JP2008147526A - 基板周縁部の不要物除去方法及び装置、並びに半導体製造装置 - Google Patents

基板周縁部の不要物除去方法及び装置、並びに半導体製造装置 Download PDF

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卓也 橋本
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Abstract

【課題】ウェハープロセスの過程でウェハーの周縁部に付着した不要物を効率的に除去する。
【解決手段】チャンバ30のサセプタ31上にウェハー20を載置する。処理ガスを導入ノズル33からチャンバ30内に導入し、排気口32から排気する。電磁バルブ33a,32aにより処理ガスの導入速度と排気速度を調節し、チャンバ30内のガス圧を適正な範囲に保つ。トッププレート30bの外側に設けたコイルアンテナ35に高周波電流を供給し、チャンバ30内にドーナツ状のプラズマPを生成する。昇降装置36によりサセプタ31を上下に移動させ、プラズマPの分布をウェハー20に対して相対的に調節してプラズマPでウェハー20の周縁部を包み込み、そこに付着した不要物をエッチングして除去する。
【選択図】図3

Description

本発明は、シリコンウェハーなどの半導体基板や液晶基板などの周縁部に付着した不要物をドライエッチングにより効率的に除去する方法及び装置、並びに半導体製造装置に関するものである。
高密度に集積化された半導体メモリや半導体デバイスはウェハープロセス技術により製造される。ウェハープロセス技術は、ディスク状の半導体基板(ウェハー)に不純物を打ち込むイオン注入工程や、半導体基板に所定のパターンの薄膜を形成する成膜工程など様々な工程が含まれる。例えば成膜工程では、フォトリソグラフィ技術を併用してウェハーの表面に所定パターンで薄膜が形成される。この工程中に行われるスパッタリングやCVDによる薄膜形成では、事前にウェハーの表面に所定パターンの開口をもつマスキング層が形成されその全体を覆うように薄膜が積層されるが、マスキング層が形成しにくいウェハーの周縁部にも薄膜やその断片が付着することが多い。
ウェハーの周縁部はデバイスなどが形成される本来の基板面の外側の領域であるから最終的にはダイシング工程で除去されるが、種々の工程中に周縁部に被着した薄膜をそのまま残しておくとウェハーのハンドリングや後工程で剥がれることがある。特に、シリコンウェハーなどは衝撃を受けたときに割れやすいため、外周縁を面取りするベベリング処理を行うのが通常である。このベベリング処理によって面取りされた周縁部には薄膜も不均一に付着しやすく、また剥がれやすいものとなっている。こうした薄膜やその断片がウェハーの周縁部から不用意に剥がれて飛散し、あるいは基板面に付着したりすると、プロセスラインの清浄度劣化や設備汚染の原因となり歩留りを低下させてしまう。
こうした弊害を防ぐために、従来から成膜工程の後処理としてウェハーの周縁部に付着した薄膜の残片などの不要物の除去が行われている。例えば特許文献1記載のように、ウェハーを回転しながらその周縁部にエッチング処理液を供給して不要な被着物を除去し、あるいは特許文献2記載のように、周縁部に研磨用のフィルムを押し当てて不要物を研磨除去するなどの手法が知られている。
特開2006−237063号公報 特開2003−163188号公報
しかしながら、特許文献1で知られる手法ではエッチング処理液を必要とする湿式処理であるため、設備コストやランニングコストがかかるだけでなく、ウェハーの限られた領域だけに処理液を供給することが困難である。さらに、不要物を除去した後には処理液を完全になくすために洗浄や乾燥処理も不可欠となり、しかもウェハーを一枚単位で処理していかなければならないなど、工程数が増えて効率の点でも問題がある。また、特許文献2の手法はドライ処理ではあるが、特許文献1の手法と同様、ウェハーを回転させることが必要であるため例えば矩形状の基板などには適用できない。さらに研磨フィルムの送り機構や研磨フィルムをウェハーの所要部分に押し当てる機構なども不可欠で、装置自体の製造コストが高くなる。また、研磨で除去された細片がウェハーの別の部位に再付着しやすいという欠点もある。
本発明は上記背景を考慮してなされたもので、ウェハーのベベル領域などのような、基板の周縁部に付着した不要物を効率的に除去することができるようにした基板周縁部の不要物除去方法及び装置、並びに半導体製造装置を提供することを目的とする。
本発明は上記目的を達成するにあたり、基板の周縁部に処理液の供給やツールの接触を要せずに、しかも基板を回転させることなく不要物を除去するようにしたもので、本発明装置の特徴は、基板を収容したチャンバ内にエッチング用の処理ガスを導入し、チャンバ内に処理ガスのプラズマを発生させるとともに、プラズマ分布制御手段によってチャンバ内のプラズマにより基板の中央部を除く周縁部が曝されるようにプラズマの分布を制御し、処理ガスのプラズマにより基板周縁部から不要物をエッチング除去する構成にしたことにある。
処理ガスのプラズマを基板周縁部だけに局在化させるプラズマ分布制御手段としては、その一つとしてチャンバ内の処理ガスの圧力を制御するガス圧制御手段が挙げられる。チャンバ内で処理ガスのガス圧を調節してプラズマ分布を効果的に制御するには、基板表裏の一方の側に処理ガス導入用のガス供給手段を設け、また他方の側に処理ガスをチャンバ外に排気するガス排気手段を設けるのがよい。
