本蓄電器工業株式会社製)を集電体とした。その両面ともに、長辺端部から長さ40.0mmにわたって、上記正極充填物用スラリーを塗布、乾燥した後、圧延して、厚み0.19mmに調整し、次いで集電体上の充填物を配置していない部分に実施例1と同様のアルミリードを溶接したものを正極とした。この正極の充填物の質量は0.068g、充填密度は0.53g/cmであった。
負極充填物用スラリーは、前記正極充填物用スラリーにおいて、カーボンブラックを8.2質量部、KFポリマーを7.5質量部、カイナーを1.9質量部とした以外は同様にして調整した。
この負極充填物用スラリーを用い、厚みを0.33mmに調整する以外は上記正極同様にして作製としたものを負極とした。この負極の充填物の質量は0.122g、充填密度は0.51g/cmであった。
上記正極5枚と上記負極6枚を、実施例1で用いたセパレータを介して交互に積層し、キャパシタ用電極群を作製した。
[2]電気二重層キャパシタセルの作製
実施例1と同様にして電気二重層キャパシタセルを得た。なお、正極の静電容量に対する負極の静電容量の比とエネルギー密度を表1に示した。
比較例2.
比較例1において、正極の厚みを0.14mm、充填物の質量を0.046g(充填密度0.53g/cc)とし、正極を6枚と負極を5枚交互に積層して最外電極を正極とした点以外は比較例1と同じ構成として電気二重層キャパシタセルを得た。なお、正極の静電容量に対する負極の静電容量の比とエネルギー密度を表1に示した。
比較例3.
比較例1において、正極の厚みを0.17mm、充填物の質量を0.059g(充填密度0.53g/cc)とした点以外は比較例1と同じ構成として電気二重層キャパシタセルを得た。なお、正極の静電容量に対する負極の静電容量の比とエネルギー密度を表1に示した。
比較例4.
比較例1において、正極の厚みを0.21mm、充填物の質量を0.076g(充填密度0.53g/cc)とした点以外は比較例1と同じ構成として電気二重層キャパシタセルを得た。なお、正極の静電容量に対する負極の静電容量の比とエネルギー密度を表1に示した。
比較例5.
正極として、実施例1の正極の厚みを0.19mm、充填物の質量を0.072g(充填密度0.53g/cc)とした正極を3枚、負極として実施例1の負極を2枚用い、実施例1のセパレータを介して交互に積層して電気二重層キャパシタセルを得た。なお、正極の静電容量に対する負極の静電容量の比とエネルギー密度を表1に示した。
比較例6.
比較例5において、正極の厚みを0.29mmとした以外は同様にしてて電気二重層キャパシタセルを得た。なお、正極の静電容量に対する負極の静電容量の比とエネルギー密度を表1に示した。
比較例7.
比較例5において、正極の厚みを0.37mmとした以外は同様にして電気二重層キャパシタセルを得た。なお、正極の静電容量に対する負極の静電容量の比とエネルギー密度を表1に示した。
表1には、上記各実施例及び比較例のまとめが示される。ここで、比較例1〜4は、貫通孔を有さない非開口式のアルミニウム板を正極及び負極の集電体として使用し、正極及び負極を各々1枚ずつセパレータを介して積層した構成となっている。これらの比較例のうち比較例1は最外電極を負極とし、正極の静電容量に対する負極の静電容量の比が1.3となるように分極性活物質量が調整されている。また、比較例2〜4は最外電極を正極とし、比較例2の上記静電容量の比が1.3、比較例3の上記静電容量の比が1.0、比較例4の上記静電容量の比が0.8とされている。また、比較例5は、貫通孔を複数有する開孔式のアルミニウム板を正極集電体として使用し、多孔質ニッケルを負極集電体として使用しており、正極及び負極を各々1枚ずつセパレータを介して積層した構成となっている。この比較例5においては、最外電極を正極とし、上記静電容量の比が2.0とされている。比較例6、7は、比較例5の構成において静電容量の比をそれぞれ1.3および1.0にしている。
Figure 2008147599
表1中の項目、記号の意味は以下の通りである。
A:開孔式アルミニウム
B:格子型アルミニウム
C:メッシュ型アルミニウム
D:非開孔式アルミニウム
E:発泡式ニッケル
F:発泡式SUS316
p:正電極
n:負電極
正電極枚数:負電極間に在する正電極枚数
隔離板枚数:正電極間に在する隔離板枚数
静電容量比:負電極の静電容量に対する正電極の静電容量比
寿命性能:エネルギー密度×0.8 に到達するまでの時間
以上に述べた各比較例及び各実施例について、寿命性能を測定した。ここで、寿命性能は、電気二重層キャパシタを連続充電(70℃、充電3V、放電1.0C、1.0Vカット)した際の放電エネルギー密度が当初より80%となる時間とした。
表1に示されるように、上記いずれの実施例も、エネルギー密度と寿命性能のいずれにおいても各比較例を上回っている。これは、次の理由によるものである。すなわち、正極には、表裏を貫通する貫通孔を複数有する金属基板を集電体として使用することにより、電解質が正極を通過することを可能とし、複数連続して積層しても電極として一体的に機能できるように構成されている。このため、集電体に多孔質金属を使用して分極性活物質量を増加させ、静電容量を増加させた負極に対して、正極を複数連続して積層することにより静電容量のバランスを適正に維持することが可能となるからである。なお、負極集電体に正極同様に貫通孔を複数有する金属基板を使用し、複数連続して積層することにより静電容量を増加させてもよい。
また、特に負極集電体にNi−Cr−Mo系合金、Ni−Cr−Mo−W系合金などのニッケル合金を用いる場合、正極集電体に炭素または珪素を含むアルミニウム合金、チタン、マグネシウムなどを含むアルミニウム合金も用いる場合に、寿命性能が向上することが分かる。
本発明にかかる電気二重層キャパシタにおける電極群の構成例の断面図である。 正極集電体の構成例を示す図である。 本発明にかかる電気二重層キャパシタにおける電極群の他の構成例の断面図である。 本発明にかかる電気二重層キャパシタにおける電極群のさらに他の構成例の断面図である。 本発明にかかる電気二重層キャパシタにおける単位電極群の構成例の斜視図である。
符号の説明
10 正極、12 負極、14 セパレータ、16,18 端子電極、20 正極集電体、22 貫通孔。

Claims (14)

  1. セパレータを介して積層配置された正極及び負極を備える電気二重層キャパシタであって、
    少なくとも前記正極がアルミニウムを90質量%以上含む金属基板と分極性活物質とを備え、前記負極がニッケルを10質量%以上含む金属基板と分極性活物質とを備え、
    前記正極の金属基板は表裏を貫通する貫通孔を複数有する金属基板であり、前記正極が複数連続して積層されていることを特徴とする電気二重層キャパシタ。
  2. 請求項1記載の電気二重層キャパシタにおいて、前記負極の金属基板も表裏を貫通する貫通孔を複数有する金属基板であることを特徴とする電気二重層キャパシタ。
  3. 請求項1または請求項2記載の電気二重層キャパシタにおいて、前記表裏を貫通する貫通孔を複数有する金属基板の開口率が30〜50%であることを特徴とする電気二重層キャパシタ。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか一項記載の負極において、前記負極の金属基板が、さらにクロムを15〜20質量%含む合金であることを特徴とする電気二重層キャパシタ。
  5. 請求項1から請求項4のいずれか一項記載の負極において、前記負極の金属基板が、さらにモリブデンを5〜30質量%含む合金であることを特徴とする電気二重層キャパシタ。
  6. 請求項1から請求項5のいずれか一項記載の負極において、前記負極の金属基板が、さらにタングステンを1質量%以上含む合金であることを特徴とする電気二重層キャパシタ。
  7. 請求項1から請求項3のいずれか一項記載の電気二重層キャパシタにおいて、負極の表面が炭素あるいは珪素を含む厚さ0.01〜10μmの層で被覆されていることを特徴とする電気二重層キャパシタ。
  8. 請求項1から請求項3のいずれか一項記載の電気二重層キャパシタにおいて、負極の表面が無機酸化物を含む厚さ0.01〜10μmの層で被覆されていることを特徴とする電気二重層キャパシタ。
  9. 請求項2から請求項8のいずれか一項記載の電気二重層キャパシタにおいて、負極も複数連続して積層されていることを特徴とする電気二重層キャパシタ。
  10. 請求項1記載の電気二重層キャパシタにおいて、前記正極の金属基板が、さらに炭素または珪素を0.1〜10質量%含むアルミニウム合金であることを特徴とする電気二重層キャパシタ。
  11. 請求項10記載の電気二重層キャパシタにおいて、前記正極金属基板のアルミニウム合金が、さらにチタン、亜鉛、マグネシウム、マンガンから選ばれる少なくとも一種を0.1〜10質量%含むアルミニウム合金であることを特徴とする電気二重層キャパシタ。
  12. 請求項1から請求項11のいずれか一項記載の電気二重層キャパシタにおいて、前記正極は、前記セパレータを介さずに複数連続して積層されていることを特徴とする電気二重層キャパシタ。
  13. 請求項1から請求項11のいずれか一項記載の電気二重層キャパシタにおいて、前記正極は、前記セパレータを介して複数連続して積層されていることを特徴とする電気二重層キャパシタ。
  14. 請求項1から請求項13のいずれか一項記載の電気二重層キャパシタにおいて、前記正極の静電容量に対する前記負極の静電容量の比が0.5〜2.5であることを特徴とする電気二重層キャパシタ。
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