本発明のプラズマ発生手段としては誘導結合型のものが好適に用いられ、チャンバ内あるいはチャンバ外に設けたアンテナに高周波電流を供給してチャンバ内に処理ガスのプラズマを発生させることができる。処理対象となる基板の周縁部を覆うようにプラズマの分布を制御するには、アンテナとしては基板の外形輪郭形状に倣ったループ形状をもったコイルアンテナが適している。さらに、ループサイズやループ形状が異なる複数本のコイルアンテナを、そのループ中心がチャンバ内に収容される基板の中心と略一致するように設け、これらのコイルアンテナを選択的に用いてプラズマを発生させることにより、同一のチャンバ内で外形輪郭形状や径が異なる基板について周縁部の処理を行うこともできる。
本発明装置は、チャンバ内に外形輪郭形状が共通な複数枚の基板を間隔を開けて厚み方向に配列して収容する場合にも適用可能で、この場合にはプラズマ分布制御手段により、複数枚の基板の周縁部が一括して曝されるようにプラズマの分布を制御すれば、複数枚の基板の周縁部から不要物を一斉にエッチング除去することができる。また、同様にチャンバ内に収容された基板ごとに、各々の周縁部を取り囲むようにコイルアンテナを設けておき、これらのコイルアンテナを順次に選択して用いることにより、基板ごとにその周縁部が順次に曝されるような分布でプラズマを生成させ、周縁部に付着した不要物を基板ごとに順次にエッチング除去することも可能である。
本発明方法は、チャンバ内に収容された基板の中央部を除く周縁部だけが処理ガスのプラズマに曝されるようにプラズマの分布を局在化させ、これにより基板周縁部だけをエッチングして不要物を除去することが特徴である。
また、本発明方法は、チャンバ内に複数枚の基板を厚み方向に互いに間隔を開けて配列して収納した場合にも適用可能で、複数枚の基板の周縁部が一括して曝されるようにプラズマの分布制御を行えば、複数枚の基板の周縁部から不要物を一括してエッチング除去することができる。また、同様に複数枚の基板をチャンバ内に収容した場合、基板ごとに順次にその周縁部だけが曝されるようにプラズマの分布を制御することにより、複数枚の基板の周縁部に付着した不要物を順次にエッチング除去してゆくことも可能となる。
ループ状のコイルアンテナを誘導接合型のプラズマ発生手段に用いるに際しては、ループサイズやループ形状が異なる異種のコイルアンテナを互いのループ中心がチャンバ内に収容された基板の中心と一致するように同心的に配置し、これらのコイルアンテナを選択的に用いることができるようにしておくことも本発明方法として効果的である。
本発明によれば、成膜工程などによって基板の周縁部に付着した不要物をチャンバ内のプラズマの作用によって除去することができるから、基板を回転させながらその周縁部に処理液や研磨剤を供給し、あるいは研磨フィルムを押し当てて機械的に研磨除去する手法と比較して、簡便かつ効率的に作業を行うことができる。また、基板を一枚ずつ処理できることはもとより、チャンバ内に複数枚の基板を収容してこれらを一括処理することも可能で、処理対象となる基板としてはシリコンウェハーなどのようなディスク状をした基板だけでなく、液晶パネル用などの矩形状をした基板であってもよい。
半導体基板となるシリコン製のウェハーに、その厚み方向に延びたダマシン配線を形成する際に用いられる金属膜作成用の半導体製造装置の内部構造の概略を図1に平面的に示す。ワークとなるウェハーには、ダマシン配線の形成パターンに対応した一定深さの溝が形成され、密閉構造をもったカセット容器2に例えば25枚ずつ収納されている。カセット容器2はそれぞれ搬送室3に隣接したカセット台にセットされる。外気から空間的に遮断された搬送室3には、カセット容器2からウェハーを一枚ずつ取り出して搬送室3内でその長手方向に搬送する搬送機構5が設けられている。搬送機構5でカセット容器3から取り出されたウェハーは、搬送室3内の一端側に設けられた回転ステージ6にセットされ、以後に行われる処理に適した回転姿勢となるように調節された後、搬送機構5によってチャックされロード室7aに搬送される。
ロード室7aに搬入されたウェハーは、共通搬送室9内に設けられた多関節型のロボットアームを用いた搬送機構10により成膜処理モジュール12、ウェハー周縁部のエッチング処理モジュール14の順に搬送される。なお、搬送室3とロード室7a、さらにはロード室7aと共通搬送室9との連通部には互いに隣接する両室間を気密に遮断するゲートバルブが設けられ、ウェハーの搬送時にそれぞれの室内の真空度が極端に劣化することがないようにしてある。
また、成膜処理モジュール12、ウェハー周縁部のエッチング処理モジュール14と共通搬送室9との連通部にはゲートバルブが設けられ、ウェハーの搬入・搬出時に各チャンバ内のガス圧環境が大きく変動しないようにしてある。なお、これらのモジュール12,14は装置の高さ方向で位置が異なるが、搬送機構10は予め決められたプログラムにしたがって自動的に昇降してウェハーの搬送を行う。
成膜処理モジュール12は、例えば、薄膜原料を高温中で反応させて基板上に成膜するCVD装置が挙げられる。このようなCVD装置としては、例えば、有機金属を用いて成膜を行う有機金属化学気相蒸着法 (Metal Organic Chemical Vapor Deposition、MOCVD)が挙げられる。なお、成膜処理モジュール12としては、特許第3692326号公報で知られるような薄膜作製装置を採用することも可能である。この薄膜作製装置では、チャンバ内に被エッチング材料として銅板が設けられ、チャンバ内に生じた塩素ガスのプラズマによるエッチング作用によって銅板から前駆体(CuCl)を生成させ、この前駆体を還元反応により銅イオンにしてウェハーの表面に堆積させる。これによりウェハーの表面全体に銅の薄膜が積層され、ダマシン配線パターンに応じて予め形成された溝を埋めるように銅が堆積される。この成膜反応は次式で表されることが知られている。
2Cu+Cl → 2CuCl → 2Cu↓+Cl
成膜処理後のウェハー20は、概念的に図2に示すように、基板20の表面とそれに連なるベベル領域22に全体的に銅の薄膜が堆積している。ダマシン配線部21は、ウェハー20の表面に形成された溝内の部分だけであるため、表面全体を覆っている薄膜とベベル領域22に付着した薄膜とは不要物23,24となる。ウェハー表面の不要物23は、CMP装置(Chemical Mechanical Polishing)で効率的に除去することができる。
CMP装置は、ウェハー20の表面に積層された銅の薄膜をスラリーを併用して化学・機械的に平面的に研磨除去する装置で、ウェハー20の表面については溝内に堆積した銅だけをダマシン配線部21として残すことができるが、ベベル領域22は平坦な表面から傾斜しているため、ポリシング用のパッドを適切に押し当てることが困難で、ベベル領域22を含むウェハー20の周縁部に残存する不要物24については効果的に除去することができない。なお、上記のようなウェハープロセス技術が適用されるウェハー20に対しては、ベベル領域22と平坦な表面との境界から内側に例えば3mm程度のマージンdが決められ、このマージンdに含まれる領域は基板面として用いないようにしている。
図2に示すように成膜処理されたウェハー20は、搬送機構10により共通搬送室9を経て、ウェハー周縁部のエッチング処理モジュール14に搬送される。このエッチング処理モジュール14は、CMP装置では除去できないウェハー周縁部のブラウ物24を除去するためのもので、ここでまずウェハー20の周縁部に付着した不要24の除去処理が行われる。処理後のウェハーは搬送機構10により共通搬送室9、ロード室7bを経て、搬送室3内の搬送機構5によって所定のカセット容器2に戻される。カセット容器2は、さらにCMP装置(Chemical Mechanical Polishing)に搬送される。CMP装置では、カセット容器2からウェハー20が順次に取り出され、ウェハー20の表面に残存した不要物23の除去処理が行われる。こうしてダマシン配線部21だけが形成されたウェハー20が得られる。なお、様々なプロセスモジュール間でウェハーを自動搬送する技術は、例えば特開2006−165174号公報で公知である。
エッチング処理モジュール14は概念的に図3のように構成される。同図において、チャンバ30はそれぞれ絶縁性の円筒状の周壁30aと、周壁30aの上下端部を気密に塞ぐ隔壁となるトッププレート30b及びベースプレート30cとからなる。なお、チャンバ30内にワークとなるウェハー20を共通搬送室9から搬入し、搬出するための連通部及びゲートバルブについては図示を省略した。
ベースプレート30cには支柱によりサセプタ31が固定され、このサセプタ31の上にウェハー20が表面を上にして載置される。サセプタ31には冷却パイプ31aが通され、冷水の循環によりサセプタ31及びウェハー20が規定温度を越えないようにしている。ただし、ウェハー20の周縁部はサセプタ31の外側に突出して冷却パイプ31aによる冷却作用が及びにくいためウェハー20の周縁部は中央部よりも高温になる。結果的に、このように構成されたサセプタ31及び冷却パイプ31aは、ウェハー20の中央部よりも周縁部を高温にする温度制御手段としても作用する。
ベースプレート30cの中央部には、真空ポンプに接続された排気口32が設けられ、電磁バルブ32aの調節により単位時間あたりの排気量が調節できるようになっている。なお、製膜装置によっては、ウェハー20の裏面側にまで不要物が回り込んで付着することもあるが、図示のようにウェハー20の外径よりも小径のサセプタ31を使用することによって、周縁部を越えた裏面側外周縁までもエッチング処理を行うことができる。
周壁30aの適宜の個所、例えば外周を等分する8個所にエッチング用の処理ガスをチャンバ内に導入する導入ノズル33が設けられている。これらの導入ノズル33にも電磁バルブ33aが併設され、単位時間あたりの処理ガスの導入量を一斉に調節することができるようにしてある。なお、CuやTa等の金属膜のエッチング用の処理ガスとしては、例えば、塩素ガスが好適であり、本実施形態ではこの塩素ガスとアルゴンガスとの混合ガスが用いられ、その混合比は適宜に調節が可能である。
トッププレート30bにはコイルアンテナ35が設けられている。このコイルアンテナ35は1ターンのコイル形状を有し、そのループ形状はウェハー20の外形輪郭形状と一致している。また、コイルアンテナ35はプラズマ発生手段として用いられ、コイルアンテナ35に例えば13.5MHz程度の高周波電流を供給すると、処理ガスの導入下でチャンバ30内に誘導結合型のプラズマが発生する。なお、ウェハー20の周縁部の不要物を効率よく確実に除去するため、必要に応じてコイルアンテナ35を2ターン、あるいは3ターン等のコイル形状としてもよい。
処理ガスのプラズマPは、基本的にプラズマエネルギーが高いトッププレート近傍でドーナツ状の分布をもって生成される。図示のように、ディスク状の外形輪郭形状をもったウェハー20に対してはドーナツ状の分布をもつプラズマPを発生させるのが有利で、その意味では円形のループ形状をもつコイルアンテナ35自体、プラズマ発生手段であると同時にプラズマ分布制御手段にもなっている。このようにドーナッツ状の分布をもつプラズマPを発生させて、このプラズマPにウェハー20の周縁部を曝すことにより、ウェハー20の周縁部に付着している不要物だけを効率よく選択的に除去することができる。
プラズマPは、チャンバ30内のガス圧及び、コイルアンテナ35に供給される電力の調節により安定的に発生させることができるが、このドーナツ状のプラズマPに対してエッチング処理対象エリアとなるウェハー20の周縁部だけを効果的に曝すことができるように、サセプタ31はベローズ36aを含む昇降装置36によって上下方向に移動自在に支持されている。図示のように昇降装置36でサセプタ31の位置調整を行うことにより、ドーナツ状をしたプラズマPの下縁部分を利用してウェハー20の中央部をプラズマPに曝すことなくその周縁部だけをプラズマPに曝すことができるようになる。
ウェハー20の周縁部がプラズマPに曝されると、プラズマPで活性化された処理ガスのエッチング作用によりベベル領域22を含むウェハー20の周縁部に付着した不要物24(銅の薄膜)は前駆体(CuCl)の形になって除去され、処理ガスとともに排気口32を通してチャンバ30外に排気される。こうしてプラズマPとウェハー周縁部との相対位置を調整することによって、ウェハー20の周縁部だけをプラズマPに曝し、不要物の除去に要する時間の短縮化を図って、スループットを向上することができる。
上記エッチング処理モジュール14を用いることにより、成膜処理モジュール12で積層されたウェハー周縁部の不要物が、この金属膜作成装置による同じ工程内で効率的に除去することができる。しかも、不要物の除去にあたってはウェハー20をチャンバ30内で回転させずに済み、またスラリーその他の処理液を必要としないから、設備コストやランニングコストを低く抑えることができる。また、処理ガスとして成膜処理モジュール12で用いられている塩素ガスを利用することができるから、このようなモジュール化は構造的にも有利でコスト面での負担も軽減される。
ところで、チャンバ内におけるプラズマPの分布は、チャンバ30内の圧力、処理ガスの原子量及びチャンバ30内における密度分布の調節、さらにはチャンバ30内の温度調節などにより制御することができる。例えば、チャンバ30内における処理ガスの平均ガス圧を1.33Pa〜40.0Pa(10〜300mTorr)の範囲に保ち、排気速度を100〜3000l/sec、チャンバ30内の温度を250°C〜400°Cの範囲に保つことにより、前述のようにドーナツ状の分布で生成されたプラズマPを、ウェハー20の周縁部に向かって急峻に、すなわち図4に示すように排気口32側に向かって裾を引いたスカート状のものに調節することができる。なお、図4では図3と共通な部分については共通符号を付し、その詳細については説明を省略した。
このようなプラズマPの分布制御により、ウェハー20の周縁部がより局所的にプラズマに曝されるため、ウェハー20の周縁部以外へのプラズマダメージが抑えられ、ウェハー20の周縁部に付着した不要物をより確実に効率よく除去することが可能となる。プラズマPの分布自体を図4のようにスカート状に調節する場合には、必ずしも図3に示す昇降装置36は用いなくてもよいが、昇降装置36を併用すればプラズマPの分布状況に応じ、より効率的にウェハー20の周縁部だけをプラズマPに曝すような調節が可能となり、プラズマP自体の分布制御が容易になる利点もある。
また、チャンバ30の上部側の外周又は内部にヒータ34を設け、あるいは冷却パイプ31aあるいはサセプタ31よりも排気口32側に設けた別の冷却パイプなどにより、チャンバ30に上方から下方に向かって温度が低くなる温度勾配をもたせると、上方でドーナツ状に発生したプラズマPを下方に引き延ばし、かつ裾の部分で幅が狭くなるプロファイルに調整する上で有利である。ヒータ34は、耐プラズマ性の材料、例えば石英等で被覆したものを用いることにより、チャンバ30の上部側の内部に設置することも可能である。同様に、このようなプラズマ分布を作るうえでは、処理ガスをウェハー20の上方から導入してウェハー20の下方から排気するとともに、その排気速度を上述した100〜3000l/secの範囲にすることが有効となる。したがって、ウェハー20に対して上記のように配置された排気口32及び導入ノズル33と、そして排気速度を上記範囲に調整する電磁バルブ32a,33aとがチャンバ内のガス圧分布を適切に調整するガス圧制御手段として機能し、このガス圧制御手段はまたプラズマPの分布制御手段として作用する。また、ドーナツ状の分布を持つプラズマPを発生させる上では、チャンバの上部中央からガス導入を行う一方、チャンバの下部中央からガス排気を行うようにするのがより効果的である。
プラズマPを図4に示すように分布制御した場合には、その円環状の裾の部分にウェハー20の周縁部が曝される。このような分布をもったプラズマPによれば、図2に示すようにウェハー20の基板面21とベベル領域22との境界から基板面21側にマージンdが設定されていることからも、ダマシン配線部21が形成された基板面にプラズマPが達することはほとんどない。
なお、処理ガスの原子量が大きくなり過ぎたり、処理ガスの平均ガス圧が上記範囲の上限を越えたり、排気速度が上記範囲の下限を下回ったりするとプラズマPの分布制御がしにくくなる。逆に、処理ガスの原子量が小さすぎたり、平均ガス圧が上記下限を下回り、あるいは排気速度が上記範囲の上限を越えたりした場合には、プラブマPが必要以上に広がって希薄化され、局所的に十分なエネルギーを得ることが難しくなる。
さらに、処理ガスのプラズマを利用したウェハー周縁部のエッチング処理は、上述した銅あるいは、タンタル、アルミニウムなどの導電性金属膜のエッチングに限られない。ウェハープロセス中ではウェハーの表面に各種の絶縁膜を成膜することも多く、こうした絶縁膜もウェハーの周縁部に付着したままであると後工程で同様に悪影響が生じる。絶縁膜に対してはCFなどのフッ素系のガスが処理ガスとして効果的に用いることができるので、同様のエッチング処理モジュールを用い、そのチャンバ内にフッ素系の処理ガスを導入してプラズマを生成すれば、ウェハーの周縁部に付着した絶縁膜を不要物としてエッチング除去することができる。また、フォトリソグラフィではレジストとしてポリマーが用いられるが、このようなポリマーに対してはOガス又はこのOガスにフロンガスを混合した混合ガス等がエッチング用の処理ガスとして効果的に使用できるので、やはり同様のエッチング処理モジュールを利用して周縁部に付着したポリマーをエッチング除去することができる。
また、ウェハー周縁部にCu等の金属膜、この金属膜上にさらにポリマー等が付着している場合には、まず、処理ガスとしてOガスを用いて発生させた酸素プラズマによりポリマーの除去を行う。次いで、処理ガスとしてClガスを用いて発生させた塩素プラズマによりウェハー周縁部の金属膜を除去する。このような場合には、処理ガスの選択により、積層された不要物に対して、段階的な処理により確実に不要物を除去することが可能となる。さらに、このようにウェハー周縁部の金属膜やポリマー等を除去する場合、その後処理として、処理ガスとしてHガスを用いて水素プラズマを発生させ、この水素プラズマによりウェハー周縁部に残留する処理ガス成分(O又はCl)を除去するのが好ましい。これにより、ウェハー周縁部に対する不要物除去の処理に起因して付着する処理ガス成分を除去することが可能となり、このような処理ガス成分のウェハー周縁部への残留を確実に防止することができる。
なお、金属系の不要物に対してはClガス、ポリマー系の不要物に対しては酸素ガスを用いるのが好ましいが、このような処理ガスの種類等については、特にこれらに限定されず、例えば、ウェハーの周縁部に付着している不要物の成分に応じて、これらのガスを所定の比率で混合してもよいし、あるいは不要物を除去し易い別のガスを用いて処理を行うようにしてもよい。また、このようなウェハー周縁部への段階的な処理については、1つのチャンバでガス種を切り替えて実行してもよいし、あるいは複数のチャンバでそれぞれ異なる処理ガスを用いて実行してもよい。
こうしてウェハー20の周縁部に付着した不要物(銅の薄膜)を除去した後は、前述のようにそのウェハー20をCMP装置に導入してウェハー20の表面にダマシン配線部21だけが残るように処理すればよい。上述した実施形態では、成膜処理モジュール12で成膜したウェハー20をウェハー周縁部のエッチング処理モジュール14に搬送し、ウェハー20の周縁部に付着した不要物を除去してからCMP装置でウェハー表面の不要物23を除去するようにしたが、勿論これに限定されない。例えば、成膜処理後のウェハー20をCMP装置に導入し、ウェハー表面側のCMP処理を行った後で、本発明のエッチング処理モジュール14によって、CMP処理できなかったウェハー周縁部に残る不要物をエッチング処理により除去するようにしてもよい。なお、CMP装置が小型化され、あるいは簡易型のコンパクト化されたものが実現できるようになれば、これをモジュール化して図1に破線13で示すように半導体製造装置に組み込むこともでき、さらに製造効率を高めることが可能となる。
また、ウェハー20の表面に平面的な金属配線を所定パターンで形成した際には、CMP装置の代わりにウェハー20の表面からフォトレジストなどのマスキング層を除去するためのモジュールが用いられる。しかし、このようなモジュールを用いる場合でもベベル領域22をマスキング層で確実に覆っておくことが難しいため、同様にウェハー20の周縁部には不要物24が残存しやすい。したがって、このような半導体製造装置においても、不要物24をその工程内で除去できるように本発明を用いたエッチング処理モジュール14を用いるのが好適である。
図5に示す実施形態は、ウェハー20の周縁部に付着した不要物を複数枚のウェハーについて一括して除去するバッチ式のエッチング処理モジュールを示す。チャンバ30は、先の実施形態と同様に筒状の周壁30a、トッププレート30b、ベースプレート30cとからなり、周壁30aの適宜個所には処理ガス導入用の導入ノズル33が設けられ、またベースプレート30cには排気口32が設けられている。排気口32,導入ノズル33には電磁バルブ32a,33aが併設してあり、同様に単位時間あたりのガス導入量,ガス排気量を調節することができる。
サセプタ31には複数枚のウェハー20が収容される。このときウェハー20の相互間には、ウェハー20よりも小径のセラミック製のスペーサ40が挿入され、ウェハー20は厚み方向に互いに間隔を開けて層状に配列される。ウェハー20とスペーサ40とをこのように配列するには、多関節型のロボットアームを用いてチャンバ30内にそれぞれを順次に収容してゆくことで容易に自動化が可能である。
トッププレート30bに上面には、互いにループ径が異なる2本の単ループ型のコイルアンテナ42,43が設けられ、それぞれ個別の高周波電源に接続されている。図6に示すように、一方のコイルアンテナ42のループ径S1は12インチ、他方のコイルアンテナ43のループ径S2は8インチとなっており、これらのコイルアンテナ42,43はチャンバ30に収容されるウェハー20の外径に応じて選択使用される。
チャンバ30内のガス圧、排気速度などを調節し、コイルアンテナ42に高周波電流を供給すると、図4に示すように縦長の円筒状に延びた分布でプラズマPを生成することができる。このプラズマPは、チャンバ30内に層状に整列された外径12インチのウェハー20の周縁部を一体的に包み込み、ベベル領域を含む周縁部に付着した不要物は一斉にエッチング除去される。このような分布をもったプラズマPは、先の実施形態と比較して、処理ガスの原子量は小さく、チャンバ30内の処理ガスの平均ガス圧は低く、また処理ガスの導入速度及び排気速度は高める方向に調節することによって得やすくなる。
チャンバ30内に収容するウェハー20の外径が8インチである場合には、円筒状のプラズマPの径を小さくするためにコイルアンテナ43を使用すればよい。さらに外径が異なるウェハーにも対応できるようにするには、その外径に応じたループ径をもつコイルアンテナを増設しておけばよい。このような実施形態では、コイルアンテナ42,43のいずれを使用するかによってプラズマPの分布が変わることになるから、コイルアンテナの選択手段もプラズマ分布制御手段の一つとして作用することになる。なお、高周波電源をそれぞれのコイルアンテナごとに設ける代わりに、スイッチングにより一方のコイルアンテナだけに電流供給を行うことも可能である。
図7に示す実施形態では、チャンバ30の周壁30aの外側に一連のコイルアンテナ45を配設している。このエッチング処理モジュールもまたバッチ処理用のもので、サセプタ31にはウェハー20とスペーサ40とが交互に層状に整列して載置される。一連となったコイルアンテナ45に高周波電流を供給すると、図示のように周壁30aの内側に円筒状の分布をもつプラズマPが生成される。このプラズマPの径をチャンバ30内のガス環境や温度環境を調整することによって、層状に整列されたウェハー20の周縁部を一斉にエッチング処理することができる。この実施形態にあっては、コイルアンテナ45がプラズマ発生手段であると同時にプラズマ分布制御手段として機能する。
図8に示す実施形態では、チャンバ30の周壁30aに石英ガラスを用い、トッププレート30b,ベースプレート30cにはセラミックプレートを用いている。なお、これらのチャンバ材料としては、Alなどを用いることができる。周壁30aの外周を取り囲むように単ループ型の複数本のコイルアンテナ47が一定の配列ピッチを保って配設され、これらのコイルアンテナ47はスイッチング装置48を介して高周波電源に選択的に接続することができるようになっている。
チャンバ30内には、先の実施形態と同様、スペーサ40を併用することにより同じ外径のウェハー20が厚み方向に一定間隔を空けて層状に整列されている。チャンバ30内にウェハー20を収容するにあたっては、例えばベースプレート30cを昇降式にし、周壁30aの底部側から挿入する形をとることができる。ウェハー20の整列ピッチは複数本のコイルアンテナ47の配列ピッチに合わせてあり、したがってコイルアンテナ47の各々はウェハー20の外周縁に対しては同心円状の配列となる。処理ガスは、トッププレート30bに設けた導入ノズル33を通してチャンバ30内に供給され、ベースプレート30cに設けた排気口32から排気される。排気口32,導入ノズル33には電磁バルブ32a,33aが設けられ、単位時間あたりの処理ガスの導入量,排気量が調節できるようになっている。
チャンバ30内のガス圧条件を調節し、スイッチング装置48により最上部のコイルアンテナ47に高周波電流を供給すると、図示のように最上層のウェハー20の周縁部を包み込むドーナツ状のプラズマPが生じる。これにより、最上層のウェハー20の周縁部に付着した不要物をエッチング除去することができる。予め設定した所定の処理時間が経過した後、スイッチング装置48によって別のコイルアンテナ47を選択して高周波電流を供給すれば、選択されたコイルアンテナ47に対応する位置のウェハー20に対して同様のエッチング処理が行われる。すなわち、例えば、8インチサイズ、12インチサイズ等のウェハーに対して、コイルアンテナ47の切り替えにより、1つのチャンバで処理を行うことができる。
このようなエッチング処理は、コイルアンテナ47を一本にしてこのコイルアンテナ47を周壁30aの上下方向に移動させても実施することができるが、コイルアンテナ47を移動させる機構が必要となるので、上記のように機械的には静的な状態でコイルアンテナ47を電気的に選択する方が構造的には有利である。なお、チャンバ内のプラズマ分布はコイルアンテナ47のいずれを選択して高周波電流を供給するかによって決めるため、コイルアンテナ47を選択するスイッチング装置48がプラズマ分布制御手段の一つとなっている。
上記のように一枚のウェハー20に対してエッチング処理を行う間には、そのプラズマPの影響により、隣接するウェハー20の周縁部も加熱されることになる。そして、引き続き隣接するウェハー20に対してエッチング処理を行うとそのウェハーの周縁部がさらにプラズマPで加熱され、ウェハーがかなりの高温度に達してウェハーあるいはウェハー表面に形成した導電膜や絶縁膜に悪影響を及ぼすことが懸念される。これを防ぐには、エッチング処理対象となるウェハーが少なくとも2〜3枚おきになるようにスイッチング装置48で選択するコイルアンテナ47の順序を決めておけばよい。
また、一本のコイルアンテナ47を選択してプラズマを発生させたときに、ドーナツ状のプラズマによって2〜3枚のウェハーの周縁部が同時に包み込まれるようにウェハーの整列ピッチとコイルアンテナの配列ピッチとを決めておくことも可能である。さらに、単ループ型の複数本のコイルアンテナを用いる代わりに、一連となったコイルアンテナを周壁30aに巻き付けるように配設し、1ターン分ごとに高周波電流を流すことができるような回路構成を併用すれば、一本のコイルアンテナでも同様のエッチング処理を行うことが可能となる。
さらに図9及び図10に示す実施形態は、図4の実施形態に、LIF(Laser Induced Fluorescence:レーザー誘起蛍光)法によるエッチング監視装置を組み合わせたものである。LIF法は、レーザー光の照射を受けて励起された分子,原子,イオンなどが下位準位に戻るときに蛍光を発する現象を利用してこれらの存在を検出する手法である。ウェハーの周縁部から不要物が処理ガスのプラズマによってエッチング除去されている間には、ウェハーの周縁部近傍には不要物が解離した状態で存在しているから、その種類に応じた適切な波長のレーザー光をその周囲に照射すると蛍光を確認することができる。この蛍光をCCDカメラで撮影すれば、エッチング処理の進行状況をリアルタイムで観察することが可能となる。
図9において、チャンバ30の周壁30aに透明窓49a,49bが設けられ、透明窓49aからレーザー照射器50からレーザー光51がチャンバ内に照射される。レーザー照射器50は例えば半導体レーザーダイオードから放射されたレーザー光を、縦長の帯状に整形してウェハー20の表面を横切るように照射する。他方の窓49bにはレーザー光の吸収体52が設けられているため、チャンバ外にレーザー光が洩れ出ることはない。なお、吸収体52の変わりに受光器を用い、レーザー光のパワーを監視することもできる。
図10に示すように、紙面と垂直な方向に幅広なレーザー光51は、ウェハー20の周縁部を左右2箇所で横切るが、その近傍が監視エリアA1,A2となる。これらの監視エリアA1,A2が画角内に収まるように、CCDカメラ54によって撮影が行われる。なお、監視エリアA1,A2のいずれか一方だけを撮影するのであれば、もっと画角の狭いCCDカメラを用いることもでき、また監視エリアA1,A2の近くから個別のCCDカメラでそれぞれ撮影することも可能である。
エッチング処理が進行している過程では、レーザー光51が横切る監視エリアA1,A2内にもウェハー20の周縁部から除去された直後の不要物が解離状態で存在しているから、これらが排気口32方向に移動してレーザー光51の照射範囲から外れるまでの間、蛍光を発する。その発光の様子がCCDカメラ54でリアルタイムで撮影される。CCDカメラ54からの画像信号は信号処理装置55によって周知の画像信号処理が行われ、モニタ56に画像表示される。エッチング処理を開始した後、モニタ56で画像観察を行うと、開始の段階では発光が多く観察され、エッチング処理が進行してウェハー20から不要物が除去されると発光が観察されなくなる。したがって、モニタ56の画面上で発光が観察されなくなった時点でエッチング処理を完了すればよい。
なお、判定装置57を用いることによりエッチング処理が完了したことを自動的に識別することも可能である。判定装置57は、信号処理回路55からの画像信号を画像処理して一画面ごとに蛍光による発光量を数値化し、その変化を時間経過とともに監視する。そして、発光量が予め設定した閾値レベル以下になったときにエッチング処理の終了を報知する。こうして得られた報知信号に応答して例えばコイルアンテナへの給電を断つことにより、自動的にエッチング処理を終了させることができる。
また、前述のようにウェハー周縁部からエッチング除去される不要物の種類には、ポリマー,金属,絶縁物などがあるが、さらにエッチング用の処理ガスとして用いたOガスやClガスがウェハー20の周縁部に残留することがある。これらの不要物や残留ガスの種類によっては、そのエッチングの進行状況をLIF法で効果的に監視するにはレーザー光の波長を変更することが好ましい。例えば同一のチャンバ30内でウェハー20の周縁部に付着したポリマーを不要物としてOガスを用いたプラズマエッチングで除去した後、さらにCuを不要物としてClガスを用いたプラズマエッチングで除去し、さらに後処理としてウェハー20の周縁部に残存するOガスやClガス成分を水素ガスのプラズマで除去する場合には、それぞれのエッチング処理に応じてレーザー照射器50から放射されるレーザー光の波長を除去する不要物の種類に応じて変更するのがよい。さらに、不要物の種類に応じて発光波長が異なるので、CCDカメラ54でノイズを除去した高感度の撮影を行うには、不要物の発光波長を含む狭帯域の光を透過するフィルタを通してCCDカメラ54で撮影できるようにしておくことが効果的である。
以上、図示した実施形態をもとに本発明について説明してきたが、本発明を実施する上では、プラズマによりウェハーの周縁部を包み込むことができれば、ウェハーの表裏を逆にしてエッチング処理を行ってもよい。また、コイルアンテナをベースプレート側に設け、ベースプレート側から処理ガスを導入してトッププレート側から排気を行うようにしたり、円筒状のチャンバを横置き配置にすることも可能である。さらに本発明は、必ずしもベベル領域に付着した不要物の除去だけでなく、ウェハープロセス中の様々な局面で、例えばマージンdの領域に付着した不要物を除去する際にも等しく適用することができる。
半導体基板として多用されるシリコンウェハーのほとんどはディスク形状であり、上記実施形態ではこれを想定してドーナツ状あるいは円筒状の分布をもつプラズマを発生させやすいように、円筒状のチャンバや円形ループ状のコイルアンテナを利用しているが、誘導結合型のプラズマを発生させるには、例えばロッド状のアンテナなど、必ずしも円形ループ状のアンテナを用いなくてもよく、チャンバの形状も円筒状にしなくてもよい。例えばロッド状のアンテナを用いて基板の上方にプラズマを偏在させ、チャンバ内のガス圧制御とともにチャンバ内における処理ガスの流れを制御してプラズマの分布を円筒状に調節することも可能である。
このようなプラズマ分布制御手段としては、例えば処理ガスの排気口の位置をチャンバ周壁の複数個所に散在させたり、チャンバ内の処理ガスの流れが基板の周縁部に向かい、しかも流速が増すようにチャンバ内壁に輪帯状のフィンを設けたりするなどの手法を用いることができる。また、チャンバ内における温度勾配もまたプラズマ分布に影響を与えることから、ヒータや冷却パイプをチャンバ内の適宜の個所に増設することも有用な手段となる。さらには、上述した種々のプラズマ分布制御手段を組み合わせることによって、プラズマの分布を矩形状あるいは矩形筒状に調整することも原理的には可能である。したがって処理対象となる基板は必ずしもディスク状のものに限られず、例えば最終的には液晶パネルとなる液晶基板のように、外形輪郭形状が矩形状となっている基板に対しても本発明は適用することができる。
本発明を用いたエッチング処理モジュールを備えた金属膜作成装置の概略図である。 ウェハーの周縁部を示す概略断面図である。 本発明装置の第一実施形態を示す概略断面図である。 本発明の第二実施形態を示す概略断面図である。 本発明の第三実施形態を示す概略断面図である。 図5の実施形態で用いられるコイルアンテナの概念図である。 本発明の第四実施形態を示す概略断面図である。 本発明の第五実施形態を示す概略断面図である。 本発明の第六実施形態を示す概略断面図である。 図9に示す実施形態の概略水平断面図である。
符号の説明
14 エッチング処理モジュール
20 ウェハー
21 ダマシン配線部
22 ベベル領域
23,24 不要物
30 チャンバ
31 サセプタ
32 排気口
33 導入ノズル
32a,33a 電磁バルブ
35,42,43,45,47 コイルアンテナ
48 スイッチング装置
50 レーザー照射器
52 マスク
54 カメラ
55 信号処理装置
56 モニタ
57 判定装置
P プラズマ

Claims (15)

  1. 基板を収容するチャンバと、前記チャンバ内に供給された処理ガスをプラズマ化して前記チャンバ内にプラズマを発生させるプラズマ発生手段と、前記基板の中央部を除く周縁部が曝されるように前記プラズマの分布を制御するプラズマ分布制御手段とを備え、前記基板の周縁部に付着した不要物を前記プラズマによりエッチング除去することを特徴とする基板周縁部の不要物除去装置。
  2. 前記プラズマ分布制御手段は、前記チャンバ内における前記処理ガスの圧力を制御するガス圧制御手段を含むことを特徴とする請求項1記載の基板周縁部の不要物除去装置。
  3. 前記チャンバ内に前記処理ガスを供給するガス供給手段と前記チャンバ内から前記処理ガスを排気するガス排気手段は、前記基板の表裏面に互いに対向して設けられていることを特徴とする請求項1又は2のいずれか記載の基板周縁部の不要物除去装置。
  4. 前記プラズマ発生手段は、前記基板よりも前記ガス供給手段側に偏在して設けられたアンテナを含む誘導結合型のプラズマ発生手段であることを特徴とする請求項3記載の基板周縁部の不要物除去装置。
  5. 前記アンテナは、前記基板の外形輪郭形状に倣ったループ形状のコイルアンテナであることを特徴とする請求項4記載の基板周縁部の不要物除去装置。
  6. 前記コイルアンテナは、互いにループサイズが異なり、ループの中心が前記基板の中心と略一致するように配置された複数本のコイルアンテナで構成され、前記チャンバ内に収容された前記基板のサイズに応じて前記複数本のコイルアンテナのいずれかが選択して用いられることを特徴とする請求項5記載の基板周縁部の不要物除去装置。
  7. 前記チャンバ内に複数枚の基板が厚み方向に互いに間隔を開けて配列して支持されるとともに、前記コイルアンテナは各々の基板ごとにその周縁部を取り囲むように複数本設けられ、これらのコイルアンテナを順次に選択して用いることにより前記基板ごとにその周縁部が曝されるプラズマが発生されることを特徴とする請求項5記載の基板周縁部の不要物除去装置。
  8. 前記不要物のエッチング除去に処理ガスとして用いられ、前記基板の周縁部に残留した酸素ガス又は水素ガスの少なくともいずれかを、前記チャンバ内に水素ガスを導入してそのプラズマにより除去することを特徴とする請求項1〜7のいずれか記載の不要物除去装置。
  9. 前記基板の周縁部近傍にレーザー光を照射するレーザー照射手段と、前記基板の周縁部から離脱した不要物の解離物が前記レーザー光の照射を受けて発光する状態を撮影する撮像手段と、この撮像手段からの画像情報に基づいてエッチング処理の終了を確認する確認手段とを備えたことを特徴とする請求項1〜8のいずれか記載の基板周縁部の不要物除去装置。
  10. 前記チャンバ内に複数枚の基板が厚み方向に互いに間隔を開けて配列して支持され、前記プラズマ分布制御手段は、前記複数枚の基板の中央部を除く周縁部が一括して曝されるように前記プラズマの分布を制御することを特徴とする請求項1〜6のいずれか記載の基板周縁部の不要物除去装置。
  11. 基板上に所望の薄膜を形成する薄膜作製装置と、請求項1〜10のいずれか記載の基板周縁部の不要物除去装置と、前記薄膜作製装置から前記薄膜を形成した基板を前記不要物除去装置に搬送する基板搬送装置とを備えていることを特徴とする半導体製造装置。
  12. 基板をチャンバ内に収容し、前記チャンバ内に処理ガスを導入しながら排気して前記チャンバ内を所定範囲内のガス圧に維持するとともに誘導結合型のプラズマ発生手段により前記チャンバ内にプラズマを発生させ、前記基板の中央部を除く周縁部が曝されるように前記プラズマの分布を制御して前記基板の周縁部に付着した不要物を前記プラズマによりエッチング除去することを特徴とする基板周縁部の不要物除去方法。
  13. 前記チャンバ内に複数枚の基板を厚み方向に互いに間隔を開けて配列して支持し、前記複数枚の基板の中央部を除く周縁部が一括して曝されるように前記プラズマの分布を制御し、前記複数枚の基板の周縁部に付着した不要物を一括してエッチング除去することを特徴とする請求項12記載の基板周縁部の不要物除去方法。
  14. 前記チャンバ内に複数枚の基板を厚み方向に互いに間隔を開けて配列して支持し、各々の基板の中央部を除く周縁部が順次に曝されるように前記プラズマの分布を制御し、前記複数枚の基板の周縁部に付着した不要物を順次にエッチング除去することを特徴とする請求項12記載の基板周縁部の不要物除去方法。
  15. 前記誘導結合型のプラズマ発生手段は、互いにループサイズが異なるとともにループの中心が前記基板の中心と略一致して配置された複数本のコイルアンテナを含み、これらのコイルアンテナを選択的に用いることにより、前記チャンバ内に収容された前記基板のサイズに応じてプラズマ分布の切り替えが可能であることを特徴とする請求項12記載の基板周縁部の不要物除去方法。
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